次世代リーダー、 JA改革を担う職員に求められる 戦略 - ja

特集
次世代リーダー、
JA改革を担う職員に求められる
戦略型中核人材とは
青森(1)
つがる弘前(1)
十和田おいらせ(1)
おいらせ(1)
八戸(1)
つがるにしきた(1)
つがる弘前(1)
38
岩手県
6
4
5
9
6
5
35
宮城県
16
20
12
13
19
22
102
秋田県
10
12
9
10
9
15
65
山形県
14
16
14
7
10
7
68
福島県
19
17
16
13
14
16
95
合計
70
75
61
57
65
75
403
計
5名
H 26年度
6名
1
絆 2015.3
10
38名
7
八戸(1)
5
津軽みらい(1)
5
つがる弘前(1)
6
つがるにしきた(1)
5
八戸(1)
青森県
おいらせ(1)
累計
津軽みらい(1)
21年度
つがる弘前(1)
22年度
つがるにしきた(1)
23年度
青森(1)
24年度
八戸(1)
25年度
十和田おいらせ(1)
(名)
つがるにしきた(1)
て、今後はJ A自らがビジョンを策
定し主体的に行う必要性が増してき
ていること。
つがるにしきた(1)
東北6県年度別受講者取りまとめ(累計)(図1)
八戸(1)
③他企業との競争に勝ち抜く
また、グローバル化の進行などに
より競争が激化するなかで、企業に
おいて事業の中核となる人材を計画
的・継続的に育成しようとする新た
な動きがすすんでおり、他企業との
競争に勝ち抜くためにJ Aにおいて
も、人材育成の強化により競争力を
強化していく必要がある。
青森(1)
J A改革を担う中核人材を育成す
ることを目的に東北六県の中央会で
共同開催している次世代リーダー育
成研修会が平成二十六年度で六年目
となる。
同研修会は、平成二十一年度にス
タートし、本年度まで六年で四百三
名︵ 図 1︶、 本 県 か ら は、 八J A か
ら三十八名が受講している︵図2︶
。
次世代リーダー︵J A戦略型中核
人材︶育成研修の概要と平成二十六
年度の開催を中心に、その取り組み
を紹介する。
おいらせ(1)
中核人材育成の必要性
十和田おいらせ(2)
26年度
H 25年度
津軽みらい(2)
今、中核人材育成が必要とされる
理由は次のとおりである。
つがるにしきた(1)
①∼③の目的達成には、J A改革
を実践するとともに将来のJ Aの経
営を考えることができる人材を計画
的かつ継 続的に確 保・育 成していく
必 要 が あ る。 そ の た めJ Aの 使 命、
理 念 を 事 業 として実 現 化 し、地 域・
組合員に必要とされるJ Aづくりを
行うためには、
﹁経営戦略﹂を構想し
実現化できる中核人材が必要である。
青森(2)
県名
津軽みらい(1)
5名
H 24年度
津軽みらい(1)
5名
H 23年度
津軽みらい(1)
7名
H 22年度
つがる弘前(2)
10名
H 21年度
JA名
受講者数
受講年度
①組合員に必要とされるJ Aづくり
農家組合員の高齢化・世代交代な
ど、J Aの組織・事業・経営基盤が
大きく変容するなか、今日あらため
て、地域に暮らす多様な組合員一人
ひとりの立場にたって、魅力ある協
同活動の場と総合性を活かした事業
の提供が求められていること。
②J A自らがビジョン・戦略策定へ
J A合併による大規模化が進行す
るなかで、J Aにはこれまで以上に
自己責任経営が求められている。こ
れまで中央会・連合会に依存しつつ
取り組んできた戦略づくりについ
年度別受講者数県内分(図2)
十和田おいらせ(1)
青森(1)
JA戦略型中核人材とは
J A戦略型中核人材とは、若手職
員︵ライン職登用前三十五∼四十歳
前 後 ︶ の う ち、﹁ 組 合 員 の 営 農 と 暮
らしを起点において、J A全体の事
業・経営をふまえ、J A全体、各事
業部門ごとの事業戦略の企画立案・
実行をマネジメントできる自律創造
型の人材﹂である。そして将来的に
