ス リ ム ダ ク ト LD 仕 様 書

RD-LD-SPEC-001-7
ス リ ム ダ ク ト LD
仕
様
2014年
10月
書
1日
因幡電機産業株式会社
技術開発センター
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RD-LD-SPEC-001-7
目
次
ページ
1.
適
用
3
2.
製品仕様
3
3.
耐候性
4
4.
木ねじ取付け強度
5
5.
フタかん合抜け強度
6
6.
熱伸縮長さ
7
7.
7-1.
7-2.
7-3.
施工要領
配管収納例
システム図
施工手順
8
8
8
9
8.
注意事項
12
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1.適 用
・本仕様書はスリムダクトLDシリーズに適用します。
・スリムダクトLDシリーズは、平成25年版 国土交通省仕様品です。
・スリムダクトLDシリーズは、難燃材料を使用しています。
(塩化ビニル製以外のパーツを除く)
2.製品仕様
スリムダクトLDシリーズの製品仕様を 表-1 に示します。
表-1 製品仕様
分
類
ダクト本体
品
名
スリムダクトLD
ウォールコーナー
ウォールコーナー後付用
呼び
型番
サイズ
LD
用
途
直線ダクト
70,90
材
質
PVC
注 2)
LDWM
( マンセル
PVC
壁面取出し
LDWK
換気エアコン用
ブラウン
70
PVC
格子部:ABS
ウォールコーナー※
LDWX
70,70L
エアコンキャップ/換気エアコン用
品
アイボリー
70,70L,90
ウォールコーナー
付 属
注 1)
D25-80B )
70
LDWA
エアコンキャップ用
調
5Y8/1,日塗工
LDW
ウォールコーナー
色
(マンセル
10YR3/1,
日塗工
D19-30B)
70
平面 45°~90°
平面自在コーナー
LDKS
コーナー平面 90°
LDK
平面 90°曲がり
グレー
コーナー平面 45°
LDKF
平面 45°曲がり
(マンセル
コーナー立面 90°
LDC
立面 90°曲がり
N6.5,
コーナー立面 45°
LDCF
立面 45°曲がり
日塗工 DN-65)
曲がり
70,90
ひねり 90°エルボ※
LDN
T型ジョイント
LDT
分岐ジョイント
LDJA
異径ジョイント
LDR
ジョイント
LDJ
70
ひねり 90°
分岐継手
90
段差継手
LDIF
端末カバー
LDEN
90-70
壁面取出し
ブラック
異径ジョイント
(マンセル
端末処理
70,90
LDシーリングキャップ
LDP
化粧カバー
LDWC
化粧プレート
フリーコーナーサドル
日塗工 DN-20)
段差継手
LDF
配管固定サドル
N2.0,
直線ダクト継手
フリーコーナー
LDスリムキャップ
PVC
自在継手
PE
ABS
SL
LDFS
-
70,90
注 1) ひねり 90°エルボ LDN-70 は、アイボリー色のみ。
注 2) LD-70 のブラウン及びブラックは、高耐候性特殊樹脂。
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ホワイト
(マンセル
N9.0,
ダクト内配管
SL バンド:PE
固定具
SL サドル:POM
LDF 用サドル
SUS304
日塗工 DN-90)
ナチュラル
ー
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3.耐候性
スリムダクトLDシリーズ用塩化ビニル製試験片を促進耐候試験にかけ、時間の経過
に伴う物性の変化状況を確認する。
(1) 試験項目
促進耐候試験を 0~2000 時間行い、200 時間毎に下記の項目について測定する。
・引張強さ
・曲げ最大応力
(2) 試験片
・引張試験用 :JIS K 6745 に準ずる。
・曲 げ 試 験 用:JIS K 7203 に準ずる。
(3) 試験装置
・促進耐候試験機:サンシャインカーボンウェザーメーター
照射時間は JIS D 0205 に準ずる。
