2Q決算と日本株の物色動向 2014年9月9日 大和証券 投資戦略部 シニアクォンツアナリスト 鈴木 政博 <プロフィール> 95年より日本株担当。数量的な分析をふまえ、独 自の切り口で日本株投資戦略を提示。 業績動向①~14年度予想の経常利益は一桁台の増益予想 東証1部経常増益率の年度別期初予想と着地 東証1部(除く上場子会社)の2014、2015年度業績見通し (単位:%、%ポイント) 実績 会社予想 FY13 前年比 % 売上高 全社 (除く金融) 経常利益 全社 (除く金融) 税引利益 全社 (除く金融) FY14 前年比 % 60 QC予想 FY14 40 FY15 09 20 修正幅 前年比 修正幅 前年比 修正幅 %pt %pt %pt % % 着 0 地 % -20 11.5 3.8 +0.1 3.9 +0.0 3.2 +0.0 12.0 4.0 -0.0 4.2 +0.0 3.3 +0.0 36.2 0.8 +1.0 5.4 +0.3 10.7 +0.0 -40 37.4 4.3 +1.1 9.3 +0.2 12.4 +0.2 -60 69.6 3.5 +0.1 8.6 +0.4 10.2 -0.1 88.1 7.3 -0.1 13.1 +0.3 11.7 +0.1 -20 0 10.2 着 地 05 07 90 0 85 82 ) 91 -20 0 -10 期初=着地 06 89 % -10 5 -0.3 (-0.06) -3.6 (-0.67) 60 83 10 ( 10 50 85年度はプラザ合意による円高 で企業収益は落ち込んだが、土 地が上昇し、ウォーターフロント 相場の前半部分に該当、TOPIX は上昇した。 79 20 11.7 40 78 標準偏差 7.5 (2.13) 30 40 30 19.6 20 期初予想が0~10%増益の時の着地とTOPIX騰落率(年度別) 平均 -5 10 出所:QUICKより大和証券作成。 注:予想は00年以前は東洋経済、以降はQUICKコンセンサス。 26.1 15 -15 -10 5月末時点の予想% 括弧内はt値 20 12 08 経常増益率の「着地-期初予想」の期初予想レンジ別平均と標準偏差 25 13 99 01 (出所)会社発表資料、東洋経済、QUICKより、大和証券作成。 30 00 88 0495 84 79 78 87 96 8003 83 94 05 06 89 77 07 90 85 82 97 81 86 11 91 93 98 92 -80 (注)2014年9月5日時点。対象:東証1部1,685社(除く上場子会社)。13年度実績を発表し、14年度予想が計 測可能な銘柄のみ集計。合併、持株会社化をした銘柄は合併処理を行っている。QCはQUICKコンセンサス。変 則決算銘柄は除いた。修正幅は7月18日時点と比較。本決算月が14年4月~15年3月までの銘柄を14年度の計算 に含めている。 % 02 10 98 -30 -40 01 バブルが青の場合、 TOPIX年度平均上昇率が プラス、白はマイナス。バ ブルの大きさは騰落率の 大きさ -50 -10.9 (-1.17) 減益予想 0 0~10%未満 QUICKより大和証券作成。 10~20%未満 20%以上 2 4 6 8 10 5月末時点の予想(%) 出所:DataStreamより大和証券作成。 注:RIの水準毎のTOPIX 12ヵ月移動平均乖離率の平均を計測したもの。計測期間;96年1月~14年3月。 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 1 業績動向②~東証1部(除く金融)の四半期業績動向 14年度経常利益が1~4Qにかけて前年同期比で増益が見込まれる銘柄 コード 銘柄名 東証1部企業の売上高と経常利益(前年同期比) % 70 % 21 18 売上高(左目盛) 15 経常利益(右目盛) 12 50 11.9 30 6.2 6 19.1 3 * 40 13.9 9 * 60 47.6 44.8 13.4 44.0 * 20 10 7.4 * 0 0 -3 -10 -6 -20 -30 -9 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q FY10 FY11 FY12 FY13 * FY14 (注)対象:東証1部(除く金融、上場子会社)。3月決算に限らず、四半期決算日が該当する四半期に 含まれる銘柄で、前年同期比が計算可能な銘柄。8月19日までのデータ。 (出所)QUICKより大和証券作成。 