Sucess with Unicenter(京セラコミュニケーションシステム株式会社)

Vol. 6
Success Unicenter
Managing eBusiness Infrastructure
with
®
[
]
メインフレームからオープンシステムまでを一元的、かつ効率的に
管理するエンタープライズマネジメントソリューション
京セラコミュニケーションシステム株式会社
京セラコミュニケーションシステム株式会社(以下KCCS)は、
ユビキタスソリューションをコンセプトに、
データセンター事業(D@TA Center)を国内外で積極的に展開している。
同社では、
そのサービスレベルの向上と信頼できるシステムの運用を実現するために、
大規模かつ広範囲なシステムに対応可能な、
Unicenterの導入を推進してきた。
企業が求めるサービスをベストな状態で
「いつでも、
どこでも」
提供するために、
Unicenterはネットワークやハードウェアの監視だけではなく、
システムやアプリケーションも的確にモニタすることで、
どんなピークにも耐えられる信頼できるデータセンターの運営を可能にしている。
京セラコミュニケーションシステム株式会社
ネットワークシステム事業本部
副本部長
黒瀬 善仁 氏
「我々のデータセンターは1999年にKDDIと共同
でスタートさせました。システムはすべてオープン
システムで、携帯電話向けのコンテンツ配信やサー
ビス提供などの利用が中心です」
KCCSネットワークシステム事業本部の黒瀬善仁副本部長は、データ
センター設立の経緯と事業内容について説明する。
「データセンターの設立当初から、コンテンツやサービスを提供する
事業者様に対して、正当な対価の得られるビジネスにするために、認証や
課金などのシステムを整備しました」(黒瀬)
「情報システム関連」
「ネットワークシステム」
「通信エンジニアリング」
「経営コンサルティング」という4つのサービスを柱として多角的な事業
展開をしているKCCSにとって、1999年にスタートしたデータセンター
(D@TA Center)は、同社の掲げるユビキタスソリューションのプラット
フォームとして重要な事業となっている。同データセンターは設立当初
から、PCだけではなく携帯電話やPHSにPDAなど、さまざまなデバ
イスに向けたコンテンツやサービスの提供を目的とし、UNIXを中心
としたオープンシステムによる強固で安定した稼働を目指していた。
「我々のデータセンターは当初からモバイル端末へのコンテンツや
サービスの提供を目的の1つとしていました。そこで、認証課金システム
京セラコミュニケーションシステム株式会社
データセンター事業部運用部
副責任者
秋枝 正治 氏
だけではなく、1つのコンテンツをiモードやEZ Webに
変換するエンジンやシステムを開発し、お客様への
サービスレベルの向上に努めてきました。現在では
1000台を超えるサーバが、京都と東京それにシン
ガポールの各拠点で稼働しています。これらのサーバを安全かつ確実
に運用するために、Unicenterは必要不可欠な存在です」(黒瀬)
携帯電話を対象としたコンテンツなどの配信では、一般のインターネット
では予測ができないほどのアクセス数が集中する。同センターでは、
携帯電話向けコンテンツとして人気の高いコンテンツ・プロバイダを
数多くホスティングしているので、端末の普及とサービスの充実に比例
して、管理するシステムの規模もアクセス数も増加し続けている。
「1999年の運営開始からすでに4年近い年月が経過しました。いまでは
サーバが1000台以上も稼働しています。これだけの数のサーバがあると、
毎日のように何らかの障害が発生します。それだけに、お客様からお預かり
している大切なコンテンツやサービスを安全かつ確実に守るためには、
障害を予知して事前に対処できる監視体制の確立が必要でした」(黒瀬)
安全で確実なシステム運用によるサービスレベルの向上には、優れた
統合監視システムが必要になる。そう考えたKCCSでは、2001年から
Unicenterの導入を推進してきた。
複数の運用監視ツールの併用は
サービスレベルを低下させる
ハードウェアからアプリケーションまで
モニタする優れた監視体制を確立
KCCSのデータセンターはUNIX/Linux/Windowsを中心とした
「我々の統合監視システムが一般のデータセンターよりも優れている
オープンシステムで構築されている。Unicenterを導入する以前は、
のは、ハードウェアだけではなく3階層モデルのアプリケーション層
導入したハードウェアに付属している監視ツールでハードをモニタし、
まで確実にモニタしている点にあると思います。我々のデータセンターは
ネットワークは別のシステムで監視するなど、複数の運用監視ツールを
単なるコロケーション・サービスではなく、お客様のアプリケーションや
