リリースノート

DebugFactory Builder for MN103E
Version 4.5.0.0
リリースノート
発行日:2007 年 9 月 28 日
発行元:松下電器産業株式会社
半導体社 システム LSI 事業本部
ソフトウェア・ソリューションセンター
● バージョン
今回のバージョン:Version4.5.0.0
前回のバージョン:Version4.4.0.1
● オンボードデバッグユニット PX‑ODBHUT (PanaX NEO)を使用されている方へ
DebugFactory Builder をオンボードデバッグユニット PX‑ODBHUT(PanaX NEO)で使用され
る場合、ファームウェアのバージョンアップが必要となる場合があります。デバッグ開始
時に、「ファームウェアのバージョンが古いため更新が必要です」とメッセージが表示され
た場合は、オンラインヘルプの[リファレンス]−[PanaX NEO ファームウェア更新につい
て]を参照し、記載内容に従ってファームウェアのバージョンアップを行ってください。
本バージョンよりファームウェアのバージョンアップ方法が変更されています。
● 仕様追加/変更
1. SMP Linux のデバッグができるようになりました。
ターゲット設定ダイアログ[環境設定]タブの[品番]で xxxxxxx̲SMP を選択して
ください。
例1) MN2WS0030̲SMP
例2) MN2WS0038̲SMP
2. SMP コア切替メニューを追加しました。
メニュー[デバッグ]−[コア切替]でコアを切り替えることができます。
なお、SMP Linux をデバッグする場合にのみ有効です。
CORE コマンドでコアを切り替えることもできます。
詳細は、オンラインヘルプ[Linux デバッグ環境]−[ダイアログコマンド]−[CORE]
を参照してください。
3. Linux 用特殊シンボルを追加しました。
INS コマンド、W?コマンドで指定することができます。
̲̲LINUX̲TASK:<PID>
指定 PID の task̲struct を表示します。
̲̲LINUX̲REG:<PID>
指定 PID の pt̲regs を表示します。
4. カーネルモード/アプリケーションモードにおいて MAP コマンドでの MAP 設定が不要
になりました。アクセス制限はターゲット設定ダイアログ[OS マップ設定]タブの内
容で行われます。
5. カーネルモード/アプリケーションモードおいて、PSID ADD 処理を高速化しました。
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サーバモードにおいて、exec 系関数によりプロセスが置換されるとデバッグ情報を自
動的にロードする機能を追加しました。この機能を利用するためには、当バージョン
に同梱されているデバッグサーバ("ptsvr")が必要です。
詳細は、オンラインヘルプ[Linux デバッグ環境]−[ダイアログコマンド]−[FORK]
を参照してください。
サーバモードにおいて、プロセスのメモリマップ情報を表示/設定できる MAPS コマン
ドを追加しました。
詳細は、オンラインヘルプ[Linux デバッグ環境]−[ダイアログコマンド]−[MAPS]
を参照してください。
外部プログラム起動コマンドの SYSTEM コマンドを追加しました。
プロセスステータスウィンドウに列を追加できるようにしました。
列を追加することで表示内容をカスタマイズできます。
リアルタイム OS デバッグ機能である OLS コマンドの処理速度を改善しました。
リアルタイムウォッチウィンドウ、インスペクトウィンドウ、ローカル変数ウィンド
ウ、VAL コマンドにおいて、アスキー文字を表示するように変更しました。
Linux デバッグ環境のカーネルモード/アプリケーションモードで使われるデバッグ
用パッチファイルを更新しました。
Linux デバッグ環境のカーネルモード/アプリケーションモードで使われる
kmc‑support.c を更新しました。
カーネルモード/アプリケーションモードおいて、デバッグ用パッチファイルが適用
されていない vmlinux ファイルをロードした場合メッセージを表示するようにしまし
た。
カーネルモード/アプリケーションモードおいて、デバッグ用パッチファイルが適用
されていない環境で PSID ADD コマンドを使用した場合メッセージを表示するようにし
ました。
性能評価機能に対応しました。詳細についてはお問い合わせください。
● PanaX NEO のファームウェア更新手順変更
