(FMA:前肢帯筋異常症)について;pdf

(資料)
一般社団法人
ジェネティクス北海道
肉用牛に係る遺伝性疾患(FMA:前肢帯筋異常症)について
1.FMA:前肢帯筋異常症について
前肢帯筋異常症とは、GFRA1遺伝子の異常で生じる、常染色体劣勢遺伝性
疾患です。主な症状として、肩甲部が著名に突出し、多くは出生直後から起立
困難や筋肉振戦を示す。発育不良、耳介下垂等がみられる場合がある。
2.FMA:前肢帯筋異常症の遺伝様式
本疾患は、常染色体単純劣性の遺伝様式をとります。したがって、遺伝子型
と症状の関係は、以下のようになります。
遺伝子型
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症状
正常/正常
正常
正常
正常/異常
保因
正常
異常/異常
異常
異常
雌
正常
保因
正常:保因
正常
全て正常
1:1
雄
正常:保因:異
正常:保因
保因
常
1:1
1:2:1
上記の表のとおり、保因牛同士を交配した時のみ、1/4 の高確率にて異常牛が
生まれる可能性があります。そのため、保因の雄を交配に使用する場合は、
正常な雌に交配することが望ましいと考えられます。
前肢帯筋異常症とIARS異常症の比較
1 遺伝病不良形質の名称/略名
前肢帯筋異常症/FMA
IARS異常症/IARS
2 品種
黒毛和種
黒毛和種
3 区分
-
指定遺伝的不良形質
4 遺伝様式
常染色体劣性
常染色体劣性
5 外見的特徴/臨床症状
肩甲部が著名に突出し、多くは出生直後から起立
困難や筋肉振戦を示す。
発育不良、耳介下垂等がみられる場合がある。
虚弱子牛と呼ばれる症状で、出生時から低体重で
発育不良を示す。肺炎や下痢など感染症にかかり
やすくなる。本症を起因とする高率な死亡・淘汰
が報告されている。
6 経済的損失の評価
致死性
生産への影響
発症の時期
対処、治療の難易
あり
低い
あり
生時より
有効な治療法はない
大きい
中程度
大きい
生時より
有効な治療法はない
7 留意点
今後、新たなデータが得られた場合は、6の経済
的損失の評価の内容を変更する可能性がある。
特になし
8 講ずるべき措置
モニタリング検査の実施
適切な交配の推進
モニタリング検査の実施
適切な交配の推進
・参考:農林水産省HP