平成25年度神奈川県診療放射線技術講習会 急性腹症の撮影技術 北里大学病院放射線部 黒澤 靖之 SCENARIA SOMATOM Definition Flash Optima CT660FD 本日の内容 1 はじめに 2 当院の撮影プロトコ-ルの紹介 3 撮影のポイント 4 CT読影のポイント 5 まとめ Department of Radiology, Kitasato University Hospital 本日の内容 1 はじめに 2 当院の撮影プロトコ-ルの紹介 3 撮影のポイント 4 CT読影のポイント 5 まとめ Department of Radiology, Kitasato University Hospital CTを撮影する上で基本的なこと 入室前 氏名・検査部位・目的・検査同意書など必要書類の確認 入室時 氏名確認・検査部位を被験者と一緒に確認、全身状態の大まかな 把握 検査前 検査手順、呼吸停止に関して具体的な説明 造影剤注入時 熱感や万一の漏出に対する説明 検査終了時 様態に変わりがないかを確認 終了後、次にどうするかの説明 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 急性腹症の定義 激痛を主な特徴とする腹部の急性疾患の総称で、 限られた時間内にその治療方針を決定する必要がある疾患群 を表す便宜的な診断名である。 Internet hospital.netより http://www.internethospital.net/sakuin.html Department of Radiology, Kitasato University Hospital 画像診断の目的 ✓痛みの原因を見つけることと生命の危険を来す疾患を除外すること。 ✓外科手術が必要かどうかを判断すること。 ✓不明な腹部疾患に対しての情報収集をする。 ✓ このあと✓印に注目!! Department of Radiology, Kitasato University Hospital 急性腹症におけるCT検査の位置づけ ✓限られた時間内に疾患を特定し、その治療方針を決定しなければなら ない。 ✓再現性・客観性の高い情報を提供でき、MPR画像により多方向からの 画像観察も可能である。 ✓その簡便性、客観性から、急性腹症の画像診断において、なくてはな らないモダリティーである。 ✓急性腹症以外の背景にある病変、あるいは副病変を同時に知ることが でき、造影により質的診断も可能である。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital どのように撮影すれば有用な情報が得られるのか? ・どのような病態で何を描出できればよいか? ・病変描出のための撮影条件は? ・電圧,電流は? ・画像SDは? ・スライス厚は? ・ウインドウレベルと幅は? ・再構成関数は? ・造影は? 撮影タイミングは? ✓病態と自施設における装置特性の理解が必須!! Department of Radiology, Kitasato University Hospital 本日の内容 1 はじめに 2 当院の撮影プロトコ-ルの紹介 3 撮影のポイント 4 CT読影のポイント 5 まとめ Department of Radiology, Kitasato University Hospital 当院の急性腹症撮影プロトコール 肝臓上縁 1.plain 2.early bolus tracking 100HU到達 + 13sec (動脈後期相) 3.portal(60~80秒) 4.delay(180秒) 坐骨結節 ✓リンパ節、転移病巣、鼠径ヘルニアの検索のために、坐骨結節を十分 に含むように撮影する。 ✓撮影タイミングはbolus trackingで決定。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 当院の急性腹症撮影プロトコール 体重 造影剤 (規格) 39kg以下 320mgI 75ml 40-49kg 300mgI 100ml 50-59kg 370mgI 100ml 60-69kg 300mgI 150ml 70kg以上 350mgI 135ml 注入量 (ml) 注入速度 (ml/sec) 600mgI/kg を 600mgI/kg 30sec注入 注入時 間 (sec) 体重換算 撮影開始 時間(sec) 生食 後押し bolus 30 有 tracking ✓体重によらず造影効果を一定にできる。 ✓高濃度造影剤を使用することで高体重患者でも注入速度(ml/sec)を ある程度抑えることができる。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 当院の急性腹症撮影プロトコール bolus trackingの有用性 大動脈弁閉鎖不全 僧房弁閉鎖不全 三尖弁閉鎖不全の症例 弁置換ope前 100HU到達 60sec 弁置換ope後 100HU到達 40sec ✓bolus tracking使用により循環動態の個人差に対応できる。