THAにおけるCTを用いた 大腿骨頚部前捻の評価および機種選択

松仁会医学誌46
(2)
:117∼123,2007
THAにおけるCTを用いた
大腿骨頚部前捻の評価および機種選択
南村武彦,阪本厚人,原田智久,小嶋晃義,
杉谷和哉,遠山将吾,玉井和夫
松下記念病院 整形外科
要旨:変形性股関節症において大腿骨頚部前捻角(以下,前捻角)の変化が生じる
ことが知られている.人工股関節全置換術(Total Hip Arthroplasty以下,THA)を施
行する際には前捻角に注意する必要があり,当院ではその正確性を得る目的でTHA
術前にCTを撮像している.本研究ではTHA術前後に撮像したCT像を用いて前捻角を
計測し,その重要性について検討した.THAを施行した26例で評価を行った.40°以
上の高度な前捻,10°以下の後捻を有する症例には主に術中に前捻角が調節可能な大
腿骨インプラントを使用した.術後前捻角についてはほぼ目標設置角度を得ること
ができた.1例に術後1週で前方脱臼が生じ,前捻角の減捻不足を認めたため再手術
により前捻角を矯正し,脱臼傾向は消失した.本研究からCTにより得られた前捻角
の評価は機種選択のうえで重要であり,術前に高度な前捻もしくは後捻を有する症
例では術中に前捻角の調節が可能な大腿骨インプラントを選択すべきであると考え
た.
キーワード:人工股関節全置換術,大腿骨頚部前捻角,前方脱臼
はじめに
対象および方法
変形性股関節症において,その形態は臼蓋のみ
2005年5月から2007年5月までにTHAを施行した
でなく大腿骨にも変化をきたすことが報告されて
26例を対象とした.男性5例,女性21例で,手術
いる.代表的な特徴として過度の大腿骨頚部前捻
時年齢は平均64.8歳(36∼88歳),疾患は変形性股
角が挙げられ,人工股関節全置換術(Total Hip
関節症20例,関節リウマチ4例,大腿骨頭壊死症1
Arthroplasty以下,THA)を施行する際に注意す
例,大腿骨頚部骨折1例であった.術前後に股関
る必要がある.THAにおいて術前計画は重要であ
節,膝関節単純CTを同時に撮像し,そのデータを
り,われわれはその正確性を得る目的でCTを用い
京セラ社製THA/TKA 3Dテンプレートを用いて
て評価を行っている.今回術前後に撮像したCT画
大腿骨頚部前捻角および臼蓋前方開角を計測し
像からTHA機種選択における前捻角の重要性につ
た.大腿骨頚部前捻角は大腿骨軸に垂直にスライ
いて検討した.
スした再構成画像のうち,頚部を通るスライスで
頚部の軸線を設定し,大腿骨顆部スライスでの
epicondylar lineを基準線として両線のなす角度と
定義した.
2007年9月7日受付
連絡先:〒570-8540 大阪府守口市外島町5-55
松下記念病院 整形外科(南村武彦)
機 種 は , 臼 蓋 に は Zimmer社 製 Natural Hip
System(以下,NH),大腿骨インプラントには
118
南 村 武 彦 ほか
9°
3.5mm
図1 THA使用インプラント(1)
Zimmer社製Natural Hip System
ステムネック部分は一体型で9°
の前捻を有している.
図2 THA使用インプラント(2)
DePuy社製S-ROM-A TOTAL HIP SYSTEM
プロキシマルスリーブとステムが独立しており,前捻角
の調節が可能である.
NHあるいはDePuy社製S-ROM-A TOTAL HIP
用いた機種はNH 16例,SR 11例であった.NHで
SYSTEM(以下,SR)を使用した.大腿骨インプ
施行した16例の術前の前捻角は平均20°
(0°
∼55°),
ラントの特徴として,NHはステムとネックが一
前方開角は平均 22°
(13°
∼34°)で,SRで施行した
体でネック部分に9°の固定された前捻を有してお
10例の前捻角は平均 7°
(−13°∼60°),前方開角は
り(図1),一方SRはプロキシマルスリーブとス
平均 15°
( 3°∼22°)であった.
