¨ ¥ § 中 3 数学 ¦ 相似 目次 相似な図形 1 1.1 相似な図形の性質 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1 1.2 三角形の相似条件 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1 1.3 三角形の相似の証明 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2 1.4 相似の証明と線分の長さ《基本》 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4 1.5 相似の証明と線分の長さ《応用》 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7 1.6 相似の証明と線分の長さ《発展》 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9 1 平行線と線分の比 2 11 2.1 平行線と線分の比《基本》 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 11 2.2 平行線と線分の比《応用 I》 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13 2.3 平行線と線分の比《応用 II》 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14 2.4 平行線と線分の比《発展》 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 15 3 三角形の面積比の求め方 17 4 中点連結定理 20 4.1 中点連結定理をつかった証明 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 20 4.2 中点連結定理の応用≪重心≫ 21 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 補足 23 角の二等分線の性質 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 23 6 総合演習 25 7 相似と計量 29 5 5.1 7.1 相似比と面積比 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 29 7.2 相似比と体積比 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 34 解答 38 この単元では, 「相似」を学習する。おもに平面図形にかんする問題が多いが,中2で学習した「合同」に比べると,かなり高 度な内容を含んでいる。 特に高校入試においては必ず出題される単元で,「円」やこの後の「三平方の定理」などとの複合問題が中心となる。 今の教科書レベルでは,「重心」を取り扱っていないが,私立高校受験を考えると,ある程度まで深く学習する必要があるこ とから,教科書レベルを越えた部分まで解説している。 1.1 相似な図形の性質 1 相似な図形 – 1 – 相似な図形 1 そうじ ◆ たがいに拡大・縮小の関係にある図形を,「相似」であるという。 いいかえると,「形が同じで, 大きさの異なる図形」は相似であるという。 ◆ 相似の記号,「 ∽ 」をつかって表す。 ¨ ¥ §例 ¦ △ABC ∽ △PQR 「 三角形 ABC 相似 三角形 PQR 」とよむ。 注 ⃝ 対応する頂点の順番がそろうようにかくこと 1.1 相似な図形の性質 ⇒ 相似な図形でいえること ¨ ¥ 右の図で △ABC ∽ △PQR であるとすると, §例 ¦ A (1) 対応する辺の長さの比は等しい。 1 対応する辺どうしで考えて, ⃝ AC:PR = 1:2 なら,AB:PQ=1:2 c a B BC:QR=1:2 C b つまり,AB:PQ = BC:QR = AC:PR P 2 また,次のようにもいえる。 ⃝ r p △ABC で, AB:AC:BC = 3:4:5 なら △PQR でも, PQ:PR:QR = 3:4:5 である。 Q (2) 対応する角の大きさは等しい。 q 右の図で, ∠A=∠P,∠B=∠Q,∠C=∠R である。 1.2 R 三角形の相似条件 ⇒2 つの三角形が相似であることをいうために必要なこと 【例】上の △ABC と △PQR で 相似条件 1 ⃝ 3 組の辺の比が等しい。 a:p = b:q = c:r なら相似といえる 2 ⃝ 2 組の辺の比が等しく,その間の角が等しい。 例えば,a:p = b:q ,∠B=∠Q なら相似といえる 3 ⃝ 2 組の角がそれぞれ等しい。 例えば,∠A=∠P,∠B=∠Q なら相似といえる 次の中から相似な三角形の組をすべて答えよ。また,そのときの相似条件をかけ。 1 A J 3.6 D 3.1 3 2 2.4 3 B G E 2.5 C 60◦ H F 50◦ 40◦ K I 3 3 P M V S 3 4 40◦ N 80◦ O L 5 2 3 50◦ 1.4 50◦ Q 2.1 R T 6 U W X – 2 – 1 相似な図形 1.3 1.3 三角形の相似の証明 三角形の相似の証明 ◆ 証明のかき方は合同のときとほぼ同じ。 