オンボード環境において、オンボードデバッグユニット PX‑ODBHUT(PanaX NEO)のファームウ
ェア更新手順が変更されました。詳細については、オンラインヘルプの[リファレンス][PanaX
NEO ファームウェア更新について]を参照し、記載内容にしたがってファームウェアのバージ
ョンアップを行ってください。
● 不具合の対処
【ランクA】 1 件
1. スタックウィンドウで内容が正しく表示されないことがある不具合を修正しました。
2. リアルタイムトレースの表示で逆アセンブル表示の際に、デバイスからのトレースパ
ケットの出力状態により、正しく逆アセンブル表示出来ない以下の不具合を修正しま
した。
・"UNKNOWN"表示となる
・RTI 命令の戻り番地を誤る
・JMA ステータス(フレーム)直後の JMF ステータス(フレーム)の開始アドレスを誤
る
【ランクB】 1 件
1. サーバモードにおいて、アプリケーションが mmap()システムコールでマッピングした
領域にアクセスできないことがある不具合を修正しました。
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● 注意事項
【共通の注意事項】
1. MN103E シリーズ用 Windows 版 PanaX デバッガと DebugFactory Builder for MN103E の
両方を同じ PC にインストールした場合、先にインストールしたデバッガが使用できな
いことがあります。DebugFactory Builder for MN103E をインストールする場合は、PanaX
デバッガをアンインストールした後、DebugFactory Builder for MN103E をインストー
ルしてください。
2. ユーザ権限ではライセンスキーの設定ができません。ライセンスキーの設定は
Administrator 権限で設定してください。
3. DebugFactory Builder から実行コードを(L、RD コマンド等で)ロードする場合、キ
ャッシュ制御レジスタを(RESET コマンド等で)初期化しておくことをお奨めします。
キャッシュが ON の状態で実行コードをロードすると、ロード速度が低下します。
4. リリースノートの記載項目の判断基準として、情報のランク分けを記載しています。
ランクの意味は以下の通りです。
【ランク A】
コマンドの実行結果を誤って処理するもの。または、コマンドの実行結果により
デバッグに著しく影響を与えるような項目
【ランク B】
コマンド処理に対してエラーが発生し、処理が停止するなど不具合が現象として
表われ、必ず発見される項目。(他の手段により回避策があるような場合)
【AM34‑2SMP 品種の注意事項】
5. DebugFactory Builder でデバッグの開始時に、CPU0/1 同時にリセットが入ります。
6. DebugFactory Builder でキャッシュメモリにアクセスすると、CPU0/1 同時に CPU フリ
ーズがかかります。
1byte リード時当たりの CPU フリーズ時間(PentiumM/900MHz PC カード I/F の場合)
:
約 20‑ 30μs
7. DebugFactory Builder でデバッグの開始時に、下記 2 種類のメッセージが表示されて
デバッグを開始できないことがあります。特に、SRAM を使用して電源投入時にメモリ
が不定な場合に発生します。
・「モニタメモリアクセスエラー」
・「メモリアクセスエラー」
このメッセージが表示された場合、下記 2 種類の方法で回避してください。
【回避方法 1】
DebugFactory Builder の「品番」選択を「xxx̲CPUx(SINGLE)」にして起動する。
この品番を選択した場合、選択されていない CPUx は常にデバッグ状態(モニタレベル
下にありユーザプログラムは実行されない状態)になります。
次の手順で設定してください。
(1) ターゲット設定ダイアログの「品番」を「xxx̲CPUx(SINGLE)」にする
(2) DebugFactory Builder でデバッグを開始する
(3) SRAM を NOP でループするように書き換える
(4) DebugFactory Builder を終了する
(5) ターゲット設定ダイアログの「品番」を「xxx̲CPUx」に戻す
(6) DebugFactory Builder でデバッグを開始する
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8.
