Scan Speed の違いが画像に及ぼす影響

[目的]
Whole body imageにおける
スキャン速度が
画像に与える影響について
骨シンチグラフィー等の全身検査で
Wholebody(以下WB)収集時の
スキャン速度の変化が
倉敷中央病院 放射線センター
○ 山本 和幸
画像にどのような影響を与えるか評価する。
松友 紀和
渡辺 治夫 佐々木 二梅恵
小原 耕一
長木 昭男
Kurashiki Central Hospital
Kurashiki Central Hospital
[実験方法]
[使用機器]
1.円形ファントムを用いた均一性の比較
・ 東芝メディカル社製GCA7200/PI
・ 低エネルギー高分解能型コリメータ
・ 東芝メディカル社製GMS-5500/PI
・ 円形ファントム(5cm径)
・ ラインソースファントム
・ Hot-Coldファントム
99m
99mTc溶液を0.518MBq/mlから濃度を5段階に変化させて
容器(容量7ml)に入れ円形ファントムとし、バックグラウン
ドには0.067MBq/mlの面線源を使用した。ガンマカメラま
での距離を10cmとして収集を行い、収集イメージのROIか
らCV値を求め均一性の評価を行なった。
また濃度直線性についても評価を行なった。
ROI1
ROI2
ROI3
ROI4
ROI5
Kurashiki Central Hospital
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[収集条件]
2. 空間分解能の比較
ラインソースを用いてFWHMの測定を行い
空間分解能の比較を行った。
3.Hot-Coldファントムによる視覚評価
Hot-Coldファントムを縦に置いて収集を行い
WholebodyとStatic共に同じマトリックスサイズ
で表示させ、ホット部及びコールド部の
視覚評価を行った。
Kurashiki Central Hospital
コリメータ : LEHR
Wholebody 収集条件
・移動速度 10、15、20、25 、30cm/min
Static収集条件(基準画像)
・4min収集
Kurashiki Central Hospital
[結果]
2. 濃度直線性の比較
1. 均一性の比較
40
1
WB(cm/min)
20
25
30
4
30
CV値(%)
15
20
カウント比
10
Static(min)
10
0
ROI1
ROI3
濃度→
0
ROI5
WB(cm/min)
10
Static(min)
FWHM[mm]
1
Kurashiki Central Hospital
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3. 視覚評価 WB & Static (Hot)
3.空間分解能の比較
10
濃度比
15
20
25
30
10cm/min
15cm/min
20cm/min
25cm/min
30cm/min
4min Static
4
5
10
15
20
25
30
4
0
Wholebody
Wholebody
基準
Static
Static
Kurashiki Central Hospital
Kurashiki Central Hospital
3. 視覚評価 WB & Static (Cold)
10cm/min
15cm/min
20cm/min
25cm/min
30cm/min
4min Static
[まとめ]
1. 均一性の比較
均一性を比較した結果
低濃度域で収集速度による影響を受けることから
Staticと同等の画像を得る
WB収集速度は20cm/min以下となった。
2. 濃度直線性の比較
WBのスキャン速度が変化しても
濃度直線性は保たれている。
基準
Kurashiki Central Hospital
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[結語]
3. 空間分解能の比較
FWHMはWBスキャン速度の変化を問わず
Staticと比較しても同等の値を示した。
今回の結果からWB収集速度の増加は画像の
均一性の低下を引き起こし、画質の劣化へとつ
ながり本来の信号が不明瞭となる。
4.視覚評価
WB画像がStatic画像と同等に見られる収集速度は
Hotファントム: 25cm/min
Coldファントム : 15cm/min
以下となった。
Kurashiki Central Hospital
このことを理解した上でスループットと患者への
身体的負担考慮し、各施設の条件に合った収集
条件設定にすることが望ましい。
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