TOPIX1000、コンセンサス予想の取れる銘柄の経常利益 FY2014経常増益率(前年同期比、前年比%) 1Q実 2Q予 3Q予 4Q予 通期予 銘柄数 資源卸売 14.7 12.3 18.4 11.8 14.1 13 素材 -1.6 5.1 4.5 28.1 9.2 62 加工組立 16.9 13.3 4.5 28.3 15.4 113 -11.9 8.5 -1.4 23.7 3.3 76 -6.3 -16.4 4.9 2.3 -3.2 25 黒転 -51.5 黒転 黒転 黒転 10 -8.4 0.3 6.2 19.0 1.6 9 情報通信 -17.6 2.8 2.0 18.0 -0.3 29 金融 -13.9 -8.1 -8.7 2.3 -7.6 17 7.1 6.5 8.2 27.0 12.0 337 2.1 3.6 5.2 22.3 8.1 341 消費サービス他 建設不動産 電気ガス 運輸 東証1部 ( 除く金融) 東証1部 出所:DataStreamより、大和証券作成。 注: 14年9月5日時点の集計。予想はIBESコンセンサス。 * * * * * * 8001 3402 4063 4188 5333 5334 5711 5929 6103 6113 6370 6471 6473 4902 6479 6504 6594 6645 6702 6857 6861 6869 6923 6954 6981 7276 7735 6201 7201 7261 7267 7269 7270 7272 7733 2269 4541 7832 2670 3092 3391 7453 2371 2413 2433 9744 1808 9706 9533 4684 4689 4739 9433 9766 8303 伊藤忠 東レ 信越化 三菱ケミHD ガイシ 特殊陶 三菱マ 三和HD オークマ アマダ 栗田工 日精工 ジェイテクト コニカミノル ミネベア 富士電機 日電産 オムロン 富士通 アドテスト キーエンス シスメックス スタンレー ファナック 村田製 小糸製 スクリン 豊田織 日産自 マツダ ホンダ スズキ 富士重 ヤマハ発 オリンパス 明治HD 日医工 バンナムHD ABCマート スタートトゥ ツルハHD 良品計画 カカクコム エムスリー 博報堂DY メイテック 長谷工 日本空港ビル 邦ガス オービック ヤフー CTC KDDI コナミ 新生銀 業種名 時価総額 資源卸売 素材 素材 素材 素材 素材 素材 素材 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 加工組立 消費サービス他 消費サービス他 消費サービス他 消費サービス他 消費サービス他 消費サービス他 消費サービス他 消費サービス他 消費サービス他 消費サービス他 消費サービス他 建設不動産 建設不動産 電気ガス 情報通信 情報通信 情報通信 情報通信 情報通信 金融 卸売業 繊維製品 化学 化学 ガラス土石 ガラス土石 非鉄金属 金属製品 機械 機械 機械 機械 機械 電気機器 電気機器 電気機器 電気機器 電気機器 電気機器 電気機器 電気機器 電気機器 電気機器 電気機器 電気機器 電気機器 電気機器 輸送用機器 輸送用機器 輸送用機器 輸送用機器 輸送用機器 輸送用機器 輸送用機器 精密機器 食料品 医薬品 その他製品 小売業 小売業 小売業 小売業 サービス業 サービス業 サービス業 サービス業 建設業 不動産業 電気・ガス業 情報通信 情報通信 情報通信 情報通信 情報通信 銀行業 9月5日 億円 21,325 11,735 28,605 7,989 8,802 7,131 4,642 1,899 1,433 3,834 2,879 7,822 5,622 6,181 5,473 3,956 19,925 10,675 14,770 2,499 27,482 8,402 4,348 44,141 23,596 4,656 1,440 16,683 46,111 15,057 64,387 19,508 23,873 7,115 13,279 6,581 978 6,247 4,058 2,638 2,701 3,431 3,713 5,752 4,057 1,071 2,650 3,561 3,309 3,690 23,463 2,754 55,217 3,368 6,216 1Q実 % 29.8 12.1 1.1 17.7 53.7 29.4 3.9 黒転 3.1 53.3 12.8 50.6 34.1 48.2 241.4 59.6 43.5 68.5 黒転 黒転 30.4 68.2 2.9 91.3 50.5 32.1 5.5 40.8 29.6 550.0 15.6 25.7 24.9 52.2 365.2 0.6 12.6 22.1 29.3 1.1 33.0 1.4 