2014年3月4日 GMP 施行通知が大幅に改訂へ!(その4)

C-CAST
CORPORATION
業界トピックス
(Vol.24)
株式会社 シ-・キャスト
代表 荻原 健一
GMP 施行通知が大幅に改訂へ!(その 4)
-パブコメの回答に見る当局の考え方-
前号からの続き
■意見AD
(5)バリデーションの実施ア.適格性評価(イ)~(エ)に「計測器の校正も併せて実施」とありま
すが、適格性評価における校正には2つの意味があります。
1. 設備稼働後の商用生産で日常的に使用する計器類の校正
2. 適格性評価のときだけ特定の評価項目のデータ取りに使用する計測器の校正のどちらを意図
しているのでしょうか。また、1.の場合はIQとOQの間に校正を実施するのが一般的と考えます。
■回答AD
各適格性評価を適切に実施するために必要な計測器の校正を指します。ご指摘を踏まえ、記載の見
直しを行いました。
■意見AE
第3章 医薬品・医薬部外品GMP省令、第4 バリデーション基準、2.バリデーション基準、
(5)
バリデーションの実施 、ア.適格性評価 の(イ)設備据付時適格性評価(IQ) 、(ウ)運転
時適格性評価(OQ) 、(エ)性能適格性評価(PQ) の各項に、「計測器の校正も併せて実施
すること。」と書かれているが、、計測器の校正は、設備据付時適格性評価の段階に合わせて行う
べきものであり、以降は決定した保守管理要件に合わせて実施するものと考える。したがって、
(ウ)
と(エ)に記載されている「計測器の校正も併せて実施すること。」は不要と考える。
■回答AE
ご指摘を踏まえ、記載の見直しを行いました。
■意見AF
IQ/OQ/PQの中に“校正”という言葉が出てきますが、それぞれのQualificationで“校正”が明記
されているのはなぜでしょうか
(これまで“校正”は独立した用語となっておりましたが、今回付記された背景はなぜでしょうか。
また、ここでの”校正”とは、従来の校正と同等という理解(計測器の値と真の値との関係を求め
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ること)でよろしいのでしょうか。いわゆる校正(ズレ量の調整)ではなく…という意味です。)
■回答AF
ご指摘を踏まえ、記載の見直しを行いました。「校正」については、GMP事例集で解説する予定
としております。
■意見AG
第3章第4 2(5)ア.適格性評価において、DQ~PQが定義されているが、いわゆる「コンピ
ュータ化システム適正管理ガイドライン」においても同じ文言が規定されているので、その違いに
ついて明確に説明頂きたい。
■回答AG
両者で定義されている同じ用語については、対象が異なっているため異なった表現となっています
が、個々の適格性評価の目的に違いはありません。
■意見AH
適格性評価の対象が「新規に据付け又は改良した設備、システム、又は装置」とありますが、現在
使用中のものについては適格性評価は不要でしょうか?
もし、適格性評価が必要な場合性能適格性評価(PQ)を実施することで足りるでしょうか?或いは
PIC/SGMP Annex15の19に記載された内容に沿うべきでしょうか?
(確立された(使用中の)施設、システム及び装置の適格性確認(評価)についての規定がPIC/S GMP
のAnnex15"Qualification and validation"の"Qualification of established(in-use)facilities,
systems andequipment"19. にて記載されている一方で、今般のGMP省令バリデーション基準(案)
には該当するケースの記載がない。)
■回答AH
現在使用中のものについては、第3章第4「バリデーション基準」(5)イ.①、エ.及びオ.を
参照してください。どの適格性評価を実施する必要があるかについては、製造業者等が自ら判断し
てください。
■意見AI
別紙2 第3章第4 バリデーション基準◆(5)バリデーションの実施ア.適格性評価(イ)の「承認
を受けた設計」、(エ)の「承認された製造方法及び規格」の『承認』とは誰の承認でしょうか。
(薬事法上の製造販売承認ではないことを確認したい。)
■回答AI
品質部門による承認を指しています。
■意見AJ
(案)「第4 バリデーション基準 2.バリデーション基準 ア.適格性評価(イ)設備据付時
適格性評価(IQ)設備、システム又は装置が、承認を受けた設計及び製造業者の要求と整合する
ことを確認し、」の「承認を受けた設計」は、原薬GMPのガイドラインと同じ用語であるが、「承
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認」の意味が重すぎるため、「正式に合意した設計」とする。また、「正式に合意した設計及び製