テムが独立した構造であるため自由な大腿骨頚部
術後の大腿骨頚部前捻角は平均 25°
( 0°
∼62°),
臼蓋前方開角は平均 25°
(1°
∼40°)で(図4),NH
前捻角の設定が可能である(図2).
THAでの設置目標は臼蓋前方開角20°,大腿骨
で施行した16例の前捻角は平均 27°
(0°
∼62°),前
頚部前捻角25°とした.機種選択は主に術前に計
方開角は平均 29°
(19°
∼40°)で,SRで施行した10
測した大腿骨頚部前捻角が10°から40°までの症例
例の前捻角は平均 22°
(17°∼38°),前方開角は平
にはNHを,40°を超える前捻,10°未満の後捻を
均 18°
(1°∼25°)であった.
術前の大腿骨頚部前捻角が 55°
で NHを用いた1
有する症例にはSRを使用した.
例で術後1週に前方脱臼を生じ,再手術を要した.
結果
症例1
術前の大腿骨頚部前捻角は平均15°
( −13°
∼
60°),臼蓋前方開角は平均19°
(3°
∼34°)で(図3),
大腿骨前捻角( °)
70
60
50
40
30
20
10
0
-10 0
-20
症例2
10
●
Natural Hip
16 例
○
S-ROM-A
10 例
症例1
20
30
40
50
臼蓋前方開角(°)
69歳,男性.主訴は右股関節部痛.22歳頃から
大腿骨前捻角( °)
70
60
50
40
30
20
10
0
-10 0
-20
●
Natural Hip
16 例
○
S-ROM-A
10 例
症例1
術後前方脱臼
症例2
10
20
30
40
50
臼蓋前方開角(°)
図3 術前の前方開角と前捻角
図4 術後の前方開角と前捻角
前捻角が40°
を超える高度の前捻,
10°
未満の後捻
を有する症例では主にSRを用いた.
設置目標は前方開角20°
,
前捻角25°
とした.26例
のうち23例が10°
から40°
までの範囲で設置できた.
1例に前方脱臼を認めた.
THAの大腿骨頚部前捻の評価と機種選択
119
右股関節可動域制限を認めていた.65歳頃に特に
骨形成部にインピンジを生じ,また軟部組織のゆ
誘因なく右股関節部痛が出現し徐々に増悪した.
るみを認めたため骨形成部を切除し大転子の引き
近医で保存的加療を行っていたが同部位の痛みが
下げを追加した.術直後の単純X線撮像時に前方
増強し歩行困難となったため当院を紹介受診し
脱臼を生じ徒手整復を行った.整復後に股関節伸
た.単純X線像でSharp角42°,関節裂隙狭小化,
展位で脱臼傾向があり,下肢牽引によりゆるみが
軟骨下骨硬化を認め,大腿骨頭は骨棘形成が著し
残存していることを確認した.術後股関節屈曲外
くcapital dropを形成している末期股関節症像を呈
転位保持を行っていたが術後7日に車椅子移乗時
していた(図5).股関節,膝関節を同時に撮像
に前方脱臼を生じた.CT像で大腿骨頚部前捻角
したCT像で大腿骨頚部前捻角55°,臼蓋前方開角
62°,臼蓋前方開角28°,臼蓋外方開角45°であっ
17°であった.THAを施行し,大腿骨インプラン
た(図6).術後2週目に再手術を施行し,大腿骨
トはNH,linaerには10°フード付きを用いた.イ
インプラントをNHからSRに再置換した.再置換
ンプラント挿入後股関節運動時に大転子が臼蓋の
術後CT像で大腿骨頚部前捻角は23°に矯正されて
a
b
17°
55°
a.単純X線像 b.CT像
図5 症例1 術前単純X線像およびCT像
前方開角17°
,前捻角55°
であった.
a
58mm
b
62°
a.単純X線像 b.CT像
図6 症例1 術後単純X線像およびCT像
NHを用いた.術後1週に前方脱臼を生じた.○
前捻角62°
で,矯正不足,offsetの短縮を認めた.
