2015年2月度 2015年2月度 商業動向報告書 1.経済動向指標 【国内景気指標】 全体概況 出典:内閣府「月例経済報告」(2015年2月) 景気は、個人消費などに弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、雇用・所得環境の改善 傾向が続くなかで、原油価格下落の影響や各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待される。ただし、消 費者マインドの弱さや海外景気の下振れなど、我が国の景気を下押しするリスクに留意する必要がある。個人消費は、消費 者マインドに弱さがみられるなかで、底堅い動きとなっている。設備投資は、おおむね横ばいとなっている。輸出は、このとこ ろ持ち直しの動きがみられる。生産は、持ち直しの動きがみられる。企業収益は、全体としてはおおむね横ばいとなっている が、大企業製造業では改善の動きもみられる。企業の業況判断は、おおむね横ばいとなっている。雇用情勢は、改善傾向 にある。消費者物価は、横ばいとなっている。 1月小売販売額 出典:経済産業省「商業販売統計」(1月) 平成27年1月の商業販売額は36兆2150億円、前年同月比▲2.9%の減少となった。これを卸売業、小売業別にみると、卸売 業は24兆7290億円、同▲3.4%の減少となった。小売業は11兆4850億円、同▲2.0%の減少となった。なお、商業販売額の季 節調整済前月比は、0.4%の上昇となった。卸売業は同2.8%の上昇、小売業は同▲1.3%の低下となった。 1月専門量販店販売額 出典:経済産業省「専門量販店販売統計調査」(1月) 平成27年1月の専門量販店販売は、家電大型専門店が3621億円、前年同月比▲11.6%の減少、ドラッグストアが3878億円、 同2.9%の増加、ホームセンターが2323億円、同▲5.9%の減少となった。 1月全国消費者物価指数 出典:総務省「消費者物価指数」(1月) 総務省が発表した1月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、総合指数が前年同月比2.4%上昇の103.1ポイントと 20ヶ月連続のプラス、前月比では0.2%のマイナスに転じた。生鮮食品を除く総合が102.6ポイントで前月比では-0.6ポイント と3ヶ月連続のマイナス。前年同月比は2.2%の上昇。食料及びエネルギーを除く総合では前年同月比2.1%上昇の100.2ポイ ントとなり、前月比では-0.5であった。 【商業関連指数】 1月SC売上高/バーゲン全体的に不調 出典:日本SC協会「SC販売統計調査報告」1月 2015年1月の既存SC売上高は前年同月比-2.0%で、前月(-1.1%)より0.9ポイント後退し、2ヵ月連続で前年を下回った。1月 は、正月休みが前年に比べて1日減、前年の消費税増税前の駆け込み需要の反動、中旬から下旬にかけての降水量増な どの影響によりマイナスとなった。バーゲンは、年始の出足は良かったものの、全体的にみると不調であった。業種別では、 飲食店は比較的好調であったが、婦人衣料品を中心に苦戦したという報告が多く見られた。テナントは-1.6%、キーテナント は-3.0%であった。地域別でみると、九州・沖縄が0.3%で、リニューアル効果等により唯一のプラスとなった。一方、その他 の地域はすべてマイナスで、特に中国地方は新規SCの開設で競合が激しくなり顧客が分散し、-6.1%と厳しい結果になって いる。 1月百貨店売上高/10ヶ月連続のマイナス 出典:日本百貨店協会「全国百貨店売上高概況」1月 1月は、正月休暇の1日減や日本海側を中心とした上旬の大雪などから、年頭商戦に影響を受けた地域も多く、全体的に厳 しい滑り出しとなった。中旬以降も冬型の気圧配置が長続きせず、気温が高く降水量が多かったことや、前年の消費税率引 上げ前の駆け込み需要の反動もあり、10ヶ月連続のマイナスに終わった。地区別では、東京、大阪の主要築が前年を確保 したことで、大都市圏は1.3%減にとどまったが、天候不順などの影響を強く受けた地方都市の不振が目立った。