4 板ガラスと光と熱 温での放射率はこの領域の吸収率で表さ 環境建築を両立させるために、高透過ガラ 環境の快適性を実現し、同時に暖冷房や照 れ、ε=0.9程度となります。 スを素板とした合わせガラスやLow-E複層 明の省エネルギーを両立するためには、建 フロート板ガラスの用途は、 住宅、 店舗、 ガラスをふんだんに用いた建築物が注目を 築外皮のなかでもとりわけ窓ガラスの光と 一般建築物、 高層建築物などの内外装用、 集めています。 熱に対する特徴を知り、気象や建物用途、窓 ショーケース、ディスプレイ、水槽や温室、 1.0 配置に応じて最適な性能をもつガラス種類 家具、額縁などと幅広く、成膜、合わせ、強 0.8 を選択することが重要です。 化、複層など二次加工用の素板としても多 透過率 (-) 常温熱放射のそれぞれの波長領域での分光 0.8 0.6 0.4 0.2 可視光、日射、常温熱放射のエネルギー分布 0.0 100 特性を示します。 0.6 透過 0.4 0.6 透過 0.8 1000 10000 波長(nm) 1.0 100000 [図5]高透過ガラスの分光特性 0.8 1000 10000 波長(nm) 1.0 100000 [図3]透明フロート板ガラス (6ミリ) の分光特性 ⑷ 熱線反射ガラス 板ガラス表面に酸化物、 窒化物、 金属などの 薄膜を施し、日射領域の反射と吸収の特性 を高めたガラスです。 成膜方法には、フロー 1.0 日射 0.6 0.4 常温熱放射 可視光 0.2 0.0 100 1000 10000 波長(nm) 10 200 380 100000 常温熱放射 2.5 1 mm と、真空チャンバ内でスパッタリング法に 透明な板ガラスに比べて日射の波長領域の スパッタリング法によるものは高性能熱線 透過率が低くなるため、日射熱の室内への 反射ガラスと呼ばれ、薄膜構成の自由度が 侵入を抑えることができます。 高く、色味や性能のバリエーションが豊富 特にグリーン色のものは可視光領域の透過 です。日射の波長領域全体にわたり透過率 率を高く保ったまま、近赤外線領域の透過 が低いため日射遮蔽性に優れていますが、 率を抑えることができます。遠赤外領域で 可視光透過率も低くなるため、採光性が劣 は透明板ガラスと同様に吸収率が高く、放 り、人工照明に頼ることになります[図6] 。 射率はε=0.9程度となります[図4]。 冷房負荷低減のために事務所ビルなどに多 1.0 315 380 赤 780 nm [図2]光の波長領域と名称 0.8 反射 0.6 0.2 0.4 0.4 0.6 0.2 0.8 0.0 100 透過 1000 10000 波長(nm) く使用されています。 1.0 100000 [図4]熱線吸収板ガラス(グリーン6ミリ)の分光特性 1.0 0.0 0.8 0.2 反射 0.6 0.4 0.2 0.0 100 透過 1000 10000 波長(nm) 反射率(-) UV-A UV-B UV-C 280 紫 0.0 反射率(-) 透過率 (-) 遠赤外 マイクロ波 4 μm 中赤外 近赤外 可視光 紫外 X線 真空紫外 780 nm ト板ガラスの製造工程中に成膜するもの 板ガラス組成に鉄などの金属成分を混合す ることで板ガラスを着色したガラスです。 より成膜する2通りの方法があります。 [図1]可視光、日射、常温熱放射のエネルギー分布 日射 ⑵ 熱線吸収板ガラス 透過率 (-) 相対エネルギー密度 0.8 200 0.0 100 0.2 0.4 0.4 板ガラスと光と熱 特性によって特徴づけられます。 [ 図1]に を、 [ 図3]〜[図8]に各種板ガラスの分光 反射 0.6 0.2 0.0 反射率(-) 各種板ガラスの光熱性能は、可視光、日射、 1.0 0.2 反射 4章 ●分光特性 く使われています。 0.0 反射率(-) 4-1 板ガラスの光学性能、断熱性能、遮熱性能 透過率 (-) 住宅や建築物の室内空間の温熱環境、光視 0.4 0.6 0.8 1.0 100000 [図6]高性能熱線反射ガラス(SS20、6ミリ)の分光特性 ⑴ 透明フロート板ガラス ⑶ 高透過ガラス フロート板ガラスは、フロートバスと呼ば 普通の透明板ガラスは、組成中に鉄分など ⑸ Low-Eガラス れる窯の中で溶融スズの上に溶かしたガラ が含まれているために、透明といえども若 Low-Eガラスは、 板ガラス表面に酸化ス スを流し込むと、ガラスがスズ上に浮き、ガ 干青みがかっています。 