アイリーア硝子体内注射液 40mg/mL アイリーア硝子体内注射用キット

アイリーア硝子体内注射液 40mg/mL
アイリーア硝子体内注射用キット 40mg/mL
に係る医薬品リスク管理計画書
本資料に記載された情報に係る権利及び内容についての責任はバイエル薬品株
式会社にあります.当該製品の適正使用に利用する以外の営利目的に本資料を
利用することはできません.
バイエル薬品株式会社
(別紙様式)
医薬品リスク管理計画書
平成 26 年 12 月 1 日
独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長 殿
住所:
氏名:
大阪市北区梅田二丁目 4 番 9 号
バイエル薬品株式会社
代表取締役社長 カーステン・ブルン
標記について次のとおり提出します。
品目の概要
承 認 年 月 日
2012 年 9 月 28 日
薬 効 分 類
再 審 査 期 間
8年
承 認 番 号
国 際 誕 生 日
871319
22400AMX01389000
22400AMX01390000
2011 年 11 月 18 日
アイリーア硝子体内注射液 40mg/mL
販
売
名
有 効 成 分
アイリーア硝子体内注射用キット 40mg/mL
アフリベルセプト(遺伝子組換え)
アイリーア硝子体内注射液 40mg/mL:
1 回の投与量(0.05mL)中、アフリベルセプト(遺伝子組換え)※2 ㎎
1 バイアル(0.278mL)中、アフリベルセプト(遺伝子組換え)※11.12 ㎎
含量及び剤型
アイリーア硝子体内注射用キット 40mg/mL:
1 回の投与量(0.05mL)中、アフリベルセプト(遺伝子組換え)※2 ㎎
1 シリンジ(0.165mL)中、アフリベルセプト(遺伝子組換え)※6.6 ㎎
※:チャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。
中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性
用法及び用量
アフリベルセプト(遺伝子組換え)として 2mg(0.05mL)を 1 ヵ月ごとに 1
回、連続 3 回(導入期)硝子体内投与する。その後の維持期においては、
通常、2 ヵ月ごとに 1 回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間
隔を適宜調節するが、1 ヵ月以上あけること。
1
網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管
アフリベルセプト(遺伝子組換え)として 1 回あたり 2mg(0.05mL)を硝子
体内投与する。投与間隔は、1 ヵ月以上あけること。
糖尿病黄斑浮腫
アフリベルセプト(遺伝子組換え)として 2mg(0.05mL)を 1 ヵ月ごとに 1
回、連続 5 回硝子体内投与する。その後は、通常、2 ヵ月ごとに 1 回、
硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、1 ヵ
月以上あけること。
中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性(以下、AMD)、
効能又は効果
網膜中心静脈閉塞症(以下、CRVO)に伴う黄斑浮腫、
病的近視における脈絡膜新生血管(以下、PM における CNV)、
糖尿病黄斑浮腫(以下、DME)
承 認 条 件
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
再審査期間中
備
考
追加効能として PM における CNV を承認申請した際に提出した医薬品リ
スク管理計画書からの追記・変更箇所を下線で示した。
変更の履歴
前回提出日:
2014 年 10 月 6 日(PM における CNV の効能追加承認時に医薬品リスク管理計画書を提出)
変更内容の概要:
1. DME の効能・効果に関する承認事項一部変更承認申請に基づく内容を追加
2. 新規実施の製造販売後臨床試験に関する内容を追加
変更理由:
1. DME の効能・効果に関する承認事項一部変更承認申請のため
2. 新たに製造販売後臨床試験を実施するため
2
1.
医薬品リスク管理計画の概要
1.1
安全性検討事項
重要な特定されたリスク
眼内炎
重要な特定されたリスクとした理由:
国内外で実施された第Ⅲ相試験(AMD;VIEW1 試験及び VIEW2 試験、CRVO;COPERNICUS
試験及び GALILEO 試験、PM における CNV;MYRROR 試験、DME;VISTA-DME 試験、VIVIDDME 試験及び VIVID-Japan 試験)において、本剤の硝子体内投与に伴い重篤な眼内炎の
発現が認められている(7 例/2,987 例、0.2%)。また、国内製造販売後において、
2014 年 8 月 31 日までに重篤な眼内炎が 8 例(非感染性眼内炎を含む)集積された。な
お、2014 年 8 月 31 日までに販売されたバイアル数は 216,140 本で、本剤を投与された
推定患者数は約 57,500 人(AMD 患者:約 50,500 人、CRVO 患者:約 7,000 人)であっ
た。
眼内炎は、発現した場合、適切な診断及び処置が行われないと、永久的な視力の喪失に
つながるおそれがあり、眼障害の中でも特に注意が必要な事象であると考えられる。
医薬品安全性監視活動の内容及びその選択理由:
【内容】
・通常の医薬品安全性監視活動
・追加の医薬品安全性監視活動として、効能・効果の①AMD、②CRVO、③PM における
CNV 及び④DME においてそれぞれ以下の監視活動を実施する。
① AMD
1. 特定使用成績調査の実施
2. 製造販売後臨床試験の実施(PCV)
3. 製造販売後臨床試験の実施(wAMD)
② CRVO
特定使用成績調査の実施
③ PM における CNV
1. 市販直後調査の実施
2. 特定使用成績調査の実施
④ DME
1. 市販直後調査の実施
2. 特定使用成績調査の実施
【選択理由】
臨床試験では、眼内炎の発現頻度は低いことから、通常の医薬品安全性監視活動及び市
販直後調査により、網羅的な情報収集に努めることとする。また、本剤の使用実態下で
3
の発現状況を定期的に把握するとともに、必要に応じて発現の背景要因を検討する。
リスク最小化活動の内容及びその選択理由:
【内容】
・通常のリスク最小化活動として、添付文書の「禁忌」、「重要な基本的注意」、