商品別で は、不安定な天候が入店客数を重衣料を中心とした防寒衣料の売れ行きに影響し、主力の衣料品が振るわず、昨年の駆 け込み需要で数字を伸ばした家庭用品にも反動減が見られた。反面、化粧品や美術・宝飾・貴金属は引き続き好調を維持 し、雑貨の伸びをけん引した。なお、訪日外国人売上高は、12月に続いて単月で100億円を超えるとともに、購買客数も高い 伸びを示し、春節休暇のズレを感じさせない結果となった。 1月チェーンストア売上高/10ヵ月連続のマイナス 出典:日本チェーンストア協会「チェーンストア販売統計」1月 平成27年1月度は、食料品は好調に推移したが、衣料品は気温の影響もあり冬物商品が伸びず苦戦し、住関品も不調に終 わったことから、総販売額の前年同月比(店舗調整後)は、10カ月連続のマイナスとなった。 12月外食産業売上高/異物混入影響で客数大きくマイナス 出典:日本フードサービス協会「外食産業概況」12月 1月の外食需要は、客単価が21カ月連続して前年を上回るものの、客数は伸びていない。中でもFF洋風は、食品への異物 混入事件の影響で客数が大きくマイナスとなり売上減となったことから、外食全体の売上も95.0%と、前月に続き前年を下 回った。 12月コンビニ売上高/コーヒー含むカウンター商材引続き好調出典:日本フランチャイズチェーン協会「コンビニ統計月報」12月 今月は、平均気温が高かったものの、北日本を除き降水量が多かったため、客数に影響を及ぼした。一方、客単価につい ては、淹れたてコーヒーを含むカウンター商材や惣菜等が引き続き好調に推移し、全店・既存店共に前年を上回った。なお、 既存店売上高は前年を下回っているものの、たばこの売上高減少分を勘案すると前年よりプラスとなる。既存店ベースで は、来店客数11億6,058万人(前年同月比-1.6%)が11ヶ月連続のマイナス、平均客単価614円(前年同月比+1.0%)が4ヶ月 連続のプラスになり、売上高7,124億円(前年同月比-0.7%)は10ヶ月連続のマイナスとなった。 1 2015年2月度 商業動向報告書 2.マーケティング情報 【経済・消費・市場動向】 百貨店1月売上高、セール失速で不振 出典:繊研プラス(2月4日) 大手百貨店の1月売上高(速報値、既存店ベース)は、三越伊勢丹と阪急阪神百貨店が前年実績を上回ったものの、店別で は大半の施設が不振だった。セールが失速したことに加え、前年同月には消費増税前の駆け込み需要があったことが影響 した。訪日外国人が多く、スプリングコートなどの正価品を揃えた百貨店が売り上げを伸ばした。全体的に富裕層の消費は 回復しているが、中間層の戻りは遅れている。1月売り上げが前年実績を上回ったのは三越銀座店(11.5%増)、阪急うめだ 本店(6.7%増)、高島屋新宿店(4.9%増)、大丸東京店(3.8%増)、西武池袋本店(1.6%増)など、インバウンド(訪日外国 人)需要を取り込んだ大都市に限られた。三越銀座店は24カ月連続、大丸東京店が9カ月連続で前年実績を上回った。高島 屋全店の免税売上高は前年同月比約3倍に伸びた。セールは開始後半から失速し、盛り上がりに欠けた。「スタートは好調 も、後半に主力の冬物商品が伸び悩んだ」(そごう・西武)、「婦人服の動きが鈍かった」(大丸松坂屋百貨店)との見方が多 い。正価販売のための期間としての位置づけが高まった格好だ。 春節商戦の出足好調 百貨店の免税品売上高3倍超 出典:日本経済新聞(2月20日) 中国の春節(旧正月)を祝う7連休が始まり、百貨店では中国や台湾からの訪日客の買い物が活発だ。高額品から化粧品 や食品まで広く買われ、各社の主要店舗の関連売り上げは昨年の同時期の3~6倍となった。円安に加え、昨年10月に消 耗品が免税対象に加わったことが後押ししている。三越伊勢丹の三越銀座店(東京・中央)では、春節休暇の初日となった 18日の免税品売上高が昨年(1月31日)の4.7倍、伊勢丹新宿本店(同・新宿)は2.6倍となった。「菓子や刃物、日本酒も売れ ている」。18~24日の期間中は両店で昨年(1月31日~2月6日)の3倍を予想する。高島屋では18日の免税品の売上高が新 宿店(東京・渋谷)で昨年の約4倍、大阪店(大阪市)が約5倍だった。