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 当院の急性腹症撮影プロトコール ✓造影4相の意味 plain 高吸収値物質(石灰化、結石、出血、血腫、出血性壊死腸管など)の確認 造影前のCT値の把握 early 活動性出血と責任血管、多血性病変の描出、腸管造影効果、肝臓の胆嚢 床の造影効果、腫瘍の造影効果 portal 活動性出血の形状変化、腸管造影効果変化、腫瘍の造影効果変化、 門脈内血栓の有無 delay 活動性出血の形状変化、腸管造影効果変化、腫瘍wash-outの有無、 炎症性病変の有無、静脈病変の有無 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 当院の急性腹症撮影プロトコール 造影剤温度と留置針ゲージ数を変化させた場合、3ml/sec で抵抗なし 注入圧変化 常温 保温庫(37℃) 10 9 10 Kg/cm2 9 8 8 7 7 6 20G 5 22G 4 24G 6 20G 5 22G 4 3 3 2 2 1 1 0 Kg/cm2 24G 0 300mgIシリンジ 350mgIシリンジ 370mgIシリンジ 300mgIシリンジ 350mgIシリンジ 370mgIシリンジ ✓安全で正確な検査のためには20Gが必要!! ✓造影剤は保温庫に保存し粘度を下げることで注入圧を低減できる。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 当院の急性腹症撮影プロトコール 鎖骨下静脈に 停滞した造影剤 右心までの 到達距離が長い ✓右腕に20Gが望ましい ✓生食後押しで造影剤を有効使用 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 当院の急性腹症撮影プロトコール 急性腹症プロトコール 腹部CTA 肝dynamic CT 膵dynamic CT 腎dynamic CT 血尿精査dynamic CT 腹ー骨盤 CT 急性腹症プロトコール 急性腹症プロトコールは初回検査に選択されるものであ り、この検査で病変の原因、成因を描出できれば次回 followでは目的に絞った検査を行うことができる。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 撮影条件 当院の急性腹症 撮影条件 使用装置 Light speed VCT 64列(GE) 管電圧 120KV 管電流 CT AEC使用 150-700mA noise index=14 回転時間 全相 0.4sec Pitchi factor 0.984mm/rot Thick ①2.5mm(サーバー転送) ②1.25mm(MPR作成用) Interval ①2.5mm(サーバー転送) ②1.25mm(MPR作成用) Scan FOV Medium body Display Fov 35cm Recon algorithm ①std ②std Recon type plus WW/WL ①350/30 ②350/30 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 急性腹症の定義から考える最適な撮影条件とは? 急性腹症とは、 激痛を主な特徴とする腹部の急性疾患の総称で、限られた時 間内にその治療方針を決定する必要がある疾患群を表す便 宜的な診断名である。 もう一度当院の撮影プロトコ-ルを確認 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 管電流 CT AEC使用 150-700mA noise index=14 ✓放射線科Dr.と協議の上、必要SDを決定。 ✓診断用画像のスライス厚が異なれば、noise indexの値も適宜 変化させる必要があるので注意が必要である。 ✓各施設でDr.との診断用スライス厚の協議が必要となる。 ✓CT AEC使用 当院では肝臓Dynamic検査も同様のスライス厚、 noise indexである ので、急性腹症の検査でも低コントラスト分解能を担保できていると 考えられる。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 管電流 画像SDの違いの視覚評価 スライス厚 2.5mm SD 14 スライス厚 2.5mm SD 30 ✔SD14の画像に比べて、SD30の画像ではnoise成分に模擬微小 free airが埋もれて評価不能である。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 管電流 CNR 低コントラスト分解能 3 1 スライス厚 2.5mm 100mA スライス厚 2.5mm 400mA 2 4 スライス厚 5mm 400mA スライス厚 2.5mm 200mA ✔noise特性では画像2が優れるはずであるが、視覚評価では画像1も よく見える。 ✔人の目はnoise成分が含まれる方が視認し易いことがある。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 管電流 CNR=(ROIM-ROIB)/SDB 100mA 200mA 300mA 400mA 10/10(mm) 0.32 0.50 0.66 0.72 7.5/7.5(mm) 0.27 0.45 0.55 0.62 5/5(mm) 0.22 0.36 0.47 0.53 3.75/3.73(mm) 0.21 0.30 0.39 0.43 2.5/2.5(m) 0.17 0.28 0.37 0.41 10/10(mm) CNR 低コントラスト分解能の変化 0.80 7.5/7.5(mm) 0.70 5/5(mm) 0.60 3.75/3.73(mm) CNR 0.50 2.5/2.5(m) 0.40 0.30 0.20 0.10 0.00 100mA 200mA 300mA 400mA ✔ 線量を2倍にすると画像SDは√2 倍改善する。 ✔ 画像スライス厚を2倍にすると画像SDは√2 倍改善する。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 回転時間 ✓時間分解能に関わる撮影条件である。 ✓心拍、呼吸、腸管の蠕動に影響を受けにくくするため、画像に 影響が出ない範囲で短く設定する。 ただし、mAsにも関わる条件なので管球容量に注意しないと 線量不足になり画質劣化をきたす。 