【回避方法 2】
シングル CPU モードで起動する(ハード的に CPU0 のみ動作させるモード)。
ボードで設定することができる場合は、シングル CPU モードで起動し、回避方法 1 の
(2)〜(4)を実施してください。
それぞれの CPU がキャッシュオン、キャッシュオフとなっている場合、キャッシュオ
フ CPU に接続している DebugFactory Builder からキャッシュヒット領域にメモリライ
トした場合、キャッシュには反映されず、実メモリのみ反映されます。このため、キ
ャッシュオフ CPU に接続している DebugFactory Builder からキャッシュヒット領域へ
のメモリ変更、ソフトウェアブレーク設定が正常に行われません。また、メモリリー
ドした場合、DebugFactory Builder がキャッシュオフ CPU、キャッシュオン CPU に接
続しているに関わらず、キャッシュヒット領域のメモリ参照はキャッシュの値が表示
されます。
【MN2WS0030 の注意事項】
9. トレースを使用するためには、DEBUGCTRL1 (0xDF900004)、INITCTRL (0xDF900008) レ
ジスタの設定が必要です。レジスタの詳細は LSI 説明書を参照してください。
次のコマンドで設定してください。
>ed 0xDF900004, *0xDF900004│0x00100000
>ed 0xDF900008, *0xDF900008│0x00400000
>g
なお、リセット時に上記レジスタはクリアされますので注意してください。
【MN2WS0038 の注意事項】
10. トレースを使用するためには、PINBLSEL23 (0xDF80001C) レジスタの設定が必要です。
レジスタの詳細は LSI 説明書を参照してください。
次のコマンドで設定してください。
>ed 0xDF80001C, *0xDF80001C│0x00000003
>g
なお、リセット時に上記レジスタはクリアされますので注意してください。
● 制限事項
【共通の制限事項】
1. 時間測定機能(TI)の連続測定モード(RUN)を使用して実行時間を計測中に、
DebugFactory Builder でメモリアクセスすると、実行時間を正しく計測することがで
きません。連続測定モード(RUN)を使用する場合、メモリアクセスしないでください。
2. トレースについて、ユーザプログラム実行中にトレースを停止した場合、リアルタイ
ムトレースウィンドウにトレース結果が表示されません。この場合、TD コマンドで表
示してください。また、トレースを停止した後、ユーザプログラムを停止しても、リ
アルタイムトレースウィンドウにトレース結果が表示されないことがあります。この
場合、ポップアップメニュー「最新の情報に更新」を使用してください。
【AM34‑2SMP 品種の制限事項】
3. DebugFactory Builder の起動/終了について、IPP、AM34‑CPU0、AM34‑CPU1 の
DebugFactory Builder を複数起動した場合、先に起動した DebugFactory Builder と後
から起動した DebugFactory Builder には、それぞれマスタとスレーブの関係があり、
スレーブを先に終了する必要があります。マスタを先に終了した場合、スレーブを強
制的に終了します。
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4.
IPP と AM34 の間には、CORE マスタ/スレーブの関係、AM34‑CPU0 と AM34‑CPU1 の間に
は、AM マスタ/スレーブの関係があります。起動順序によりマスタとスレーブの関係
が成立し、それぞれ AM スレーブ、CORE スレーブを先に終了してください。
通常モードでは、同期ブレーク機能(SYNC BREAK)が正常に動作しませんので SYNC BREAK
コマンドを使用しないでください。
【Linux デバッグ環境の制限事項】
5. カーネルモード/アプリケーションモードを使用する場合、ソフトウェアブレークを
設定しているアドレスで「カーソル行まで実行 F7」機能を使用しないでください。
ソフトウェアブレークを設定しているアドレスに「カーソル行まで実行 F7」機能を
使用すると、ソフトウェアブレークが消えます。
【AM34‑2SMP Linux デバッグ環境の制限事項】
6. カーネルモードを使用する場合、デバッグ用パッチファイルを必ず適用してください。
デバッグ用パッチファイルが適用されていない環境ではデバッグをすることができま
せん。
7. アプリケーションモードは使用できません。
【PanaX NEO の制限事項】
8. LAN 接続時において、3COM 社製ネットワークカードを使用すると通信が不安定になる
ことがありますので使用しないでください。
9. LAN 接続時において、ターゲット設定ダイアログの「オンボード詳細」タブの「実行確
認間隔時間」を"1000"ms に設定してください。
10. LAN 接続時において、DebugFactory Builder を複数同時に起動することができません。
複数同時に起動する場合は USB 接続を使用してください。
11. LAN 接続時において、スイッチングハブを介して PanaX NEO と PC を接続すると、正常
に通信できない現象が発生していますので、スイッチングハブを介さずに接続してく
ださい。
以上
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