大丸松坂屋百貨店は大丸心斎橋店(大阪市)が4倍、 大丸東京店(東京・千代田)が5.5倍に達した。イオンでは19日、空港や観光地に近い20店のスーパーに特設売り場を設け た。中国語による表示に加えて中国語を話すスタッフをそろえた。商業施設の「イオンモール成田」(千葉県成田市)では目 薬や頭痛薬、水筒、炊飯器などが売れ筋で昨年の期間中の1.5倍を超える売り上げを見込んでいる。 福岡市、特区でビル建て替え促進 天神周辺で 出典:日本経済新聞(2月24日) 福岡市は2015年度から中心市街地の天神周辺(約80ヘクタール)について、ビルの建て替え促進や渋滞緩和など魅力向上 に向けて本格的に動き出す。企業や観光客の誘致を一段と加速させることが目的だ。国家戦略特区の枠組みを最大限に 活用し、天神周辺での経済波及効果を今後10年で年間8500億円上積みすることを狙う。市は市街地の機能拡充を目指す 総合的な取り組みを「天神ビッグバン」のプロジェクト名で進める。市は現在、一定規模以上の商業施設やビルなどを新増設 する場合に原則として延べ床面積に応じた台数の駐車場を併設することを条例で義務付けている。駐車場の設置場所をビ ルから離れた所でも可能にするため同条例の改正も視野に入れる。ビルなどの設計の自由度が高まることにもなりそうだ。 さらに歩行者天国の実施が容易となる道路法の規制緩和エリアを、市中心部の天神やJR博多駅周辺以外へ段階的に広 げる。北は港湾地区の「那の津通り」、東と南は同駅周辺の「大博通り」と「百年橋通り」、西は飲食店が集積する「大正通り」 の辺り(合計約500ヘクタール)まで拡大させたい考えだ。こういった施策のため来年度から交通や駐車場の利用状況の調 査に入る。市の新しい試算によると、今後10年間で民間が手掛けるビル建て替え(約30棟)で延べ床面積は約1.7倍の76万 平方メートルに、雇用は2.4倍の9万7千人になるという。 3.商業施設関連情報 【開発関連】 三菱地所、青山ベルコモンズを再開発へ 出典:不動産マーケット情報(2月3日) 三菱地所は1月15日、港区北青山の元商業施設、青山ベルコモンズを取得した。黒川紀章氏の設計で1976年に竣工した、 青山通りのランドマークだ。買い主は建て替えを予定しているが、計画の詳細は明らかにしていない。物件は地下鉄外苑前 駅から徒歩2分、青山通りと外苑西通りの交差点に面した角地にある。地上13階地下4階建て、延べ床面積約1万4000m2の 規模。当時のアパレル大手であった鈴屋が開発し、第一生命保険を経て2012年6月に今回の売り主である米Angelo Gordon (アンジェロ・ゴードン)のファンドが取得。レディースアパレルを中心とする商業施設だったが、2014年3月に閉館した。 アン ジェロ・ゴードンはその後、2014年6月に、裏手にある小規模オフィスビルを個人から取得。合わせて2142m2の開発用地にま とめていた。 三菱地所は今回、土地・建物を保有する特定目的会社に第1回優先出資として243億円を拠出した。この金額 には諸経費を含む可能性もあるが、取得価格とみなして単純計算すると土地1坪あたり3750万円になる。入札には複数の 上場デベロッパーや財団法人などが参加した。 23万㎡超の複合施設/2丁目北 3棟総延べ約31万㎡/八重洲1丁目東再開発 出典:建設通信新聞(2月16日) 三井不動産や東京建物が中心の組合施行による、東京都中央区の東京駅前八重洲1丁目東地区第1種市街地再開発事 業と、同2丁目北地区第1種市街地再開発事業の都市計画概要がまとまった。1丁目東地区では敷地をA、B地区に分割し、 B地区には事務所、店舗、住宅、医療施設などからなる地下4階地上54階建て延べ約22万4000㎡の複合施設を計画。2丁目 北地区では3街区で再開発施設を整備。A-1街区では事務所、店舗、小学校、宿泊施設などからなる地下4階地上45階建て 延べ約28万7100㎡の施設を想定。高さは約245m。各地区の地下には東京駅と直結する、総延べ約2万㎡の(仮称)八重洲 バスターミナルも計画している。再開発ビルは、延べ約38万㎡を想定している。事業協力者として、三井不動産と鹿島が参 画している。事業期間は16-22年度を予定。