平成23年度 国立江田島青少年交流の家 教育事業 カッターズキャンプ(春・夏・秋・冬)実施報告書 1 ねらい 青年ボランティアグループ「カッターズ」を中心とする青年スタッフに, 子どもたちの体験 活動を指導するリーダーとしての資質や指導力及び実践力を身につけさせる。 2 実施日時及び参加者数 ①春キャンプ(会場:広島市立似島臨海少年自然の家) 事前 平成 23 年 6 月 4 日(土)~6 月 5 日(日)青年スタッフ 49 名 本番 平成 23 年 6 月 11 日(土)~6 月 12 日(日)青年スタッフ 53 名 (子ども参加者 58 名) ②夏キャンプ(会場:広島市立似島臨海少年自然の家) 事前 平成 23 年 8 月 1 日(月)~8 月 2 日(火)青年スタッフ 49 名 本番 平成 23 年 8 月 7 日(日)~8 月 8 日(月)青年スタッフ 56 名 (子ども参加者 76 名) ③秋キャンプ(会場:国立江田島青少年交流の家) 事前 平成 23 年 10 月 9 日(日)~10 月 10 日(月)青年スタッフ 30 名 本番 平成 23 年 10 月 15 日(土)~10 月 16 日(日)青年スタッフ 39 名 (子ども参加者 56 名) ④冬キャンプ(会場:国立江田島青少年交流の家) 事前 平成 23 年 12 月 17 日(土)~12 月 18 日(日)青年スタッフ 34 名 本番 平成 23 年 12 月 23 日(金)~12 月 25 日(日)青年スタッフ 34 名 (子ども参加者 67 名) 3 企画・運営のポイント ①事業の企画,運営を責任をもって行わせリーダーとしての自覚を高めるために,グループ「カ ッターズ」を主催者に連ね,グループが主体となって実施するようにした。 ②企画した体験活動が円滑に進むよう,準備,リハーサル,最終打合せ等を行う事前キャンプや 前泊を位置づけた。 ③学生たちの力だけではできないところ,思いが至らないところについて,企画指導専門職が必 要に応じて指導・助言を行う。 ④江田島青少年交流の家において法人ボランティアとして登録し活動したいと希望する青年の ために,新会員を対象にボランティア養成共通カリキュラムを履修するためのボランティア養 成講座を開催する。 ⑤スタッフの健康管理も重要と考え,スタッフの健康調査票を用意したことで,参加する小中学 生の健康管理にも注意を払うことを意識させるようにした。 ⑥キャンプ参加者の広報や事業の後援などについて広島市,呉市,江田島市の教育委員会と連携 することで,新しい参加者の獲得に努める。 4 活動の実際 ①春キャンプ ・春キャンプは,新しく4年生になった子どもが初めてキャンプに参加したり,新しいスタッフ が加入したりする。そのため,1人でも多くの子どもたちやスタッフと仲良くなるために「話 しかけよう」をキャンプの目標にした。 ・1日目に行われたレクリエーションでは名前を覚えることができるようなゲームを用意し,楽 しみながら友達の名前を覚えたり,話しかけられるように工夫した。 6 月 11 日(土) 6 月 12 日(日) ・開会セレモニー ・野外炊事 ・ピクニック ・鬼ごっこ ・レクリエーション ・閉会セレモニー ・縁日 開会セレモニー ②夏キャンプ ・スタッフは,子どもたちが積極的にプログラムに取り組めるよう配慮し,なるべく班の子どもた ち同士で協力し活動を展開できるようなプログラム作りを心掛けた。その結果,宝さがしでコー スを選ぶ時,子ども同士で話し合って決めるなど,子どもたちが協力し合い助け合う場面を多く 見ることができた。 ・今年の夏はとても暑かったため,熱中症対策を徹底した。スタッフは,子どもたちに帽子をかぶ り水分補給をこまめにとるように声かけをした。 8 月 7 日(日) 8 月 8 日(月) ・開会セレモニー ・宝さがし ・レクリエーション ・閉会セレモニー ・野外炊事 ・キャンプファイヤー 宝さがし ③秋キャンプ ・参加者に季節を感じてもらえるようにミニ運動会やハロウインを意識した野外炊事のメニュー を取り入れるなど秋らしいプログラムになるよう心がけた。 ・オリエンテーリングでも,秋を感じてもらうために,コースを回る中で,落ち葉やどんぐり, 枝などを拾った。