作成年月日 平成 27 年 2 月 23 日 作成部局課室名 兵庫陶芸美術館 兵庫陶芸美術館特別展 「青磁のいま―受け継がれた技と美 南宋から現代まで―」 兵庫陶芸美術館の春の展覧会として、特別展「青磁のいま―受け継がれた技と美 ら現代まで―」が3月7日より始まります。 1 南宋か 特別展の概要 ゆ う しょく “青磁 ”は 、中 国に 起 源を持 つ緑 色を 基調 と した美 しい 釉 色 を特 徴と す るやき もの です。しかし 実際の 色 合いは 、生み 出され た 時代や地 域によ り、淡 い青色や オリー ブ・ グリ ーン 、 さら に は淡 い黄 色な ど さま ざ まで 、一 言で 語 るこ と ので きな い広 が りを 見 しょうらい せていま す。日 本に は 12 世紀頃から 請 来 し、 茶の湯の 発達の なかで 日本人の 美意識 によ って 選 び出 さ れ大 切に され て きま し た。 本展 では 、 時代 を 超え て多 くの 人 々を 魅 了し てや ま ない “ 青磁 ”に 焦点 を 絞り 、 歴史 的な 名品 か ら現 代 作家 の最 新作 ま でを 3 部構成で 紹介し 、その 魅力に迫 ります 。 かんよう りゅう せ ん よ う 第 1 部で は、日本 に伝 わった中 国・南宋 時代 の官 窯 や 龍 泉 窯 の名品を紹 介し、陶芸 家が手本 とした 青磁の 原点を探 ります 。 続く第 2 部では 、器形 や色合い の美し さに魅 了され、その魅 力に少 しでも近 づこう い た や は ざ ん す わ そ ざん と努力を 重ね、つ いに は近代陶 芸史に 名を残 すまでに なった 板谷波山 や初代 諏 訪 蘇 山 、 お か べ み ね お 岡部 嶺男 など 11 名の 物故作 家 による個 性豊か な作品 を展示し ます。なかで も、青磁に おけ る表 現 の可 能 性を 大き く発 展 させ た 岡部 嶺男 の作 品 につ い ては 点数 を増 や して そ の功績を 検証し ます。 そして 第 3 部で は、先 達から受 け継い だ技術 と精神を 現代に 生かす 人間国宝 の中島 宏から若 手作家 まで の 10 名の作 品によ り 、その奥深 さと ともに 、“青磁” とい うやき ものに込 められ た陶芸 家の想い を探り ます。 2 展覧会の特徴 第Ⅰ章 日本に伝わった青磁-中国・南宋時代から明時代初期- 中国から日本に伝来した陶磁器の中で、宮廷用の陶磁器を焼いた官窯や浙江省南部の龍 泉窯で焼かれた「青磁」は、茶の湯の流行とともに貴重な道具の一つとして珍重されまし ふんせいしょく きぬた た。特に南宋時代に作られた淡い青色(粉 青 色 )を特徴とする「 砧 青磁」や、元時代か ら明時代初期にかけて作れられた「天龍寺青磁」は、日本人の美意識とも合い、時代を超 えて多くの人々を魅了しました。この章では、後に多くの作り手が手本とし、創作の拠り 所とした中国の青磁の名品を紹介します。 第Ⅱ章 近代の陶芸家と青磁-写しと創作- 青磁に魅了された近代の陶芸家たちは、日本に伝わる中国の名品を愛でたり、陶片や資 料を求めたりしながら、多くの写しを試みました。器形はもちろんのこと、釉色や釉薬に 見られる貫入の表情までも、その魅力に少しでも近づこうと努力を重ねました。この章で は、再現を通して培われた技術を生かして、次第に独自の青磁を創り出した物故作家の作 品を紹介します。 