4.7 30.6 50.5 14.6 70.6 273.3 359.9 12.9 19.4 171.8 7.0 22.4 42.0 2014年度経常増益率 PER (前年同期比、前年比) 2Q予 3Q予 4Q予 通期予 FY14予 % % % % 倍 19.2 13.2 25.8 22.2 7.0 1.3 16.0 20.2 13.0 16.3 3.4 13.1 24.6 9.7 22.0 21.6 10.0 59.7 23.7 17.8 39.2 13.4 40.2 34.9 21.2 35.8 9.6 35.2 26.5 16.2 0.9 10.2 24.0 9.9 9.3 14.6 5.1 0.1 9.8 14.6 207.4 18.9 14.1 38.2 14.1 36.5 9.3 31.8 31.0 20.9 18.0 0.1 23.2 14.9 25.0 41.8 22.8 0.6 25.3 14.0 7.3 11.8 20.6 17.7 13.0 23.0 9.4 27.7 24.0 19.3 35.2 40.9 20.4 55.3 17.2 80.5 57.5 3.3 14.0 15.6 28.1 26.0 29.5 31.0 24.1 21.7 18.4 34.7 33.7 18.1 21.4 43.6 3.5 37.0 11.7 黒転 黒転 黒転 黒転 28.6 10.3 13.3 13.6 16.1 26.9 11.6 13.7 2.0 17.6 34.6 5.0 16.8 22.8 12.2 13.8 70.7 16.1 0.7 40.5 22.6 7.2 25.6 8.0 20.7 20.3 43.8 4.4 11.7 18.7 14.6 743.7 91.0 21.9 63.0 15.0 21.8 17.5 14.3 24.2 14.4 34.1 47.3 13.2 27.6 9.6 107.4 4.0 47.4 71.8 8.2 9.9 6.3 16.2 11.7 10.1 11.3 10.2 12.8 14.9 15.2 12.7 27.6 10.9 18.2 9.7 29.9 8.3 26.6 29.0 13.5 38.4 11.0 37.7 44.3 29.4 12.6 4.5 26.8 7.4 26.1 56.3 14.3 114.1 32.8 15.3 18.2 25.6 192.0 28.5 17.3 5.8 0.5 1.5 10.6 17.6 16.6 24.3 19.8 16.0 28.7 18.3 17.6 13.4 20.0 16.3 15.0 21.7 5.5 10.9 21.1 27.0 24.1 25.4 20.7 32.2 29.7 25.6 58.0 34.7 57.8 6.2 5.7 6.7 11.5 19.8 20.5 10.1 15.7 14.6 20.3 13.9 38.3 6.8 23.7 14.0 19.4 52.7 480.0 106.2 69.0 120.4 658.0 25.4 144.7 18.0 21.3 0.1 6.1 10.1 18.2 7.5 7.8 6.0 10.2 18.0 18.1 12.8 11.4 15.9 16.0 11.0 6.8 33.5 12.9 12.0 20.6 115.9 66.1 14,242.6 150.1 8.5 593.7 173.5 97.6 10.3 PBR 実績 倍 1.02 1.40 1.59 0.88 2.55 2.27 1.02 1.61 1.27 0.94 1.33 2.08 1.42 1.32 3.19 1.74 3.64 2.36 2.53 1.90 3.31 5.73 1.58 2.96 2.30 2.09 1.52 0.88 1.00 2.12 1.07 1.46 3.00 1.76 3.99 1.95 1.42 2.27 2.98 13.52 2.30 2.99 18.58 15.60 1.77 2.71 2.54 3.33 1.29 2.42 3.73 1.68 1.86 1.45 0.89 出所: DATASTREAMより大和証券作成。 注:対象はTOPIX500(除く金融)。予想はIBESコンセンサス。黒転を含む。データは14年9月5日時点。 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 2 業績動向③~通期業績予想の上方修正継続 東証1部1期予想リビジョン・インデックス 14年度のリビジョン・インデックス(4週合計値) % 30 リビジョン・インデックス % TOPIX12ヵ月移動平均乖離率 40 20 20 10 0 0 -20 -10 -14.3 -40 4週合計値 -20 -60 週次 -30 13年10月 13年12月 14年2月 14年4月 14年6月 -80 14年8月 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 年 出所:QUICKより大和証券作成。 