米国における高病原性鳥インフルエンザ(H5N2)の発生について

平成 27 年2月6日
動 物 衛 生 課
【OIE 情報】米国における高病原性鳥インフルエンザ(H5N2)の発生について
米国における高病原性鳥インフルエンザ(H5N2)の発生について、OIEへ報告がありまし
たのでお知らせします。
【出典】
OIEウェブサイト:2015年2月3日付け
http://www.oie.int/wahis_2/public/wahid.php/Reviewreport/Review?reportid=17122
(OIE情報は更新・差替えが行われる場合がありますので、出典元も併せて御確認下さい。)
【概要】
・発生数:9件(続報4)
・発生日:2015年12月24日~1月30日
・OIEへの報告日:2015年2月4日
・血清型:H5N2(高病原性)
【発生状況】
① 1月21日:ワシントン州 オウカノガン郡の小規模裏庭飼育農場
【動物種】
【飼育羽数】
【症例数】
【死亡数】
鶏
70
40
40
② 1月25日:ワシントン州 オウカノガン郡の裏庭飼育農場
【動物種】
【飼育羽数】
【症例数】
【死亡数】
家きん※
4873
52
【淘汰数】
【と畜数】
【淘汰数】
【と畜数】
52
※狩猟用のキジ、マガモ、がちょう、ヤマウズラ、鶏
③ 12月24日:ワシントン州 ワットコム郡
動物種:マガモ(Mallard:Anas platyrhynchos(Anatidae))
④ 1月 16 日:ワシントン州 クラーク郡
動物種:オナガガモ(Northern Pintail:Anas acuta(Anatidae))
⑤ 1月 16 日:オレゴン州 コロンビア郡
動物種:マガモ(Mallard:Anas platyrhynchos(Anatidae))
⑥ 1月16日:アイダホ州 キャニオン郡
動物種:ハヤブサ(Peregrin falcon:Falco peregrinus(Falconidae))
1
⑦ 1月26日:ワシントン州 スカジット郡
動物種:アカオノスリ(Red-tailed hawk:Buteo jamaicensis(Accipitridae))
⑧ 1月26日:ワシントン州 ワットコム郡
動物種:クーパーハイタカ(Cooper's Hawk:Accipiter cooperii(Accipitridae))
⑨ 1月30日:ワシントン州 ワットコム郡
動物種:マガモ(Mallard:Anas platyrhynchos(Anatidae))
※③、④、⑤、⑨は狩猟された野鳥。⑥は捕獲された野鳥。⑦、⑧は野鳥のサーベイランス。
【感染源】
・野生動物との接触
【疫学情報】
・米国農務省動植物検疫局(USDA APHIS)は野鳥でのHPAI(H5N2亜型)検出に対応し、州農業
部及び野生動物部と協力し、包括的な疫学調査及び、狩猟された野鳥のサーベイランスを含
む強化サーベイランスを継続中
・全ての裏庭飼育農場は隔離され、強化サーベイランスが実施されている
・裏庭飼育群の周辺では2014年の間に新しいユーラシア起源の鳥インフルエンザウイルス(ク
レード2.3.4.4に分類されるユーラシア系統のH5N8株)が野鳥の移動経路に沿って急速に拡
散している
・太平洋沿岸の渡り鳥飛来経路にユーラシア系統のH5N8亜型ウイルスが侵入したことにより、
北米系統のウイルスと混在し、カナダや米国で検出されているH5N2亜型の遺伝子再集合ウイ
ルスのような、ユーラシア及び北米系統両方の遺伝子を持つ新しい組み合わせのウイルス
(または遺伝子再集合ウイルス)が生まれた
・ユーラシア系統のH5N8亜型ウイルスが循環し続けることは予想外のことではない
・クレード2.3.4.4に分類されるユーラシア系統のH5亜型ウイルスは家きんに対し高い病原性
を示す
・遺伝子再集合したユーラシア・北米系統のH5N2亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルスに
よる米国の商用家きんでの発生はない
【対応】
・淘汰
・隔離
・国内における移動制限
・ゾーニング
・施設等の消毒実施
・ワクチン接種禁止
・患畜を治療対象としない
【診断】
・診断施設:国立獣医研究所
・診断法:RRT-PCR:陽性(2015年1月26日~2月3日)
遺伝子配列確認:陽性(2015年1月26日~2015年2月3日)
2
【参考:北米における高病原性鳥インフルエンザの発生状況地図(2014年11月以降)】
米国 ワシントン州
・H5N1
2014年12月29日 野鳥(アメリカコガモ)、1件
・H5N2
2014年12月24日~2015年1月25日 家きん、5件
2014年12月10日 野鳥(オナガガモ)、1件
2014年12月24日 野鳥(マガモ)、1件
2015年1月16日 野鳥(オナガガモ)、1件
2015年1月26日 野鳥(クーパーハイタカ)、1件
2015年1月26日 野鳥(アカオノスリ)、1件
2015年1月30日 野鳥(マガモ)、1件
・H5N8
2014年12月10日 野鳥(シロハヤブサ)、1件
2014年12月24日 野鳥(アメリカヒドリ)、1件
米国 オレゴン州
カナダ ブリティッシュ・コロンビア州
ブリティッシュ・
コロンビア
米国 カリフォルニア州
・H5N8
2015年1月19日 家きん、1件
2015年1月1日 野鳥(オカヨシガモ)、1件
2015年1月9日 野鳥(アメリカコガモ)、1件
2015年1月23日 野鳥(アメリカヒドリ)、1件
:家きんの高病原性発生地域
:家きんの低病原性発生地域
:家きんの高病原性発生地点
:野鳥の高病原性検出地点
米国 アイダホ州
・H5N2
2015年1月7日 家きん、1件
2015年1月16日 野鳥(ハヤブサ)、1件
ワシントン
・H5N8
2015年1月14日 野鳥(マガモ)、1件
2015年1月29日 野鳥(シロハヤブサ),1件
ニュージャージー
オレゴン
・H5N2
2015年1月12日 野鳥(マガモ)、1件
2015年1月16日 野鳥(マガモ)、1件
・H5N8
2014年12月16日 家きん、1件
・H5N2
2014年11月30日~12月16日
ブロイラー種鶏・肉用七面鳥 等、12件
アイダホ
米国 ユタ州
ネバダ
・H5N8
2015年1月9日 野鳥(アメリカヒドリ)、1件
ユタ
カリフォルニア
米国 ネバダ州
・H5N8
2015年1月30日 野鳥(マガモ)、1件
※低病原性鳥インフルエンザの発生
ニュージャージー州 H5N1 2015年1月20日 家きん、1件
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出典:OIE等