News Letter No. 9 2015 年 1 月 8 日発行 巻頭言 半世紀前にミサイル療法として、一世を風靡しましたが、ス 新学術領域「分子ロボティクス」 医療応用アドバイザー タックしたままで 1980 年代をピークに研究は廃れていきま した。日本の研究者は全て撤退しましたが、 一部の欧米研究者、 特にバイオベンチャーは諦めていませんでした。抗体医薬が 臨床応用されると、開発に勢いが増し、昨年度にはついに上 市されました。研究には粘りも重要ということになります。 また、欧米学会・研究者のいいところは、いろいろな意味で 私のサイエンスの原点 “ワクワク感” を掻き立ててくれるこ とです。 さて、分子ロボティクスに話を戻しますと、是非参加し たいと思ったのは DDS への応用との文言が目に留まったか らです。実は ADC を含む抗体医薬は乳がんなどの一部の がん腫では奏功しているのですが、膵臓がんなどの難治性 国立がん研究センター 臨床開発センター新薬開発分野ユニット長 安永 正浩 先生 がんでは有効性が示されていません。がん細胞を囲む厚い間 質がバリアとして働いているのです。そこで単純に、能動的 に突き進む分子ロボットを DDS に応用できたら、うまくい くのではないかと思いました。早速、本研究会にメールを出 したところ、暖かく迎えてもらい “ドラッグデリバリーとし 4年前に HP で研究会の存在を知りました。“分子のロボッ ての、抗体ミサイル(ロボット)の可能性” と題して発表さ ト?” と勝手にイメージを駆り立てながらワクワクしながら せてもらいました。最後に「“間質バリアを突破せよ” です 閲覧していました。 ね」と言ってもらい、とても感激したのを今も覚えています。 私は Drug Delivery System(DDS) 研究者で、Antibody-drug DDS の医工薬に加え情報科学・数理・化学など本当に幅広 conjugate(ADC) が 主 な テ ー マ で す。 国 際 学 会 Antibody い分野・研究者から構成されており、異分野融合を進めるの engineering & therapeutics 参加中に原稿を書かせて頂き は正直大変だろうなと思いました。しかしながら、理想であ ました。欧米研究者の発想力の豊かさや活動性の高さには、 り目標である「プログラム可能人工分子システム」の実現に 毎回感心させられます。今回の一押しは Bispecific antibody は必要であることもよく理解できました。今年、久しぶりに (2種類の抗体のキメラ)でした。発想は単純なのですが、 研究発表会に参加させて頂きました。皆さんの研究が一段と ブレークスルーは意外と身近にあることを再認識させられま 進んでおり DDS 応用の可能性を肌で感じ、実にワクワク した。振り返ると、理研 CDB の送別会の時に、ADC の話を しながら聞いていました。次の領域会議への参加がいっそう したところ、 ほぼ全員に成功しないと言われました。確かに、 待ち遠しい今日この頃です。 Molecular Robotics Research Group. News Letter No.9 1 BIOMOD2014 ボストン本大会 開催日時 : 2014 年 11 月 1 日(土) ・2 日(日) 開催場所 : ハーバード大学(ボストン) 2014 年 11 月 1 日および 2 日にボストン・ハーバード大学において BIOMOD2014 が開催されました。今年で 4 回目の 開催となり、アジア、ヨーロッパ、アメリカなどから合計 30 のチームが参加しました。日本からは北海道大学、東北大 学、東京大学柏、東京大学駒場、関西大学、福岡工業大学に、初出場の九州工業大学を加えた 7 チームが参加し、各チー ムとも日本大会で発見した課題を克服して臨む形となりました。本大会では観客を巻き込むような趣向を凝らした発表を行 うチームもあり、例年にも増してレベルの高い大会となりましたが、東北大が昨年に引き続き総合 3 位を受賞、部門賞で も Wiki2 位、プレゼンテーション 3 位、観客賞 3 位を受賞しました。プロジェクト賞では、東北大と東大柏が金賞、北大、 東大駒場、九工大が銀賞、関西大、福工大が銅賞を受賞しました。総合優勝は初出場のオーストラリアチームで、協調動作 するバイオセンサーを発表しました。来年の BIOMOD2015 では今年以上に日本チームが活躍することを期待しています。 東北大学 川又生吹 会場 Northwest Building 大会結果 ■ Grand Prize 1 位 ビクター・チャン心臓病研究所 2 位 ドレスデン工科大学 ( ドイツ ) 3 位 東北大学 ■ Presentation 1 位 国立台湾大学 2 位 ビクター・チャン心臓病研究所 2 位 コロンビア大学 ( アメリカ ) 3 位 東北大学 ■ Wiki 1 位 ドレスデン工科大学 ( ドイツ ) 2 位 東北大学 3 位 オーフス大学 ( デンマーク ) ■ Youtube 1 位 ビクター・チャン心臓病研究所 2 位 アリゾナ州立大学 ( アメリカ ) 3 位 ドレスデン工科大学 ( ドイツ ) 3 位 オーフス大学 ( デンマーク ) ■ Audience Favorite 1 位 国立台湾大学 2 位 ビクター・チャン心臓病研究所 3 位 東北大学 ■ MOLBOT 賞 コロンビア大学 ( アメリカ ) 2 日本チームの成績 ( オーストラリア ) ■北大 Project Award 銀賞 http://openwetware.org/wiki/Biomod/2014/Hokudai ■東北大 Project Award 金賞 Audience Favorite 3 位 ( オーストラリア ) Best Wiki 2 位 Best Presentation 3 位 総合 3 位 http://teamsendai2014.github.io/ ■東大柏 Project Award 金賞 http://openwetware.org/wiki/Biomod/2014/Kashiwa ■東大駒場 Project Award 銀賞 ( オーストラリア ) http://biomod2014komaba.github.io/ ■関西大 Project Award 銅賞 http://openwetware.org/wiki/Biomod/2014/Kansai ■九工大 Project Award 銀賞 http://teamkyutech.github.io/ ( オーストラリア ) ■福工大 Project Award 銅賞 http://openwetware.org/wiki/Biomod/2014/Fukuoka Molecular Robotics Research Group. News Letter No.9 BIOMOD2014 参加者の感想 ■坂井 浩紀 所属チーム名:Team HOKUDAI 学 年:2年 学部・学科名:工学部応用理工系応用マテリアル工学コース 北海道大学 今年の BIOMOD 大会は大変だった。Wiki、Youtube、プレゼン テーションではいつも締め切り近くまで作業して、提出できるか の瀬戸際だった。今回は特にプレゼンテーションを頑張った。見 ■佐久間 優 ている人が飽きないように、わかりやすいように、決められた 所属チーム名:Team HOKUDAI 時間を守って発表する難しさを強く感じた。とにかく作業が大変 学 年:3 年 だったが BIOMOD で体験したさまざまなことはとても自分のた 学部・学科名:工学部機械知能工学科機械システムコース めになっていると思う。 学部の勉強が専門性を増していくなか、違う世界に触れてみた 今回はメンバーを集めるところから始まり、本当に今年度の活動 いと思ったのが BIOMOD に参加した理由だった。メンバーの専 が出来るかどうか、というスタートだった。無事に人数も集まり何 攻が多様で個性が強いため、話し合いや作業中に意見の食い違い とか今年度の大きな活動を終えることが出来た。今年度はこのメ で苦労する場面は多々あったが、それすらも新鮮に感じられた。 ンバーで活動出来て本当に良かったと思う。また、今回はたくさ コンテストというからには結果が求められるが、私にはこの過程 んの先輩方、先生方、メンターの人に助けていただいた。かなり こそが収穫であったと思う。 甘えてしまったところもあると思う。今年度の活動が成功したと 加えて、実際にハーバードの会場で英語でプレゼンテーション 言えるなら、それは間違いなく支えてくださったメンターの方々 をし、ネイティブの人たちからの反応を肌で感じることができた のおかげである。本当にありがとうございました。 のはとてもいい経験だった。他のチームと比較して勝っていた点、 BIOMOD はとにかく大変な活動であった。しかしその分、普 劣っていた点を再確認できたし、何よりも自分たちの OWARAI 通の学生生活では得られないものを得られた。とても貴重な体験 が世界に通用することがわかったのが嬉しかった。 が出来たと思う。 昨今、グローバル化が叫ばれているが、大学教育に任せるので はなく、自ら積極的にこのような大会に参加することが重要であ ると思う。世界の同世代の能力や価値観を知るための貴重な機会 ■山本 隆博 である BIOMOD を後輩たちに受け継いで行きたい。 所属チーム名:Team HOKUDAI 最後に、運営の皆様、お世話をしてくださった先生方、本当に 学 年:2年 ありがとうございました。 学部・学科名:理学部生物科学科高分子機能学専修 今回2年生から初めて BIOMOD に参加させていただきました。 われわれチーム北大は筋肉を模した構造体の作製をテーマとして ■山田 真司 濃密な研究を進めてまいりました。結果は去年と同じ銀賞に終わ 所属チーム名:Team HOKUDAI り、思い返してみればアイデアをひねり出すこと、それを実現す 学 年:2 年 ること、そしてなによりわかりやすく発信することというすべ 学部・学科名:理学部化学科 ての段階においてまだまだ未熟だったのかなと痛感しています。 