本資料のうち、枠囲みの内容は商業機密又は 核物質防護上の理由から公開できません。 伊方発電所3号炉 緊急時対策所電源の強化について 平成26年3月13日 四国電力株式会社 資料3-3-1 目次 1.はじめに 2.概要 3.緊急時対策所の電源構成 4.緊急時対策所電源の燃料補給 5.まとめ (参考) 平成25年8月22日第12回審査会合資料 平成25年9月10日第17回審査会合資料 1 1.はじめに 緊急時対策所は、 ・代替交流電源からの給電を可能とすること ・当該代替電源設備を含めて緊急時対策所の電源設備は、 多重性又は多様性を有すること が求められている。 今回代替交流電源を見直し、より確実な電源供給を図ることとし たため、その内容をご説明する。 2 2.概要 <現状> 代替交流電源: ・総合事務所非常用予備発電装置(以下「緊対所GT」という。) その他の電源: ・2号機常用電源 ・1~3号機非常用電源(非常用低圧母線) ・一般配電線 緊対所GTの燃料補給: ドラム缶、運搬台車等を使用 ・プルーム通過中における緊対所GTの燃料補給作業の環境改善、 補給作業の確実性の観点から継続的に検討 ・当初2号機非常用ディーゼル発電機燃料油貯油槽の使用を 検討していたが、重大事故等時プラント全体の状況判断が必要 <見直し後> 上記 代替交流電源に加えて ✓ 新たに配備する300kVA電源車から受電するための設備・手段を整備 ✓ これに伴い、電源車への燃料補給方法を確立 3 3.緊急時対策所の電源構成(1/3) 2号機常用 高圧母線 (2250kVA) 一般 配電線 (2250kVA) 緊対所GT (1000kVA) 2号機非常用 低圧電源 (75kVA) 総合事務所 常用負荷 (1500kVA) ・常用コンセント ・常用電灯 ・厨房機器 ・常用エレベータ ・事務別館 など 300kVA 電源車 代替交流電源(重大事故等対処設備) 1号機非常用 低圧電源 (75kVA) 1号機非常用 低圧電源 (150kVA) 2号機非常用 低圧電源 (150kVA) 3号機非常用 低圧電源 (150kVA) 総合事務所 非常用負荷 (750kVA) ・非常用コンセント ・非常用電灯 ・空調機器 など 緊急時対策所負荷 通信設備A (269kVA) 緊急時対策所負荷 地震時(53kVA) 電灯 コンセント 通信設備B 通信設備 換気空調 その他 重大事故等時に総合事務所の常 用電源が停電した場合、緊対所GT が自動起動し、緊急時対策所負荷 に給電する( ) 緊対所GTの燃料を貯蔵する地下 燃料タンクからの補給が困難な場 合、約5.8時間で燃料が枯渇するた め、それまでに300kVA電源車を接 続・起動する( ) また、 300kVA電源車及び緊対所 GTは、同時運転が可能であり、 300kVA電源車を接続・起動してお けば、燃料枯渇などにより緊対所 GTが停止した場合でも容易に切り 替えが可能 雑動力・照明など 重大事故等時(地震時)においても緊急時対策所機能が維持できるよう、 ・堅牢な通信設備等を追加 ・緊急時対策所機能維持に必要な設備は、300kVA電源車または緊対所GTから受電可能 4 3.緊急時対策所の電源構成(2/3) 緊急時対策所に求められる機能(居住性確保、通信連絡、情報把握、データ伝送等)の維持に 必要な設備について、その負荷容量を算出 緊急時対策所負荷(地震時) 緊急時対策所負荷(通常時) 換気空調設備 :緊急時対策所の機能維持に必要な負荷 負荷名称 換気空調設備 必要負荷容量 緊急時対策所給気ファン 緊急時対策所非常用再循環ファン 緊急時対策所排気ファン 換気空調設備 合計 0.75kW 2.2kW×2 0.75kW 6kW 負荷名称 緊急時対策所給気ファン 緊急時対策所非常用再循環ファン 緊急時対策所排気ファン 換気空調設備 合計 通信連絡設備 必要負荷容量 