高透過ガラスは、 原 ズや銀などの薄膜を施したもので、 この ラス両面が極めて平滑な板状となります。 料と製造条件を調整することにより可視光 Low-E膜が遠赤外線領域での反射率を高め 透明のフロート板ガラスが最も多く使用さ 領域の分光透過特性をできるだけ均一にし るため、 熱放射が伝わりにくいガラスです。 れますが、熱線吸収板ガラスや高透過ガラ たため、ガラスを通して物体の色を正しく この領域の吸収率、すなわち、放射率はε スもフロート法により製造されます。 見せることができます[図5]。 色の再現性 =0.05~0.15となります。Low-EとはLow 透明フロート板ガラスの分光特性[図3] が重要となる博物館・美術館の展示ケース、 Emissivityの略で低放射を意味します。 は、可視光を含む日射の波長領域全体にわ ブティックや呉服店のショーウィンドウ、 Low-Eガラスは複層ガラスや真空ガラスに たり透過率が高くなります。また、遠赤外領 各種ショールームなどに使用されていま 用いられ、Low-E膜面を間隙に向けて配置 域では吸収率が高く透過はありません。常 す。また、欧州、 特にドイツでは、 透明建築と することで、中空層での放射による熱伝達 17 4 板ガラスと光と熱 を低減し、断熱性を高めることができます [図7] [ 図8]。 ●光学性能 板ガラスの可視光、 日射、 紫外線に対する光 学特性(透過率、反射率)はJIS規格やISO規 反射 0.8 0.6 透過 0.4 0.0 格に計算法が規定されており[表1]、次式の 0.2 ように対象とする波長領域の板ガラスの分 反射率(-) 透過率 (-) 1.0 0.2 0.4 光特性から光源のエネルギー分布を重価係 0.6 数とする加重平均で計算されます。 0.8 0.0 100 1.0 100000 [図7]Low-Eガラス(日射遮蔽型、3ミリ)の分光特性 1.0 0.0 0.8 0.2 0.6 0.4 反射率(-) 板ガラスと光と熱 透過率 (-) 4章 1000 10000 波長(nm) 反射 0.4 0.2 0.6 0.8 透過 0.0 100 1000 10000 波長(nm) 1.0 100000 [図8]Low-Eガラス(日射取得型、3ミリ)の分光特性 l =780nm l =780nm l =380nm l =780nm l =380nm l =780nm l =380nm l =380nm ∫D(l )・V(l )・τ(l )dl t n = = ∫D(l )・V(l )dl l =2500nm ∫S(l )・τ(l )dl l =300nm SD(l )・V(l )・τ(l )dl SD(l )・V(l )・Δl l =2500nm SS(l )・τ(l )Δl l =300nm = l =2500nm t e = l =2500nm S ( ∫ l )dl SS(l )・Δl l =300nm l =380nm ∫S(l )・τ(l )dl l =300nm t UV = = l =380nm S(l ) dl l =300nm ∫ l =300nm t ν :可視光透過率 [-] t e :日射透過率 [-] t UV :紫外線透過率 [-] t(l ) :分光透過率 [-] D(l ) :CIE昼光D65光源スペクトル [-] V(l ) :CIE明順応標準比視感度 S(l ) :標準日射スペクトル 断熱性能 (熱貫流率) 遮熱性能 (日射熱取得率) 18 [-] l :波長 [nm] Dl :波長幅 [nm] l =380nm S(l ) ・τ(l ) Δl l =300nm S l =380nm S(l ) ・Δl l =300nm S [表1]窓と窓ガラスの熱性能の計算法規格 性能 [-] 対象 国際規格 日本 欧州 ガラス ISO10292 JIS R3107 EN673 窓 ISO10077 ISO15099 JIS A2102 EN10077 (ISO10077) ガラス ISO9050 JIS R3106 EN410 窓 ISO15099 JIS A2103 なし 米国 NFRC100 NFRC200 4 板ガラスと光と熱 ●断熱性能(熱貫流率) を組み合わせて複合ガラス化した「複層真 窓ガラスの断熱性能は一般に熱貫流率 空ガラス」など、 さらに断熱性を高めたもの (U-value, Thermal transmittance)で表 も製品化されています[図10]。