初めに、自分が BIOMOD に参加して成長したことは、You- BIOMOD の魅力は活動を通じて、研究活動に必要なこれらの tube や Wiki などで研究内容を紹介するという情報発信能力が身 プロセスを一貫して自分たちの手で作り上げるということにある に着いたことです。去年も参加していたのですが、その時に経験 と私は思いました。 しなかった様々な知識を知ることができたと思います。しかし、 来年に向けた反省は尽きませんが、それでも曲がりなりにも英 成長したことだけでなく、課題も多く見つかりました。1 つ目は、 語でいろんな人と交流ができたのは自身にとって励みになりまし 英語力です。このような国際学会では英語力は求められるスキル たし、本大会当日ごり押しのプレゼンにも関わらず世界のハー であり、質疑応答が出来る位に会話する力が必要だと感じました。 バードを沸かせたのは代えがたい経験であったと思います。 2 つ目は、組織をマネジメントする力です。今回は、自分が引っ張っ 1年後さらにムキムキになったチーム北大がボストンに帰って て行く立場だったので、現実的な計画を立て、細かなスパンでそ くることでしょう。半年間 れを実行させることが大事だと思いました。 支えてくださったメンター ここまで多くの課題を書いてきましたが、BIOMOD に参加する の皆様には心より感謝申し ことで学生として役に立つスキルを手に入れることが出来ると思 上げます。ありがとうござ いますし、世界中の学生の研究や発表を見ることで感じることも いました。 大いにあると思います。 最後に、お世話になった先生方、メンターの方に感謝の気持ち を表して終わらせていただきます。 Molecular Robotics Research Group. News Letter No.9 3 ■ 白川 稜 はとてもいい経験だった。とくに他国のチームに対する自らの英 所属チーム名:Team HOKUDAI 語力の乏しさなど自分の欠点を認識できたことが一番よかった。 学 年:1 年 また、グループワークをすることでチーム全員の意思疎通の難し 学部・学科名:工学部情報エレクトロニクス学科 さや、会議の重要性などにきづくことができた。 私の BIOMOD の活動は高校の同級生に人数不足という理由か BIOMOD に参加することでグローバルな視点や Web 制作等の ら勧誘を受けた、というところからスタートしました。学部一年 スキルなどたくさんのことを養うことができ、関わってくれた 目は教養課程のため、生体分子や実験、Wiki、youtube、すべ メンターの方や教授には感謝してもしきれないほどです。 てにおいて触れたこともなく、知識はほぼゼロでした。そんな中 BIOMOD の活動をしていくことはとても困難であり私自身とて も苦労をしました。しかし、こうして本大会を終え、振り返って みると私自身の今までの生活からは考えられないような数多くの 東北大学 貴重な体験をすることができたと感じています。 特に本大会に関しましては、英語を用いてのプレゼンというこ Best wiki 2 位 とで、英語で自分たちの表現したいことをわかりやすく、面白く ■ 石原 瑛暉 発信するということの難しさを知りましたし、何より自分の英語 所属チーム名:Team Sendai 力の乏しさを実感しました。 学 年:3 年 良くできた点、そして反省点などは数多くありますが、このよ 学部・学科名:工学部機械知能航空工学科 うな貴重な経験を提供してくださった、BIOMOD という場には 自分の力でどこまでチームをまとめられるのか挑戦してみたく とても感謝しています。 てリーダーの仕事をやらせてもらった。メンバーや去年のリー 最後に、大会参加の上で支援していただいた先生をはじめすべ ダーからの意見を聞き、全員が納得のいくようなプロジェクト運 ての方々に感謝の意を示し感想文としたいと思います。 営を心掛けたがなかなか思うようにはいかず、リーダーという役 来年度以降の BIOMOD、Team HOKUDAI にご期待ください。 割がいかに難しく、そして自分が力不足であるかを痛感した。国 内大会の反省を踏まえて情報共有や活動環境の改善に努めたが、 メンバー全員が納得のいくような活動環境にすることは最後まで ■ 福嶋 智輝 できなかった。それでもみんなが最後まで奮闘してくれたおかげ 所属チーム名:Team HOKUDAI で総合 3 位という結果を手にすることができた。正直、ずっと優 学 年:1 年 勝することだけを考え日々取り組んでいたのでこの結果は非常に 学部・学科名:総合理系 残念だが、やれることはすべてやったので悔いは残っていない。 今回の BIOMOD を通して、まず自分の英語力の低さに気づく 海外チームの Wiki やプレゼンを見て強く感じたのは、日本勢 ことができました。日本人の英語力不足に関してはニュースなど と比べてプロジェクト内容の伝え方が上手だということだった。 で聞いていましたが、アジアをはじめとする英語圏以外の学生と Wiki のレイアウトや文章の論理展開だけでなく、プレゼン時の観 のレベルの差というのを実際に肌で感じることができたのはこれ 客へのアピールが上手かった。来年の Biomod は今年よりレベル からの英語学習の励みになると思います。次にプレゼンに慣れる の高い争いになるはずだ。そこで求められるのは、実験結果はも ことができたと思います。今後の学生生活の中でプレゼンをする ちろんのこと、自分たちのプロジェクトを審査員や他チームにど 機会は多々あると思いますが、今回の大会のように大勢の前で、 れだけアピールして夢を語ることができるかである。来年のチー しかも英語でプレゼンをしたという経験は自分の中で大きな自信 ムに自分の経験をしっかり伝えたいと思う。 につながると思います。 最後にこのような貴重な機会を与えてくれた関係者の方々には 最後に、一緒に頑張ってくれたメンバー全員と、これまでサポート していただいた先生方、先輩方に感謝の意を表して結びとする。 とても感謝しています。ありがとうございました。 ■今井 俊輔 ■西井 建人 所属チーム名:Team Sendai 所属チーム名:Team HOKUDAI 学 年:3 年 学 年:1年 学部・学科名:工学部化学バイオ工学科 学部・学科名:農学部 私は 1 年生のときから BIOMOD に参加しており、今年が 3 回 最初、農学部に進学したにもかかわらず生物の知識が全くない 目の BIOMOD でした。今年の BIOMOD を振り返ると、チーム ことに危機感を抱き BIOMOD に参加した。1 年の教養課程にお で「ものづくり」をすることの楽しさを改めて実感したことが印 いて理学部の研究室を使わしていただき専門性の高いことをさせ 象に残っています。BIOMOD では自分たちでデザインしたデバ ていただいたことは今後につながるいい経験だったと思う。 イスはもちろん、YouTube、Wiki、プレゼンテーションという 実際にハーバードの会場で英語でプレゼンテーションをしたこと 多くのものをつくる必要があります。また世界で評価してもらう 4 Molecular Robotics Research Group. News Letter No.9 ためにはそれなりのクオリティーが求められるためとても大変 ■大瀧 悠登 です。しかし、大変であると同時に楽しいとも感じました。他の 所属チーム名:Team Sendai メンバーがものをつくっていて、その中で自分もある役割をもっ 学 年:3 年 てチームに貢献し、「Universal Strand Generator」というもの 学部・学科名:工学部機械知能航空工学科 をつくっていく過程が楽しかったです。特にシミュレーションと ん?機械系なのに DNA ?ナノ構造の作製、計算、ロボティクス、 実験によってデザインしたデバイスの機能確認が最後までできた 人工細胞?…変わってるな。世界大会にでて何かやってる…? ことはとてもうれしかったです。自分はサブリーダーとしてプロ 面白そうかも。変わってる+面白そうという理由で村田・川又 / ジェクトの方針について助言をしたり、Wiki の実験ページの編 野村研究室を志望して BIOMOD に参加することになった。長い 集をしたりしました。サブリーダーの仕事についてはもう少し 「傾 BIOMOD 活動の始まりである。 聴の態度」というべきものを身につけるべきだったと反省してい はじめに、先生方からの特別講義「ラボトレ」で世界と戦うた ますが、自分の仕事についてはやり遂げたと思っています。 めの知識をつけた。設計の方法、グループワークの仕方、DNA メンターの先生方と先輩方のご支援がなければ、今年のプロ ナノテクノロジーの基礎、ソフトウェアの使い方など内容はかな ジェクト(だけでなく今までのプロジェクト)は完遂しなかった り充実していた。大学に入学してから一番真面目に講義を受けた と思います。大変お世話になりました。ありがとうございます。 と言っていい。ラボトレが終わると、 いよいよチームでのプロジェ 来年度 BIOMOD をやる方は、いままでの枠にとらわれず、新時 クト始動!なかなかうまくいかない時もあったが、チームで協力 代のパイオニアとしてものづくりを楽しんでいただきたいと思い して一歩一歩前進し、やりがいを感じた。 ます。 なんやかんやあって、無事に世界大会を迎える。海外のレベル の高いチームと wiki、プレゼン、youtube の点数を競い、総合 世界 3 位、wiki 世界 2 位、プレゼン世界 3 位に加えて、オーディ ■大高 隼人 エンス賞 3 位を受賞。チーム仙台のプロジェクトが世界で評価さ 所属チーム名:Team Sendai れたことは本当に光栄で、これまでにない達成感を感じた。 学 年:3 年 BIOMOD を通して、世界に挑み、様々な経験をすることができ、 学部・学科名:工学部機械知能航空工学科 成長することができた。 僕は 3 年生から配属される研究室の紹介のときに初めて BIO- ご支援してくださった先生方、先輩方、本当にありがとうござい MOD の存在を知り、参加することを決めました。かなり大変だ ました。 ということは聞いていたので覚悟して臨んだつもりでしたが、そ れは予想以上のものでした。