注: (経常利益予想の上方修正数-同下方修正数)÷全修正銘柄数。予想はQUICKコンセンサス。対象は東証1部。 デ 14年9月5日 資源卸売 週次 週次 週次 4週 合 前週 上方 下方 RI% 計 RI% 差pt 修正 修正 7 5 16.7 10.2 +13.8 22 13.7 11.9 +1.4 加工組立 40 42 -2.4 8.4 -7.4 消費サービス他 22 25 -6.4 -13.0 +3.0 建設不動産 8 6 14.3 20.6 -7.8 電気ガス 3 3 0.0 6.7 -7.6 運輸 5 2 42.9 15.4 +8.0 16 7 39.1 7.7 +8.9 金融 7 1 75.0 合計 137 113 9.6 情報通信 出所:QUICKより大和証券作成。 32.0 +12.7 7.3 +0.2 RIとファクター別相対パフォーマンスとの関連 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 -0.1 -0.2 -0.3 -0.4 -0.5 高 E P S 成 長 業 績 上 方 修 正 モ メ ン タ ム 3 6 カ 月 高 P B R モ メ ン タ ム 1 2 カ 月 高 R O E 低 P E R 低 位 株 大 型 株 値 が さ 株 小 型 株 高 P E R 業 績 下 方 修 正 リ バ サ ル 3 6 カ 月 低 R O E 低 P B R 低 E P S 成 長 リ バ ー 29 出所:DataStreamより大和証券作成。 注:対象:東証1部。予想はIBES。リビジョン・インデックス=(1期予想EPSの上方修正銘柄数-同 下方修正銘柄数)÷全修正銘柄数。月次。データは14年4月まで。 ー 素材 震災 タイの洪水 欧州危機 グローバル 金融危機 ITバブル 崩壊 アジア危機 金融危機 サ ル 1 2 カ 月 出所:QUICKより大和証券作成。 注:東証1部の銘柄を各ファクター別に上位20%、下位20%のTOPIX相対パフォーマンスとRIとの相 関係数をみたもの。計測期間:09年1月~14年3月。 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 3 業績動向④~小業種のリビジョン(4週合計修正比率) 4週合計 上方修正比率上位 小業種名 二輪車・自転車 通信 信託銀行 家電機器 その他銀行 フィルム 自動車タイヤ ベアリング 住宅機器 水産 総合商社 鉄道/バス ゼネコン 銅・鉛・亜鉛・ニッケル 証券 酒類 食用油 分析機器 ファインケミカル その他非鉄金属 その他鉄鋼 総合電機 陶器 航空 電線 下方修正比率上位 修正 上方 下方 銘柄数 比率% 修正 修正 4 0 2 50.0 8 2 4 37.5 3 0 2 37.5 19 3 11 36.4 4 0 3 33.3 5 1 3 33.3 7 2 4 31.3 10 4 6 25.0 4 0 4 25.0 1 0 1 25.0 12 6 6 25.0 15 2 14 23.2 8 1 8 21.9 10 4 7 21.4 4 0 5 20.0 4 1 4 18.8 2 0 3 16.7 2 0 3 16.7 2 0 3 16.7 4 0 6 16.7 8 2 10 15.0 8 5 5 15.0 7 4 5 15.0 7 4 5 15.0 3 1 4 12.5 小業種名 パルプ・紙 高炉(普通鋼) 消費者金融 カメラ・時計 冷凍・冷蔵・即席食品 船舶貨物 百貨店 調味料 ガス 情報通信機器 システム機器 製粉 飲料水 計測機器 サッシ・シャッター プラント・エンジニア 信号・照明 陸運 石油精製・販売 印刷・事務用品 造船・航空機・車両 トイレタリー 半導体製造装置 チェーンストア 専門小売 修正 上方 下方 銘柄数 比率% 修正 修正 1 15 6 -58.3 2 10 4 -50.0 0 3 2 -37.5 2 7 4 -31.3 1 5 5 -20.0 2 5 4 -18.8 0 5 7 -17.9 2 5 5 -15.0 2 4 4 -12.5 1 4 6 -12.5 2 4 4 -12.5 0 1 2 -12.5 1 4 6 -12.5 1 6 11 -11.4 1 3 5 -10.0 5 7 5 -10.0 0 2 5 -10.0 5 10 14 -8.9 5 7 7 -7.1 1 3 7 -7.1 3 6 11 -6.8 5 8 12 -6.3 9 12 12 -6.3 4 8 18 -5.6 9 19 46 -5.4 出所:QUICKより大和証券作成。 