コンピュータを作ってみませんか講座

コンピュータを作ってみませんか講座 96/12/11,12
楽しみながら作るコンピュータの世界
1.材料となる部品とその役割
○SIMM(シム)メモリ
○ミニタワー型ケース
コンピュータが情報を処理するための作業
場所.これが多いほど一度に大量の情報を
処理できる.最近は DIMM というのもあ
る.
○マウス
電源や各種スイッチを内蔵していて,コン
キーボードと同じくコンピュータに指示を
ピュータの本体になる.
与えるための装置.キーボードが文字で指
示を出すのに対して,マウスは机の上を転
○キーボード
がして場所で指示を与える.表面には 1∼
3 つのボタンがある.
Windows95 で は 左 端 の ス イ ッ チ で 選
文字を打ち込んで,コンピュータに指示を
択・決定などを行い,右端のスイッチでメ
与えるための装置.日本語 106 キーボー
ニューを呼び出す.
ドや日本語 109 キーボードなどがある.
○フロッピーディスク・ドライブ
フロッピーディスク(FD)は,データや
○マザーボード(メイン基板)
プログラムを保存するのに使うが,この内
容を読み書きするのに使う.
○ハードディスク
大量のデータやプログラムなどを保存して
おくための保管庫.FD 数百枚分の記録力.
コンピュータの頭脳である CPU やメモリ
を取り付ける為の基板,またコンピュータ
○CD-ROM(CD ロム)・ドライブ
に取り付けられた周辺機器と CPU の間の
音楽用 CD と同じように,データやプログ
情報のやり取りのコントロールを行う.人
ラムなどを焼き付けた CD-ROM を読むた
間の身体で言えば背骨と神経にあたる.
めに使う装置.
1
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2.組み立ての手順
注意点:組み立てを行う前に手順を一通り読む.説明された事だけをやる.
金属の電極部分に触らないように注意する.
本体の組み立て
1.
ケースに CD-ROM ドライブとフロッピーでょライブをネジ止めする
2.
マザーボードに2枚の SIMM メモリを取り付ける(合計 16MB)
3.
マザーボードをケースに取り付ける
4.
IDE ケーブルを使ってマザーボードとハードディスク,CD-ROM ドライブを接続す
る
5.
フロッピードライブ用のケーブルを使って,マザーボードとフロッピードライブを接
続する
6.
ケースから出ている電源ケーブルを,各装置およびマザーボードに繋ぐ
7.
シリアルポートケーブルを COM1,COM2 に繋ぐ
8.
LED ランプケーブルと電源スイッチケーブルをマザーボードに繋ぐ
1.
ビデオボードを PCI スロットに差してネジで止める
本体の組み立て完成
完成後のチェック
1.
マウスを COM1 に接続し,キーボードをキーボード接続口に
繋ぐ
2.
モニタとコンピュータを接続する
3.
電源を入れて正常に動く事を確認する
組み立てがうまく行って本体が正常であれば
l
電源を入れるとピッという感じの音が出る
l
画面に文字が現れて,memory check などが行われる
2
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3.組立作業
1.CD-ROM ドライブの取り付け
3.マザーボードをケースに取り付
ける
4.IDE ケーブルでハードディスク
と CD-ROM ドライブを繋ぐ.電源も
忘れずに
色の付いた方が 1 番
マザーボードへ
ハードディスク
2.SIMM メモリの取り付け
CD-ROM
ドライブ
斜め 45°に入れ
てから立てる
1 番ピン
電源ケーブル
の赤色
切り欠き
1 番ピン
SIMM スロット
電源ケーブル
の赤色
ハードディスク(上)と CD-ROM ドライ
ブ(下)をケース内部から見たところ
5.フロッピーケーブル
色の付いた方が 1 番
マザーボードへ
ドライブ B
ドライブ A
ドライブ A 側の小さい方のコネクタを使
SIMM は図の上の方から順番に SIMM ス
う
ロットに着ける
3
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8.各種スイッチと LED ランプを
マザーボードに接続する
ソケット名
電源を繋ぐと
ケーブルの
ころ.赤が右
1番はこちら側
S1
接続するケーブル
シリアルポートの COM1
S2
FD ドライブをケース内部から見たところ
6.マザーボードに電源を繋ぐ
〃 COM2
JP7:SPK
スピーカー
JP8:
パワー LED
KEYLOCK
JP12:RST
7.シリアルポートの取り付け
JP20:
色付きは1番
IDE/LED
リセットスイッチ
ハードディスクアクセス
LED
LED ランプやケースの電源スイッチから
のケーブルは,ケース前面の裏側にたくさ
ん出ている.間違わないように接続するこ
COM1:マザー
と.ケーブルの先に書いてある文字が前に
COM2:同じく S2 へ
なるように差し込みます。
ボードの S1 へ
COM1 の先にはマウスを接続する.
