4(PDF:462KB)

改定案
現行(手引き)
第3章 調 査
3.1 調査項目
第3章 調 査
3.1 調査項目
土地改良施設の耐震設計に当たっては、施設の重要度に応じて、建設地点の地盤に関する調査
土地改良施設の耐震設計に当たっては、施設の重要度に応じて、建設地点の地盤に関する調査
計画を立て、以下の調査を行うものとする。
計画を立て、以下の調査を行うものとする。
(1) 既存の資料による調査
(1) 既存の資料による調査
(2) 一般的な土質調査
(2) 一般的な土質調査
(3) 土の動的物性の調査
(3) 土の動的物性の調査
(4) 地盤の動力学的性質の調査
(4) 地盤の動力学的性質の調査
[解 説]
[解 説]
(1) 既存の資料による調査
(1) 既存の資料による調査
最初に、既存の資料を用いて、施設の建設地点の地盤における土質の概略の状態を把握する。既存の
資料として、以下のものがあげられる。
最初に、既存の資料を用いて、施設の建設地点の地盤における土質の概略の状態を把握する。既存の
資料として、以下のものがあげられる。
a.地形図
a.地形図
b.地質図
b.地質図
c.地盤図
c.地盤図
d.土質柱状図
d.土質柱状図
e.活断層マップ(第四紀断層)
e.活断層マップ(第四紀断層)
施設によっては、上記の資料による調査だけをもとにして建設が可能な場合もある。これらの調査が
施設によっては、上記の資料による調査だけをもとにして建設が可能な場合もある。これらの調査が
予備調査となる場合には、現地における踏査をもとに計画を立て、以下に示す調査を行う。
予備調査となる場合には、現地における踏査をもとに計画を立て、以下に示す調査を行う。
(2) 一般的な土質調査
(2) 一般的な土質調査
一般的な土質調査の項目は以下に示すとおりであり、建設計画、施設の耐震性能の検討において、
必要と考えられる項目について調査を行う。
一般的な土質調査の項目は以下に示すとおりであり、建設計画、施設の耐震性能の検討において、
必要と考えられる項目について調査を行う。
a.土質分類と層序
a.土質分類と層序
b.層厚
b.層厚
c.地下水位
c.地下水位
d.N値
d.N値
e.各層のせん断強さ(粘着力c、内部摩擦角φ)
e.各層のせん断強さ(粘着力c、内部摩擦角φ)
f.各層の変形係数(弾性係数E、せん断弾性係数G)
f.各層の変形係数(弾性係数E、せん断弾性係数G)
g.各層の密度
g.各層の密度
(3) 土の動的物性の調査
(3) 土の動的物性の調査
従来の土質調査における地盤の力学的性質は、 N値、粘着力c、内部摩擦角φ等に代表されるよう
従来の土質調査における地盤の力学的性質は、 N値、粘着力c、内部摩擦角φ等に代表されるよう
に静的挙動に対するものである。しかし、地震時においては、土質定数に及ぼすひずみ速度効果や、
に静的挙動に対するものである。しかし、地震時においては、土質定数に及ぼすひずみ速度効果や、
ひずみ依存性の影響が問題になる場合がある。そのような検討が必要な場合には、以下に示す土質定
ひずみ依存性の影響が問題になる場合がある。そのような検討が必要な場合には、以下に示す土質定
数を求める。
数を求める。
a.動的変形係数
a.動的変形係数
b.減衰定数
b.減衰定数
c.動的ポアソン比
c.動的ポアソン比
d.動的せん断強さ
d.動的せん断強さ
3-1
改定案
現行(手引き)
(4) 地盤の動力学的性質の調査
(4) 地盤の動力学的性質の調査
適用する耐震計算法によっては、地盤の動力学的な性質を調査する必要がある。そのような場合に
は、以下の調査を行う。
適用する耐震計算法によっては、地盤の動力学的な性質を調査する必要がある。そのような場合に
は、以下の調査を行う。
a.弾性波速度(弾性波(縦波)速度VP、せん断弾性波(横波)速度VS)
a.弾性波速度(弾性波(縦波)速度VP、せん断弾性波(横波)速度VS)
b.地盤の卓越周期他
b.地盤の卓越周期他
[参 考] 良好でない地盤の施設への影響
[参 考] 良好でない地盤の施設への影響
ここでいう土質調査とは、地形、地質、地盤及び土質に関する調査を総称したものである。良好な
ここでいう土質調査とは、地形、地質、地盤及び土質に関する調査を総称したものである。良好な
地盤、すなわち堅硬で一様な地盤では一般に震害が少ないため、土地改良施設はそのような地盤に建
地盤、すなわち堅硬で一様な地盤では一般に震害が少ないため、土地改良施設はそのような地盤に建
設することが必要である。しかし、土地改良施設の機能上の制限から、多くの施設は、軟弱な地盤、
設することが必要である。しかし、土地改良施設の機能上の制限から、多くの施設は、軟弱な地盤、
あるいは力学的性質に一様性のない地盤での建設を余儀なくされている。
あるいは力学的性質に一様性のない地盤での建設を余儀なくされている。
(1) 良好でない地盤
(1) 良好でない地盤
地盤の状態は、地形、層序、層厚、各層の強さ、地下水位等の要因によって定まり、良好でない地盤
としては、以下のようなものが列挙される。
地盤の状態は、地形、層序、層厚、各層の強さ、地下水位等の要因によって定まり、良好でない地盤
としては、以下のようなものが列挙される。
a.地すべり、山崩れ、山腹崩壊の生じやすい地盤
