2014年10月度 商業動向報告書(PDF)

2014年10月度
2014年10月度 商業動向報告書
1.経済動向指標
【国内景気指標】
全体概況
出典:内閣府「月例経済報告」(2014年10月)
景気は、このところ弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている。個人消費は、持ち直しの動きが続いているもの
の、このところ足踏みがみられる。設備投資は、増加傾向にあるものの、このところ弱い動きもみられる。輸出は、横ばいと
なっている。生産は、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動の影響もあって、このところ減少している。企業収益は、
改善に足踏みがみられる。企業の業況判断は、慎重となっているものの、大企業製造業ではやや改善している。雇用情勢
は、着実に改善している。消費者物価は、このところ上昇テンポが鈍化している。先行きについては、当面、弱さが残るもの
の、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待される。ただし、駆け
込み需要の反動の長期化や海外景気の下振れなど、我が国の景気を下押しするリスクに留意する必要がある。
9月小売販売額
出典:経済産業省「商業販売統計」(9月)
平成26年9月の商業販売額は39兆2840億円、前年同月比1.5%の増加となった。これを卸売業、小売業別にみると、卸売業
は28兆420億円、同1.2%の増加となった。小売業は11兆2420億円、同2.3%の増加となった。なお、商業販売額の季節調整
済前月比は、4.0%の増加となった。卸売業は同2.7%の増加、小売業は同2.7%の増加となった。
9月専門量販店販売額
出典:経済産業省「専門量販店販売統計調査」(9月)
平成26年9月の専門量販店販売は、家電大型専門店が3128億円、ドラッグストアが3887億円、ホームセンターが2541億円と
なった。
9月全国消費者物価指数
出典:総務省「消費者物価指数」(9月)
総務省が発表した9月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、総合指数が前年同月比3.2%上昇の103.9ポイントと
16ヶ月連続のプラス、前月比は前月に引き続き0.2%のプラスとなった。生鮮食品を除く総合が103.5ポイントと前月と同水
準、前年同月比は3.0%の上昇。食料及びエネルギーを除く総合では前年同月比2.3%上昇の100.7ポイントとなり、前月比は
同水準となった。
【商業関連指数】
9月SC売上高/2ヵ月連続プラス
出典:日本SC協会「SC販売統計調査報告」9月
2014年9月の既存SC売上高は前年同月比0.4%で、2ヶ月連続でプラスとなった。今月は、昨年に比べて日曜日が1日少な
かったが、中旬頃まで気温が低かったこともあり、秋物衣料の動きが良く、プラスとなった。テナントは1.1%、キーテナントは
△1.5%であった。地域別でみると、関東が2.2%と唯一プラスとなったが、それ以外の8地域はいずれもマイナスで、大きな違
いをみせた。この傾向は都市規模でも顕著であり、政令指定都市全体では2.1%のプラス、特に首都圏の3大都市(東京区
部、川崎、横浜)は、いずれもプラスとなっている。
上半期SC売上高/前年同期比プラス0.7%
出典:日本SC協会「SC販売統計調査報告」上半期
2014年上半期(2014年1月~6月)の既存SC売上高は前年同期比プラス0.7%で、テナントはプラス0.9%、キーテナントは
0.0%であった。1月は初売りや福袋需要が伸びたこと、連休の長期化や好天に恵まれたことなどから概ね順調に推移した。
2月前半は、気温の低い日が続き、売上を伸ばすことができなったが、3月後半からは、消費税増税前の駆け込み需要によ
り、高額品を中心に売上を伸ばした。4月は一転して消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動により、マイナスとなっ
た。5月後半からは、気温の上昇により夏物衣料が動き出すなど徐々に回復したが、6月は、天候不順や前年同月に比べて
土曜日が1日減、下旬からのセールの売上が低調などによりマイナスとなった。なお、第1四半期はプラス4.1%、第2四半期