マザーボード
FD ドライブ
への電源
ケーブル接続口
9.ビデオカードを PCI スロット
(白色のもの)に差し込んでネジ止
めする
キーボードは
ここに繋ぐ
S1
S2
IDE ケーブル
1
接続口1
1
1
ビデオカード
はここに差す
JP16,15,79
4
JP7
JP8
JP12
JP20
は
こ
こ
に
あ
る
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部品選定のポイント
目的に合わせた
CPU選択
どのような目的で使うのか
Window95を使いたい
PC UNIXも使ってみたい
単に文字ベースで使うだけ
CPUは486で充分
CPUはPentium
サポートしてるハード
ウエアをチェックする
目的に合わせた
周辺機器選択
ハードディスクや周辺機器の
接続方式はどうするか
SCSI方式
周辺機器は Windows95
対応製品を選ぶ
ネットワークや音源ボード
は必要か
E−IDE方式
(ATAPI)
マザーボードの
選択要因
AT互換かATXか
PCIバスの数
2次キャッシュの大きさ
メモリ
DIMM
SIMM
パリティの有無
アクセス時間
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部品の値段など
CPU: Pentium
75MHz
¥20,000
100MHz
¥22,000
120MHz ¥34,000
133MHz
¥3,5000(?)
CPU クーラー
¥1,500
マザーボード: Pentium200MHz 対応
(HOT541V2)
メモリ
16MB(8MB*2)
ハードディスク:E-IDE
1.2GB(WDAC21200)
CD-ROM: ATAPI 準拠
4 倍速(MITSUMI FX-400) ¥8,900
¥20,000
¥10,000*2
¥26,900
6 倍速(MITSUMI CD-600) ¥11,000
ビデオカード: VRAM 2MB
Trio64
フロッピーディスク:3.5 インチ 3 モード
(MITSUMI FDD-359)
ネットワークカード: NE2000 互換
(LD-NE20/T)
筐体:電源付きミニタワー
(N606)
キーボード:日本語 106
(KB-200J)
マウス:MS マウス互換
(TM-777)
¥18,000
¥4,800
¥3,900
¥9,800
¥3,000
¥900
これで組んだ場合は、¥123,200(税別)となります.これ以外にモニタ関係の費用がかか
ります.今回の講習で使う部品は太字で書いたものです.
※ 金額は平成8年6月現在の部品価格:エレパーツ高知調べ
ご家庭や職場でインターネットにアクセス可能な方は
コンピュータ組み立て講座ホームページもご覧ください.
※ 平成 8 年 12 月時点では未完成部分があります
http://www.kochi-ct.ac.jp/~yama/dosv/
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BIOS の設定と Windows95 のインストール
BIOS 設定
1.
本体の電源を入れて、メモリチェックが終わったら[DEL]キーを押して,
BIOS 設定メニューを呼び出す.
2. 矢印キーで設定したいメニューを選び[Enter]キーを押す.
E-IDE ハードディスクを認識させるために赤枠で囲んだ IDE HDD AUTO
DETECTION を選ぶ.このメニューでは,接続可能な HDD を検索しなが
ら,可能な設定をメニュー表示してくれるので数字 Y,N で指定します.
※ E-IDE 接続口一つにつき,主(Master),従(Slave)の 2 台まで HDD をつなぐこと
が出来る.このマザーボードには二つの E-IDE 接続口があるので,最高 4 台の
HDD をつなぐことが出来ます.
※ MODE は NORMAL,LBA,LARGE の三通りあるが,LBA か LARGE を選ばな
いと 540MB 以上を使えなくなるので注意してください.
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3. [Esc]キーを押して 1.のメインメニューに帰って,今度は STANDARD
CMOS SETUP (青枠)によって HDD の認識がうまく行っていること
の確認と,日時の設定を行なう.
※ 上の画面はまだハードディスクが認識されていない状態です.
認識された場合には Primary Master などの部分にディスク情報が現れます.