120
南 村 武 彦 ほか
a
77mm
b
28°
23°
a.単純X線像 b.CT像
図7 症例1 再置換術後単純X線像およびCT像
SRを用いた.前捻角23°に矯正され,offsetも獲得できた.
いた(図7).外転装具を装着し,術翌日から部
化,軟骨下骨硬化を認め,末期股関節症像を呈し
分荷重を許可した.術後3週で全荷重を許可し,
ていた(図8).股関節,膝関節を同時に撮像し
歩行訓練を開始した.術後5週で独歩可能,脱臼
たCT像で大腿骨頚部前捻角60°
,臼蓋前方開角
は認めず術後36日に退院した.
15°であった.THAを施行し,大腿骨インプラン
トにはSR,ライナーには10°フード付きを用いた.
症例2
術後CT像で大腿骨頚部前捻角は17°に矯正されて
いた(図9).術翌日から可及的に全荷重を許可
43歳,女性.主訴は両股関節部痛.20歳頃から
特に誘因なく両股関節部痛を自覚していた.41歳
し,歩行訓練を開始した.脱臼傾向は認めず,術
後22日に松葉杖歩行で退院した.
頃から両股関節部痛が増強してきた.近医で保存
考察
的加療を行っていたが軽減しないため当科を受診
した.単純X線像で臼蓋形成不全,関節裂隙狭小
a
b
15°
60°
a.単純X線像 b.CT像
図8 症例2 術前単純X線像およびCT像
前方開角15°,前捻角60°であった.
THAの大腿骨頚部前捻の評価と機種選択
121
a
b
13°
17°
a.単純X線像 b.CT像
図9 症例2 術後単純X線像およびCT像
SRを用いた.前捻角17°に矯正された.
変形性股関節症では臼蓋のみでなく大腿骨にも
WedgeはKingsleyらの方法を改良し,頚部断面ス
骨性変化をきたし,特徴として大腿骨頚部前捻角
ライスで頚部内側の前後面皮質の中点と頚部外側
が増大することが報告されている.先天性股関節
の前後面皮質の中点とを結ぶ線と内外顆接線との
脱臼,ペルテス病などを含めた幼少期の股関節疾
なす角度と定義した2).今回われわれは大腿骨外
患に伴う大腿骨頚部前捻角の増大により変形性股
顆形成不全の症例を多く認め,顆部の形態により
関節症をきたすことから大腿骨頚部前捻角の増大
前捻角にばらつきが生じることから基準線を
が変形性股関節症の主因とされたが,他の疾患で
epicondylar lineとした.股関節,膝関節を同時に
も変形性股関節症をきたすことから,現在は大腿
撮像したCTデータを京セラ社製THA/TKA 3Dテ
骨頚部前捻角の増大は変形性股関節症の主因では
ンプレートを用いて再構成し,大腿骨軸方向にス
なく,むしろ結果であると考えられている.岡野
ライスした画像から頚部前捻角を計測した.
らは大腿骨頭骨棘形成の程度と大腿骨頚部前捻角
術前の大腿骨頚部前捻角は平均 15°
( −13°
∼
の関連を評価し,Bombeliの分類をもとに骨棘形
60°)であり,13例で40°を超える前捻あるいは
成の観点からdestructive,atrophic,normotrophic,
10°未満の後捻を示した.これら13例のうち10例
hypertropic typeに分類した.各群で前捻角に差が
でSRを使用した.用いなかった3例はSRよりも主
あり,capital dropを形成するhypertrophic typeで
にNHを用いた手術を施行していた調査期間早期
前捻角の増大を認めたと報告している1).また一
の症例である.
