ジュニア派遣報告書 - 長崎県バスケットボール協会審判委員会

大会派遣報告書
1.派遣大会名 東日本大震災復興支援 第 28 回都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会
(Junior All Star 2015)
2.派遣期間
平成 27 年 3 月 26 日(木)〜30 日(月)
3.派遣者
松永 雄平(佐世保)
4.日程
26 日(木) 移動 長崎空港〜東京国際空港(羽田)
宿泊 都市センターホテル
27 日(金) 審判研修会(港区立青山中学校)
審判会議(都市センターホテル)
審判レセプション(都市センターホテル)
28 日(土) 大会初日 予選リーグ(埼玉県越谷市総合体育館)
29 日(日) 大会2日目 決勝トーナメント1日目(東京体育館)
30 日(月) 大会最終日 準決勝・決勝(東京体育館)
移動 東京国際空港(羽田)〜長崎空港
5.研修内容
27 日(金) 審判研修会
3グループに分かれて実施。
会場:港区立青山中学校
(C グループ:A 級7名、日本公認17名/男性14名、女性10名)
講師:福岡敏徳(本部・長崎県・AA 級)
中嶽希美子(本部・千葉県・国際)
午前中:ファンダメンタル研修「正しい位置で正しい判定を」
(1)位置取りによる見え方の違いを検証
(2)ルーズボールの判定
(3)2対2の判定(リード・トレイルの動き)
(4)3対3の判定(ハーフコート・オールコート)
マニュアルの4原則(Boxing in/Always Moving/Space Watching/Penetrate) を確認し
た。
・悪い位置からの判定はミスにつながる。
・常により良い位置を求めて動くことが重要である。
午後 ゲーム研修
男子 足立学園 対 立教
主審 橋本英樹(神奈川県・日本公認)
副審 松永雄平(長崎県・日本公認)
審判主任 中嶽希美子氏
ゲームの反省
・ファンダメンタル研修でやったこと(位置取り・視野分担)について「いつもの自分」ではな
く、もっとチャレンジしてほしい。
・足が動いていた時間帯は、予測が外れても、対応して動いていたが、足が止まってしま
った時間帯があった。
・プレゲームカンファレンスでは、お互いから遠い場所でプレーが起こることがないようにし
ようという確認をしてゲームに入った。アイコンタクトをとり、できる限り遠いところをつくらな
いように努力したが、細かい動きが不足していたために、判定に響いてしまった。
改善すべき点
・メカニック
トレイル・リードとも、もっと細かい動きが必要。キープレイヤーのマッチアップに対する視野
のあて方など、「意図」をもって動くこと。
・ファウル
「吹かなければいけない」ではなく、1つ1つを確認して、ベストポジションからの判定をする
こと。予測が外れても次の対応をすること。
・ヴァイオレイション
アウト・オブ・バウンズについては、よく確認できた。ドリブルに癖があるプレイヤーなどを早く
掌握し、早い段階で視野のあて方を修正すること。
・全体を通して
ポジショニングに一貫性(Always Moving)がなければ、判定にも一貫性がなくなる。細か
い動きがもっとあると、スムーズにゲームが運営できるのではないか。
28 日(土) 本戦(予選リーグ)
会場:越谷市総合体育館
女子 埼玉 対 富山
主審 阿部 敬太(岩手県・A 級)
副審 松永 雄平(長崎県・日本公認)
審判主任 中村 浩仁氏(青森県・A 級)
両チームとも2試合目だったので、チームの特性を抑えてゲームに入ることができた。ゾ
ーンディフェンスに対する位置取りとエリア3に対する対応、両チームの特性を2人で話し
てゲームに入った。
出だしから埼玉がリードする展開となり、その中で判定をするのに迷う場面もあったが、全
体としてまとまったゲームとなった。特に、ショットに対するペネトレイト、確認はよくできてお
り、一貫した基準を示すことができた。課題としては、次の点が挙げられる。
・プレイヤーの癖をより早く捉え、判定すること。
・ゲームを通したトラヴェリングの判定の一貫性。
29 日(日) 本戦(決勝トーナメント)
会場:東京体育館
男子 秋田 対 石川
主審 森元 隆之(東京都・A 級)
副審 松永 雄平(長崎県・日本公認)
審判主任 石川 淳也氏(大阪府・A 級)
森元氏より
2人で協力して判定できたのではないか。1人で判定しなければいけない場面できちんと
判定していたので、任せることができた。リバウンドファウルについてもう少し整理ができると
良かった。
石川氏より
・自分の責任エリアからのドライブなど、いい位置から判定することができていた。
・リードのとき、コートに近づきすぎている。離れていればもっと自信を持って判定できてい
た場面があったのではないか。
・注目すべきマッチアップに対する判定を、もっと早めに笛を入れると、もっと良かった。
・TO へのレポーティングが少し早い。
・相手審判と視野が重なり、判定してしまう場面があった。
田邊真由美氏(本部・兵庫県・AA 級)より
・注目すべきマッチアップへの対応をもっと早くすること。
・アシスタントコーチの判定に対するアピールは、テクニカル・ファウルの対象である。
・ストレートラインから判定してしまうケースが見られた。
・もっと積極的に判定していい場面が多々ある。
今自分の身についているスタイルの中で、変えていかなければいけない部分がある。日
頃の取り組みをもう一度見直し、新たなスタイルを確立していきたい。
6.所感
大会最終日
AA 級3名、A 級7名、日本公認4名が割り当てられた。男女決勝は3パーソンであった。
男女とも速く力強いプレーで、ベスト4にふさわしい対戦となった。その中で感じたのは以
下の通りである。
・正しい位置にいなければ、判定をすることができない。
・正しい位置取りをすれば、自信を持って判定できる。
・判定に一貫性がなければ、ゲームのまとまりと審判への信頼感はない。
・判定に一貫性を持たせるためには、常に正しい位置取りをする必要がある。
・正しい判定は、審判への信頼感と競技力の向上につながる。
当たり前のことではあるが、このことをやり抜くためには厳しさと努力が必要である。今後の
取り組みに生かしたい。
日頃、県内やブロックで取り組んでいることは決して間違いではないということが確認で
きた大会でした。ただ、その取り組みの中に甘さがあることは、反省すべきだと思いまし
た。次の日の割当をもらえるかどうかは、とてもシビアな世界です。朝起きて、ドアの下から
割当が差し込んであればその日の割当があります。今回は、最終日4名の日本公認審
判員が割当をもらいました。研修生はその割当をもらえることを目指して全国から集まっ
ています。今後、大会では最終日の割当をいただけるように、また、上級審判員を目指し
て日々努力を重ねていきます。
また、FIBA の制裁を機に、日本のバスケットボールは転換期を迎えようとしています。
我々審判員や指導者(中学校の教員)に課せられた役割の一つは、その変化を感じて自
チームや地域の生徒、子どもたちに自分ができる限りのバスケットボールを伝え、還元し
ていくことだと、今回多くの方とお話しする中で感じました。今後なお一層精進し、審判員
として、指導者として、自覚を持って頑張っていきます。
最後になりましたが、今回お世話になりました日本バスケットボール協会、東京都・埼玉
県・千葉県・神奈川県の各中体連・バスケットボール協会の皆様、派遣いただいた長崎
県バスケットボール協会審判委員会の皆様をはじめ、関係の皆様に厚く御礼を申し上
げ、お礼の言葉とさせていただきます。本当にありがとうございました。