4. [Esc]キーを押してメインメニューに帰ってから,[F10]キーで設定の変更
内容を保存して終了する.
BIOS の設定は,E-IDE 方式の HDD の増設を行なった時や,接続の
順番の入れ替えを行なった場合などには必ず設定し直す必要があり
ます.
その他に注意した方が良いこと
Boot Sequence (システムを起動する順番)の設定
A,C の順番にしておかないとフロッピーディスクから起動することが出来なくなるので
HDD のフォーマットも出来なくなる.
この BIOS 設定では Features Setup メニューの中で確認・設定を行なうことが出来ま
す.
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Windows95 のインストール
1. この講座特製の「Windows95 セットアップディスク」をフロッピードライ
ブに入れて,電源を入れる.
2. CD-ROM ドライブには Windows95 の入った CD-ROM をセットする.
3. 画面に出るメッセージにしたがって作業を行なう.
選択肢が出る時には「標準」とか「お薦め」を選ぶようにしましょう.
インストールの時に行われること
1. CD-ROM を使うことが出来るように,ドライバソフトを読み込む.
2. キーボードの形式を検知して,キーボードから正しく入力できる
ように設定する.
3. ハードディスクの状態を検知して,情報を貯えるための区画整理
(この作業をハードディスクのフォーマットという)を行なう.
4. Windows95 のシステム CD-ROM から,必要なファイルをハード
ディスクにコピーして行く.
5. インストール後に Windows の起動がうまく行かなかった時のた
めに,「起動ディスク」を作る.これにはフロッピーディスクが
一枚必要になります.
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講座特製セットアップディスクの謎
この「コンピュータを作ってみませんか講座」では,OEM 版 Windows95
CD-ROM を使ってインストールを行なっています.これは富士通や東芝とい
ったコンピュータメーカー各社が使っているものと,基本的に同じものです.
違いは講座特製「Windows95 セットアップディスク」の内容と各社によって
追加添付される各種ドライバソフトくらいです.ここではその違いについて説
明します.
Q1 なぜ特製ディスクが必要なの?
それは,コンピュータの CD-ROM ドライブを動かすのに必要だからです.
Windows95 は CD-ROM の形で発売されていますが, CPU が CD-ROM ド
ライブを使って CD-ROM の内容を読み込むためには,その CD-ROM を動か
すための専用ソフトウエア(CD-ROM ドライバ)が必要になります.
私たちのコンピュータに接続されている CD-ROM ドライブは SCSI 接続の
ものがあったり,E-IDE(ATAPI)接続のものがあったりと千差万別です.特製
ディスクには,今回採用した MITSUMI 社の CD-ROM ドライブ用の専用ドラ
イバを組み込んであります.これによって Windows95 CD-ROM の内容を読ん
で,インストール作業を行なうことが出来る仕組みになっています.
コンピュータメーカー各社も自社で採用した CD-ROM ドライブ用のドライ
バソフトを組み込んだセットアップディスクを添付して販売しているだけです.
Q2 CD-ROM ドライバの組み込みかたが分かりません
CD-ROM ドライバソフトは,CD-ROM ドライブにフロッピーディスクの形
で添付されているケースがほとんどです.最近のドライバソフトは半自動でハ
ードディスクに必要なドライバを組み込むようになっています.詳しくは説明
書や,フロッピーディスクに入っている README ファイルなどを読んでくだ
さい.ここでは例として今回の特製ディスクを作った手順について説明します.
第一段階:必要なファイルの識別と,指定のやりかたの情報を知る
1. 既にハードディスクに MS-DOS が入って,使えるようになっている AT 互
換 機 (DOS/V コ ン ピ ュ ー タ ) を 用 意 し て , こ れ の 環 境 フ ァ イ ル
CONFIG.SYS と AUTOEXEC.BAT の内容をメモしておきます.
※ ファイルの内容を見るのには,次の命令を実行します.
C:¥> TYPE CONFIG.SYS
2. MITUSUMI 社の添付してきたドライバディスクをフロッピードライブに
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挿入して,README に従って Setupd.exe を実行します.
C:¥> A:¥Setupd.exe
3. これによって,コンピュータのハードディスク(C ドライブ)にドライバソフ
トがコピーされます.また二つの環境ファイルに必要な修正が書き込ます
ので,コンピュータを再起動すると CD-ROM ドライバソフトが組み込ま
れ CD-ROM ドライブが利用できるようになります.
