連邦公開市場委員会とギリシャ大統領選に注目

Weekly
10分で分かる
世界の金融市場動向
株式会社フィスコ
12月15日号
為替市場概況と見通し
米ドル/円
United States of America
先々週の概況
今後の見通し
下落、ギリシャと中国の金融危機懸念を受けたリスク回避
やや弱含みを予想、衆議院選挙と連邦公開市場委員会に注目
米ドル/円週末終値
118.75
円
米ドルは対円で下落した。ギリシャ議会で次期大統領が選出さ
れなかった場合、解散・総選挙となり、ギリシャ金融危機が再
燃する懸念が高まったこと、中国の債券レポ取引の担保基準が
厳格化されたことで、リスク回避の円買い圧力が強まった。し
かし、衆議院選挙で与党が圧勝するとの調査結果を受けて下値
は限定的だった。原油価格の下落基調を受けて、世界同時株安
の様相を呈し始めている。背景には、オイルマネーが株式市場
から引き揚げられるとの警戒感、シェールオイル関連企業の経
営破綻懸念、原油取引で損失を被ったヘッジファンドが損失を
穴埋めするために株を売却していることなどが挙げられる。
米ドル/円想定レンジ
116.00
~
121.00
米ドルは対円でやや弱含みに推移すると予想する。衆議院選挙で
は与党の勝利は織り込み済みであり、連邦公開市場委員会で利上
げまでの「相当な期間」が削除されるか否か、ギリシャ議会で大
統領が選出されるか否かに注目する展開となる。クリスマスに向
けて、海外勢が円売り持ちポジションを手仕舞うことで上値は限
定的か。ギリシャ議会で次期大統領が選出されなかった場合、解
散・総選挙となり、緊縮財政に反対している急進左派連合が躍進
する可能性が高まっている。ギリシャの金融危機が再燃する可能
性が高まった場合、リスク回避の円買い圧力が強まり、円売り持
ちポジションの手仕舞いに拍車がかかる可能性が高まる。
ユーロ/円
Europe
先々週の概況
今後の見通し
やや弱含み、ギリシャの金融危機再燃懸念
やや弱含みを予想、ユーロ圏製造業PMIとインフレ率に注目
ユーロ/円週末終値
147.99
円
ユーロは対円で弱含みに推移した。ギリシャ議会で次期大統領
が選出されなかった場合、解散・総選挙となり、ギリシャ金融
危機が再燃する懸念が高まったこと、原油価格の下落基調を受
けたユーロ圏のディスインフレ懸念で、欧州中央銀行(ECB)
による追加緩和観測が台頭したことで弱含みに推移した。
ユーロ/円想定レンジ
145.00
~
Australia
今後の見通し
p
下落、失業率上昇とスティーブンス豪準備銀行総裁発言
豪ドル/円週末終値
97.96
やや弱含みを予想、12月豪準備銀行金融政策決定会合議事録
円
豪ドルは対円で下落した。オーストラリアの11月の失業率が
6.3%と10月の6.2%から上昇したことや、ギリシャ金融危機
への警戒感もリスク回避の円買い要因となった。スティーブン
ス豪準備銀行(中央銀行)総裁は、「豪ドルは経済のファンダ
メンタルズを反映する水準を上回っている」という豪ドル高を
牽制する発言から、「豪ドルは対米ドルで0.75米ドルに近づく
べき」という、豪ドル安を誘導する発言に踏み込んだ。しか
し、現時点では利下げの必要は無い、と観測を否定している。
米国経済指標発表予定
発表日
時間 期間
12月30日 23:00
12月31日 24:00
1 月 7日 22:15
1 月 7日 28:00
1 月 9日 22:30
1 月 9日 22:30
150.00 円
ユーロは対円でやや弱含みに推移すると予想する。ユーロ圏の
12月の製造業PMIと11月のインフレ率に注目する展開。11月
のインフレ率は前年比+0.3%と予想されているものの、原油価格
の下落基調を受けて、ディスインフレ懸念が高まっており、1月
の欧州中央銀行定例理事会での追加緩和観測が高まっている。
豪ドル/円
先々週の概況 p
円
豪ドル/円想定レンジ
10月 ケース・シラー米住宅価格指数
11月 住宅販売保留指数
12月 ADP雇用統計
米連邦公開市場委員会議事要旨
12月 非農業部門雇用者数変化
12月 失業率
~
100.00 円
豪ドルは対円でやや弱含みに推移すると予想する。12月の豪準
備銀行金融政策決定会合議事録で利下げのタイミングを見極める
展開。スティーブンス豪準備銀行総裁が豪ドル安誘導発言に踏み
切ったこと、商品市況の低迷で利下げ観測が高まっていることで
軟調推移か。同氏は、為替政策では豪ドル・米ドル相場を0.75
米ドルへ豪ドル安誘導を目論みながらも、金融政策では「金利の
安定期間」を設けることで利下げの可能性を否定している。市場
予想では、2015年4月以降の利下げが見込まれている。
Schedule
指標名
95.00
欧州経済指標発表予定
発表日
1月
1月
1月
1月
1月
7日
7日
8日
8日
8日
時間 期間
指標名
19:00
19:00
19:00
19:00
19:00
消費者物価指数
失業率
卸売物価指数
小売売上高
消費者信頼感
12月 11月 11月 11月 12月 本資料のご利用については、必ず巻末の重要事項(ディスクレーマー)をお読みください ― 株式会社フィスコ -
Schedule
Weekly
10分で分かる
世界の金融市場動向
株式会社フィスコ
12月15日号
株式市場概況と見通し
日本株式市場
Japan
先々週の概況
今後の見通し
下落、外部環境の悪化を受けて
続落か、外部環境の悪化を嫌気
日経平均週末終値
17371.58
円
下落。米雇用統計発表後の円安加速などを背景に週初18000円
台をつけたものの、大台到達による達成感などが意識されて利益
確定売りが優勢となった。週央にかけては原油安の影響などから
外部環境は悪化。SQ(特別精算指数)に絡んだ裁定解消も進み
日経平均は下げ幅を拡大した。17000円割れは回避したもの
の、SQ値算出後も上値の重さが意識される展開となった。
日経平均想定レンジ
16500
17400
Hong Kong
先々週の概況
今後の見通し
下落、本土株の急落のほか、原油相場の下げが嫌気される
こう着か、原油相場を睨みながらの展開
23249.20
pt
下落。同指数は23300-24100ptのレンジ相場が続く中、週初
こそレンジ上限突破が意識されていた。しかし、9日の大幅下
落、その後も下げ止まらず、このもち合いレンジを下放れてい
る。本土市場の急落が嫌気されたほか、原油相場の下落により、
エネルギー関連の下げが影響した。
ハンセン指数想定レンジ
23000
~
23800 pt
こう着か。これまでのレンジ下限を割り込んでおり、トレンド
は悪化。しかし、急ピッチの下げに対する反動が意識されやす
い。政策期待から底堅い動きをみせている本土市場も安心感
に。ただし、世界市場の波乱要因となっている原油相場を睨み
ながらの相場展開になりそうである。節目の23000ptを割り
込んでくる局面では、押し目狙いのスタンスも。
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円
続落か。週明けは衆議院選挙の結果を受けての動きとなる。市
場では自民・公明の政権与党が3分の2を超える議席(317議
席)を獲得するとの見方から、ハードルは非常に高いと言えよ
う。欧米市場の軟調さを見る限り、海外投資家を中心にリスク
回避を強める可能性も。先週話題となった日本銀行のETF買入
見送りも売り材料として意識されよう。
香港株式市場
ハンセン指数週末終値
~
株式会社フィスコ