サービス マニュアル

サービス マニュアル
ハイテックバキュームオーブン
DP23/33 型
第2版
目
次
1 仕様 ··············································································································· 1
2 外観図············································································································ 3
3 結線図············································································································ 5
4 故障診断方法································································································· 8
5 部品交換方法······························································································· 13
6 交換部品表 ·································································································· 19
1 仕様
品
名
形
式
方
式
真空定温乾燥器
DP23
DP33
圧力槽直接加熱による真空乾燥
性
能
使 用 温 度 範 囲
40~240℃
使 用 圧 力 範 囲
101~0.1kPa(760~1Torr)
温度調節精度
※ 1
最高温度到達時間※ 1
±1.5℃(@240℃)
約 60 分
約 90 分
外
装
内
装
ステンレス鋼 SUS304
材
ロックウール
断
熱
構
扉
成
ヒータ(マイカ)
冷間圧延鋼板
メラミン樹脂焼付塗装
片開き
0.68KW
1.05KW
真
空
計
ブルドン管式 0~-0.1MPa
観
測
窓
強化ガラス+ポリカーボネート
ポ ン プ 接 続 口
外径φ18(㎜)
パ
外径φ18(㎜)
ー
ジ
口
コ ン ト ロ ーラ
温 度 制 御 方 式
マイクロコンピュータによる PID 制御
温 度 設 定 方 式
▲ ▼キーによるデジタル設定方式(分解能:1℃)
温 度 表 示 方 式
緑色 LED によるデジタル表示
そ の 他 の 表 示
運転状態を示す温度パターン LED 表示
時
タ イ マ
間
1 分~99 時間 59 分、および 100 時間~999 時間
1 分または 1 時間
分 解 能
運
転
機
能
定値運転、オートスタート運転、オートストップ運転
付
加
機
能
カレンダタイマ機能(24 時間内の実時間タイマ)、積算時間計機
能(49999 時間までの積算計時)、時計機能(現在時刻表示)
ヒータ回路制御
セ
ン
サ
トライアック
ゼロクロス方式
K 熱電対(ダブルセンサ)
-1-
15A
安全装置
漏 電 ブ レ ー カ
漏電・短絡・過電流保護
独立過昇防止回路
コ ン ト ロ ー ラ
内
蔵
機
能
デジタルスイッチ入力方式
内寸法
規
外寸法
内
容
※2
量
格
付属 品
電
源
重
量
棚
板
取
扱
説
明
設定温度範囲:0~399℃
自己診断機能(センサ異常検知、ヒータ断線検知、トライアック短絡検
知、メインリレー不良検知、POST 機能、自動温度過昇防止)、キーロック
機能
(W×D×H)mm
(W×D×H)mm
定格感度電流 30mA
書
200×250×200
300×300×300
400×410×682
510×460×782
10リットル
27リットル
単相 AC100V
8A
AC100V
12A
50/60Hz 共用、電源電圧の許容変動範囲:±10%
約 43kg
約 69kg
ステンレスパンチングメタル×2 枚
本体用およびコントローラ専用
※1
室温 20℃、無負荷時の値。最高温度到達時間は弊社基準による。
※2
外寸法は突起部を含まず。
-2-
各1部
2 外観/構造図
2.1 外 観 図
本体扉
扉取手
観察窓
真空計
独立過昇防止器