併用していたという。同センターの監視体制の構築に携わっているデータ
サービス全般をすべてお預かりして快適に運用できる体制を確立して
セ ン タ ー 事 業 部 運 用 部 の 秋 枝 正 治 副 責 任 者 は 、過 去 の 苦 労 と
います」(黒瀬)
Unicenter導入の意義についてこう説明する。
Unicenterの導入から監視システムの構築に携わってきた秋枝副
「データセンター事業では、システムを運用するためのスタッフの育成
が大きな課題です。優秀な運用スタッフが十分にいなければ、サービ
スレベルを維持していけません。しかし、運用コストを考えればそれほ
責任者は、これまでの経験で独自に蓄積してきたノウハウや効果に
ついて次のように説明する。
「Unicenterではすべてのサーバのハードウェア環境だけではなく、
ど大勢のスタッフを運用監視だけに登用することはできません。そこ
データベースやウェブサーバに加えて、お客様の提供するアプリケー
で優れたツールの導入が必要になりました」
ションもモニタしています。我々が開発したスクリプトを組み込ませて
KCCSのデータセンターが求めた運用監視ツールの決め手は「統合
ツール」にあった。その経緯について黒瀬副本部長は説明する。
いただいて、アプリケーションの稼働状態もUnicenterのマネージャ
に送信する独自の仕組みを構築しています」(秋枝)
「以前の監視体制では、問題が発生してからそのハードやシステムの
コンテンツ・プロバイダの中には、携帯電話の着信メロディを提供したり、
ツールを立ち上げて、原因を究明して解決するという手順を踏んで
利用者同士の情報交換や書き込みなどに対応するサービスもある。
いました。しかし、システムの安定した運用とサービスレベルの向上を
こうしたサービスの中には、一日で数百万アクセスを超える例もある
維持するためには、すべての環境を統合的に監視できるツールが必要
という。
だと判断したのです。そこでいろいろな製品をリサーチした結果、CAの
Unicenterが一番優れていると結論しました」(黒瀬)
図1.
統合監視
「携帯電話によるアクセスでは、利用者が何度もリトライをかけて
くるので、トラフィックには膨大なリクエストが溜まってしまいます。
Overview
企業様側設備
(東京)
IP-VPN
ユーザ様P
Internet-VPN
ユーザ様Q
ユーザ様C
ユーザ様D
(京都)
統合監視
マネージャー
拠点監視
マネージャー
ユーザ様C
ユーザ様D
Internet-VPN
シンガポール
(KCAP)
サービス(レスポンス、アクセス状況、etc…)
アプリケーション(プロセス、ポート、etc…)
サーバ(リソース、システムログ、etc…)
ユーザ様X
ユーザ様Y
ハードウェア(電源、FAN、ボード、etc…)
ネットワーク(トラフィック、経路、etc…)
また、人気のあるサイトでは新しいコンテンツや着信メロディが登録
代行するもので、ネットワークや機器の稼働確認をはじめ、データのバック
されたその日に、数百万を超えるアクセスが集中します。過去には、
アップやサービスの監視など、システム全体の安定的な稼働を支援する。
サービス開始直後にアクセス数が膨大になったために、その日のうち
「我々の運用支援サービスにとっても、Unicenter は欠かせない
に京都で手に入れられる最高性能のUNIXマシンを納入してもらい、
存在です。
データセンター事業を通して蓄積されたノウハウを活かして、
一晩でシステムを入れ替えてサービスを継続させた経験もあります」
これからはUnicenterのユーザ企業としてだけではなく、そのメリットや
サービスを止めない努力。そのためには、最大のアクセス数を想定した
信頼性をお客様に提供できるサービス事業者として、広範囲にビジ
システム構築が求められているが、不特定多数を対象としたサービス
ネスを展開していきます。我々には、オープンシステムによる大規模
では、導入当初からピーク値を予測するのが難しい。しかし、Unicenterの
運用における実績と経験があります。そのノウハウをお客様にご利用
導入によって「予測」できる運用監視が実現した。
いただくことによって、短期間で効果的なオープンシステムによるeビジ
「Unicenterを導入してからは、サーバが個々に用意している監視
ネスの実現をお手伝いできると思います」(黒瀬)
ツールと連携させることによって、一元的にすべてのリソースをモニタ
できるようになりました。いまでは、CPUの稼働効率やメモリにハード
ディスクなどの利用率を月次で集計してお客様にレポートとして提出し
ユビキタスソリューションをすべての企業に
提供するKCCSのビジネス戦略
ています。そうすることで、今後のサーバの増強などを提案させていた
KCCSのデータセンターでは、Unicenterによる統合監視をはじめ
だいたり、アプリケーションのパラメータを再設定するなど、負荷や
