第 25 回仙台シンポジウム Poster 発表要旨 イリオモテオリド-2a の全合成研究 Studies toward the Total Synthesis of Iriomoteolide-2a 袴田旺弘、不破春彦、佐々木 誠(東北大院生命科学) イリオモテオリド-2a(1)は渦鞭毛藻 Amphidinium 種 HYA024 HO Me 28 株から単離・構造決定された 23 員環マクロリド天然物であり、ヒ Me Me 19 ト B リンパ腫 DG-75 細胞に対して強力な細胞毒性を示す 1)。本研 18 OH 究では、イリオモテオリド-2a の全合成研究の一環として C6–C18 Me O O O Me 及び C19–C28 フラグメントの立体選択的合成を行ったので、詳細 O HO を報告する。 6 (R)-リンゴ酸を出発原料として Fráter–Seebach アルキル化を含む iriomoteolide-2a 8 段階で得たエノールトリフラート 2 に対し、 Nozaki–Hiyama–Kishi 反応により炭素鎖を伸長しアリルアルコール 3 を得た。その後、Brown 不斉アリル化反応による C22 位不斉中心の構築を経て、C19–C28 フラグメント 4 の合成を完了した。 Me O OH HO TBSO MPMO OH O (R)-malic acid 24 NiCl2, CrCl2 OTf EtCHO, 74% (2 steps) dr 2.4:1 2 Me TBSO MPMO OH Me OH 26 Me 19 22 OTBS Me 28 MPMO 4 3 次に 1,4-ブタンジオールから 7 段階で誘導したエノン 5 とベンジル(S)-グリシジルエーテルから 7 段階で得たオレフィン 6 を、Hoveyda–Grubbs 第二世代触媒(HG-II)を用いたクロスメタセシス反 応によって連結し、化合物 7 を得た。Corey–Bakshi–Shibata 還元と Sharpless 不斉エポキシ化を含む 3 段階でエポキシド 8 へ誘導した。MPM 基の除去と酸処理により 9 を得た後、メシル化と塩基処 理により C6–C18 フラグメント 10 を合成した。現在、イリオモテオリド-2a の全合成に向けて検討 を進めている。 Mes N HO OH 7 steps MPMO TBDPSO O TBSO + Me OBn HG-II OBz 8 OTBDPS 7 OTBDPS OBz Me OBn OMPM OBz 6 Me O Me OMPM 92% E/Z >20:1 OBz benzyl (S)-glycidylether O OBn 5 7 steps N Mes Ru O 1,4-butanediol OBn O Cl Cl Me OBn 1. DDQ OH 2. PPTS 85% TBSO (2 steps) O OBn 9 OTBDPS 1. Ms2O, py O 2. K2CO3 MeOH TBSO 78% (2 steps) O <参考文献> 1) 津田ら, 第 50 回天然有機化合物討論会講演要旨集, 2008, pp 397−402. 発表者紹介 氏名 袴田 旺弘(はかまた あきひろ) 所属 東北大学大学院生命科学研究科 分子生命科学専攻 学年 博士前期課程 2 年 研究室 生命構造化学分野(佐々木研究室) 10 OTBDPS
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