「重大な副作用」及び「適用上の注意」の項、並びに患者向医薬品ガイドに記載し
て注意喚起する。
・追加のリスク最小化活動として、市販直後調査からの情報提供を実施する。
【選択理由】
臨床試験における眼内炎の発現に関する情報及び眼内炎の発現予防に関する情報を医療
関係者及び患者に対し確実に情報提供することにより、当該事象に対する適切な診断と
処置を啓発し、安全性の確保を図るため。
眼圧上昇
重要な特定されたリスクとした理由:
国内外で実施された第Ⅲ相試験(AMD;VIEW1 試験及び VIEW2 試験、CRVO;COPERNICUS
試験及び GALILEO 試験、PM における CNV;MYRROR 試験、DME;VISTA-DME 試験、VIVIDDME 試験及び VIVID-Japan 試験)において本剤の硝子体内投与に伴い眼圧上昇の発現が
認められている(133 例/2,987 例、4.5%)。また、国内製造販売後において、2014 年
8 月 31 日までに眼圧上昇が 9 例集積された。なお、2014 年 8 月 31 日までに販売された
バイアル数は 216,140 本で、本剤を投与された推定患者数は約 57,500 人(AMD 患者:約
50,500 人、CRVO 患者:約 7,000 人)であった。
本剤の硝子体内投与による硝子体内容量の増加に伴い一過性に眼圧が上昇する可能性が
考えられる。なお、第Ⅲ相試験では、持続的な眼圧上昇は認められなかった。
本剤の AMD 患者、CRVO 患者及び PM における CNV 患者を対象とした臨床試験において
は、コントロール不良(治療を行っても眼圧が 25mmHg 以上の場合または濾過手術の既
往)の緑内障を有する患者は、投与対象から除外されている。また、DME 患者に対する
臨床試験においても、治験対象眼の眼圧が 25mmHg 以上の患者及び治験対象眼に緑内障
治療のための濾過手術の既往を有する患者又は今後必要となることが予測できる患者
は、投与対象から除外されている。そのため、緑内障及び高眼圧症患者における使用経
験は少ないが、緑内障や高眼圧症の患者では、本剤の投与により一過性に眼圧上昇が助
長される可能性が考えられる。
医薬品安全性監視活動の内容及びその選択理由:
【内容】
・通常の医薬品安全性監視活動
・追加の医薬品安全性監視活動として、効能・効果の①AMD、②CRVO、③PM における
CNV 及び④DME においてそれぞれ以下の監視活動を実施する。
① AMD
4
1. 特定使用成績調査の実施
2. 製造販売後臨床試験の実施(PCV)
3. 製造販売後臨床試験の実施(wAMD)
② CRVO
特定使用成績調査の実施
③ PM における CNV
1. 市販直後調査の実施
2. 特定使用成績調査の実施
④ DME
1. 市販直後調査の実施
2. 特定使用成績調査の実施
【選択理由】
製造販売後における眼圧上昇の発現状況をより詳細に把握するための安全性監視活動と
して選択した。また、本剤の使用実態下での発現状況を定期的に把握するとともに、必
要に応じて発現の背景要因を検討する。なお、製造販売後には緑内障及び高眼圧症患者
での使用が想定されることから、製造販売後調査において緑内障及び高眼圧症患者での
副作用の発現状況も同時に把握する。
リスク最小化活動の内容及びその選択理由:
【内容】
・通常のリスク最小化活動として、添付文書の「重要な基本的注意」及び「重大な副
作用」の項、並びに患者向医薬品ガイドに記載して注意喚起する。
・追加のリスク最小化活動として、市販直後調査からの情報提供を実施する。
【選択理由】
臨床試験における眼圧上昇の発現に関する情報を医療関係者及び患者に対し確実に情報
提供することにより、医療関係者の緑内障及び高眼圧症患者への適正利用に関する理解
を促し、安全性の確保を図るため。
5
重要な潜在的リスク
外傷性白内障
重要な潜在的リスクとした理由:
国内外で実施された第Ⅲ相試験(AMD;VIEW1 試験及び VIEW2 試験、CRVO;COPERNICUS
試験及び GALILEO 試験、PM における CNV;MYRROR 試験、DME;VISTA-DME 試験、VIVIDDME 試験及び VIVID-Japan 試験)において、硝子体内投与手技に起因すると判断された
白内障(水晶体混濁も含む)の発現が認められている(22 例/2,987 例、0.7%)。
硝子体内投与手技により発現するおそれがあり、その処置として手術が必要となる可能
性があるため、重要な潜在的リスクであると考えられる。
なお、国内製造販売後において、2014 年 8 月 31 日までに白内障(水晶体混濁も含む)
は集積されていない。
医薬品安全性監視活動の内容及びその選択理由:
【内容】
・通常の医薬品安全性監視活動
・追加の医薬品安全性監視活動として、効能・効果の①AMD、②CRVO、③PM における
CNV 及び④DME においてそれぞれ以下を実施する。
① AMD
1. 特定使用成績調査の実施
2. 製造販売後臨床試験の実施(PCV)
3. 製造販売後臨床試験の実施(wAMD)
② CRVO
特定使用成績調査の実施
③ PM における CNV
1. 市販直後調査の実施
2. 特定使用成績調査の実施
④ DME
1. 市販直後調査の実施
2. 特定使用成績調査の実施
【選択理由】
製造販売後における外傷性白内障の発現状況をより詳細に把握するための安全性監視活
動として選択した。
リスク最小化活動の内容及びその選択理由:
【内容】
・通常のリスク最小化活動として、添付文書の「重要な基本的注意」及び「重大な副
6
作用」の項、並びに患者向医薬品ガイドに記載して注意喚起する。
・追加のリスク最小化活動として、市販直後調査からの情報提供を実施する。
【選択理由】
臨床試験における外傷性白内障の発現に関する情報を医療関係者及び患者に対し確実に
情報提供することにより、当該事象に対する適切な診断と処置を啓発し、安全性の確保
を図るため。
動脈血栓塞栓事象
重要な潜在的リスクとした理由:
本剤は血管内皮増殖因子(VEGF)阻害作用を有しているが、VEGF 阻害薬の全身投与(硝
子体内投与より高用量)は、VEGF 阻害に起因する一酸化窒素やプロスタサイクリンの低
下やエリスロポエチン産生増加による動脈血栓塞栓事象の発現リスクを高める可能性が
あることが報告されている。
硝子体内投与される本剤の全身循環血中量は非常にわずかであるが、国内外で実施され
た第Ⅲ相試験(AMD;VIEW1 試験及び VIEW2 試験の併合解析、CRVO;COPERNICUS 試験及