3 の「2 組の角がそれぞれ等しい 」が最も多いので,等しい角を 2 組さがす。 ◆ 使う条件は,前ページ⃝ 【三角形の相似の証明の手順】 ¨ ¥ 3 で使うおもな定理 ⃝ § ¦ 証明の手順 ・対頂角は等しい 1 2 つの三角形をかく ⃝ ・平行線なら ⇒ 同位角・錯角は等しい 2 仮定 (問題文) を利用してかく ⃝ ・円なら ⇒ 円周角は等しい 3 定理などを利用してかく ⃝ ・二等辺三角形なら ⇒ 底角は等しい 4 相似条件をかく ⃝ ・平行四辺形なら ⇒ 対角は等しい 5 結論をかく ⃝ ・共通で等しい など ・この他,「三段論法」を使う場合もある。 ¶ 例 ³ 題 A 【例 1】 右図で,AB=6cm,AD=4cm, DC=5cm であるとき, D △ABD ∽ △ACD であることを証明せよ。 B 【手順】 【証明】 2 つの三角形を上げる △ABD と △ACB において, 仮定から分かることをかく 1 仮定より,AD:AB=4cm:6cm=2:3 …⃝ C 2 AB:AC=6cm:9cm=2:3 …⃝ その他に分かることをかく 3 共通な角より,∠BAD=∠CAB…⃝ 相似条件をかく 1, ⃝ 2, ⃝ 3 より,2 組の辺の比が等しく, ⃝ その間の角が等しいので △ABD ∽ △ACD 結論をかく µ ´ 下の図の △ABC で,頂点 A から辺 BC へ,頂点 C から辺 AB へそれぞれ垂線 AD,CE をひくとき,△BAD ∽ △BCE 1 であることを証明せよ。 A E B D C ¨ ¥ § ¦ 証明 相似の証明 《基本》 2 1 相似な図形 – 3 – 下図の三角形 ABC の辺 AC 上に,∠ABC=∠ADB となるような点 D をとる。このとき,△ABC ∽ △ADB となること を証明せよ。 ¨ ¥ § ¦ 証明 A D B 3 C 下図の三角形 ABC で,AB=12cm,BC=16cm である。いま,辺 BC 上に BD=9cm となる点 D をとる。このとき, △ABC ∽ △DBA となることを証明せよ。 ¨ ¥ § ¦ 証明 A B D C – 4 – 1 相似な図形 1.4 相似の証明と線分の長さ《基本》 相似の証明と線分の長さ《基本》 1.4 相似の問題では, 「線分の長さを求めること」が中心となる。⇒ そのためには対応する辺を見つける。 ¨ 方法 1 ¥ ¦ 問題文は,必ず「対応する頂点の順」になっているので,それを利用する。 ¥ §方法 2 ¦ 3 辺の短・中・長がはっきりしている場合 § ¨ その 1 対応する「短:短」,「中:中」, 「長:長」 で式をつくる。 ¨ ¥ その 2 1 つの三角形の「短:中」,「短:長」,「中:長」 で式をつくる。 §方法 3 ¦ 対応する角がはっきりしている場合 対応する角にマークをつけて,マーク順で対応する辺を見つける。 ¶ 例 A 【例 2】 左図で,△ABC ∽ ³ 題 △ADB である。AB=6cm,AD=4cm のとき,DC の 長さを求めよ。 D 【準備】 対応する辺を見つけて,比例式をつくる。 ⇒ それぞれの短・中・長をみつける。 B C △ABC で,短(AB)・中(BC)・長(AC)である。 △ADC では,短(AD)・中(DB)・長(AB)である。 【解答】 DC= xcm とすると,AC= 4 + x(cm)となる。 対応する辺の比は等しいから,AB:AD=AC:AB より, 6:4=(4+x):6 内項の積 = 外項の積より, 4(4+x)=6×6 4x = 20 より,x = 5 µ 1 ´ 右の図で,∠ABC=∠AED であるとき,次の問に答えよ。 A (1) △ABC ∽ △AED であることを証明せよ。 D E B (2) AE=4cm,EC=2cm,AD=3cm のとき,DB の長さを求めよ。 C 相似の証明と線分の長さ《基本》 1.4 2 1 相似な図形 – 5 – 右の図で,∠ACB=∠ADC であるとき,次の問に答えよ。 A (1) △ABC ∽ △ACD であることを証明せよ。 D C B (2) AD=9cm,DB=7cm のとき,AC の長さを求めよ。 3 右の図で,AB=9 cm,AC=6 cm,∠ACB=∠ADC のとき,次の問に答 えよ。 A (1) △ABC ∽ △ACD を証明せよ。 D B (2) AD の長さを求めよ。 C – 6 – 1 相似な図形 4 1.4 相似の証明と線分の長さ《基本》 右の図で,∠ABE=∠ACD であるとき,次の問に答えよ。 A (1) 相似な三角形を 1 組さがし,その 1 組の三角形が相似であることを証 明せよ。 D F B E C (2) AD=3cm,DB=3cm,AC=5cm のとき,EC の長さを求めよ。 5 右の図で,∠BDC=∠BEA であるとき,次の問に答えよ。 A (1) 相似な三角形を 1 組さがし,その 1 組の三角形が相似であることを証 明せよ。 D F B (2) AB=10cm,BC=12cm,CE=6cm のとき,AD の長さを求めよ。 E C 相似の証明と線分の長さ《応用》 1.5 1.5 1 相似な図形 – 7 – 相似の証明と線分の長さ《応用》 三段論法を使った証明問題。 ¶ 例 ³ 題 A 【例 3】 右の図で,1 辺 9cm の正三角形 ABC の辺 BC,AC 上にそれぞれ点 D,E を とる。