【目次】 - CaN International

CaN International Group
News letter
創刊号
本ニュースレターは、CaN International Group の関係者の皆様に、各国における新規トピックス、CaN International Group の連絡事項等についてお知らせ
しております。掲載情報に関しまして、当社は細心の注意を払っておりますが、内容についていかなる表明・保証を行うものではありません。
【目次】
Ⅰ
最新の日系企業の各国動向
■ⅰ)
カシオ計算機、タイに現地法人「カシオマーケティングタイ」を設立 …P,2
■ⅱ)
伊藤忠商事、タイで最大級の財閥チャロン・ポカパン(CP)グループと資本・業務提携へ …P,2~3
■ⅲ)
ミネベア、プノンペン工場を 2 倍へ拡大 …P,3
■ⅳ)
消費関連企業の牽引により、インドネシア進出企業が 2 年で 1.4 倍に …P,4
今月の新興国ワード 『経済特別区(SEZ)』 ***新興国にまつわる基礎的キーワードを解説*** …P,4
Ⅱ
諸制度ハイライト
■ⅰ)
ベトナム:法人税税率 22%へ引き下げ、2016 年には更に 20%に …P,5
■ⅱ)
中国:会社法改正により会社設立手続き簡略化、株主負担軽減へ …P,5~6
Ⅲ
出張レポート 第 1 回ミャンマー
■ⅰ)
「同国最大の都市、ヤンゴンを訪ねて」国際税務担当 山岡 靖 …P,6~7
■ⅱ)
ミャンマー、年内の外資規制撤廃へ向けてー投資環境とその手続きー …P,7~8
■ⅲ)
日・ミャンマー投資協定、同国初の本格的投資自由化協定ついに運用開始へ …P,8
Ⅳ
CaN よりお知らせ
■ⅰ)9 月 19 日(金)開催、税務セミナーのお知らせ …P,8
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代表挨拶
ニュースレター創刊にあたって
日頃より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。2012 年 12 月の CaN International Group の設立から、早いも
ので 1 年半が経ちました。この間、企業や人の成長ステージを海外に求める傾向が急激に加速していることを CaN
International Group での仕事を通じて実感しております。グローバルベースでのボーダレス化が進む中、積極的な海
外戦略は今後の企業の成長のために不可欠です。一方、海外進出にあたっては海外特有の経営・税務・法律・会計上の
種々のリスクが存在します。このような各種リスクを低減し、クライアント企業の本来の強みが国内外でいかんなく発
揮できるように CaN International Group のサポート体制も益々強固なものにしていきたいと考えております。急速に
変遷するグローバル時代を共に生き抜いていくため、CaN International Group はみなさまの企業活動の一助となれ
れば幸いです。
CaN International Group 代表
大久保 昭平
Ⅰ 最新の各国動向
■ⅰ)
カシオ計算機、タイに現地法人「カシオマーケティングタイ」を設立
カシオ計算機は 7 月 28 日、タイのバンコクに現地法人「カシオマーケティングタイ」を設立し 9 月 1 日より営業を開
始することを発表した。約 6 億人の人口を抱える巨大市場 ASEAN での売り上げ拡大を目指す。
同社は、2001 年のシンガポール販社設立以降、2011 年にインドネシア駐在事務所、2014 年にマレーシア販社と営業
拠点を拡充してきており、今回で ASEAN 地域内 4 つ目の営業拠点となる。今回新たに販社を設立したタイにおいては、
1970 年代より販売代理店を通じた商品展開を行っている。特に時計では「G-SHOCK」を中心に人気を集め、近年順調
に売上を拡大してきた。同社は、代理店との協力関係をこれまで以上に強化し、地域に密着したマーケティング活動
を行うことで、2015 年度の売上 50 億円を目指している。
同社では、シンガポール販社が ASEAN 地域の販売・物流統括業務を行っており、ASEAN 地域において 2015 年度の売
