PS シリーズストレージアレイ 高パフォーマンスの iSCSI SAN の提供 要旨 このテクニカルレポートでは、SAN スト レージデバイスの パフォーマンスおよび スケーラビリティを分析し、EqualLogic iSCSI 製品とファイバチャネル製品を比較 します。 Copyright © 2005 EqualLogic, Inc. 2005 年 7 月 EqualLogic は EqualLogic, Inc. の登録商標です。 本書に記載されているすべての商標および登録商標は各所有者に帰属します。 本書または本書に記載されているソフトウェアの所有、使用、または複製は、本書に記載され ているライセンス契約に基づいてのみ許可されます。 EqualLogic, Inc. は、本書に含まれる技術的または編集上の誤りや脱漏に対して責任を負わない ものとします。本書の情報は変更されることがあります。パフォーマンスは状況により異なる 場合があります。 PS シリーズファームウェアバージョン 2.1 以降。 ii PS シリーズストレージアレイ: 高パフォーマンスの iSCSI SAN の提供 目次 はじめに ................................................................................................................................1 テスト用ツール ....................................................................................................................1 1 秒当たりのキャッシュ読み取り回数 .............................................................................3 キャッシュ読み取りのスループット ................................................................................4 まとめ ....................................................................................................................................5 参考資料 ................................................................................................................................6 テクニカルサポートおよびカスタマーサービス ............................................................6 PS シリーズストレージアレイ: 高パフォーマンスの iSCSI SAN の提供 iii はじめに ストレージエリアネットワーク (SAN) には、ホストシステムにストレージサービスを 提供するネットワークインフラストラクチャおよびストレージデバイスが含まれます。 このテクニカルレポートでは、SAN ストレージデバイスのパフォーマンスおよびス ケーラビリティを分析し、EqualLogic iSCSI 製品とファイバチャネル製品を比較して、 iSCSI が同等のプラットフォーム上のファイバチャネルと同じか⎯それ以上の⎯パ フォーマンスを発揮することを示します。また、iSCSI SAN は低コストで管理が簡単 なため、総所有コストを考慮すると、iSCSI はファイバチャネルより優れています。 テスト用ツール ネットワークインフラストラクチャのスケーリングは業界に浸透しています。ホスト システムとストレージデバイスに交換網および複数のリンクが含まれるインフラスト ラクチャでは、ネットワークのパフォーマンスを効率的に、また予定通りに拡張でき、 ⎯同時に冗長性も提供されます。 一方、SAN ストレージデバイスのパフォーマンス分析は複雑な課題です。これらのデ バイスには、プロトコル処理、キャッシュ、および RAID 機能に加えて、ストレージ ネットワークのポートおよびディスクドライブが含まれます。これらのコンポーネン トはいずれも、ワークロードに応じて、特定の時点でボトルネックになる可能性があ ります。 ioMeter などのシンプルなロードテストツールは、ストレージデバイスのパフォーマン スの分析によく使用されます。これらのツールを使用して慎重にテストを実施した場 合、その結果を基に複雑なアプリケーションのパフォーマンスを予測することができ ます。また、これらのツールを使用してストレージデバイスサブシステムの負荷テス トを実行することもできます。 次のロードテストパラメータによって、テストを行うストレージデバイスサブシステ ムが決定されます。 • ブロック番号の範囲。テストでアクセスするブロック番号の範囲がとても小さく てすべてのデータがストレージデバイスキャッシュに収まるか、または範囲が キャッシュよりはるかに大きいか。 • I/O サイズおよびパターン。テストでシーケンシャルブロックまたは論理ブロック アドレス (LBA) に対してサイズの大きい I/O 要求 (128KB など) を実行するか、ま たはランダムな LBA に対してサイズの小さい I/O 要求 (512 バイトなど) を実行す るか。 