は-2.8であった。
9月百貨店売上高/6ヶ月連続のマイナス
出典:日本百貨店協会「全国百貨店売上高概況」9月
前年に比べ日曜日が一日少なかった影響かた6ヶ月連続のマイナスとなったが、減少幅は-0.7%とほぼ前年並みの水準で
推移しており、休日減少分を勘案すれば実質プラスであることから、消費税率引上げによる駆け込み需要の反動は和らい
できている。9月は中旬までの気温低下で、主力商材である秋冬物の衣料品が良く動き、消費税率引上げ後初めて前年をク
リアするなど好調に推移していたが、下旬からは月末の台風の影響などもあって伸び悩み、最終的には前年実績を僅かに
下回る結果となった。これにより1月-9月累計売上高は、4兆4,652億円余となった。地区別では前月プラスになった大都市が
当月は僅かに前年割れしたほか、地方も6ヶ月連続のマイナスであったが、4月以降の反動減は月を追う毎に改善してきて
いる。
9月チェーンストア売上高/6ヵ月連続のマイナス
出典:日本チェーンストア協会「チェーンストア販売統計」9月
平成26年9月度は、食料品は、相場高の農産品や畜産品のほか、惣菜は好調だったものの、低気温により、その他食品が
不調、衣料品、住関品も伸び悩んだため、総販売額の前年同月比(店舗調整後)は、6カ月連続のマイナスとなった。
9月外食産業売上高/全体の客数減小
出典:日本フードサービス協会「外食産業概況」9月
9月は、台風の接近上陸が多かった前年と比べ比較的天候は安定していたが、休日数が前年より1日少なかったことが客数
に影響したほか、7月の中国産鶏肉問題の影響が続いている一部業態もあり、全体の客数は減少、売上は前年比98.0%と4
か月連続のマイナスとなった。
9月コンビニ売上高/コーヒー等カウンター商材好調
出典:日本フランチャイズチェーン協会「コンビニ統計月報」9月
今月は、降水量が少なく日照時間が長かったものの、寒気の影響により気温が低く、冷し麺及びアイスクリーム等が不調と
なった。また、コーヒー等カウンター商材は引き続き好調ではあったが、たばこ・雑誌の購入者減少等の影響を受け、既存店
売上は前年を下回った。既存店ベースでは、来店客数12億5,825万人が7ヶ月連続のマイナス、平均客単価586円が3ヶ月ぶ
りのマイナスになり、売上高7,377億円は6ヶ月連続のマイナスとなった。
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2.マーケティング情報
【経済・消費・市場動向】
東京メトロ日比谷線/2020年、虎ノ門ヒルズ前に新駅を整備
出典:流通ニュース(10月17日)
東京地下鉄と都市再生機構は10月14日、東京メトロ日比谷線霞が関駅と神谷町駅の間に新駅を整備すると発表した。新駅
は、6月に開業した「虎ノ門ヒルズ」に隣接する。今後、関係機関や周辺の都市開発との連携・調整を図りながら、新駅の整
備を進め、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会までに供用開始することを目指す。なお、新駅の最終完成は
2022年度を予定する。
大型商業施設の物流、佐川急便が一括受託
出典:日本経済新聞(10月21日)
佐川急便は大型の商業施設向けに、商品の仕入れ業務を一括で請け負うサービスを始めた。自社の最寄りの営業拠点に
商品を集め、事前に仕分けして施設内の個々の店舗に搬入する。店ごとに異なる運送会社を使う従来方式のような搬入作
業の遅れをなくす。物流業務を外部に委託する企業が増えるなか、より効率的な配送サービスを提供しようとする物流会社
の競争が激しくなりそうだ。第1弾として、三菱地所・サイモン(東京・千代田)が国内の9カ所で運営している「プレミアム・ア
ウトレット」の仕入れ業務を受注した。アウトレット内にある100~200の店に最適な経路で搬入できるように衣料品や雑貨な
どを仕分けする。従来は店ごとに別々の運送会社が、主に朝の営業開始前に商品を搬入していた。多くの運送作業員が集
中して混雑するため、搬入の制限時刻である午前9時半を超える場合があった。新サービスは施設内での作業効率が高ま
るため制限時刻が守れるという。
3.商業施設関連情報
【開発関連】
JR田町駅/直結のビル2棟(36階、31階)開発始動、商業施設も整備