上として 300 億円を計画している。今回のケースは、シンガポールを統括拠点としたASEAN マーケットの開拓のモデル
ケースともいえるため、ASEAN 開拓を志す企業は是非参考にしていただきたい事例である。
■ⅱ)
伊藤忠商事、タイで最大級の財閥チャロン・ポカパン(CP)グループと資本・業務提携へ
伊藤忠商事は 7 月 24 日、タイ最大級の財閥チャロン・ポカパン(CP)グループとの資本・業務提携を実施すると発表
した。同社が実施する 1024 億円の第三者割当増資をCPグループが引き受け、一方で同社はCPのグループ企業に約
870 億円を出資、株式の 25%を取得し、株式を相互に持ち合う。
今回、提携先となったCPグループはタイ最大級の財閥グループであり、経営するチャラワノン一族は中国から渡っ
てきた華人が先祖である。実際に、中国にも正大集団の名前で進出しており、養鶏場、食肉事業やショッピングセンタ
ーを展開している。
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CPグループのように、資産規模で各国の1、2
位を争うような東南アジアの有力財閥の殆どが、
華人によって経営されている。華人財閥の強み
はそのグローバルなネットワークだ。東南アジア
各地に散らばる華人、中国の企業関係者と繋が
っており、各財閥とも食品、流通、金融、不動産
などに強い。最近はアジア中間層の成長によっ
図1)東南アジアの主な華人グループ企業
国名
グループ名
主な事業
タイ
CP
食品、コンビニ、通信
インドネシア
サリム
食品、ファーストフード、自動車販売
マレーシア
ホリョン
銀行、不動産、ホテル
フィリピン
SM
小売り、銀行、不動産
て、消費関連に強い華人企業に有利な状況となっている。
注)日本経済新聞より CaN International Group 作成
今回、同社はこうした華人財閥と手を組み、東南アジア商戦に攻勢をかける。アジアの財閥と深い関係を構築して
いる商社はほかにもあるが、同社とCPのように株式の持ち合いにまで踏み込んだ例は珍しい。同社が持ち合いに踏
み込んだのには理由がある。「これまで様々な提携をしてきたが、資本のやり取りがなかったために、あまり成果が上
がらなかった。」同社の専務はこのように述べていた。同社は過去に、事業パートナーシップの強化のために中国食
品・流通最大手である頂新グループの持株会社に出資を行ったことがある。しかし、株式を持ち合うことはなく、本連
携からは、狙いどおりの成果が出せていなかったと思われる。
同社の第三者割当増資を引き受けるのは、CPの投資子会社と、CPと日本政策投資銀行が折半出資でつくる投資
組合である。それぞれ約 4.0%、約 0.9%ずつ出資し、CPグループは同社の事実上の筆頭株主となる。一方で、同社
はCPグループの中核企業で食糧事業を手掛けるCPフーズの子会社株式を取得する。株式を持ち合うことで意思決
定を加速させ、持株会社ではなく実際に事業を行っている孫会社への出資を行うことで直接的に事業に関与してい
く狙いだ。
同社は今月に入り、CPグループと共同でミャンマー、インドの市場を開拓していく考えを明らかにしている。「非資
源分野で商社トップを目指す」と同社の岡藤正広社長は言う。資源価格の変動に影響されにくい安定した収益体質を
強固なものにしていくべく、同社は成長するアジア市場の需要を取り込む。CPグループのサラシン・ウィーラポン副社
長も、今後について「急速に国外事業の比率を高める」と述べており、今後、両社が協同でアジア市場を開拓していく
にあたり、提携効果をいかに発揮していくことができるかが鍵となっている。
■ⅲ)
ミネベア、プノンペン工場を 2 倍へ拡大
オフィス電子機器や家庭用電化製品用の精密部品を手掛けるミネベアは、2015 年2月までにカンボジア工場の能
力を2倍の月産2千万個に引き上げる。プノンペン郊外の工場に、発光ダイオード(LED)や液晶に光を当てる「バック
ライト」を組みたてるラインや製品の検査装置を増設し、他のラインと合わせて6千人ほどいる従業員も4割程度増や
す計画だ。
同社はこの液晶パネルの「バックライト」の生産再編に 50 億円を投じて東南アジア内分業を進めている。東南アジ
