視聴覚教育部会 1 研究主題 教育機器を利用した効果的な教育方法の

視聴覚教育部会
1
研究主題
教育機器を利用した効果的な教育方法の研究
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研究活動の経過
全体部会
5月12日
研究主題、研究組織、研究計画の決定
全体研修会
10月4日
NHK名古屋放送局アナウンス部部長
加藤氏による
講習会
全体会
2月22日
部員各自の研究発表と鈴木和明氏(栗真小)による
パソコンを使ったビデオ編集の実技講習会
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研究の内容
(1)主題設定の理由
気にもとめていない変化を見たり、もののあるいは人の意外な1面を見たり
視聴覚教材は百万の言葉に勝る。そして視聴覚機器も多種類にわたり、一人
一人がそれらを全部体験するのは不可能で、部員がそれぞれ出会える機器を利
用した指導方法を見つけ、それを部員で還元していこうと考えた。
(2)研究方法
自分でビデオ教材を制作したり、新しい視聴覚機器を試してみる。
(3)研究成果
視聴覚機器を利用すると児童・生徒の集中力が違うという結果がある。特に
自作のビデオに関しては、 無編集の映像を流しているときは、生徒は雑談のし
まくりであった。映像そのものも、撮影の基礎を学んでいない人物が撮ったた
め、非常に見づらく、視聴者を飽きさせるものであった。編集した映像が始ま
ったとたんに、私語が修まり、画面を食い入るように見つめていた。撮影した
映像は編集しないと正直にいって使い物にならない、ということが伺える。
(4)今後の課題
指導者が機器の扱いに熟練することだと思われるが、その機器を指導者個人
の自己負担に頼っている現状は問題だ。
資料
1
1.研究主題
研究機器を利用した効果的な指導方法のあり方の研究
2.主題設定の理由
様々な教育機器を効果的に使用することによって、子どもたちにより分かりや
すく教材を提示することができる。このことは、子どもたちが自分たちの調べた
ことを相手に分かりやすく発表するときも同様であると思われる。
本校・本学年では、本年度「総合的な学習の時間」において自分たちの調べた
内容をより分かりやすく発表させるために、様々な機器を使用させることにした。
3.取り組み
調べに行く前に、自分たちの調べたい内容は、どんな機器を使えば分かりやす
く発表できるか、それぞれのグループで検討させた。全グループが機器を使った
わけではないが、 OHP 、OHC、ビューパ、デジカメ、ビデオをそれぞれ使うこ
とに
なった。中間発表を取り入れ、自分たちの発表を行った。その結果、自分た
ちにと
って,この方法でよかったか検討を加えた上で、学年の発表に臨んだ。
4.成果
デジタルカメラで病院の中のバリアフリーを撮影してきた子どもは、映像をテ
レビに映し出して、発表に使った。デジタルカメラを使うとフィルム現像に出す
必要もなく、テレビと接続するだけで、操作に慣れれば素早く説明や発表に使う
こ
とができた。
OHC やビューパ等の実物投影機を使った子どもは、点字を打つ機械や点字図
書館等を撮影した写真や発表用にまとめた原稿をテレビに映し出して、発表に使
た。子どもたちの感想は、
「 みんなにいちいち見せて回るより、簡単で良かっ
字など大きく見えて発表しやすかった 」
「後ろの席に座っている子にも見
良かった」等と、模造紙に書いて発表するより効果的に相手に伝えるこ
っ
た」
「文
やすくて
とができた
と考えられる。
OHP で調査したグラフを映し出した子ども、学習した手話を披露するのにビ
デオに録画した音楽映像を使った子どももいた。視覚にうったえる映像は、興味
深
く発表を聞くことができた。
発表形態の多様化は学習方法の広がりを生むことができた。調べたこと、聞き
取りをしたこと、体験をしたこと等をより分かりやすく発表できるように工夫す
ることは、自分自身の課題と見通しを持って学習を深めることができた。今後、
合学習だけでなく、他の教科でも視聴覚機器を利用して、学習成果を上げたい。
語の時間に、物語の挿絵を自分で描いて OHP を使って、物語の大事なこと
総
「国
をより深
く理解したい」と、いう子どもの願いに応えられるように。
5.今後の課題
高価な視聴覚機器など鍵のかかった部屋に保管されており、自由に子どもが使
えないこともある。パソコンなども含め様々な教育機器を効率的に活用できる学
校全体の施設設備について考える必要がある。