び GALILEO 試験の併合解析、PM における CNV;MYRROR 試験、DME;VISTA-DME 試験、
VIVID-DME 試験及び VIVID-Japan 試験)において、心筋梗塞、脳卒中、血管死等の動脈
血栓塞栓事象が有害事象として認められていることから(AMD;60 例/1,824 例、3.3%、
CRVO;2 例/317 例、0.6%、PM における CNV;1 例/116 例、0.9%、DME;21 例/730
例、2.9%)、重要な潜在的リスクであると考えられる。なお、第Ⅲ相試験における動脈
血栓塞栓事象の発現頻度は、本剤投与群と対照群で同程度であった。
また、国内の製造販売後において、2014 年 8 月 31 日までに動脈血栓塞栓事象として、
脳卒中 39 例(AMD 患者:37 例、CRVO 患者:2 例)、心筋梗塞 9 例(AMD 患者:7 例、
CRVO 患者:2 例)が集積された。なお、2014 年 8 月 31 日までに販売されたバイアル数
は 216,140 本で、本剤を投与された推定患者数は約 57,500 人(AMD 患者:約 50,500
人、CRVO 患者:約 7,000 人)であった。
医薬品安全性監視活動の内容及びその選択理由:
【内容】
・通常の医薬品安全性監視活動
・追加の医薬品安全性監視活動として、効能・効果の①AMD、②CRVO、③PM における
CNV 及び④DME においてそれぞれ以下を実施する。
① AMD
1. 特定使用成績調査の実施
2. 製造販売後臨床試験(PCV)
3. 製造販売後臨床試験の実施(wAMD)
② CRVO
特定使用成績調査の実施
③ PM における CNV
7
1. 市販直後調査の実施
2. 特定使用成績調査の実施
④ DME
1. 市販直後調査の実施
2. 特定使用成績調査の実施
【選択理由】
本剤による全身性の動脈血栓塞栓事象が発現する可能性は低いと考えられるが、通常の
医薬品安全性監視活動及び市販直後調査により、網羅的な情報収集に努めることとす
る。また、製造販売後調査により情報収集に努め、製造販売後における動脈血栓塞栓事
象の発現状況について詳細に把握する。
リスク最小化活動の内容及びその選択理由:
【内容】
・通常のリスク最小化活動として、添付文書の「慎重投与」、「重大な副作用」及び
「その他の注意」の項、並びに患者向医薬品ガイドに記載して注意喚起する。
・追加のリスク最小化活動として、市販直後調査からの情報提供を実施する。
【選択理由】
臨床試験における心筋梗塞、脳卒中、血管死等の動脈血栓塞栓事象の発現に関する情報
を医療関係者及び患者に対し確実に情報提供することにより、本剤投与による動脈血栓
塞栓事象の発現リスクの可能性について医療関係者に注意を促し、安全性の確保を図る
ため。
胚・胎児毒性
重要な潜在的リスクとした理由:
本剤の臨床試験においては、妊婦又は妊娠している可能性のある女性は投与対象から除
外されているため、妊婦に対する使用経験はない。また、2014 年 8 月 31 日までに国内
の製造販売後においても妊婦への投与は報告されていない。
しかしながら、ウサギの胚・胎児毒性試験(3~60mg/kg を器官形成期に静脈内投与)に
おいて、母動物の体重減少、流産、着床後胚死亡及び胎児奇形(外表、内臓及び骨格奇
形)の増加が報告されている。また、別のウサギ胚・胎児毒性試験(0.1~1mg/kg を妊
娠 1 日~器官形成期に皮下投与)において、胎児奇形(外表、内臓及び骨格奇形)の増
加が報告されている。さらに、妊娠ウサギにおいて、羊水中に遊離型アフリベルセプト
が検出され、本剤の胎盤通過性が認められた。
硝子体内投与により本剤は循環血中へ移行し、全身毒性が発現する可能性は否定できな
いため、重要な潜在的リスクであると考えられる。
医薬品安全性監視活動の内容及びその選択理由:
【内容】
・通常の医薬品安全性監視活動
・追加の医薬品安全性監視活動として、妊婦に投与された症例について、妊娠追跡調
8
査票を用いて妊婦への投与状況から妊娠転帰まで情報収集を実施する。
【選択理由】
「使用上の注意」において、「妊婦又は妊娠している可能性のある女性」を禁忌として
いるため、製造販売後に妊婦への投与が行われていないことを確認するとともに、もし
も妊婦への投与症例が認められた場合には当該患者の妊娠転帰を把握する。
リスク最小化活動の内容及びその選択理由:
【内容】
・通常のリスク最小化活動として、添付文書の「禁忌」及び「妊婦、産婦、授乳婦等
への投与」の項、並びに患者向医薬品ガイドに記載して注意喚起する。
【選択理由】
非臨床試験結果より得られた胚・胎児毒性に関する情報を医療関係者に対し確実に情報
提供することにより、本剤の適正使用に関する理解を促し、安全性の確保を図るため。
9
重要な不足情報
CRVO 治療における汎網膜光凝固術(PRP)との併用
重要な不足情報とした理由:
虚血型 CRVO の治療において、海外では虹彩新生血管あるいは隅角新生血管が発症した
時点で PRP を施行することが推奨されている 1)のに対し、国内においては虚血型 CRVO
と診断された段階で予防的に PRP を施行することが推奨されている 2)3)4)。したがっ
て、PRP と本剤が併用される可能性が考えられる。
国内外で実施された第Ⅲ相試験(CRVO;COPERNICUS 試験及び GALILEO 試験)において
は、治療対象眼に PRP 施行歴のある患者は除外されている。試験期間中の PRP 施行は、
眼内新生血管へ進行した場合又は臨床的判断及び各地域のガイドラインに従って治験担
当医師の判断で実施可能と規定されたが、本剤投与群での PRP 施行例は、GALILEO 試験
における 2 例であった。
医薬品安全性監視活動の内容及びその選択理由:
【内容】
・通常の医薬品安全性監視活動
・追加の医薬品安全性監視活動として、CRVO において以下の監視活動を実施する。
特定使用成績調査の実施
【選択理由】
製造販売後には CRVO 治療において本剤と PRP が併用される症例が存在すると想定され
ることから、製造販売後調査における PRP 併用症例での副作用の発現状況を把握する。
リスク最小化活動の内容及びその選択理由:
【内容】
なし
【選択理由】
医療関係者の本剤と PRP 併用における適正使用に関する理解を促すためのリスク最小化
活動として市販直後調査を実施し、情報提供を行った。現時点では、注意喚起すべき特
記事項はなく、新たに PRP 併用例での情報が得られた時点で検討を行う。