a.地すべり、山崩れ、山腹崩壊の生じやすい地盤
b.山稜の法先、法肩、その他地形の急激に変化する場所
b.山稜の法先、法肩、その他地形の急激に変化する場所
c.斜面
c.斜面
d.土層の変化界、すなわち力学的性質の異なる土層の境界部分
d.土層の変化界、すなわち力学的性質の異なる土層の境界部分
e.軟弱地盤
e.軟弱地盤
f.埋め立て地
f.埋め立て地
g.地震時に液状化及び側方流動の可能性がある地盤
g.地震時に液状化及び側方流動の可能性がある地盤
(2) 施設への影響
(2) 施設への影響
a.山稜の法先、土層の変化界、軟弱地盤、埋め立て地等は地震時において変形が大きくなったり、
a.山稜の法先、土層の変化界、軟弱地盤、埋め立て地等は地震時において変形が大きくなったり、
不同沈下を生じるなど、施設に好ましくない影響を与える。また、斜面には斜面崩壊が生じる可
不同沈下を生じるなど、施設に好ましくない影響を与える。また、斜面には斜面崩壊が生じる可
能性が高い。
能性が高い。
b.砂質地盤に液状化現象が生じると、地盤の支持力は著しく低下して、重い構造物は沈下し、軽
b.砂質地盤に液状化現象が生じると、地盤の支持力は著しく低下して、重い構造物は沈下し、軽
い構造物は浮上したりする。さらに、液状化した地盤が水平方向に数mのオーダーで移動する現
い構造物は浮上したりする。さらに、液状化した地盤が水平方向に数mのオーダーで移動する現
象、いわゆる側方流動現象が生じると埋設管路には大きなひずみが生じ、構造物の基礎には流動
象、いわゆる側方流動現象が生じると埋設管路には大きなひずみが生じ、構造物の基礎には流動
外力が作用することになる。
外力が作用することになる。
地盤の悪い場所での土地改良施設の建設は避けることが最良である。しかし、多くの施設は不良地
地盤の悪い場所での土地改良施設の建設は避けることが最良である。しかし、多くの施設は不良地
盤における建設を余儀なくされているのが実状である。そのために地盤条件に合わせた構造形式、基
盤における建設を余儀なくされているのが実状である。そのために地盤条件に合わせた構造形式、基
礎工が必要になり、また、耐震設計法も施設の構造形式だけでなく、地盤条件にも左右されてくるの
礎工が必要になり、また、耐震設計法も施設の構造形式だけでなく、地盤条件にも左右されてくるの
で、場合によっては地盤改良の必要性も生じる。そのためには、土質調査を行って建設地点の地盤の
で、場合によっては地盤改良の必要性も生じる。そのためには、土質調査を行って建設地点の地盤の
状態を正しく把握することが必要となる。
状態を正しく把握することが必要となる。
ここでは、基礎的な土質調査から、適用する耐震設計法によっては必要と思われる調査までを示し
ここでは、基礎的な土質調査から、適用する耐震設計法によっては必要と思われる調査までを示し
たが、個々の施設の耐震性を検討するに当たって、すべての調査を必ずしも必要とするものではない。 たが、個々の施設の耐震性を検討するに当たって、すべての調査を必ずしも必要とするものではない。
引用・参考文献
ⅰ)日本水道協会:水道施設耐震工法指針・解説(1997年版)(1997)
引用・参考文献
ⅰ)日本水道協会:水道施設耐震工法指針・解説(1997年版)(1997)
3-2
改定案
現行(手引き)
3.2 地盤・地形などの既存資料の調査
3.2 地盤・地形などの既存資料の調査
内陸直下型の地震を対象とする場合、構造物への影響は強い地震動(レベル2地震動(タイプ
内陸直下型の地震を対象とする場合、構造物への影響は強い地震動(レベル2地震動(タイプ
Ⅱ)に対応)と地盤のずれの問題を考える必要がある。この場合、特に注意すべき第四紀断層の
Ⅱ)に対応)と地盤のずれの問題を考える必要がある。この場合、特に注意すべき第四紀断層の
位置を高い精度で把握する必要がある。
位置を高い精度で把握する必要がある。
1)
第四紀断層の調査は、既存資料により、対象とする施設、路線近傍の断層又はリニアメント1)
の分布位置、その確実度、活動度等に関する情報を収集することにより、実施するものとする。
の分布位置、その確実度、活動度等に関する情報を収集することにより、実施するものとする。
ただし、さらに情報が必要な場合は、その目的に応じて調査の対象事項、方法、精度等を検討の
ただし、さらに情報が必要な場合は、その目的に応じて調査の対象事項、方法、精度等を検討の
うえ、詳細な調査を実施するものとする。
うえ、詳細な調査を実施するものとする。
第四紀断層の調査は、既存資料により、対象とする施設、路線近傍の断層又はリニアメント
[解 説]
[解 説]
耐震設計に当たり考慮すべき地震は、海溝型のプレート境界型地震と内陸直下型地震の2種類がある
耐震設計に当たり考慮すべき地震は、海溝型のプレート境界型地震と内陸直下型地震の2種類がある
ことは既に述べた。従来から通常的に行われてきた耐震設計は両者を特に区別せずに、構造物が設け
ことは既に述べた。従来から通常的に行われてきた耐震設計は両者を特に区別せずに、構造物が設け
られる地点の地震動の大きさに着目して行われてきた。この点では、海溝型の地震を耐震設計の対象
られる地点の地震動の大きさに着目して行われてきた。この点では、海溝型の地震を耐震設計の対象