ですが、それだけ価値のある経験が できたと思います。今まであまりなじみがなかった DNA 等につ ■ 鈴木 健太 いて一から勉強し、アイディアを考え、システムをデザインし、 所属チーム名:Team Sendai シミュレーション・実験を行うという研究の一通りの工程を、学 学 年:3 年 部 3 年のうちから経験し、理論的なアプローチの仕方を学ぶこと 学部・学科名:工学部機械知能航空工学科 ができました。さらに、自分たちのアイディアを認めてもらうた BIOMOD という活動を通して、大きなプロジェクトを始めか めに、Wiki、YouTube ビデオ、プレゼンという様々な形での表 ら終わりまで構築していくことを体験できたことが一番良かった 現の仕方を学ぶこともできましたし、チームでプロジェクトを行 ことではないかと思います。プロジェクトの始めは、活動時期の うことの難しさも改めて実感しました。本大会では総合 3 位にな 半分以上を費やし、自分らがこれから取り組んでいこうとする ることができたものの、優勝できると思っていたので正直悔しい テーマについての議論を行い、自分たちが作りたいものは何なの です。ですが、他のチームの人から褒めてもらえたり、なかには かを明確になるまで突き詰めていくものでした。アイディアを考 「Team Sendai がいちばんだ」と言ってくれていた人がいたとい えては練り、頓挫したらまた別のアイディアを考えることを繰り うことなので、評価してもらえて本当にうれしく思いました。半 返し、何かを築き上げることの難しさを実感しました。テーマが 年間大変でしたが、BIOMOD での貴重な経験は今後の自分に大 決まってからも、 プレゼン・Youtube・Wiki などで伝えたいことを、 いに役立つものになると思いますので、参加して本当によかった どう表現すればミスリード無く伝えられるか、効果的に伝えられ と思っています。サポートしてくださった先生方、先輩方、そして るかに悩まされました。自分は Youtube の制作を担当し、取り 一緒に活動したメンバーには大変感謝しています。本当にありが まとめを行っていました。3 分 30 秒という時間制限のある中で、 とうございました。 テーマのコンセプトを分かり易く且つ面白く表現・演出すること の大切さを学びました。Youtube の話の内容が決まってはいても、 そこから映像に起こす過程には不確定・未定である情報が数多く あり、必要なものを探しては作成したり、作成してもらったりし ました。 そして活動を行う際に、プロジェクト全体にも関わるのですが、 状況確認と報告することの重要さを感じました。自分自身は実際 Molecular Robotics Research Group. News Letter No.9 5 には、うまく仕事が回らず進捗が無いときには状況報告を怠るこ 生物を履修していなかったこともあり、生体分子に関する知識は ともありました。しかし、周りの理解やそこから助けを求めるた ほとんどありませんでした。しかし研究室の先生の講義を聞いた めにも、グループワーカーに状況を知ってもらうことは大切であ り論文を読んだりすることで生体分子及びその応用の仕方の基礎 り、プロジェクトを回す上で最重要事項だと分かりました。当た を学び、設計をすることができました。実験も先輩方や先生方の り前だと思ってはいても、対人関係の中での「連絡・報告・相談」 指導の下で行いました。授業で行う実験とは異なりどのような結 がきちんとしていないと、時間・活動制約のある中での創作活動 果が出るかわからないので、どのような実験をしてどのような結 は円滑に行くものではないと、改めてそして直に深く肌で感じる 果がでれば成功したと言えるのか、失敗したらその原因は何かな ことができました。 ど、様々なことを考えながら実験を行いました。 BIOMOD では、知識をつけ、設計し、実験し、それを発表す るという一連の流れを体験できたので、今まで大学の講義で学ん ■ 高橋 拓人 でいることと実際の研究とがどのように繋がっているのかという 所属チーム名:Team Sendai ことや、研究をするとは具体的に何をすることなのかを知ること 学 年:2 年 ができました。また、ボストン大会は私にとって初めての海外経 学部・学科名:工学部化学バイオ工学科 験であり、英語でコミュニケーションを取ることの重要さが分 私は世界で活躍できるような生命科学の研究者になりたいとい かりました。私は将来何らかの形で研究をする仕事に就きたいと う志を持って東北大学工学部化学バイオ工学科に入学した。特に 思っているので、BIOMOD での体験を今後の学習のモチベーショ 分子生物学に興味があり、人間の体を分子レベルで学びたいと考 ンとして頑張っていきたいと思います。 えている。大学 2 年生の 4 月に BIOMOD を知り、研究室の雰囲 気やこの分野について学びたいと思い参加を決意した。 参加してからは DNA の様々な性質を日々学んでいかなければ ■玉槻 大輔 ならず大変だったが、同時にその無限とも思える DNA の可能性 所属チーム名: Team Sendai を知ることができた。また、プロジェクトテーマを決めていく過 学 年:1 年 程で学ぶことも多かった。全員が次々とやりたいこと述べ、それ 学部・学科名: 医学部医学科 をひたすらホワイトボードに書いていく。そのどれもが、一見 BIOMOD に入ったのはもともと興味本位だったのですが、想 DNA ではできそうにないものばかりだが、実現のためにどうす 像以上に大変なことが続きました。国内大会前の段階で基礎的な ればよいか真剣に話し合った。 実験を行い、結局失敗に終わったこともありました。最も苦労し 実験操作を自分で考え実行することの難しさも知った。授業な たのは科学的な英文の書き方には苦労です。先生方にたくさんの どでは指定された手順通り、作業的に実験を行ってきたが、これ コメントを頂き、少しでも良い Wiki になるように ( 夜を徹して ) からはそれぞれの手順の意味を考えて実験に挑めそうである。 努力しました。わずかでも Wiki の完成度に貢献できたかなと思 自分が主に担当した Wiki や Youtube では、相手に伝えることの います。 難しさに苦しんだ。イラストや CG が凝っていても、内容が伝わ Jamboree では他チームの発表についていくだけで大変でし らなければ意味がない。日本語でも研究成果をまとめたことがな た。しかし、僕の将来進むであろう方向とは異なる分野の発表 いのに、英文でまとめて伝えるのは大変な作業であった。 でも本当に楽しく聞くことができました ( そうでなければ BIO- ボストンの国際大会では、各チームのプレゼンの質の高さを感じ MOD に入ったりしませんでした )。実際にあの場にいたことで、 た。結果がうまく出ていなくても、自信を持って発表しており、 リスニング・スピーキングの力の必要性を肌で感じてくることが 見せ方・伝え方が日本のチームよりも上手だった。しかし、その できました。Audience Favorite に入賞したのは驚きでした。 中でチーム仙台は総合 3 位に輝くことができた。日本のチームの ほとんど背景知識もないままに取り組んできた BIOMOD でし 発想力が世界に劣らないことを証明できたのではないかと考えて たが、春のラボトレの頃から指導してくださった研究室の先生方、 いる。 一緒に活動した同級生、先輩方には本当に感謝しています。あり 苦しい時間は長かったが、密度の濃い研究生活であった。東北 がとうございました。 大学大学院工学研究科村田・川又/野村研究室の皆さま、BIOMOD を支えてくださった皆さまには感謝の気持ちを伝えたい。 ■陳 育勤 所属チーム名:Team Sendai ■ 川上 勝太 学 年:1 年 所属チーム名:Team Sendai 学部・学科名:理学部物理系 学 年:1 年 僕が BIOMOD に参加した理由は、世界を相手に勝負してみた 学部・学科名:工学部化学バイオ工学科 かったからだ。言ってしまえば分野は何でも良かったのだが、半 私は Team Sendai の一員として、機構の設計、および実験を 年の活動を通して新学問分野「分子ロボティクス」が非常に興味 行いました。とはいえ私はまだ学部の 1 年生であり、また高校で 深く将来性のあるものであると分かったため、当初期待していた 6 Molecular Robotics Research Group. News Letter No.9 以上の経験をすることができ大変嬉しく思っている。 ■ 結城 颯 TEAM SENDAI において僕はプロジェクトにまんべんなく関 所属チーム名:Team Sendai わった。wiki では主に実験パートの英文を作成したり、文章全体 学 年:1年 のチェックを行ったりした。YouTube では脚本を 1 人で作成し、 学部・学科名:医学部医学科 出演やアフレコまで行った。プレゼンでは発表原稿の作成と実際 BIOMOD の活動を通して痛感したのは、英語で相手に研究成 のプレゼンに関わった。特に国内大会のプレゼンは原稿、演出、 果をわかりやすく伝えることの難しさです。我々日本人の多くは、 必要なスライドに至るまで全て 1 人で考えた。 母国語が英語ではなく、英語が不得手であるために、折角世界に このように活動した半年間は本当に忙しかった。夏休みはほぼ 通用するような研究成果をあげることができても、それを的確に 全てを費やしたし、新学期が始まってからも何とか時間を見つけ わかりやすく伝えることが容易ではありません。特に、プレゼン て活動に参加した。大会の直前には十分な睡眠時間が取れず、仕 後の質疑応答では英語力の差が如実に表れていたように感じまし 事を投げ出したいことが何度もあった。活動の成果が先輩に認め た。英語圏のチームが流れるように議論を交わす一方で、非英 られず、涙を飲んだ日もあった。それでもめげずに活動できたの 語圏のチームはぎこちない返答をするので精一杯であるようでし は、何としても世界大会で優勝したいという気持ちがあったからだ。 た。これは、英語を使いこなせなくとも特に困ることのない日本 しかし結果は総合 3 位だった。