出典:流通ニュース(10月3日)
東京ガス、三井不動産、三菱地所は10月3日、JR田町駅東口の芝浦エリアに共同の開発計画「(仮称)TGMM芝浦プロジェ
クト」ついて、都市計画決定したと発表した。JR田町駅東口至近において、2棟の高機能オフィスを整備するとともに、オフィ
ス機能を支えるホテル、商業施設なども導入し、全体延床面積約30万㎡にもなる駅直結の複合ビジネス拠点を整備する。
工期は、2015年度から2019年度。なお、駅前の既存の商業エリアは、田町駅前東口地区市街地再開発準備組合が、駅前
の街並みの形成とにぎわいを創出する商業店舗を中心とした商店街機能の再整備する計画。
日生球場跡に〝空中〟ランニングトラック 来春オープン
出典:産経ニュース(10月7日)
東急不動産は7日、日本生命球場跡地(大阪市中央区)で来年春に開業予定の大型商業施設「もりのみやキューズモール
BASE(ベース)」の屋上部分に陸上競技用のトラックを設けると発表した。こうした施設は全国で初めてという。商業施設は
複数の建物で構成。屋上部分をつなぎ、人工芝を敷き詰めた1周300メートルの「エアトラック」を設置する。元陸上五輪代表
の朝原宣治さんが監修し、竹中工務店と共同開発した。日生球場はかつてプロ野球・近鉄バファローズ(現オリックス)の
ホームグラウンドでアマチュア野球の公式戦も行われたが、平成9年末に閉場。来春以降は、市民ランナーのために生まれ
変わることになる。商業施設の開業時間は無料開放し、散歩での利用も可能という。商業施設は、スポーツクラブ「東急ス
ポーツオアシス」を核テナントに衣料・飲食など約50店が入居。市民ランナーが着替えなどで利用できる「ランニングステー
ション」をはじめ、フットサルコート、壁登りを楽しめるクライミングジムなど、スポーツ関連施設を充実させる。
関西でSCなどの新設・改装相次ぐ
出典:日本経済新聞(10月10日)
関西でショッピングセンター(SC)の新設、改装が相次ぐ。イオンモールは17日に京都市内で、三井不動産は30日に大阪府
内に大型SCを開く。既存の商業施設も改装で集客力を高める。4月の消費税増税後、消費環境がさえないなか、施設間の
競争は激しくなっており、閉鎖に追い込まれる商業施設も出てきている。日本ショッピングセンター協会によると近畿2府4県
で今年開業する店舗面積2万平方メートル以上の大型SCは5施設で2013年並みとなる。施設間での集客競争は激しく、大規
模な改装で対抗する既存のSCも多い。今春は阪急電鉄が「阪急西宮ガーデンズ」(兵庫県西宮市)、京阪電気鉄道が「くず
はモール」(大阪府枚方市)で実施している。今月10日には大阪地下街が「ホワイティうめだ」(大阪市)、12月にはサムティが
「ピエリ守山」(滋賀県守山市)を改装オープンする予定だ。年末商戦に向け消費回復への期待もあるが、関西の個人消費
は力強さを欠く。「富裕層の消費は7月以降、戻ってきているが、一般消費者層の購買意欲は鈍い」(証券アナリスト)との指
摘もある。SCの新設は今後も相次ぐことから淘汰がさらに進む可能性もある。
イオンモール木更津、東京湾またぎ集客
出典:日本経済新聞(10月18日)
商業施設として首都圏有数の規模となるイオンモール木更津(千葉県木更津市)が18日、開業する。映画館やバーベキュー
場などもそろえ、年間来店者数1200万人を見込む。東京湾を挟んで都内や神奈川県からの誘客も狙う巨大モールの誕生
に、地元の商業施設はテナント入れ替えなどで対応。人材の争奪戦も始まっている。イオンモール木更津の敷地面積は約
28万平方メートルで、国内最大級のイオンレイクタウン(埼玉県越谷市)に次ぐ広さを誇る。全長600メートルのL字型のモー
ルには専門店やレストランのほか総合スーパーのイオンや10スクリーンのシネマコンプレックス(複合映画館)が入る。屋外
には3面のフットサルコートや小型カートを運転できるサーキット場が登場する。東京湾アクアラインの利用者にとっては、房
総半島の入り口に当たる木更津。イオンモール木更津の山下啓次ゼネラルマネージャーは「ドライブイン代わりに使ってほし
い」と期待する。
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3.商業施設関連情報