J Aの経営者として活躍する可能性
のある人材である。
中核人材の求められる
4つの資質と能力
中核型人材には、資質・能力とし
て、﹁J A の 使 命・ 理 念 の 実 現 力 ﹂
﹁リーダーシップ﹂﹁マネジメント力﹂
﹁ ネ ッ ト ワ ー ク 構 築 力・ 情 報 力 ﹂ の
基本的な4つの資質と能力が求めら
れる。
︵1︶J Aの使命・理念の実現力
組合員の営農と暮らしの豊かさ
を実現するというJ Aの使命を理
解し、実践する力
︵2︶リーダーシップ
J A改革にむけて、職場の先頭
に立って行動できる力
︵3︶マネジメント力
PDCA プ
(ラン・ドゥ・シー・
アクション )
サ イ ク ル に 基 づ き、
計画の策定・実践・改善を行う力
︵4︶ネットワーク構築力・情報力
志を同じくする全国のJ Aの仲
間と結びつき、行動する力
研修会の特徴とは
本会で行う次世代リーダー︵J A
戦略型中核人材︶育成研修会は、個
人のやる気と教育研修プログラムの
相乗効果により、次世代リーダー層
の育成をねらいとしている。
その特徴としては、テキストの事
前学習、ケース教材予習や課題取り
まとめ等の個人ワーク、そしてケー
スメソッド教育法によるグループ討
議、クラス討議が取り入れられてい
る点にある。
変化し続ける環境に対し、創造的
に対応すべくJ A経営に必要な経営
学知識︵経営戦略論・マーケティン
グ 論・ 組 織 論・ イ ノ ベ ー シ ョ ン 論 ︶
の 基 礎 を 学 習 し、 さ ら に ケ ー ス メ
ソッド教育法を採用することで改革
実現のプロセスや知識活用の方法を
体得する。
履修の手法については、個人学習
と集合研修の二つに分かれるが、個
人学習では、集合研修をより現場実
践に近づけるため、著書などから学
ぶことや集合研修によって習得した
ことをまとめて自らの力とすること
終了レポート作成に向けて、協同組合の到達点
と課題を概観し、自JAのあるべき姿を考える。
ロジカル
シンキング
戦略立案・改革提案に不可欠な理論的思考を理
解する。
経営戦略
「経営戦略」とは、JAが将来とも組合員に支
持され続けるために、組織・事業・経営を環境変
化に適応させる意思決定や行為である。他業態と
の競争を優位にするための経営戦略の基本概念を
学ぶ。
また、JAの経営戦略のあるべき姿と自JAの
経営戦略を考える。
マーケティング
「マーケティング」とは、企業が顧客との関係
の創造と維持を様々な活動を通じて実現していく
ことである。
そのために必要な、事業の定義や組合員・利用
者満足、マーケティング戦略などを学び、JAの
マーケティング戦略を考える。
組織
マネジメント
事業の広域化・大規模化に伴い、仕事を分業化
して行う必要に迫られる。しかし、仕事は人が担っ
ているために、分業化により様々な課題が生じる。
これらの課題をどのように解決するのか、組織
変革を行うための留意点などを学ぶ。
イノベーション
現代は、協同組合であっても環境変化に対応す
るために常に変革し続けることが必要である。変
革の進め方やそのリーダーシップのあり方等につ
いて学ぶ。
プレゼン
テーション
この研修を通して、自JA(自部門)のあるべ
き姿を描き、現状とのギャップを認識した上で、
その問題解決に向けた提案と実行具体策を考え
る。
その成果として、最終回に経営上の課題と実践
について報告を行う。
ケースメソッド
現実の企業やJAで起こった問題の解決を学ん
だ「理論」や「考え方」を展開させ、議論すると
いう「経験」の中でそれを自らのものにする研修
手法。
また、受講者同士が議論することにより、経営
における人間的側面の理解を促進させる。
を目的とする。さらに、集合研修で
行うケースの課題整理や著書からの
基礎知識の習得などの予習と、集合
研修で学んだことの整理や気付きの
まとめを行う復習を基本とし、研修
の集大成としての研修レポートをま
とめる。
集合研修は、参加型研修、実践研