日本勢の中では断トツの成績だ では気付くことができなかったことだと思います。世界では、英 が、正直なところ目標に届かなかった悔しさしかない。この悔し 語を使いこなせなければ土俵に上がることもままならない。これ さは、自分が将来進みたい宇宙物理学の分野で晴らしたい。必ず からの学生生活では、この問題意識を持ち続けて英語のトレーニ 僕の名を世界に轟かせてみせる。 ングに励もうと考えています。 東京大学(柏) ■ 匿名希望 所属チーム名:UTokyo Chem & Bio 学 年:3 年 学部・学科名:工学部化学生命工学科 ■平塚 晶吾 所属チーム名:Team Sendai 学 年:1 年 学部・学科名:農学部 私が4月に BIOMOD を知ってから今に至るまであっというま でした。様々な事がありましたが無事に終えられてよかったです。 僕は実験の手伝いと英文を一部書く作業をしておりました。両方 とも早さと正確さを求められる仕事であり、とても苦労した分、 身に付いたスキルも多くあります。1年でこのような体験ができ た事はとても有意義であるように思います。 国際大会は、3位という結果に終わりました。この結果につい てはおのおの思う事があるかもしれませんが、僕はうれしくもあ り悔しくもあります。今まで僕も苦労しましたし、周りの先輩や 友達が寝る間も惜しんで頑張る姿をこの目で見ていたため、これ でも足りないのか、と世界のレベルの高さを感じました。 この半年間はとても貴重な体験を多くできました。また、未熟 な私をサポートしてくれたチームのメンバーやメンターの先生方 には、 とても感謝しております。来年の BIOMOD についてですが、 頑張って1位を狙って欲しいです。僕は参加するかは決めていま せんが、参加せずともなんらかのサポートをするかたちで関わっ ていけたらなと思います。 ボストンは紅葉と建物の赤煉瓦でとても秋らしい雰囲気になっ ていました。人生初の海外滞在を終え、帰りの飛行機が飛ぶのを 待ちながらこれを書いています。もう 4 時間くらい待っていま すが飛びません…。感想をとのことだったので、自分にとっての biomod がどんなものだったかを思い出してみました。論文の輪 読にテーマ決め、実験、中間大会、本大会、と休む間もない半年 間だったと思います。一番記憶に残っているのはやはり実験漬け だった夏休みでしょうか。私は主に部品となるタンパク質の合成 を担当していましたが、これがなかなかうまくいかない。そもそ もタンパク質を作ってくれるはずの菌が増えない ( 笑 ) そんな に難しい作業ではないよ〜と先輩に首を傾げられながら増えない 菌と格闘して、ようやく増えた!と思ったら目当てのタンパク質 が発現していなかったことも。とにかく最初は失敗続きでした。 それでも最後にはきちんと計画通りのものができ、またそれを部 品として行った他の人の実験も成功しました。自分のやった実験 が次の成果につながったというのは、かなり嬉しい体験だったと 思います。また実験で遅くなった日に、上田研のキッチンを借り て皆で夕飯を作るのもとても楽しかったです(先輩方、たびたび 占領してしまってすみませんでした) それでも今一番感じているのは達成感よりも悔しさです。本大 会では海外チームのプレゼンに圧倒され、同時に自分がいかに英 語から逃げてきたかを実感しました。他にももっと自分からやり たい実験を計画してやればよかったとか、担当だった wikipedia Molecular Robotics Research Group. News Letter No.9 7 のイラストももっと工夫すればよかったとか。あげればきりがあ ■桐原 崇彰 りません。もう biomod としての活動は終わりましたが、今の悔 所属チーム名:UTokyo Chem & Bio 学 年:3 年 しいなあという気持ちを次の何かにつなげていきたいと思います。 最後になりましたが半年間ご指導くださった多田隈さん、増渕 学部・学科名:工学部化学生命工学科 さん、夏中お世話になった上田研の皆様、上田先生、応援してく 座学や学生実験では学べない実験の取り組み方を経験できたこ れた化生の皆さん、そして一緒に頑張ってきたメンバーの皆、本当 と、メンバーと共にプロジェクト行うことや独自的な研究テーマ にありがとうございました。 を探すことの難しさ、また、理論と実験には大きな隔たりがある ことを実感できたことが BIOMOD を半年間やり通して得られた ものだと思います。また、BIOMOD に参加したことで非常に有 ■泉田 森 意義な時間を送ることが出来ました。 所属チーム名:UTokyo Chem & Bio 振り返ると良い経験でしたが、やっている最中は挫折の連続で 学 年:3 年 した。まずは新規性のあるテーマが見つからないことでした。先 学部・学科名:工学部化学生命工学科 行研究について勉強して知識を得るにつれて、先行研究の延長で BIOMOD に参加させていただいての感想は、まず最初に感謝 しかない、現実的に厳しそう、将来性が乏しいなどの壁にぶつか です。研究の経験、英語での発表の経験、wiki 作りや動画作りの りました。 経験等、多くの経験をさせていただき、参加して本当によかった 次にメンバーをまとめることとプロジェクトを進行させること なと思っています。やってみて初めてその大変さを知ったことも が上手くできなかったことです。原因としては実験の進捗や今後 多く、これからもっと精進していかなければと思いました。日々、 の方向性、BIOMOD にかけられる時間を把握するための時間や 実験に明け暮れているのはしんどくはあれども楽しく、研究の道 努力を十分に取れなかったことが大きいと思います。また、BIO- に進んでいこうと決めるきっかけにもなりました。ボストンでの MOD 本大会に向けた目標やプロジェクトの達成目標を全体で意 本大会では金賞にとどまり、努力不足を痛感しましたが、井の中 思共有することが上手く行かず、それぞれのモチベーションにば の蛙であったことを知ることができたこともまた、今後の自分に らつきが生じたり、目標が曖昧なままで実験を進めたりとチーム とって良いことだったなと思います。最後になりますが 4 月の発 として上手く機能できませんでした。また、個人の性格や特徴を 足からボストンまで、貴重な時間を割いて指導してくださったメ しっかり把握して適切な役割を与えることが出来ず、上手く機能 ンターの多田隈さん、増 渕 さ ん と東大新領域上田研の皆さんに しない部分が生じてしまいました。メンバーは多くの時間を割い 心からお礼申し上げたく思います。 て活動してくれたにも関わらず、自分が全体を上手く取りまとめ られなかったせいで本大会で良い結果を出せなかったことにとて も申し訳なく思っています。 ■川原田 礼以良 ここで本大会での感想を述べたいと思います。自分の理解力不 所属チーム名:UTokyo Chem & Bio 足かもしれませんが、全体を通して革新的なアイデアはあまりな 学 年:3 年 かったように感じました。自分もアイデア出しでは苦労したので、 学部・学科名:工学部化学生命工学科 アイデアを出すことの難しさが身にしみました。またアイデアを 半年間 BIOMOD に携わって学んだことは多かったと思います。 実際に実験で検証しているチームも多くは無かったように感じま 関連論文を読むことから始まり、テーマ決め、実験、発表でき した。実際実験してみると上手く行かないことだらけであること る形に内容をまとめるまで、どれも初めてでとても新鮮でした。 は自分が BIOMOD を通じてとても実感したこともあり、実行の BIOMOD 以外の活動でここまで濃い時間を過ごすことはできな 難しさも感じられました。 かったのではないかと思います。しかしこのような経験をできた また、海外チームの学生が積極的に質問するのと対照的に、自分 のは、多田隈さんや増渕さん、その他の上田研の方々の絶大なサ も含めて、日本チームの英語力の必要性を感じました。BIOMOD ポートがあってこそだと実感しています。このような機会を与え というせっかくの機会を生かして、英語の訓練ができればと思い てくださったこと本当に感謝しています。ありがとうございまし ました。 た。これからの活動のなかで、BIOMOD で感じたことや体験し 最後に、半年もの間ご協力頂いた多田隈さん、増渕さん、上田 たことを生かしていければと思います。 研究室の皆さんに心よりお礼申し上げます。 ■ 副田 康平 所属チーム名:UTokyo Chem & Bio 学 年:3 年 学部・学科名:工学部化学生命工学科 僕が BIOMOD に参加しようと思ったきっかけは何気なく授業 後にあった紹介を聞いたことで、一夏を無為に過ごすより何かしら 8 Molecular Robotics Research Group. News Letter No.9 夢中で取り組めることをして成長したいと思ったため参加を決意 メンバーに恵まれ、楽しい雰囲気でやってこれたからだと思う。 しました。 最後まで仲良くやってこれたことは本当にいいことだったと思っ 活動内容としては、夏休み前は論文選びやテーマ決定、夏休み ている。反省点としては、前述したように、夏休みの暇つぶしの からは実験をしました。テーマ選びは各自アイデアを持ち寄り提 ような感覚で BIOMOD に参加していたことから、メインを BIO- 案する形でしましたが、ネットや図書館で毎回テーマを提案する MOD に置けていなかったと感じており、もう少し力を注ぐこと ための情報を集める過程で様々な分野の知識を得ることができ視 ができただろうという点。このことは、BIOMOD の結果発表の 野が広がったと感じました。また、実際にテーマを決定するに当 ときに強く感じた。また、別の反省点として、もっと計画的に実 たりこのテーマは難しい、あるいはこのテーマは達成できそう、 験を進めていくべきだったという点である。きちんとした計画を など助言を頂きましたがその時点ではあまりテーマの難しさの予 立てず、とりあえず実験を始めたり、やるべきことを後回しにし 測が自身ではできませんでした。しかし、夏休みに入り実験を進 てしまうことが多かった。そして、 英語をもっと出来るようになっ めるにつれ、どういったことが難しいことなのかということが ておくべきだったというのを痛感した。