【開発関連】
イオンモール/大阪・堺に13.5万m2の「(仮称)イオンモール堺鉄砲町」を開発
出典:流通ニュース(10月23日)
イオンモールは10月21日、大阪府堺市に「(仮称)イオンモール堺鉄砲町」の出店を決めた。「下町・カジュアルモール」を開
発コンセプトに、敷地面積10.2万㎡、延床面積13.5万㎡、駐車台数2300台の規模で、2016年3月オープンの計画。ダイセル
の堺工場跡地で、大阪府を南北に縦断する国道26号線に接道し、東側に南海本線七道駅が隣接する広域からもアクセス
が見込まれる立地。文化・伝統・ものづくりのまち堺の新たな賑わいコミュニティモールを創造するとともに、「大阪ミュージア
ム」にも登録されている貴重な建造物「堺鉄砲町赤レンガ建築」を生かした広場を設置し、多彩なイベントなどを行い賑わい
ある堺を演出する。近接する堺市三宝下水処理場の下水再生水を活用し、その熱エネルギーを空調や給湯の熱源に利用
するとともに、膜処理技術で浄化した上で施設内に設置する小川で再利用する。
駅ビル「MIDORI長野」、11月21日に一部先行開業
出典:産経ニュース(10月23日)
来年3月の北陸新幹線金沢延伸開業に向けて、長野駅前でリニューアル中の駅ビル「MIDORI長野」が、11月21日に一部を
先行オープンする。既存の11店に県内初出店の東急ハンズなど新店35店が加わり、計46店が開業する。先行オープンする
のは、現在改装している既存の駅ビル(地上5階、地下1階)の2~4階部分と、建設中の新駅ビル(地上3階)の2、3階の一部
エリア。県内初出店は10店舗で、「サマンサタバサ」や「ユナイテッドアローズ」などのファッションブランド店や、料理教室「A
BCクッキングスタジオ」、アクセサリー・服飾雑貨の「カナル4℃ルリア4℃」など。上信越エリアでは初の直営の生活雑貨店
「東急ハンズ」も開業する。開業後は「Suica(スイカ)」など交通系電子マネーが全館で使用できるほか、2階部分が長野駅
自由通路と直結するなど、駅併設型の商業施設としての利便性も向上。収容台数314台の立体駐車場も営業を始める。来
春のグランドオープン時には、さらに約65店が加わり、計約110店舗を有する大型の駅前商業施設として誕生する予定だ。
オリックス/キラリト輝く瞬間をテーマに「KIRARITO GINZA」開業
出典:流通ニュース(10月28日)
オリックスは10月30日、銀座に複合商業施設「KIRARITO GINZA(キラリト ギンザ)」をオープンする。同社がプロジェクトマ
ネージャーを務める施設で、28日に関係者向けの内覧会を実施した。敷地面積は1323.21㎡で、銀座中央通りに約44m面す
る希少な敷地に地上12階地下3階、延床面積1万6582.48㎡の施設を開業する。銀座でいちばん、幸せな場所をコンセプト
に、人生において「キラリト輝く瞬間」である結婚式、結婚記念日、誕生日などのギフトをテーマにした「ハレの日」を彩る旬で
話題の物販、飲食、サービスの専門店を充実させた。
【運営関連】
静岡の商業施設、外国人客取り込み強化
出典:日本経済新聞(10月4日)
静岡県内の商業施設が外国人客の取り込みを強化している。松坂屋静岡店(静岡市)は中国人向けクーポン券を配布す
る。御殿場プレミアム・アウトレット(御殿場市)は免税店の店舗数を2倍にした。10月から化粧品や食料品などが新たに免税
対象に加わった。消費増税後の消費回復が鈍いなか、増加する外国人客を取り込むことで売り上げ拡大につなげる。松坂
屋静岡店は1日から始まった中国の国慶節(建国記念日)の大型連休に合わせて同日から中国人向けに5%引きのクーポン
券を用意した。店頭と静岡市内のホテルでは同店で扱う化粧品を掲載した中国語のカタログを配布する。店内には日本語
に加え、中国語や韓国語など4カ国語で表記した案内板を設置。化粧品の特徴などを中国語などで表記したシートを用意
し、指さしで外国人客と意思疎通できるようにした。3万円以上の免税手続きをした外国人客には海外で人気のキャラクター
「ハローキティ」をあしらった化粧ポーチを配る。
東京駅100周年でコレド・三越・高島屋・大丸が日本橋回遊イベント実施
出典:FASHIONHEADLINE(10月12日)
東京駅が開業100周年を迎えるにあたり、東京ステーションシティ運営協議会、三越伊勢丹、大丸松坂屋、高島屋、三井不