注:対象は東証1部。クイックコンセンサス予想が取得可能な銘柄。修正比率=(上方修正-下方修正)÷銘柄数。過去4週間を合計したもの。 データは14年9月5日まで。 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 4 物色動向①~日本のMSCIスタイルインデックス(相対株価) 12年1月=100 108 106 大型 グロース 14/6 104 102 小型 グロース 100 98 小型 バリュー 96 94 大型 バリュー 92 90 12 13 14 年 出所:MSCIより大和証券作成。 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 5 物色動向②~大型株と小型株 日本の大型株/小型株の相対株価指数 1985年1月末=100 大金融 相場 160 IT相場 大型株/小型株 Apr-87 二極化 相場 140 Dec-99 Dec-97 120 100 Jun-99 Jun-86 Sep-07 80 Aug-96 60 Jul-90 Jul-05 40 85 87 89 91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 11 13 15 年 (注)全上場公開銘柄の時価総額上位10%(銘柄数ベース)を大型株、それ以外を小型株とした。 株価指数は時価総額ウエイト。リバランスは月次。 (出所)大和証券作成。 小型株優位となる局面は (1)強烈な大型株相場の後に、大型株のバリュエーション調整が起きる局面 (2)小型株の業績拡大モメンタムが大型株を上回る局面 87年4月~90年7月の局面や99年末~05年7月の小型株相場は前半は(1)、途中から(2)にバトンタッチす る形で息の長い相場に ※巻末の注意事項を必ずお読みください 6 物色動向③~大型株と小型株:規模のプレミアム状況 時価総額 50 分位別の今期予想 PER(2014 年 9 月 1 日時点) 19 y = 0.4561Ln(x) + 11.995 2 R = 0.3295 18 今期予想PER(倍) 17 16 15 14 13 12 11 10 1 10 100 1,000 10,000 100,000 平均時価総額(億円) 出所:大和証券作成。 注:全上場公開銘柄を時価総額の大小で 50 のグループに分け、平均時価総額と今期予想 PER をプロットしたもの。赤字企業を除く。 時価総額50分位別の今期予想PERをみると(対象:全上場銘柄)、時価総額が大きいグループほど今期 予想PERが高い傾向がある。現状、大型株にプレミアムが発生していると考えられ、バリュエーション調整 (小型株が優位になりやすい傾向)が起きる素地はあると考えられる。ただし、このPER格差はITバブル直 後のような大きな格差ではなく、比較的小さい格差である。 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 7 物色動向④~大型株と小型株: 12ヵ月先予想経常増益率の格差 85年1月=100 % 10 大型株経常増益率-小型株経常増益率 左目盛、12ヵ月先予想 68 8 66 6 64 4 2 62 0 60 -2 -4 58 大型株/小型株相対インデックス 右目盛 -6 56 -8 -10 54 11 12 13 14 年 出所:大和証券作成。 注:全上場公開銘柄の時価総額上位 10%(銘柄数ベース)を大型株、それ以外を小型株として 12 ヵ月先予想経常増益率の格差。 大型株と小型株の12ヵ月先予想経常増益率の格差をみたもので、大型/小型の相対パフォーマンスと連 動している。14年に入ってから、両者の格差はマイナスになっており、小型株が優位となりやすい状態にあ る。現状、PERの格差と増益率の格差の両面で小型株相場が形成されていると考えられる。 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 8 物色動向⑤~大型株と小型株:リビジョンインデックス % 80 60 40 20 0 -20 -40 -60 -80 大型株 小型株 -100 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 年 出所:東洋経済から大和証券作成。 注:全上場公開銘柄の時価総額上位 10%(銘柄数ベース)を大型株、それ以外を小型株。リビジョンインデックス=(今 期予想経常利益上方修正銘柄数-下方修正銘柄数)/全修正銘柄数。