地震とした場合は、今後もその着目点等に変わるところはない(レベル2地震動(タイプI)に対応)。 地震とした場合は、今後もその着目点等に変わるところはない(レベル2地震動(タイプI)に対応)。
特に注意すべき第四紀断層が構造物近傍に存在し、その断層が実際に活動した場合に、断層面を境
特に注意すべき第四紀断層が構造物近傍に存在し、その断層が実際に活動した場合に、断層面を境
とする両側の地盤の相対的な変位差(ずれ)に対しては、構造物の安全を完全に保障するための確実
とする両側の地盤の相対的な変位差(ずれ)に対しては、構造物の安全を完全に保障するための確実
な設計手法がない。したがって、特に注意すべき第四紀断層に関する調査は、変位が生じると推定さ
な設計手法がない。したがって、特に注意すべき第四紀断層に関する調査は、変位が生じると推定さ
れるような断層部への直接的な構造物の建設を回避するため、計画地点にそのような断層が存在する
れるような断層部への直接的な構造物の建設を回避するため、計画地点にそのような断層が存在する
か否かを明らかにする観点から行う。
か否かを明らかにする観点から行う。
また、水路のような線状の構造物の場合は特に注意すべき第四紀断層を回避しようとした場合、大
また、水路のような線状の構造物の場合は特に注意すべき第四紀断層を回避しようとした場合、大
きく迂回しなければならない等の経済的な不利性が生じる可能性がある。この場合は、やむを得ず特
きく迂回しなければならない等の経済的な不利性が生じる可能性がある。この場合は、やむを得ず特
に注意すべき第四紀断層を横断することを選択することもあり得るが、その位置と幅を正確に把握す
に注意すべき第四紀断層を横断することを選択することもあり得るが、その位置と幅を正確に把握す
ることによって、万一断層が活動した場合でも、構造物の被害が極力小さくなるような設計上の配慮
ることによって、万一断層が活動した場合でも、構造物の被害が極力小さくなるような設計上の配慮
を行い、経済的な路線とすることができると考えられる。すなわち、第四紀断層の調査の視点は、特
を行い、経済的な路線とすることができると考えられる。すなわち、第四紀断層の調査の視点は、特
に注意すべき第四紀断層が、どの位置にどの長さと幅で存在するかを、できる限り正確に把握するこ
に注意すべき第四紀断層が、どの位置にどの長さと幅で存在するかを、できる限り正確に把握するこ
とである。
とである。
なお、堆積物で埋積された伏在第四紀断層については、現地形からその位置を把握するのは困難で
あり、物理探査等によって地下の地質構造を捉えることが必要になる。
なお、堆積物で埋積された伏在第四紀断層については、現地形からその位置を把握するのは困難で
あり、物理探査等によって地下の地質構造を捉えることが必要になる。
さらに、特に注意すべき第四紀断層が活動した場合に発生するであろうレベル2の地震動に対して、
さらに、特に注意すべき第四紀断層が活動した場合に発生するであろうレベル2の地震動に対して、
その影響の範囲をどのように設定するか、ということも耐震設計上の大きな課題である。これについ
その影響の範囲をどのように設定するか、ということも耐震設計上の大きな課題である。これについ
ては、個々の第四紀断層の特性と計画地点周辺の地盤条件等によって決まるものであり、一律にその
ては、個々の第四紀断層の特性と計画地点周辺の地盤条件等によって決まるものであり、一律にその
範囲は決められない。したがって、第四紀断層調査の具体的な精査によって予測される地震の大きさ
範囲は決められない。したがって、第四紀断層調査の具体的な精査によって予測される地震の大きさ
と計画地点周辺の地盤状況から総合的に判断するのが妥当である。
と計画地点周辺の地盤状況から総合的に判断するのが妥当である。
(1) 調査手順
(1) 調査手順
計画する構造物の近傍に第四紀断層が存在しなければ問題はないが、もし第四紀断層が分布しても、
その断層が近い将来に活動することが推定されなければ、すなわち、特に注意すべき第四紀断層に該
計画する構造物の近傍に第四紀断層が存在しなければ問題はないが、もし第四紀断層が分布しても、
その断層が近い将来に活動することが推定されなければ、すなわち、特に注意すべき第四紀断層に該
1)リニアメントとは、リモートセンシング画像上に現われる自然界の直線上、若しくは直線に近いパターンのことをいう。
これらのパターンは、周囲の地形パターンと区別されて地下の断裂(断層や節理など地層中の割れ目)を反映していると考
えられる。
3-3
1)リニアメントとは、リモートセンシング画像上に現われる自然界の直線上、若しくは直線に近いパターンのことをいう。
これらのパターンは、周囲の地形パターンと区別されて地下の断裂(断層や節理など地層中の割れ目)を反映していると考
えられる。
改定案
現行(手引き)
当しなければ、問題は生じないと考えることができる。第四紀断層調査はこのように、構造物近傍の
当しなければ、問題は生じないと考えることができる。第四紀断層調査はこのように、構造物近傍の
断層や線状模様の中から第四紀断層であるものを抽出し、さらにその中で特に注意すべき第四紀断層