BD=3cm,∠ADE=60◦ のとき次の問に答えよ。 E 60◦ (1) △ABD ∽ △DCE を証明せよ。 B D C △ABD と △DCE において, 1 三角形 ABC は正三角形だから,∠ABD=∠DCE=60◦ …⃝ 2 ここで,△ABD の外角より,∠ADC=60◦ +∠BAD…⃝ 3 また,∠ADC=60◦ +∠CDE…⃝ ⃝ 2 ,⃝ 3 より,∠BAD=∠CDE…⃝ 4 1 ,⃝ 4 より,2 組の角がそれぞれ等しいので,△ABD ∽ △DCE ⃝ (2) 線分 AE の長さを求めよ。 AE= xcm とすると,CE= 9 − x(cm)。 短:短,長:長で式をつくると,BD:CE=AB:DC。 µ 1 よって,3:(9 − x)=9:6。これを解くと,x = 7cm。 AB//DC で,∠B=∠C=90◦ である台形 ABCD がある。辺 BC 上に ∠APD=90◦ となる点 P をとるとき,次の問に答えよ。 (1) △ABP ∽ △PCD となることを証明せよ。 ´ A D B (2) AB= 8 cm,BC= 10 cm,CD= 3 cm のとき,BP の長さを求めよ。 P C – 8 – 1 相似な図形 2 1.5 相似の証明と線分の長さ《応用》 右の図のように,直角三角形 ABC の頂点 A から斜辺 BC に垂線をひき A 交点を H とする。AB= 8 cm,BC= 10 cm,AC= 6 cm のとき,次の問 に答えよ。 (1) △ABH ∽ △CAH を証明せよ。 B H C (2) 辺 AH の長さを求めよ。 3 下の図で,直角三角形 ABC の頂点 B から,斜辺 AC に垂線を下ろし,交点を D とする。AD= 6 cm,CD= 3 cm の とき,BD の長さを求めよ。 A D B C 相似の証明と線分の長さ《発展》 1.6 1.6 1 1 相似な図形 – 9 – 相似の証明と線分の長さ《発展》 右の図で,平行四辺形 ABCD の辺 AB 上に点 E をとり,点 D,点 C を点 E を A D それぞれ結ぶ。 AE=5cm,DE=8cm,CE=6cm,CD=9cm のとき,次の問に答えよ。 8 5 (1) 右の図において,相似な三角形1組を選び,相似であることを証明せよ。 9 E 6 B C (2) AD の長さを求めよ。 2 右 の 図 で ,AB=AC で あ る △ABC の 辺 BC 上 に 点 D を と り , ∠ABC=∠ADE となるような点 E を辺AC上にとる。AB=AC= 8 cm, A BC= 12 cm のとき,次の問に答えよ。 8 cm (1) △ABD ∽ △DCE を証明せよ。 B 8 cm E C D 12 cm (2) BD= 3 cm のとき,AE の長さを求めよ。 (3) BD= 4 cm のとき,DE の長さを求めよ。 – 10 – 1 相似な図形 3 1.6 相似の証明と線分の長さ《発展》 右の図で,長さ 9cm の線分 BD 上に 1 辺 6 cm の正三角形 ABC と,1 A 辺 3 cm の正三角形 CDE がある。次の問に答えよ。 (1) △BCF ∽ △AGF を証明せよ。 E G F H B (2) CH の長さを求めよ。 (3) AG:GD を求めよ。 (4) BF:FG:GE を求めよ。 (5) △AFG の面積は,△ABC の面積の何倍か。 C D 平行線と線分の比 2 平行線と線分の比 – 11 – 平行線と線分の比 2 ◆ 3 つのパターンに分けられる。使い方を混同しないように注意が必要。 1 パターン I】 【⃝ A 左の図で,MN//BC であるとき,△AMN ∽ △ABC。 m よって,対応する辺の比は等しいから,次の関係が成り立つ。 n a ¨ ¥ a :m = b:ℓ = c:n § ¦ c N M ℓ また,次のように言うこともできる。 B ¨ ¥ a :b:c = m:ℓ:n § ¦ C b 注 このパターンは単純に三角形の相似を使っているだけ。次のパターンと ⃝ 混同しないようにすること。 2 パターン II】 【⃝ 左の図で,MN//BC であるとき,次の関係が成り立つ。 ¨ ¥ m:n = p:q = a:c § ¦ A m n a c N M p また,次のように言うこともできる。 ¨ ¥ a:m:p = c:n:q § ¦ q 注 上のパターン⃝ 1 と混同しないようにすること。 ⃝ B C p, q が入ってくると,ℓ, b は使えない。 また,対応する辺の順序で式をつくること。 3 パターン III】 【⃝ 左の図で,ℓ // m // k であるとき,次の関係が成り立つ。 ℓ m ¨ ¥ m:n = p:q = a:c § ¦ n a c p m また,次のように言うこともできる。 q ¨ ¥ a:m:p = c:n:q § ¦ k 注 パターン⃝ 2 の頂点 A が離れたと考えてよい。 ⃝ 平行線と線分の比《基本》 次のそれぞれの図で,AC//BD のとき,x,y の値を求めよ。ただし,いずれも単位は cm である。 2.1 1 (1) (2) 9 A x A C y x 7 O O 14 10 5 4 D C 6 B D 16 B – 12 – 2 平行線と線分の比 2 2.1 平行線と線分の比《基本》 下の図で,DE//BC のとき,x,y を求めよ。ただし,いずれも単位は cm である。 (1) A (2) (3) A y 18 D 8 12 D B C 20 C 12 E y 15 B C 12 D 6 B 3 x x E 8 E x 9 A 4 下の図で,ℓ // m // n であるとき,x,y を求めよ。ただし,いずれも単位は cm である。 (1) (2) (3) ℓ ℓ y 15 x 5 ℓ 15 18 8 10 3.6 n 4 x m m 12 m 12 20 n 下の図で,DE//FG//BC であるとき,次の問に答えよ。ただし,いずれも単位は cm である。 A (1) AC(x) の長さを求めよ。 9 6 D y F 12 E 5 x G 12 B (2) DE(y) の長さを求めよ。 z C (3) BC(z) の長さを求めよ。 x n 平行線と線分の比 《応用 I》 平行線と線分の比《応用 I》 2.2 2 平行線と線分の比 – 13 – 三角形の相似や平行線を利用して,比を移していく。 【例題】 左の図で,AD//PQ//BC のとき,PQ を求める。 A 6cm D § ¦ 2つの三角形にわけて考える。 AC を結んで,△ABC と △ACD をつくる。 ¥ ¨ Q xcm ¥ 方法 1 6cm P ¨ §方法 2 ¦ 平行四辺形をつくって考える。 D から AB に平行な線をひく か,または 12cm A から DC に平行な線をひく のどちらか B ⇒ C 18cm 平行四辺形の方が後の計算が簡単なことが多い。 【解き方】 左図のように,平行四辺形をつくると, A 6cm D まず, AD=PR=BS= 6cm となって,SC= 12cm となる。 6cm 次に, R P Q △DRQ ∽ △DSC を利用すると, RQ:SC=DR:DS より,次の式ができる。 RQ:12 = 6:18 これを解くと,RQ= 4cm 12cm ゆえに, PQ= 6 + 4 = 10cm B C S 18cm 1 次の問に答えよ。 (1) 下の図で,PQ の長さを求めよ。 9cm A (2) 下の図で,PQ の長さを求めよ。 D A 12cm D 6cm 12cm P P 6cm B 2 Q xcm Q 9cm C 18cm xcm B 18cm C 下の図は,AD//BC の台形 ABCD で,AE:EB=3:2,AD//EF//BC である。AD=6 cm,BC=12 cm のとき,次の 問に答えよ。 (1) 線分 EF の長さを求めよ。 A D O E B P (2) 線分 PQ の長さを求めよ。 Q F C (3) AO:OQ:QC を最も簡単な整数の比で表せ。 – 14 – 2 平行線と線分の比 平行線と線分の比《応用 II》 2.3 2.3 平行線と線分の比《応用 II》 三角形の相似や平行線を利用して,比を移していく A 【例題】 左の図で,AB//PQ//DC のとき,PQ を求める。 ¨ ¥ 考え方 2つの step にわけて考える。 § ¨ ¥¦ step1 △ABP ∽ △CDP で相似比を求める。 § ¦ ¨ ¥ step2 △ABC と △PQC で相似比を求める。 § ¦ D 12cm P 8cm xcm B C Q A 左図は,相似を使って表した辺の比である。 3 3 ⃝ 12cm ¤5 ¡ £¢ P 2 ⃝ 8cm ¤¡ 2 xcm £2 ¢ B △ABP ∽ △CDP より,AB:CD=AP:CP= 3:2 △PQC ∽ △ABC より,CP:CA=PQ:AB= 2:5。 D 5 したがって,次の式ができる。 2:5 = x:12 これを解くと,x = 24 5 C Q  ¿ 上の図の問題を,公式で解くと, 次のような公式がある。 ¨ ¥ x = 12 × 8 = 96 = 24 12 + 8 20 5 積 x= §公式 ¦ 和 Á 1 À 次の問に答えよ。 (1) 下の図で,PQ の長さを求めよ。 10cm A (2) 下の図で,AB の長さを求めよ。 D A P x cm Q D xcm P 20cm 12cm B 2 C 15cm B Q C AB=6 cm,BC=7 cm,CA=8 cm の三角形 ABC がある。下の図のように,辺 AC 上に AD=2 cm となる点 D をと る。点 D を通り辺 BC に平行な直線をひき,AB との交点を E とする。直線 CE 上に,FA//ED//BC となる点 F をと るとき,AF の長さを求めよ。 F A E D G B C 平行線と線分の比《発展》 2.4 平行線と線分の比《発展》 2.4 1 2 平行線と線分の比 – 15 – 下の図で,D は AB の中点であり,BE=EF=FC である。AG:GF を求めよ。 A D G B 2 E C F 下の図で,AD=DB,AE=EF=FC であるとき,DH:HG:GC を最も簡単な整数の比で表せ。 A E D F H G B 3 C 下の図で,EF= 3 cm,FC= 9 cm,AB//DE,AE//DF のとき,BE の長さを求めよ。 A D B 4 E C F 下の図で,EF= 4 cm,FC= 6 cm,AB//DE,AE//DF,線分 BD が ∠ABC の二等分線のとき,次の問に答えよ。 (1) DE:AB を最も簡単な整数の比で表せ。 A D B • • E (2) AB の長さを求めよ。 