3地区で総延べ約93万㎡の「八重洲地区の新たな顔」が東京オリンピック開催 の20年以降に誕生する計画だ。 2 2015年2月度 商業動向報告書 【開発関連】 東急武蔵小杉駅/地上44階の複合施設の事業計画を発表 出典:流通ニュース(2月17日) 川崎市は2月16日、小杉町3丁目東地区第一種市街地再開発事業の組合設立を許可した。東急武蔵小杉駅に直結する商 業施設「武蔵小杉東急スクエア」に隣接する地域を再開発するもの。施工地区面積は約1.1ha、建築敷地面積は8347.32㎡、 建築面積は約5200㎡、建築延面積は約7万2900㎡。地下2階、地上44階、高さ約160mの複合施設を建設する。建築工事期 間は2016年9月から2019年9月の予定で、商業施設・業務施設、住宅(520戸)、総合自治会館、小杉こども文化センターと いった公共公益施設、駐車場・駐輪場も設置する。 名古屋パルコ/新規ビル「PARCO midi」、3月27日オープン 出典:流通ュース(2月17日) パルコは3月27日、名古屋パルコの新規ビルとして「PARCO midi(ミディ)」をオープンする。名古屋パルコの既存3 館(西館・ 東館・南館)の中心に位置する立地で、既存3館と比較しコンパクトな3層ビルであることから、英語で中心を意味する「middle (ミドル)」+小さい・コンパクトを意味する「mini(ミニ)」を掛け合わせた造語としてネーミングした。名古屋初の3店と新業態1 店の4店で構成。「高感度・大型セレクトファッション業態」として、NY発の高感度セレクトショップ「オープニングセレモニー」を を2層のメゾネット型で導入。昨年10月に開業した「名古屋ゼロゲート」が、都市型中低層階商業施設の開発運営事業「ゼロ ゲート」事業として独立型のビル運営をするのに対し、「PARCO midi」は名古屋パルコ既存館との一体化運営や共通サービ ス(駐車場買上げサービス、パルコカード優待)の提供を行い、既存3館との回遊性・買い回りの向上を強化する。 イオンモール/(仮称)イオンモール土岐の出店計画を発表 出典:流通ニュース(2月18日) イオンモールは2月18日、岐阜県土岐市にショッピングモール「(仮称)イオンモール土岐」の出店を決定し、土岐市と土岐市 土岐口財産区と中山鉱山周辺土地利活用促進事業に関する基本協定書を締結したと発表した。開業予定は2019年度。土 岐市、土岐市土岐口財産区、岐阜県他関係各位の協力を得ながら、土岐市のまちづくりに寄与できるよう取り組むととも に、地域に愛される商業施設を目指す。計画地周辺は、名古屋から長野までを結ぶ線道路国道19号に面し、東海環状自動 車道土岐南多治見ICに近く、土岐市内のほか、遠方からのアクセス環境も優れた立地。計画地から約1kmにはアウトレット の商業施設もあることから、周辺地を一大商業エリアとして、東濃エリアをはじめ県内外から集客可能な商業集積を目指 す。 野村不動産/JR塚口駅前に「ZUTTOCITY」、商業施設も 出典:流通ニュース(2月27日) 野村不動産、ジェイアール西日本不動産開発、長谷工コーポレーションは2月26日、JR宝塚線塚口駅前で、関西最大級の 駅前大規模再開発「ZUTTOCITY(ズットシティ)」の開発に着手したと発表した。総開発面積約8.4ha(甲子園球場約2個分) で、JR駅前再開発としては過去最大規模となるプロジェクトで、分譲マンション(1200戸)、戸建て(71戸)のほか、駅ビル、商 業施設、駅前ロータリー、大型公園などを新新設する駅前大規模再開発となる。JR塚口駅直結予定の駅ビルを新設するほ か、プラウドシティ塚口マークフロント東側すぐに商業施設を新設する予定だ。 【運営関連】 株式会社丹青モールマネジメントの株式取得 出典:産経ニュース(1月30日) ジョーンズ ラング ラサール株式会社 総合不動産サービス大手JLL(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長 河西利信 ) は、株式会社丹青社(本社: 東京都台東区、代表取締役社長 青田 嘉光)と株式譲渡契約を締結し、株式会社丹青モールマ ネジメント(本社: 東京都台東区、代表取締役社長 大津武、以下丹青モール)の発行済み株式840株(発行済み株式総数 1,200株のうちの70%)を取得することについて合意致しました。