わたしたち教職員が視聴覚機器を使いこなせて、子どもたちの学習に生かせる
ように指導できる力量を付けることが必要である。
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テーマ「視聴覚機器を利用するときに気をつけていること」
現在教育現場では、様々な視聴覚機器が利用されている。しかし、それぞれの機器の
特性など考えて利用しないと、期待した効果を得ることができないことがある。そこで、
私が視聴覚機器を利用するときに心がけていることを紹介することで、視聴覚機器の効
果的な活用方法を考える一つのきっかけにしたいと思う。
1.OHP(オーバーヘッド・プロジェクタ)
以前はどこの学校にもたくさんありよく活用されていたが、現在はあまり姿を見かけ
なくなってきているのがこのOHPであるが、私はけっこう愛用している。
その理由としては、何といっても準備が簡単なことが挙げられる。シートとペンがあ
れば、誰でも簡単に利用することができる。これは、生徒がプレゼンテーションを行う
ときに特に有用である。パソコンなどのプレゼンテーションツールを覚えるまでの労力
を考えると、簡単にペンで書かせるだけのこの方法の方がよりプレゼンの内容に集中で
きるし、レイアウト・色づかいなども思った通りに簡単にできる。
生徒の意識を1点に集中したいとき、理科の実験方法などをしばらく表示しておきた
いとき、複数のデータやグラフを重ねて比較したいときなどとくに効果的であると考え
て利用している。
その他にも学習指導の場面ではないが、下絵を拡大して大きな紙に書きたいときなど
でも、OHPをよく利用している。コピー機を通すことのできるシートも販売されてお
り、学級旗の作成や垂れ幕など大きな文字を書きたいときに利用している。
2.ビデオ
動きのあるものを見せるのならば、やはりビデオを利用することが一番であろう。以
前はNHKの教育テレビがミニ授業のような番組を放送しており、それを録画しておい
て授業の中でまるごと見せることが多かった。しかしそれでは、こちらが考えている授
業の流れに必ずしも一致しないこともあり、やがて私は、番組の中身を自分で編集して
利用するようになった。編集といっても、見せたくない部分をカットしてつなぎ合わせ
るだけなのだが、これでもけっこう使いやすいものになる。
教育テレビばかりでなく、一般に放送されている番組で内容のすばらしいものがある
と録画しておき、それをつなぎ合わせて授業に利用するだけでも、生徒の興味をより引
きつけたり、具体的に考える手がかりになったりしてとても役に立っている。
ただ、授業で1時間中ビデオを見せっぱなしでは、効果的に利用しているとはいえな
いと考えている。子供が集中して見て、なおかつ内容を全体として把握することができ
るのはせいぜい15分以内ではないかと思う。私がビデオを使うときには、本当にビデ
オで見せたいものだけを短時間見せ、その内容をもとにして考えていったり、授業の内
容を深めていく場面で利用することにしている。
さらに使いやすい内容となるとあとは自作するしかない。本部会でもビデを教材の作
成を部会全体のテーマにして研究をしてきているが、私の場合は時間的な余裕がなく、
授業で使うビデオの自作は行えていない。ただ、実験のようすを記録として収録してお
き次回の授業でそれを見ながら考えていくことや、昨年報告したように部活動でのフォ
ームチェックなどに自分で撮影したビデオを利用することなど、ビデオもいろいろな活
用方法があるように思う。
3.パソコン
最近の視聴覚教育の研究会の報告を見ていても、パソコンを活用した指導のレポート
が多くなってきている。本研究会では情報教育部会があるので、私はあえてパソコン以
外の機器を利用した指導のレポートを今まで行ってきていたが、実際はパソコンを活用
する機会もたくさんある。
生徒たちはともすると、パソコン(特にインターネット)さえあれば何でもできると
思いこんでいることが多い。しかし実際インターネットを使って調べ学習などをすると
あまりにも膨大な情報の中に埋もれてしまい、目的のことを調べるのにかえって手間取
ってしまうことも多い。インターネットで検索する場合、検索エンジンに何というキー
ワードを入力するかが運命の分かれ道になるのだが、事前に書物などで自分の調べたい
ことが少しでも調べられている状態のほうがよい結果をもたらすように思う。インター
ネットで調べ学習をするときは、慣れてくるまでは、より深く調べるといった場面で使
うことが、よりよい効果をもたらすのではないかと思う。