とした情報の一括管理や認証、課金など、企業が求める各種のサービスを
障害が発生する前に最適な対応が取れるようになりました」(秋枝)
提供しているだけではなく、携帯電話や PDAなどのモバイル機器に
KCCS が実現した統合監視システムでは、日本 HP 製のサーバで
よる「いつでも、どこでも」情報にアクセスできる快適なネットワーク
あれば、インサイト・マネージャというハードウェアの監視ツールと
環境をベストな状態で提供している。それは、次世代の情報環境として
連 携 さ せ 、サ ン・マイク ロ シ ス テム ズ の サ ー バ で あ れ ぱ S u n
注目されているユビキタス社会を支えるインフラとなる。
Management Centerを利用する。こうして個々の監視ツールから
「我々のデータセンターは、情報と通信を高度に融合させてスムーズ
取得できるデータをすべてUnicenterで統合的に情報収集することで、
でストレスのないビジネス環境を構築し、お客様が求めるユビキタス
1つのモニタ画面でシステム全体を掌握し、少ない運用スタッフでも高い
ソリューションを確立します。また、真のグローバルネットワーク構築
サービスレベルを実現した。現在では、京都のデータセンターが中心と
のために、アジアのオンリーワンを目指し、世界のネットワーク社会へ
なって、東京やシンガポールなどの各地に配置した 1000 台以上の
向けて進歩の道を歩み続けます。それが私たち京セラコミュニケーション
サーバを一元的に監視している。
システム株式会社に与えられた使命だと考えています」
ユビキタスソリューションをすべての企業に提供するKCCSのビジネ
Unicenter活用の秘訣は
ス戦略。それを支えるUnicenterは、スケーラブルかつ柔軟で自動化
監視ポイントに設定する「しきい値」にある
され、高度に統合されたソリューションによって、ノンストップな可用性
「1台のサーバで約10〜20ほどの監視ポイントを設定しています。
と最適なパフォーマンスを実現している。
中でも重要なポイントはCPUの利用効率とスワップやプロセス数の
増減に対する警告です。これらの監視ポイントに対して、そのしきい値
の設定がもっとも重要なノウハウとなっています。なぜなら、余裕を
図2.Unicenterによる監視の仕組み
見すぎてしまえば、障害の予兆を察知できなくなりますし、慎重な値に
し過ぎると意味のない警告が頻繁に発生してしまうからです」(秋枝)
ハードウェアからアプリケーションまで、すべてのリソースを一元的
Unicenterによる
統合監視
に Unicenter で監視する体制を構築した KCCS では、その活用の
ためにもっとも重要なノウハウは監視ポイントに設定するしきい値に
あるという。
サービス
(レスポンス、アクセス状況、etc…)
「我々もUnicenterをより効率良く使いこなせるようになるまでに、
時間をかけてきました。統合監視という大規模なアーキテクチャを持つ
アプリケーション
製品なので、それを現場に取り入れてサービスレベルを向上させる
仕組みを作るのは、大きなプロジェクトでした。しかし、一度その仕組
みを作ってしまえば、今度はその知識と経験が大きなアドバンテージ
(プロセス、ポート、etc…)
データベース
ミドルウェア ウェブアプリケーション
となります。現在では、そのノウハウを活かしたトータルソリューション
の提供を推進しています」(黒瀬)
サーバ
KCCSの推進する運用支援サービス
KCCS のデータセンターでは、大規模なシステム運用とコンテンツ
管理などの実績をもとに、企業の eビジネス参入を支援するための運用
支援サービスを提供している。同サービスでは、顧客企業のシステム運用を
(リソース、システムログ、etc…)
ネットワーク
ハードウェア
(電源、FAN、ボード、etc…)
(トラフィック、経路、etc…)
Success Unicenter
with Managing eBusiness Infrastructure
企 業 プロフィール
京セラコミュニケーションシステム株式会社
京セラコミュニケーションシステム株式会社は、設立以来「情報システム関連」
「 ネットワークシステム」
「 通信エンジニアリング」
「 経営コンサルティング」
というの4つの事業を主体として、多角的なビジネスを展開してきた。その根底には、情報と通信の融合により「情報を価値ある資産として活用する」ため
の最適なソリューションの提供がある。中でも、KDDIと共同で設立した「D@TA Center」事業は中核的な存在であり、同センターが実現する ユビキタスソ
リューション は、情報の一元的な管理をはじめとして、認証や課金に保守や運用など、企業が求める各種のサービスをワンストップで提供している。
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