DME 患者における汎網膜光凝固術(PRP)との併用
重要な不足情報とした理由:
PRP は、増殖網膜症に対して、新生血管の予防、退縮や活動性の低下を目的として施行
される。欧米では、ETDRS(early treatment of diabetic retinopathy study)分類で
網膜内細小血管異常などが認められる重症非増殖網膜症以上に進行した病態に対して、
病態の進行を抑制する目的で実施することが推奨されている 5)。国内においては、蛍光
眼底造影を行い、広範囲に渡り無灌流領域が認められた場合には、PRP が実施される
6)
。DME は軽症の非増殖網膜症から増殖網膜症までの糖尿病網膜症の全ての病期におい
て合併する可能性がある 7)ため、DME に対する抗 VEGF 薬治療が継続的に行われる場合
に、原疾患の糖尿病網膜症の進行予防のために PRP が実施される可能性が考えられる。
10
国内外で実施された第Ⅲ相試験(DME;VISTA-DME 試験、VIVID-DME 試験及び VIVIDJapan 試験)においては、治療対象眼に PRP 施行歴のある患者及び治験対象眼に活動性
の増殖糖尿病網膜症を有する患者は除外されている。試験期間中の本剤投与群における
治験対象眼への PRP 施行例は、VISTA-DME 試験における 2 例、VIVID 試験における 3 例
であった。
医薬品安全性監視活動の内容及びその選択理由:
【内容】
・通常の医薬品安全性監視活動
・追加の医薬品安全性監視活動として、DME において以下の監視活動を実施する。
特定使用成績調査の実施
【選択理由】
製造販売後には DME の治療対象となる患者において、本剤と PRP が併用される症例が存
在すると想定されることから、製造販売後調査における PRP 併用症例での副作用の発現
状況を把握する。
リスク最小化活動の内容及びその選択理由:
【内容】
・リスク最小化活動として、市販直後調査からの情報提供を行う。
【選択理由】
医療関係者の本剤と PRP 併用における適正使用に関する理解を促し、安全性の確保を図
るため。
1) A Randomized Clinical Trial of Early Panretinal Photocoagulation for Ischemic Central Vein Occlusion. The
Central Vein Occlusion Study Group N Report, 1995: 102: 1434-44
2) 日下陽子ら, 眼記, 1999: 50: 353-7
3) 辻川明孝, 眼科,2011: 53: 2011:1091-7
4) 瓶井資弘, あたらしい眼科(臨増), 2012: 29: 176-183
5) Early Photocoagulation for Diabetic Retinopathy. Early Treatment Diabetic Retinopathy Study Research Group,
Ophthalmology 1991:98(5 Suppl):766-85
6) 平成 6 年度糖尿病調査研究報告書 1995.P.346-349 厚生省
7) Diabetic Macular Edema. Bandello F et al., Dev Ophthalmology 2010:47:73-110
11
1.2
有効性に関する検討事項
AMD の使用実態下における有効性
有効性に関する検討事項とした理由:
中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性(AMD)患者に対して、本剤は長期に使用
されることが想定される薬剤であり、使用実態下において長期投与時の有効性を検討す
ることは重要であると考えられる。
有効性に関する調査・試験の名称:
特定使用成績調査(AMD)-中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性調査・試験の目的、内容及び手法の概要並びに選択理由:
AMD 患者を対象として、中央登録方式による症例登録を行い、3 年間の長期投与時の安
全性を検討するとともに、有効性に関する情報も収集・検討する。必要に応じ、患者背
景による層別解析を実施する。
CRVO の使用実態下における有効性
有効性に関する検討事項とした理由:
網膜中心静脈閉塞症(CRVO)に伴う黄斑浮腫を有する患者に対して、本剤は長期に使用
されることが想定される薬剤であり、使用実態下において長期投与時の有効性を検討す
ることは重要であると考えられる。
有効性に関する調査・試験の名称:
特定使用成績調査(CRVO)-網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫調査・試験の目的、内容及び手法の概要並びに選択理由:
CRVO に伴う黄斑浮腫を有する患者を対象として、中央登録方式による症例登録を行い、
本剤 2 年間投与時の安全性を検討するとともに、有効性に関する情報も収集・検討す
る。必要に応じ、患者背景による層別解析を実施する。
PM における CNV の使用実態下における有効性
有効性に関する検討事項とした理由:
病的近視における脈絡膜新生血管(PM における CNV)を有する患者に対して、使用実態
下においての有効性を検討することは重要であると考えられる。
有効性に関する調査・試験の名称:
特定使用成績調査(PM における CNV)-病的近視における脈絡膜新生血管調査・試験の目的、内容及び手法の概要並びに選択理由:
PM における CNV を有する患者を対象として、中央登録方式による症例登録を行い、本剤
投与開始後 1 年間の安全性を検討するとともに、有効性に関する情報も収集・検討す
る。必要に応じ、患者背景による層別解析を実施する。
12
DME の使用実態下における有効性
有効性に関する検討事項とした理由:
糖尿病黄斑浮腫(DME)を有する患者に対して、本剤は長期に使用されることが想定さ
れる薬剤であり、使用実態下においての有効性を検討することは重要であると考えられ
る。
有効性に関する調査・試験の名称:
特定使用成績調査(DME)-糖尿病黄斑浮腫調査・試験の目的、内容及び手法の概要並びに選択理由:
DME を有する患者を対象として、中央登録方式による症例登録を行い、本剤投与開始後
2 年間の安全性を検討するとともに、有効性に関する情報も収集・検討する。必要に応
じ、患者背景による層別解析を実施する。
13
2.