究/全体研究、チーム討議、ケース
メソッドを取り入れて進められる。
研修のねらい
JAの
理念と特質
︵3︶チーム討議
情報交換を積極的に行い、他
者の考えやものの見方にふれる
ことで、視野を広げ創造性を育
てるとともに、受講生相互の交
流を促進し、人材ネットワーク
づくりを支援する。
︵4︶ケースメソッド
ケースメソッドは、経営者が
経営の理論だけでなく実践的な
力を身につけるための訓練手法
として、アメリカのハーバード
大学ビジネススクールで二十世
紀 の 初 頭 に 開 発 さ れ、﹁ 事 例 に
基づく討議による学習方法﹂で
あ り、 受 講 生 参 加 型 の 手 法 で、
単に優良事例を学ぶのではな
く、事例を題材にした討議を通
じ、経営の実践的思考を身につ
ける手法である。
研修項目
集合研修
︵1︶参加型研修
個人作業やグループ討議等を
多く取り入れ、具体的、実践的
に研修を進める。
︵2︶実践研究/全体研究
学識経験者等による講義およ
び全体でのディスカッションを
通して、経営戦略・マーケティ
ング戦略・組織戦略など様々な
勘所を学ぶ。
絆 2015 . 3
2
■ 主な研修項目とねらい ■
平成26年度 次世代リーダー育成研修会 プログラム(図3)
第1班
9:00 10:00 10:30
第2班
ユ
ニ
6月5日(木)・6日(金)
ト
2
ユ
ニ
ト
3
17:00 17:30 18:30 19:30
16:00 16:30
昼食
休憩
研修3
マーケティング戦略(講義)
講師:宮城大学 食産業学部
三石 誠司 教授
昼食
休憩
研修4 経営戦略(講義)
講師:宮城大学 食産業学部
三石 誠司 教授
研修5 農業と食料について(講義)
講師:宮城大学 食産業学部
三石 誠司 教授
つづき
研修7 ケースメソッド(マーケティング戦略)
片岡物産株式会社
担当:中央会(全中認定インストラクタ)
7月7日(月)
7月14日(月)
2
日
目
7月8日(火)
7月15日(火)
朝
食
研修6 フレームワーク演習(SWOT分析)
担当:中央会(全中認定インストラクタ)
昼食
休憩
3
日
目
7月9日(水)
7月16日水)
朝
食
研修7 ケースメソッド(マーケティング戦略)
JAびえい
担当:中央会(全中認定インストラクタ)
昼食
休憩
4
日
目
7月10日(木)
7月17日(木)
朝
食
研修9 ケースメソッド(経営戦略)
株式会社モスフードサービス
担当:中央会(全中認定インストラクタ)
昼食
休憩
1
日
目
8月26日(火)
9月2日(火)
2
日
目
8月27日(水)
9月3日(水)
朝
食
研修11 ケースメソッド(組織マネジメント)
花王株式会社
担当:中央会(全中認定インストラクタ)
昼食
休憩
3
日
目
8月28日(木)
9月4日(木)
朝
食
研修13
修了レ 研修14 イノベーション(講義・演習)
ポート
講師:東北学院大学 経営学部
作成につ
折橋 伸哉 教授
いて
昼食
休憩
4
日
目
8月29日(金)
9月5日(金)
朝
食
研修15 ケースメソッド(イノベーション)
JA宮崎中央
担当:中央会(全中認定インストラクタ)
開講式
平成26年度次世代
リーダー育成研修会
修了者名簿
氏
名
所属部署/役職
1
田支店経済課
青 森 川 﨑 憲 二 /副調査役・係
長
2
つがる
奈 良 一 愛 園芸部
にしきた
3
つがる
弘前
須 藤 公 輔
弘前北地区営農
係/係長
4
津軽
みらい
鎌 田 豪
青果部板柳販売
センター/統括
八 戸 沢 内 幸 男
研修9 ケースメソッド(経営戦略)
JA周南
担当:中央会(全中認定インストラクタ)
閉
講
式
夕食
自習
研修12 特別講義
(次世代リーダー各県代表
OB発表)
自習
夕食
自習
夕食
自習
昼
食
解
散
修了レポート発表
審査講評
修
了
式
◎ケースメソッドの進め方
個人研究(事前課題)
参加者は、まず、各人でケー
ス(事例)を分析・研究して、
課題に対する自分の考えをま