当院のVCT(GE)では最大800mAまで出力可能。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 回転時間 相 対 1.0 値 0.5 標準X線CT画像計測 市川 勝弘時間分解能の評価 P202-216 TSPプロファイル 時間分解能 FWHM Z-position Time Department of Radiology, Kitasato University Hospital 回転時間 pitch factor 0.984mm/rot固定で回転時間(sec)を変化させた 実験から得たTSPプロファイルからFWHMを求めた 0.4sec回転 FWHM 0.183 0.5sec回転 FWHM 0.245 0.6sec回転 FWHM 0.274 0.7sec回転 FWHM 0.338 0.8sec回転 FWHM 0.386 0.9sec回転 FWHM 0.459 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 回転時間 自作動体ファントム 静止時にScan *プロペラ(軸)回転速度 2回転/sec Department of Radiology, Kitasato University Hospital 回転時間 Pitch factor 0.984/rot固定 回転時間(sec)を変更した場合の視覚評価 1.0sec 0.6sec 0.8sec 低 0.4sec 高 時間分解能 ✓体動、呼吸停止不良、心拍、腸管蠕動の影響を考慮し可能な限り 短く設定する。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital Pitch factor ピッチによる展開図(スキャンデータ密度)の変化 16列 ピッチ0.662 16列 ピッチ0.85 第15回 徳島CT研究会 2005.10.14 名古屋大学医学部保健学科 (当時) 16列 ピッチ1.2 臨床画像に密接に関わる画質特性と撮影パラメータ のスライドより抜粋 市川 勝弘 ✔アーチファクトの抑制には均等で密度が高いスキャンデ-タが必要 Department of Radiology, Kitasato University Hospital Pitch factor Pitch factorを変更した場合の視覚評価 0.516mm/rot 0.984mm/rot 1.375mm/rot 1.25mm 1.25mm 1.25mm 2.5mm 2.5mm 2.5mm ✓Pitchを広げてもスライス厚によってはア-チファクトを低減できる。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital スライス厚 ✓臨床側との相談、設定SD、画像サーバー負荷を考慮して決定する。 当院では診断用画像として2.5mmの画像をサーバー転送、MPR作成用と して1.25mmの画像を再構成している。 ただし、Dr.側からの要望があった場合は1.25mmまたは0.625mmの画像を サーバー転送している。 ✓病変の大きさ、MPR、3D作成を考えた場合、スライス厚の違いによる 空間分解能に注意が必要である。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital スライス厚 MPR作成時の視覚評価 元画像の厚さを変更 MPR作成時の視覚評価 元画像0.625mmを使用 元画像2.5mmを使用 元画像5.0mmを使用 ✓元画像が薄いほどMPRの空間分解能は向上する。 ✓病変、血管形状など解剖学的形状の担保に重要である。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 設定条件と関連する画質指標 設定項目 関連する画像指標 管電圧(kv) 画像雑音 管電流(mA) 画像雑音 空間分解能 設定項目(数値) を増やしたときの影響 被ばく増加。検出器入射光子数増加により雑音低下。 被ばく増加。雑音低下。 焦点サイズの拡大により空間分解能低下。 回転速度 空間分解能 画像雑音 時間分解能(面内) 被ばく増加。時間分解能低下。 mAs値増加により雑音低下。 View数の増減がある装置では空間分解能向上。 スライス厚 画像雑音 空間分解能(体軸) 雑音低下。体軸方向の空間分解能低下。 パーシャルボリューム効果の出現。 Pitch factor 空間分解能 画像雑音 時間分解能 被ばく低下。時間分解能向上。雑音増加。 SSPzの拡大。ヘリカルアーチファクト増加。 分光堂 『考えるCT撮像技術』 P27 一部改訂 ✓設定項目は単独で変化するものではなく、密接に関係している。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital WW/WL ウィンドウ幅 / ウィンドウレベル 撮影後の画像は、ウィンドウ幅(WW)、ウィンドウレベル(WL)によりウィンドウ設 定され診療各科へ提供される。 WWとWLでグレイレベル内に収まるCT値の上限から下限値を設定する ので、この範囲以外では白一色、色もしくは黒一色となり見分けは つかない。 黒一色 白一色 ✓ウィンドウ設定が不適切な場合、せっかくの情報が無駄になってしまう ことにもなりかねない。