非シリコン系で活性度の高い表面調整剤 BYK®-399 のご紹介 2014 年 11 月 ビックケミー:ジャパン株式会社 テクニカルサービスラボ 日野真司 はじめに レべリング性やハジキ防止を表面調整剤は有効である。おもにシリコン系で総称される有機変性ポリ ® シロキサンやアクリル系ポリマーが用いられる。ここでは非シリコン系の表面調整剤 BYK -399 を紹介 したい。非シリコン系にもかかわらず、表面張力を下げる事で濡れ性を上げ、ハジキ防止効果を有し、 さらに膜の平滑性も向上させる。 表面での機能発現のメカニズム ® 図 1 に模式図を示す。BYK -399 はその極性により、塗装後に液の表面に局在化する。アルキル鎖はポリ マー主鎖と比べ、相対的に低極性なので、気液界面に配向する。それで液特性や膜特性を変える事がで きる。 アルキル鎖 ポリマー主鎖 塗布液・膜 実験結果 表 1 に添加剤を加えた時の塗料の表面張力と、成膜後の平滑性を示す。P.H.R は Per Hundred Resin の略で、樹脂固形分 100 に対する添加剤有効成分の割合重量%である。塗料の表面張力は白金リング法 を用いて測定した。平滑性は BYK-Gardner 製の Wave Scan で測定し、Short Wave(SW)と Long Wave(LW)を表示した。数字は小さいほうが平滑である。 ® 検討した系はアクリルメラミンの焼き付け塗料を用い、表面調整剤はポリマー系の BYK -399 とアク ® リル系の BYK -392 を比較した。塗料の表面張力であるが、コントロールが 27.68mN/m、アクリル系の ® ® BYK -392 は 27.70mN/m と同じであった。それに対して BYK -399 は 26.92m/Nm とコントロールに比 べ 0.8mN/m ほど低い。ちなみにシリコン系は同様の添加量で、3-5mN/m 程度下げる。シリコン系には ® 及ばないが、BYK -399 は非シリコンにもかかわらず、表面張力低下能を有する。 ® ® 次に膜の平滑性についてみてみよう。コントロールに対して、BYK -399 も BYK -392 も SW、LW と ® もに低く、平滑性が向上していることがわかる。なかでも BYK -399 は SW、LW ともにかなり小さくな ® っている。SW は比較的小さなちりちり肌、LW は大きめのゆず肌に対応しており、BYK -399 は全面的 に平滑性を向上させている。 1 添加剤有効 成分 % 添加量 P.H.R - - BYK -399 ® 100 ® 52 Control BYK -392 塗料表面張力 mN/m 平滑性 SW LW 27.68 49.2 25.4 0.5 26.92 9.6 13.0 0.5 27.70 35.0 17.0 ® BYK -399 期待される効果と使い方例 少量で効果を発揮する。 わずかではあるが表面張力を下げるので、ハジキ防止効果が期待できる。 泡を安定化することがなく、消泡効果を有する。 レベリング性に優れ、膜の平滑性を向上する。 シリコン系表面調整剤を用いることができないときに、非シリコンの有力な表面調整剤の候補。 フッ素変性アクリルに代わる表面調整剤。 溶剤系の焼き付け塗料や 2 液ウレタン塗料に適する。 ビックケミー・ジャパン株式会社 http://www.byk.com/jp 本社:〒162-0845 東京都新宿区市谷本村町 3-29 TEL 03-6457-5501 (代) 大阪:〒530-0004 大阪市北区堂島浜 1-4-4 TEL 06-4797-1470 (代) 尼崎テクニカルサービスラボ:〒660-0083 兵庫県尼崎市道意町 7-1-3-510 TEL 06-6415-2660 (代) 2
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