アのなかでも比較的人件費の高いタイや中国では自動化に向く部品の生産を、人件費は安いが電力が割高なカンボ
ジアではより人手がかかる作業を集約していく。プノンペンの製造業労働者の賃金は月額 101 ドル(約1万 200 円、2013
年度日本貿易振興機構調査)で中国やタイの3分の1程度の水準となり、グローバルなコスト競争を勝ち抜くうえで東
南アジア内でも効率的な生産体制をひくことの重要性が増している。
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■ⅳ)
消費関連企業の牽引により、インドネシア進出企業が 2 年で 1.4 倍に
帝国データバンクは 6 月 19 日、インドネシアに進出している日本企業数が 1763 社と判明したと発表した。2012 年 3
月の調査に比べて 39.3%増え、2 年で約 1.4 倍に増加したことになる。インドネシアはこれまで人件費の安さから生産
拠点として進出する企業が多かったが、今回の調査ではサービス
図2)業種別、進出企業の調査結果
業や卸売業の増加が目立った。近年の経済成長で同国の中間層
が増加し、消費市場としての魅力も増す同国の姿が浮き彫りと
業種別
社数
なった。
構成比
前回調査比
(%)
(%)
建設業
78
4.4
32.2
い伸びを記録。その後、進出企業数が最も少ない不動産業を除
製造業
932
52.9
34.7
くと、卸売業(44%増)、小売業(35%増)、製造業(34.7%増)と続
卸売業
396
22.5
44.0
いた。年商規模別では「100 億円以上 1000 億円未満」の中堅企
小売業
27
1.5
35.0
業が 73%増の 597 社と大幅に増加。従来から進出が多い自動車
運輸・通信業
81
4.6
28.6
関連などの機械部品メーカー・卸に加え、飲食店チェーン店など
サービス業
144
8.2
65.5
の消費関連企業も目立った。
不動産業
11
0.6
57.1
その他
94
5.3
49.2
合計
1,763
100.0
39.3
業種別の増加率ではサービス業が 65.5%増の 144 社と最も高
同社はインドネシアについて「今後も日本企業の同国への進
出は続き、大手企業に付随するかたちで中小規模企業の進出も
一層増加していく」との見解を示している。約 2 億 5000 万人の
注)帝国データバンク調査より CaN International Group 作成
豊富な人口を抱える同国の動向には今後も注目していきたいものである。
今月の新興国ワード ******新興国にまつわる基礎的キーワードを解説*******
本コーナーでは、新興国を理解するための基礎ワードについて実例を踏まえて
解説していきます。さて今回のキーワードは ・・・?
経済特別区(SEZ)
外国企業の誘致や産業振興を促し、経済成長を目指すために設置される、規制や税制を優遇する工業団地。
Special Economic Zone の頭文字をとり、SEZ と略される。SEZ では一般に、法人税や輸出入関税などを一定期間免除
したり、電気、水道といったインフラを整備して進出企業が生産活動に集中できる環境を整備したりすることが多い。
1970 年代後半以降、深圳など各地に SEZ を設置して改革開放を進めた中国のみならず、近年は東南アジアで SEZ
を整備する動きがみられる。カンボジアのプノンペン経済特別区には味の素、ミネベア、シアヌークビル港経済特別区
には王子製紙、ラオスの経済特別区にはニコンがそれぞれ進出している。ミャンマーのティラワ経済特別区は 2015 年
半ばの稼働を目指して、官民連合のかたちで丸紅、三菱商事、住友商事が開発中だ。各国の経済特別区で企業誘致競
争が過熱している。
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Ⅱ 諸制度ハイライト
■ⅰ) ベトナム:法人税税率 22%へ引き下げ、2016 年には更に 20%に
ベトナムでは、2014 年 1 月 1 日より法人税の税率
が 25%から 22%に引き下げられた。(2013 年 6 月
19 日公布)。これによりアジアでは香港(16.5%)、
シンガポール(17%)、タイ(20%)に次いで低い法
人税率が適用され、新規進出企業にとっては税務