3 ヵ月間の合計。 大型株と小型株のRI(リビジョン・インデックス)をみると、大型株RIが小型株RIを足元で上回っている(図表4)。現状、 業績拡大モメンタムは、大型株の方が大きい。大型株の上方修正を牽引しているのは外需の加工組立関連であり、 円安・ドル高が進行することにより、大型株と小型株の増益率格差は縮小するとみられる。為替動向によって、小型 株優位の条件が崩れると考えられ、大型株優位に転じる可能性がある。 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 9 物色動向⑥~グロース・バリュー:マクロ指標との関連 0.4 0.33 0.3 0.2 0.20 0.11 0.11 0.1 0.0 0.02 -0.02 -0.1 -0.2 景気先行指数 -0.19 実質金利 -0.3 -0.4 -0.34 グロース バリュー 大型株 グロース バリュー 小型株 出所:FactSet より大和証券作成。 注:MSCI Japan を対象に、各スタイルインデックスの MSCI Japan 相対株価の前年同月比と、日本の OECD 景気先行指数の前 月比(Amplitude Adjusted)、実質金利水準(=10 年国債利回り-コアコア CPI 前年同月比)との相関係数をみたもの。計測期 間:01 年~14 年 6 月。 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 10 物色動向⑦~グロース・バリュー:実質金利とOECD景気先行指数 長期平均=100 % 3.5 日本の景気先行指数(OECD、左目盛) 10年国債利回り - コアコアCPI前年比(右目盛) 102 3.0 101 2.5 100 2.0 99 1.5 1.0 98 0.5 97 0.0 96 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 年 -0.5 出所:FactSet、QUICK より大和証券作成。 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 11 Japan Small Cap Asia ex JP US Small Cap (注) 計測期間:97年1月~13年8月の月次。各株価指数と米国債10年利回りのそれぞれ自然対数値の相関係数 を測定。 (出所)FactSetより、大和証券作成。 EU Small Cap -0.8 Japan Asia ex JP US ※巻末の注意事項を必ずお読みください Small Cap Small Value -0.6 Small Growth 0.0 US Value -0.4 Growth 0.2 -0.2 Standard 0.4 0.0 Small Value 0.2 Small Cap 0.4 Asia ex JP Small Growth 0.8 Small Value Small Growth Small Cap Value Growth Standard Small Value Small Growth Small Cap Value Growth Standard Small Value Small Growth Small Cap Value -1.0 Value 0.6 Growth -0.8 Growth 0.8 Standard 1.0 1.0 Small Value 米国債10年利回りと地域別株価指数の相関係数 Small Cap (注) 計測期間:97年1月~13年8月の月次。各株価指数と米失業率のそれぞれ自然対数値の相関係数を測定。 (出所)FactSetより、大和証券作成。 Small Growth Japan Value EU Growth ↓米失業率低下時に株価上昇傾向 Standard -0.6 Small Value -0.4 -0.6 Standard -0.4 Small Value -0.2 Small Growth 0.0 -0.2 Small Cap 米失業率と地域別株価指数の相関係数 Small Growth 0.2 Value 0.8 Small Cap 0.0 Growth 0.4 0.2 Value 0.4 Growth -1.0 Standard Small Value Small Growth Small Cap Value Growth Standard Small Value Small Growth Small Cap Value Growth ↑米失業率上昇時に株価上昇傾向 Standard Small Value Small Growth US