医薬品安全性監視計画の概要
通常の医薬品安全性監視活動
通常の医薬品安全性監視活動の概要:
自発報告、文献・学会情報、臨床試験、及び製造販売後調査より報告される有害事象及び外国措
置報告等の収集・確認・評価・分析結果に基づく安全対策の検討を行い、必要に応じて安全確保
措置を講じる。
追加の医薬品安全性監視活動
市販直後調査(PM における CNV)
実施期間:2014 年 9 月 19 日から 6 ヵ月間
評価の予定時期:2015 年 3 月
報告の予定時期:2015 年 5 月
市販直後調査(DME)
実施期間:2014 年 11 月 18 日から 6 ヵ月間
評価の予定時期:2015 年 5 月
報告の予定時期:2015 年 7 月
特定使用成績調査(AMD)-中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性【安全性検討事項】
眼内炎、眼圧上昇、外傷性白内障、動脈血栓塞栓事象
【目的】
本剤の製造販売後において、薬事法第 14 条の 4(再審査)の規定、「医薬品の製造販
売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令(平成 16 年 12 月 20 日付厚生労働省
告示第 171 号)」及び「医療用医薬品の製造販売後調査等の実施方法に関するガイド
ラインについて(平成 17 年 10 月 27 日付薬食審査発第 1027001 号)」等に基づいて
以下の事項を確認する。
(1)未知の副作用等
(2)医薬品の使用実態下における副作用の発現状況の把握
・3 年間の長期観察下での安全性、有効性 について調査する。
・初回投与後 6 ヵ月間に発生する有害事象(硝子体内投与手技に関連した有害事象
を含めた眼局所(眼内炎等)の有害事象)について調査する。
(3)安全性または有効性等に影響を与えると考えられる要因
【実施計画】
調査対象:本剤の使用経験のない中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性
(AMD)の患者
14
調査予定症例数:4,000 例
調査方法:EDC(Electronic Data Capture)を用いた中央登録方式
調査実施予定期間:2012 年 12 月から 6 年間
登録予定期間:2012 年 12 月から 2 年 6 ヵ月間
【設定根拠】
本剤の重要な特定されたリスクとして眼内炎(発現率:0.3%)が、また、潜在的なリ
スクとして動脈血栓塞栓関連事象(発現率:3.3%)が挙げられる。これらの中で、治
験時に確認された発現頻度の最も低い事象が、虚血性脳卒中、ラクナ梗塞、一過性脳
虚血発作、心筋梗塞等(各事象の発現率:0.05%)が報告されている。発現頻度の低
い動脈血栓塞栓関連の事象を 85%以上の検出率で、少なくとも 1 件確認するために必
要な症例数は約 3,800 例と算出される。さらに医師の協力が得られず、調査票データ
が入手できない場合等を考慮し、調査予定症例数を 4,000 例と設定した。
製造販売後臨床試験(PCV)-ポリープ状脈絡膜血管症【安全性検討事項】
眼内炎、眼圧上昇、外傷性白内障、動脈血栓塞栓事象
【目的】
AMD の一病態である PCV と診断された患者を対象として、アフリベルセプト単独療法
とアフリベルセプト+PDT の有効性及び安全性を検討する。
【試験実施計画】
試験実施予定期間:4 年 6 ヵ月間
登録予定期間:2 年間
試験対象:試験対象眼の症候性黄斑部 PCV の診断がインドシアニングリーン蛍光眼底
造影(ICGA)により確認された患者
予定症例数:310 例(内、日本人 200 例)
試験方法:多施設共同、二重遮蔽、無作為化対照試験
観察期間:
-スクリーニング期
-導入期(0~8 週目)
-無作為割付(12 週目)
-治療継続期〔12~52 週目及び 52~96 週目(Treat and Extend 法による
治療期間)〕
-治療の終了(96 週目)
-安全性評価のための来院(必要な場合、最終治療日から 4 週間後)
【設定根拠】
被験者数の設定においては、以下を仮定した。1.ベースラインから 52 週目までの
BCVA の平均変化量の標準偏差は 12.5 である、2.非劣性の限界値は 5 文字である、
15
3.ベースラインから 52 週目までの 2 つの投与群(アフリベルセプト+PDT[補助、追
加的に実施する治療法であり、適応を有する場合のみ実施する]療法群とアフリベル
セプト単独療法群)の差は BCVA の平均変化量で 0.25 文字である、4.検出力 90%、
5.片側有意水準 2.5%。この仮定で被験者数を見積もったところ、各投与群につき評
価可能例数として 147 例という被験者数が得られた(PASS 11、[Power Analysis and
Sample Size Software 11] 2 群の平均値の非劣性)。中止・脱落率を 5%と予測し、
計 310 例を無作為割付することとする(各投与群につき 155 例)。155 例からなる各
投与群内で約 50 例が救済治療の適応となると予測される。
【節目となる予定の時期及びその根拠】
・全ての被験者の主要評価来院(52 週目)終了時および治療終了時の来院(96 週
目)のデータが利用可能となり、かつ固定した時点で解析を行う。
・安全性定期報告時。安全性情報について包括的な検討を行う。
製造販売後臨床試験(wAMD)-可変投与間隔による反復投与 【安全性検討事項】
眼内炎、眼圧上昇、外傷性白内障、動脈血栓塞栓事象
【目的】


2 つの異なる Treat and Extend 法にて硝子体内投与したアフリベルセプトの、滲出
型加齢黄斑変性(wAMD)を有する日本人患者に対する有効性を評価する。
wAMD を有する日本人患者における、2 年間にわたるアフリベルセプト硝子体内投与