上の十分な魅力となると思われる。また、2016 年 1
月 1 日からは、更に 2%低い 20%への引き下げが
予定されており、ベトナム国内経済の回復に貢献
されることが予想される。ただし、経済特区、社会
的・経済的に困難な地域、ハイテクパークに進出す
る企業、売上高 200 億ドン(約 1 億円、1 ドン=約
0.005 円)を超えない企業などは、別途定められた
優遇税制の恩典を受ける。
また、最近になって税務総局や各地方の税務局
注)2014 年 6 月現在 CaN International Group 調べ
による税務調査の件数が増えているという声もあ
り、法人税引き下げによる税減収を補完するため、税務調査体制の強化が懸念されている状況で、会計事務所等を利
用した適切な対応が望まれる。
■ⅱ)
中国:会社法改正により会社設立手続き簡略化、株主負担軽減へ
中国における会社法が 2013 年 12 月に改正され、2014 年 3 月 1 日より施行された。今回の改正によって、いままで
一部の特区で実施されてきた特例が中国全土へと適用されることとなり、会社設立手続きの簡略化、株主負担の軽
減による会社設立の促進が期待されている。ただし、前回の 2005 年の抜本的かつ全面的な会社法改正とは異なり、
今回は出資や資本金などの限定的な分野に対する改正となる。主な改正内容としては以下の通り。
中国会社法改正のポイント(2014 年 3 月 1 日より施行)
① 会社設立における資本金条件の緩和
従来は、会社設立の際には最低登録資本制度が設けられており、有限責任会社は 3 万元(1 元約 17 円、2014 年 8
月現在)、一人有限責任会社は 10 万元、株式会社は 500 万元と規定されていたが、これらの最低資本金の規制を
原則撤廃している。更に、最低 30%は現金で出資しなければならないという規定は廃止され、実質的に出資者が
現物出資の比率を自由に設計できることとなった。
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② 資本金の払込登記制度から引受登記制度への転換
現行法では、出資者は初回に 20%以上出資し、会社成立の日から 2 年以内に全額を払い込まなければならなか
ったが、改正法では、出資額、出資期限は出資者自らが決め、定款に記載できるようになった。
③ 登記手続きの簡略化
改正法では出資者の出資額は非登記事項となり、中国の公認会計士による会社設立時の資本金払い込み証明は
不要となった。
もっとも、外資企業が中国に進出する際は、会社法の他に、特別法として「外資企業法」、「中外合資経営企業法」、
「中外合作経営企業法」のいわゆる「外資三法」が存在し、別途参照する必要がある。同国の諸制度の複雑性は依然
として存在しており、今後の諸制度整備について留意されたい。
Ⅲ 出張レポート第 1 回 ミャンマー
■ⅰ) 「同国最大の都市、ヤンゴンを訪ねて」
国際税務担当
山岡 靖
7 月に、近年東南アジアにおいて、タイ等に代わりうる新たな投資の受け皿として注目されるミャンマーに出張する
機会がありましたので、出張レポートとして簡潔に現地状況をお伝えさせていただきます。ミャンマーは、2011 年 3 月
のテイン・セイン大統領の就任以降、経済面における規制改革、市場開放に向けた取り組みを進めており、日本企業の
進出数も大きく増加しています。
今回私が訪れたヤンゴンは人口 700 万ともいわれ、ビジネス拠点が集中する同国最大の経済都市です。雨季とい
うこともあり、滞在期間中は天候に恵まれませんでしたが、市内は活気に溢れていました。
しかし、電力事情については恒常的な電力不足の状態が続いています。私が滞在した 3 日間でも停電が 8 回発生し
ました。インターネット環境に関しては近年非常に改善が進んでおり、ホテルのみならず、コーヒーショップなど、街中
にもごく少数ですが無料WiFiスポットを見つけることが出来ました。しかし、非常に通信速度が遅いうえに、停電中は
全く使用することが出来ません。政府が優先課題として電力環境向上に力を入れ、外国投資の 4 割以上を電力が占
めていることは十分に納得させられました。