パソコンはあくまでも便利な道具の1つにすぎないと思う。OHPやビデオと同じよ
うに、パソコンを操作することが目的になるのではなく、そこから考えるきっかけを得
たり、考えを深める手がかりをつかんだりする場面で利用するのがよいのではないかと
思っている。
パソコンの得意なこと、たとえば単純作業の繰り返しやたくさんの情報を処理できる
こと、絵や写真、音などを手軽にかつ組み合わせて利用できることなどをよく理解して
指導に当たらなければならないと思っている。
4.最後に
これからも新しい機器は登場するであろうし、メーカー側はよいところばかりを宣伝
するであろうが、私としては積極的にそれらの機器を使ってみた上で、その特性(長所
と短所)を十分理解してより効果的な指導をこれからも考えていきたいと考えている。
3
<校内放送>
勤務校(小学校)では、給食の時間に「お昼の校内放送」を流している。毎週、金曜
日に実施している「むかし話」のコーナーでは、テープをかけたり、児童向けのビデオ
を教室のテレビで見たりしている。 今後は、既成のものばかりではなく、放送委員が本
を読んだものをテープに録音したり、または、ビデオに録画したりして放送してみたい。
また、月曜日の「○○小、こんにちは」コーナーで、毎週一クラス、4人の子が放送
室に来て、放送委員の質問(好きな教科、好きな給食等)に答えるのだが、放送委員が
カセットデッキやマイクを持ち、休憩時間等にインタビューをして回り、それを録音し
たものを放送すると、より身近で楽しいものになるのではないだろうか。
<国語>
1年生の教科書(光村図書下、 P 30∼)に「ふうせんは、どうなるのかな―見たと
おりにかこう」という単元がある。風船が変わっていく様子をよく見て、順序をたどっ
て文章を書くことができる、という目標である。授業では、実際に子どもたちの前で風
船をふくらませて見せたのだが、一連の動作をビデオに撮っておいて、子どもたちの作
業速度に合わせて、提示していく方法もやってみようと思う 。「よく見て書く」という
点でも、有効だと思う。
同じく国語の教科書(P 66∼)に「たぬきの糸車」という単元がある。読み取りを
終えた後、「にんぎょうをうごかそう」ということで、人形劇をすることによって、お
かみさんやたぬきの心情を考えさせるようになっている。発表会だけで終わらず、自分
たちがやっている様子も見られるようにビデオに収めてみんなで楽しめたらと思ってい
る。
4
『視聴覚機器を利用した授業の研究』
《1998》
・教師によるプレゼンテーション
《1999》
・教科指導において視聴覚機器でのプレゼン
テーション
《2000》
・教科資料等のデータ処理化
《2001》
・DVを使ってパソコンでの編集及び教材資料
の作成。
近年社会において、デジタル化の波が押し寄せている。むろん、学校の中にも着実に
その波は浸透してきている。1998 年の研究においては、パワーポイントを使ってプレゼ
ンテーション形式で授業を進めた。また翌年にはインターネットで調べ学習、発表に視
聴覚機器(OHC)で生徒による学習成果の発表を行った。昨年は学習成果の発表をデー
タ処理化して CD-ROM に焼き付けて資料としてまとめた。今年度は授業の活動をDV(デ
ジタルビデオカメラ)で撮り、パソコンで編集作業をしてデータ化して CD-ROM に焼き
付けて資料作成を行った。
【授業活動を撮影】→【パソコンで映像処理】→【HPの要領で作成】→【閲覧】
CD-ROM の作製
○応用…実技教科の手本やスキルチェック、理科の実験の様子など
これから学校内でのイントラネットが普及してきた時には、サーバーから直接データ
を取り出してくるなどの方法も考えられる。一種の図書館のようなものになるであろう。
もしそこに画像・動画データがあればなおのことよくわかる。学習の支援として視覚的
な効果は大きいと考えられる。今回はDVを初めて使ったということで、確かにデータ
化する、編集作業をするという部分では時間が非常にかかるが、各教科で取り組んでも
面白くなりそうである。
Home
Internet
Server
Server
教科資料等の
データ共有
5
連合音楽会練習用CD制作
1 .主 題 設 定 の 理 由
本年度、連合音楽会の練習用にCDを制作する必要に迫られた。それは、次のような
理由からである。まず合唱曲を決めた際、原曲のキーが子どもたちにとってやや低かっ
たため、キーを上げなければならなかった。そのため練習では原曲のCDを使うことが