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital WW/WL ウィンドウ幅 / ウィンドウレベル free air検出目的のウィンドウ設定 WW350 WL30 WW2000 WL-500 ✔空気のCT値は-1000なので広いWWで観察 Department of Radiology, Kitasato University Hospital WW/WL ウィンドウ幅 / ウィンドウレベル Jaap Stoker,MD,Adrienne van Randen,MD,Wytze Lame´ris, MSc,Marja A. Boermeester,MD Radiology (2009) Department of Radiology, Kitasato University Hospital WW/WL ウィンドウ幅 / ウィンドウレベル dirty fat sign検出目的のウィンドウ設定 各臓器のコントラストを維持しつつ臓器の周囲の脂肪も見えるよう にして炎症所見を見逃さないようにする。 WW100 WL 35 WW200 WL 35 WW350 WL 30 ✓WWを広げることによって脂肪がよく見えるようになる! ✓脂肪がみえるかみえないかのWWでほんの少しWLダウン Department of Radiology, Kitasato University Hospital WW/WL ウィンドウ幅 / ウィンドウレベル 出血検出目的のウィンドウ設定(単純撮影) 血腫のCT値は40~60HUなので狭いWWで観察 WW350 WL30 画像 WW80 WL40 画像 ✓plain CTで頭部のWW/WLに設定すると血腫部位の判別が容易 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 本日の内容 1 はじめに 2 当院の撮影プロトコ-ルの紹介 3 撮影のポイント 4 CT読影のポイント 5 まとめ Department of Radiology, Kitasato University Hospital 急性腹症に含まれる疾患 Telfer S,Fenyo G,Holt PR,de Dombal FT. Acute abdominal pain in patients over 50 years of age. Scand J Gastroenterol Suppl. 1988:144:47-50 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 急性腹症撮影の件数とその依頼理由 *北里大学病院(本院)における1年間調査 ・出血源検索 51 ・イレウス(ヘルニア)精査 75 ・虫垂炎 31 ・ope後フォロー 38 ・急性膵炎疑い 3 ・憩室炎疑い 16 ・腹痛精査(穿孔など) 36 ・その他 47 合計 297 CT検査依頼内容 その他 16% 出血源検索 17% 腹痛 12% イレウス精査 (ヘルニア精査も含む) 25% 憩室炎疑い 5% 急性膵炎疑い 1% ope後フォロー 13% 虫垂炎 11% Department of Radiology, Kitasato University Hospital 各論とCT読影のポイント ・急性虫垂炎 ・腸閉塞(イレウス) ・消化管穿孔 ・急性膵炎 ・急性胆嚢炎 ・消化管出血 ・血管性病変 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 各論とCT読影のポイント ・急性虫垂炎 ・腸閉塞(イレウス) ・消化管穿孔 ・急性膵炎 ・急性胆嚢炎 ・消化管出血 ・血管性病変 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 急性虫垂炎 2013年度 画像診断ガイドライン 成人の急性虫垂炎ではどのような画像診断を推奨するか? 推奨グレード:B 成人の急性虫垂炎において超音波に比較して、CTは高い感 度、特異度を有するエビデンスが存在し、推奨する。 多くの論文で超音波に比較してCTが優れているとの報告がある が、欧米での報告である。このため、わが国では体格の関係で超 音波の診断能は欧米より高いと推定できる。 しかしながら穿孔などの重症例は診断が困難なこともあり可能な限 りCTを行うべきであろう。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 急性虫垂炎 CT読影ポイント 虫垂走行のバリエ-ション 盲腸後:64% 骨盤内:32% 盲腸下:2% 回腸前:1% 回腸後:0.4% Netter解剖学アトラス 図283 ✓虫垂が位置しうる範囲、見え方に個人差が大きいことを知っておく 必要がある。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 急性虫垂炎 CT読影ポイント ✓虫垂の直径6mm以上の腫大 * ✓周囲脂肪組織の炎症像(dirty fat sign) ✓石灰化した虫垂結石 ✓造影CTにて強くenhanceされる虫垂壁 * disproportionate fat stranding (dirty fat signは英語論文では使用されないので注意) Department of Radiology, Kitasato University Hospital 急性虫垂炎 CT読影ポイント dirty fat sign 虫垂の腫大 虫垂壁の強いenhance 石灰化した 虫垂結石 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 各論とCT読影のポイント ・急性虫垂炎 ・腸閉塞(イレウス) ・消化管穿孔 ・急性膵炎 ・急性胆嚢炎 ・消化管出血 ・血管性病変 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 腸閉塞(イレウス) 機械性腸閉塞:器質的疾患により通過障害を来すもの ・単純性腸閉塞:血流障害を伴わない (1)先天性 (2)腸管腔内に閉塞原因(胆石,胃石,異物など) (3)腸管壁に閉塞原因(腫瘍,感染,アレルギーなど) ・複雑性腸閉塞:血流障害を伴う (1)絞扼性イレウス (2)ヘルニアの陥頓 (3)腸重積 (4)腸軸捻転 (5)腸管結節形成 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 腸閉塞(イレウス) 機能性腸閉塞:腸管の蠕動運動の障害により通過障害を来すもの ・麻痺性イレウス(広義) (1)麻痺性イレウス(狭義) ①神経性 ②代謝性 ③薬剤性 ④感染性 (2)腸管膜血管の血栓,塞栓によるもの (3)偽性腸閉塞症(Ogilvie症候群) ・痙攣性イレウス (1)中毒によるもの (2)外傷によるもの (3)結石発作に伴うもの (4)その他 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 腸閉塞(イレウス) CT読影ポイント ✓閉塞部の形態(機械性or機能性)と原因(単純性or絞扼性)の評価 ✓closed loopの形成 ✓造影による絞扼の有無の確認 ✓腸間膜脂肪織の浮腫(dirty fat sign)の有無 ✓単純CTで腸管壁の高吸収化(出血性壊死)の有無 ✓造影CTで腸管虚血の評価 ✓ 腸管壁内ガスの有無 ✓ 腹水の有無 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 腸閉塞(イレウス) CT読影ポイント whirl sign AXで分かりにくい場合 CORで early plain ✓ plainでも閉塞部位は特定できるが、腸管の虚血状態、絞扼状態の 血管が不明である。 ✓ペ-ジング操作を行うとより同定が容易である。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 腸閉塞(イレウス) CT読影ポイント plain early portal delay ✓ closed loopの腸管壁とそうでない部分の造影効果に注目 ✓腸管壁はearlyから造影されるがclosed loop部分は造影効果が弱く 虚血の状態である。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 腸閉塞(イレウス) CT読影ポイント small-bowel feces sign beak sign ✓beak sign:閉塞point で鳥のくちばし状の形態を示す。 ✓small-bowel feces sign:泡状のガスを含んだ便様の内容物。 小腸閉塞部位の直前に認められることが知られている。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 各論とCT読影のポイント ・急性虫垂炎 ・腸閉塞(イレウス) ・消化管穿孔 ・急性膵炎 ・急性胆嚢炎 ・消化管出血 ・血管性病変 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 消化管穿孔 ・穿孔は穿通(被覆穿孔)と開放性穿孔に分けられる。 ・一般的に穿孔とは開放性穿孔の方を指し、腸内容物が漏れ腹膜 炎を起こすため、早期診断を要し、緊急手術になることが多い。 ・単純X線写真もしくはCTのいずれかで腸管外ガスを同定することで 確定診断がなされる。 ・穿孔部位の同定や原因、合併症の有無などの診断も要求される。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 消化管穿孔のCT読影ポイント ✓腸管壁の断裂 ✓腸管外ガスの集簇 ✓限局性の腸管壁肥厚 以上3項が特に重要な所見と考えられている * *Hainaux B,Agneessens E, Bertinottti R,et al:Accuracy of MDCT in perdicting site of gasstrointestinal tract perforation. AJR 187:1179-1183,2006 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 消化管穿孔のCT読影ポイント 腸管壁の断裂 腸管壁の断裂 造影された 腸管壁 膿瘍形成 ・消化管の穿孔部位にガスもしくは液体が侵入し、これが壁内の低吸収域として描出 され亀裂を生じているようにみえる所見で、消化管穿孔の直接所見である。 ・この直接所見が描出される頻度は単純CTで6%に対し、造影CTでは52%と明らかに * 診断精度が向上すると報告されている。 *Imuta M, Awai K, Nakayama Y, et al : Multidetector CT findings suggesting a perforation site in the gastrointestinal tract : analysis in surgically confirmed 155 patients. Radiat Med 25 : 113-118 , 2007 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 消化管穿孔のCT読影ポイント 腸管外ガスの集簇 ・ガスの集簇と分布に注意を払う必要がある。 ・遊離ガスが少量であるほど穿孔した腸管の近傍に存在することが多く、これが集簇 することで穿孔部位を推定できる。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 消化管穿孔のCT読影ポイント ✔穿孔部位別に見る遊離ガスの量と分布 穿孔部位 量 分布 胃十二指腸 多量 胃・肝周囲 十二指腸下行脚 様々 前腎傍腔 小腸 微量 腸管膜、前方腹膜 虫垂 微量もしくはない 虫垂周囲 大腸 様々 骨盤、腸管膜、後腹膜 画像診断12 vol.32 No.14 2012 消化管救急疾患の画像診断より Department of Radiology, Kitasato University Hospital 消化管穿孔のCT読影ポイント 限局性の腸管壁肥厚 潰瘍を伴う壁の不規則の肥厚 dirty fat sign ・穿孔部位には潰瘍や炎症を伴っており、壁が浮腫状肥厚を呈することが多い。 ・正常部位と比較して不規則の肥厚、5mm以上に肥厚している腸管が穿孔部位の 可能性がある。 ・周囲脂肪組織の吸収値上昇や体液貯留を伴うことが多いため、複数の間接所見 と併せて判断することが必要。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 各論とCT読影のポイント ・急性虫垂炎 ・腸閉塞(イレウス) ・消化管穿孔 ・急性膵炎 ・急性胆嚢炎 ・消化管出血 ・血管性病変 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 急性膵炎 膵酵素の膵内活性化による膵の自己消化によって生じる膵の急性 炎症である。 臨床像と単純CTのみでも急性膵炎の診断は可能だが、その原因 精査、重症度判定、合併症の診断のためにはダイナミックCTが望 ましい。急性膵炎診療ガイドライン2010推奨 造影剤の添付文章によると急性膵炎に造影は原則禁忌とされてい るが、急性膵炎診療ガイドライン2010では、国内の代表的造影剤 メーカーの統一見解として、これまで造影剤により急性膵炎が増悪 したという国内の報告はなく、また、海外では韓国を除き原則禁忌と している国はないとの回答である。 原則禁忌すなわち必要な場合は慎重に投与することを遵守しなけ ればならない。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 急性膵炎 2013年度 画像診断ガイドライン 急性膵炎の診断、重症度判定に造影CTは有効か? 推奨グレード:A 急性膵炎の診断および重症度判定に造影CTを強く推奨する。 ・膵局所の評価のみならず、全身に生じる合併症の評価にもCT の役割は大きい。 ・重症化した場合の死亡率は非常に高く、選択されるべき治療法 の妥当性にも重症度判定は深く関わっている。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 急性膵炎 造影CT Grade 造影不良域と炎症の膵外進展度からなる2のパラメータを用いた重症 度判定法に改定された。 このCT Gradeと死亡率には相関がみられ、Grade1で0%、Grade2で、 14.3%、Grade3で15.3%の死亡率であったとの報告がある。 急性膵炎診療ガイドライン2010より抜粋 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 急性膵炎のCT読影ポイント ✓膵腫大の有無 ✓膵実質吸収値の変化 ✓膵周囲への炎症の波及 ✓急性浸出液貯留 ✓膵実質の壊死の有無 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 急性膵炎のCT読影ポイント 膵周囲への炎症の波及 膵実質吸収値の変化 急性浸出液貯留 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 急性膵炎のCT読影ポイント 膵実質の壊死 膵周囲への炎症の波及 急性浸出液貯留 膵実質の造影不良域 ・膵実質の壊死とみられる造影不良域に対しても高濃度の薬剤を到達させる動注 療法を行うことにより、膵酵素の活性化を抑制し、膵炎の進展を阻止することがで きると期待されている。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 各論とCT読影のポイント ・急性虫垂炎 ・腸閉塞(イレウス) ・消化管穿孔 ・急性膵炎 ・急性胆嚢炎 ・消化管出血 ・血管性病変 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 急性胆嚢炎 2013年度 画像診断ガイドライン 急性胆嚢炎が疑われた場合行うべき画像検査は何か? 推奨グレード:A(超音波) :B(CT,MRI/MRCP) CTは必ずしも全例で施行する必要はないものの、他の検査で の確定診断が困難な場合や局所合併症の評価に有効であ り、推奨する。 超音波検査では胆嚢壁の断裂をとらえることは困難で正診率は 39%であったが、造影CT検査では69%であったとされている。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 急性胆嚢炎のCT読影ポイント ✓胆石の有無(原因の90~95%は胆嚢結石である) ✓earlyで肝臓胆嚢床のenhance (肝への炎症波及) ✓胆嚢壁肥厚 ✓胆嚢周囲の液体貯留 ✓胆嚢内ガス像 ✓胆嚢拡張 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 急性胆嚢炎の読影のポイント earlyで胆嚢床の enhance plain early plainでは胆嚢壁の 断裂が不明 plain portal earlyで胆嚢壁がenhanceされ始める Portalでさらにenhanceされる胆嚢壁 early 胆嚢壁肥厚 胆嚢拡張 portalでは胆嚢床のenhanceを 確認できない ✔造影すると胆石の描出困難 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 各論とCT読影のポイント ・急性虫垂炎 ・腸閉塞(イレウス) ・消化管穿孔 ・急性膵炎 ・急性胆嚢炎 ・消化管出血 ・血管性病変 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 消化管出血 CTの適応 〇上部消化管 内視鏡検査で出血部位が不明であったり、内視鏡的治療が不完全 で効果的な止血が得られなかった症例においてCTが行われる。 