また、同国では今年 4 月より国家公務員の賃金に対し、月約 7 万 5000 チャット(約 7,700 円、2014 年 7 月現在)の最
低賃金保障を定めたものの、ヤンゴンの中心部から 1 時間程度車で郊外に走ると、窓の無い 7~8 畳の掘立小屋に 10
人以上の家族が住む世帯が多く見受けられます。現地で得た情報によると、これらの世帯の多くは近隣の工業団地
の工場で勤務するワーカーとその家族とのことでした。月間の収入額が 3 万チャット(約 3,100 円、2014 年 7 月現在)
に満たない世帯もあるとのことで、まだまだ国民所得が低いことを実感しました。
不十分なインフラ整備や不透明な法制度、低い国民所得など、依然としてミャンマーでは外資企業が投資を行う
にあたっての様々なハードルが存在しますが、急ピッチでその改善は進んでおり、今後もその動向を注視していきた
いと思います。
2014 年 7 月 28 日
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≪ミャンマー概況≫
人口
約 6,367 万人(2012 年、IMF 推定値)
国土
面積は 68 万㎢(日本の約 1.8 倍、タイと同程度)。インド、中国、
ラオス、タイ、バングラデシュの 5 ヵ国と接している。
首都
ネーピードー
時差
2 時間 30 分(日本との時差)
気候
熱帯性気候又は亜熱帯性気候。
★
5 月~10 月雨期、1 月~4 月乾期。
民族
ビルマ族が約 70%を占める。国民のうち約 9 割が仏教徒。
※写真は左から、約 2500 年前に建設されたヤンゴン中心部に位置する寺院、シュエダゴン・パゴダ。右はヤンゴンの街並み。
■ⅱ)
ミャンマー、年内の外資規制撤廃へ向けてー投資環境とその手続きー
ミャンマーは年内にも流通業の外資規制を撤廃する方針だ。小売業、卸売業、貿易業、倉庫業の規制撤廃に踏み切
り、小売業出店、輸入品販売を自由化する。進出企業にとってはサプライチェーンの構築がカギとなる。同国では港湾
設備や倉庫設備などのインフラが未整備で、特に冷蔵物流などは厄介だ。地元企業の外資に対する反発の動きから
規制撤廃の遅れが懸念されるが、イオン、ローソンは同国への進出を検討している。
同国では新政権発足後、諸外国の投資熱が一気に過熱した状態となっているが、実際の投資フロー、投資環境につ
いては今まで大変不明瞭なものであった。不名誉にも、世界銀行が 2013 年に発表した「ビジネス環境の現状(Doing
Business)」の「Economy Ranking」にて 189 ヵ国中 182 位となっている。(独)国際貿易機構(JETRO)の調査では、ミャン
マー投資委員会(MIC)に申請書を提出後、数か月間何の連絡もないケースや「MIC の投資認可を得るためには多額の
出資が必要」という噂が広がるケースなどが確認された。そんな中、2014 年 1 月、MIC は外国投資家による同国への
投資手続きの流れを明らかにした。同通達は具体的かつ踏み込んだ内容となっている。公表された MIC への申請手続
きは以下の通り。
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≪申請手続きフロー≫
① 投資家または設立者(founder)が指定の申請書に記入。
② 申請書をネーピードーの MIC 事務所、あるいはヤンゴン支局に提出。
③ 提出された申請書は MIC スタッフにより精査された後、毎月ネーピードーで開催される投資検討チーム
(PAT:Proposal Assessment Team)会議において議論される。
④ PAT 会議後、MIC より申請の可否の連絡を受ける。
⑤ 受理された場合、関係する各州管区政府、各省庁より MIC に見解が示される。
⑥ その後、投資者や設立者も含めた会議が MIC にて実施される。
⑦ 最終的に会議での合意を得た時点で、投資家または設立者に承認が与えられる。
※全ての申請者は、サービス料やその他経費を請求されることはない。
■ⅲ)
日・ミャンマー投資協定、同国初の本格的投資自由化協定ついに運用開始へ
昨年 12 月に署名された「投資の相互の自由化、促進及び保護に関する日本国政府とミャンマー連邦共和国政府と
の間の協定」(通称:日・ミャンマー投資協定)について、その効力がいよいよ 8 月 7 日より発生する。本協定の内容に
