B型肝炎の予防接種

B型肝炎の予防接種
B型肝炎は、
B型肝炎ウイルス(HBV)の感染によって起こる
肝臓の病気です。B型肝炎には様々な特徴があります。
B型肝炎
について
ワクチン
の目的
1
●HBVは主として感染している人の血液や体液
を介して感染します。またHBVキャリアー(HBV
に持続感染している人)の母親から生まれた子
どもに感染することもあります。
2
●感染後、
体からウイルスが排除され治癒する
「一過性感染」と、
ウイルスが体の中に住み着い
てしまう「持続感染(HBVキャリアー)」の2つの
感染様式があります。
3
●一過性感染の多くは自覚症状がないままに経
過し治癒(不顕性感染)しますが、一部の人は急
性肝炎を発症し、
まれに劇症化して死に至ること
もあります。
4
●キャリアーの10∼15%が慢性肝炎を発症し、
一部の人は更に肝硬変、肝癌へと進展すること
があります。肝機能が急速に悪化し、生命の危険
を生じることもあります。
5
●キャリアーの母親から生まれた子どもが感染
するとその子どももキャリアー化してしまいます
が、子どもの感染をワクチンなどによって予防す
ることが出来ます。
ワクチン
の副反応
接種した人の約10%に副反応は見られます。接
種部位が赤くなったり、はれたりする局所反応と、
発熱、頭痛などの全身反応がありますが、
いずれ
も一過性で症状の重いものではありません。極
めてまれですが、ショック、急性散在性脳脊髄炎
などの神経症状が現われたとの報告があります。
2 01 3
Sakatoku
Ped i atr i c
Clinic
B型肝炎ワクチンの目的は、
「急性感染」を予防
することと、
「キャリアー化」を予防することの2
つがあります。
「キャリアー化」の予防は、子どもがキャリアーの
母親から生まれた直後に免疫グロブリンとワク
チンを併用します。
この方法は保険によってカバーされ、産科で治療
が開始されます。
生後3ヶ月以降のB型肝炎ワクチンは、主に「急
性感染」を予防することを目的とします。
接種回数
及び費用
1回目接種後4週で2回目を接種します。更に20
∼24週後に3回目を接種します。
任意の予防接種のため、1回の接種に6,500円
の費用がかかります。
接種前にB型肝炎にかかっていないか、抗原・抗
体検査を、
また3回接種後に免疫が出来たか効
果判定の抗体検査を行うことが望まれます。
その費用も自費で、接種前には2,000円、接種後
には1,500円かかります。
ワクチン接種と血液検査のスケジュール