社会福祉法人 日本点字図書館 平成26年度事業計画 ≪重点項目≫ はじめに 昨年度は、 「障害者権利条約」の批准が国会で承認されたことは大変大きなニュース であった。我が国の障害者施策の新たな時代を迎える感を強くしている。しかし、健 常者、障害者の別なく広くこの条約が理解され、受け入れられるためには、私たち福 祉施設職員はじめ国民の不断の努力が必要である。条約の目的と理念の実現のため、 現状の課題を国民全体で考え、一つ一つ解決してゆく取り組みが求められる。とりわ け当法人は、これまでにも増して、視覚障害者の読書保障、情報保障の分野で条約の 目的実現に努めなければならない。 昨年の当館財政状況は、一般寄付金に加え、特別寄付金にいささかの伸びがみられ た。今年度は、この回復の兆しが見られる募金状況を梃に、寄付金、助成金とも予算 額の確保に努め、年間を通して安定した財政運営に努める。 事業の重点項目としては、「点字図書利用の拡大と点字の普及」「電子書籍の製作と 利用の促進」、加えて、昨年度に引き続き「広報活動の強化」の取り組みを行なう。 また、本年4月からの「川崎市視覚障害者情報文化センター」の管理運営について は、当法人の専門性と経験を活かし万全の体制で臨む。 重点項目 1.点字図書利用の拡大と点字の普及 点字図書の利用拡大を目指すと共に、利用者満足度の向上に努める。製作図書の選 定、および製作作業について新たな方法の検討と試行を行う。点字利用者の読書意識 や点字利用の実情を把握するために昨年度実施した「点字利用者アンケート」の結果 を、点字図書の選定や製作に反映する。また、図書に限らない点字サイン、点図等へ の取り組みにも活用する。 また、点字の啓蒙と普及を目的として、点字指導者へのアンケート調査を行い、点 字学習書の状況、指導時の工夫、点字図書への要望等について調査を行う。 2.電子書籍の製作と利用の促進 過去3か年にわたる「電子書籍の製作と利用に関する検討プロジェクト」の検討を 踏まえ、テキストデイジー図書、マルチメディアデイジー図書の製作を、製作部門と サービス部門が一体となって推進する。製作に関わる電子データの共有化や、求めら れる形態での迅速な資料の提供の実現を目指し、その障害となる課題の解決を図る。 また、ロービジョンや、文字の認識や情報へのアクセスが困難な児童、生徒に対す る「電子教科書の製作」の取り組みをさらに推進する。近い将来の需要の拡大に備え た製作とサービス体制の強化に努める。 -1- 3.広報活動の強化 昨年度からの、 「新たな広報の取り組み」をさらに推進する。法人の多岐にわたる事 業やサービスや、川崎市視覚障害者情報文化センター管理運営委託という法人の社会 的評価など、あらゆる「広報の資源」を、マスコミ、インターネット、ソーシャルネ ットワーク等の情報発信媒体を活用し、法人の認知度の向上、新規支援者の獲得、寄 付者の拡大を図る。 また、来年 2015 年に迎える創始者本間一夫生誕 100 周年の前年として、100 周年の 企画の検討と計画の立案を行う。 4.川崎市視覚障害者情報文化センターの運営 本年度からの指定管理業務の遂行に法人全体で取り組む。これまでの川崎市盲人図 書館に代わり、日本点字図書館の 70 余年にわたる施設経営と情報提供技術を活かし、 質の高いサービスを実現する。 以上、重点4項目を記したが、上記を踏まえた各部、各課の事業計画を以下に詳述す る。 Ⅰ≪社会福祉事業≫ 視聴覚障害者情報提供施設日本点字図書館の設置経営及び全国の視聴覚障害者情報 提供施設に関する連絡事業 1.図書情報提供サービス (1)重点事業 ① 利用者ニーズを反映したサービスの提供を行なう CD等による蔵書の貸出に捉われず、サピエ図書館やダウンロードサービス を積極的に推進すると共に、個々の利用者の状況やニーズに合った形で迅速に 読書情報の提供を行なう。 ②短期間で製作できるテキストデイジーの魅力を利用者へ伝えると共に、利用者 の拡大に努める。 ③電子書籍推進プロジェクトと連携を取りながら、利用サービスの方法について 検討を進める。 ④ 視覚障害者情報総合ネットワーク「サピエ」のシステムの安定的稼働及びWe b図書館システムの導入・運用支援を行う。 