単板ガラス されます。熱貫流率とは、室内外の温度差に に比べて真空ガラスでは約5倍、 複層真空 より壁体を通過する単位時間・単位面積・単 ガラスでは約7〜8倍の断熱性能を持ちま 位気温差あたりの熱量を表しますので、こ す。真空ガラスは、真空層幅0.2mmとガラ れが小さいものほど壁体を通過する熱量が ス総厚が薄く、既存の単板ガラス用サッシ 少なく、断熱性能が高いということになり にそのまま取り付けることができるので窓 ます。窓ガラス中央部の熱貫流率の計算で の省エネ改修に最適です。 室内外の表面熱伝達抵抗、板ガラスの熱伝 導抵抗、中空層の熱抵抗など、全ての熱抵 Low-E膜 4章 は、 室内外間の一次元伝熱モデルにおいて、 Low-E膜 Low-E膜 のいずれかの熱抵抗を大きくすることで、 板ガラスの熱貫流率を小さく、 すなわち、 板ガラスと光と熱 抗の合計の逆数で表されるので、室内外間 中空層 断熱性能を良くできることが分かります [図9]。 アルゴン ガス層 (室内側) (室外側) 真空層 Re Rg1 Ra Rg2 Ri a) Low-E複層ガラス b) 真空ガラス 真空層 c) 複層真空ガラス [図10] 各種複層ガラスの構造 U= U Re、Ri 1 Re +Rg1 +Ra +Rg2 +Ri :熱貫流率 [W/m2K] :室外側・室内側表面熱伝達抵抗 [m2K/W] Rg1、Rg2 :板ガラスの熱伝導抵抗 Ra :中空層の熱抵抗 [m2K/W] [m2K/W] [図9]窓ガラスの熱貫流率の算定式(二層の複層ガラスの場合) 一般的な複層ガラスは、2枚の板ガラスの 間に中空層を設けて、空気の熱抵抗を利用 して断熱性を高めたものですが、板ガラス の片方 (または両方)にLow-Eガラスを用い たものを、特にLow-E複層ガラスと呼びま す。 Low-E複層ガラスの応用として、空気の 代わりにアルゴン、クリプトンなど熱伝導 率が小さい気体を中空層に封入した「ガス 入りLow-E複層ガラス」、中空層を真空にし て気体の伝導による熱伝達を排した「真空 ガラス」、真空ガラスともう一枚の板ガラス 19 4 板ガラスと光と熱 ●遮熱性能(日射熱取得率) (室内) (室外) 窓ガラスの遮熱性能は一般に日射熱 取得率(日射侵入率、Solar Heat Gain 日射透過 Coefficient(SHGC)、Total solar energy τe 日射入射 transmittance)で表されます。日射熱取得 率は窓ガラスに入射する日射熱に対する室 吸収 内へ侵入する熱の比のことで、室内へ侵入 (対流) =η αe N・αe (放射) する熱はガラスを直接透過する成分とガラ スに吸収されて室内側に再放熱される成分 日射熱取得率 再放熱 再放出 4章 の両方を含みます [図11]。 η=τe + Σ N・α j ej j 板ガラスと光と熱 η :日射熱取得率 [-] τe :日射透過率 [-] αej :j番目の層の日射吸収率 [-] Nj :j番目の層の吸収日射が室内側へ再放熱される割合 [-] [図11] 窓ガラスの日射熱取得率の算定式 (二層の複層ガラスと室内側遮蔽物の組み合わせの場合) 複層ガラスの場合には、板ガラスの組み合 Low-E複層ガラスでは中空層の熱抵抗が大 定義から言えば、Low-E複層ガラスは薄膜 わせ方によって、遮熱性に変化を持たせる きいために、 この変化が顕著になります。 の低放射性により断熱性能を高めたもので ことができます。熱線吸収板ガラスや熱線 なお、Low-Eガラスは、遠赤外領域を反射 あり、その中に日射熱の遮蔽と取得のバリ 反射ガラス、Low-Eガラスなどの日射吸収 (低放射)して、可視光領域を透過 (採光)す エーションが取り揃えられているのです の大きいガラスを室外側へ配置すると、中 るよう設計されていますが、薄膜の特殊設 [図13]。