コントローラ操作パネル
電源プラグ
漏電ブレーカ
パージバルブ(時計回りで「閉」)
パージ口
ポンプバルブ(時計回りで「閉」)
ポンプ接続口
-3-
2.2 構 造 図
取手
ポリカーボネイト樹脂保護板
開
強化ガラス
扉
パッキン
(シリコンゴム)
ヒータ
断熱材
パージホース口
バキュームホース口
パージバルブ用ツマミ
バキュームバルブ用ツマミ
真空計
-4-
-5-
表示基板
制御基板
ソリッドステートリレー
トランス
端子台
サーミスタ
漏電ブレーカ
リレー
PIO
PLANAR
SSR1
Tf
P1
TH
ELB
X1
名
ヒータ
品
H
部
CT
号
電流検出素子
記
3 結線図
3.1 結 線 図
-6-
3.2 ヒ ー タ 部 詳 細 図
DP23/33 のヒータ構成
-7-
4 故障診断方法
4.1 温 度 調 節 器 の エ ラ ー 検 知 ( 表 示 部
表
示
原
因
(1) センサ不良
表示)
チェック方法
処
置
温調器プレーナ基板の TC コネクタ センサ交換
を外し、1 ピン-5 ピン間の導通を
チェックする。∞Ωならセンサ不良。
(2) セ ン サ 端 子 の 外 れ TC コネクタが確実に接続されてい 接続手直し
または緩み
るか確認する。
(3) 温調器の故障
プレーナ基板の TC コネクタを外 プレーナ基板交換
し、正常なセンサを接続してメイン
表示器の温度表示を確認する。
• 周囲温度を表示
• 周囲温度以外を表示
(1) トライアック不良
(2) 温調器の故障
運転状態において、トライアック入力 トライアック基板
信号を OFF にし、ヒータ制御用トラ 交換
イアックの T1-T2 間電圧を測定す
る。
• 約 0V
異常
• 定格電圧
正常
ヒータランプ OFF の状態にして、 パワー基板、また
トライアック入力信号を確認する。 はプレーナ基板交
• トライアック入力 ON
異常 換
• トライアック入力 OFF
(1) ヒータ断線
正常
異常
正常
ヒータ線を端子台より取外し、ヒー ヒータ交換
タの端子間抵抗を測定する。抵抗値
∞の場合は断線、0Ωの場合はショ
ート。
正常値: • DP23 約 14.7Ω(±10%)
• DP33 約 9.5Ω(±10%)
(1) ヒ ー タ リ ー ド 線 の 電力制御部の端子台および、ヒータ 接続手直し
外れ
ユニットのヒータ接続部を確認。
(2) トライアック不良
トライアック入力信号を ON にし トライアック基板
て、ヒータ制御用トライアックの T1 交換
-T2 間電圧を測定する。
• 約 0V
• 定格電圧
-8-
正常
異常
表
示
原
因
チェック方法
処
置
(1) 独 立 過 昇 防 止 器 の 独立過昇防止器の温度設定が温調器 再設定
の設定温度+15℃以上に設定され
誤設定
ているか確認する。
(2) 独 立 過 昇 防 止 器 セ センサを端子から外し導通をチェッ センサ交換
クする。∞Ωならセンサ不良。
ンサ不良
時計異常
チェックはできません。
メインリレー溶着
ブレーカが「入」のとき、メインリ リレー交換
レー接点溶着の場合にエラー表示さ プレーナ基板交換
れる。
ブレーカを「切」にして、メインリ
レー接点の導通をチェックする。
• 0Ω
• ∞Ω
プレーナ基板交換
異常
正常
RAM 異常
チェックはできません。
プレーナ基板交換
EEPROM 異常
チェックはできません。
プレーナ基板交換
4.2 ブ レ ー カ が 落 ち て し ま う
原
因
(1) 絶縁不良
チェック方法
4.3項の方法による。
処
置
配線手直し
(1) 配線材および、電 電源コードアース端子と、電源端子間の絶縁抵抗 配 線 材 ・ 電 気 部 品
気部品の短絡
を測定する。0Ωであれば短絡と判断する。また、 の手直し、または交
正常であっても必ず線材被覆の皮ムケ等をチェッ 換
クする。ショートについては目視でチェックして
いく。
(1) ヒータのリード線 ヒータのリード線が、ヒータおよび温調器の端子 配線手直し
が外れてショート 台に確実に接続されているか確認する。
している
(1) ブレーカの仕様違 15A 仕様であるか確認する。
い
(1) ブレーカ故障
ブレーカ交換
(1)~(4)に該当しない場合、ブレーカの故障。 ブレーカ交換
-9-
4.3 ブ レ ー カ を ON に し て も 電 源 が 入 ら な い
原
因
チェック方法
処
置
(1) 電源コードの外れ