Value Growth Standard Small Value Small Growth Asia ex JP Value Growth Standard Small Value Small Growth Small Cap Value Growth Standard Small Value Small Growth -0.8 Standard Small Value Small Growth Small Cap Japan Value Growth Standard Small Value Small Growth Small Cap Value Growth 0.6 Value Standard 0.8 Growth Standard 物色動向⑧~グロース・バリュー: QE3終了で円安→グロース株 米失業率低下時、米国債10年利回り昇時(≒出口戦略)、円安時に日本株上昇傾向。特にグロース株に注目。 円/ドルレートと地域別株価指数の相関係数 0.6 ↑ドル高(円安)時に株価上昇傾向 ↓ドル安(円高)時に株価上昇傾向 (注) 計測期間:97年1月~13年8月の月次。各株価指数と円/ドルの水準の相関係数を測定。 (出所)FactSetより、大和証券作成。 EU CRB指数と地域別株価指数の相関係数 0.6 -0.2 -0.4 (注) 計測期間:97年1月~13年8月の月次。各株価指数とCRB指数の水準の相関係数を測定。 (出所)FactSetより、大和証券作成。 EU 12 開示事項 【株式レーティング記号について】 株式レーティング記号は、今後6ヶ月程度のパフォーマンスがベンチマークとする株価指数の騰落率と比べ、以下の通り判断した事を示します。 1(買い)=15%以上上回る 2(アウトパフォーム)=5%~15%上回る 3(中立)=±5%未満 4(アンダーパフォーム)=5%~15%下回る 5(売り)=15%以上下回る 各国におけるベンチマークは以下の通りです。 日本:TOPIX、米国:S&P 500、欧州:STOXX Europe 600、香港:ハンセン指数、シンガポール:ストレイト・タイムズ指数、韓国:韓国総合指数、台湾:加権指数、オーストラリア:S&P ASX200 指数 【利益相反関係の可能性について】 大和証券は、このレポートに記載された会社に対し、投資銀行業務に係るサービスの提供、その他の取引等を行っている、または行う場合があります。そのような場合には、大和証券に利益相反 が生じる可能性があります。 【当社及び大和証券グループについて】 大和証券は、㈱大和証券グループ本社の子会社です。 【保有株式等について】 大和証券は、このレポートに記載された会社が発行する株券等を保有し、売買し、または今後売買することがあります。大和証券グループが、株式等を合計5%超保有しているとして大量保有報告 を行っている会社は以下の通りです。(平成26年8月29日現在) 北弘電社(1734) 大豊建設(1822) アコーディア・ゴルフ(2131) エイジア(2352) アルコニックス(3036) ソリトンシステムズ(3040) サンセイランディック(3277) 星野リゾート・リート投 資法人(3287) クリヤマホールディングス(3355) サンコーテクノ(3435) モブキャスト(3664) 豆蔵ホールディングス(3756) アバント(3836) セプテーニ・ホールディングス(4293) 西菱電 機(4341) ラクオリア創薬(4579) メック(4971) JCU(4975) MORESCO(5018) 有沢製作所(5208) ジオスター(5282) ジャパンパイル(5288) 中山製鋼所(5408) 東京鐵鋼(5445) オーナンバ (5816) スーパーツール(5990) ライドオン・エクスプレス(6082) 東洋機械金属(6210) レオン自動機(6272) 日精エー・エス・ビー機械(6284) オカダアイヨン(6294) 鉱研工業(6297) タ カトリ(6338) アネスト岩田(6381) 加藤製作所(6390) 兼松エンジニアリング(6402) 福島工業(6420) JUKI(6440) 三相電機(6518) ダブル・スコープ(6619) 田淵電機(6624) SEMITEC(6626) 寺崎電気産業(6637) ミマキエンジニアリング(6638) 共和電業(6853) 三社電機製作所(6882) 山一電機(6941) 芝浦電子(6957) アストマックス(7162) セフテック(7464) 国際計測器(7722) 大興電子通信(8023) マネーパートナーズ(8732) 大和証券オフィス投資法人(8976) ファーストエスコ(9514) セレスポ(9625) 帝国ホテル(9708) 丸紅建材リース(9763) (銘柄コード順) 【主幹事を担当した会社について】 大和証券は、平成25年9月以降下記の銘柄に関する募集・売出し(普通社債を除く)にあたり主幹事会社を担当しています。 