とめる。
(ケースは、事前に配布)
グループ・ディスカッション
(班討議)
クラス・ディスカッション
(全体討議)
次に参加者は、数人ごとに分
かれたグループで、個人研究
の成果を発表しあい、他の人
の考えも参考にして、自分の
意見と判断根拠をさらに整え
ていく。
最 後 に 参 加 者 は、 全 員 が 集
まったクラスにおいて、講師
の指導によるディスカッショ
ンに参加し、多数の人々との
討議を通じて、各自の分析力・
判断力・意思決定能力の向上
を図る。(正解を見つけるた
めのものではなく、対策を自
分で決定していくことが目的
である。最後に、現実の判断
と理論の解説がなされる。)
経済部購買課/
一般
研修プログラムと
修了レポート発表会
平 成 二 十 六 年 度 の 育 成 研 修 会 は、
ユニット一からユニット四までの四
回 に 分 か れ る。︵ 七 ヶ 月 に わ た り の
べ十一日間︶ユニット一と四は県毎
に開催し
︵図3︶、
ユニット二と三は、
各県の受講者が一同に会しての合同
開催で、平成二十六年度は七月∼九
月にかけ第一班・第二班に分かれて、
山形市の﹁協同の杜J A研修所﹂で
行われた︵写真①∼⑥︶。
ユニット四の研修全体の締めくく
りとして行われる修了レポート発表
会では、受講者がSWOT分析など
現状・環境分析を行い、決定した戦
略課題の中から絞り込んだ具体的な
戦略テーマについて、論理的な主張
絆 2015.3
自習
交流会
研修15 ケースメソッド(イノベーション)
プラス株式会社
担当:中央会(全中認定インストラクタ)
つづき
夕食
解
散
つづき
研修11 ケースメソッド(組織マネジメント)
JAいずも
担当:中央会(全中認定インストラクタ)
自習
交流会
研修8 フレームワーク演習(JAの経営戦略)
担当:中央会(全中認定インストラクタ)
昼食
休憩
12月18日(木)
JA名
研修2 ロジカルシンキング
研修10 組織マネジメント(講義・演習)
昼食
講師:東北学院大学 経営学部
休憩
村山 貴俊 教授
ト
4
5
14:30
開講式
オリエンテーション
1
日
目
ユ
ニ
№
14:00
研修1 JAの理念と特質
ト
1
ユ
ニ
12:00 13:00
3
ケースメソッド/
クラス討議・発表(②)
理論講義/
三石教授(①)
ントについてプレゼンテーションを
審査する。
発表会の審査を経て、最優秀者を
一名、優秀者を若干名選出し、最優
秀者は、県代表として全国発表会に
推薦することとなっている。
二十六年度は、J Aつがる弘前の
須藤公輔さんが県代表に選ばれ、全
国大会に推薦された。
二月に東京で開催されたJ A戦略
型中核人材育成研修全国研究発表会
が本番とすれば、修了レポート発表
会は、予選会または本番前の事前練
習の場となる。
受講者アンケートから
ユ ニ ッ ト 二・三 が は じ ま る 前 の
事 前 学 習 に つ い て は、
﹁最低でも
指示した部分を読んだ﹂が全体で
四 十 五% で あ っ た。 ま た、
﹁指定の
テキスト全てを読んだ﹂は三%にと
平成26年度 次世代リーダー育成研修会「修了レポート」テーマと骨子(図4)
鎌田 豪
(津軽みらい)
沢内 幸男
(八戸)
−再び飛躍を!トマト
産地として−∼めざそ
う!名の残るブランド
∼
「昔に戻ろう!おらほ
の農協」
りんごの生産・販売戦
略 ∼「 拓 き 」「 は ぐ く
み」地域の未来 ( あし
た ) へ∼
∼地域と農業を支える
人づくり∼
「小さな協同を育み元
気な組合員・JAを取
り戻そう」
∼予約拡大グループの
充実を図る∼
JA青森トマト部会
東つがる支部は、平成
4年には農林水産大臣
賞・県知事賞を受賞す
るなど過去には、県内
一のトマト産地だった
が、部会員の高齢化や
後継者不足に伴い、こ
のままでは、産地とし
て衰退していくばかり
である。
部会員の「安定的な
収入確保」のために
JAは何ができるの
か。今後どうするか?