断層や線状模様の中から第四紀断層であるものを抽出し、さらにその中で特に注意すべき第四紀断層
の有無を検討する、という手順で行う。これを調査の課題別に表すと、第四紀断層が実在するかどう
の有無を検討する、という手順で行う。これを調査の課題別に表すと、第四紀断層が実在するかどう
かに関する調査(以下では抽出調査という。)と、もし実在した場合の確実性と活動性に関する調査
かに関する調査(以下では抽出調査という。)と、もし実在した場合の確実性と活動性に関する調査
(以下では確認調査という。)を順次進めることになる。
(以下では確認調査という。)を順次進めることになる。
また、事業の進捗状態に基づく調査の段階区分として、事業の全体的な構想と概略設計を行う計画
また、事業の進捗状態に基づく調査の段階区分として、事業の全体的な構想と概略設計を行う計画
段階の調査、計画と事業費を固める設計段階の調査、事業着手後の工事実施段階の調査、の3段階に区
段階の調査、計画と事業費を固める設計段階の調査、事業着手後の工事実施段階の調査、の3段階に区
分する。それぞれの事業進捗段階での調査内容及び調査成果の概要を、表-3.2.1に示す。
分する。それぞれの事業進捗段階での調査内容及び調査成果の概要を、表-3.2.1に示す。
表-3.2.1 事業進捗段階での調査内容及び調査成果
事業進捗段階
計画段階
設計段階
工
事
実施段階
調査内容
〈抽出調査〉
・資料調査:
既刊文献の収集・整理
・地形分類調査:
地形図読図、空中写真判読
(1/50,000~1/25,000)
表-3.2.1 事業進捗段階での調査内容及び調査成果
調査成果
事業進捗段階
広域地質平面図(1/50,000~1/25,000)
計画段階
計画地域広域線状模様分布図(1/50,000~1/25,000)
第四紀断層及び長い線状模様の特性一覧表
〈抽出調査〉
・地形分類調査:
空中写真判読(1/15,000~1/8,000)
地形踏査(1/5,000)
・地表地質調査:
地質踏査(1/5,000)
〈確認調査〉
・地下地質調査
・その他の調査
構造物近傍線状模様分布図(1/10,000~1/5,000)
〈確認調査〉
・地下地質調査
・その他の調査
構造物近傍地質平面図、同断面図(1/5,000)
第四紀断層付近地質断面図(1/500~1/100)
トレンチスケッチ(1/50~1/10)
地質年代別変位量一覧表
地形変位解析図
設計段階
構造物近傍地質平面図、同断面図(1/5,000)
第四紀断層付近地質断面図(1/500~1/100)
トレンチスケッチ(1/50~1/10)
地質年代別変位量一覧表
工
事
実施段階
調査内容
〈抽出調査〉
・資料調査:
既刊文献の収集・整理
・地形分類調査:
地形図読図、空中写真判読
(1/50,000~1/25,000)
調査成果
広域地質平面図(1/50,000~1/25,000)
計画地域広域線状模様分布図(1/50,000~1/25,000)
第四紀断層及び長い線状模様の特性一覧表
〈抽出調査〉
・地形分類調査:
空中写真判読(1/15,000~1/8,000)
地形踏査(1/5,000)
・地表地質調査:
地質踏査(1/5,000)
〈確認調査〉
・地下地質調査
・その他の調査
構造物近傍線状模様分布図(1/10,000~1/5,000)
〈確認調査〉
・地下地質調査
・その他の調査
構造物近傍地質平面図、同断面図(1/5,000)
第四紀断層付近地質断面図(1/500~1/100)
トレンチスケッチ(1/50~1/10)
地質年代別変位量一覧表
地形変位解析図
構造物近傍地質平面図、同断面図(1/5,000)
第四紀断層付近地質断面図(1/500~1/100)
トレンチスケッチ(1/50~1/10)
地質年代別変位量一覧表
最初に、計画段階での概略的な抽出調査を行う。これは、文献や地質調査等の資料により第四紀断
最初に、計画段階での概略的な抽出調査を行う。これは、文献や地質調査等の資料により第四紀断
層の分布について把握するとともに、線状模様を地形学的に抽出し、構造物建設候補地近傍における
層の分布について把握するとともに、線状模様を地形学的に抽出し、構造物建設候補地近傍における
第四紀断層及び線状模様の有無とその位置関係を整理する。文献等により計画地域内に特に注意すべ
第四紀断層及び線状模様の有無とその位置関係を整理する。文献等により計画地域内に特に注意すべ
き第四紀断層の分布が既知である場合、その線上及び断層の想定活動規模から設定される範囲内には
き第四紀断層の分布が既知である場合、その線上及び断層の想定活動規模から設定される範囲内には
重要構造物は計画しないものとする。
重要構造物は計画しないものとする。
次に設計段階では、抽出調査の精査と線状模様が分布する場合の確認調査を行う。すなわち、構造
次に設計段階では、抽出調査の精査と線状模様が分布する場合の確認調査を行う。すなわち、構造
物等の配置計画に基づき、その周辺に文献上の第四紀断層やその疑いのある延長の長い線状模様(以
物等の配置計画に基づき、その周辺に文献上の第四紀断層やその疑いのある延長の長い線状模様(以
下では併せて第四紀断層等ということがある)の有無を精査し、もしそれらが分布する場合は、確認