・強 度 試 験 機:京都市工業試験場設備
(4) 結 果
試験結果を 図-1 に示す。
2000 時間で、割れ、クラック等の異常なし。
なお、色別による有意差なし。
図-1
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4.木ねじ取付け強度
スリムダクトLDシリーズの木ねじ取付け部の強度を確認する。
(1) 供試品
・スリムダクトLD長さ:100 ㎜
・木
材:杉
・銅
管:φ8
・針
金:φ2
・木 ね じ:呼び径φ3.5、長さ 28 ㎜
・ワッシャー:外径 9 ㎜、内径 4 ㎜
(2) 使用機械
・引張試験機
(3) 試験方法
図-2 に示すように、スリムダクトLDを木材に木ねじで止めた状態で引張試験
を実施する。なお、LDの変形を避けるため、木ねじのみに引張荷重がかかるよ
うにLD幅の銅管φ8 を横に入れ引張る。
木材
LD
図-2
条 件
・環境温度:20℃
・LD 長さ:100mm
・ビス:座付きタッピングビスφ3.5、座径φ7.5
・引張速度:20mm/分
(4) 結 果
木ねじ取付け強度を 表-2 に示す。
表-2 木ねじ取付け強度 単位:N
サイズ
引張強度
LD-70
274 (28kgf)
LD-90
392 (40kgf)
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銅管
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5.フタかん合抜け強度
スリムダクトLDシリーズのかん合抜け強度を確認する。
(1) 供試品
スリムダクトLD長さ:300 ㎜
(2) 使用機械
引張試験機
(3) 試験方法
図-3 に示すように、スリムダクトLDのフタ底をかん合させた状態でそれぞれ
上下にかん合が外れるまで引張る。
図-3
条 件
・環境温度:20℃
・LD 長さ:300mm
・使用ボルト:M10(頭の対面幅 17mm)
・引張速度:20mm/分
(4) 結 果
かん合抜け強度を 表-3 に示す。
表-3 かん合抜け強度 単位:N
サイズ
かん合抜け強度
LD-70
4410 (450kgf)
LD-90
(注)かん合抜け強度は、スリムダクトLDの長さを
2m に換算した数値で示す。
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6.熱伸縮長さ
スリムダクトLDの温度変化による伸縮長さを確認する。
(1) 供試品
LD-70 アイボリー
長さ:蓋部=150 ㎜、底部=150 ㎜
(2) 測定条件
温度範囲:-20~60℃
放置時間:3時間
(3) 使用機器
ノギス、恒温槽
(4) 測定方法
恒温槽内に供試品を入れ、設定温度後3時間放置し、ノギスで測定する。
(5) 結 果
温度変化による伸縮長さを 表-4 に示す。
表-4 熱伸縮長さ
温
度
供試品
長さ:㎜
-20℃
23℃
60℃
蓋
部
149.7
150
150.5
底
部
149.75
150
150.4
蓋部=0.80 ㎜(変化率 0.5%)、底部=0.65 ㎜(変化率 0.4%)
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7.施工要領
7-1.配管収納例
スリムダクトLDシリーズの配管収納例を 図-4 に示します。
図-4 収納配管例
7-2.システム図
スリムダクトLDシリーズのシステム図を 図-5~7 に示します。
図-6 多系統配管の場合
2系統配管
図-5 一系統配管の場合
一般住宅
立面コーナー
立面コーナー
図-7 一系統配管の場合
段差のある場合
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7-3.施工手順
スリムダクトLDシリーズの施工手順を 図-8 に示します。
なお、スリムダクトLDシリーズの使用温度範囲は-20~60℃です。この範
囲内の環境下でご使用ください。
(1) スリムダクトLDサイズ選定
(2) 壁面貫通穴あけ
(3) ウォールコーナー底部取付け