〇下部消化管 血便、凝血塊のために内視鏡による検索が困難となる場合が多 い。 内視鏡検査よりも優先的にCTを用いて評価を行う場合もある。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 消化管出血の読影のポイント ✓plainで消化管内腔の血性液状便、凝血塊の有無 ✓earlyで直接的な活動出血所見の検出 ✓活動性出血、仮性動脈瘤の責任血管の同定 ✓portalで活動性出血と仮性動脈瘤の鑑別 ✓delayで炎症性病変、腫瘍性病変、静脈の観察 Department of Radiology, Kitasato University Hospital SMAの分枝 消化管出血の読影のポイント plain early portal delay ・earlyで血管外漏出をみとめportal、delayで拡散し形状が変化している。 ・仮性動脈瘤は形状が変化せず正常な動脈と類似した造影パタ-ンを示すことが 多い。 ・MPR、VR、MIPを作成することでTAE施行時の有用な情報となる。 * ・消化管出血においてブタを用いた動物実験では0.3ml/minの出血を検出し得る。 * Kuhle WG,Sheiman RG:Detection of active colonichemorrhage with use or helical CT:findins in a swinemodel. Radology (2003) Department of Radiology, Kitasato University Hospital 各論とCT読影のポイント ・急性虫垂炎 ・腸閉塞(イレウス) ・消化管穿孔 ・急性膵炎 ・急性胆嚢炎 ・消化管出血 ・血管性病変 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 血管性病変 急性腸間膜虚血の成因と病態 〇 腸間膜動脈閉塞(閉塞症、血栓症) 〇 非閉塞性腸間膜虚血 〇 腸間膜静脈虚血 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 血管性病変 急性腸間膜虚血の成因と病態 〇 腸間膜動脈閉塞(閉塞症、血栓症) 〇 非閉塞性腸間膜虚血 〇 腸間膜静脈虚血 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 血管性病変 急性腸間膜虚血の成因と病態 〇 腸間膜動脈閉塞(閉塞症、血栓症) 完全虚血型(動脈閉塞型) 血流が無いため腸間膜浮腫、腹水は認めない。 不完全虚血型(再環流型) 十分な酸素供給がされず、漏出、滲出、出血をきたし、腸管拡 張、液貯留、浮腫、腹水を認める。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 血管性病変 急性腸間膜虚血の成因と病態 〇 腸間膜動脈閉塞(閉塞症、血栓症) 〇 非閉塞性腸間膜虚血 〇 腸間膜静脈虚血 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 血管性病変 急性腸間膜虚血の成因と病態 〇 非閉塞性腸間膜虚血(NOMI) 心不全、ショックなど全身の低還流→脳や心臓など重要臓器への 血流を維持→腸管膜動脈末梢が攣縮 腸管膜動静脈に閉塞が認められない腸管虚血。 Gold standardは血管造影で、腸管膜動脈末梢が攣縮状に狭小化 * して描出されないことを確認。CTAで描出し得たとの報告あり。 ✔画像診断の主な役割は、腸管虚血を疑われる症例で、SMA閉塞症、 絞扼などを除外すること、消化管の状態の把握である。 *Reiko Woodhams et al:Usefulness of multidetector-row CT (MDCT) for the diagnosis of non-occlusivemesenteric ischemia (NOMI): Assessment of morphology and diameter of the superior mesenteric artery (SMA) on multi-planar reconstructed (MPR) images. EJR (2010) Department of Radiology, Kitasato University Hospital 血管性病変 急性腸間膜虚血の成因と病態 〇 腸間膜動脈閉塞(閉塞症、血栓症) 〇 非閉塞性腸間膜虚血 〇 腸間膜静脈虚血 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 血管性病変 急性腸間膜虚血の成因と病態 〇 腸間膜静脈虚血 動脈血の流入は保たれるが流出が妨げられるため酸素濃度の 低い血液がうっ血した状態となる。これによりじわじわと低酸素 障害が進行する。 漏出、滲出、出血をきたし、腸管拡張、液貯留、浮腫、腹水を認 める。不完全虚血型より症状が強い。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 血管性病変 腸間膜虚血 臨床経過で急性と慢性に分類されるが、このうち急性腸間膜虚血 (AMI)は死亡率50~70%と極めて予後不良の疾患である。 CT所見から見た虚血障害の進行 Early で腸管壁の 造影増強効果消失 Delayで腸管壁の 造影増強効果消失 腸管壁の菲薄化 内腔の拡張 腸管気腫 可逆的状態IVRの適応 非可逆的状態(腸管壊死) 開腹手術 IVRは禁忌 最適な造影タイミングでCTを行い現在の虚血状態、及びその成因を 確認し治療方針を決定する。