の安全性を評価する。
【試験実施計画】
試験実施予定期間:3 年
登録予定期間:1 年
試験対象:試験対象眼に wAMD による中心窩下脈絡膜新生血管(フルオレセイン蛍光
眼底造影(FA)において中心窩下への影響が明確な傍中心窩脈絡膜新生血管を含む)
を有し、試験対象眼の最高矯正視力が ETDRS による文字スコアで 73~24 文字(スネ
レン等価視力として約 20/40 ~ 20/320)の患者
予定症例数:割付例として 240 例(1:1 の割合で 2 群に無作為割付される)
試験方法:多施設共同、無作為化、オープンラベル試験
観察期間:
-スクリーニング期(-21 日~0 週)
-導入期(0~8 週目)
-無作為割付(16 週目)
-治療期(2 つの異なる Treat and Extend 法による治療期間))
-治療の終了(96 週目)
-安全性評価のための来院(必要な場合、最終治療日から 4 週間後)
【設定根拠】
16
本試験は 2 つの投与群に関する探索的な試験であり、主として 2 つの投与群を比較する
ために計画したものではない。そのため、この例数は仮説検定を目的として決定された
ものではない。
本試験は非劣性を示すことを意図したものではないが、有効性の主要変数である 52 週
目における ETDRS チャートを用いた BCVA のベースラインからの変化について、標準偏
差を 12.5 文字、投与群間の非劣性を示すための非劣性マージンを 5 文字、両側有意水
準 0.05 とした場合、各投与群 120 例で検出力は 86%となる。
【節目となる予定の時期及びその根拠】
・全ての被験者の主要評価来院(52 週目)終了時および治療終了時の来院(96 週
目)のデータが利用可能となり、かつ固定した時点で解析を行う。
・安全性定期報告時。安全性情報について包括的な検討を行う。
特定使用成績調査(CRVO)-網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫【安全性検討事項】
眼内炎、眼圧上昇、外傷性白内障、動脈血栓塞栓事象、汎網膜光凝固術との併用
【目的】
網膜中心静脈閉塞症(CRVO)に伴う黄斑浮腫を有する患者を対象として、使用実態下
において、安全性に関する情報を収集・評価する。また、有効性に関する情報も収
集・評価する。
・副作用等(投与手技に起因する有害事象を含む)
・視力及び中心窩網膜厚に対する有効性
・安全性・有効性に影響を与えると考えられる要因
【実施計画】
調査実施予定期間:4 年 6 ヵ月間
登録予定期間:2 年間
調査対象:本剤の使用経験のない網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫を有する患者
調査予定症例数:300 例
調査方法:EDC システムを用いた中央登録方式。観察期間は 2 年間。
【設定根拠】
AMD、及び CRVO に伴う黄斑浮腫に対する臨床試験において副作用の発現状況に臨床的
な差はなく、安全性プロファイルに違いはないものと考えられることから、先行する
本剤の特定使用成績調査(AMD)と同じ規模の調査は不要であるが、国際共同治験の
GALILEO 試験での日本人被験者数は少ないため、日本人における副作用の発現傾向を
確認することは重要である。よって、CRVO に伴う黄斑浮腫を有する患者における動脈
血栓塞栓事象を含めた 1%以上の発現頻度の主な副作用を 95%の検出率で少なくとも 1
件検出するために、調査例数を 300 例と設定した。
【節目となる予定の時期及びその根拠】
・300 例の 6 ヵ月間のデータ固定が終わった段階で中間解析を実施し、報告書を作成
17
する。また、300 例(調査対象症例数)のデータ固定が終わった段階で最終報告書
を作成・提出する。
・安全性定期報告時。安全性情報について包括的な検討を行う。
特定使用成績調査(PM における CNV)-病的近視における脈絡膜新生血管【安全性検討事項】
眼内炎、眼圧上昇、外傷性白内障、動脈血栓塞栓事象
【目的】
病的近視における脈絡膜新生血管(PM における CNV)を有する患者を対象として、使
用実態下において、安全性に関する情報を収集・評価する。また、有効性に関する情
報も収集・評価する。
・副作用等(投与手技に起因する有害事象を含む)
・視力及び中心窩網膜厚に対する有効性
・安全性・有効性に影響を与えると考えられる要因
【実施計画】
調査実施予定期間:3 年 6 ヵ月間
登録予定期間:2 年間
調査対象:本剤の使用経験のない病的近視における脈絡膜新生血管を有する患者
調査予定症例数:300 例
調査方法:EDC システムを用いた中央登録方式。観察期間は 1 年間。
【設定根拠】
AMD、CRVO に伴う黄斑浮腫、及び PM における CNV に対する臨床試験において副作用の
発現状況に臨床的な差はなく、安全性プロファイルに違いはないものと考えられるこ
とから、先行する本剤の特定使用成績調査(AMD)と同じ規模の調査は不要と考えら
れる。しかしながら、国際共同治験の MYRROR 試験での日本人の割合は多かったもの
の、試験自体の被験者数は少ないため、使用実態下の日本人における副作用の発現傾
向を確認することは重要である。よって、PM における CNV を有する患者における動脈
血栓事象を含めた 1%の発現頻度の主な副作用を 95%の検出率で少なくとも 1 件検出
するために、調査例数を 300 例と設定した。
【節目となる予定の時期及びその根拠】
・300 例の 6 ヵ月間のデータ固定が終わった段階で中間解析を実施し、報告書を作成
する。また、300 例(調査対象症例数)のデータ固定が終わった段階で最終報告書
を作成・提出する。
・安全性定期報告時。安全性情報について包括的な検討を行う。
18
特定使用成績調査(DME)-糖尿病黄斑浮腫【安全性検討事項】