しょだいみやがわこうざん さんだいせいふう よ へ い しょだいすわそざん いたやはざん しょだい う の そうよう 【出品作家】初代 宮川 香山 /三代清風 與平 /初代諏訪蘇山 /板谷波山 /初代 宇野 宗甕 / こ も り しのぶ か わ いかんじろう いしぐろむねまろ おかべみねお しみずういち みうら こ へ い じ 小森 忍 /河井 寬次郎 /石黒 宗麿 /岡部 嶺男 /清水 卯一 /三浦 小平二 1 第Ⅲ章 現代の青磁-表現と可能性- 再現や表現が難しいと言われた青磁ですが、先達らのたゆみない努力と探求心によって 技術や技法が解き明かされ、自身の想いを注ぎ込んで表現ができるようになりました。現 代の陶芸家たちは、基礎的な研究をベースにし、それぞれの独自の思考に基づくアレンジ なかしまひろし を加えながら、様々な青磁作品を創り出しています。この章では、人間国宝(中島 宏 )か ら若手作家までの多様な表現を展観します。 なかしまひろし たかがきあつし ふ か み すえはる か わ せ しのぶ しんのういわお あ お き きよたか ふくしまぜんぞう 【出品作家】中島 宏 /髙 垣 篤 /深見 陶 治 /川瀬 忍 /神農 巌 /青木 清 高 /福島善三 / うらぐち まさゆき わ か お けい つがね ひ と む 浦口 雅 行 /若尾 経 /津金 日人夢 会 4 開館時間 5 休 館 日 月曜日(ただし 5 月 4 日(月・祝)は開館、5 月 7 日(木)は休館) 6 観 覧 料 一般 1,000 円(800 円)、大学生 800 円(600 円)、高校生 500 円(400 円)、 中学生以下無料 ※( )内は前売りおよび 20 名以上の団体割引料金です。 ※65 歳以上の方は半額になります。 ※17 時以降に観覧される場合は夜間割引になります。 (一般 500 円、大学生 400 円、高校生 250 円) 7 出品点数 117点 8 9 主 後 催 援 10 協 力 11 期 平成27年3月7日(土)~5月 24 日(日)(68日間) 3 3 月 31 日(火)まで 10 時~18 時、4 月 1 日(水)から 10 時~19 時 (ただし 4 月 29 日(水・祝)から 5 月 6 日(水・振休)までは 10 時~21 時) ※いずれも入館は閉館時間の 30 分前まで 兵庫陶芸美術館、NHK 神戸放送局、NHK プラネット近畿、神戸新聞社 兵庫県、兵庫県教育委員会、篠山市、篠山市教育委員会、丹波市、丹波市教 育委員会、(公財)兵庫県芸術文化協会 丹波立杭陶磁器協同組合 関連イベント (1) 記念講演会 「青磁-古陶磁鑑賞から創作への歩み」 ・日 時:5 月 16 日(土) 14 時~15 時 30 分 からさわ まさひろ ・講 師:唐澤 昌 宏 氏(東京国立近代美術館工芸課長、本展監修者) ・場 所:当館研修棟 1F セミナー室 ※参加費無料(ただし、観覧券の半券が必要です) ※事前申込制(先着 110 名)、詳しくはお問い合わせ下さい。 (2) アーティスト・トーク ・日 時:4 月 25 日(土) 14 時より ふ か み すえはる ・講 師:深見 陶 治 氏(陶芸作家、本展出品作家) ・聞き手:弓場紀知(当館副館長) ・場 所:展示会場 ※参加費無料(ただし、観覧券が必要です) ※事前申込不要、詳しくはお問い合わせ下さい。 2 (3) ワークショップ せいじゆう 「青磁釉 作りに挑戦!丹波青磁を作ろう」 ・日 時:4 月 19 日(日) 13 時より ・場 所:当館エントランス棟 1F 工房 ※事前申込制(有料、定員 20 名、応募者多数の場合は抽選) ※応募〆切 4 月 7 日(火)、詳しくはお問い合わせ下さい。 (4) 当館学芸員によるギャラリートーク ・日 時:3 月 21 日(土) 、4 月 4 日(土)、4 月 18 日(土)、5 月 9 日(土)、5 月 23 日(土) ※いずれも 11 時より(観覧券が必要です) (5) 同時開催事業 ・テーマ展「TAMBA NOW+ ―いま、丹波で活躍する作家たち―」 7 月 12 日(日)まで(途中、展示替えあり) ・2014 年度著名作家招聘事業ワークショップ しょけい 「井上雅之 初形 より-展示」 3 月 7 日(土)、8 日(日)、28 日(土)、29 日(日) 作品展示:3 月 7 日(土)~3 月 29 日(日) ※ただし、3 月 7 日(土)、8 日(日)は作品設置作業を、29 日(日)は作品撤去作業を それぞれ一般公開しますので、完成した展示をご覧いただける時間が限られます。 ※詳しくはお問い合わせ下さい。 12 主な出品作品 りゅうせんよう せ い じ ほうおうみみへい 龍 泉 窯 青磁 鳳凰 耳 瓶 中国・南宋時代 13 世紀 東京国立博物館 ふ か み すえはる 深見 陶 治 2012-14 年 (個人蔵) きつ 屹 みうら こ へ い じ なかしまひろし 三浦 小平二 せ い じかざりつぼ おかべみねお 中島 宏 こ ぞう 青磁 飾り壺 「仔 象 」 1989 年 東京国立近代美術館 すいせいじおおわん 岡部 嶺男 翠青瓷大盌 1968 年 (個人蔵) せ い じ ちょうもんつぼ 青瓷 彫 文 壺 2013 年 (個人蔵) 【問い合せ先】兵庫陶芸美術館 学芸課、企画・事業課 電話:079-597-3961 FAX:079-597-3967 E-mail: [email protected] 3 <参考>同時開催のテーマ展 「TAMBA NOW+ ―いま、丹波で活躍する作家たち―」 1 概 要 丹波焼は、平安時代末期に誕生し、緑豊かな自然が残る、兵庫県篠山市今田町の地で、今も やきしめ と う き なお作り続けられ、人々を魅了しています。中世には鮮緑色の自然釉がかかった焼締陶器が、 近世にはさまざまな装飾技法や釉薬を駆使したやきものが焼成されました。現在も伝統を受け 継ぎ、また新たな造形や技法・意匠などを取り入れた、多様な作品が生み出されています。 兵庫陶芸美術館は、この丹波焼のふるさとに 2005 年 10 月に開館しました。10 周年を迎える 本年、開館 10 周年記念として、夏から冬にかけて3季連続で丹波焼の特別展を開催します。本 展はそれらに先駆け、 丹波焼のふるさとを制作の場として活躍する作家の作品を通じて、 「丹波」 の今の姿を幅広く紹介します。 3会期のうち、PartⅠでは、丹波焼の伝統的な作り方に、自己の想いを映し出したやきもの を生み出し、また後進の指導に当たってきた作家たちの作品。PartⅡでは、伝統を尊重しなが ら、これまでの丹波焼にはなかった技法やかたちを積極的に取り入れ、現代の「丹波」を牽引 する作家たちの作品。PartⅢでは、伝統を意識しながら、みずみずしい感性によって制作に携 わる、未来の「丹波」を担う作家たちの作品を展示します。 なお、開館 10 周年にあたる本年、築窯 120 周年を迎える登窯の修復が進められています。記 念すべきこの年に、丹波焼のふるさとでは登窯の修復を支援する事業、イベントが数多く催さ れています。それらと同じ時期に開催致します本展が、当地活性化のきっかけのひとつとなれ ば幸いです。 2 会 期 PartⅠ PartⅡ PartⅢ 2015 年 3 月 3 日(火)~4 月 12 日(日) 2015 年 4 月 15 日(水)~5 月 24 日(日) 2015 年 5 月 27 日(水)~7 月 12 日(日) 3 会 場 兵庫陶芸美術館 展示室3 4 開館時間 10 時~19 時 ただし 4 月 29 日(水・祝)から 5 月 6 日(水・振休)までは 10 時~21 時 (入館はいずれも閉館時間の 30 分前まで) 5 休 館 日 月曜日 ただし 5 月 4 日(月・祝)は開館、5 月 7 日(木)は休館 6 観 覧 料 一般 200(160)円、大学生 150(120)円、高校生 100(80)円、中学生以下無料 ※特別展開催期間中は特別展の観覧料に含まれます。 ※( )内は前売り及び 20 名以上の団体割引料金です。 ※65 歳以上の方は半額になります。 ※障害のある方およびその介護者1名は半額になります。 ※午後5時以降に観覧される場合には、夜間割引料金(半額)になります。 7 主 兵庫陶芸美術館、丹波新聞社 催 8 出品作家 PartⅠ いちの えつお いちのこうじ いちのしげこ い ち の としなり い ち の のぶゆき い ち の まさる いまにしきみただ おおがみゆたか おおにしせいいち おおにしふみひろ うえなかいな う え も ん 市野悦夫/市野晃司/市野茂子/市野年成/市野信行/市野 勝 /今西公忠/上中稲右衛門 おおがみいそまつ おおがみたくみ おおがみ ま さ じ きたむらけいせん し み ず あきよし /大上磯松/大上 巧 /大上雅司/大上 裕 /大西誠一/大西文博/北村圭泉/清水昌義/ しみず ただよし しみず ち よ いち しみ ず としひこ し みず み わ お しょうげんたくみ しょうげんとよかず すぎはらしょうこう 清水 忠 義 /清水千代 市 /清水 俊 彦 /清水美和雄/ 正 元 功 / 正 元 豊 一 /杉原 祥 公/ すぎはらしょうじ にしはたただし まつもとつよし り すーよん 杉 原 彰 二 / 西 端 正 / 松 本 強 /李壽英/ PartⅡ いくたせいこ い ち の きよ はる い ち の げん しょう いちのげんわ い ち の こう しょう い ち の まさとし い ち の まさひこ い ち の しん すい いちのたつや い ち の てつ じ 幾田晴子/市野清治/市野元 祥 /市野元和/市野浩 祥 /市野信水/市野達也/市野哲次 い ち の としひこ い ち の ひでかず いちのひでゆき いちのよしき い ち の よしゆき いまにしとおる /市野年彦/市野英一/市野秀之/市野雅利/市野雅彦/市野吉記/市野良行/今西 徹 / おおがみかずのり おおがみよしひと おおにしくにひこ おおにしやすひろ しみずいちじ し み ず けいいち し み ず とよかず しょうげん よ う こ 大上和則/大上喜仁/大西邦彦/大西保宏/清水一二/清水圭一/清水豊和/正 元 容子/ はたけん もりもとやすゆき もりもとよしひろ 畠賢/森本靖之/森本芳弘/ PartⅢ い ち の かずとし い ち の かつ き いちのけんた い ち の しゅうさく いちのたろう いちの い ち の ひろあき い ち の まさひろ 市野和俊/市野勝磯/市野健太/市野 秀 作 /市野太郎/市野ちさと/市野弘明/市野正大 いまにしまさひこ うえなか つ よ し おおがみ い よ おおがみ こ う じ おおがみ ゆ う き おおにしまさふみ お と き た み ほ しょうげんやすなり すぎはら こ う じ すぎはらしんいち /今西公彦/上中剛司/大上伊代/大上晃司/大上裕樹/大西雅文/音喜多美歩/ しみずかずや し み ず たけし なかおかのぶひと にしはたはるな し み ず ま さ とし し み ず よしひさ た な か さとる 清水一也/清水 剛 /清水万佐年/清水義久/正 元 凡斉/杉原幸治/杉原伸一/田中 聡 / の む ら ごうじん 仲岡信人/西端春奈/野村豪人
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