次の表に示すように、2 つのロードテストパラメータによって 4 つの典型的なテスト を実現できます。各テストはストレージデバイス内の特定のサブシステムまたは一連 のコンポーネントをテストします。 PS シリーズストレージアレイ: 高パフォーマンスの iSCSI SAN の提供 1 ロードテスト テスト対象のコンポーネント 長いシーケンシャル I/O、LBA 範囲大 ディスク I/O チャネルおよびネットワー クポート。 短いランダム I/O、LBA 範囲大 ディスクヘッドアクチュエータ、ディスク 回転速度、および I/O スケジューリング。 長い I/O、LBA 範囲小 ネットワークポート。 短い I/O、LBA 範囲小 プロトコル処理、コントローラ CPU パ フォーマンス、およびキャッシュ効率。 最も一般的なアプリケーションの場合は、テストを組み合わせることによって、単独 のテストよりも有用な結果が得られます。アプリケーションは通常、キャッシュに保 持可能なデータより大きなデータを処理するため、特に、小さい範囲 (キャッシュ I/O) でのパフォーマンスでは全体的なパフォーマンスを十分に予測できない場合があ ります。 ただし、ロードテストを使用して、個々の SAN ストレージデバイスのコンポーネン トの効率を分析できます。このテクニカルレポートでは、ロードテストの結果を使用 して、iSCSI プロトコルベースのデバイスがファイバチャネルデバイスと同等または それ以上のパフォーマンスを発揮することを示します。この問題にはバックエンド ディスクサブシステムではなくストレージネットワークプロトコルが関係しているた め、小さい範囲 (キャッシュ I/O) のテストの使用が分析に適切であると判断しました。 Network Appliance™ 社は、キャッシュ読み取りテストを使用して、Network Appliance FAS 製品ラインと EMC® CLARiiON® 製品ラインを比較したレポートを公開していま す。⎯これらの 製品ラインはすべてファイバチャネルベースのストレージデバイスで す。次の 2 つの場合が考えられます。 • 小さい範囲の読み取り (1 秒当たりのキャッシュ I/O 回数のテスト用) • 大きい範囲の読み取り (ストレージネットワークスループットのテスト用) このテクニカルレポートでは、公開されている Network Appliance 社のテスト結果を使 用して、そのテスト結果と EqualLogic PS シリーズストレージアレイのテスト結果を 比較し、優れた設計の iSCSI ストレージデバイスがファイバチャネルと同等の優れた パフォーマンスを発揮できることを示します。 2 PS シリーズストレージアレイ: 高パフォーマンスの iSCSI SAN の提供 1 秒当たりのキャッシュ読み取り回数 図 1 に、EMC CLARiiON ストレージシステムおよび Network Appliance FAS ストレー ジシステム (両方ともストレージ相互接続としてファイバチャネルを使用) と EqualLogic PS シリーズストレージアレイ (ストレージ相互接続として iSCSI を使用) と の比較を示します。ここでは、512 バイトのキャッシュ読み取りの 1 秒当たりの回数 を使用します。 図 1: ストレージシステム別の 512 バイトのキャッシュ読み取りの比較 *FAS270 の値は FAS 270c (デュアル FAS270 クラスタ) の結果に基づく概算であることに注意してください。 図 1 に示すように、ストレージ相互接続として iSCSI を使用している PS シリーズア レイ (赤色の棒グラフ) のパフォーマンスは、ストレージ相互接続としてファイバチャ ネルを使用する、同等の Network Appliance 社のストレージシステム (青色の棒グラフ) および EMC 社のストレージシステム (黄色の棒グラフ) のパフォーマンスよりも優れ ています。 PS シリーズストレージアレイ: 高パフォーマンスの iSCSI SAN の提供 3 キャッシュ読み取りのスループット 図 2 に、EMC CLARiiON ストレージシステムおよび Network Appliance FAS ストレー ジシステム (両方ともストレージ相互接続としてファイバチャネルを使用) と EqualLogic PS シリーズストレージアレイ (ストレージ相互接続として iSCSI を使用) と の比較を示します。ここでは、128 KB のキャッシュ読み取りを使用します。 図 2: ストレージシステム別のキャッシュ読み取りでのスループットの比較 *FAS270 の値は FAS 270c (デュアル FAS270 クラスタ) の結果に基づく概算であることに注意してください。 大きい範囲のキャッシュ読み取りテストの場合、内部システムの帯域幅を十分に活用 する効率的なストレージネットワーク実装における結果として予想されるのは、測定 されるスループットがストレージネットワークポートの帯域幅にほぼ等しいことです。 図 2 に示すように、すべてではありませんが多くの場合、測定されたパフォーマンス がこの予想と一致しています。 また、測定されたスループットとストレージネットワークポートの理論上の有線速度 を比較することによって、SAN ストレージアレイのストレージネットワーク実装の有 効性も判断できます。図 3 にこの分析を示します。 