CONFIG.SYS に対して行われた修正
device = C:¥MTM¥MTMCDAI.SYS /D:MTMIDE01
AUTOEXEC.BAT に対して行われた修正
C:¥DOS¥MSCDEX.EXE /D:MTMIDE01 /L:D
これで CD-ROM ドライブを利用するためには,MTMCDAI.SYS というシス
テムファイルと MSCDEX.EXE という実行形ファイルが必要なことが分かりま
した.この情報を元に,特製セットアップディスクを作っていくことにします.
なお,情報収集が終わった後は CONFIG.SYS,AUTOEXEC.BAT ともに元
の状態に戻しましょう.
第二段階:セットアップディスクにファイルをコピーして設定を行
なう.
OEM 版 Windows95 にはセットアップディスクの雛形が付いてくるので,
これをコピーしてから必要な変更を加えていきます.
1. セ ッ ト ア ッ プ デ ィ ス ク に 第 一 段 階 で 判 明 し た 必 要 な フ ァ イ ル
MTMCDAI.SYS と MSCDEX.EXE をコピーします.
2. セットアップディスクの中の CONFIG.SYS と AUTOEXEC.BAT に修正を
加えます.
CONFIG.SYS への追加
device = MTMCDAI.SYS /D:MTMIDE01
AUTOEXEC.BAT への追加
MSCDEX.EXE /D:MTMIDE01 /L:D
3. Windows95 を イ ン ス ト ー ル し た 後 で は , 従 来 の CONFIG.SYS や
AUTOEXEC.BAT は使われません.Windows95 で利用されるドライバフ
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ァイルのコピーや環境ファイルの作成の手順は,DRVCOPY.INF というフ
ァイルに書き込まれています. ここに MTSUMI 社の CD-ROM ドライバ
用の書き込みを行ないます.これで完成です.変更点は太字の斜体で書き
ました.
DRVCOPY.INF の内容と変更点
; DRVCOPY.INF
;
; This is the Driver Copy information file for
; real-mode CD-ROM drivers.
; These driver(s) are copied to the root of the hard disk
; during setup, and are installed in config.sys and autoexec.bat
; This file MUST be modified by the OEM prior to shipping
; to end users.
;
; OEMs will need to modify this to add the proper name(s)
; for their real-mode CD ROM drivers.
; Lines that must be modified are marked OEM_Modify
; You can also copy additional drivers and add lines to autoexec.bat
; and config.sys using this file.
[version]
; Do not change this section
signature=$chicago$
[DestinationDirs]
; Do not change this section
RM.driver.dest.copy
[install]
; Do not change this section
copyfiles=RM.driver.dest.copy
updatecfgsys=RM.Sys.upd
updateautobat=RM.Auto.upd
[RM.driver.dest.copy]
= 30
; root directory
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; OEM_Modify - Change the name from SAMPLE.SYS to your CD ROM
drivers.
;
- You can insert additional filenames for your real
;
mode driver(s).
; This file name will be copied to the hard disk.
MTMCDAI.SYS
[RM.Sys.upd]
; OEM_Modify - Change the name from SAMPLE.SYS to your CD ROM
drivers.
:
- You can also change the driver name here and below.
; This line will be added to the user's CONFIG.SYS.
DevAddDev=MTMCDAI.SYS,device,,"/D:MTMIDE01"
[RM.Auto.upd]
; OEM_Modify - Change the "D" in L:D to represent the default drive
;
letter for your CD ROM.
;
- The OEMCD001 parameter should agree with the
;
config.sys parameter above.
; This line will be added to the user's AUTOEXEC.BAT
CmdAdd=MSCDEX.EXE,"/D :MTMIED01 /L:D"
[SourceDisksNames]
; Do not change this section
100="%oem.boot.desc%",,5
[SourceDisksFiles]
; OEM_Modify - Change the name from SAMPLE.SYS to your CD ROM
drivers.
; Do not change the 100,,2000
; This file will be copied to the hard disk root directory.
MTMCDAI.SYS=100,,2000
[Strings]
; This string is displayed to the user. It can be localized as
; necessary.
oem.boot.desc="Setup Boot Disk"
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いました.本講座が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです.今後の講座の運
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勤め先等で案内を見た,業務命令
その他
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コンピュータという言葉に魅かれて,工作が好きだから
自分で作ることを考えているから,Windows95 に興味があった
その他
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また改善した方が良いと思われる点などがございましたら,ご指
摘ください.