日射遮蔽型は冷房負荷低減に、日 空層が熱抵抗となるために、室外側ガラス 計により近赤外領域 (日射熱) の反射を高め 射取得型は暖房負荷低減に、それぞれ効果 で吸収された日射熱は室内へ伝わりにく たものと透過を高めたものがあります[図 的であり、地域、方位、建物用途、住まい方 く、日射熱取得率は小さくなります。逆に、 12]。前者が日射遮蔽型[図12 a]、後者が に応じて選択されるべきです。そういう意 日射吸収の大きいガラスを室内側に配置す 日射取得型[図12 c]として用いられます。 味では、遮熱性能では日射遮蔽性だけでな ると、吸収された日射熱は室外へ逃げにく 『Low-E複層ガラスは日射遮蔽性能が高い』 く、日射取得性も評価されなければなりま 1.0 1.0 0.2 0.2 0.8 0.8 0.4 0.4 0.6 0.6 近赤外線 近赤外線 遠赤外線 遠赤外線 反射率(膜面入射) 反射率(膜面入射) せん。 紫外線 紫外線 可視光線 可視光線 0.0 0.0 1.0 1.0 0.2 0.2 0.8 0.8 0.4 0.4 0.6 0.6 0.4 0.4 0.6 0.6 0.2 0.2 0.8 0.8 0.2 0.2 0.8 0.8 0.2 0.2 1.0 1.0 0.0 0.0 1.0 1.0 0.0 0.0 透過率 透過率 1000 1000 10000 10000 波長(nm) 波長(nm) a a 日射遮蔽型(銀2層膜タイプ、板厚3ミリ) 日射遮蔽型(銀2層膜タイプ、板厚3ミリ) 透過率 吸収率 透過率 吸収率 1000 1000 10000 10000 波長(nm) 波長(nm) b b 日射中庸型(銀1層膜タイプ、板厚3ミリ) 日射中庸型(銀1層膜タイプ、板厚3ミリ) 遠赤外線 遠赤外線 反射率(膜面入射) 反射率(膜面入射) 0.6 0.6 0.4 0.4 0.0 0.0 近赤外線 近赤外線 0.4 0.4 0.0 0.0 0.2 0.2 0.4 0.4 0.6 0.6 透過率 透過率 吸収率 吸収率 10000 10000 波長(nm) 波長(nm) 1000 1000 反射率(-) 反射率(-) 反射率(-) 反射率(膜面入射) 反射率(膜面入射) 紫外線 紫外線 可視光線 可視光線 0.0 0.0 反射率(-) 反射率(-) 反射率(-) 0.6 0.6 遠赤外線 遠赤外線 反射率(-) 反射率(-) 反射率(-) 透過率(-) 透過率(-) 透過率(-) 吸収率 吸収率 0.8 0.8 近赤外線 近赤外線 透過率(-) 透過率(-) 透過率(-) 紫外線 紫外線 可視光線 可視光線 1.0 1.0 と誤解されがちですが、Low Emissivityの 透過率(-) 透過率(-) 透過率(-) く、日射熱取得率が大きくなります。特に、 0.8 0.8 1.0 1.0 c c 日射取得型(酸化スズ膜タイプ、板厚3ミリ) 日射取得型(酸化スズ膜タイプ、板厚3ミリ) 赤線が分光透過率 (左縦軸) 、 (右縦軸) を表す。 左右の縦軸の目盛は反転表示しており、 赤線が分光透過率 (左縦軸) 、青線が分光反射率 青線が分光反射率 (右縦軸) を表す。 左右の縦軸の目盛は反転表示しており、透過率と反射率と吸収率の合計は 透過率と反射率と吸収率の合計は "1" "1" であるので、 であるので、グラフ中 グラフ中 の透過率と反射率で囲まれた領域が吸収率を意味する。 の透過率と反射率で囲まれた領域が吸収率を意味する。 [図12]Low-Eガラスの分光特性 Low-E膜 Low-E膜 Low-E膜 Low-E膜 Low-E膜 Low-E膜 1 11 1 11 (室外側) (室外側) (室外側) (室内側) (室内側) (室内側) 日射反射率 日射反射率 日射反射率 0.354 0.354 0.354 0.376 0.376 0.376 0.234 0.234 0.234 再放熱 再放熱 再放熱 透明ガラス 透明ガラス 透明ガラス a)日射遮蔽型 a)日射遮蔽型 a)日射遮蔽型 Low-Eガラス Low-Eガラス Low-Eガラス 0.036 0.036 0.036 再放熱 再放熱 再放熱 日射熱取得率 日射熱取得率 日射熱取得率 0.39 0.39 0.39 [図13]Low-E複層ガラスの構成と日射特性 20 (室内側) (室内側) (室内側) 日射反射率 日射反射率 日射反射率 日射透過率 日射透過率 