「木材を活用した学校づくりの新たな可能性へ向けて」(2

間伐材の活用
富山県滑川市立西部小学校
地域材の内装による図書室
地域の杉材の活用
矢吹町立矢吹中学校
千葉県南房総市立丸山中学校
様々な木の空間
豊かな生活の場となる学校
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ヒノキ間伐材 ストランドボード
福井市立至民中学校
木の教育に生かす
木の未来を担う子どもを育てる
千葉・大多喜町立老川小学校
既存施設のレトロフィットー長寿命改修
• 膨大な既存ストック1.6億㎡ 公共施設の40%は学校、
25年以上経過施設が60%超
1億㎡の老朽化対策に木を生かす
木の内装 0.03㎥/㎡
木造0.3㎥/㎡
• 老朽化対策ではなく、現代化、長寿化-レトロフィット
オープンスペースをラーニングセンターに 家具の導入、
ゼロエネルギー化-省エネルギー、再生可能エネルギー
防災拠点-非構造部材の耐震化
木の活用-内装木質化
目に見えて効果がわかる
北塩原村さくら小学校
耐震改修による統合校舎計画例
北塩原村立桜小学校(福島県)
庇に太陽光発電システム(5kw)
改修後外観
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(清水公夫研究所)
北塩原村さくら小学校
改修前図書室
コンピュータ室と図書室を
一体化した
メディアセンターに
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改修後メディアセンター
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(清水公夫研究所)
耐震補強と間伐材の活用
滑川市立西部小学校
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改修による教育機能の向上
水源林(道志村)の間伐材による改修
横浜市立港北小学校
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一貫した木質化改修 埼玉県ときがわ町
廊下
腰壁:モルタル金ゴテ t25 EP
→木胴縁下地 ヒノキ板 t12
横張り 新設
床:長尺塩ビシート貼り t2
下地モルタル共) 撤去
OSW 撤去
→ヒノキ積層フローリング t15
新設(下地モルタル共)
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多摩産材を生かした断熱改修
木製断熱サッシ
東京都檜原村檜原中学校
思い出を伝える木の校舎
旧木造校舎の階段親柱を活用 青森・名川中
旧木造校舎の床板を天井に 福島・岩江小
旧木造校舎の階段床板を活用 福島・社川小
ケーススタディ
町有林・学校林を使って学校を建てる
先人の想いの継承
材はただ 安くできる 発意しやすい
「もうこりごり」、「次も取り組む」
公有林による学校づくり
新谷小学校(愛媛県大洲市)
町有林による学校づくり
鹿沼市立粟野第一小学校 平成26年
町有林による学校づくり
茂木町立茂木中学校
学校林による学校づくり
萩市立明倫小学校 平成25年
学校林・町有林による学校づくりに向けて
材価
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立木価格(最寄りの木材市場渡し素材価格から諸経費を差し引いた価格)¥ 2,000
素材価格(長さが切り揃えられ、径級別に仕分けされた丸太)
製材工場の素材購入価格
¥14,000
製材品価格(製材工場からの卸売販売価格)
¥53,000
アッセンブリ―価格
¥80,000?
日本での製材歩留り(製材材積/素材材積)は平均60%前後
「製材工場での経費」が大きい。
立木の値段はたいしたことはない
伐り出し、搬出、乾燥、製材の連携を作る検討体制が大切
地域で何ができるか、できないか できない部分をどうするか-どこと連携するか
トレーサビリティの確保
関係者皆で山を歩く
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木で作るのは多くの人にとってやりがいがある
どんな木があるか-材種、材量、材質 どんな状態にあるか-手入れ 質の見極め
伐採時期
• 春まで 冬に伐ると虫が入らない
• 森林組合 年間の施業量は決まっている 間伐
• 林業家 積極的な姿勢
分離発注
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本来、設計ができ、必要な材量、材寸・材径、強度-ヤング率、求める質が決ま
る
それから伐り始めるのでは間に合わない-伐ってからのリードタイムが長い
見込みで伐る
木造 面積×0.3㎥ 内装木質化 面積×0.03㎥
標準寸法で伐る 4m、2㎡、6㎡
設計者に情報を与える、設計者もその情報を基に設計を進める
設計ができてから残りを伐る 特殊寸法 情報を伝えておく
材は余裕をもって用意する その分の捌き方 規格寸法
不足した場合の手当ては難しい、
木造校舎の構造設計標準(JISA3301)の改訂
○改訂の基本方針
・形を規定しない、平面計画の自由度を担保する
・中断面構造用集成材や製材を用いたトラス構法、高倍率耐力壁の仕様、標準的な納まり
・多様な学習形態や将来の変化等の様々な活動に対応できるものとする。
・平面計画は、教室との一体利用が可能な多目的スペースにも対応可能とする。
・材料・構法等は、特殊なものではなく、どの地域でも一定に対応が可能とする。
・建設コストが割高にならないようにする。
○ 配慮事項
・木の良さ、木造の特質を生かした空間づくり
・木材の生産・調達の現状も踏まえつつ、校舎に適した木材寸法等
・校舎の長寿命化につながるメンテナンスや耐久性等
・現行のJIS A 3301 と同様に、ユニット(単位教室部分)について規定する。
・ユニットの組合せによる建築物は、耐火建築物及び準耐火建築物に該当しない
木造校舎を対象とする。
・平屋及び2 階建ての木造校舎を対象とする。
・ユニットの平面形は、室と廊下・多目的スペースの組合せによる片廊下型及び中廊下型、
廊下等を有しない大部屋型とする(図 参照)。
・一定の幅のある寸法体系を用意し、組合せにより多様な空間構成が実現可能とする。
JIS3301に規定する木造校舎
文部科学省
規格材による木造校舎
潮来市立潮来小学校
全校児童数18名、担任1名の「地域立」小学校
Duvin,スイス
Frauenkirchen小学校、Davos, スイス
木で作るのが当り前だから木で作る
• 地域木を使うのが当り前と思える社会づくり
• 市町村林、学校林
• 木しかないから木で造る
例)臨時帝国議会(明治27年)
学校復興計画に当たって
地域の人々の想い
1.安全な高台に
2.スピードを速く
その気持ちは受け止めながら、こういう時こそ百年の計
学校づくりの今日的課題に応え、目標を見失わずに
①教育空間の多機能化・高機能化、ICT化
②小学校と中学校の連携
③学校と地域の連携
④地域の防災拠点
⑤エコスクール・ゼロエネルギー化
⑥木材の活用
⑦長寿命化
学校の復興を地域の木と、地域の力で
語り継がれる学校づくりを
大船渡市立赤崎小学校、赤崎中学校
道路
みんな
のいえ
こども
のいえ
コミュ二ティ・ベルト
多目的ホール
グラウンド
家庭
図書館
木造
特別教室
学級教室
海
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大船渡市立赤崎小学校
東松島市立野蒜・宮津統合小学校
みんなの学校をみんなでつくる
学校はみんなでつくるもの
みんなで支えるもの
みんなのもの
教職員・PTA・地域住民・子どもたちの参加
それぞれの夢・思いを語り合う計画プロセス
情報の共有・想いの共有・課題の共通理解
固定観念にとらわれないで考える
施設づくりに参加した人が、完成後に学校づくりの中心に
語り継がれる学校づくり→長寿命の学校づくり
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金山町立明安小学校
「学校は教育施設ではない、学校は学校」
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聖籠町立聖籠中学校