ほかのチームのプレゼン 段々と理解できるようになり、そういった感覚が少しついてきた の理解が難しかったし、ほかのチームの人とコミュニケーション のだと感じられました。 をとることに障害を感じてしまい、話しかけられなかったからだ。 実験に関しては、望ましい結果が出た後、その結果が覆される わたしは BIOMOD に参加して、本当によかったと思っている。 ことも何度かあり、一度良い結果が出てもきちんと裏付けがとれ 簡単なきっかけからだったが、このひと夏の活動を通して、少し るまで安心してはいけないのだと実感しました。また、その裏付 は成長できたと感じられ、また、BIOMOD での経験が今後役に けをするための方法を考えることが何度もあり、これから研究室 立つ気がしている。 に入り自分で実験していくに当たり必要な力をつける訓練ともな りました。 本大会で各国各大学のプレゼンを聞き、感じた最たるものは見 ■ 鄭 麗嘉 せ方が非常に重要であるということです。例え同じことをしてい 所属チーム名: UTokyo Chem & Bio たとしても表現の仕方次第で見え方は大きく変わってしまうとい 学 年: 3 年 うことを痛感し、ただ自分の分野の専門知識をつけていくだけで 学部・学科名: 工学部化学生命工学科 はなくそういった能力もこれから伸ばしていく必要があると再認 今回の BIOMOD では、東京大学柏チームの wiki ページ作成と 識しました。 動画作成に携わりました。どちらも殆ど初めての経験でしたが、 本大会では入賞ができず残念ではありましたが、半年間を有意 先生や先輩方、家族、チームメンバーから多くのアドバイスと協 義に過ごすことができ、また様々な人と出会うことができ非常 力を頂き、何とか形にすることが出来ました。特に、wiki と動画 に刺激的な時間となりました。この機会を与えて下さった BIO- 共に、他のメンバーの CG やイラストの技術にはとても助けられ MOD 関係者の方々、特に長い間ご指導下さった多田隈さん、増 ました。 渕さん、上田研究室の先輩方にはこの場を借りてお礼を申し上げ BIOMOD で強く感じたことは、異なる役割の人の苦労を慮る たいと思います。本当にありがとうございました。 難しさでした。今までやってきた学校行事や部活では、頑張って いる人と頑張っていない人が分かれているか、全員が同じ事を頑 張っているかがほとんどで、今回のようにいくつかの担当に分か ■塚本 啓介 れお互いが基本的には不干渉でそれぞれ頑張った事はなかったた 所属チーム名:UTokyo Chem & Bio め、そのような難しさをこれほど強く感じたのは初めてでした。 学 年:3 年 例えば、私は wiki と動画を担当して実験はほとんど何もしなかっ 学部・学科名:工学部化学生命工学科 たため、実験担当などの人の苦労を配慮できないことが多くあり、 わたしが BIOMOD をやろうと思ったのは、ごく単純なきっか また逆のように感じることもありました。 けからだった。最初は試験終わりに予定されていたガイダンスに 他にも BIOMOD で得た経験はこの場では述べられないほどあ すら出てみるつもりもなかったのだが、飲みに行く約束をしてい りますが、何れも今後の社会生活にとって大切な経験だったと思 た友人がガイダンスに参加するというのでなんとなく話を聞いて います。それらを大事にして、今後も頑張っていきたいです。 みた。そこで BIOMOD についてざっくりわかり、面白そうだと いう印象を持った。その後、しばらく BIOMOD に参加するのか どうか悩んだのだが、結果的には参加することにした。理由とし ■中川 智貴 ては二つで、一つ目は、大学に入ってからの夏休みにあまりにも 所属チーム名:UTokyo Chem & Bio 暇を持て余していたためなにかをしてみようと思ったから。二つ 学 年:3 年 目は、わたし実験が好きであり、普段あまりやる機会のない実験 学部・学科名:工学部化学生命工学科 をたくさんできることに魅力を感じたからだ。 今年の4月から頭の中には常に BIOMOD のことがあった。チーム BIOMOD をやり終わって、楽しかった、やってよかったという として一つの目標に向かって主体的に努力をするという経験は、 感 想 を 持 っ た。 こ れ は お そ ら く、 一 緒 に BIOMOD を や っ た 受動的な大学の授業ではできないことで、非常に刺激的であった。 Molecular Robotics Research Group. News Letter No.9 9 研究室で一夏を過ごした事によって、今後飛び込んでいく研究の ていく世界を見てみたい、と思ったことでした。また、外国の大 世界を掴むことができたし、自分の専門について深く考え直すこ 学に以前から興味があったため、本大会がハーバード大学で開か とができた。 れることも魅力の一つでした。 大会としては、満足な結果を獲得することはできなかった。自 本大会では世界各国の学生によるプレゼンを初めて生で目に 分の取り組み方に後悔が残る。そして何より、いつもサポートを し、英語力やパフォーマンスなど、様々な点でレベルの高さに圧 してくださった先生・先輩方に申し訳ない。改善点を意識して、 倒されました。各チーム、考えを凝らした独自の方法でプレゼン 今後の糧としたい。 を行っていたことがとても印象的で、自分のチームの強みを理解 最後に、このような素晴らしい機会を与えてくださった多田隈 し、それを最大限に生かして自らの成果を外部に対して効果的に さん、増渕さん、いつもサポートをしていただいた上田研究室の 発信していくことの大切さを実感しました。私たちも 10 分とい 方々、本当にありがとうございました。 う短い時間で約半年間の努力の結果を簡潔に伝えようと努力しま したが、本大会を終えた結果色々な反省点が出てきたので、今後 の経験に生かしていきたいと思います。 ■匿名希望 質疑応答の時間に鋭い質問を次々とする学生の姿も刺激になり 所属チーム名:UTokyo Chem & Bio ました。今後国内外を問わず、研究発表の場面では短時間でプレ 学 年:3 年 ゼン等の内容を理解し、的確な質問を投げかける必要性が出てく 学部・学科名:工学部化学生命工学科 ると思うので、発表を聞く側としての力も身につけたいと感じま 予想していたよりもつらかった、というのが正直な感想。そも した。 そも参加したのも「アメリカ行けるんだ、すげえ」というのが大 BIOMOD での経験全体を通して、大変なことも多かったです きかった。それでも実際に活動しているときも終わってから振り が、本当に素晴らしい経験をさせて頂き感謝しています。これか 返ってみても後悔が全くないと言い切れるくらい面白い経験だっ ら研究者としての一歩を踏み出す身として、この経験を存分に生 た。個人的に一番やってよかったと思える点はふつう学部三年生 かしていきたいと思います。 では話を聞いたり見学でしか触れられない実際の研究室での研究 を体験できたことだった。実験の目的、手順、結果まですべて自 分で設定、考察するという学生実験とは全く違う視点を体験する ことができた(本来学生実験もそのように取り組むべきなのだろ 東京大学(駒場) うけど) 。これから研究室を選ぶにあたってこの体験があるのと ないのとでは選択に大きな違いが出る気がする。 ■ 橋本 祐里 またほかのメンバーの考え方や取り組み方にかなり刺激をも 所属チーム名:UT-Komaba らった。お互い本気で同じ問題に取り組むことで考え方の相違が 学 年:2 年 はっきりして初めは何考えてるかわからない人もいたが考え方も 学部・学科名:理学部生物学科 ある程度理解できるようになり、自分のものの見方の幅を広げる BIOMOD を通して、私は以下の2つのことを特に強く感じま ことができた。 した。 アメリカの大学の研究室を見学した時に何人かの教授から話を まず第一に、研究の面白さです。実験前にいくら理論を考えて 伺う機会があったがどの教授からも共通した話をいくつか聞くこ 実験をしても、結果はその通りにならないということが多くあり とができ最先端で活躍する研究者の一端に触れることができた気 ました。その度にうまくいかない様々な要因を考え理論を補正し がする。 て、再び実験しては結果をみました。連日実験して、思い通りの いまは将来どのような道に進むかまったく決められていないが 結果が得られないときは、 非常につらく、 メンバーと「つらいね…」 研究職に付く場合はもちろん、その他のどの進路をとっても確実 と言い合った記憶があります ( 笑 )。しかしながら、そのような に役に立つ経験をできたと思っている。ものすごく大変なので結 実験こそ、うまくいったときの喜びもひとしおです。つらいこと 構な覚悟が必要だけど後輩たちには機会があれば是非参加してほ もありましたが、実験中や結果を見るときはいつもワクワクして しいと思う。 いて、本当に毎日が宝探しのような日々でした。 第二に、ボストンでの大会では、英語力がないといかに悔しい 思いをするか、それを痛感させられました。国際大会の場で、英 ■由井 杏奈 語が達者でなかったのは、私をはじめ日本人だけのように思えま 所属チーム名:UTokyo Chem & Bio した。日本に帰ってからもこの悔しさを忘れずに、きちんと議論 学 年:3 年 をできるだけの英語力を身につけようと強く思いました。 学部・学科名:工学部化学生命工学科 この他にも、5人という少ない人数の中、プロジェクトを成功 私が BIOMOD に参加したきっかけは、今まで大学で理系の学 させるためのチームワーク、リーダーシップ、動画やプレゼンの 部にいながらも「研究」ということをしたことがなかったため、 作成技術等々、様々なことをこの BIOMOD を通して学ばせてい 研究室配属の前に少しでもその一端に触れ、自分が足を踏み入れ ただいたと思っております。懇切丁寧にご指導をしてくださった、 10 Molecular Robotics Research Group. News Letter No.9 萩谷先生・陶山研のみなさん、同じチームのみんな、学部生の ■佐々木 悠 私たちにこのような機会を設けてくださった BIOMOD の運営の 所属チーム名:UT-Komaba 方々には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。