方でWedgeらは68例の屍体股を用いた研究で大腿
単純X線像や屍体股を元に計測した成人の平均
骨頚部前捻角は対照群と有意差を認めなかったと
前捻角は約 20°
と言われてきたが,近年CT計測に
報告している2).THAにおいてインプラント設置
よる前捻角は大腿骨後顆の内外顆の接線を基準線
位置を決定する因子として,臼蓋前方開角,臼蓋
とし,大腿骨頚部の軸線とのなす角度と定義した
外方開角,大腿骨頚部前捻角が挙げられるが,そ
場合に平均約 34°
であることがわかった.柳本ら
の中でも大腿骨頚部前捻角をTHA術前に正確に評
は日本人を対象とした変形性股関節症での平均前
価することが重要である.
捻角は約 44.9°
と報告している4).関はTHAにおけ
Kingsley,Olmstedは大腿骨頚部前捻角を大腿
る大腿骨インプラントの至適設置角度を前方開角
骨後顆の内外顆の接線を基準線とし,大腿骨頚部
∼
10°
∼20°
,前捻角 10°
と報告し5),川手らは 20°
の軸線とのなす角度と定義し計測した3).しかし
25°
に設置したと報告している 6)がその他の文献
この方法では変形性股関節症による骨棘形成を生
でもさまざまな至適設置角度が報告されている.
じた大腿骨頭では計測が困難であることから,
われわれはこれらの報告から設置目標を前方開角
122
南 村 武 彦 ほか
20°
,前捻角 25°
としたが,26 例のうち23 例が 10°
か
峰らは臼蓋前方開角・外方開角と前捻角の設置角
ら 40°
までの範囲で設置できた.前捻角が40°
を超
度の組み合わせを求める数式を報告している 8).
える高度の前捻あるいは10°未満の後捻を呈する症
本研究では前捻角について評価を行ったが,これ
例では主にSRを用い,術後前捻角は平均22°
(17°∼
らを総合的に評価し決定する必要がある.
38°)と良好な前捻角が得られ,術後脱臼傾向は
まとめ
認めなかった.術前高度な前捻あるいは後捻を有
する症例でも前捻角の調節が可能なSRを用いるこ
とで適切な前捻角が得られることから,このよう
THAの手術計画でCTを用いて得られた大腿骨
な症例では術中に前捻角の調節が可能な機種を選
前捻角は機種選択のうえで重要であり,術前に高
択すべきであると考えられる.
度な前捻もしくは後捻を有する症例では,術中に
術後前方脱臼を認めた1例(症例1)は調査期間
前捻角の調節が可能な機種を選択すべきである.
前期の症例で,術前の前捻角が 55°と高度であっ
文献
たがNHを用いて手術を行い,術中ゆるみを認め
大転子の引き下げを追加した.術後前捻角は 61°
であり,術後7日に前方脱臼を生じた.脱臼を生
じた原因として,大腿骨頚部前捻角の減捻不足,
1)岡野邦彦,榎本 寛,尾崎 誠,他.変形性股
関節症における大腿骨頭骨棘形成の程度と大
それによるlateral offsetの短縮,軟部組織のゆるみ
腿骨頚部前捻角との関連.Hip Joint 2006;
が挙げられる.井口らは高度の前捻角を有する症
32:599 - 601.
例のうち,capital dropを形成している症例では見
2)Wedge
JH,
Munkacsi
I,
Loback
D.
かけ上の前捻角が高度であってもcapital dropによ
Anterversion of the Femur and Idiopathic
り新たな骨頭中心を作り出し,機能的な前捻角を
Osteoarthrosis of the Hip. J Bone Joint Surg
修正していることがあり,このような症例にもと
Am 1989;71:1040 -1043.