(4) スリムダクトLD寸法出し及び切断
(5) スリムダクトLD及び継手部材底部取付け
(6) 配管施工
(7) 固定サドル締付け
(8) 壁面配管貫通穴止水処理
(9) スリムダクトLD及び各部材フタ部取付け
(10) コーキング処理
図-8 施工手順
(1) スリムダクトLDサイズ選定
スリムダクトLDのサイズ選定表を 表-5 に示します。
表-5 サイズ選定表
単位:mm
スリムダクトLD
サイズ
配管サイズ(液管×ガス管)
LD-70
φ6.35×φ9.52 またはφ6.35×φ12.70
換気ホース同時収納の場合
φ6.35×φ12.70
換気ホース収納なしの場合
φ9.52×φ15.88
LD-90
※φ6.35 及びφ9.52 の保温材厚は 8 ㎜、φ12.70 及びφ15.88 の保温材厚は 10 ㎜。
配管にはドレンホース DH-16 相当と制御ケーブルを含む。
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(2) 壁面貫通穴あけ
壁面に配管を通すための貫通穴を 表-6 に示すコアドリル径に準じてあけ
ます。
表-6 貫通穴径
単位:mm
LDサイズ
コアドリル径
LD-70
φ70 以下
LD-90
φ90 以下
(3) ウォールコーナー底部取付け
図-9 に示す様に壁面の貫通穴にウォールコーナー底部を当てて、傾きを確
認しながらビス止めします。
図-9
(4) スリムダクトLD寸法出し及び切断
配管経路を確認し、スリムダクトLD底部をウォールコーナー底部に当てて、
切断箇所にマーキングします。
次に、スリムダクトLD底部とフタ部を重ね合わせてダクトカッター又は金の
こで切断します。
(5) スリムダクトLD及び継手部材底部取付け
図-10 に示すスリムダクトLD底部の半抜き穴をドライバーの先等を使用
して抜きます。
抜き穴箇所はダクト 1 本に対して一番上と下、中間の3箇所とし、必ず抜き穴
ピッチを1m以内でとって下さい。
図-10
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スリムダクトLD底部をウォールコーナー底部に当てて、一番上の穴をビスで
仮止めし、垂直出しをした後、残りの穴を 図-11 に示す様に固定サドルと
一緒にビス止めしていきます。
図-11
ここで、スリムダクトLD端末部に近い位置のビスは先に端末カバーあるいは
継手部材の底部を差し込んでビス止めしてから止めます。
(注)壁面固定用のビスは、座付きナベビスをご使用下さい。皿ビスまたはラッパビスで固
定した場合製品が損傷する場合があります。
また、インパクトドライバーをご使用の際には取り扱いに十分ご留意ください。ビス
を過剰に締めこんだ場合に、製品を損傷する事があります。
(6) 配管施工
冷媒管、ドレンホース、ケーブルがよじれない様に注意して、ダクト内に納め
ながら配管していき、 図-12 に示す様に端末部の配管類が露出する部分を
テーピングで保護処理した後、配管類を室外機に接続します。
図-12
(7) 固定サドル締付け
図-13 に示す様に固定サドルを締付けて配管を固定していきます。
図-13
(8) 壁面配管貫通穴止水処理
図-14 に示す様に壁面貫通穴と配管の隙間を止水パテで完全に塞ぎます。
図-14
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(9) フタ部取付け
スリムダクトLDフタ部をはめ込んだ後、ウォールコーナー、端末カバー等の
フタ部を付属のタッピングビスで壁面及び底部にビス止めして下さい。
(10) コーキング処理
スリムダクトLDシリーズは防水構造ではありません。雨水侵入の恐れのある
接合部やかん合部にはシリコーンシーラント等で必ずコーキング処理を施し
て下さい。
特に、 図-15 に示す位置の処理を怠りますと、屋内への雨水侵入の原因と
なりますのでご留意下さい。
図-15
8.注意事項
●スリムダクトLDは防水構造ではありません。雨水侵入の恐れのある箇所について