つらいことも多 学 年:1 年 くありましたが、本当に参加してよかったです。ありがとうござ 学部・学科名:教養学部理科一類 いました。 今回初めて BIOMOD に参加したが、参加した当初思っていた ものよりもずっとハードなものであった。自分のチームは人数が 少なく、メンターもおらず 1、2 年のみで構成されていたが、2 ■荻野 槙子 年の人達が中心となり実験等をしてくれたおかげなんとか研究を 所属チーム名:UT-Komaba 進めることができた。 学 年:2 年 学部・学科名:工学部物理工学科 自分の仕事は主に、プレゼンテーションや動画の原稿を英語で 書くことだった。2 年生に比べれば易しい仕事であったが、自分 駒場チームでは、BIOMOD は授業として開講されていたのです 達の実験を全く知らない人に、どのような文、表現であれば聞い が、私はそんなことも知らず、授業を受けて初めて BIOMOD と ている人に理解させられるだろうか、ということを考えるのは いう国際コンテストに参加することを知りました。私は迷った末 チャレンジングだった。それだけに、本番においてプレゼンテー に BIOMOD に参加することを決めました。はじめは分子ロボット ションが無事終えられた時の達成感は一入だった。 について色々と解説があって、こんな世界もあるのかと思いなが 今回、このような貴重な経験をさせてくださった萩谷教授をは ら聞いていましたが、だんだん自分でプロジェクトを考えてプレ じめとする諸先生方及び関係者の方々、本当に有難うございました。 ゼンする方式になっていって、その時点で私は十分辛かったです。 プロジェクトが決まって、辛さはさらに増していきました。何も ノウハウがないまま、少ない人数で、実験方法を考え、実験をして、 よく分からない結果がでて・・・という繰り返しでした。メン ターの方々に手伝っていただくことは多かったのですが、それで も結果の解釈をして、次にするべき実験を考えるところはとても 大変でした。おおまかに実験内容を考えたときは、うまくいけば 2 日 3 日で一通り終わるんじゃないかと愚かにも考えていたので すが、実際はそこに 2 ヶ月くらいかかりました。また、駒場チー ■西澤 広貴 ムは人数が少ないので分業ができず、実験と同時並行で wiki、動 所属チーム名:UT-Komaba 画、プレゼンをやらなければならなかったというのがとても大変 学 年:1年 でした。BIOMOD のことを思い出すと、大変なことばかりですが、 学部・学科名:教養学部理科二類 納得のいく実験結果がでたときは達成感があったし、ボストンに 色々と面白いアイデアがありましたが、実現可能性や時間を考 いって世界の色々な大学のプレゼンをみるのはとてもおもしろ えた結果、異なる2種類のDNAをマグビーズに対極となるよう かったし、何より貴重な経験をたくさんできました。メンターの 接着するというプランに決まりました。先生方は「1 ヶ月はかか 方々には非常に感謝しています。 る」と言われ、 「こんな簡単な実験にそんなに時間が必要なわけ がない。僕たちを見くびっているのではないか。」と思ったので すが決してそんなことはなく、それ以上の期間がかかってしまい ■太田 椿 ました。ミクロな物体を扱うというのは本当に大変なことで、普 所属チーム名:UT-Komaba 通のビーズなら接着材で済むような話なのに、マグビーズとなる 学 年:2 年 と、まずプレートとビーズを接着して固定するところから始めな 学部・学科名:理学部化学科 いといけません。目に見えないので、確認するにはいちいち試薬 BIOMOD ボストン本大会を通して始終、日本に帰ったら絶対 や専用の機械を使わないといけません。数時間かけた実験が確認 死ぬ気で英語と化学を身につけよう、そうでないと面白いことが の結果失敗だった時の絶望感は言葉にできません。失った時間が 何もできない、という考えに襲われていました。大会での他チー 惜しいのは当然のこと、失敗した理由を突き止めなければならず、 ムのプレゼンは、どれもプロジェクトの新規性や未来の可能性 さらにピペッティング等の細かい作業の人為的なミスの可能性も をアピールするために工夫を凝らしてあって聞きやすいものでし あり、 「僕のせいではないか」とモヤモヤした心苦しさに襲われ た。ですが、専門知識があったら各プレゼンももっと面白かった ます。実験は辛いですが成功した時の充足感を考えれば大したこ ろうと思いますし、英語でのプレゼンを聞き取りきれずに理解が とではありません。どのような実験であれ、自分で考えるという 追いつかない部分もあって勉強不足を強く感じました。 過程が含まれていれば、それは「研究」するということであり、 BIOMOD のテーマは私が現在興味のある分野とかなり近いだけ 新たな発見・発明に通じているのだと思います。自分の実現した に、半年をかけるプロジェクトに参加できたことは私にとって いプランに関して必要な知識が無ければ論文を調べて探し、無い 実際貴重な機会だったと思います。 なら自分で解決方法を考える。考えた方法がうまくいくか実験し Molecular Robotics Research Group. News Letter No.9 11 て、うまくいかないなら方法を練り直してもう一度チャレンジす ■木越 絵理奈 る。Biomod を通じて研究の過程を知ることができたのはかけが 所属チーム名:Team Kansai えのない経験です。また論文を読むための英語力やプランを実現 学 年:4 年 するための知識の不足を実感し、勉強に対するモチベーションも 学部・学科名:化学生命工学部化学物質工学科 上がりました。Biomod はアイデアを具体化するチャンスを、そ BIOMOD に参加して、他大学の学生のレベルの高さに圧倒さ うでないなら自分を見直すチャンスを与えてくれます。 れました。あっと驚くようなアイデアの詰まった研究や、観客を 引き込むプレゼンテーション、プロが作ったような動画など、興 味を引かれるものがたくさんありました。中でも、本大会で優勝 関西大学 された Team echiDNA のプレゼンテーションは、流暢で笑いも あり観客も巻き込んで、まるで TED をみているかのようでした。 自分たちの発表を振り返ってみると、発表はかなり一方的でアイ ■ 山本 恵梨花 所属チーム名:Team Kansai 学 年:4 年 学部・学科名:化学生命工学部化学物質工学科 BIOMOD は私にとって初めての研究発表で、とても良い経験 になりました。東京大会では研究内容以前に英語の勉強不足を痛 感し、また、他大学の方の発表や wiki の内容を知ることができ 刺激を受けたので、とても勉強になりました。私たちのテーマは nano QR code の作成で、特に 3 枚の origami の結合方法に悩 まされましたが、皆で試行錯誤しながら進めてこられたことに達 成感を感じています。本大会では残念ながら銅賞でしたが、ハー デアや面白さにかけていたと思います。また、英語力もなく伝え たいこともあまり伝えられていません。しかし研究においては、 なかなか成功しないなかでも、色々と仮説をたて何度も何度も実 験し、頑張ることはできました。今後、QR コードの完成に向け て研究を続けていきたいです。 来年度参加者には、ユーモアやちょっとした笑いを取り入れ 観客を巻き込み、発表者たちも楽しめるようなプレゼンテーショ ンを期待しています。 最後になりましたが、ご指導していただいた先生、メンターの 方々、大会関係者の皆様、そしてチームのメンバーに心から感謝 申し上げます。 バード大学で発表できたことは嬉しかったですし、無事終わった ことに安堵しています。Youtube の編集を担当しましたが、表彰 式で賞をもらっていたチームの動画を見たときにもっとこうでき たらよかったと思うこともあり、悔しかったです。最後になりま したが、葛谷先生、院生メンターの方々、大会関係者の皆様に心 から感謝申し上げます。 ■中川 翔太 所属チーム名:Team Kansai 学 年:4年 ■ 奥山 瞳 所属チーム名:Team Kansai 学 年:4 年 学部・学科名:化学生命工学部化学物質工学科 BIOMOD に参加して、東京大会とボストンでの本大会共に上 位入賞することはできませんでしたが、貴重な体験をさせていた だきました。東京大会で一度発表の機会が設けられていたことで、 本大会にその反省点を活かすことができました。しかし、最初か ら最後まで英語に苦戦していたように思います。これからも勉強 したいと思います。wiki、Youtube、プレゼンと全てにおいてこ れまでの Team Kansai を超えるクオリティーを求めて、チーム 一丸となって本大会まで準備を進めてきた結果、自分としては納 得のいくものができたのではないかと思っております。夜遅くま で皆で実験したり作業したのも、大変でしたが振り返れば良い思 い出となりました。きれいな AFM 画像を得られたときの感動は 忘れられません。もっと早く準備しておけばよかったと思う点は 多々ありますが、やりきったという達成感でいっぱいです。ご指 導していただいた先生、メンターの方々、大会関係者の皆様、そ してチームのメンバーに心から感謝申し上げます。 12 学部・学科名:化学生命工学部化学物質工学科 まず思っていることは学部生という立場でありながら、海外で しかもハーバード大学で発表をする機会を与えてもらえ、大変良 い経験ができたと思っています。他大学の学生の発表を見て、英 語力や発表の工夫など自分たちに欠けていると感じました。発表 では上位入賞はできませんでしたが、なかなか AFM でも電気泳 動でも結果が出ず、それでも自分たちで考え何度も実験方法を変 えて実験を行ったことは誇れますし、2量体でしたが AFM での 綺麗な画像が得られたことに達成感もあります。 英語に長けている学生がおらず、Wiki の製作や発表原稿、質 疑応答の対策など苦労しました。