眼内炎、眼圧上昇、外傷性白内障、動脈血栓塞栓事象、汎網膜光凝固術(PRP)との
併用
【目的】
糖尿病黄斑浮腫(DME)を有する患者を対象として、使用実態下において、安全性に
関する情報を収集・評価する。また、有効性に関する情報も収集・評価する。
・副作用等(投与手技に起因する有害事象を含む)
・視力及び中心窩網膜厚に対する有効性
・安全性・有効性に影響を与えると考えられる要因
【実施計画案】
調査実施予定期間:4 年 6 ヵ月間
登録予定期間:2 年間
調査対象:本剤の使用経験のない糖尿病黄斑浮腫を有する患者
調査予定症例数:600 例
調査方法:EDC システムを用いた中央登録方式。観察期間は 2 年間。
【設定根拠】
DME を有する患者において動脈血栓塞栓事象等の主たる 1%の頻度で発現する事象
を、95%の検出率で少なくとも 1 件検出するために必要な症例数は 300 例となる。さ
らに、DME 患者の 50%程度は本剤以外のレーザーやステロイド等の治療も併用される
ことが予測されることを考慮して、本剤単独治療における上記事象を検出するため
に、調査例数を 600 例と設定した。
【節目となる予定の時期及びその根拠】
・600 例の 6 ヵ月間のデータ固定が終わった段階で中間解析を実施し、報告書を作成
する。また、600 例(調査対象症例数)のデータ固定が終わった段階で最終報告書
を作成・提出する。
・安全性定期報告時。安全性情報について包括的な検討を行う。
19
3.
有効性に関する調査・試験の計画の概要
特定使用成績調査(AMD)-中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性「2.医薬品安全性監視計画の概要」の項の特定使用成績調査(AMD)を参照
特定使用成績調査(AMD_QOL)-中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性【目的】
QOL に対する本剤の有効性を評価する。QOL は NEI VFQ-25 の日本語版(v.1.4 - 面接
用)によって評価し、ベースラインと本剤投与開始 6 及び 12 ヵ月後を比較する。
【実施計画】
調査対象:長期使用に関する特定使用成績調査に登録される患者で、本剤を含めた抗
VEGF 薬の治療経験のない中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性の患者
調査予定症例数:705 例
調査方法:長期使用に関する特定使用成績調査と同じ EDC システムを用いた中央登録
方式。観察期間は 1 年間。
調査実施予定期間:2012 年 12 月から 4 年
登録予定期間:2012 年 12 月から 2 年 6 ヵ月間
【設定根拠】
調査予定症例数は、本剤による治療前後において、NEI VFQ-25 の下位尺度の比較評価
に十分な症例数として 705 例とした。本剤による治療開始から 12 ヵ月後の調査継続
率を 85%と想定すると、本剤による治療前後で比較可能な症例数は 600 例になる。あ
る下位尺度の治療前後のスコア差を 4.0 とし、標準偏差を 25 とした場合、対応のあ
る t 検定により有意水準 5%(両側)で、スコア差の検出が可能である(検出力
95%)。
製造販売後臨床試験(PCV)‐ポリープ状脈絡膜血管症「2.医薬品安全性監視計画の概要」の項の製造販売後臨床試験(PCV)を参照
製造販売後臨床試験(wAMD)-可変投与間隔による反復投与 「2.医薬品安全性監視計画の概要」の項の製造販売後臨床試験(wAMD)を参照
特定使用成績調査(CRVO)-網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫「2.医薬品安全性監視計画の概要」の項の特定使用成績調査(CRVO)を参照
特定使用成績調査(PM における CNV)-病的近視における脈絡膜新生血管「2.医薬品安全性監視計画の概要」の項の特定使用成績調査(PM における CNV)を参照
特定使用成績調査(DME)-糖尿病黄斑浮腫-
20
「2.医薬品安全性監視計画の概要」の項の特定使用成績調査(DME)を参照
21
4.
リスク最小化計画の概要
通常のリスク最小化活動
通常のリスク最小化活動の概要:
添付文書及び患者向医薬品ガイドによる情報提供と注意喚起
追加のリスク最小化活動
市販直後調査
市販直後調査による情報収集と情報提供
医療関係者向け資材の作成と提供
【資材の内容】
PM における CNV の臨床試験の概要を示す資材【目的】
現時点で PM おける CNV に関する統一された診断基準等はなく、疾患活動性の所見につ
いても統一された基準はない。しかしながら、本剤の不必要な投与は可能な限り避ける
ことが重要であるため、適正使用推進の観点より、PM における CNV の診断方法や本剤投
与の必要性を判断するための疾患活動性の評価方法及び視力の測定時期等の参考とし
て、臨床試験で用いられた対象の選択基準、投与方法及び疾患活動性に基づく再投与基
準について周知するために、情報提供を行う。
【具体的な方法】
PM における CNV の適応追加承認後に MR が資材の提供及び説明を行なう。
【節目となる予定の時期、実施した結果に基づき採択される可能性がある更なる措置】
安全性定期報告の各報告時期において、使用実態下における対象疾患の診断方法を確認
する。また、専門眼科医からの助言を得る機会や主要な眼科学会と連携を図る機会を通
じて、今後新たに PM における CNV の標準的な診断基準が確立され、リスク最小化策の
更なる強化が必要と判断される場合には、リスク管理計画を改訂するとともに、本剤を
使用する際に必要となる情報について、関連資材の改訂、実施方法の変更、追加の資材
作成等を検討する。
報告の予定時期:安全性定期報告書提出時
22
5.
