平城京100の疑問

平
城
京
し
で楽
む
ペットを飼っていました
か?
Q89
A89
長屋王の邸宅では、馬や犬、鶴などが飼育されてい
たようです。
現在、イトーヨーカドー奈良店のある場所には長
馬肉を贈ったことが記されたものもありました。記
屋王の邸宅があったことが発掘調査でわかりまし
録によると、これらの動物たちは鷹の餌になってい
た。ここでは、平城京の他の場所とは違って牛や馬
ましたので、おそらく鷹狩のために飼育していた鷹
の骨がほとんどなく、犬、猪、鹿の骨がたくさんみ
の餌だったのでしょう。
つかりました。ネズミ類の骨もありました。また、
また、現在、ペットとして多く飼われている猫も
須恵器や土師器といったやきものに、猿や犬、鶴の
奈良時代にはいたようです。ペット用の猫は中国か
絵を墨で描いていますので、宅地には猿や鶴もいた
らやってきたようで、平安時代には「唐猫 ( からねこ )」
のでしょうか。
として貴族の日記や物語に登場します。
みつかった木簡をみますと、
「馬司」
「犬司」
「鶴司」
など、動物の飼育係がいたようですので、馬や犬、
鶴などが飼育されていたようです。また、それらの
えさを請求した木簡もみつかっていて、犬や鶴の餌
が貴重なお米だったこともわかりました。この犬や
鶴たちは、一般の人々には大変貴重だったお米を与
えられていて、とても可愛がられていたと考えたい
ところですが、太らせて食用にしたという説もあり
ます。動物にも米を与えることができる貴族たちの
暮らしぶりが、いかに豊だったのかがわかります。
さらに木簡には、京職 ( きょうしき ) とよばれる
©Heijo-kyo 1300th Anniv.
平城遷都 1300 年祭
公式マスコットキャラクターせんとくん
平城京を管理する役所から、他の役所へ鼠や雀、鶏、
平城京100の疑問