もとの骨頭中心を再現することでより高度な前捻
3)Kingsley PC, Olmsted KL. A Study to
を生み前方脱臼をきたす可能性があり,前捻角が
Determine the Angle of Anterversion of the
軽減可能で長めのoffsetが得られる機種を選択す
Neck of the Femur. J Bone Joint Surg Am
る必要があると報告している .本症例はcapital
7)
1947;30:745 -751.
dropを形成し機能的な前捻角は 34°
であった.術
4)柳本 繁.セメントレス人工股関節の形状決定
後2週にステムをNHからSRに再置換し,前捻角は
に関する基礎的研究−日本人変形性股関節症
23°に矯正でき,さらにlateral offsetが58 mmから
例の近位大腿骨骨髄腔形態の分析−.日本整
77 mmと十分に獲得できたことで術後脱臼傾向は
形外科学会誌 1991;65:731-744.
消失した.Capital dropを形成し高度の前捻を有す
5)関 真人,湯朝信博.人工股関節置換術におけ
る症例では術前見かけ上の前捻角を評価するだけ
る ソ ケ ッ ト 至 適 設 置 角 度 解 析 . Hip Joint
でなく,機能的な前捻角を計測しTHAによりその
1997;23:467- 469.
機能的な前捻角を再現する必要があると考えられ
6)川手健次,大村哲司,日吉信之,他.THA術
る.症例2は調査期間後期の症例で,術前60°と高
前CTデータによる臼蓋形成不全症例の大腿骨
度な前捻を有する症例であったが症例1を経験し
頚部前捻角とカスタムメイドステムによる補
ていた経緯からSRを選択し術後前捻角は17°に矯
正ができ,脱臼傾向は認めなかった.従って,高
正.Hip Joint 2000;26:531- 533.
7)井口普敬,田中信彦,大塚隆信,他.日本人
度の前捻あるいは後捻を有する症例では術中に前
の近位大腿骨の前捻角に関する3次元術前シ
捻角の調節が可能な機種を選択すべきであると考
ュミレーションシステムによる検討.日本人
えられる.
工関節学会誌 2005;35:329 -330.
THAにおいて,至適設置角度を評価するには大
8)吉峰史博,井口 理,佐々木政幸,他.厳しい
腿骨頚部前捻角だけでなく骨盤傾斜角,臼蓋前方
可動域条件を満たす人工股関節のカップ前捻
開角・外方開角などさまざまな要素が含まれ,吉
角とネック前捻角のセーフゾーンと最適なカッ
THAの大腿骨頚部前捻の評価と機種選択
123
プ,ネック設置位置の組み合せを求める数式.
整形外科 2007;58:466 -473.
Evaluation of Anteversion of the Femoral Neck using CT
and its Application to the Selection of Implants for Total Hip Arthroplasty
Takehiko Namura, Atsuto Sakamoto, Tomohisa Harada, Akiyoshi Kojima,
Kazuya Sugitani, Shogo Toyama and Kazuo Tamai
Department of Orthopaedics Surgery, Matsushita Memorial Hospital
This study evaluated anteversion of the femoral neck using CT and assessed its application to the selection of
implants for total hip arthroplasty.
Twenty-six patients who underwent THA between May 2005 and May 2007 were evaluated by CT for anteversion
of the femoral neck both preoperatively and postoperatively. If anteversion was over 40°or up to 10°
, we chose
implants with the ability to change the anteversion intraoperatively.
Most cases demonstrated anteversion rangins from 10°to 40°
. In one case showing preoperative anteversion of
55°
, anterior dislocation of the hip occurred on postoperative day 7. Because anteversion was not reduced,
reoperation with implants that allowed anteversion to be controlled intraoperatively was necessary 2 weeks after the
initial surgery.
Evaluation of anteversion of the femoral neck using CT is important to select implants for THA. When the cases
showed significant antervesion or retroversion, we should choose implants with the ability to change the
anteversion intraoperatively.
Key words: Total hip arthroplasty, Anteversion, Anterior dislocation