今後は、JLLの強みであるグローバルなネットワーク及び経 験と、丹青モールが有する国内における商業施設管理のノウハウを融合し、より質の高いサービスを提供して参ります。 なんばパークス改装、過去最大規模 出典:繊研プラス(2月10日) 大阪・なんばパークスは07年の全館開業以来、最大規模のリニューアルを実施し、3月20日にグランドオープンする。「都市 で生活する洗練された大人の男女」という開業以来の対象客層に向け、セレクトショップなど高品質なショップをさらに取り入 れる。リニューアル後の全館売上高は約270億円(前年比5%増)。今回リニューアルするのは、100店(内訳は新規49、移転 25、改装26)に上る(総店舗数は254)。これまで10年3月と12年3月にリニューアルしているが、今回はすべての階を対象にし た過去最大規模となる。狙いは①開業時から続けている大人向けの上質というフロアコンセプトの充実②各フロアとも衣食 住のライフスタイル提案を強化③ニューファミリー層に対応するため、キッズ関連のテナント、施設の拡充――とする。新店 舗などを紹介する冊子を作り、カード会員14万人に送る。また、過去1年以上買い上げのない3万人にもDMを送り、客数を伸 ばす。 博多阪急、30カ月連続の増収 出典:繊研プラス(2月12日) 間もなく開業丸4年を迎える博多阪急が順調に売り上げを伸ばしている。入居するJR博多シティの高水準の動員力を背景 に、12年8月から15年1月まで30カ月連続の増収が続く。最近ではインバウンド(訪日外国人)需要急拡大の追い風も受けな がら、「新規参入百貨店として地道に進めてきたファン作りにより、競合百貨店より10歳は若い客層の顧客化が進んできた」 (松田英人店次長)。「まだまだ低効率売り場も多い」ため、地下鉄七隈線が博多駅に乗り入れる20年ごろをめどに売上高 500億円(14年3月期売上高404億円)達成を目指す。連続増収の外的要因に挙げるのは駅ビル全館の動員力と、周辺にホ テルが多くインバウンド需要をとらえやすい駅立地の強み。昨年4、5月に実施された館内ホールや駅前広場などでのイベン トが高い動員力を示して増税後の消費を盛り上げるなど、14年の入店客数は約2600万人(13年度2516万人)に達した。 3 2015年2月度 商業動向報告書 【運営関連】 埼玉県久喜市の大型商業施設 『モラージュ菖蒲 グランドリニューアル』 出典:産経ニュース(2月12日) 双日商業開発株式会社は、埼玉県内最大規模のショッピングセンター「モラージュ菖蒲」(所在:埼玉県久喜市菖蒲町)の開 業以来最大のリニューアルを実施。本リニューアルにより、全店約240店舗のうち、関東初出店となる話題のショップを含む 115店舗が6月末までに順次オープンする。1階にはクロスカンパニーとして初となる欧米進出を見据え世界から支持される ブランドとして、ファッション業界でも先駆的なフェアサプライチェーン※に取り組みながら、コーディネートしやすいモードを展 開するブランド「KOE」が関東初出店。また、「clear impression musee」「JELLY BEANS」が埼玉県初出店としてオープンしま す。その他にも、新たに「index」「CIAOPANIC TYPY」「SEVENDAYS=SUNDAY」「WE GO」「tutuanna」「J!NS」が出店。幅広い 年齢層に人気のブランドを多数加え、新たなファンの獲得を目指す。 グランフロント大阪が訪日外国人向け無料Wi-Fiサービスのゲートウェイに 出典:産経ニュース(2月22日) グランフロント大阪では、増加する海外からの訪日旅行者(インバウンド)のお客さまに対応し、この街をより一層快適にお楽 しみいただけるよう、本年2月14日(土)より、南館・北館の建物低層部分において、インバウンドのお客さまを対象にした、無 料の公衆無線LAN(無料Wi-Fi)サービスの提供を開始した。