最後に集合した際に,ミニクラフトとして,コルクボードに張り付け,写真 立てを作成した。子どもたちは,それぞれとても工夫しており,すばらしい作品がたくさんで きていた。 10 月 15 日(土) 10 月 16 日(日) ・開会セレモニー ・オリエンテーリング ・スポーツ(ミニ運動会) ・野外炊事 (ミニクラフト) ・閉会セレモニー ミニ運動会 ④冬キャンプ ・クリスマスを意識したプログラムにした。野外炊飯ではケーキなども作った。クリスマス当 日はクラフトやキャンドルでクリスマスの歌を歌ったり,ゲームをしたりした。 ・2日目には「子育てパパとママのお泊り井戸端会議」に参加された親子の団体と歌を歌った り,レクリエーションをしたりして,交流を深めた。キャンプに参加した子どもが自分たち より年下の子どもと関わることができよかった。 ・冬キャンプ中とても寒かったので,子どもの体調管理に気を付けた。無理はさせず,体調が 悪い子どもがいた場合すぐに暖かい部屋で休ませた。また,食事前の手洗い・うがいや消毒 などを徹底した。 12 月 23 日(金・祝) 12 月 24 日(土) 12 月 25 日(日) ・開会セレモニー ・野外炊事 ・他の教育事業参加者と ・レクリエーション ・野外炊事 レクリエーション ・大鬼ごっこ ・スポーツ ・閉会セレモニー ・キャンドルサービス 閉会セレモニー 5 成果とその普及 ○当施設の職員の助言のもと,計4回,延べ9日間のキャンプを企画・運営することによって, 青年スタッフからは,次のような感想が出された。 「泊りがけで,子どもを預かることの責任の重大さを強く感じました。」 「季節に合わせて内容を考え,一緒に楽しむことで,たくさんの思い出ができました。」 「どのようにすれば,みんなが,安全に楽しく過ごすことができるか少し理解できたと思いま す。」 「その場の状況に応じた対応の仕方や年齢に応じた接し方についてとても勉強になりました。 また,キャンプを計画していく中で,キャンプの構成力や対象に応じた計画を立てる力など が育つ事業であると感じています。」 「仲間と一緒にがんばるということで,人のいい所を見つけられたり,自分自身を見つめ直す 機会にもなります。」 「子どもの成長を見られるのはもちろん,自分たちの成長も感じることができるので,とても やりがいを感じます。」 このことから ①子どもたちの体験活動を指導するリーダーとしての資質や指導力及び実践力を付ける ことができたこと ②この事業が,カッターズスタッフ自身の人格形成や成長の場にもなっていること などの成果が得られたことが明らかになった。 ○キャンプに参加した子どもや保護者からは,次のような感想があった。 「親の知らない二日間,お迎えの時,娘が大きく成長して見えました。 」 「キャンプから戻り,弟(0歳)の世話を自分からしてくれるようになりました。キャンプ でスタッフのみなさんが自分にしてくれたことがうれしくて,やりたいと思ったそうで す。 」 「知らない友だちにも積極的に声をかけられるようになりました。 」 「キャンプ1回では身につかなくても回数を重ねるたびに自信がつくようです。 」 「自分から一人で何かに参加することがなかったのに,次も一人で参加したいと言ってくれ ました。 」 「家に帰って,早速夕飯の手伝いをしてくれました。 」 「何でも楽な方に流れ,たいぎいとよく口にする子です。その息子が,キャンプから帰って すぐ,また行きたいと言いました。 」 これらのことから,カッターズが企画し運営するこのキャンプが,参加した子どもや保護者 にとっても友だちの輪を広げたり,自己の成長の場となったりそれを実感したりするすばら しいものであったことが明らかになった。 ○カッターズキャンプに参加して,自分もカッターズスタッフになりたいと考える子どももい る。 ○今年度は,春・夏のキャンプを広島市似島臨海少年自然の家で行なったが,似島の職員が見 学に来るなど県内の他施設にもカッターズの活動の様子を伝えることができ,今後の事業実 施の参考としてもらえた。
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