講義資料(スライド)

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岡山大学「ものづくり講座」
品質管理(1)
2014年5月21日
トヨタ自動車(株)古谷健夫
<目 次>
1.「品質」とは?
2.要因と評価尺度
3.「品質管理」とは?
4.「異常」への気づき
5.「問題解決」概論
6.まとめ
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1.品質とは?
「品質」とは?
2.4 品質/質
製品・サービス,プロセス,システム,経営,
組織,風土など,関心の対象となるものが明示
された,暗黙の,又は潜在しているニーズを満
たす程度.
注記1 ニーズには,顧客と社会の両方のニーズ
が含まれる.(後略)
日本品質管理学会規格 「品質管理用語 JSQC-Std 00-001 2011 」 より
1.品質とは?
「品質」とは?
お客様の期待に応え、
誰にも満足感を与えるもの
「品質」とは「もののよしあし・ねうち」
「もののよしあし・ねうち」はお客様が決める
「品質」 とは
“ばらつく”もの、 “変化する”もの
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2.要因と評価尺度
「要因」による影響
・今まで「正常」に機能していたものが・・・
特性値の分布
(提供側)
NG
4Mに「ばらつき」
「変化」が発生
お客様の要求・期待の範囲(受取側)
[4M]
Man(Member)
Machine
Method
Material
2.要因と評価尺度
「評価尺度」による影響
・今度はお客様の要求・期待が変化、 これも「ばらつき」!
特性値の分布
(提供側)
NG
お客様の要求・期待
「ばらつき」「変化」
が発生
お客様の要求・期待の範囲(受取側)
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3.品質管理とは?
品質管理とは?
「要因」に“ばらつき”“変化”が発生
「評価尺度」にも“ばらつき”“変化”が発生
お客様のご満足が得られなくなる
(Customer Satisfaction)
「品質管理とは “ばらつき”“変化”との
終わりのない戦い!」
4.「異常」への気づき
「異常」と「不適合(不良)」の違いは?
異常あり
下側規格
不
適
合
あ
り
上側規格
異常なし
異常
下側規格
上側規格
上側管理限界
上側管理限界
不適合
不適合
下側管理限界
下側管理限界
下側規格
不
適
合
な
し
上側規格
異常
下側規格
上側管理限界
下側管理限界
上側規格
上側管理限界
下側管理限界
日本品質管理学会規格 「日常管理の指針 JSQC-Std 32-001 2013 」 より
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4.「異常」への気づき
ハインリッヒの法則
アクシデント 1件
(Accident)
インシデント29件
(Incident)
ヒヤリハット300件
この中から重大事故の
兆候をいち早く感知
「異常」の共有:コミュニケーションがすべての基本
4.「異常」への気づき
正直にものが言える職場の雰囲気
異常が発見されたら放っておかず、
素早い対応・迅速な解決を!
コミュニケーションが取れるオープンな
職場風土づくりを!!
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5.「問題解決」概論
問題とは?
問題とは、「目指す姿(お客様満足の状態)」
と
「現状の姿(いつもの状態)」
とのギャップである。
顧客要求:60dB
目指す姿
規格値:65dB
ギャップ
問題
現状の姿
25dB
うる
さい
騒音値:85dB
5.「問題解決」概論
問題解決とは?
「目指す姿」と「現状の姿」とのギャップを埋めること
(いずれも、時々刻々“ばらつき・変化”している)
基本となる手順に沿って、
効果的・効率的に問題を解決する
PDCAのサイクルを回すこと
問題解決はすべての基本
(仕事の基本は、PDCAを回すこと)
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5.「問題解決」概論
仕事の基本
Plan(計画)
Check(評価)
Do(実施)
Act(処置)
PDCAのサイクル
Act
(処置)
Plan
(計画)
Check
(評価)
Do
(実施)
仕事の計画(Plan)を立て、
それに従って実施(Do)し、
その結果を評価(Check)し、
必要に応じて修正する処置(Act)を、
とるサイクル
5.「問題解決」概論
問題解決ステップ(QCストーリー)
P
①
問
題 →
の
明
確
化
②
現
状 →
把
握
③
目
標 →
設
定
④
要
因 →
解
析
⑤
対
策 →
立
案
現地現物で事実・データに基づいて
問題を絞り込み共有
A(S)
D
C
⑥
実
行 →
⑧
⑦
標
効
果 → 管準
理化
確
のと
認
定
着
問題の真因を
“5なぜ”で徹底追究
QC手法の活用