0.75kW 2.2kW×2 0.75kW 6kW 通信連絡設備 負荷名称 設備容量 通信設備用整流器A/B (原子力防災NWシステム※、社内データシステム、マ 30.5kW イクロ波無線装置、電話交換機、警報監視装置、移 ×2 動用無線基地、衛星・地上回線終端装置、社内TV会 議システム) 緊急時対応システムUPS (緊急時安全状態表示、総合放射線監視、水質管理、 80kW 環境モニタ、気象観測、周辺モニタ、被ばく管理、固 体廃棄物管理装置) 通信連絡設備 合計 負荷名称 ※ 原子力防災NWシステム 、衛星電話 可搬型データ伝送設備、制御盤 通信連絡設備 合計 必要負荷容量 2.7kW 20.12kW 23kW ※:統合原子力防災ネットワークシステム 固定電話,社外とのTV会議システムを含む 141kW 雑動力・その他 雑動力・その他 負荷名称 設備容量 負荷名称 必要負荷容量 照明・コンセント用トランス 60kW 緊対所内仮設照明、コンセント等 9.4kW エレベータ 7.2kW 可搬型モニタ等 3.7kW 雑動力・その他 合計 68kW 雑動力・その他 合計 13kW 合計 269kVA (215kW) 合計 53kVA (42kW) 5 3.緊急時対策所の電源構成(3/3) 緊急時対策所 重大事故等時の電源切替タイムチャート 経過時間(時間) 0 2 4 事象発生 6 8 10 12 16 14 18 20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 燃料小出槽 枯渇 常用電源 プルーム通過(24~34時間) 燃料補給開始 GT発電機 燃料補給間隔:11時間以内 300kVA電源車① 1 2 4 5 3 6 1:通常時~事象発生 2:事象発生~数十分後 3:事象発生~約5.8時間後 4:約5.8時間後~24時間後 5:24~34時間後 6:34時間~7日後 2号所内母線から給電している。 緊急時対策所負荷のみとするため、総合事務所負荷を切り離す。 燃料小出槽が枯渇する約5.8時間後までに300kVA電源車を接続・起動する。 燃料補給を行い、300kVA電源車の運転を継続する。 プルーム通過中は屋外作業はできない。電源車運転を継続する。 電源車に適宜給油し、給電を継続する。 300KVA電源車1台で電源容量・燃料補給間隔とも対応可能 300kVA電源車接続概要図 予備電源車を追加した場合(同等の予備電源車を配備しているので、接続することにより対応の裕度が増すことが可能) 経過時間(時間) 0 2 事象発生 常用電源 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34 燃料小出槽 枯渇 プルーム通過(24~34時間) 燃料補給開始 GT発電機 燃料補給間隔(並列運転時):15時間以内 300kVA電源車① 小出槽枯渇までに切替 300kVA電源車② 2台目 36 38 (ケーブルルート、 接続箱位置の詳細は検討中) 電源車接続ケーブルルート ①可搬型ケーブルによる接続 電源車~可搬型接続箱~ 可搬ケーブル~緊急時対策所 ②恒設ケーブルによる接続 電源車~接続箱~恒設ケーブル~ 接続箱~可搬ケーブル~ 緊急時対策所 起動 6 4.緊急時対策所電源の燃料補給(1/2) 300kVA電源車への燃料補給 <補給方法> 300kVA電源車は、EL.32mにて使用すること から、3号炉重大事故等対処設備である電源 車や中型ポンプ車、加圧ポンプ車等と同様に 軽油タンクから軽油配管、ミニローリー等を用 いて燃料補給を行う。 <成立性> 軽油はEL.84mに設置している軽油タンクに 必要量以上を貯蔵しており、また、300kVA電 源車への補給間隔は11時間以上なので、中 型ポンプ車、加圧ポンプ車等の3号炉重大事 故対処設備への燃料補給活動を妨げることな く、緊対所用300kVA電源車へ燃料補給するこ とが可能である。 