農協経営に対売る参
画意識を高めるため、
ビルドアップ式で職員
アンケートをとり、自
分たちですぐできる身
近な改革やモチベー
ションを上げる取り組
みを通しよりよい未来
のJAを目指したい。
リンゴの消費量と生 農業者の高齢化と担
産量が減少する傾向に い手不足は年々進んで
あるなか、その問題が おり、このままでは日
どこにあるのかを分析 本の農業は10年先存続
し、課題を抽出するこ が危ぶまれる状況に陥
とにより、解決策や今 りかねない。
後の販売戦略を導き出 そこで、JAの強み
(総合事業)を活かし
す。
特 に 品 種 構 成 や 栽 担い手不足を補える人
培方法による差別化、 材育成及び派遣体制を
ニ ッ チ 戦 略 を 盛 り 込 構築することで地域と
み、10年後のりんご精 農業を支える。
算・販売ビジョンを明
確にする。
予約拡大グループの
数を拡大し、グループ
活動を充実させること
により、グループ内で
小さな協同を育む。
グループのメンバー
を通じて、情報を得る
力・読み解く力・つな
ぐ力をJA職員が身に
つけ、地域での協同を
育んでいく。
た。 一 方 で﹁ 度 理 解 で き な か っ た ﹂
が十三%あった。
フレームワークとケースメソッド
のJ A で の 活 用 に つ い て は、﹁ 活 用
できそう﹂と﹁ある程度活用できそ
う﹂を合わせると七十一%であった
が、﹁やや難しい﹂が二十六%あった。
今後の課題
研修効果を高めるには
育 成 研 修 会 は、 修 了 者 に とって、
本人の知識と能力の向上につながる
など各種知識の習得効果つながって
いるが、研修終了後の配属等におい
て、修了者の能力を十分に活かされ
ていない、自J Aの抱えている課題
や改善策をなかなか活かすことがで
きていないといった意見も聞かれる。
また、修了レポートを自J Aの事
業 改 革 や 新 規 事 業、 事 業 計 画 等 に
反映させる事例などの事業展開に当
たって参考としているJ Aも少ない。
今後は、J A内での新規プロジェ
クトや企画立案に修了者を人選する
など活用を期待したい。
加えて修了レポートをJ A内で発
表する機会を設けているJ Aは少な
く、例えば職員全体研修会の場など
で発表する機会を作ることによっ
て、育成研修を受講していない若手
職員に刺激を与え、組織全体の活性
化につながるといった波及効果も期
待できるのではないだろうか。
絆 2015 . 3
4
どまっている。﹁ほとんど読まなかっ
た﹂が二割弱と、指定のテキストに
目を通さず参加した受講者が少なか
らずいたことは残念であった。研修
効果を高めるには、事前の準備と心
構えが大事である。
﹁ マ ー ケ テ ィ ン グ 戦 略 ﹂﹁ 経 営 戦
略
﹂
﹁
農
業と食料﹂の理論講義につ
い て は、
﹁ 理 解 で き た ﹂ と﹁ あ る 程
度理解できた﹂を合わせると全体の
四分の三にあたる七十五% となっ
須藤 公輔
(つがる弘前)
主なあらすじ
︵骨子等︶
奈良 一愛
(つがるにしきた)
テーマ
川﨑 憲二
(青森)
発表者
︵説得性︶で実現可能な改革提案︵具
体 性 ︶ を プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン す る。
︵図4︶
審査は、事前審査と当日審査の合
計で行われる。
事前審査は、あらかじめ委嘱した
審査員三名によるテーマの設定、将
来 ビ ジ ョ ン は 妥 当 か、︵ 組 合 員・ 職
員の心をつかむ魅力的なテーマか︶、
現 状 分 析、 課 題 抽 出 と ア プ ロ ー チ、
経営戦略・改革・革新の内容は具体
性・実現性があるか︵説得力ある論
理が展開されているか︶
、 内 容 は、
経営学等の知識から学んだ内容を活
用しているかの三つのポイントにつ
いてのレポート内容のを審査する。
当日審査は、審査員三名と出席し
たJ A代表によるレポートに基づい
た内容となっているか、表現力、発
表態度はどうか、補助資料︵パワー
ポ イ ン ト 等 ︶ は 効 果 的 に 作 成 さ れ、
有効に使われているか、発表時間は