「サピエ」の安定的稼働を維持するため、サピエ事務局やサピエ・システム 管理業者との連携を強化し、必要に応じて個人会員・施設に情報提供を行う。 また、施設向け図書館出納業務管理ソフト「Web図書館システム」につい て、N-LINK図書管理システムからデータ移行も含め、導入・運用支援を 行なう。 (2)その他の主要事業 ① 点字図書・録音図書の貸出・提供 点字図書は年間 9,500 タイトル、録音図書はCDを年間 120,000 タイトル、 録音雑誌「にってんデイジーマガジン」を読者 6,500 人、ダウンロードサービ ス 60,000 タイトルの提供を目指す。また、新たなメディアであるテキストデイ ジーの普及促進に努める。 -2- ② レファレンスサービスおよび書誌データの整理 利用者が求める図書情報等を速やかに提供できるように情報収集に努め、読 書を支援する。また蔵書については、製作着手の流れがスムーズに進むよう、 職員や当館のWeb-OPAC利用者が自ら検索し、さまざまな角度からのア プローチで本を探し出せるよう、常に当館目録規則に従った書誌データの整備 に努める。 ③ 図書の選定と蔵書の充実 利用者ニーズを考えた製作リクエストを積極的に挙げていく。また、出版さ れる点字図書・録音図書の購入やサピエ図書館にアップされる他館製作の完成 状況などからも厳選して受入れを行なう。 ④ 利用者用目録の製作と提供 点字図書新刊案内「にってんブレイル」(点字版)と、録音図書新刊案内「にって んボイス」(録音・点字・墨字版)を隔月で発行する。なお、「にってんボイス」の 録音版は、「にってんデイジーマガジン」とサピエで提供する。また、録音図 書目録については、「CD図書年間追加目録 2014 年版」をデイジーで製作し発 行する。 なお、墨字と点字による録音図書目録については、レファレンスサービスに よる希望に応じたリスト作成で対応する。また、2014 年中に発表した点字図書、 録音図書の点字版の「年間追加目録 2014 年版」をそれぞれ発行する。 ⑤ 奥村文庫(視覚障害関係墨字資料室) 視覚障害に関わる情報収集に努め、関係者からの問い合わせに適切な資料と 情報の提供に努める。目録データをさらに充実させ、Web-OPACによる 資料検索サービスの質を高めていく。 ⑥ プライベートサービス 個人朗読、希望点訳ともに引き続き、速度と質の両面において利用者ニーズ に応えられるサービスを行なう。 専門対面リーディングサービスは、年間延べ 300 人の利用者に実施する。 ⑦ 点字教室・パソコン教室・各種体験会の開催 点字教室は、視覚障害者の情報アクセス技術の向上に努めて開催する。中途 視覚障害者を対象に年 250 回開催する。 点字教室受講生の次のステップとして、「点字教室地域ボランティア活動講 習会」を開催する。 パソコン教室は、基本操作技術の習得を目的とした5回コース9コマを年間 8期開催する。 また、初めてパソコンに触れる人に対しては、予約制による1回 90 分、原則 1回(上限2回まで可)操作体験クラスを設ける。 新しい情報機器など、時代に合わせた体験会を企画する。 ⑧ 見えにくさの相談会の開催 中途失明やロービジョンによる不安や困難を抱えている人に対する相談会を、 支援機器類を扱う用具事業課と共同して開催する。 ⑨ 自主活動の支援 点字教室を修了した中途視覚障害者に、館内で行う自主活動の場を提供する。 ⑩ サピエ図書館の利用促進等 -3- サピエ図書館の利用促進のため、引き続きパソコン教室の体験クラスの中に メニューとして組み込む。また、専門業者に委託し、サピエ図書館体験会を開 催する。 サピエ図書館に点字・録音図書の着手・完成・所蔵情報の定期的登録を迅速 に行う。 ⑪ 学習障害や発達障害など、視覚障害以外の活字読書に困難を抱えた人たちへ の録音図書の提供を引き続き行なう。 2.点字図書・触図等の製作 (1)点字図書の製作 ① 点訳書と厚生労働省委託の図書製作を行なう。 ② 点訳書のデータをサピエにアップロードする。 (2)ボランティアの指導・養成 現役点訳者約 102 名に対する点訳技術向上のための指導と共に、通信課程進級者 に対する指導を行なう。 (3)点字図書の販売 約 930 タイトルの図書の頒布を行なう。 特色ある点字図書の企画と販売促進活動を行なう。 (4)教科書の製作 ① 視覚特別支援学校理療科用教科書の製作 視覚特別支援学校理療科用図書編纂委員会編「医療と社会」の点字版及びデイ ジー編集によるCD録音版を製作し、盲学生の学習に供する。 ② 視覚特別支援学校高等部用教科書の製作 視覚特別支援学校高等部用教科書「英語表現Ⅰ SELECT ENGLISH EXPRESSION Ⅰ」「同Ⅱ」及び「科学と人間生活」を製作し、盲生徒の学習に供する。 ③ 文部科学省著作教科書の製作 視覚特別支援学校中学部用教科書「社会(公民的分野)」(3年)を製作し、 盲生徒の学習に供する。 (5)「日本点字図書館ユニバーサルデザイン推進室(UDラボ)」の事業を展開し、 啓発活動を行なう。 3.録音図書・雑誌の製作 (1)池田輝子記念文庫製作事業 「びぶりお工房」(録音図書ネットワーク製作システム)事業の充実を図る。 ① 録音図書ネットワーク製作システム操作講習会実施(ボランティアの募集・養 成) ② 録音図書のネットワーク製作・デイジー編集 ③ 製作を完了した音声デイジーコンテンツをサピエに登録し、全国の視覚障害者 等のニーズに応える。 (2)DVD対応視覚障害者用音声ガイドの製作事業 (3)録音図書・雑誌の製作 ① 録音図書の製作 スタジオ製作分 200 タイトル びぶりお工房製作分 200 タイトル -4- 電子書籍製作室分 200 タイトル ② 月刊「にってんデイジーマガジン」の製作 ③ ボランティアの養成 ・朗読奉仕者の補充 ・録音図書校正奉仕者の補充 ・マルチメディアデイジー・テキストデイジー録音図書製作に伴うデイジー編 集者・校正者の補充養成 4.アクセシブルな電子書籍製作に必要な情報の収集と検討 (1)「電子書籍製作室」において、電子書籍の情報収集、製作手順の整備等を行ない、 点字図書、録音図書、マルチメディアデイジー図書(教科書)などの製作に努め る。 (2) 電子書籍推進プロジェクトにおいて、製作からサービスのあり方についてさら に検討を進める。 5.厚生労働省委託事業 視覚障害者用図書等事業の委託を受けて実施する。 6.厚生労働省補助事業 視覚障害者図書情報総合ネットワーク「サピエ」運営事業の補助を受けて実施す る。 7.東京都委託事業 (1)東京都視覚障害者用図書製作貸出事業の委託を受けて実施する。 (2)東京都視覚障害者用図書レファレンスサービス事業の委託を受けて実施する。 8.東京都補助事業 都内貸出事業に対し、東京都から補助金を得て実施する。 9.川崎市視覚障害者情報文化センター運営委託事業 指定管理者となる川崎市視覚障害者情報文化センターを運営する。 (1)閲覧・貸出 約 400 人の登録利用者に対し、点字図書は年間 50 タイトル、録音図書は年間 6,000 タイトルの提供を目指す。また、点字雑誌は年間 500 タイトル、録音雑誌は テープ雑誌を年間 1,000 タイトル、CD 雑誌を年間 3,000 タイトル提供する。他図 書館からの相互貸借依頼にも蔵書の貸出しを原則として、点字資料を年間 100 タ イトル、テープ資料を年間 600 タイトル、CD 資料を年間 1,500 タイトル提供する。 (2)資料製作 利用者のニーズを尊重した図書選定を行い、点字図書は年間 40 タイトル、録音 図書は年間 100 タイトルの製作をめざす。また、テキストデイジー図書の製作も 行う。 (3)点訳者、音訳者の養成 -5- 平成 26 年度は、川崎市民を対象とした点訳者養成講座および音訳者養成講座の 両方を開催する。また、活動中の点訳者・音訳者を対象としたスキルアップ研修 会や校正者養成講座を開催する。 (4)訓練事業の取り組み 平成 25 年度からの訓練継続者を含め、延べ 55 名に視覚障害者生活訓練を行う。 また、視覚障害者に関する各種相談を 70 件実施すると同時に視覚障害者関連の便 利グッズの販売を新たに行う。 (5)啓発普及 福祉事務所での手帳交付時に事業案内ができるようなパンフレットを製作し、 各福祉事務所、生活支援センター等、関連機関・団体へ配布を行う。 事業報告会を開催し、図書館事業・視覚障害者訓練事業の認知を深める。 10.公的機関・団体・企業等からの委託及び助成・補助による事業 (1)東京都消費生活総合センター CD版「東京くらしねっと」(年間6回)を製作し、送 付する。 (2)財団法人日本宝くじ協会 点字・録音図書を製作し、貸出す。 (3)一般財団法人日本メイスン財団 ① DVD対応視覚障害者用音声ガイドを5タイトル製作する。 ② 点字・録音図書を各3タイトル製作し、貸出す。 (4)生活共同組合 点字・録音図書を製作し、貸出す。 (5)社会福祉法人読売光と愛の事業団 ① ロービジョンサービス事業を行なう。ロービジョン機器等の相談を行なうとと もに、遠方の利用者にはルーペ・レンズ類を見本貸出しする。 ② 専門対面リーディングサービス事業を実施する。 (6)公益財団法人JKA デイジー版雑誌「医学研究」(月刊)及び「ホームライフ」(月 刊)を製作し、配布する。 (7)公益財団法人日本テレビ小鳩文化事業団 点字カレンダーを製作し、配付する。 (8)株式会社文藝春秋 デイジー版雑誌「文藝春秋」(月刊)を製作し、配布する。 (9)公益財団法人鉄道弘済会 デイジー版雑誌「ブックウェーブ」(月刊)を製作し、 配布する。 (10)公益財団法人一ツ橋綜合財団 録音図書「一ツ橋文庫」10 タイトルを製作し、貸 し出す。 (11)株式会社トーハン 原本提供を受け、点字・録音図書を製作し、貸出す。 (12)ソニー株式会社 「聞くカタログ」を製作する。 (13)株式会社岩波書店 岩波新書等の録音版を製作する。 (14)株式会社資生堂 CD版「おしゃれなひととき」(季刊)を製作する。 (15)株式会社佼成出版社 「立正佼成会会報」(月刊)のテープ版、CD版を複製する。 (16)一般財団法人NHKサービスセンター 点字版「NHKウイークリーガイド」(週 刊)を発行する。 (17)一般社団法人日本アマチュア無線連盟 「点字JARL NEWS」を製作する。 (18) 社団法人全国腎臓病協議会 CD版「ぜんじんきょう」(隔月刊)を複製、配付す る。 (19)社会福祉法人NHK厚生文化事業団 ① 寄贈番組CDを受け入れ、貸出しを行なう。 -6- ② NHK障害福祉賞入選作品集録音版を製作する。 (20)公共交通機関や企業などの委託により、手すり点字銘板、点字運賃表、案内板 等を製作監修する。 (21)ワンブック・プレゼント運動への協力として、イオンクレジットサービス株式 会社、株式会社日立ビルシステム、株式会社東横イン、ハウス食品労働組合、特 定非営利活動法人エキスパートチャリティアソシエーション他、企業、団体、個 人などの助成により、点字・録音図書を製作し、貸出す。 (22)公益財団法人早川清文学振興財団「ハヤカワライブラリー」10 タイトルを製作 し、貸出す。 (23)公益財団法人三菱財団「マルチメディア DAISY 教科書製作ソフトのクラウド 化とネットワークを用いた理数教科書共同製作の研究」を行う。 (24)新宿区「広報しんじゅく」(毎月 5 日・15 日・25 日発行)、「わたしの便利帳」 (2014 年版)の点字版を製作し、送付する。 (25)新宿区「新宿区議会だより」(年 4 回)の点字版・録音版を製作し、送付する。 Ⅱ≪公益事業≫ 盲人生活用具の開発と普及及び国際視覚障害者情報提供協力事業 1.視覚障害者用具の販売斡旋 顧客のニーズに合った販売斡旋事業を行なうため、以下の点を重点項目とする。 (1)視覚障害者及び視覚障害者をサポートする人たちのニーズに合った商品・サー ビスを提供する。 (2)顧客のニーズに合った企画展、体験会を開催する。 (3)インターネットショッピングサイト「わくわく用具ショップ」のパソコン版、 携帯版を運営する。また、商品案内のツールとして動画を利用し、購入の利便性 を更に向上させる。 (4)メールマガジン、雑誌「にってんデイジーマガジン」、フェイスブックやツイ ッターなどのSNSを積極的に利用し、広報の充実を図る。 (5)弱視者向け拡大読書器、ルーペ、レンズ類は、適切な商品を選べるよう多くの 種類を備える。 2.厚生労働省委託事業 盲人用具販売あっ旋事業の委託を受けて実施する。 3.池田輝子ICT奨学金事業 池田輝子基金により第 11 回池田輝子ICT奨学金事業を実施する。 実施期間:平成 26 年7月 27 日~8月8日 中級クラス 平成 26 年8月 10 日~8月 24 日 上級クラス 場 所:ペナン(マレーシア) セント・ニコラスホーム 4.