下では併せて第四紀断層等ということがある)の有無を精査し、もしそれらが分布する場合は、確認
調査によってその位置や活動性について詳細に検討する。この調査の結果、特に注意すべき第四紀断
調査によってその位置や活動性について詳細に検討する。この調査の結果、特に注意すべき第四紀断
層が構造物等の近傍に存在することが確認された場合は、構造物等の位置の変更を含む検討を行う必
層が構造物等の近傍に存在することが確認された場合は、構造物等の位置の変更を含む検討を行う必
要がある。
要がある。
また、工事実施段階で、線構造物の工事等の際に、第四紀層を変位させている断層が確認された場
また、工事実施段階で、線構造物の工事等の際に、第四紀層を変位させている断層が確認された場
合は、再設計のための確認調査を行って、第四紀断層の確実度及び活動度を検討する。その結果によ
合は、再設計のための確認調査を行って、第四紀断層の確実度及び活動度を検討する。その結果によ
っては、所要の設計変更が必要な場合がある。
っては、所要の設計変更が必要な場合がある。
3-4
改定案
現行(手引き)
(2) 調査結果の評価
(2) 調査結果の評価
a.計画段階での調査結果の評価
a.計画段階での調査結果の評価
調査の結果、確実度と活動度が明らかに高く、特に注意すべきことが既知である第四紀断層が計
調査の結果、確実度と活動度が明らかに高く、特に注意すべきことが既知である第四紀断層が計
画地域に分布する場合、その線上と近傍には重要構造物を計画しないことを原則とする。また、既
画地域に分布する場合、その線上と近傍には重要構造物を計画しないことを原則とする。また、既
知の第四紀断層のうち、確実度の高い第四紀断層を通過する線構造物は、事業計画段階において耐
知の第四紀断層のうち、確実度の高い第四紀断層を通過する線構造物は、事業計画段階において耐
震設計を考慮する。
震設計を考慮する。
b.設計段階での調査結果の評価
b.設計段階での調査結果の評価
構造物等の近傍(おおむね3km以内)にある文献上の第四紀断層及び延長の長い線状模様(延
構造物等の近傍(おおむね3km以内)にある文献上の第四紀断層及び延長の長い線状模様(延
長が長いとは、5~10km以上連続すること)について、抽出調査の精査を実施した結果、それが確
長が長いとは、5~10km以上連続すること)について、抽出調査の精査を実施した結果、それが確
実度の高い(第四紀後期、特に更新世後期以降の地形や地質に変位が明らかなもの)第四紀断層で
実度の高い(第四紀後期、特に更新世後期以降の地形や地質に変位が明らかなもの)第四紀断層で
あることが判明し、それがその構造物の直近(おおむね1km以内)を通るか、又はその方向に延び
あることが判明し、それがその構造物の直近(おおむね1km以内)を通るか、又はその方向に延び
ていることが把握された場合は、確認調査に移行する。
ていることが把握された場合は、確認調査に移行する。
c.工事実施段階での調査結果の評価
c.工事実施段階での調査結果の評価
確認調査の結果、当該第四紀断層が特に注意すべき第四紀断層(第四紀後期に繰返し活動し、そ
確認調査の結果、当該第四紀断層が特に注意すべき第四紀断層(第四紀後期に繰返し活動し、そ
の最終活動時期が特に最近の地質時代であることが明らかなもの)であることが明らかになり、そ
の最終活動時期が特に最近の地質時代であることが明らかなもの)であることが明らかになり、そ
の構造物が重要構造物である場合は、位置の変更について再検討が必要になる。重要構造物でない
の構造物が重要構造物である場合は、位置の変更について再検討が必要になる。重要構造物でない
場合は、耐震設計で配慮を行う場合と、位置の変更の場合との比較検討を行う。
場合は、耐震設計で配慮を行う場合と、位置の変更の場合との比較検討を行う。
d.評価上の課題
d.評価上の課題
第四紀断層が連続する長さは、発生する地震の規模と相関があるとされているので、その長さは、
第四紀断層が連続する長さは、発生する地震の規模と相関があるとされているので、その長さは、
耐震設計としてどの程度の地震を想定するかということに関して重要な評価要素となる。このとき
耐震設計としてどの程度の地震を想定するかということに関して重要な評価要素となる。このとき
問題になるのが、断層のセグメント化である。それは、非常に長い第四紀断層が一括して活動する
問題になるのが、断層のセグメント化である。それは、非常に長い第四紀断層が一括して活動する
のか、いくつかのセグメントに分かれて活動するのかということで、たとえば中央構造線はいくつ
のか、いくつかのセグメントに分かれて活動するのかということで、たとえば中央構造線はいくつ
かのセグメントに分かれているとされ、兵庫県南部地震における野島断層も5区分あるいは6区分さ
かのセグメントに分かれているとされ、兵庫県南部地震における野島断層も5区分あるいは6区分さ
れている。
れている。
一方、第四紀断層の活動による影響帯の幅を評価する際に問題になるのがグループ化(グルーピ
一方、第四紀断層の活動による影響帯の幅を評価する際に問題になるのがグループ化(グルーピ
ング)である。グルーピングは、独立して存在すると考えられている第四紀断層が1つの地震時に共