日射透過率 0.535 0.535 0.535 0.258 0.258 0.258 0.102 0.102 0.102 再放熱 再放熱 再放熱 1 11 1 11 (室外側) (室外側) (室外側) 日射透過率 日射透過率 日射透過率 Low-E膜 Low-E膜 Low-E膜 Low-E膜 Low-E膜 Low-E膜 0.105 0.105 0.105 再放熱 再放熱 再放熱 日射熱取得率 日射熱取得率 日射熱取得率 透明ガラス 透明ガラス 透明ガラス b)日射中庸型 b)日射中庸型 b)日射中庸型 Low-Eガラス Low-Eガラス Low-Eガラス 0.64 0.64 0.64 (室外側) (室外側) (室外側) (室内側) (室内側) (室内側) 日射反射率 日射反射率 日射反射率 日射透過率 日射透過率 日射透過率 0.612 0.612 0.612 0.148 0.148 0.148 0.182 0.182 0.182 再放熱 再放熱 再放熱 透明ガラス 透明ガラス 透明ガラス c)日射取得型 c)日射取得型 c)日射取得型 Low-Eガラス Low-Eガラス Low-Eガラス 0.058 0.058 0.058 再放熱 再放熱 再放熱 日射熱取得率 日射熱取得率 日射熱取得率 0.67 0.67 0.67 (室外側) (室外側) (室外側) (室内側) (室内側) (室内側) 日射反射率 日射反射率 日射反射率 日射透過率 日射透過率 日射透過率 0.612 0.612 0.612 0.165 0.165 0.165 0.095 0.095 0.095 再放熱 再放熱 再放熱 0.128 0.128 0.128 再放熱 再放熱 再放熱 日射熱取得率 日射熱取得率 日射熱取得率 c)日射取得型 c)日射取得型 透明ガラス c)日射取得型 透明ガラス 透明ガラス Low-Eガラス Low-Eガラス Low-Eガラス 0.74 0.74 0.74 4 板ガラスと光と熱 が高く、昼光を室内に取り入れて、室内を明 るくすることができます。 ●断熱性・遮熱性・採光性 [図14]に各種板ガラスの熱貫流率と日射 熱取得率の分布を、 [図15]に日射熱取得率 [図14]では、左の方が断熱性能が高く、上 の方が日射取得型、下の方が日射遮蔽型と 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 ←断熱性高い 熱貫流率[W/m2・K] 断熱性低い→ 板ガラスと光と熱 なります。板ガラス構成のタイプ(単板ガラ ス、複層ガラス、Low-E複層ガラス、真空 透明単板 熱線吸収単板 高透過単板 熱線反射単板 透明複層 熱線吸収複層 熱線反射複層 Low-E複層 ガス入りLow-E複層 真空 複層真空 4章 と可視光透過率の分布を示します。 日射熱取得率[-] す。可視光透過率が大きいものほど採光性 ←日射遮蔽型 採光性は可視光透過率によって評価されま 日射取得型→ ●採光性(可視光透過率) [図14] 各種板ガラスの熱貫流率と日射熱取得率の分布 ガラス、複層真空ガラス)によって断熱性 取得/日射遮蔽の性能を持つガラス品種を 選択することができます。 [図15]では、上の方が採光性が高く、右が日 射取得型、左が日射遮蔽型となります。一般 的には日射熱取得率と可視光透過率はほぼ 比例するので、日射取得型のものほど採光 性が高く、 日射遮蔽型のものは採光性が低く なりますが、 Low-E複層ガラスや真空ガラス のように、採光性が高く、かつ日射熱のバリ エーションが豊富なガラス品種もあります。 可視光透過率[%] 地域や部屋の用途にあった断熱性能と日射 ←採光性低い 射熱取得率のバリエーションがあります。 採光性高い→ 能が異なり、それぞれのタイプに様々な日 100 透明単板 熱線吸収単板 高透過単板 熱線反射単板 透明複層 熱線吸収複層 熱線反射複層 Low-E複層 ガス入りLow-E複層 真空 複層真空 80 60 40 20 0 0.0 0.2 0.4 0.6 ←日射遮蔽型 日射熱取得率[-] 0.8 1.0 日射取得型→ [図15] 各種板ガラスの日射熱取得率と可視光透過率の分布 21
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