来年の学生が参加するのであれ ば、発表原稿などは校正など含めると時間がかかるので早めに取 り掛かるほうが良いと思います。 今後は正方形になるように繋げて、さらに QR code のパター ンを AFM で観察できるまで続けたいと思っています。 最後になりましたが葛谷明紀准教授、メンターの渡邉氏、田中 氏、日本チームへの連絡等してくださった東北大学川又生吹助教 をはじめ、他大学の先生方、大会関係者の皆様に心より感謝申し 上げます。 Molecular Robotics Research Group. News Letter No.9 ■ 福島 和季 所属チーム名:Team Kansai 学 年:4 年 学部・学科名:化学生命工学部化学物質工学科 九州工業大学 ボストン大会では残念ながら銅賞でしたが、私にとっては非常 に有意義な大会となりました。私達のテーマは nano QR code ■栗原 健太郎 ということで、DNA origami を用いて2次元的なバーコードを 所属チーム名:Team Kyutech 開発することでした。QR コードは白黒のセルであるので、私達 学 年:修士 1 年 のテーマの目的は , ダンベルヘアピンを origami 上に修飾し 、 学部・学科名:情報工学府学祭情報工学専攻 AFM 観察によって白黒を表現することでした。しかし、思い通 今大会に至るまで DNA というものに対する理解がなかった りにダンベルヘアピンが観察されず非常に苦労しました。また、 我々にとって、BIOMOD2014 に参加し結果を残すことは非常に 私達は 3 つの scaffold を用いて 1 つの構造体の構築を試みまし 険しい道のりであった。春頃からメンバー全員で DNA ハイブリ たが、なかなかそれぞれが結合せずに非常に苦労しました。最終 ダイゼーションに関して勉強会を催し、また同時に大会で披露 的には、目指した nano QR code の作成は出来ませんでしたが、 するシステムを提案することから始めたが、東京大会参加まで思 スタッキング相互作用が働く設計に変更すると、作成できる可能 うような進展が見られず何度も行き詰まりを経験した。それでも 性があるというところまで進展することができたので、安堵した ゴールに向かって進むことができたのは、我々が普段から研究 思いがあります。本大会が海外で研究成果を発表することが初め テーマとしていた制御工学の知見から分子システムを提案できた てでしたので、非常に良い勉強になったと思います。 からであるが、東京大会では説明すべき点が多くなってしまい、 余計に内容が難しくなってしまった。内容の複雑さから聴衆の関 心が得られなかった東京大会での反省を踏まえ、ボストン大会で ■若林 建汰 は如何に説明を簡潔化できるかを重点的に考え、皆で資料作りに 所属チーム名:Team Kansai 取り組んだ。その結果、ボストン大会当日で最高のプレゼンテー 学 年:4 年 ションが行え、春から続いた一大イベントが終結した。我々チーム 学部・学科名:化学生命工学部化学物質工学科 の結果は銀賞であり、国際大会で内容を評価をしてもらえたことが 今回はじめて BIOMOD に参加させていただきました。アメリ 何よりも嬉しかった。また、次は金賞を目指すという新たな目標 カに行くことはとても貴重な体験になりました。私達のチームは ができた。一旦、チームは解散となるが、来年は今年以上の成果が 参加者の中でも特に英語が苦手なチームでした。英語を聞いても 得られるよう各々が知識・手法を習得し、更に力のついた我々の 全然分からず混乱することがよくありました。質問時間の時も僕 勇姿を皆さんに披露したい。 最後に、BIOMOD2014 への参加に は Too difficult などと言って場をつなぐのがやっとでした。この あたり、御世話してくださった関係者各位、全ての方に感謝を捧 大会で聞いて分かるぐらいの英語力は常識として必要なのだと思 げたい。ありがとうございました。 いました。実験の方もなかなかうまくいかず苦労しました。人間 関係もギスギスしてきて嫌にもなりました。しかし最後の方は頑 張って、夜な夜な実験することで、今まで撮れなかった AFM 画 ■浅田 一平 像をきれいに撮ることができて達成感が得られました。そしてや 所属チーム名:Team Kyutech れば出来るんだという自信をもつことができました。僕の研究が 学 年:修士1年 DNA Origami とかけ離れていて、origami の設計などしたこと 学部・学科名:情報工学府学際情報工学専攻 がありませんでした。しかし実際やってみるとそんなに難しくな 私たちのチームは、BIOMOD2014 が初参加でした。私たちの く origami の魅力を感じました。今回の大会は origami に触れ 専攻が情報工学であり、生物システムの制御設計法を研究目的と 合ういい機会でとても興味を持ちました。来年は DNA origami しているため生体分子を構成するだけでなく、私たちの長所が生 についてもっと勉強して、みんなが驚くテーマで一位を目指した かせる制御を使ったものを作ろう、というアイディアから始まり いです。 ました。しかし、アイディアを思いついても私たちはウェットな 実験経験がなかったため、実験方法の検討から大きく躓きました。 結局ウェットな実験は行わないまま迎えた東京大会は良い結果は でませんでした。東京大会での反省は大きく分けて 3 点ありまし た、1つ目に誰でもわかるように噛み砕いた内容かつ、エンター テイメント性に富んだプレゼンテーションでなかったこと、2つ 目はウェットな実験を行わなければ説得力がないということ、3 つ目に wiki ページを軽視していた点です。東京大会では、悔し い思いをしたと同時に BIOMOD 大会の雰囲気を掴むことができ、 非常にいい練習になりました。東京大会での悔しさをバネにモチ Molecular Robotics Research Group. News Letter No.9 13 ベーションにしてアメリカでの本番まで徹夜も辞さず反省点の改 Silver 賞を頂くことができました。BIOMOD は、自分がどれほ 善をしました。そのかいあって、アメリカ本番での結果は私たち ど周りの人に助けられているかということに気づかされる大会で は銀賞を取りました。 した。中茎先生をはじめ、多くの人に協力を頂き、本当に感謝し 世界中の学生達とプレゼンテーションし合えるという貴重な経 験をさせてもらい、非常にいい刺激をもらいました。この大会に ています。もし来年また参加するとしたら、今回の経験を踏まえ て、次は参加者をサポートする側から参戦したいと考えています。 参加するにあたり、ご支援いただいた企業や団体様、ご指導頂き ましたメンターの方々に深く感謝いたします。 ■藤本 圭伍 所属チーム名:Team Kyutech ■瀬口 竜大 学 年:4 年 所属チーム名: Team Kyutech 学部・学科名:情報工学部システム創成情報工学科 学 年:4 年 自分達の分野が生物系ではなく情報系、特に「制御」の分野が 学部・学科名:情報工学部システム創成情報工学科 特化していたため研究内容自体が他の人に伝えにくい箇所がいく 私たちは今回が BIOMOD 大会初出場だった。プロジェクトを つもあった。その箇所の一部をロボットを使って動画にして説明 進めていく過程で、一番困難だったことは、メンバーの中に化学 することを担当したが、結果は余計に分かりにくくなったように 分野を専門としている学生がいなかったことで、メンバーのほと 感じた。なるべくロボットの挙動が自分たちの理論に近似できて んどが、制御分野、情報分野の専門で構成されていたことである。 いることを伝えられるように努力したが、些細な違いにしかなら そのためプロジェクトに入る前に、分子や DNA など生化学分野 なかったことが非常に残念であった。 の知識をつけることから開始した。最終的に化学分野を制御分野 東京大会後、今度は説明用の資料作りを担当した。具体的には、 を融合させるアイデアが高評価に繋がってやりがいがあった。 図が分かりやすくなるように CAD を使った CG モデルの作成に 国内大会では満足のいく結果がでず、悔しい思いをした。しか 取り組んだ。非常に手間と時間がかかる作業が多く、 大変苦しかっ しそのおかげで世界大会に向けてチームの一人一人が全力を尽く た。その分、見やすい図ができたと思う。 して頑張ることで、銀賞を獲得できて嬉しかった。学んだことは、 全体を通して、大会の発表までの準備はできていたが英語の発 チームとしてプロジェクトを成功させるために、何が必要で何を 表が慣れていないことが大きかった。日本語だと自然な感じに話 すべきがが明確になったことである。例えば、計画を立てるには せるが慣れない英語だと不自然な感じになってしまった。そこが アバウトにするのではなく、具体性をもって細かな To-do リスト 研究やプレゼン以前の問題であるので、次回の参加までには何と を作成する、デザインの大切さ、チームとしての役割分担の大切 かしたい。 さなど、数えきれないほど重要なことを学んだ。 次に研究についてだが、東京大会までは「情報工学部」を意識 メンターの先生には本当にお世話になり、何度も助言をいただい してロボットを使った研究なら注目されるという方針であった たおかげで、今回の結果に が、意外と反応が悪かったため大幅にハーバード大学での発表に 繋がった。来年 BIOMOD 向けて変更したのが苦しくなった原因だと思った。その為、もし で金賞をとるために、今回 次に参加するのであれば他学科、特に生命の学生を取り入れるこ の半年間で学んだことを とでより柔軟な発想による研究ができると信じたい。 来年に活かしたいと思う。 ■鈴川 亮典 所属チーム名:Team kyutech ■ 佐藤 大樹 学 年:1 年 所属チーム名:Team Kyutech 学部・学科名:情報工学部学際情報工学専攻 学 年:4 年 私は今回初めて Biomod に参加した。ハーバード大学で発表で 学部・学科名:情報工学部システム創成情報工学科 きるということで、当初は楽しもうぐらいの気持ちで思っていた。 