F C – 16 – 2 平行線と線分の比 5 2.4 平行線と線分の比《発展》 右の図の平行四辺形で,辺 AD 上に AE:ED=1:2 となる点 E をとり,CE と BA の延長との交点を F とする。ま た,BD と CF との交点を G とする。このとき,次の問いに答えなさい。 (1) BF:DC を最も簡単な整数の比で求めよ。 F (2) FG:GC を最も簡単な整数の比で求めよ。 A E D G B (3) EG:GC を最も簡単な整数の比で求めよ。 (4) GC=6 cm とき,EF の長さを求めよ。 (5) △FAE の面積は平行四辺形 ABCD の面積の何倍か。 C 3 3 三角形の面積比の求め方 – 17 – 三角形の面積比の求め方 三角形の面積比の問題は,中学の数学ではあまり扱うことはないが,実力テストなどではよく見かける問題である。どの学 年,どの単元とはっきり区別できないため,学校の授業の中で扱うには無理があるようだ。入試では,私立・公立ともによく出 題される。 【要点】 三角形の面積の比については,次の 2 点が重要 1 底辺が共通 (等しい) なら, ⃝ 「高さの比」 2 高さが共通 (等しい) なら, ⃝ 「底辺の比」 A 右の図で,△ABD と △ACD は, 頂点 A が共通だから,高さが等しくなるので, △ABD:△ACD = a:b あるいは, △ABD a = とかくこともある △ACD b B D ⃝ b a ⃝ C 次の図も,上の図と同じように頂点 C が共通だと考えることができる A 右の図で,△ABC と △DBC は, 頂点 C が共通だと考えると, a ⃝ △ABC:△DBC = a:b あるいは, △ABC a = とかくこともある △DBC b ⃝ b D B C 実際には,次の方法をよく使う。 右図のように,AB:AP= a:p, A AC:AQ= b:q のとき p cm a cm △APQ と △ABC の面積比は △APQ pq = △ABC ab 1 P q cm b cm Q B C 下の図で,BD=6 cm,CD=10 cm,AE=4 cm,ED=6 cm のとき,次の問に答えよ。 (1) △ABD と △ACD の面積比を求めよ。 A E (2) △ACE の面積は,△ABC の面積の何倍か。 B D C – 18 – 3 三角形の面積比の求め方 2 右の図の平行四辺形 ABCD で,対角線の交点を O とし,辺 AB 上に AE:EB=1:1 となる点 E をとり,AC と DE の交点を P とする。このとき,次の問いに答えなさい。 (1) AP:PC を最も簡単な整数の比で求めよ。 A E D P O (2) △BDE の面積は平行四辺形 ABCD の面積の何倍か。 B C (3) △DPO の面積は平行四辺形 ABCD の面積の何倍か。 (4) 四角形 BOPE の面積は平行四辺形 ABCD の面積の何倍か。 3 右の図の △ABC で,AP:PB=1:2,AQ:Q=1:1 である。次の問に答えよ。 (1) PD:DC を求めよ。 A P Q D B (2) 四角形 APDQ の面積は,△ABC の面積の何倍か。 C 三角形の面積比の求め方 – 19 – 3 4 右の図で AP:BP=2:1,BQ:QC=3:1,AR:RC=1:4 である。次の問いに答えよ。 (1) △ABC:△APR の面積比を求めよ。 A R P (2) △ABC:△BPQ の面積比を求めよ。 B C Q (3) △ABC:△CQR の面積比を求めよ。 (4) △ABC:△PQR の面積比を求めよ。 5 右の図で,D は AB の中点,BE:EC=3:1 のとき,次の問に答えよ。 (1) AF:FE を求めよ。 A D F (2) 点 A,C を 結 ん で △ABC を つ く る 。四 角 形 DBEF の 面 積 は △ABC の面積の何倍か。 B E C – 20 – 4 中点連結定理 3.1 中点連結定理を使った証明 中点連結定理 4 三角形の 2 辺の中点を結んだときの定理 (性質) である。定理は簡単だが応用範囲が広い。 A 左図で,D,E がそれぞれ辺 AB,AC の中点であるとき,次の関係が 成り立つ D E ⃝ 1 ⃝ 2 B DE//BC DE= 1 BC 2 C これを中点連結定理という △ADE と △ABC の相似から,簡単に導くことができる 中点連結定理をつかった証明 4.1 1 下の図の四角形 ABCD で,点 P,Q,R,S はそれぞれ辺 AB,辺 BC,辺 CD,辺 AD の中点である。このとき,四 角形 PQRS が平行四辺形になることを証明せよ。 A S D P R B 2 C Q 下の図の四角形 ABCD で,2 本の対角線 AC,BD をひく。点 P,Q,R,S はそれぞれ辺 AD,線分 BD,辺 BC,線 分 AC の中点である。このとき,四角形 PQRS が平行四辺形になることを証明せよ。 D P A Q B S R C 中点連結定理の応用≪重心≫ 4.2 4.2 4 中点連結定理 – 21 – 中点連結定理の応用≪重心≫ ここは,教科書の範囲をこえた部分だが,知っておくといろいろな問題に役に立つ 3 本の中線の交点を「重心」という。 