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5.「問題解決」概論
計画段階(P)が大切
工数
不十分な
計画
工数大
P
D
C
A
十分な
計画
工数小
P(計画)をしっかり立てD(実施)をすれば、
C(評価)・A(処置)時間が短くなる。
効率的な業務遂行ができる
5.「問題解決」概論
「QC7つ道具」の活用
・品質管理(QC)とは、
「ばらつき」「変化」との戦い
⇒ 最も強力な武器(道具)が
QC7つ道具
・データのまとめ方に関する
ツールの集合
・職場の現状の姿、目指す姿、
「ばらつき」「変化」を誰でも
分かるように表すことができる道具
⇒ 「異常」の共有
[QC7つ道具]
パレート図
特性要因図
ヒストグラム
グラフ/管理図
チェックシート
散布図
層別
「私のこれまでの経験では、企業内の問題の九十五パーセントまでは、
この七つ道具の活用で解決できる。」
(石川馨著「日本的品質管理(1981日科技連出版社)」より)
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5.「問題解決」概論
特性要因図の例
機械
金型温度が高い
人
作業の習熟
度が低い
号機で不良数がばらつく
型が
冷えない
適正値が
解らない
人によって
不良数が変わる
吹き付け時間が短い
ワークから熱
が伝わる
エアブロー
潤滑液量が
少ない
金型
作業方法が違う
吹き付け位置が
ずれている
圧力が低い
材料成分が
変化した
標準作業
炭素量が
増えた
製品が硬い
加熱温度が
CO2濃度が
変化した
変化した 熱処理条件が
変化した
手順が変わったが
メンテしていない
作業が要領書通り
出来ない
標準作業と違う
やり方をしている
材料
表
面
欠
陥
不
良
が
増
え
た
方法
5.「問題解決」概論
真因(真の原因)の追究
「5なぜ」の例
問題
:
(大野耐一著「トヨタ生産方式」より)
機械が動かなくなった
なぜ1:
オーバーロードがかかって、ヒューズが切れたからだ
なぜ2:
軸受部の潤滑が十分でないからだ
なぜ3:
潤滑ポンプが十分くみあげていないからだ
なぜ4:
ポンプの軸が磨耗してガタガタになっているからだ
なぜ5:
ストレーナー(濾過器)が付いていないので、
切粉が入ったからだ
対策
ストレーナーを取り付ける
:
⇒
これで切粉による再発は
防げた
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5.「問題解決」概論
品質管理(QC)教育の一覧(例)
1.階層別教育体系図
1.品質経営
役員
・
管理者
2.管理者のための品質保証
3.管理者のためのSQC
4.方針管理と
日常管理
38.品質管理推進
研究会(2年間)
5.QCベーシック
6.QC入門
7.短期集中
8.3級直前
係長
21.現場監督者
1級
専門家
22.推進者・事務局
2級
3級
23.職場改善2日コース
24.リーダー養成
25.職場改善1日コース
4級
(新)9.新入社員
・はじめて学ぶ人のための品質管理入門(0.5日)
スタッフ
(QC検定)
中堅
(入社5年目)
一般
(入社2年目)
新入社員
製 造
4級テキスト:日本規格協会のホームページからダウンロードできます
5.「問題解決」概論
2.手法別教育体系図
実験計画法
品質工学
多変量解析法
信頼性
問題解決
SQCソフト
ソフトウェア
37.品質工学研究会
27.(新)応答曲面
15.試験・評価
13.品質工学
18.DRBFM
12.入門と実践
11.応用
10.基礎
26.入門
16.FMEA・FTA
17.DR
31.なぜなぜ
14.入門
30.アイデア
29.N7
32.StatWorks
28.Excel
19.ソフトウェア
の品質管理
20.テスト技法
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5.「問題解決」概論
「QC手法」(参考)
[QC7つ道具:Q7]
パレート図
特性要因図
ヒストグラム
グラフ/管理図
チェックシート
散布図
層別
[新QC7つ道具:N7]
連関図
系統図
マトリックス図
親和図
アローダイヤグラム図
PDPC法
マトリックス・データ解析
DRBFM:Design Review Based on Failure Mode
FMEA:Failure Mode Effect Analysis
FTA:Fault Tree Analysis
DR:Design Review
PDPC:Process Decision Program Chart
StatWorks:統計解析業務パッケージ(日本科学技術研修所)
6.まとめ
まとめ
1.品質とは「もののよしあし・ねうち」、お客様が決める
2.品質とは「ばらつく」もの、「変化」するもの
3.品質管理とは、「要因」「評価尺度」に生じる
「ばらつき」「変化」との終わりのない戦い!
4.「異常」への気づきが、問題の発見につながる
5.「問題解決」がすべての基本、
・PDCAサイクルを回すことは仕事そのもの
・問題解決のための道具がQC手法(教育が重要)
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