できなかった。また原曲には低音高音のパートがなかったため、合唱用に特に低音部を
作らなければならなかった。更に伴奏楽器を複数使うことにしたが、子どもにとっては
初めての楽器もあり、楽器別の楽譜が必要な上、どのような音か聴いて覚えた方が分か
りやすかった。そして作ったものをCDに記録しておけば、テープとは違い再生環境に
関わらずピッチの上下はほとんどないし、朝の会などで各教室で練習してもらうことが
できる。以上のような理由から、練習用とはいえ本格的なCDを制作することにした。
2 .制 作 方 法
まず演奏データを作るにあたっては、パソコンでデータを制作し、ミュージックワー
クステーションを音源として使用するという、プロと同じ方法を採った。演奏データの
制作は、パソコンの音楽制作ソフトで音符を打ち込んでもできるのだが、一から始める
とかなりの時間がかかるため SMF 形式のデータを購入し、それを基に高音用・低音用・
全体用・各伴奏楽器用など様々なバージョンを制作していった。そのデータをミュージ
ックワークステーションで再生し、ここが今回の大きなポイントであるが、映像制作ソ
フトを利用してパソコンに音声の取り込みから編集まで行い、 CD-R に焼いて各々に配
布した。更に、音質が若干変化するが、原曲を .wav ファイルとしてパソコンに取り込み、
ピッチシフトさせたものもCDに入れ、給食時に校内放送で流すなどして歌詞・音程を
耳で覚えさせるために使用した。
3 .研 究 の 成 果
このCDは音程はもちろん、使われている伴奏楽器も本番と全く同じであり、更に、
クオリティーも高いため子どもたちにとってはとても分かりやすく、個人練習・パート
練習などに大いに役立った。また、音楽の時間だけでは練習時間が足りないため、朝の
会などでの練習にも大いに活用してもらうことができた。
4 .今 後 の 課 題
今回の制作は誰もが簡単にできるわけではない。それなりの高い技術と経験・機材が
必要である。ちなみに今回制作に使用した機材のほとんどが自前のものである。しかし、
実際にできたCDを練習で使用してみると、この効果は非常に高いことが実証された。
学校現場に於いては今後とも備品・機材の充実が望まれる。尚、このようなことをして
みたい、あるいはしてほしいとの希望があれば、協力は惜しまないつもりである。更に、
連合音楽会ではこの技術を応用し、子どもたちの発表を高音質(16bit・48kHz・ STEREO)
で収録して記念CDを制作し、参加児童全員にプレゼントした。これについては、次回
レポートするつもりである。
6
「総合的な学習」でのインターネットの利用について
はじめに
平成14年度からの新学習指導要領を視野に入れて、昨年より週1∼2時間「総合的
な学習」に取り組んでいる。
テーマは
1年
健康・安全・環境と郷土について
2年
国際理解と福祉について
3年
自分の生き方について(前期が勤労体験、後期が個人研究)
である。
具体的な活動としては次の三つの過程に分けられる。まず、学年のテーマにそってグ
ループまたは個人のテーマを設定する。次に調査体験活動を通してテーマを追求してい
く。最後にそれをまとめ学級・学年で発表を行う。
以上のなかでは二つ目の過程、すなわち調査体験活動なかでも課題追求の時間が最も
多く、メインになってくる。そしてその活動を行う上で欠かせないのが、インターネッ
トによる検索である。
本校には40台のパソコンが設置されているが、少々古い型で(来年度新しいものに
変わる予定)検索のスピードも遅い。
さて、本年度3年生でインターネットを利用した生徒は全体の70%に上った。14
1名中100人近くの生徒が利用したことになり、その延べ時間数は「総合的な学習」
の時間のかなりの割合を占める。中には調査活動の時間のほとんどをインターネットの
検索に費やした生徒もいる。その善し悪しはとにかく、インターネットを利用した生徒
にアンケートを実施して、今後のパソコンによるインターネットの利用について考えて
いきたいと思う。
アンケートの結果(一部)
◎インターネット利用してよかったところ
・身の回りに資料が少ない事でも簡単に調べられる
・本などに比べて、少ない時間に調べられる
・最新情報がすぐに出てきて便利だった
・自分のテーマを打つだけ欲しい情報が得られる
・1つのことについて別の角度からもとらえられるようになった
・テーマにあったサイトがたくさんあり調べたい範囲が広がった
・遠くの情報も簡単に見ることができた
・たくさんの人の思いを見ることができた