300kVA電源車燃料補給概要図 (保管場所の詳細は検討中) 7 4.緊急時対策所電源の燃料補給(2/2) 緊対所GTへの燃料補給(多様性拡張設備) ①2号機非常用ディーゼル発電機燃料油貯油槽 ②地下燃料タンク 地下燃料タンクは、総合事務所横の地下に設置され、燃料小出槽 の油面低下を検知して、同タンクから燃料小出槽に自動で給油を行 う(既設)。 なお、重大事故等時において、地下燃料タンクの燃料保持機能が 健全であれば、可搬型ポンプ等を使用することにより、地下燃料タ ンクに貯蔵している重油を利用することができる(強化)。 総合事務所横の地下に設置された地下燃料タンクが 使用できない場合、総合事務所近傍に2基ある2号機非 常用ディーゼル発電機燃料油貯油槽のうちの1基から 可搬型ポンプ及び移送配管を用いて燃料小出槽に重 油を補給することができる(強化)。 また、これらの設備を一度接続すれば、その後は屋 外作業を必要としないため、プルーム通過時等、災害 対策要員が緊急時対策所内に退避した状況において も、緊対所GTから緊急時対策所負荷への給電は継続 して行われ、燃料の枯渇による電源喪失はなく、緊急 時対策所機能を維持することができる。 なお、本手段は、基準地震動による地震力に対する 耐性はあるものの、2号機非常用ディーゼル発電機1基 の待機除外を伴うため、重大事故等時にはプラント全 体の状況により、実施を判断する。 8 5.まとめ ●重大事故等時の緊急時対策所の電源を強化 従来の ・総合事務所非常用予備発電装置 ・2号機常用電源 ・1~3号機非常用電源(非常用低圧母線) ・一般配電線 に加え、 ・300kVA電源車 からも確実に受電できる設備及び手段の整備により、緊急時対策所の電源を強化 (下線は、基準地震動による地震力に対して耐性がある電源) ●燃料補給手段を多様化 ✓上記いずれの電源でも、プルーム通過時の屋外での補給作業は不要 ✓今後、緊対所GT燃料設備の信頼性向上のため、耐震性を有する専用タンクを設置予定 9 (参考) 平成25年8月22日第12回審査会合資料 4.電源設備(2) 停電時には総合事務所屋上の緊対所GTが自動起動し、緊急時対策所に給電する。 緊対所GTの燃料は地下燃料タンクから補給可能であるが、現在、耐震性を確認している2号機DG燃料油貯油槽 からの燃料補給の成立性も確認している。 伊方発電所構内には、緊対所GTや空冷式非常用発電装置が7日間以上、連続運転可能な重油が備蓄されている。 uu uu EV UP DN EV EV 10 更なる信頼性向上(緊対所GT燃料設備の信頼性向上工事) (参考) 平成25年9月10日第17回審査会合資料 <現行設備の設計の考え方> 緊対所GT燃料設備(タンク、ポンプ、配管)は、消防法に適合した設計にするとともに、以下の設計方針で設置している。 ・燃料タンクの基礎は耐震性確保の観点から総合事務所基礎と一体としている ・総合事務所基礎から建屋内に渡る油移送配管には地震時に総合事務所基礎と総合事務所間に生じる相対変位を吸収できるよう設計 している ・油移送ポンプは水密性を有する油移送ポンプ室に設置することで津波等による浸水対策を施している ・燃料小出し槽までの油移送配管は免震構造の建屋に設置し、耐震性を確保している <更なる信頼性向上> 重大事故等が発生した場合における燃料設備の更なる信頼性の向上をめざし、燃料補給の堅牢性を高めるとともに、手段の多様化を 図るため、下図の信頼性向上工事を計画的に実施していく。 :新設/取替 :撤去 緊対所GT、燃料小出し槽 緊急時対策所 地下燃料タンク 油移送ポンプ 総合事務所断面図 11
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