守られているかといった四つのポイ
フレームワーク/グループ討議(③・④)
ケースメソッド/グループ討議(⑤・⑥)
ユニット2・3を受講して
研修会を受講して
JAつがる弘前 須藤 公輔
JAつがるにしきた 奈良 一愛
各ユニットでは、組織マネジメントとイ
今回の研修会を受講して、今までの考え
ノベーション、マーケティング戦略、経営
方が変わりました。
戦略などについて受講しましたが、ケース
物事に対する方向性が違うと、見え方や
メソッドやグループ討議により、硬いビジネス用語が少し
答えが変わったり、決まった形ではないことが。
身近なものになったような気がします。
そして、JAとしての組織の考え方や組合員の気持ちを変
また、分析方法や考え方、フレームワークについて現場
えるためには、熱意が必要だと。
で活かせるものについては、積極的に取り入れていきたい
この研修を通して学んだことを、今後の仕事に役立てた
と思います。 いと思います。
「次世代リーダー育成研修会」を
受講して
組合員離れ(組合員の参画がない)や高齢化に伴う若年
層(後継者等)をどう取り込むか?というのがあげられま
した。当JAにおいても同じだと思います。特に組合員離
JA青森 川﨑 憲二
れ・高齢化に伴う若年層(後継者等)を組合員にできるか
今回、次世代リーダー育成研修会に参加
どうかというのは、かなり深刻な課題だと思う。また、自
させてもらい、さまざまなことが勉強にな
分を含め役職員の意識の低さも課題だと…この研修を受講
りました。マーケティング戦略・経営戦略、戦略するため
してつくづく感じました。この研修の経験をいかして、幹
の環境分析(外部・内部)などの分析方法。また、組織と
部以外の職員を対象とした意見交換会等の開催を提案し、
は何か?組織を成立・存続・変革するには、リーダーシッ
職員間のコミュニケーション(仲間意識)をはかり、職員
プが必要。これまでは、到底関わりのない事だと思ってお
個々の意識イノベーションができたらいいなと思っており
り考えることがありませんでした。研修会のケースメソッ
ます。
ドで事例として、使われた企業・JAを分析し、グループ・
最後に、この次世代リーダー育成研修会に参加できてと
クラス討議で議論を繰り返すうちに当JAはどうなの?当
てもいい経験となりました。いままで携わることのない研
JAでもこの戦略やケースは使える?と視点が広がり考え
修内容ばかりでした。また、今回参加した東北6県のJA
るようになりました。
の方(36名)との交流が深まり、同じ目的をもった仲間が
また、グループ・クラス討議で他の人の意見を聞くと同
出来たことは、今後の人生においても、かけがえのない財
じ設問なのに捉え方が違うだけで、いろんな意見が出てき
産だと思います。
て、人の意見を聞く大事さも知りました。あと、研修会の
これからもこの次世代リーダー育成研修会を継続し、多
中で幾度となく問われるのが自JAの課題等は何ですか?
くのJA職員を人材教育いていただきたいと思います。大
参加JAすべてにおいて、縦割り組織で横の連携がない!
変お世話になりました。
次世代リーダー研修について
ユニット2・ユニット3を終えて
JA津軽みらい 鎌田 豪
︵中央会 教育研修部︶
絆 2015.3
JA八戸 沢内 幸男
次世代リーダー研修は、普段の講義的研
修ではなくケースメソッドという参加型の
研修がメインであり、予習・復習が欠かせ
ないハードな内容でしたが、研修終了後の
達成感は大きく、論理的な考え方を意識するようになりま
した。
また、東北6県が一同に集まっての研修によって、同じ
志の仲間に出会えたことに感謝致します。
ユニット2・ユニット3と8日間で今ま
で学んだ事の少ない、マーケティング戦
略・経営戦略・組織マネジメント・イノベー
ションを学びました。それぞれを学ぶ事で自JAの現状・
今後やらなければいけない事を改めて見直すことができま
した。
修了レポート作成し、レポートの内容を現実のものとす
るように頑張りたいと思います。また、東北6県のJAの
みなさんとの交流ができましたので、今後の業務に活用し
ていきたいと思います。
5