・個人のHPなどでその人の体験談などの貴重な情報が得られた
・図書館にない資料をすぐ見つけることができた
◎インターネット利用して困ったところ・よくなかったところ
・画面が出てくるまで時間がかかる
・サイトにつながる時間が長すぎる
・時間が少なく十分・詳しく・余裕を持って調べられなかった
・うまく探し出すのが難しい
・情報量が多くてどれが必要な情報かわからない
・よけいなものまで出てきてどれを選んだらよいのかわからない
・プリントアウトできないので困った(予算の関係)
・十分に使い方がわからなくて調べたいものが出てこない
今後の課題
インターネットを利用してよかったところは、生徒の直接の声から同じような内容で、
事前に十分予想されたことでもあった。
困ったところ・よくなかったところではまず、物理的な問題として時間的余裕がない
ことがあるが、本校では本年度3学年とも「総合的な学習」の時間を金曜日の午後に設
定していたためにパソコンの利用が重なって時間制限をする事態になったが、これは時
間割の工夫や利用時間の拡大で緩和される方向になると思う。
また、パソコンの操作の指導については 、「総合的な学習」の時間だけではなくいろ
いろな教科で利用して慣らしていくことになると思う。ただ、インターネットですぐに
見つけられなかった生徒もいて、検索の仕方「探し方・調べ方」については、もっとイ
ンターネットの仕組みなどを指導して行く方向がいいのではないかと思う。総合的な学
習だがら、それらについても試行錯誤しながら身につけていくのが大切なのかも知れな
いが。
その他の意見として、便利だけどパソコンばかりで調べているのも面白くない、簡単
に検索できるので図書館に行ったり苦労をしないのでよくない、と言ったのもあった。
また、パソコンを利用しなかった30%の生徒にその理由を確認すれば、インターネッ
トの利用に対する違った見方がでてきたのではなかったのかと反省している。
7
実物提示装置としてのビデオカメラの利用
本校には、実物提示装置(ビューパ)が3台(1台は最近1週間以内に届いたばかり
の新品)あり、昨年度初めてそれを使ってみて、その接続の簡単さと便利さに感心した。
しかし、本校は、全学年4クラスであり、ビューパを学年で使いたくても、台数が足り
ず、過去には他校から何台か借りてきて授業を行ったこともあると聞いている。せめて
学年で一斉に使えるだけの4台そろえて欲しいと思うが、値段を調べると大変高価な物
であり、予算委員会で無理は言えないと思った。
昨年度の教研集会の場で、実物提示装置をビデオ出力のついたカシオのデジタルカメ
ラQV10を分解して自作しようかと思っている話をしたところ、中学校の先生からビ
デオカメラを実物提示装置としてカルタ大会に使ったことがあるとアドバイスをもらっ
た。
本年度、理科の磁石の学習で「ゴム磁石を半分に切って、そのまた半分に切って、そ
のまた半分に切って、そのまた半分に切って、……も両端には常にN極・S極ができて
いる 。」という実験を計画したが、ゴム磁石が予想外に硬くて、はさみやカッターナイ
フではうまく切れず、結局、包丁を使って教師が切って見せることになった。約4㎝の
ゴム磁石をさらに小さく切る実験であるので、35人の児童が一斉に実験の経過を見る
のは、難しいだろうと予測した。
そこで、ビデオカメラを実物提示装置として使用することにし、6000円で中古購
入した三菱のS−VHS−CビデオカメラMV−S30をテレビに接続しようとしたが、
カメラモードでは、モニター出力ができないようでうまく行かず、結局ソニーの8㎜ビ
デオカメラCCD−TR3を使って実験を提示した。その結果は、自分で考えたよりう
まくできて上々だった。
モニターで見せれば効果があると判断される適切な場面を見極めさえすれば、実物提
示装置が、効果的な教育機器であることは間違いないので、今後も、今まで以上にビュ
ーパや実物提示装置としてのビデオカメラを活用できる場を設定し、どんどん使ってい
きたい。そして、カメラモードでモニター出力ができるビデオカメラを安価に手に入れ
てビューパもどきの実物提示装置を自作してみたい。
8
―音楽鑑賞における視聴覚機器の有効利用について―
従来の音楽鑑賞においては、CDを利用してその音響をクリアーに美しく出せ
るステレオ・スピーカーからの音楽を聴くことで、生徒達のイメージを膨らませ
感性を豊かにする内容を中心に指導することが多かった。しかし、そこには演奏
者の姿はなく、演奏会に行く機会の少ない生徒にとっては想像しがたいのも現実
であった。