「2 ギガビットファイバチャネル」機能が実際に提供するのは 1700 M ビット/秒 (212.5 MB/秒) のユーザデータ容量であることに注意してください。ギガビットイーサネット には、1000 M ビット/秒 (125 MB/秒) のユーザデータ容量があります。SAN ストレージ アレイの理論上の有線速度は、ポート速度 (212.5 または 125 MB/秒) にアレイの SAN ネットワークポートの数をかけて算出されます。各製品のポート数は設計によって異 なります。 4 PS シリーズストレージアレイ: 高パフォーマンスの iSCSI SAN の提供 ネットワーク効率は、測定されたスループット (図 2 参照) を理論上の有線速度で割っ て算出され、結果はパーセンテージで示されます。iSCSI ベースの EqualLogic PS シ リーズストレージアレイ (赤色の棒グラフ) は 94 % のネットワーク効率 を実現してい ることに注意してください。これは、テストを行ったストレージシステムの中で最高 の結果です。 ネットワーク効率 図 3: 有線速度の比率で表したスループット (ネットワーク効率) *FAS270 の値は FAS 270c (デュアル FAS270 クラスタ) の結果に基づく概算であることに注意してください。 まとめ キャッシュ I/O テストを行って、EMC CLARiiON および Network Appliance FAS スト レージシステムを EqualLogic PS シリーズストレージアレイと比較することで、iSCSI が同等のプラットフォーム上のファイバチャネルと同等⎯またはそれ以上の⎯パ フォーマンスを発揮することを示しました。iSCSI が本質的に低パフォーマンスのプ ロトコルであるという主張は明らかに作り話です。パフォーマンスは、特定のネット ワークテクノロジを選択することよりもストレージシステムの設計に大きな影響を受 けます。 コストおよび使いやすさの違いを考慮した場合、iSCSI プロトコルはファイバチャネ ルより明らかに優れています。 PS シリーズストレージアレイ: 高パフォーマンスの iSCSI SAN の提供 5 参考資料 EqualLogic のパフォーマンスデータは、EqualLogic 開発ラボでの測定結果および次の EqualLogic Web サイトで公開されている PS シリーズのデータシートから入手しまし た。 http://www.equallogic.com/pages/products.htm Network Appliance 社のパフォーマンスデータは、次の場所から入手しました。 http://www.netapp.com/tech_library/3321.html CLARiiON のすべてのパフォーマンスデータは、次の場所から入手しました。 www.emc.com/products/systems/cx_compare_357.jsp テクニカルサポートおよびカスタマーサービス デルのサポートサービスは、PS シリーズアレイに関するお客様の質問にお答えします。 エクスプレスサービスコードをお持ちの場合は、お電話の際にあらかじめご用意くだ さい。コードをご使用いただくと、デルの自動サポート電話システムでお客様からの 電話をより効率的におつなぎできます。 デルへのお問い合わせ デルでは、オンラインと電話による複数のサポートおよびサービスオプションを提供 しています。サービスをご利用いただけるかどうかは国および製品によって異なり、 地域によっては一部のサービスをご利用いただけない場合があります。 米国のお客様の場合は、800-945-3355 にお電話ください。 注意: インターネットに接続できない場合は、お客様の購入請求書、発送伝票、明細 書、またはデルの製品カタログに記載されている連絡先情報をご利用ください。 販売、テクニカルサポート、またはカスタマーサービスに関してお問い合わせ いただくには、次の手順に従ってください。 1. support.dell.com にアクセスします。 2. ウィンドウの下部の[Choose a Country/Region (国・地域の選択)]ドロップダウ ンメニューで国または地域を確認します。 3. ウィンドウの左側にある[お問い合わせ]をクリックします。 4. お客様のニーズに合わせて、該当するサービスまたはサポートへのリンクを 選択します。 5. ご都合のよいデルへの問い合わせ方法を選択します。 6 PS シリーズストレージアレイ: 高パフォーマンスの iSCSI SAN の提供 オンラインサービス 次の Web サイトで、デルの製品およびサービスについてご確認いただけます。 • www.dell.com/ • www.dell.com/ap/ (アジア/太平洋地域のみ) • www.dell.com/jp (日本のみ) • www.euro.dell.com (ヨーロッパのみ) • www.dell.com/la (ラテンアメリカ) • www.dell.ca (カナダのみ) 次の Web サイトを通してデルカスタマーサポートにアクセスできます。 • support.dell.com • support.dell.com/EqualLogic • support.jp.dell.com (日本のみ) • support.euro.dell.com (ヨーロッパのみ) PS シリーズストレージアレイ: 高パフォーマンスの iSCSI SAN の提供 7
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