確実に電源端子に接続されているか確認する。
確実に接続する
(1) 電源不良
電源の電圧を測定。
定格電源供給
(1) ブレーカ不良
電源コードを 1 次電源側から取外し、ブレーカの ブレーカ交換
1 次側と 2 次側の導通を測定する。スイッチ ON
のとで 0Ωであれば正常。
(1) 配線不良
実体配線図を参考に温調器端子の配線をチェック、 配線手直し
かつ端子が確実に接続されているかも確認する。
(1) 電源コード不良
電源コード両端の導通をチェックする。それぞれの線 電源コード交換
について確認し、導通がない場合は電源コード不良。
(1) トランス不良
パワー基板の J3 の電圧(1-2 ピン間、3-4 ピン トランス交換
間、4-5 ピン間、6-7 ピン間)をチェックする。
電圧出力がない場合、トランス不良。
(1) パワー基板の故障
パワー基板の J3 ピンまで電圧がある場合、基板の パワー基板交換
故障。
4.4 温 度 表 示 が 不 安 定
原
因
(1) センサ不良
チェック方法
処
置
温調器プレーナボードから J3 コネクタを抜き、1 センサの交換
ピン-3 ピン間の導通を測定する。∞Ωであれば
不良。
(1) 周囲の温度変化が 本器の仕様環境温度範囲は 5℃~35℃であるが、 設置場所の変更
激しい
急激な温度変化(特に繰り返し)は好ましくない
ので、使用状態をチェックする。
(1) 温調器の故障
(1)~(2)に該当しない場合、温調器の故障。
温調器交換
4.5 温 度 が 上 昇 し な い
原
因
チェック方法
処
置
(1) 配線不良
温調器端子の配線をチェック。端子が確実に接続 配線手直し
されているかも確認する。
(1) トライアック不良
温調器前面のヒータランプが点灯している状態 トライアック交換
で、トライアック T1-T2 間の電圧を測定する。
0V であれば正常。
(1) ヒータ断線
温調器端子のヒータリード線を外し、端子間の抵 ヒータ交換
抗を測定する。
正常値: • DP23
• DP33
約 14.7Ω(±10%)
約 9.5Ω(±10%)
-10-
(4) 温調器の故障
(1)~(3)に該当しない場合、温調器の故障。
-11-
温調器交換
4.6 器 内 が 減 圧 し な い
原
因
(1) 扉パッキンの不良
チェック方法
処
置
1. 硬化、破れ、接合不良を目視により確 扉パッキンの交換
認する。
2. バキュームホース口側にピラニー真
空計等を取付け真空引きし、平衡状態
になったところでポンプを停止、パッ
キンの一部分にアルコールを塗布し
て、真空度変動を確認していく。
(1) 配 管 系 継手、バルブ
の不良
バキュームホース口側にピラニー真空計
等 を 取 付 け 、 パ ー ジ ホ ース口をシール
し、バルブを開いて真空引き、平衡状態
になったところでポンプを停止、配管・
継手の一部分にアルコールを塗布して、
真空度変動を確認しながらリーク個所を
突き止める。
リーク個所の配
管・継手部交換又
は継手シール部修
正
バ ル ブ の ボ ー ル 配管系及びパッキンにリークのないこと バルブの交換
ま た は ボ ー ル シ を確認後、パージホース口をシールして
ール材
バルブを開き、真空引きの後、両バルブ
を閉じ、両ホース口を開放しても真空度
に変化のないことを確認する。
(1) 真空ポンプの接続不良
バキュームバルブを閉じ、真空ポンプを
運転、平衡状態になったところでポンプ
を停止し、アルコールを塗布して、ピラ
ニー真空計等の指示値変動を確認しなが
ら、リーク個所を突き止める。
(1) 真空ポンプの不良
直接ピラニー真空計等を接続し、到達真 修理もしくは交換
空度を確認する。異常音がしていないか
確認する。
(1) 真空ポンプのオイル劣化
サイトグラスから内部のオイルの状態を オイルの交換(真空
確認する。
ポンプ取扱説明書
参照)
(1) 真空ポンプのオイル減少
オイルのレベルが所定値内にある事を確 オ イ ル の 追 加 充
認する。
填。充填してもすぐ
にオイルレベルが
低下するときは分
解修理。
-12-
リークのないよう
に接続。また、真空
ホース等に不良が
ある場合は交換。
5 部品交換方法
5.1 外 観 実 体 図
メンブレンスイッチ
写真 1:前面
図
写真 2:背面
図
電源コード
-13-
5.2 温 調 器 関 係
危険
作業を開始する前に必ず電源を切ってください!