5.1
医薬品安全性監視計画、有効性に関する調査・試験の計画及びリスク最小化計画の一
覧
医薬品安全性監視計画の一覧
通常の医薬品安全性監視活動
自発報告、文献・学会情報、臨床試験及び製造販売後調査より報告される有害事象症例及び外国措
置報告等の収集・確認・評価・分析に基づく安全対策の検討及び実行
追加の医薬品安全性監視活動
追加の医薬品安全性
監視活動の名称
節目となる症例数/
目標症例数
節目となる予定
の時期
実施状況
報告書の
作成予定日
市販直後調査(PM にお
ける CNV)
該当せず
2015 年 3 月
実施中
2015 年 5 月
市販直後調査(DME)
該当せず
2015 年 5 月
実施中
2015 年 7 月
特定使用成績調査
(AMD)
2,000 例/4,000 例
安全性定期報告
時
実施中
安全性定期報告
時
製造販売後臨床試験
(PCV)
製造販売後臨床試験
(wAMD)
特定使用成績調査
(CRVO)
310 例
240 例
300 例
2000 例の 6 ヵ
月間の情報集積
時(2015 年予
定)
2000 例の 6 ヵ
月間の情報集積
時(2015 年予
定)
調査終了時(全
症例固定後)
調査終了時(全
症例固定後)
安全性定期報告
時
実施中
安全性定期報告
時
主要評価来院
(52 週目)終
了時
主要評価来院
(52 週目)終
了時
試験終了時
試験終了時
安全性定期報告
時
2014 年 12 月よ
り実施予定
安全性定期報告
時
主要評価来院
(52 週目)終
了時
主要評価来院
(52 週目)終
了時
試験終了時
試験終了時
安全性定期報告
時
300 例の 6 ヵ月
時の情報集積時
23
実施中
安全性定期報告
時
300 例の 6 ヵ月
時の情報集積時
調査終了時(全
症例固定後)
特定使用成績調査(PM
における CNV)
特定使用成績調査
(DME)
5.2
300 例
安全性定期報告
時
600 例
調査終了時(全
症例固定後)
実施中
安全性定期報告
時
300 例の 6 ヵ月
時の情報集積時
300 例の 6 ヵ月
時の情報集積時
調査終了時(全
症例固定後)
調査終了時(全
症例固定後)
安全性定期報告
時
実施中
安全性定期報告
時
600 例の 6 ヵ月
間の情報集積時
600 例の 6 ヵ月
間の情報集積時
調査終了時(全
症例固定後)
調査終了時(全
症例固定後)
有効性に関する調査・試験の計画の一覧
有効性に関する調
査・試験の名称
特定使用成績調査
(AMD)
特定使用成績調査
(AMD_QOL)
製造販売後臨床試験
(PCV)
節目となる症例数/
目標症例数
2,000 例/4,000 例
705 例
310 例
節目となる予定
の時期
安全性定期報告
時
実施状況
実施中
報告書の
作成予定日
安全性定期報告
時
2000 例の 6 ヵ
月間の情報集積
時(2015 年予
定)
2000 例の 6 ヵ
月間の情報集積
時(2015 年予
定)
調査終了時(全
症例固定後)
調査終了時(全
症例固定後)
安全性定期報告
時
実施中
安全性定期報告
時
705 例の 6 ヵ月
時の情報集積時
(2016 年予
定)
705 例の 6 ヵ月
時の情報集積時
(2016 年予
定)
調査終了時(全
症例固定後)
調査終了時(全
症例固定後)
安全性定期報告
時
主要評価来院
(52 週目)終
24
実施中
安全性定期報告
時
主要評価来院
(52 週目)終
製造販売後臨床試験
(wAMD)
特定使用成績調査
(CRVO)
特定使用成績調査(PM
における CNV)
特定使用成績調査
(DME)
5.3
240 例
300 例
300 例
600 例
了時
了時
試験終了時
試験終了時
安全性定期報告
時
2014 年 12 月よ
り実施予定
安全性定期報告
時
主要評価来院
(52 週目)終
了時
主要評価来院
(52 週目)終
了時
試験終了時
試験終了時
安全性定期報告
時
実施中
安全性定期報告
時
300 例の 6 ヵ月
時の情報集積時
300 例の 6 ヵ月
時の情報集積時
調査終了時(全
症例固定後)
調査終了時(全
症例固定後)
安全性定期報告
時
実施中
安全性定期報告
時
300 例の 6 ヵ月
時の情報集積時
300 例の 6 ヵ月
時の情報集積時
調査終了時(全
症例固定後)
調査終了時(全
症例固定後)
安全性定期報告
時
実施中
安全性定期報告
時
600 例の 6 ヵ月
間の情報集積時
600 例の 6 ヵ月
間の情報集積時
調査終了時(全
症例固定後)
調査終了時(全
症例固定後)
リスク最小化計画の一覧
通常のリスク最小化活動
添付文書及び患者向医薬品ガイドの作成及びその改訂による注意喚起
追加のリスク最小化活動
追加のリスク最小化活動の名称
節目となる予定の時期
市販直後調査(PM における CNV)
実施期間:2014 年 9 月 19 日か
ら 6 ヵ月間
評価の予定時期:2015 年 3 月
25
実施状況
実施中
報告の予定時期:2015 年 5 月
市販直後調査(DME)
実施期間:2014 年 11 月 18 日
から 6 ヵ月間
実施中
評価の予定時期:2015 年 5 月
報告の予定時期:2015 年 7 月
医療関係者向け資材の作成と提供
安全性定期報告書提出時
再審査申請時
26
実施中