博物館資料収蔵庫エキヒューム S くん蒸作業仕様書 (作業目的

博物館資料収蔵庫エキヒューム S くん蒸作業仕様書
(作業目的)
1.亀山市歴史博物館の博物館資料収蔵庫内に生息する生物、カビをくん蒸することによ
り、殺虫、殺卵、殺菌処理を行う。
(実施期間)
2.平成27年3月19日~3月25日(7日間)
(実施範囲)
3.実施範囲及び使用薬剤、使用薬剤量は下記の通りとする。
室名
容積(㎥)
薬剤
投薬量(㎏)
博物館資料収蔵庫
713
エキヒューム S
143㎏以上
標準薬量は200g/㎥、1㎏以下4捨5入
(打合せ等)
4.受託者は委託業務の履行に先立って、担当者と綿密な打合せをすること。
(1) くん蒸処理は、あらかじめ作業工程表、作業員名簿、作業責任者の資格の写しと経
歴書、投薬方法、排気方法、安全管理計画の事項を記載した業務仕様書を処理開始
3日前までに作成して、委託者に提出し、その承認を受けること。
(2) くん蒸作業は、文化財虫菌害防除作業主任者及び労働安全衛生法の規定に定める特
定化学物質等作業主任者、毒物劇物取扱責任者の資格を持ち、10年以上のくん蒸
処理業務経験を有する作業責任者の指揮監督のもとに複数の作業員で行うこと。作
業責任者および作業員について、臨時雇用者は認めない。
(3) 作業員は、全てくん蒸処理の経験をもつ者とし、半数以上は5年以上のくん蒸処理
経験者であること。
(使用薬剤、空間ガス均一濃度)
5.使用する薬剤の搬入搬出にあたり、担当者は数量のチェックを行うものとする。使用
する薬剤は、酸化エチレン+HFC134a(商品名エキヒューム S)とし、標準薬量は2
00g/㎥以上とする。空間ガス濃度が「文化財の殺虫・殺菌処理標準仕様書」(以下
「仕様書」という)に定める有効な値を維持するよう、ガス濃度を測定して必要な追
加投薬を行うこと。
(くん蒸時間)
6.くん蒸処理の時間は、空間ガス濃度が「仕様書」に定める有効ガス濃度になった時か
ら起算して48時間とする。
(目張り作業)
7.エキヒューム S くん蒸について、下記の点に注意し目張り作業を行うこと。
ガスが、対象室外へ漏れないようにすべての開口部及び外気と流通する所を点検し目
張り資材で閉鎖すること。特に、空調、電気系統については、構造等を十分に調査し、
図面に目張り箇所を記し管理責任者に確認して目張り箇所の漏れの無いように目張り
作業を行うこと。また、ガス漏れが生じることのないように慎重に作業を行う。資材
はガス透過性のないものであり事前に委託者の承認を得たものを使用すること。目張
り資材は、壁面等を汚損する恐れのないものを使用すること。万一汚損した場合、受
託者の負担で原形に復すること。
(資料、設備についての保安措置)
8.くん蒸処理によって被害を受ける恐れのある資料、設備等がある場合は、事前に申し
出るとともに、十分な保護対策を講ずること。
(処理空間の相対湿度測定)
9.処理開始前に処理する空間の相対湿度を測定して記録すること。
(薬剤の注入)
10.作業に際しては、必ず保護具を使用すること。
(1)薬剤に応じた気化器を用いて完全に気化したガスを注入し、未気化の薬剤による資
料、設備の汚損を完全に防止すること。
(2)作業中はガス漏れの有無を測定し、ガス漏れがあった場合は、ただちに補修し、そ
の後、ガスの注入を続けること。
(3)急激な内圧上昇によるガス漏れを防ぐため、一時に多量の注入をせず分割して注入
すること。
(ガス均一化作業)
11.ガス注入後室内のガス濃度が速やかに均一化するように、防爆仕様のかくはん装置
を使用すること。
(ガス濃度測定)