大豊建設(1822) ミクシィ(2121) 日本M&Aセンター(2127) リンクアンドモチベーション(2170) ジャパンベストレスキューシステム(2453) 東京エレクトロンデバイス(2760) ファーマラ イズホールディングス(2796) アークランドサービス(3085) ブロンコビリー(3091) 物語コーポレーション(3097) ANAP(3189) 鳥貴族(3193) ホットランド(3196) プレサンスコーポレーシ ョン(3254) 大和ハウスリート投資法人(3263) アクティビア・プロパティーズ投資法人(3279) SIA不動産投資法人(3290) ヒューリックリート投資法人(3295) イーブックイニシアティブジャ パン(3658) enish(3667) コロプラ(3668) リアルワールド(3691) 日本一ソフトウェア(3851) 大王製紙(3880) クイック(4318) ダイト(4577) リボミック(4591) OATアグリオ(4979) 神戸製鋼所(5406) ウチヤマホールディングス(6059) エスクロー・エージェント・ジャパン(6093) レアジョブ(6096) 日本ビューホテル(6097) パンチ工業(6165) サン電子(6736) シャー プ(6753) 共和電業(6853) イマジカ・ロボット ホールディングス(6879) FPG(7148) 盟和産業(7284) ノジマ(7419) サンワテクノス(8137) 長野銀行(8521) 愛媛銀行(8541) 三井不動 産(8801) 東祥(8920) エフ・ジェー・ネクスト(8935) 日本ビルファンド投資法人(8951) オリックス不動産投資法人(8954) ユナイテッド・アーバン投資法人(8960) 平和不動産リート投資 法人(8966) 大和証券オフィス投資法人(8976) トップリート投資法人(8982) 大和ハウス・レジデンシャル投資法人(8984) ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)(銘柄コード順) 【その他の留意事項】 このレポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。レポートに 記載された内容等は作成時点のものであり、正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。内容に関する一切の権利は大和証券にあります。事前の了 承なく複製または転送等を行わないようお願いします。 お取引にあたっての手数料等およびリスクについて 手数料等およびリスクについて ● 株式等の売買等にあたっては、「ダイワ・コンサルティング」コースの店舗(支店担当者)経由で国内委託取引を行う場合、約定代金に対して最 大1.24200%(但し、最低2,700円)の委託手数料(税込)が必要となります。また、外国株式等の外国取引にあたっては、現地諸費用等を別途い ただくことがあります。 ● 株式等の売買等にあたっては、価格等の変動による損失が生じるおそれがあります。また、外国株式等の売買等にあたっては価格変動のほかに為 替相場の変動等による損失が生じるおそれがあります。 ● 信用取引を行うにあたっては、売買代金の30%以上で、かつ30万円以上の委託保証金が事前に必要です。信用取引は、少額の委託保証金で多額の 取引を行うことができることから、損失の額が差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。 ● 債券を募集・売出し等により、又は当社との相対取引により売買する場合は、その対価(購入対価・売却対価)のみを受払いいただきます。円貨 建て債券は、金利水準の変動等により価格が上下し、損失を生じるおそれがあります。外貨建て債券は、金利水準の変動に加え、為替相場の変動 等により損失が生じるおそれがあります。また、債券の発行者または元利金の支払いを保証する者の財務状況等の変化、およびそれらに関する外 部評価の変化等により、損失を生じるおそれがあります。 ● 投資信託をお取引していただく際に、銘柄ごとに設定された販売手数料および信託報酬等の諸経費、等をご負担いただきます。また、各商品等に は価格の変動等による損失を生じるおそれがあります。 ご投資にあたっての留意点 ● 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