教材としてLDが制作されたことで、より具体的にその音楽を理解することが
出来るようになった。それは、作曲者が音楽を生み出し、それを演奏する者がど
のように表現しているかをより分かりやすくするものであると思われる。
LDを利用してピアノ独奏・独唱・オーケストラ演奏・オペラ、そして雅楽な
ど様々な分野の音楽を生徒達に提示することが出来た。これらの鑑賞において、
視聴覚機器を充実させることの重要性は、もちろんのことである。しかし、教育
予算も少ない中では最新の機材を購入しそろえることはかなわず、従来からの機
器を十分な成果が上げにくい中で用いて授業を行ってきた。例えば、教室を暗室
にして鑑賞をせざるを得ないため、生徒達は十分なメモを取ることも出来ない状
態で、その場の感動を率直に文章にとどめることが出来ないことも多々あった。
今年度、パソコン教室の整備充実が整う中で、輝度2000ANSI・lmと
いう光源の強いビデオプロジェクター(エプソン製マルチメディア・プロジェク
ター、ELP‐810)を購入し、利用することが可能となった。この機器のお
かげで、教室を明るくしたまま演奏家の表情など音のみでは伝わってこない呼吸
を映像から感じ取ることが出来るようになり、授業の内容をより具体的に分かり
やすく提示することが出来る状態になった。
来年度より取り組む新指導要領の内容を、週1時間で充実させていくためにも
個々の生徒がより興味を持ち理解できるように
出来るだけ有効に視聴覚機器を
活用する研修が必要であると考えている。パソコンでの作曲はもちろんインター
ネツトや音楽関係のソフトを使って、生徒達の興味・関心を高め、音楽をより分
かりやすくするため
視聴覚機器を使った教科指導を充実させ、感性が豊かにな
るよう様々な音楽に触れさせていきたい。
9
これからの時代、学校教育の場においてプロジェクターは必需品であることを主張し
たい。利用方法は生徒側、教師側どちらにおいても、非常に利用価値の高いものである
ことを本年度の実践を通して感じた。
①
生徒にとって
総合的な学習で、
「 問題解決学習」
「調べ学習」いおいて、自ら設定した
味のあること、疑問に思うこと等)を調査・取材し、それらの
いく。そして、それらを他の生徒の前で発表(プレ
プロジェクターは最高である。パソコン
たり、ビデオ撮影したものを
ることができるし、
二鳥なら
ず一石
資料を分析・まとめて
ゼンテーション)する方法として
で作成したHP(ホームページ)を映し出し
映し出したりするのである。遠くにいる生徒までよく見
かなりの関心を引くことができるし、発表能力もつくなど、一石
三鳥くらいいく。もちろん、体育館でも十分可能である。ただ、
本校の場合、やっとの思いで1台買ってってもらったもので、全く数が足
ある。グループやクラス単位で発表している場合なら1台で十
校での発表会となれば発表数が限定されてしまので
②
テーマ( 興
りないので
分なのだが、学年、学
ある。
教師にとって
デジカメでとった画像や動画を教材とする場合である。最近はデジカメ
普及している。個人旅行や研修先で撮ってってきたものやを授業
生徒や他の人が撮ったものまで簡単に見せることがで
県の縄文時代を再現する三内丸山遺跡や、
山地、鹿児島県屋久島の縄文杉、
がかなり
で生徒に見せたり。
きるのである。私の場合、青森
世界文化遺産に登録されている同県の白神
岐阜県白川郷の合掌造りや、カナダ研修で撮った自
然や文化・産業など、
先生にもら
中国旅行で撮った秦の始皇帝の兵馬俑、また、隣に座っている
った万里の長城の画像など、たくさんの画像および動画を生きた教材とし
て活用した。生徒達の反応もよく、大変楽しみにしてくれていたり、自分
出てくると、さらに反応がよくなり、共に楽しく授業ができた。
科書や資料集よりかは、強く印象に残ったのではない
③
の画像が
きっと、生徒達は教
だろうか。
活用の応用として
多数の画像は、画像処理ソフトウェアを使えばフル画面スライドショー
せることができる。また、デジカメには短い時間(数秒から 2,3
能がついている機種があるので画像として見せること
デオカメラであれば、動画をパソコンに取
に編集することもできる。もち
とができるし、スク
運びが大
として見
分)の動画取れる機
ができる。さらに、デジタルビ
り込み、ソフトウェアを使えば以外と簡単
ろん、普通のビデオデッキからでも映像を映し出すこ
リーンがなければ、白い紙を貼れば足りるし、なんといって持ち
変楽なので、ノートパソコン同様、どこにでも携帯できるのが嬉しい。