動産の5者は共同で東京と日本橋エリアを回遊するイベントを10月11日にスタートした。会期初日には5者によるオープニン
グセレモニーが行われた。このイベントは、今年12月20日に東京駅が開業100周年を迎えるにあたり、八重洲・日本橋エリア
への玄関口として整備が進められていた八重洲口駅前広場が全面使用開始されたことを記念した企画で、東京駅から日本
橋間が気軽に散策できるほど身近な距離であることを体感してもらうことが趣旨。12月20日まで行われる。
千葉・八千代の商業施設を取得、ケネディクス
出典:日経不動産マーケット(10月18日)
ケネディクスは2014年9月、特別目的会社(SPC)を通じて、千葉県八千代市にある商業施設、フルルガーデン八千代を取得
した。売り主は、国際興業の親会社で不動産事業を手がける国際興業管理(本社:中央区)。価格は明らかにしていないが、
ケネディクスはSPCに対して約19億円を匿名組合出資した。 なおケネディクスは2015年前半に、商業施設特化型REIT(不動
産投資信託)のケネディクス商業リート投資法人を上場する計画だ。運用資産は明らかになっていないが、ケネディクスはフ
ルルガーデン八千代のほかにも、MONA新浦安、代官山アドレス、ロゼオ水戸といった商業施設を保有している。
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3.商業施設関連情報
【運営関連】
どの宗教でも「いらっしゃ~い」 大阪駅直結の礼拝施設を公開 JR西
出典:産経ニュース(10月21日)
JR西日本は21日、JR大阪駅ビルで宗教を問わず利用できる礼拝施設を報道陣に公開した。全国のJRグループでは初の
取り組み。外国人向けのサービス向上が狙い。駅ビルには百貨店なども入っており、施設の利便性を高めることで訪日観光
客の取り込みを図る。大丸梅田店などが入る南側の駅ビルの1階にあり、22日から利用できる。利用時間は午前11時~午
後7時。主にインドネシアやマレーシアなどからのイスラム教徒の利用を想定しているが、宗教を問わず誰でも無料で使え
る。さ約30平方メートルで、男女別に部屋を分け、手洗い場も用意。礼拝する方角を知る必要があるイスラム教徒に配慮し、
天井に方位を示した。大阪ではアジアを中心に外国人観光客が増えており、鉄道各社などが受け入れ態勢を強化してい
る。南海電気鉄道も、9月末に難波駅に直結する商業施設内に同様の施設を開設した。
農業女子が新宿伊勢丹とコラボ。屋上にマルシェで農業の魅力を発信
出典:FASHIONHEADLINE(10月12日)
三越伊勢丹ホールディングスは、11月1日から3日の3日間、農林水産省が推進する「農業女子プロジェクト」の趣旨に賛同
し、プロジェクトの取組みの一つとしてイベント「イセタン“スタイリング マルシェ”」を伊勢丹新宿店本館屋上アイ・ガーデンで
開催する。農業女子プロジェクトとは、女性農業者が日々の生活や仕事、自然との関わりの中で培った知恵を様々な企業と
結び付け、新たな商品サービス、情報を社会に広く発信することを目的に2013年にスタートした企画。三越伊勢丹ホール
ディングスでは、「想いを“伝えたい・学びたい・届けたい”プロジェクト」をテーマとして掲げ、食や暮らしと深く結びつく百貨店
だからこそ出来る提案に取り組み、農水省・他企業との協業で日本の農業が抱える問題解決の一助になることを目的に、今
年から参画している。
【店舗関連】
「ハートマン」日本再上陸、「キラリトギンザ」に日本初・旗艦店オープン
出典:産経ニュース(10月14日)
サムソナイト・ジャパン株式会社は1877年にアメリカで創業以来、最高の技術により歴代大統領やハリウッドスターに愛され
る伝統を誇るブランド「hartmann(ハートマン)」の日本初となる旗艦店「ハートマン銀座」を、 10月30日に銀座通りに誕生する
新商業施設「KIRARITO GINZA(キラリトギンザ)」にオープンした。ハートマンは、1877年、アメリカ・ウィスコンシン州ミル
ウォーキーでジョセフ・S・ハートマンが創業したバックブランド。 「ラグジュアリー」「イノベイティブ」「タイムレス」というブランド
の哲学のもとに、最高の技術を用い、優れたクラフトマンシップの伝統を誇るブランドとして、洗練された上質なトラベルラ