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 血管性病変のCT読影ポイント ✓閉塞、血栓の責任血管の同定とその程度 ✓腸管壁のpaper thin wall signの検出 ✓腸管内ガスおよび腸間膜静脈、門脈内ガスの検出 ✓虚血腸管のviabilityの有無の評価 ✓適宜、MPRや、血管についてはvolume rendering(VR)法を用いて 観察する。* *Furukawa A,Kanasaki S,Kono N et al:Ctdiagnosis of acute mesenteric ischemia from various causes. AJR(2009) Department of Radiology, Kitasato University Hospital 血管性病変のCT読影ポイント early plain 造影される腸管壁 plainでは・・・若干、毛羽立ち??? early early 上腸間膜動脈の造影欠損 造影不良 虚血状態に陥った腸管 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 血管性病変のCT読影ポイント plain early early SMA 開存 IVCの虚脱 portal 門脈内ガス 造影不良な腸管壁 脱水を契機とする非閉塞性腸管膜虚血 NOMIの疑い。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital ケ-ススタディ- 症例紹介 ・40歳代女性 ・不妊治療中 ・膀胱内膜症で経過観察中 ・当日朝から右背部痛あり ・右下腹部に圧痛あるが反跳痛なし ・右背部に叩打痛+++ ・血液デ-タ異常なし ・echoで右腎近傍に体液貯留 大動脈解離? 胆嚢炎? 膵炎? 尿管結石? 子宮外妊娠? 腹腔内感染? 急性腹症CT オーダ- Department of Radiology, Kitasato University Hospital ケ-ススタディ- 症例紹介 plain early portal delay 読影レポ-ト 右腎周囲腔に液体貯留を認める。右尿管破裂の可能性あり。 時間を置いて再度単純CTを撮影してください。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital ケ-ススタディ- 症例紹介 30min後のCT 読影レポ-ト 拡張した右腎盂より右腎周囲腔に造影剤が漏出しています。 また、腎背周囲にも造影剤が漏出しており、他にも漏出個所が ある可能性があります。右腎盂破裂疑い。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital ケ-ススタディ- 症例紹介 30min後のCT ✔急性腹症プロトコ-ルは尿管損傷など尿路系疾患には対応できない 可能性があることを念頭に置く必要がある。 ✔場合によってはsuper delayの撮影も必要。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 装置スペック、物品の関係ですべて実践するのは不可能な場合の参考 (社)日本放射線技術学会学術委員会 X 線CT 撮影における標準化 ~ガイドラインGuLACTIC~ (抜粋) Strong Recommend Recommend Option 管電圧(kv) 120kv ← ← 線量(mAs) 200-250mAs AECの使用 ← 回転時間 可能な限り早く ← ← 必要ヨ-ド量(mgI/kg) 450-600mgI/kg ← ← 40sec 30sec ← 撮影時相 1.plain 2.造影 70-90sec*1 1.plain 2.early 30sec*2 ← 3.portal 70-90sec comment *1 造影前に目的臓器 の把握 *2 Bolus tracking、 ← Test Injectionの 使用 Window条件 WW:250-350 WL:任意 ← 注入時間(sec) 画像処理 ← MPR、VR、MIP Department of Radiology, Kitasato University Hospital 本日の内容 1 はじめに 2 当院の撮影プロトコ-ルの紹介 3 撮影のポイント 4 CT読影のポイント 5 まとめ Department of Radiology, Kitasato University Hospital まとめ ✔多くの疾患に対応できる急性腹症CTではあるが、 油断せずに! ✔CT装置を熟知しているだけでなく疾患に関しても的確 に異常を指摘できなくてはいけない。 ✔装置の特性や画像表示の特性を十分理解し日常業務 に有意義に反映させるのが診療放射線技師の役割で ある。 ✔なぜ今、この検査を行っているか常に考え最適な画像 を提供しなければならない。 Department of Radiology, Kitasato University Hospital 参考文献 ✔消化器救急疾患の画像診断 Vol32 No.14 2012 ✔急性腹症の画像診断 Vol27 No.3 2007 ✔腹部のcommon diseaseの画像スペクトラム Vol32 No.5 2012 ✔膵の画像診断update2010 Vol26 No.5 2010 ✔画像診断ガイドライン2013年度版 ✔考えるCT撮像技術 ✔標準X線CT画像計測 ✔X線CT撮影における標準化~ガイドラインGuLACTIC~ Department of Radiology, Kitasato University Hospital ご清聴ありがとうございました
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