記入済

物理 第一編 「力と運動」
3 章:運動量の保存 No.1
1、運動量と力積
・・・1物体に注目した話(この章は教科書と見出しが異なる)
A 運動量 mv と力積 Ft の関係
下図のように、物体に力が加わって運動状態が変化する場合を考えよう。
1 kg
1 kg
3 m/s
初速度 3m/s で進んでいる質量1 kg の球を
外力 2 N
2 N の力で4秒間押すと速度はいくらになるか。
4秒
(
今までの解き方
1、加速度を求める
運動方程式より 1× a =2 よって、a =2
2、速度( )を求める
v = v0 + at より ? = 3 + 2 × 4 = 11
答え 11 m/s
1と2の二つの手順を経て初めて答えが出た。ちょっとめんどくさい・・・
色分けされた情報をヒントに、決まりごとが読み取れないだろうか?(用語も紹介しておく)
速度と質量を掛けると
速度と質量を掛けると
3
1×3=
1 kg
3 m/s
運動量
初めの
11 m/s
という
外力 2 N
11
終わりの運動量 という
1×11=
1 kg
4秒
力と時間を掛けると
2×4=
8
等しいぞ!
=
力積という
運動量の変化量を
求めると・・・
11-3=
8
運動量の変化 という
と、いうことで 新たな決まりごとの発見!
<運動量と力積の関係>
運動量の変化 = 外力の力積
この決まり事さえ知ってたら・・・
1× ?-1× 3 =2× 4 よって、?=11
おお~、ワンステップで答え出たぞ!(便利!)
問 11
質量 3.0kg の物体が東に向かって 1.5m/s の速さで進んでいるときの,運動量の大きさと向きを求めよ。
<解答>
問 12
速さ 1.0m/s で走っている質量 2.0kg の台車に対し,進んでいる向きに 2.5N の大きさの力を 0.40 秒間
加えたとする。このときの台車の速さは何 m/s になるか。
<解答>
<運動方程式 (ma=F) から導く・・・>
「運動量の変化=外力の力積」を運動方程式を使って導いてみよう。
物体の加速度 a を求めると・・・
m(kg)
F(N)
v0 (m/s)
v = v0 + at より a =
v (m/s)
v - v0
t
t秒
よって、物体について運動方程式を立てると・・・
ma=F より m・
v - v0
t
= F
mv - mv0 = Ft
<運動量と力積の関係を式にすると・・・>
運動量の変化
力積
mv - mv0
= Ft
(運動量の変化)
(力積)
B 応用:力が変化するときの考え方
力が変化する場合、どのような点に注意すれば「運動量の変化
=外力の力積」が正しく使えるのか考えてみよう。
例として、ボールがミットでキャッチされる場面を考えてみる。
ボールの運動量の変化
0.2 秒で停止した。
= 0.10 × 0 ー 0.10 × 40
0.10
= -4.0
(これは簡単に計算できた!)
→正
ボールが受ける力F
0m/s
外力の力積
力F
平均の力F
0
0.2
時間 t
ボールが受ける力の大きさは左のように変化するのが
真実である。しかし、これではややこしいので、平均
の力を考えることにする。
ボールの受けた力積
= F × 0.2
(「平均の力」を使って何とか形にできた!)
よって、「運動量の変化=力積」より・・・
-4.0 = F × 0.2
F = -20(N)
<力積とF-tグラフ>
今までの学習で様々な物理量をグラフから求めてきた。なかでも、掛け算で計算される
面積
ものはグラフの____で求まることが多かった。力積も同じように考えよう。
計算方法 グラフからの求め方
面積
v-tグラフの____
距離 速さv 時間t ×
仕事 力 F 距離x
×
F -x
面積
_____グラフの____
力積 力F × 時間t
面積
F -t
_____グラフの____
単純に計算で求める場合、
緑部分が一定の値をとることが条件。
グラフなら緑部分が
変化しても OK
力F
力のグラフ(F-t図)の面積で
力積(Ft)が求まる
・力が変化しても OK
力
積
0
時間
時間t
<平均の力とF-tグラフの面積>
力
面
積
面積
も も同じ力積を
表したものなので、面積は等しいはずである。
平均の力
時間
0
問 13
t
速さ 40m/s で飛んできた,質量 0.14kg のボールを,グラブで受け止めた。
(1) グラブがボールに与えた力積の大きさは何 N・s か。
(2) ボールが止まるまでのグラブとボールの接触時間が 2.0 × 10-2 秒であったとき,ボールがグラブに
加える平均の力の大きさは何 N か。
(3)(2)の平均の力の大きさを半分にするには,グラブとボールの接触時間を何倍にすればよいか。
ボールが受ける力
→正
0m/s
(1)ボールの運動量の変化=ボールの受けた力積より
力積= 0 × 0.14 - 40 × 0.14
=- 5.6
5.6N・m
(2)力積=平均の力× 時間 より
-5.6 =平均の力× 2.0 × 10-2
平均の力= -2.8 × 102N
2.8 × 102N
変化なし
(3)力積= -5.6 =平均の力× 時間
↓
↓
半分にする
倍にする
2倍