5.2.1 プレーナ基板・PIO 基板等
1)
操作パネルのネジ(M4)を外して化粧板、制御部枠を外し、操作パネルを引
き出してください。プレーナ基板、デジスイッチ等が取り付いています。
(写真 3)
ブレーカ
プレーナ基板
写真 3
デジスイッチ
(独立過昇防止器)
2)
制御部枠のネジを外してください。PIO 基板が取り付いています。(写真 4)
タフカード
PIO 基板
写真 4
-14-
5.2.2 トランス・リレー・パワー基板等
1)
台脚裏板を外します。(写真 5)
写真 5
2)
電力制御部取付板にトランス、リレー、パワー基板等が取り付いています。
(写真 6/写真 7)
パワー基板
SSR 基板
リレー
電流センサ
トランス
端子台
写真 6
独立過昇防止器
写真 7
-15-
5.3 セ ン サ
危険
1)
作業を開始する前に必ず電源を切ってください!
外装裏板を外してください。(写真 8)
写真 8
2)
裏面断熱材を外してください。(写真 9)
温度センサ
写真 9
3)
センサ取付ネジを外します。
4)
操作パネルを外し、センサリード線を外してからセンサを交換してください。
-16-
5.4 真 空 計
危険
作業を開始する前に必ず電源を切ってください!
1)
化粧板、制御部枠を外してください。
2)
真空計パネルを外してください。
3)
真空計取付板を外してください。(写真 10)
真空計
写真 10
4)
真空計後部のナットを外し、真空計を交換してください。
-17-
5.5 パ ッ キ ン
1)
扉を開け、パッキンを引き剥がしてください。(写真 11)
パッキン
写真 11
2)
新しいパッキンをシリコンシーラント等で接着してください。
5.6 そ の 他 の 部 品 に つ い て
ヒータ、バルブ類の交換が必要となった場合は、製品本体を弊社工場まで送付して
ください。
-18-
6 交換部品表
6.1 DP23
部
品
名
コード NO.
仕
様
写真番号
掲載ページ
上面ヒータ
DP22S-40131
AC100V
80W
18
側面・底面
ヒータ
DP22S-40141
AC100V
200W
18
電源コード
2130010005
T2-3b
2
13
PIO 基板
1240000024
ハイテックⅣCR 型
4
14
プレーナ基板
1240000033
ハイテックⅣCR 型
3
14
SSR 基板
LT00028423
SSR-01
6
15
ブレーカ
2060050010
BJS-153
3
14
トランス
2180000022
AC100V
6
15
端子台
2070230001
M011-OFX4P
6
15
温度センサ
1160010026
K 熱電対
9
16
リレー
2050000056
G7L-1A-TUB
6
15
メンブレン
スイッチ
1013200003
タイプ 3H
1
13
電流センサ
2170010002
CTL-6-S-400
6
15
タフカード
1130000001
FC-30P125KL-200UL10S 5/5
4
14
パワー基板
1240000025
ハイテックⅣCR 用
6
15
真空計
5070010004
GK25-A40
10
17
パッキン
DP21S-40051
SH745U
11
18
独立過昇
防止器
1270010007
QKB-K1
7
15
ハイテックⅣCR 用
W センサ
-19-
6.2 DP33
部
品
名
コード NO.
仕
様
写真番号
掲載ページ
上面ヒータ
DP32S-40161
AC100V
150W
18
側面・底面
ヒータ
DP32S-40181
AC100V
300W
18
電源コード
2130010005
T2-3b
2
13
PIO 基板
1240000024
ハイテックⅣCR 型
4
14
プレーナ基板
1240000033
ハイテックⅣCR 型
3
14
SSR 基板
LT00028423
SSR-01
6
15
ブレーカ
2060050010
BJS-153
3
14
トランス
2180000022
AC100V
6
15
端子台
2-07-023-0001
M011-OFX4P
6
15
温度センサ
1160010026
K 熱電対
9
16
リレー
2050000056
G7L-1A-TUB
6
15
メンブレン
スイッチ
1013200003
タイプ 3H
1
13
電流センサ
2170010002
CTL-6-S-400
6
15
タフカード
1130000001
FC-30P125KL-200UL10S 5/5
4
14
パワー基板
1240000025
ハイテックⅣCR 用
6
15
真空計
5070010004
GK25-A40
10
17
パッキン
DP31S-30011
SH745U
11
18
独立過昇
防止器
1270010007
QKB-K1
7
15
ハイテックⅣCR 用
W センサ
-20-