紫外線硬化可能なPVBの調製とその硬化

研究背景
紫外線(UV)硬化
PVB(ポリビニルブチラール)
・自動車フロントガラスの中間膜として使用されている
CH2 CH
CH2 CH
OCOCH 3
OH
X
PVAc unit
柔軟性
CH2 CH CH2 CH
O
Y
PVA unit
親水性
CH O
C3H7
Z
PVB unit
疎水性・強靭性
・短時間で乾燥、硬化が可能であり
効率良く製品が出来上がる
・熱による乾燥、硬化とは違うので
熱に弱い材料にも使用できる
高圧水銀ランプ
PVB中間膜廃材を出発原料として
紫外線照射することで硬化
ポリ酢酸ビニル部の残存率(X) 3~6%
ポリビニルアルコール部の残存率(Y) 9~31 %
ブチラール化度(Z) 63~85%
保護フィルムへの応用を目的とする
ガラスとの分離が困難なため
再利用しづらく、その多くが
埋立処理されている
しかし、先の研究ではPVB
中間膜廃材から樹脂とガラス
の分離に成功
保護フィルム
物体の表面を汚れや損傷から保護し
視認性を維持するための透明なフィルム
求められる特性
・透明性 ・柔軟性
PVB中間膜・端材は魅力的な
・密着性 ・耐傷性
高分子材料なので再生利用
方法の検討が必要
・PVB中間膜廃材を利用したケミカルリサイクル
・廃材を利用しているためコストが低い
反応機構
硬化のメカニズム
高圧水銀ランプを用いてUV照射
CH2 CH
CH2 CH
OCOCH 3
CH2 CH CH2 CH
OH
X
O
Y
CH O
C3H7
+
Z
PVA unit のヒドロキシル基と化学修飾剤の
イソシアネート基が反応し、ウレタン結合を形成
=X
Cat有機スズ
hν
約13cm
hν
hν
無水
THF
・・・
UV
硬化
Rが末端の二重結合と反応し、硬化が進行
hν
=R
+
光重合開始剤(Irgacure184)
UV照射により光重合開始剤が解離し、
ラジカル(=R)を生成
柔軟で透明性、密着性に優れたフィルム