は、防水処理が必要です。特に壁面貫通個所には、壁内面内への雨水侵入防止のた
め、接合部やかん合部、貫通部、壁設置部、ビス穴などに、コーキング処理やパテ
埋めなどを施し、防水処理を行ってください。また、横引き設置などでダクト内へ
の雨水の溜まりが懸念される場合やダクト内への防水が必要とされる場合も同様の
処理をおこなってください。
●ダクト表面温度が-20℃~60℃の範囲内の環境下でご使用ください。60℃を超える
場合は熱による変形の恐れがあります。
●壁面固定用のビスは、座付きナベビスをご使用ください。
皿ビス又はラッパビスで固定した際に、製品が損傷する場合があります。
●インパクトドライバーをご使用の際には、取り扱いに十分ご留意ください。製品を
損傷する場合があります。
(トルクドライバーを使用することをお奨めします。)ま
た、凸凹のある壁面に取り付ける際は、特に製品の損傷の恐れがあるため、インパ
クトドライバーは使用しないでください。
●ダクトカバーが外ずれないように端末カバー(LDEN)で固定してください。
●フリーコーナーは、平面曲がりは 90°以下、立面曲がりは幕板段差超え用(45°以
下)にご使用ください。パラペット超えなどの極曲がりには使用できません。
●ウォールコーナー後付け用は、既設配管の状況によっては後付け施工できない場合
があります。施工に当っては、現場の状況をよく確認の上で行ってください。
●配管固定サドルの結束時には、保温材を潰すと結露する恐れがありますので、締め
すぎに注意してください。なお本製品は、スリムダクトLD内部で冷媒配管材を結
束するためのものです。屋外露出配管の結束やケーブルなどの結束用途としては使
用しないでください。
●スリムダクトLDは、直線ダクトの上からコーナーパーツを被せた状態で、ビス止
めされているため、外力に対しても直線ダクトのフタは非常に外れ難い構造となっ
ていますが、高層マンション等での突風発生時のような万が一の事象に備えてフタ
飛び防止対策を講じる必要がある場合は、ステンレスタイで直線ダクト 1 本につき 2
箇所、底部とフタ部の上から結束固定してください。
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スリムダクトLDの熱変形について
スリムダクトLDの熱変形につきましては、年間数件発生しています。特に、横
引き配管に多いことから注意点をまとめましたので、ご参考にしていただきます
ようお願いいたします。
下記注意事項を遵守されていない熱変形クレームにつきましては、当社では責任
を負いかねますので予めご了承願います。
1.熱変形とは
スリムダクトLDは樹脂製であり素材の軟化温度を超えると軟化が始まり変形
します。特に、負荷がかかっている状態では、軟化温度より低い温度で変形す
ることがあります。
2.ダクトの温度について
ダクトの温度は、環境温度および直射日光による輻射熱などにより決まります。
特に、ダクト付近に金属製のフードなどがあると太陽光の輻射熱を受けてダク
トが高温になることがあります。
3.注意点
◎保管上の注意点
炎天下の密閉された車中など環境温度が素材の軟化温度より高くなる場所での
保管は避けてください。また、製品に負荷がかかった状態での保管は避けてく
ださい。
◎施工上の注意点
*横引き配管の注意点
・配管のたわみや蛇行による応力が、ダクトに掛からないように配管固定サ
ドル(SL-300)で固定してください。
ダクト2mに対し最低2箇所固定することをお勧めします。
また、屋外での横引き配管ではできる限り距離を短くしてください。
*設置上の注意点
・金属材料で加工された軒先などの輻射熱によりダクトが高温になることが
予想される近辺での設置は避けてください。
・蓄熱する壁や遮熱塗料で塗装した壁では輻射熱によりダクトが高温になる
ことが予想されますので設置は避けてください。
・風通しの悪い狭い場所や、熱が発生する設備の周りでは、高温になること
が予想されますので設置は避けてください。
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