造業者の要求」は「and/or」の関係であり、「正式に合意した設計や製造業者の要求」とする。
■回答AJ
「PIC/SのGMPガイドラインを活用する際の考え方について」別紙(14)PIC/S GMPガイ
ドラインアネックス15に準拠した表現であり、原案の記載のとおりとします。
■意見AK
バリデーション基準中のPQについて質問させていただきます。
PIC/Sガイドラインでは、「ある場合にはOQと併せて実施することは適切」とされていますが、こ
の考えの導入はないのでしょうか。それともケースバイケースでの対応が許容されるのでしょうか
■回答AK
各段階の適格性評価が終了した後、次の段階の適格性評価を実施することを原則としますが、適切
な理由がある場合には併せて実施することも差し支えありません。なお、その場合には、理由につ
いて手順書等に定めておく必要があります。
■意見AL
(案)「第4 バリデーション基準 2.バリデーション基準 ア.適格性評価(エ)性能適格性
評価(PQ)設備、システム又は装置が、承認された製造方法及び規格に基づき、効率的かつ再現
性のある形で機能することを確認し、」の「効率的」はバリデーションで検証する項目ではなく、
「効果的」とする。
■回答AL
ご指摘を踏まえ記載を見直しました。
■意見AM
(案)「第4 バリデーション基準 2.バリデーション基準 ア.適格性評価(エ)性能適格性
評価(PQ)設備、システム又は装置が、承認された製造方法及び規格に基づき、効率的かつ再現
性のある形で機能することを確認し、」の「承認された製造方法及び規格」は原薬GMPのガイドラ
インと同じ用語であるが、性能適格性評価(PQ)の段階では「承認された」状態とは限らないた
め、「承認された、または承認を意図する製造方法及び規格」とする。
■回答AM
製造方法等については、製品標準書に記載され、品質部門の承認を得ているものであることから、
原案の記載のとおりとします。
■意見AN
第4 バリデーション基準
2 (5)ア(エ)従来の「稼働性能適格性の確認」と今回の「性能
適格性評価(PQ)」は同じものでしょうか。従来の可動性の適格性の確認をPQと呼びチャレンジ
テスト等で工程の製造条件を決定しておりました。
今回の性能適格性評価からはチャレンジテストの文字が消えておりますが、PQの考え方が、従来の
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チャレンジテスト等で条件出しを行う確認とは変わったのでしょうか。具体的に「性能適格性評価
(PQ)」で何を行えばよろしいでしょうか。
■回答AN
従来の「稼働性能適格性の確認」はOQとPQに相当します。PQの手法の一つとしてチャレンジ
テストを用いることもできます。
■意見AO
バリデーション基準 ア.適格性評価 (エ)性能適格性評価(PQ)『設備、システム又は装置が、承認
された製造方法及び規格に基づき、効率的かつ再現性のある形で機能することを確認し』、とある
が、この場合の規格とは「製品」の規格のことか。
■回答AO
性能適格性評価(PQ)を行うために自ら設定した基準であり、製品の規格に限定するのもではあ
りません。
■意見AP
タイトルを「性能適格性評価(PQ)」から「稼働性能適格性評価(PQ)」として頂きたい。
(単に「性能適格性」では「設計した性能」か「受入性能」か「空運転時の性能」か「実際の業務
で負荷のかかった使用時(稼働時)の性能」か区別がつきにくいため。)
■回答AP
「原薬GMPのガイドライン」に合わせた記載としています。
■意見AQ
「承認された製造方法及び規格に基づき」の箇所を、「実際の稼働条件下で規定した範囲内で」と
して頂きたい。(設備、システム、装置が製品の製造に直接使用されるものの外、空調等の間接的
な環境管理設備等も対象とするのであれば、表現に工夫が必要と考えます。)
■回答AQ
バリデーション対象設備等はバリデーションの実施計画書に定められ承認されることから原案の
記載のとおりとします。
■意見AR
別紙2 第3章第4 バリデーション基準◆(5)イ2「プロセスバリデーションの開始前に、バリデー
ションの評価に用いる試験方法の妥当性を評価する。」とあります。PIC/S GMPでは「分析試験方
法についてバリデーションを実施しなければならない」と記述されていますが、「分析バリデーシ
ョン」を実施することを言わんとしているのか、あるいは「分析バリデーション」の手続きを踏ま
なくても良いという理解なのでしょうか?
■回答AR
前者を意図しています。
以下次号
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