オクラ圃場巡回資料

平成 27 年 6 月
オクラ現地巡回指導会資料
北越後農業協同組合
青果物集出荷センター
オクラの今後の管理について
① 生育状況
ハウス栽培は 3 月下旬より播種が始まり、水稲育苗後の栽培についても 5 月上旬播種から下旬ま
でには定植を実施した。
露地栽培については、5 月は晴天が続き温度は非常に高かったものの圃場の乾燥が目立った。6 月
以降は定期的に雨をもらっている。播種は 5 月中旬より始まって、過乾燥により発芽不良も見られた
が、その後の生育はおおむね順調に推移している。ただ、子葉に褐斑病の発生がみられる圃場は適期
薬剤散布を実施しましょう。
今後も晴天が続く場合は、過乾燥防止のためにも定期的に灌水を実施しましょう。
ハウスの初出荷は 6 月 2 日より開始となった。昨年に比べて 2 日早い出荷となった。
② 今後の管理について
・今後生育が進むにつれ病害虫の発生が懸念されます。初発はもちろん、予防防除を実施しましょう。
◎アブラムシ防除
使 用 目 安
薬 剤 名
散 布 濃 度
使用時期 使 用 回 数
子葉展開期~本葉2枚
ス タ ー ク ル 粒 剤
3g/1 穴(株元散布)
収穫14日前
1回
収穫開始
7
日前
開花期前
オ ル ト ラ ン 水 和 剤 1000 倍( 水 20ℓに 20g )
1回
アドマイヤ ーフロアブ ル 4000 倍(水 20ℓに 5 ㏄)
収穫前日
3回
発生初期
モスピラン顆粒水溶剤 4000 倍( 水 2 0 ℓ に 5 g )
収穫前日
3回
(葉裏に発生が確認されたら)
ダ ン ト ツ 水 溶 剤 2000 倍(水 20ℓに 10g)
収穫前日
3回
※右の薬剤のいずれか
スタークル顆粒水和剤 2000 倍(水 20ℓに 10g)
収穫前日
2回
◎ハスモンヨトウ・オオタバコガ防除
使 用 目 安
薬 剤 名
散 布 濃 度
使用時期 使 用 回 数
ア フ ァ ー ム 乳 剤 2000 倍( 水 20ℓ に 10 ㏄ )
収穫前日
2回
ア タ ブ ロ ン 乳 剤 2000 倍( 水 20ℓ に 10 ㏄ )
収穫前日
4回
発生初期
※右の薬剤のいずれか
コ テ ツ フ ロ ア ブ ル 2000 倍( 水 20ℓ に 10 ㏄ )
収穫前日
2回
マ ト リ ッ ク フ ロ ア ブ ル 2000 倍( 水 20ℓ に 10 ㏄ )
収穫前日
3回
◎病害防除
備 考
病 害 名
薬 剤 名
散 布 濃 度
使用時期 使 用 回 数
予防・治療効
葉 す す 病 ト ッ プ ジ ン M 水 和 剤 1 5 0 0 倍(水 20ℓに 13g)
収穫前日
3回
果あり
う ど ん こ 病 ア ミ ス タ ー 20 フ ロ ア ブ ル 2 0 0 0 倍( 水 20ℓに 10 ㏄ )
収穫前日
2回
黒 斑 病 ・灰 色 か び 病 ロ ブ ラ ー ル 水 和 剤 2 0 0 0 倍(水 20ℓに 10g)
収穫前日
3回
予防効果大
◎除 草
・播種穴から発生してくる雑草は手取りで、畦間については飛散に注意して下記の通り散布して下さい。
薬 剤 名
使用時期
10a 当使用量
希釈水量
使用時期 使 用 回 数
バスタ液剤
雑草生育期
300~500mℓ
100~150ℓ
収穫前日
3回
◎追 肥
・追肥は、着果が確認できた頃より実施しましょう。
葉色が薄く草勢が弱い(葉の切れ込みが深い)場合は、葉面散布(即効性)を行って下さい。
○おもな液肥(殺菌・殺虫剤と混用可)
肥 料 名
希釈倍率
20ℓの水に対して
くみあい液肥
500 倍
40cc
ポリコープ 1 号
500 倍
40cc
グリーンアロー
700 倍
28cc
葉面散布は、濃度が濃いと葉ヤケの恐れがあるので倍率に注意する。散布後は散水すると良い。
◎農薬使用時期の「収穫前日」は農薬散布後 24 時間経過しなければ収穫できませんのでご注意下さい。
☆農薬の使用は、希釈倍率・使用前日数・使用回数を厳守して、ご使用願います。
薬剤散布を実施した時は、必ず「栽培管理日誌」に記帳しましょう。
◎おもなオクラの病害虫
症
状
特
徴
発生要因
対
策
薬剤名
発病葉は早め
に摘葉し、圃
場内に残さな
い
(トップジンM水和剤)
高温乾燥
うどんこ病
葉の表面にうっすらと粉
をふりかけたような白色
で丸い病斑ができる。ひど
くなると病斑が黄変し枯
れ上がる。
病葉を速やか
に除去し、草
勢を維持し適
切な施肥管理
を行なう。
モレスタン水和剤
アミスター20 フロアブル
葉に発生する。初め、葉裏
に灰色のかびを生じ、のち
に暗色となりすす状の菌
そうとなる。病斑は葉脈に
沿って角張っているが、多
発すると葉裏全体に暗灰
色のかびが生じる。
高温多湿
不要な下葉及
び病葉を取り
除く。
病葉は、圃場
に残さない。
トップジンM水和剤
株元に粒剤を
散布する。
薬剤は水分で
効果が減少す
る。
ガードベイトA
高温
早期防除
スタークル粒剤
オルトラン水和剤
アドマイヤーフロアブル
モスピラン水溶剤
ダントツ水溶剤
幼虫で越冬
し、7月頃
から見られ
始める。8
月頃に多く
なる。
葉を巻くと薬
剤散布がかか
りにくいの
で、できるだ
け発生初期に
防除を行う。
(アファーム乳剤)
(ダントツ水溶剤)
(コテツフロアブル)
高温乾燥時
に多発。8
月頃に多く
なる。
被害果は摘果
し、食入して
いる幼虫を捕
殺してから処
分する。
アファーム乳剤
コテツフロアブル
アタブロン乳剤
葉すす病
高温多湿
褐斑病
はじめ葉表に褐色の小斑
点を生じ、徐々に拡大して
いく。黒褐色~褐色、円形
~不整形の病斑となりの
ちに中央部は灰褐色を呈
する。
ネキリムシ
地中に潜り、夜間幼苗の株
元、茎、葉などを食害する。
アブラムシ
ワタノメイガ
若い葉、つぼみなどにたく
さん群がって汁を吸い株
が弱る。
展開初期の葉に寄生する
と、葉が萎縮したり、葉の
一部が正常に展開せず、シ
ワになる。
淡緑色の幼虫が葉を筒状
に巻き、その中で食害す
る。幼虫は一つの巻葉内に
留まることはなく、発育が
進むと新しい巻葉をつく
り、食害する。
オオタバコガ
開花後しぼんだ花弁の中
に食入し、花弁の中から幼
果を食害する。ある程度大
きくなったオクラは、表面
から直接穴をあけて食入
し内部を食い荒らす。