2. カブトガニの進化∼生きている化石∼

2. カブトガニの進化∼生きている化石∼
カブトガニの祖先を化石によってたどってみると、古生代に栄えた三葉虫(エルラシア)までさかの
ぼることができます。
しかし、その少し手前には、三葉虫から進化したベクビチアから、一方にはカブトガニの祖先が生ま
れ、他方にはクモやサソリの祖先であるウミサソリ(ユーリプテリス)が生まれたと考えられます。こ
のように、ウミサソリとカブトガニ 三葉虫(エルラシア) は同じ祖先から進化した動物ですが、
後にウミサソリは陸上のクモ・サソリへと進化し、約35,000種にも分化しましたが、一方のカブトガ
ニは、約2億年前の中生代・ジュラ紀のヨーロッパからアジアに生息したとされるメソリムルスへと進
化した後は、わずかに4種類が現存するにとどまっています。メソリムルス化石は、現在のカブトガニ
類とほとんど見分けがつかないほどです。
このような理由で、カブトガニは2億年以上も昔からその形態が進化していない生物で「生きている化
石」と言われ、学術的にも貴重な生物です。
▲三葉虫(エルラシア)
▲ベクビチアの化石
▲カブトガニの系統樹
▲メソリムルスの化石