ング)である。グルーピングは、独立して存在すると考えられている第四紀断層が1つの地震時に共
に活動することであり、どの範囲までの第四紀断層をグルーピングするかが地震の影響範囲を想定
に活動することであり、どの範囲までの第四紀断層をグルーピングするかが地震の影響範囲を想定
する際に大きく左右する。
する際に大きく左右する。
第四紀断層のグループ化及びセグメント化については、松田の判定基準が示されており、これに
第四紀断層のグループ化及びセグメント化については、松田の判定基準が示されており、これに
よると、①5km以内に他の活動層のない独立した長さ10km以上の活動層、②走行方向5km以内の
よると、①5km以内に他の活動層のない独立した長さ10km以上の活動層、②走行方向5km以内の
分布間隔をもって、ほぼ一直線に並ぶほぼ同じ方向の複数の断層、③5km以内の相互間隔をもって
分布間隔をもって、ほぼ一直線に並ぶほぼ同じ方向の複数の断層、③5km以内の相互間隔をもって
並走する幅5km以内の断層群、④その断層線の中点の位置が主断層から5km以内離れている走向
並走する幅5km以内の断層群、④その断層線の中点の位置が主断層から5km以内離れている走向
を異にする付随断層あるいは分岐断層、に分けてグループ化できるとされている。
を異にする付随断層あるいは分岐断層、に分けてグループ化できるとされている。
これらの問題は、特に注意すべき第四紀断層による影響を想定する場合に重要な要素であり、微
これらの問題は、特に注意すべき第四紀断層による影響を想定する場合に重要な要素であり、微
小地震などによる地震学的な検討や、地下深部の地質構造の検討などが必要と考えられるが、詳細
小地震などによる地震学的な検討や、地下深部の地質構造の検討などが必要と考えられるが、詳細
にはまだ解明が進んでおらず、今後の検討が必要である。
にはまだ解明が進んでおらず、今後の検討が必要である。
引用・参考文献
ⅰ)岡田篤正:中央構造線活断層系の活動区の分割試案、地質学論集第40号(1992)
ⅱ)松田時彦:最大地震規模による日本列島の地震分帯図、地震研究所彙報(1990)
引用・参考文献
ⅰ)岡田篤正:中央構造線活断層系の活動区の分割試案、地質学論集第40号(1992)
ⅱ)松田時彦:最大地震規模による日本列島の地震分帯図、地震研究所彙報(1990)
3-5
改定案
3.3 調査項目
現行(手引き)
3.3 調査項目
土質調査の方法は、以下の各項によるものとする。
土質調査の方法は、以下の各項によるものとする。
(1) 各種の調査及び室内試験で日本工業規格(JIS)及び地盤工学会基準(JGS)に定められ
(1) 各種の調査及び室内試験で日本工業規格(JIS)及び地盤工学会基準(JGS)に定められ
ているものは、その規格及び基準により行わなければならない。
ているものは、その規格及び基準により行わなければならない。
(2) 動的土質定数及び地盤の動力学的性質の試験は直接行うことが望ましいが、他の調査結果
(2) 動的土質定数及び地盤の動力学的性質の試験は直接行うことが望ましいが、他の調査結果
をもとに間接的に求めてもよい。
をもとに間接的に求めてもよい。
[解 説]
[解 説]
(1) 日本工業規格(JIS)及び地盤工学会基準(JGS)に定められている各種の調査及び室内試験
(1) 日本工業規格(JIS)及び地盤工学会基準(JGS)に定められている各種の調査及び室内試験
a.JISに定められている耐震設計に関連する調査試験方法
a.JISに定められている耐震設計に関連する調査試験方法
(a) 土質試験のための土の試料調製方法(JIS A1201)
(a) 土質試験のための土の試料調製方法(JIS A1201)
(b) 土粒子の密度試験方法(JIS A 1202)
(b) 土粒子の密度試験方法(JIS A 1202)
(c) 土の含水比試験方法(JIS A 1203)
(c) 土の含水比試験方法(JIS A 1203)
(d) 土の粒度試験方法(JIS A 1204)
(d) 土の粒度試験方法(JIS A 1204)
(e) 土の液性限界・塑性限界試験方法(JIS A1205)
(e) 土の液性限界・塑性限界試験方法(JIS A1205)
(f) 突固めによる土の締固め試験方法(JIS A 1210)
(f) 突固めによる土の締固め試験方法(JIS A 1210)
(g) CBR試験方法(JIS A 1211)
(g) CBR試験方法(JIS A 1211)
(h) 砂置換法による土の密度試験方法(JIS A 1214)
(h) 砂置換法による土の密度試験方法(JIS A 1214)
(i) 道路の平板載荷試験方法(JIS A 1215)
(i) 道路の平板載荷試験方法(JIS A 1215)
(j) 土の一軸圧縮試験方法(JIS A 1216)
(j) 土の一軸圧縮試験方法(JIS A 1216)
(k) 土の一定ひずみ速度載荷による圧密試験方法(JIS A 1217)
(k) 土の一定ひずみ速度載荷による圧密試験方法(JIS A 1217)
(l) 土の透水試験方法(JIS A 1218)
(l) 土の透水試験方法(JIS A 1218)
(m) 土の標準貫入試験方法(JIS A 1219)
(m) 土の標準貫入試験方法(JIS A 1219)