12.室内ガス均一化の状況及び所定空間ガス均一濃度の経時的チェックのために以下の
ガス濃度測定の作業をする。
(1) 濃度測定用のガス採取場所は、部屋の平均値が求められるような場所を立会い者の
承認の上決定すること。
(2) 測定用パイプは、各採取場所につき上、中、下の3点以上設置し目張り前に配置し
たパイプを通して測定ガスを採取すること。
(3) ガス濃度測定は、室内のガス濃度が均一化するまでは随時、均一化した後は、2~3
時間毎に行い、その測定結果を記録すること。
(4) くん蒸中に急激なガス濃度の低下が起きた場合は、ガス漏れ箇所を検知し、確認後、
ただちに補修すること。
(補修後、ガス濃度の測定を行い、補充量を算出して薬剤を
追加投薬する)
(排気)
13.エキヒューム S くん蒸後の排気作業は下記の要領で行うこと。
(1) 薬剤に適応した吸着装置を使用するなどして残留ガスの排気に努め、室内の各所で
「仕様書」の定める許容濃度以下であることをガス検知器等で確認してから作業を
終了すること。
(2) 新鮮空気の屋内への導入は、防虫・防塵フィルターを通して行うこと。
(くん蒸効果の確認)
14.燻蒸効果の確認は、殺虫効果は文化財虫害研究所の殺虫効果判定用供試虫を使用し
て、また、殺卵・殺菌効果はガス濃度および実施時間の測定結果の報告により、行
うものとする。
(1) 供試虫は、くん蒸空間内の上・中・下の高さの位置に最低3カ所配置する。
(2) 作業後直ちに供試虫のくん蒸成果を確認し、供試虫が生存している場合は、残留ガ
ス濃度に従い薬剤を補充し、くん蒸時間をさらに延長して、供試虫100%致死ま
でくん蒸を継続すること
(3) 供試虫の100%致死をもって殺虫効果の達成を確認する。
(安全の確保)
15.くん蒸期間中、収蔵庫周辺に「くん蒸中立入禁止」等の警告表示を適切に行うこと。
(1) ガス注入時から、室内のすみずみまで残留ガス濃度が「仕様書」の定める許容濃度
以下になるまで、2名以上常駐させ、ガス濃度、漏洩等の測定、収蔵庫周辺の巡視
等を行い、第三者及び職員の安全を図ること。
(2) (1)に定めるもののほか、投薬中及びガス排気時には、第三者及び職員の安全を
確保するとともに不測の事態に備えること。予備保護具の用意及び緊急処置を担当
者と事前に打合せ実施すること。
(3) 立入禁止の表示の設置箇所、作業者、監視員の配置については、担当者と協議の上
決定するものとする。
(4) 火災、盗難に備えて保険に加入し、一部求償を行うこと。証書の添付。
(原状回復)
16.くん蒸処理作業の終了後は、収蔵庫の内外ともに、完全な原状の回復を行うこと。
(検査)
17.くん蒸処理作業終了後、収蔵庫の施設、設備、資料について、被害の有無、原状の
回復、残留ガスの有無について管理責任者の立入検査を受けること。
(くん蒸結果報告書の提出と業務の完了)
18.
(1)受託者は、くん蒸処理終了後、速やかに委託者にくん蒸結果報告書を提出すること。
くん蒸結果報告書は、作業日報、作業計画書、作業員名簿、くん蒸箇所見取図、ガス
濃度測定表、工事写真、ガス漏れ測定表、ガス排気付近環境測定表、作業打合せ表等
当該作業に係る記録等、くん蒸作業中に測定した全てのデータとする。
(2)この仕様書による業務の完了は、くん蒸結果報告書が提出され、効果が確認された
時点とする。
(その他)
19.エキヒューム S くん蒸期間中の警備等については責任を持って管理すること。
20.亀山市では、ISO14001の規格に基づく取組をしているので、アイドリング
ストップ等、環境対策については、十分に配慮すること。