アジア盲人図書館協力事業 一般社団法人霞会館助成により ータ 第三国研修に変更して 12 回目になるコンピュ -7- 点字製作技術指導講習会を実施する。 実施期間:平成 26 年9月(日程は未定) 場 所:ベトナム Ⅲ≪収益事業≫ マンションの設置経営 2棟のマンションを運営し、生じた収益は社会福祉事業及び公益事業に充当する。 Ⅳ≪本部事業≫ 1.寄付・助成金の増収 毎年継続の維持会費、企業や諸団体助成金の増収に一層努力する。(当館ホーム ページからの募金、ワンブック・プレゼント運動、愛のポストカード運動を含む) 2.日本点字図書館カード会員の拡大 見学者、チャリティ映画会・コンサート、「みんなの集い」来場者に対して加入 勧奨のパンフレットを配布し、加入者の拡大を図る。 3.チャリティ映画会・コンサートの実施 (1)秋(平成 26 年9月 25 日(木))と春(未定)の年2回、なかのZERO大ホールで映 画会を開催する。 (2)第 12 回本間一夫記念チャリティコンサートとして、平成 26 年 12 月 18 日(木) 東京文化会館小ホールで「梯剛之コンサート」(仮)を開催する。 4.第 11 回本間一夫文化賞の贈呈 創立者本間一夫を記念し、点字や視覚障害の分野で、研究や著述に顕著な功績 をあげた個人・団体を顕彰する。 5.第 21 回にってん野路菊賞の贈呈 日本点字図書館の業務等について多大な貢献をされた個人・団体、あるいは視 覚障害者の福祉・文化・教育等の分野において多大な貢献をされた個人・団体を 表彰する。 6.広報誌その他の発行 広報誌「にってんフォーラム」(年4回、各 6,000 部)を発行し、当館の活動およ び視覚障害関係情報を広報する。また「感謝録」(18,000 部)を発行する。 7.にってんカルチャー講座の開催 「折り紙教室」「囲碁教室」「エスペラント語教室」「英会話教室」を実施する。 Ⅴ≪会議・研修・福祉厚生≫ 1.会議 (1)理事会・評議員会の開催 定期会議(平成 26 年5月・10 月、平成 27 年3月) (2)部長会議・部課長会議・グループリーダー会議の開催 -8- ① 部長会議 (随時開催) ② 部課長会議 (毎月1回) ③ グループリーダー会議 (毎月1回) (3)各委員会の開催(適時開催) 2.研修 職員研修の実施 課長・グループリーダーを中心とした研修とともに、各種研修を実施する。 3.福利厚生 (1)職員健康診断を 10 月に実施する。 (2)職員の福利厚生事業を実施する。 4.防災 避難訓練を2回実施する。 -9- 【用語説明】 1 デイジー (DAISY) 図 書 デイジー(Digital Accessible Information System) はデジタル録 音 図 書 の国 際 標 準 規 格 として開 発 された情 報 システムで、この技 術 で音 声 情 報 を記 録 したものをデ イジー図 書 と呼 んでいます。 デイジー図 書 には、①長 時 間 の録 音 が可 能 である ②音 質 が劣 化 しない ③検 索 が容 易 である等 の特 徴 があり、これらはカセットテープの録 音 図 書 にはなかった利 点 です。特 に③については、録 音 したものに、章 、節 、項 等 の階 層 付 けやページ情 報 等 の目 次 検 索 情 報 を加 えることにより、利 用 者 は検 索 を自 由 に行 なうことができ、確 実 に目 的 の箇 所 へ移 動 することが可 能 です。また、カセットテープのように読 書 の途 中 でテープを裏 返 したり交 換 したりする必 要 がないため、中 断 される煩 わしさがなく、 非 常 に便 利 な読 書 手 段 であるといえます。 また、データ(デイジーデータ)をインターネットで配 信 することも可 能 で、パソコンや 携 帯 電 話 を使 っ て、あるいはパ ソコンからS Dカード にいれて専 用 の小 型 再 生 機 で 読 書 を楽 しむこともできるようになりました。 2 マルチメディアデイジー 階 層 付 けを施 したテキストや画 像 に、音 声 を同 期 させたタイプ のデイジー図 書 で す。 