ついては、契約の順守義務、資金移転の自由、投資保護、紛争の解決、政府介入の禁止など、投資活動にまつわる基
礎的内容が盛り込まれており、同国にとって初の本格的な投資自由化協定となり、両国間の投資が促進、経済関係の
一層の緊密化が期待されている。
ミャンマーはまだ賃金水準も低く(一般工職約 71USD/1 ヶ月。タイの約 5 分の 1)、天然資源も豊富なうえ、約 6300
万人(タイと同程度)の豊富な人口を誇る。更に、中国とインドに接しており、その地政学的重要性も非常に高いと言え
る。もちろん、政治的リスク、未整備な法制度、脆弱な社会的インフラ等、考慮するべき事項も多岐にわたることは事
実だが、アジア最後のフロンティアの呼び声高いミャンマーの動向を今後も注視してきたいものだ。
Ⅳ
CaN よりお知らせ
■ⅰ)9 月 19 日(金)開催、税務セミナーのお知らせ
クロスボーダー無形資産取引の税務 ~移転価格税制、外国子会社合算税制、ロイヤルティ、消費税等の実務~
日時: 平成26年9月19日(金)午前9時30分~12時30分
会場: 金融財務研究会本社 グリンヒルビル セミナールーム(東京都中央区日本橋茅場町 1-10-8)
受講費: 34,900円(お二人目から29,000円)(消費税、参考資料を含む)
講師 山岡 靖(やまおかおさむ)
CaN International Advisory 株式会社
講師 藤田 諒(ふじたりょう)
CaN International 税理士法人 パートナー税理士
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Our Services
クロスボーダーに係るコンサルティング業務
1.海外進出コンサルティング
2.クロスボーダーM&A コンサルティング
4.地域統括拠点コンサルティング
5.海外コンプライアンス業務
3.国際税務コンサルティング
大久保 昭平
CaN International Group 代表
公認会計士/税理士
立命館大学卒業、早稲田大学大学院修士課程修了(ファイナンス)。2003 年、新日本監査法人(現新日本有限責任監査法人)入所。監
査業務、コンサルティング業務経験の後、2010 年、シンガポールにて SCS Global Group に参画。2011 年、SCS Global Financial Advisory
Pte. Ltd.設立、代表取締役就任。クロスボーダーM&A、シンガポール IPO、国際税務、海外進出、事業戦略等に係るコンサルティングを
行う。2012 年、日本に帰国し CaN International Group 設立、代表に就任。
清水 厚
CaN Accounting Advisory(株) 代表
公認会計士/公認内部監査人
一橋大学商学部経営学科卒業。監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)、Deloitte & Touche LLP トロント事務所駐在を経
て、株式会社清水国際経営研究所を設立、代表取締役に就任。2013 年 5 月 CaN International に参画、ダイレクターに就任。
星野 海
CaN International China 代表
公認会計士/社団法人日本証券アナリスト協会検定会員
東京大学文学部歴史文化学科卒業。三井物産、KPMG、シンガポールでの資産運用会社設立、NAC 名南を経て、2013 年 CaN
International グループに参画、中国を中心に星海財務コンサルティング集団を設立し、執行董事・総経理に就任。
安藤 崇
CaN International Vietnam 代表
南山大学法学部卒業。一般事業会社、NAC 国際会計グループなどを経て、日系企業のベトナム進出プロジェクトにて現地法人の設立
及び立ち上げ業務を経験。その後、NAC 国際会計 Group の現地法人代表としてベトナム事業の立ち上げを行う。2014 年、CaN
International のベトナム拠点代表として各種コンサルティング業務に従事。
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