重心には 2 つの大切な性質がある A ⃝ 1 中線を 2:1 に分ける 左の図で,AG:GQ=2:1 P BG:GR=2:1 R CG:GP=2:1 G B 2 重心によって,6 つの面積の等しい三角形ができる ⃝ C Q △AGR,△AGP,△BGP, △BGQ,△CGQ,△CGR, の 6 つの三角形の面積が等しい ■ 4.2.1 1 重心を使った問題 下の図で,点 P,Q,R はそれぞれ辺 AB,BC,AC の中点である。次の問に答えよ。ただし,点線によってできた三 角形は除く。 図1 (1) 左図 1 で,△GPB と面積の等しい三角形はどれか。 A P R G B C Q (2) 左図 1 で,△GBQ と面積の等しい三角形はどれか。 図2 A P (3) 左図 2 で,△GPB と面積の等しい三角形はどれか。 R G B C Q (4) 左図 2 で,△GBQ と面積の等しい三角形はどれか。 図3 A P R (5) 左図 3 で,△GPB と面積の等しい三角形をすべて答えよ。 G B Q C – 22 – 4 中点連結定理 2 4.2 中点連結定理の応用≪重心≫ 右の図の △ABC で,点 M,N はそれぞれ辺 BC,AC の中点である。また,点 N から辺 BC に平行にひいた直線と線 分 AM との交点を P,線分 AM と線分 BN の交点を G とするとき,次の問に答えよ。 A (1) BG:GN を求めよ。 N P G (2) AP:PG:GM を求めよ。 B C M (3) △PGN の面積は △ABC の面積の何倍か。 3 右の図の平行四辺形 ABCD で,点 P,Q,R はそれぞれ辺 BC,辺 CD,辺 AD の中点である。このとき,次の問に 答えよ。 (1) AG:GP を求めよ。 A D R H (2) BG:GH:HD を求めよ。 G B (3) △DHR の面積は,平行四辺形 ABCD の面積の何倍か。 P C Q 4.1 角の二等分線の性質 5 補足 – 23 – 補足 5 相似の発展的な考え方で,複合問題でよく使う図形の解法を取り上げる 5.1 角の二等分線の性質 左の図で,線分 AP が ∠A の二等分線であるとき, A •• a cm 次の性質がある b cm ⃝ 1 BP:CP= a:b 三角形の面積についても,底辺の比が a:b となることから B 1 P C 2 △ABP:△ACP= a:b ⃝ となる 右の平行四辺形 ABCD で,∠A の二等分線と,対角線 BD との交点を A P,辺 BC との交点を Q,辺 DC の延長との交点を R とする。AB=3 cm, • AD=5 cm のとき,次の問に答えよ。 D • P (1) BP:DP を求めよ。 B Q C R (2) 四角形 PQCD の面積は,平行四辺形 ABCD の面積の何倍か。 (3) AP:PQ:QR を求めよ。 – 24 – 5 補足 2 5.1 角の二等分線の性質 右の図で,∠A=90◦ の直角三角形 ABC の頂点 A から,斜辺 BC に垂 線をおろしその交点を D とする。また,∠C の二等分線と線分 AD の交点 A ◦◦ を P,辺 AB との交点を Q,∠BAD の二等分線と線分 CQ との交点を R, 辺 BC との交点を E とする。AC=3 cm,CD=2 cm のとき,次の問に答 Q R えよ。 P (1) △CAD ∽ △CBA を証明せよ。 B (2) AP:PD を求めよ。 (3) CE の長さを求めよ。 (4) BE の長さを求めよ。 (5) CP:PR:RQ を求めよ。 E D •• C 6 総合演習 – 25 – 6 1 総合演習 右の図のように,AD//BC である台形 ABCD がある。辺 BC の中点を A M,直線 DM と直線 AC との交点を E,直線 AM と直線 BE との交点を D F とする。AD=3 cm,BC=8 cm のとき,次の問に答えよ。 E F (1) 相似な三角形を 1 組さがし,その 2 つの三角形が相似 であることを証明せよ。 B (2) △DEC の面積は,台形 ABCD の面積の何倍か。 (3) BF:FE の比を,最も簡単な整数の比で表せ。 M C – 26 – 6 総合演習 2 右の図で,1 辺 8 cm の正方形 ABCD の 1 辺を直径とする半円 O をえ A E D P がく。頂点 C から半円の接線をひき,接点を P,辺 AD との交点を E と する。また,DP の延長と辺 AB との交点を Q とするとき,次の問に答 Q えよ。 O (1) CP の長さを求めよ。 A E D B P O B C (2) AE の長さを求めよ。 A E D P O B C (3) AQ の長さを求めよ。 A E D P Q O B C C 6 総合演習 – 27 – ( 3 下の図で,正方形 ABCD の点Bを中心に,正方形の 1 辺を半径とする AC をえがく。辺 BC の中点Mと頂点 D を結 ( び,AC との交点を P とするとき,DP:PM を求めよ。 D A P B D A M ¨ ¥ § ¨ ¦ ¥ § ¦ C 考え方 1 AP を延長し,辺 CD との交点を Q とする P Q 考え方 2 左図のように考えると,点 P は AB を半径と する半円上にある。 したがって,∠APM=90◦ となる M B C E F – 28 – 6 総合演習 4 下の図の正五角形で,対角線 AC の長さを求めよ。 ¨ ¥ § ¦ 考え方 左図で △ABF ∽ A △ACB を使う 2 cm F E B O C 5 D 下の図は,関数 y = x2 のグラフで,3 点 A,B,C それぞれの x 座標は,−4,−1,2 である。