火力発電プラントの 計測と制御 火力原子力発電技術協会 大学講座 2014 大木 隆平 1 2.火力発電プラントの仕組み エネルギーの流れ 化石燃料(燃焼) 熱エネルギー 蒸気発生器 (石炭,油,ガス) 機械エネルギー 蒸気タービン (蒸気) 水 発電機 蒸気流量 蒸気圧力 蒸気温度 発電機出力と操作量 発生発電機出力 (MW) (回転) 電気エネルギー 蒸気条件(*) を満たした 蒸気流量 (T/H) 給水(エネルギー搬送) T/H 燃料(エネルギー源) T/H 空気(燃焼用) M3/H P・a *蒸気条件:エンタルピー(蒸気温度・圧力) ボイラの操作量 3要素 (P:主蒸気圧力) (a :タービン制御弁開度) 10 基本的制御システムの構成 MW=a*Q=b*L*P ボイラ追従制御 出力指令 圧力制御 出力制御 主蒸気 圧力 発電機 出力 ボイラ入力 ボイラ 燃料給水 調節弁 タービン 制御弁 タービン 発電機 タービン追従制御 出力指令 出力制御 圧力制御 ボイラ入力 ボイラ 発電機 出力 主蒸気 圧力 燃料給水 調節弁 タービン 制御弁 タービン 発電機 ボイラ・タービン統括制御(BT協調制御) ボイラ・タービン マスタ制御 発電機 出力 主蒸気 圧力 ボイラ入力 ボイラ 燃料給水 調節弁 出力指令 タービン 制御弁 タービン 発電機 3 4.1ドラムボイラと貫流ボイラの動特性 制御量 操作量 4 ボイラ制御系統(APC)全体構成概要 APC::Automatic Power plant Control system APC MW 主蒸気温度 主蒸気圧力 TP 設定値 設定値 Fx △ MWD Fx △ △ MWD (PI制御) Σ Fx MW 制御 (PI制御) タービンガバナ Σ Fx △ MWD Fx △ 設定値 Fx 空気流量 O2 制御 水燃比 再熱蒸気温度 設定値 燃料流量 (PI制御) (PI制御) 負荷指令 MWD Fx 主蒸気 温度 制御 TP 制御 火炉パス温度 設定値 給水流量 設定値 Eco出口ガス Eco 出口ガスO O2 火炉パス 温度 修正 再熱蒸気 温度 制御 (PI制御) (PI制御) 空燃比 Fx × Fx △ △ △ 給水 流量 制御 燃料 流量 制御 空気 流量 制御 SH スプレ 制御 (PI制御) (PI制御) (PI制御) (PI制御) ミル等 給水流量調節弁 操作指令 △ Σ 5 FDF動翼 SHスプレ調節弁 RH/SH RH/SHガスダンパ ガスダンパ 4.ボイラのインターロック項目 a)押込ファン全数 停止 b)誘引ファン全数 停止 c)燃焼不安定 *(ANN) d)再熱器保護 動作 e)火炉ドラフト 高 *(ANN) f)火炉ドラフト 低 * (ANN) g)ドラム水位異常 低*(ANN) MFT動作 h)全給水ポンプ 停止 i)給水流量 低 又は 火炉水冷壁流量 低*(ANN) 燃料を速やかに遮断 j)ドラム圧力 高 k)主蒸気圧力 高 l)火炉水冷壁圧力 高 m)火炉水冷壁圧力 低 注) ・a)~ c)は勧告項目を示す。 ・d)~ m)は推奨項目を示す ・*印は警報の勧告項目を示す n)その他、設備に応じた保護項目 6 5.MFT動作 (1)全燃料ポンプ停止 MFT条件 MFT 動作 MFT リセット 火炉パージ 完了 燃料リーク チェック完了 注1) 石炭焚きボイラの場合 注2) 貫流ボイラの場合 注3) 空気量確保については5.2参照 (2)全バーナ弁閉 (3)全燃料遮断弁閉 (4)全過熱器スプレ弁閉 (5)全再熱器スプレ弁閉 (6)全微粉炭機停止 注1 (7)全給炭機停止 注1 (8)全一次通風機停止 注1 (9)全給水ポンプ停止 (10)タービン停止 注2 注2 7 制御系統の修正方法 各負荷帯の動特性に 適した値となるように 調整する 静特性基本プログラム・加速指令 を炭種に対応して修正する 8
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