ゲッジを135年以上に渡り制作して参りました。ハートマンは、2012年にサムソナイト社の傘下に入ったことで、この度、日本
再上陸を果たすこととなった。 「ハートマン銀座」は、ニューヨークに続き世界で2番目となるアジア初のハートマンの旗艦店
となる。
H&M/高価格帯ブランド「COS」、南青山に日本1号店、11月8日オープン
出典:流通ニュース(10月23日)
H&Mは11月8日、東京・南青山に傘下ブランド「COS」の日本1号店をオープンする。COSは、H&Mよりも高価格帯の商品を
展開することで、より品質が高く、美しい商品を提供するブランドで、レディース、メンズ、キッズの商品を販売する。今夏に発
表した主要商品の価格帯は、レディースは、ワンピース・ドレス6500円~5万円、トップス2300円~1万6000円、スカート6500
円~1万3000円、シューズ6500円~2万8000円、バッグ3500円~2万8000円。メンズは、ブレザー・ジャケット2万5000円~3万
円、ボトムス8000円~1万6000円、トップス2300円~1万6000円、シューズ1万2000円~2万8000円だった。COSは世界の店
舗をロンドン本社が運営しており、日本もロンドン本社が統括する。H&Mは、COSのオペレーション、ロジスティクス、ITなど
後方業務をサポートする。
コーチ新旗艦店が新宿にオープン。新コンセプト“モダンラグジュアリー”
出典:FASHIONHEADLINE(10月27日)
「コーチ(COACH)」が10月29日、新旗艦店「コーチ新宿」を新宿通りにオープンする。住所は新宿区新宿3-16-13新宿中村
屋ビル1・2階。27日に公開された。店舗面積は804平方メートル。2フロア構成で、1階にウィメンズ、2階にメンズの商品を取り
そろえる。新エグゼクティブ・クリエーティブディレクター、スチュアート・ヴィヴァース(Stuart Vevers)初シーズンである1415AWコレクションの他、バッグや革小物、シューズ、ジュエリー、時計、サンウエアなど幅広い商品をラインアップ。同店は、
コーチの新コンセプト内装デザインを導入した日本初のストア。ヴィヴァ―スがインテリアデザイナー、ウィリアム・ソフィール
ド率いるスタジオ・ソフィールド(Studio Sofield)と開発した、「モダンラグジュアリー」をテーマとする新コンセプトだ。
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4.東京建物グループトピックス
文京区水道のビルを取得、東京建物
出典:日経不動産マーケット情報(10月1日)
東京建物は2014年6月、出版取次の太洋社(本社:千代田区)から、文京区水道2丁目にある旧本社ビルを取得した。利用
方法は決まっていない。 同ビルは地下鉄江戸川橋駅から徒歩4分、神田川に面した場所にある。同じ街区には印刷工場や
製本会社が集積している。地上8階建て、延べ床面積6805m2の規模で、1973年に竣工した。太洋社は2014年8月に千代田
区外神田に移転し、9月時点で建物は閉鎖している。敷地面積は2169m2で、土地は容積率300%の準工業地域に指定され
ている。東京建物は近く、既存建物を解体する予定だ。
北関東の郊外型大型SC「SMARK」大規模リニューアル/プライムプレイス
出典:不動産流通研究所(10月7日)
東京建物(株)と、同社グループで商業施設専門にプロパティマネジメント業務を手掛ける(株)プライムプレイスは、群馬県
伊勢崎市の商業施設「SMARK(スマーク)」を大規模リニューアルし、2015年春までに順次新規・改装オープンすると発表し
た。同施設は、三世代親子をターゲットとした北関東最大級の郊外大型ショッピングセンター。08年11月の開業。延床面積は
約11万900平方メートル、店舗面積は約5万2,800メートルで、駐車場台数は3,000台を確保し、185の店舗数と10スクリーンの
シネマコンプレックスを有している。開業6周年を機に行なう初の大規模リニューアル。「“ゴキゲンなくらし”が進化する」をコ
ンセプトに、ファッション・雑貨、食品、サービスなど約30店舗の新規店舗を導入し、既存の50店舗が移転・改装し、モールの