BIOMOD 初参戦、さらにチームで何かを作り上げる作業とい しかし実際はかなり忙しく、夏休みもほとんどの時間を費やすほ うものも初めての経験でしたので、手探りでのスタートとなりま ど大変だった。 した。BIOMOD 東京大会では Wiki、プレゼン共間に合わせるこ 東京大会では思うような良い結果を残す事ができなかった。 とができず、また他大学の完成度の高さに驚愕でした。7位と wiki の完成度が大きく採点に影響していた。wiki の完成がぎりぎり いう当然の結果でしたが、やれるだけの力は全て BIOMOD に注 になってしまった事が原因だった。故にボストン大会ではそのよ ぎこんだつもりだったので、悔しかったのを覚えています。しか うなことがないように計画を練った。 し、その体験をバネにチームの士気が高めることができたと思い 大会までの 2 ヶ月の間に wiki、youtube、プレゼンの 3 つとも ます。ボストン大会までの Wiki、プレゼンでは、東京大会から 力をいれて納得できるものに仕上げた。どのチームとも対等に戦 は考えられないほどのランクに上げることができました。結果、 えるレベルまで仕上がっていたと思う。 14 Molecular Robotics Research Group. News Letter No.9 ボストン大会では優れたプレゼンをする国が多く、プレゼン力 ■ 篠原 知香子 の高さを感じた。しかし私たちはその中で最大限のパフォーマンス 所属チーム名:Team FIT を発揮できたと思う。歓声が上がったのが何より嬉しかった。 学 年:2 年 初参加ながら銀賞をとることができた。振り返れば苦悩する 学部・学科名:工学部生命環境科学科 日々も多く楽しいだけの大会ではなかったが、みんなが協力して BIOMOD を知ったのは学科の掲示板で、興味本位で参加を決 やることでチームの結束力を高め頑張ることができた。これから めました。だから初めは、実験内容や研究発表の流れなどを理解 につながるとても良い経験になった。来年参加するときには金賞 するまでに苦労をし、軽い気持ちで参加したことに後悔もしまし を目指して頑張りたい。 た。実験を始めるにも、まず論文を訳すところから始まり、いか に自分がテキストや先生に頼っていたかを痛感させられました。 しかし、疑問を解決するために図書室に通ったり、質問に行った りするようになりました。あまり自分から行動するほうではない 私にとっては大きな進歩です。また、続けていくなかで機械やパ ソコン操作についての知識や科学英語の知識も増えました。 9 月の東京発表では、同じ苦労をしてきた他大学の学生との交流 ができ、情報を共有したりできたので、ボストン大会へのモチベー ション維持にも大きく役立ちました。 約半年間、きついことも多かったけれど、とても充実していて、 福岡工業大学 ■松村 萌絵 所属チーム名:Team FIT 学 年:2 年 学部・学科名:工学部生命環境科学科 この夏、BIOMOD に参加して他学生に負けない経験を得るこ とができたと自信をもって言えます。参加のきっかけは私の学科 のアドバンスコース必修科目である先端環境科学実験でした。こ れは各研究室に配属されてグループで実験内容を自ら決め、実 験をしていくというものです。私は何かの縁で宮元研究室に入 り BIOMOD に参加するに至りました。知識も経験もない私たち はまずアイディア出しから苦労しました。そしていざ実験を開始 すると機器の使い方、器具の取り扱い等わからないことだらけで やっていけるか不安でいっぱいでした。しかし、研究室の先輩や TA の先輩のおかげで少しずつですがまともに実験ができるよう になりました。中間発表では当日までスライドの作成や原稿を考 え、ぐったりと東京大学に向かったのを覚えています。他のチー ムの発表がとても素晴らしく、完成度も高かったため自分たちの 発表はとても未熟に感じました。しかし国内大会を経験したから こそ、聴衆に魅せる発表とはどういうものか、プレゼンの仕方等 学べたものは数多くあったと思います。国内大会が終わり本大 会に向けて反省を踏まえつつチーム一丸となり取り組みました。 Wiki、Youtube の締め切り前は研究室にひたすらこもり徹夜で仕 上げました。それと同時並行でスライド・原稿を作成していたの で発表練習の時間が取れ、国内大会のときよりも、良い発表がで きたのではないかと思います。また、他チームは素晴らしく、良 い刺激をたくさん受けることができました。 早い段階でこのような経験をすることができて、間違いなく今 後の学生生活の糧になるだろうと思います。私たちの実験に関 わってくださったすべての方へ感謝の気持ちでいっぱいです。非 常に濃い大学 2 年の半年を過ごすことができました。 Molecular Robotics Research Group. News Letter No.9 貴重な体験ができました。お世話になった先生方、先輩方には とても感謝しています。 ■平中 芳樹 所属チーム名:Team FIT 学 年:2 年 学部・学科名:工学部生命環境科学科 私は BIOMOD を通して様々な事を学びました。それまでは授 業で決められた実験を行うだけでしたが、BIOMOD では実験内 容から自分たちで考え、主体的に取り組めました。特に実験に関 しては想定した結果と違うデータが出て何回もやり直したため、 知識や機器の操作などが着実に身に付きました。また、wiki の作 成が上手くいかずに締切直前まで作業をしたり、発表の練習でセ リフを忘れたりと苦労が多くありました。しかし、その都度メン バーと協力し合い、問題に対して粘り強く取り組む姿勢を養うこ とが出来ました。 ボストン大会では東京大会とは雰囲気も違い、とても緊張しま したが、自分たちが今まで取り組んできた事を、しっかりと聴衆 に向けて発表ができたのでとても嬉しかったです。ここまで達成 できたのは、メンターや先生方など多くの方にお世話になりました。 本当にありがとうございました。 ■井上 和也 所属チーム名:Team FIT 学 年:2 年 学部・学科名:工学部生命環境科学科 BIOMOD を知ったきっかけは、学校の掲示板に去年出場した先 輩方の賞状が飾られているのを見た事です。その先輩方に話を聞 いて、研究者になりたい私にとって良い経験になると思い参加を 決意しました。 研究や発表準備を行う中で自分の知らないことが多く、先輩方や 15 先生に助けてもらうばかりで自分の未熟さを感じました。先輩方 BIOMOD に参加して研究の概念を考えさせられ良い刺激になり、 や先生方には、発表練習まで毎日、夜中まで付き合っていただき、 参加して本当に良かったと思います。去年 BIOMOD に参加した 感謝の気持ちでいっぱいです。 先輩たち、大学院生の先輩、先生方にはたくさんのアドバイスや ボストンでの発表は全てが不安でしたが特に質疑応答が不安で した。発表の順番がくるまで、原稿を何度も繰り返し練習して落 知恵をいただき感謝でいっぱいです。本当にありがとうございま した。 ち着こうとしましたが、全く効果はなく、結局、発表直前まで緊 張は治まりませんでした。自分達の順番が来て聴衆を前にして、 やっと落ち着くことができました。発表を始める前は長いと思っ ていた 10 分間の発表はあっという間に終わって気が抜けてしま い、特に不安であった質疑応答にほとんど答えることができませ ■岡山 匠 んでした。 所属チーム名:Team FIT 今回 BIOMOD に参加して、研究者になるために自分が足りな 学 年:1 年 いものを認識することができました。私の将来の研究者としての 学部・学科名:工学部生命環境化学科 ビジョンの参考になったことが最も大きな収穫です。 私は、今回の BIOMOD2014 に参加し、多くの貴重な経験をし ました。特に東京大会、ボストン大会の両方とも壇上に立って多 くの人の前で発表することは普段の学生生活では体験できないこ ■黒木 厚佑 とです。しかし、そこに至るまでの過程では、研究内容を理解で 所属チーム名:Team FIT きなかったことや、パソコンに関する知識不足など多くの困難が 学 年:2 年 ありました。それでも、先輩方のサポートもあり何とかやり抜く 学部・学科名:工学部生命環境学科 ことが出来ました。自分一人ではできなかったことであり先輩方 最初は研究に対して簡単で楽しいものだというイメージでした。 には感謝します。 ところが実際には、DNA を扱うこともあって細かい作業が続き ボストン大会で海外の方とお話をしてもうまく英語で表現でき 簡単ではないことに気が付きました。途中で研究をやめたいなと ないことが多くあり、自分の英語力の無さを痛感しました。 思うこともありましたが、先輩方のサポートのおかげで取り組む 今後は、英語力を向上させ自分の意見を英語で表現できるように ことができました。 なりたいです。 私は東京の大会には行けなくてボストンでの発表でしかできま せんでしたが、ボストンで他のチームのプレゼンを見て堅苦しい ものでなく非常に楽しそうで驚きました。研究を続けるには楽 しくしようという気持ちが必要であるのだなと思いました。この 今後の予定 2015 年 1 月 23 日 3 月 10-12 日 1 月定例研究会(鳥取大学) 第 5 回領域会議(静岡県ラフォーレ伊東) 4 月 新公募メンバーへの説明会(東京 田町) 5 月 定例研究会(札幌) 6 月 定例研究会(東京) 7 月 定例研究会(北陸) 12 月 定例研究会(仙台) 次号 No.10 は 2 月発行予定です Molecular Robotics Research Group. News Letter No. 9 発行:新学術領域 分子ロボティクス 感覚と知能を備えた分子ロボットの創成 事務担当 :村田智(東北大学 [email protected]) 広報担当 :小長谷明彦(東京工業大学 [email protected]) http://www.molecular-robotics.org/ 16 Molecular Robotics Research Group. News Letter No.9
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