(n) オランダ式二重管コーン貫入試験方法(JIS A 1220)
(n) オランダ式二重管コーン貫入試験方法(JIS A 1220)
(o) スウェーデン式サウンディング試験方法(JIS A 1221)
(o) スウェーデン式サウンディング試験方法(JIS A 1221)
b.JGSに定められている耐震設計に関連する調査試験方法
b.JGSに定められている耐震設計に関連する調査試験方法
(a) 地盤材料の工学的分類方法(JGS 0051)
(a) 地盤材料の工学的分類方法(JGS 0051)
(b) 固定ピストン式シンウォールサンプラーによる乱さない試料採取法(JGS 1221)
(b) 固定ピストン式シンウォールサンプラーによる乱さない試料採取法(JGS 1221)
(c) 杭の押込み試験方法(JGS 1811)
(c) 杭の押込み試験方法(JGS 1811)
(d) 土の繰返し非排水三軸試験方法(JGS 0541)
(d) 土の繰返し非排水三軸試験方法(JGS 0541)
(2) 動的土質定数及び地盤の動力学的性質の測定
(2) 動的土質定数及び地盤の動力学的性質の測定
各種の調査試験方法及び関連する地盤、土質の諸定数を、表-3.3.1に示す。
各種の調査試験方法及び関連する地盤、土質の諸定数を、表-3.3.1に示す。
また、土質定数の測定が間接的に行われる場合の諸量の換算式を示す。
また、土質定数の測定が間接的に行われる場合の諸量の換算式を示す。
3-6
改定案
現行(手引き)
表-3.3.1 各種の調査試験方法及び関連する地盤、土質の諸定数
位置
地
表
で
の
調
査
ボ
ー
リ
ン
グ
孔
を
用
い
る
調
査
サ
ン
プ
ル
を
用
い
る
室
内
試
験
試験により求まる定数あるいは
結果の運用項目 密 度
試験
載 荷 試 験
変 形
係 数
弾性波 ポアソン 減 衰
速 度
比
定 数
せん断 K 値 地 質
強 さ 地盤係数 構 造
□
弾
性
波
探
査
表-3.3.1 各種の調査試験方法及び関連する地盤、土質の諸定数
□
○
探
査
○
電
気
探
査
○
速
度
P
S
検
検
□
□
層
□
○*1
層
□
○
各 種 検 層 反
射
検
層
電
気
検
層
密
度
検
層
□
□
□
□
□
□
○
□
○
□
□
○
静 的 試 験 三 軸 圧 縮 試 験
○
□
□
○
○
直接せん断試験
動的三軸圧縮試験
○
□
*2
□
□
○
□
共
験
□
○
□
○
験
□
□
□
□
振
動
試
試
サ
ン
プ
ル
を
用
い
る
室
内
試
験
○
動的単純せん断試験
法
ボ
ー
リ
ン
グ
孔
を
用
い
る
調
査
□
一 軸 圧 縮 試 験
振
□
□
□
動 的 試 験
□
□
ボ ー リ ン グ
孔 内 載 荷 試 験
載 荷 試 験
地
表
で
の
調
査
□
波
標 準 貫 入 試 験
位置
○
各 種 探 査 音
サウンディ
ング
流動化
の検討
○
○
○
○
試験により求まる定数あるいは
結果の運用項目 密 度
試験
載 荷 試 験
変 形
係 数
弾性波 ポアソン 減 衰
速 度
比
定 数
□
弾
性
波
探
査
□
○
□
各 種 探 査 音
波
探
査
○
電
気
探
査
○
サウンディ
ング
標 準 貫 入 試 験
速
度
P
S
検
検
□
□
層
□
○*1
層
□
○
各 種 検 層 反
射
検
層
電
気
検
層
密
度
検
層
□
□
□
□
□
□
□
○
□
一 軸 圧 縮 試 験
○
□
□
○
静 的 試 験 三 軸 圧 縮 試 験
○
□
□
○
○
直接せん断試験
動的三軸圧縮試験
○
○
□
*2
□
□
動的単純せん断試験
○
共
験
□
○
□
○
験
□
□
□
□
振
振
法
動
試
試
a.VP、VS、ν、E、Gの諸量の弾性論に基づいた関係

2

2  2VS / VP 
2
E  21   G
1  2VS / VP 
2
 t 2 ····································································· (3.3.3)
G  VS
g

G  t VS2
g
ここに、VP
ここに、VP
:弾性波(縦波)速度(m/s)
···························································· (3.3.1)
2  2VS / VP 
E  21   G
································································· (3.3.2)
································································· (3.3.2)
····································································· (3.3.3)
:弾性波(縦波)速度(m/s)
VS
:せん断弾性波(横波)速度(m/s)
VS
:せん断弾性波(横波)速度(m/s)
ν
:ポアソン比
ν
:ポアソン比
2
-6
2
E
:弾性係数(N/m ){×10 N/mm }
E