また,四角形 ABCD は平行四辺形で,P,Q は線分 AC,BC と y 軸との交点である。次の問に答えよ。 y D (1) 直線 AC の式を求めよ。 y = x2 A (2) △APB と △CPB の面積比を求めよ。 P C Q B −4 −1 O 2 x (3) △PQC の面積と平行四辺形 ABCD の面積比を求めよ。 7 相似と計量 – 29 – 相似と計量 7 相似な図形における面積比と体積比の問題である。17 ページの三角形の面積比の特殊な形だと考えてよい。 7.1 相似比と面積比 面積比は相似比の 2 乗 相似比 a:b なら =⇒ 面積比 a2 :b2 ¶ 面積比 例 m:n なら =⇒ 相似比 √ m: √ n ³ 題 A 【例 1】 右の図で,三角形 ABC の辺 AB 上に点 D をとり,点 D を通り辺 BC に平行 な直線と辺 AC との交点を E とする。AB=10cm,AD=4cm であるとき,次の E D 問に答えよ。 (1) △ABC と △ADE の面積比を求めよ。 相似比が,4cm:10cm=2:5 だから, C B 面積比は,22 :52 =4:25 (2) 三角形 ADE の面積が 12cm2 のとき,四角形 DBCE の面積を求めよ。 ¥ ¨ 方法 1 △ABC の実際の面積を求める。 § ¦ △ADE と △ABC の面積比が,4:25 だから, 4:25=12cm2 :x cm2 これを解くと,x = 75cm2 ¨ よって,四角形 DBCE=75−12=63cm2 ¥ 方法 2 比で考える。 § ¦ △ADE と △ABC の面積比が,4:25 より, 四角形 DBCE= 25 − 4 = 21。よって, 4:21=12cm2 :x cm2 これを解くと,x = 63cm2 µ 1 ´ A 右の図で,DE//BC で,AD:DB=3:2 のとき,次の問に答えよ。 (1) △ADE と △ABC の面積比を求めよ。 D B (2) △ABC の面積が 50cm2 のとき,台形 DBCE の面積を求めよ。 E C – 30 – 7 相似と計量 2 7.1 相似比と面積比 A 右の図の三角形 ABC で,点 D,E はそれぞれ辺 AB,AC の中点で,点 F,G はそれぞれ線分 DB,EC の中点である。 三角形 ABC の面積が 48cm2 であるとき,次の問に答えよ。 E D G F (1) △ABC と △ADE の面積比を求めよ。 C B (2) 台形 DFGE と台形 FBCG の面積比を求めよ。 (3) 台形 FBCG の面積を求めよ。 3 A 右の図で,三角形 ADE と四角形 DBCE の面積が等しくなり,DE//BC であるように 2 点 D,E をとった。 辺 AB の長さが 10cm のとき,線分 AD の長さを求めよ。 E D C B 4 右の図で,三角形 ABC の辺 AB 上に,∠BAC=∠BCD となるような点 A D をとる。 • 辺 AB=8cm,辺 BC=5cm のとき,三角形 ACD と三角形 BCD の面積 の比を求めよ。 D • B C 相似比と面積比 7.1 5 7 相似と計量 – 31 – 右の図は,AD//BC の台形 ABCD である。いま,対角線 AC と対角線 A D BD の交点を E とする。 AD=4cm,BC=8cm であるとき,次の問に答えよ。 E (1) △AED と △CEB の面積比を求めよ。 B C (2) 三角形 ACD の面積は台形 ABCD の面積の何倍か。 (3) 三角形 AED の面積が 5cm2 のとき,台形 ABCD の面積を求めよ。 6 A 右の図は,AD//BC の台形 ABCD である。いま,対角線 AC と対角線 D BD の交点を E とする。 △AED の面積が 18cm2 ,△BCE の面積が 50cm2 であるとき,次の問 E に答えよ。 (1) △AED と △CEB の相似比を求めよ。 (2) 三角形 CDE の面積は台形 ABCD の面積の何倍か。 B C – 32 – 7 相似と計量 7 7.1 相似比と面積比 F 右の図の平行四辺形 ABCD で,辺 AD 上に AE:ED=3:2 となる点 E をとる。 A 直線 BE と直線 CD の交点を F とし,直線 BE と対角線 AC との交点を E D G とするとき,次の問に答えよ。 G (1) 三角形 ABE と三角形 DFE の面積比を求めよ。 B (2) 三角形 FDE と三角形 FCB の面積比を求めよ。 (3) 三角形 ABG と三角形 CFG の面積比を求めよ。 (4) 四角形 CDEG の面積は,平行四辺形 ABCD の面積の何倍か。 (5) 三角形 AGE の面積と三角形 FDE の面積の比を求めよ。 C 相似比と面積比 7.1 8 右の図の平行四辺形 ABCD で,∠B の二等分線と辺 AD の延長線の交 7 相似と計量 – 33 – D A 点を E とし,点 E と点 B,点 C,点 D をそれぞれ結ぶ。線分 BE と辺 CD E F との交点を F,対角線 AC との交点を G とする。 AB=6cm,BC=5cm のとき,次の問に答えよ。 G (1) 三角形 AEG と三角形 CBG の面積比を求めよ。 • B (2) 三角形 ABG と三角形 CFG の面積比を求めよ。 (3) 三角形 ABG と三角形 CBG の面積比を求めよ。 (4) 三角形 CEF の面積は平行四辺形 ABCD の面積の何倍か。 (5) 四角形 AGFD 面積は平行四辺形 ABCD の面積の何倍か。 • C – 34 – 7 相似と計量 7.2 7.2 相似比と体積比 相似比と体積比 体積比は相似比の 3 乗 相似比 a:b なら =⇒ 面積比 a3 :b3 ¶ 例 ³ 題 O 【例 1】 右の図で,三角形 ABC を底面とする三角すい OABC がある。いま,三角す い OABC の辺 OA,OB,OC 上にそれぞれ点 P,Q,R をとり,底面の三角形 P ABC に平行になるように三角形 PQR をつくる。 このとき,次の問に答えよ。 R Q A (1) 点 P が辺 OA の中点であるとき,三角すい OPQR と 三角すい OABC の体積の比を求めよ。 C B 相似比が,1:2 だから,体積比は,13 :23 =1:8 (2) OP:PA=2:3 のとき,三角すい OPQR と三角すい OABC の体積の比を求めよ。 相似比が,2:5 だから,体積比は,23 :53 =8:125 (3) OP:PA=2:1 で,三角すい OABC の体積が 108cm3 のとき,三角すい台 PQRABC の体積を求めよ。 三角すい OPQR と三角すい OABC の相似比は,2:3 だから, 体積比は,23 :33 =8:27。したがって, 三角すい台 PQRABC の体積は,27 − 8 = 19。 よって,三角すい台 PQRABC の体積 = 108 × µ 1 19 = 76cm3 27 ´ 右の図で,底面の円 O の半径が 6cm,高さ PO=8cm,母線の長さが 10cm の円すいがあり,線分 PO の中点を Q とする。 P 円 Q を底面とする円すいをア,円 O を底面とする円すいをイ,イから アを取り除いた円すい台をウとするとき,次の問に答えよ。 Q (1) 円 Q と円 O 面積の比を求めよ。 O (2) アとウの側面積の比を求めよ。 (3) ウの体積を求めよ。 相似比と体積比 7.2 2 7 相似と計量 – 35 – 右の図で,O-ABCD は底面が 1 辺 6 cm の正方形で,OH=12 cm を高 O さとする正四角すいである。線分 OH 上を O から H まで動く点 P があり, 点 P を通り,底面 ABCD に平行な平面が辺 OA,OB,OC,OD と交わ る点をそれぞれ,Q,R,S,T とする。 この立体について次の問に答えよ。ただし無理数の場合は √ Q の中を T P 最も簡単な整数にすること。 R (1) OP=2 cm のとき,四角形 QRST の面積を求めよ。 S A D H B (2) OP=3 cm のとき,四角すい OQRST と四角すい OABCD の体積 比を求めよ。 (3) OP=4 cm のとき,四角すい OQRST と四角すい台 QRST-ABCD の体積比を求めよ。 (4) OP=9 cm のとき,四角すい台 QRST-ABCD の体積を求めよ。 (5) 四角形 QRST の面積が,底面 ABCD の面積の 1 になるとき,四 2 角すい OQRST と四角すい OABCD の体積比を求めよ。 C – 36 – 7 相似と計量 3 7.2 相似比と体積比 右の図で,1 辺 6cm の立方体 ABCDEFGH があり,点 M,N はそれぞ H れ辺 FG,GH の中点である。 N G 4 点 B,M,N,D を通る平面でこの立方体を切断した。このとき,次 E F M の問に答えよ。 (1) 線分 MN と BD の長さの比を求めよ。 D C A B (2) 三角形 MGN と三角形 BCD の面積比を求めよ。 (3) 頂点 C を含む立体の体積を求めよ。 4 右の図は,∠B=∠E=90◦ ,AB=DE=6 cm,BC=EF=9 cm である三 D H 角形 ABC,三角形 DEF を底面とし,側面はすべて長方形である三角柱 G F E ABC-DEF を表している。 DG:GE=1:2,GH//EF,AD=8 cm のとき,次の問に答えよ。ただ し,無理数の場合は √ の中を最も小さい整数にせよ。 A (1) 線分 GH の長さを求めよ。 B (2) 三角形 DGH と三角形 ABC の面積の比を求めよ。 (3) 立体 BCEFHG の体積を求めよ。 C 相似比と体積比 7.2 5 7 相似と計量 – 37 – 右の図で,三角形 ABC は ∠A=90◦ の直角三角形で,側面はすべて長方 A 形である三角柱 ABC-DEF を表している。辺 EF の中点 M,辺 AC 上に AN:CN=1:2 となる点 N をとり,点 M から線分 BN に平行な直線をひ N B C き辺 DF との交点を L とし,4 点 B,M,L,N を通る平面でこの立体を 2 つに分ける。 AB=9 cm,AC=AD=12 cm のとき,次の問に答えよ。ただし,無理数 √ の場合は D L の中を最も小さい整数にすること。 (1) 線分 LF の長さを求めよ。 (2) 三角形 ABN と三角形 LMF の面積比を求めよ。 (3) 頂点 A を含む方の立体の体積を求めよ。 E M F
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