また、併せて、【Osaka Free Wi-Fi(大阪市営地下鉄等の駅や大 阪府下の主要観光施設等でサービス展開中)】についても、グランフロント大阪における2014年度内のサービス提供開始に 向け、現在、サービス実施主体である大阪観光局(公益財団法人大阪観光コンベンション協会)との間で協議を進めおり、こ れらのサービス導入の実現により、グランフロント大阪は、京阪神の広域で利用可能な上記2種類の無料Wi-Fiサービスが 利用できる関西唯一の施設となり、大阪・関西における観光回遊の拠点として、インバウンドのお客さまに対してより一層重 要な役割を果たすことができるものとする。 銀座三越/リストバンドを活用した訪日外国人のおもてなし実験 出典:流通ニュース(2月17日) 銀座三越は2月18日~22日、訪日外国人向けにNFC内臓リストバンドを配布し、買い物が楽に、楽しく、もっと買いたくなる多 言語情報提供サービスの実証実験を行う。自動認識技術を提供するサトーの機器を活用した実験。訪日外国人から入手し た情報(国籍、性別、買いたいものなど)から、お薦め商品を多言語で紹介し、その売り場まで案内する仕組み。NFCリストバ ンドを端末にかざすだけで、サービス情報が得られる。実証実験は経済産業省「平成26年度電子経済産業省構築事業」の ビジネスモデルコンテストにサトーの企画案が採択され実施するもの。訪日外国人の本人確認は、宿泊施設のチェックイン、 免税品の購入、通信機器のレンタルなど様々な場面で個別に実施されており、煩雑なエントリー作業の発生、本人確認待ち 時間の長時間化等の課題に加え、事業者(店舗等)の負荷にもなっている。これらを解決するために、サトーは一度登録し たID情報を共通で用いることで宿泊、移動、食事、観光、買い物などさまざまなタッチポイントで最適な情報を訪日外国人、 事業者の両者へ提供するサービスを目指す。また、訪日外国人の動線や嗜好を掴むためのログデータ活用もできるという。 豊洲新市場の「場外」整備、大和ハウスが辞退 出典:日本経済新聞(2月24日) 東京都は23日、築地市場(東京・中央)の移転先である豊洲新市場(同・江東)の場外施設の整備事業を一部凍結すると発 表した。商業施設を整備する予定だった大和ハウス工業が辞退したため。同社は現在の設計案では、施設の搬入車両と来 場客の車両を安全に仕分けられないと判断した。大和ハウスは豊洲新市場で青果棟を建設している区域内の敷地約6000 平方メートルに、調理器具などを販売する商業施設を整備する計画だった。当初の設計案では施設の搬入車両と青果棟の 車両が出入り口で交錯する懸念が市場関係者の間で浮上。このため、商業施設の搬入車両と来場客の車両が近接する変 更案を検討したが、大和ハウスは「来場客の安全を確保できない」とし、整備計画から手を引くことにした。都は用途が白紙 になった敷地について、2020年の東京五輪に向け、にぎわいを創出できる施設の建設案を募集する方向で検討する。 【店舗関連】 ブルーボトルコーヒーが海外初進出 出典:FASHION HEADLINE(2月5日) サンフランシスコ発のサードウェーブコーヒー「ブルーボトルコーヒー(BLUE BOTTLE COFFEE)」が2月6日、日本第1号店と なる「清澄白河 ロースタリー&カフェ」をオープンする。海外初進出となる同店は、倉庫をリノベーションし、1階にロースタ リー(焙煎所)とカフェ、2階にキッチンとトレーニングラボ、オフィススペースを設置する。焙煎されてから48時間以内のコー ヒー豆の使用を徹底し、2階のキッチンで手作りするクッキーやグラノーラなどのペストリーや、オリジナルグッズも販売。カ フェエリアは60平方メートルで、8席を用意している。「地元の方に愛される場所になることを意識した、コーヒーができる流れ を体感できるスペース」を目指したという。営業時間は8時から19時。2号店「青山 カフェ」も3月7日にオープンを予定してい る。 「COUTUME 玉川高島屋店」2月11日(水) グランドオープン 出典:産経ニュース(2月12日) 2月11日(水) グランドオープン」株式会社ベイクルーズが経営する、パリで人気のカフェ「COUTUME(クチューム)」が、二子 玉川に2月11日(水)、グランドオープンした。