刷新を図る。また、どの年代でも安心して快適に過ごせる施設にするため、電気自動車充電器の設置や、ベビー休憩室の
拡大、床面案内サインの新設、身障者の駐車スペースの増設など、施設環境も整える。第1期リニューアルオープンは、本
年11月の予定。
双日から目黒の開発用地を取得、東京建物
出典:日経不動産マーケット(10月7日)
東京建物は2014年6月、目黒区下目黒2丁目の土地1918m2を取得した。売り主は双日だ。JRまたは地下鉄の目黒駅から徒
歩8分、オフィスビルやマンションが立ち並ぶ山手通り沿いに同物件がある。かつて東邦モーターズの本社が立っていた土
地で、双日が2008年に取得。現在は時間貸し駐車場として利用中だ。容積率500%の商業地域と300%の準工業地域に指
定されている。買い主は利用方法を明らかにしていない。なお、この土地に隣接して石橋ビル(現目黒山手通りビル)が立っ
ている。パシフィック・グロース・リアルティ(現パシフィック・プロパティーズ・インベストメント)が所有していたが、2013年10
月、サンフロンティア不動産に売却した。
富ケ谷の開発頓挫地を取得、東京建物と住友商事
出典:日経不動産マーケット(10月14日)
東京建物と住友商事は2014年6月、渋谷区富ケ谷1丁目の土地2625m2を取得した。売り主は明和地所だ。持分は東京建物
が65%、住友商事が35%。規模や工期は決まっていないが、両社は共同で分譲マンションを建設する。取得した土地は地
下鉄代々木公園駅、小田急線代々木八幡駅からそれぞれ徒歩2分の場所にある。山手通りと井ノ頭通りに面した角地だ。
容積率400%の近隣商業に指定され、現在は時間貸し駐車場として使われている。
東京・八重洲を再開発 地下に大型バスターミナル
出典:日本経済新聞(10月21日)
東京・八重洲地区の大規模再開発が動き出す。三井不動産や東京建物が中心となり、来年度からオフィスや商業施設など
が入る複合ビルの建設に着手する。地下には計3カ所の大型バスターミナルを整備し、地上に点在する乗り場を集約して鉄
道と乗り換えしやすくする。東京五輪を控え、外国人や地方からの観光客の利便を高める。2015年度の都市計画の決定を
めざし、両社を中心とする周辺の地権者が再開発組合を立ち上げた。オフィスやマンション、商業施設、教育・文化施設で構
成する複合ビルを23年にかけて計3棟建てる計画で、東京都から容積率の緩和を受ける。延べ床面積が100万平方メートル
弱に及ぶ大規模開発となる見通しだ。目玉となるのが地下に設ける大型バスターミナルだ。独立行政法人の都市再生機構
(UR)が土地を取得し、再開発ビルの地下1階と2階にまたがる3つの街区で計約2万平方メートル整備する。地上にある15カ
所程度の乗り場を地下に集め、バスの発着能力を3割程度高める。工期が6年程度と最も短いB街区は20年の東京五輪に
間に合うよう整備を進める。総事業費は数十億円で、国の補助金と再開発組合からの負担金を充てる。
東京・大手町の緑地空間が「国土交通大臣賞」を受賞/東京建物
出典:不動産流通研究所(10月7日)
東京建物(株)は29日、第30回都市公園コンクール(主催:(一社)日本公園緑地協会)において、「大手町の森」(東京都千
代田区)が最高位の「国土交通大臣賞(企画・独創部門)」を受賞したと発表した。同コンクールは、都市公園の設計、施工、
材料・工法・施設、管理運営、企画・独創について表彰するもの。都市公園の設計、施工および管理運営等の技術水準の向
上、新たな時代の都市公園の創造に寄与することを目的に、年に1回開催されている。「大手町の森」は、複合施設「大手町
タワー」(2014年4月全体竣工)に、「都市を再生しながら自然を再生する」という開発コンセプトを具現化すべく創出された広
大な緑地空間。規模は、敷地面積全体(1万1,037.84平方メートル)の約3分の1に相当する、約3,600平方メートルに及ぶ。従
来の人工的な広場整備とは一線を画し、野生を併せ持つ自然の森をパブリックスペースとして整備したこと、都市の森として
アメニティを創出し、ヒートアイランド現象を緩和するなど、さまざまな価値を有した大手町地区の新しい公共空間であること
などが評価され、受賞に至った。
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