ルミパルスG1200におけるHBsAgHQの基礎的検討

演題 7
ルミパルス G1200 における HBsAgHQ の基礎的検討
羽島市民病院 臨床検査科
○ 横山直弥、西沢善徳、横山隆
【目的】現在、B 型慢性肝炎における HBV モニタ
精度管理用試料を用いた試料(レベル 1、2、3)
リングには、HBV-DNA 定量測定を中心に測定
において同時再現性(N=10)・日差再現性(N=7)
されているが、近年HBs 抗原陰性の既往感染例
についても CV5%以下となり良好な結果を得た。
からの HBV 再活性化が問題となっており、HBs
合わせて HBV-DNA との相関についても検討を
抗原の高感度化についても話題となっている。
したが、相関はなく、HBsAg と HBV-DNA は全く
B 型慢性肝炎の治療基本指針では、HBs 抗原の
別マーカーとして扱うべきである。
陰性化を目指すと示されており、HBs 抗原検査
ル ミ パ ル ス HBsAg-HQ の 上 限 測 定 レ ン ジ は
が臨床診断上より重要性を増してきている。今回
150IU/ml であり、最終値を算出する要望がある
我々は、ルミパルス G1200 専用「ルミパルスHBs
ため、ルミパルス G1200 の自動希釈精度に関し
Ag-HQ」測定試薬の基礎的検討及び、従来試
ても検証したが、良好な結果を示した。
薬「ルミパルスⅡHBsAg」との比較について検討
【考察】
したので報告する。
今回の検討において、「ルミパルスHBsAg-HQ」
【対象と方法】
は比較検討試薬と比較して、臨床的な意義が高
測定機器:ルミパルス G1200(富士レビオ)
く、有用性が高いことを確認した。
測定試薬:ルミパルスHBsAg-HQ(富士レビオ)
検討検体は凍結血清によるものが大半であり、通
比較検討試薬:ルミパルスⅡHBsAg(富士レビ
常の検体測定に際しては、今後採血管・転倒混
オ)
和・遠心条件など最適な条件を確認して運用し
対象は院内 HBV-DNA 定量測定依頼検体 63 例、
ていく必要がある。
及び従来測定試薬陽性検体 57 例の計 120 例と
した。
【結果】比較検討試薬とルミパルスHBsAg-HQ
試 薬 と の 陽 性 ・ 陰 性 の 一 致 率 は 116/120
(96.7%)であった。不一致例の 4 例について他
法及び抑制試薬により精査を実施したが、1 例は
従来試薬の偽陽性と推測され、3例はHBsAg
-HQ において超高感度化されたために検出でき
た結果となった。
【連絡先】羽島市民病院 臨床検査科
0583-93-0111(内線 210)