「COUTUME」は、成熟したカフェ文化を持つパリにおいて、「いま一番美味しい コーヒーが飲めるカフェ」と評され、パリにおけるサードウェーブコーヒーの先駆者となったコーヒーショップです。昨年4月に 東京・青山にてフランス国外1号店がオープン、12月に大阪に2号店がオープンし、連日TVや雑誌、webサイトで紹介される 注目のカフェとなりました。2月11日にグランドオープンしたCOUTUME 玉川高島屋店は、“ワンランク上のCOUTUME”とし て、これまでの店舗にはないプレミアムな商品、サービスを提供する。 4 2015年2月度 商業動向報告書 3.商業施設関連情報 【店舗関連】 三陽商会/バーバリー後継の新ブランド「クレストブリッジ」発表 出典:流通ニュース(2月13日) 三陽商会は2月13日、新ブランド「ブルーレーベル・クレストブリッジ」「ブラックレーベル・クレストブリッジ」を立ち上げると発表 した。新ブランドはバーバリー・ブルーレーベルとバーバリー・ブラックレーベルの後継ブランドとして位置づけられ、2015年秋 冬シーズンより開始する。クレストブリッジは現在のライセンス契約が今年6月に終了することに伴い、新たにバーバリーグ ループとライセンス契約を締結し、立ち上げるもの。新たなブルーレーベル・クレストブリッジ、ブラックレーベル・クレストブ リッジは、クリエイティブ・ディレクターである三原氏の創造力とディレクションの下、英国のヘリテージをベースとした「英国ら しさ」と「プレミアムベーシック」をキーワードに、新たなブランド価値と「三陽品質」の魅力溢れる商品を提供するという。 ワールド/アトレ川崎に新業態のアクセサリーショップ 出典:流通ニュース(2月17日) ワールドは2月17日、JR川崎駅直結の商業施設「アトレ川崎」3階に、25~35歳の女性に向けたアクセサリーショップ「ブール アネージュ」の1号店をオープンした。「ブールアネージュ」は、ターゲット世代の女性が、通勤等で日頃立ち寄る機会の多い 駅ビルやファッションビルへの出店を想定し、気軽に立ち寄りやすい店舗設計と買い求めやすい価格帯で、ファッション性に 富んだアクセサリー雑貨を提案するショップ。ギフトニーズの広がりを受けて、思わずプレゼントしたくなる、美しく贅沢なギフ トボックスやパッケージと、色とりどりのリボンを取り揃えラッピングに対応。オリジナルのアイコンや、店内の壁紙のデザイン をパッケージに活かすなど、ブランドイメージと連動してアプローチする。 4.東京建物グループトピックス 東京スクエアガーデンの約半分、東京建物が951億円で直接保有に 出典:不動産マーケット情報(2月13日) 東京建物は2015年3月、東京スクエアガーデンを直接保有に切り替える。同社は、東京スクエアガーデンの持分を保有する 特別目的会社(SPC)2社に出資している。出資割合に応じた共有持分割合は約46%で、これを951億円で買い取る。2月12 日に発表した。 SPC2社のうち、京橋開発特定目的会社は総資産1255億円で純資産553億円。優先出資の83.7%を東京建 物が拠出している。一方、京橋三丁目特定目的会社は総資産33億円で純資産3億円。東京建物の全額優先出資だ。開発 時の事業主としてはSPC2社のほか、第一生命保険、片倉工業、清水地所、ジェイアンドエス保険サービスが名を連ねてい た。 東京建物 東建不販を完全子会社化 東建不販は上場廃止へ 出典:日本経済新聞(2月17日) 東京建物と東京建物不動産販売は2月12日、株式交換で東建不販を東京建物の完全子会社とすることを決議したと発表し た。手続きを経て平成27年7月1日付で発効する。東建不販は6月26日付けで上場廃止となる。株式交換比率は東京建物が 1に対して東建不販が0.610。両社は今年を初年度とする中期経営計画をスタートさせた。それぞれが上場会社として事業展 開していくことと比較して、グループ内で分散している機能の集約によるバリューチェーンの最適化、シナジー効果、経営資 源の配分と戦略の策定を可能にすることが事業環境の変化に柔軟に対応できる最善の方策として決定したとしている。 5
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