:弾性係数(N/m2){×10-6N/mm2}
G
:せん断弾性係数(N/m2){×10-6N/mm2}
G
:せん断弾性係数(N/m2){×10-6N/mm2}
g
:重力加速度(m/s2)
g
:重力加速度(m/s2)
γt
:土の単位体積重量(kN/m3)
γt
:土の単位体積重量(kN/m3)
3-7
○
○
a.VP、VS、ν、E、Gの諸量の弾性論に基づいた関係
··························································· (3.3.1)
○
□
記号 ○ 試験の結果、ほぼ直接的に求まるか、検討に直接的に利用されるもの。
□ 試験の結果、間接的に求まるか、検討に間接的に利用されるもの。
*1 縦波速度のみが求まる。
*2 せん断弾性係数のみが求まる。
2
□
□
□
動 的 試 験
□
□
ボ ー リ ン グ
孔 内 載 荷 試 験
載 荷 試 験
流動化
の検討
○
記号 ○ 試験の結果、ほぼ直接的に求まるか、検討に直接的に利用されるもの。
□ 試験の結果、間接的に求まるか、検討に間接的に利用されるもの。
*1 縦波速度のみが求まる。
*2 せん断弾性係数のみが求まる。
1  2VS / VP 
せん断 K 値 地 質
強 さ 地盤係数 構 造
○
改定案
現行(手引き)
図-3.3.1 砂質土のN値と内部摩擦角φの関係
図-3.3.1 砂質土のN値と内部摩擦角φの関係
b.N値よりVSを推定する式
VS  aN b
b.N値よりVSを推定する式
······································································ (3.3.4)
VS  aN b
ここに、a、b :係数
······································································ (3.3.4)
ここに、a、b :係数
推定式を、「4.2.2 地盤種別」式(4.2.2)、式(4.2.3)及び表-4.2.4に示す。
推定式を、「4.2.2 地盤種別」式(4.2.2)、式(4.2.3)及び表-4.2.4に示す。
c.砂質土の内部摩擦角とN値との関係
c.砂質土の内部摩擦角とN値との関係
砂質土の内部摩擦角の推定方法は原則として、せん断試験(三軸圧縮試験又は直接せん断試験)
砂質土の内部摩擦角の推定方法は原則として、せん断試験(三軸圧縮試験又は直接せん断試験)
により求めるが、せん断試験の結果のバラツキが大きく、また、砂質土において乱さない資料の採
により求めるが、せん断試験の結果のバラツキが大きく、また、砂質土において乱さない資料の採
取が困難で、三軸圧縮試験と直接せん断試験で5~10°の違いが生じた例もある。そこで一般には、
取が困難で、三軸圧縮試験と直接せん断試験で5~10°の違いが生じた例もある。そこで一般には、
粘着力 c=0と仮定して、N値により砂質土の内部摩擦角を推定する方法がとられている。砂質土
粘着力 c=0と仮定して、N値により砂質土の内部摩擦角を推定する方法がとられている。砂質土
における土の内部摩擦角を推定する方法として、 Dunham 、 Terzaghi-peck 、 Meyerhof 、大崎、
における土の内部摩擦角を推定する方法として、 Dunham 、 Terzaghi-peck 、 Meyerhof 、大崎、
道路橋示方書の方法等がある。
道路橋示方書の方法等がある。
図-3.3.1に、砂質土のN値と内部摩擦角φの関係を示すが、水路構造物では大崎の方法(式
図-3.3.1に、砂質土のN値と内部摩擦角φの関係を示すが、水路構造物では大崎の方法(式
(3.3.5))が、橋台や橋脚では「道路橋示方書」の方法(式(3.3.6))がとられる場合が多い。
(3.3.5))が、橋台や橋脚では「道路橋示方書」の方法(式(3.3.6))がとられる場合が多い。
大崎の方法
大崎の方法
  20N  15 ≦ 45
······················································· (3.3.5)
  20N  15 ≦ 45 ························································ (3.3.5)
道路橋示方書の方法
道路橋示方書の方法
  15N  15 ≦ 45 ························································ (3.3.6)
  15N  15 ≦ 45
ここに、φ :砂の内部摩擦角(°)
ここに、φ :砂の内部摩擦角(°)
N :砂のN値、ただし、N>5
引用・参考文献
ⅰ)日本水道協会:水道施設耐震工法指針・解説(1997)
ⅱ)農林水産省農村振興局:土地改良事業計画設計基準・設計「水路I」(2001)
························································ (3.3.6)
N :砂のN値、ただし、N>5
引用・参考文献
ⅰ)日本水道協会:水道施設耐震工法指針・解説(1997)
ⅱ)農林水産省農村振興局:土地改良事業計画設計基準・設計「水路I」(2001)
3-8