全 盲 の視 覚 障 害 者 にとっ ては従 来 のデイ ジー図 書 と使 用 感 は変 わりませんが 、 音 声 を聞 きながら画 面 上 でテキストを読 むことができ、また再 生 中 の音 声 に対 応 する テキストをハイライトさせることもできるため、弱 視 やディスレクシアなどを持 つ障 害 者 にとっては便 利 で読 みやすい電 子 書 籍 と言 えます。 テキストと音 声 を用 意 しなければならないため、音 声 だけ、テキストだけのデイジー に比 べると製 作 に手 間 はかかりますが、障 害 の種 類 や程 度 に応 じてさまざまな使 い 方 ができるといった長 所 があります。 3 視 覚 障 害 者 情 報 総 合 ネットワークシステム「サピエ」 サピエは、視 覚 障 害 者 及 び視 覚 による表 現 の認 識 に障 害 のある方 々に対 して点 字 、デイジーデータをはじめ、暮 らしに密 着 した地 域 ・生 活 情 報 などを提 供 するネッ トワークです。日 本 点 字 図 書 館 がシステムを管 理 し、全 国 視 覚 障 害 者 情 報 提 供 施 設 協 会 が運 営 を行 います。 無 料 でサービスを受 けられる視 覚 障 害 者 等 の個 人 会 員 は、約 10,000 人 です。ま た 、全 国 の視 覚 障 害 者 情 報 提 供 施 設 (点 字 図 書 館 )や公 共 図 書 館 、ボランティ ア 団 体 、大 学 図 書 館 など、約 240 の施 設 や団 体 が加 盟 して視 覚 障 害 者 等 への情 報 サービスを行 います。会 員 は、音 声 などでも わかりやすいホームページから 、点 字 ・ 録 音 書 誌 情 報 の検 索 をはじ め、点 字 データ 、デイ ジーデータなどのダウンロードが 可 能 で、次 のような情 報 を得 ることができます。 ①サピエ図 書 館 サピエ図 書 館 は、全 国 の会 員 施 設 ・団 体 が製 作 または所 蔵 する資 料 の目 録 なら びに点 字 ・音 声 図 書 出 版 目 録 からなる、点 字 図 書 や録 音 図 書 の全 国 最 大 の書 誌 データベース(約 53 万 件 )として活 用 されています。 また、13 万 タイトルの点 字 データ、32,000 タイトルのデイジーデータを保 有 し、個 - 10 - 人 会 員 はこの点 字 ・デイジーデータを全 国 どこからで も、あるいは海 外 にいてもダウ ンロードが可 能 です。読 みた い本 を自 由 に選 べ、直 接 入 手 できますので視 覚 障 害 者 等 の読 書 の自 由 が広 がります。 ②地 域 ・生 活 情 報 ③ポータルサイト・ゲストページ 4 デイジーオンラインサービス このサービスにアクセス可 能 な端 末 を利 用 し、パソコンを使 用 せずに利 用 者 自 身 で図 書 を検 索 し、再 生 及 びダウンロードすることができます。また、インターネット上 に マイライブラリーという利 用 者 一 人 一 人 の書 庫 が設 置 され、ここに、検 索 した図 書 の 登 録 や希 望 する図 書 の登 録 を施 設 に依 頼 することができます。施 設 にと っては、メ ディアを使 用 しない図 書 の貸 出 が可 能 になります。 5 ダウンロードサービス SDカードやCFカードを利 用 者 自 身 が用 意 し、職 員 がダウンロード専 用 ソフトを使 用 して希 望 のタイトルをサピエ図 書 館 からダウンロードし、利 用 者 のメディアに保 存 し て提 供 するサービスです。パ ソコン やデイジーオンラ イ ンなど携 帯 端 末 の活 用 が困 難 な方 を対 象 とし、貸 出 期 間 や長 期 の予 約 待 ちに捉 われることなく、利 用 者 自 身 の ペースで読 書 ができるサービスです。 6 Web図 書 館 Webアプリ化 された「サピエ」の施 設 向 け図 書 館 出 納 業 務 管 理 ソフト。 貸 出 予 約 、返 却 処 理 と連 動 して、オンラインリクエストの処 理 を完 了 したり、図 書 館 間 で在 庫 確 認 をすることができます。 - 11 -
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