CJC Newsletter 2016年5/6月 第113号 CJC Inc ニュースレター キャンベラ日本クラブ PO Box 840 CIvic Square ACT 2608 AUSTRALIA [email protected] / http://www.canberrajapanclub.org.au CJC日本語学校開校!新コラム掲載スタート 特報! Sassafras Nuts 栗拾い体験記 会長あいさつ CJC会長 田村 恵子 (写真:2016年武部友の会より。2ページの関係記事をご覧下さい) CJC会員の皆様 て非常に残念だったことを思い出したからです。それ と冬が始まるといわれていますが、 これからだんだん ちが日本との繋がりを深められる日本語学校が補習 昨年から設立準備をすすめてきたCJCキャンベラ日 を尽くされた方々に心よりお祝いを申し上げます。 キャンベラではアンザック記念日 (4月25日)が終わる から25年あまり経ち、キャンベラにもようやく子供た と寒くなる時期です。皆様いかがお過ごしですか。 校と並んで設立されました。学校設立のために尽力 本語学校がスタートし、4月30日の開校式に招待され もちろん今年創立6年目を迎える日本語ようちえん 委員で幼稚園園長も兼任しています。初年度は14名 して次世代への応援をしていきたいと思っています。 た表情や親御さんたちのうれしそうな顔を前に深い 活動していますし、CJCトークも会員の関心があるト てラム直子委員と共に出席しました。校長は松本直樹 も、活発に動いています。CJCは保護者の方々と協力 が入学しましたが、式に臨む児童の皆さんの緊張し 若い世代に負けじと、CJCの各同好会や武部の会は 感慨を覚えました。私が子育てをした1990年代はい ピックを選びいろいろな分野で活躍なさっている講 わゆる国際児が日本語学習をする場がなく、母親とし 師の方々を招いています。 2016年5/6月号目次 1. 会長挨拶 (次ページに続く) 10. ようちえんだより 2. 武部友の会報告 11. 日本語学校たより 6. 会員更新のお知らせ 13. 源氏物語の世界 8. 特集記事:栗拾い報告 15. 広告/お知らせ 3. CJCトーク 12. 補習校だより 7. サポートネットワーク 14. ひと針の会からのお知らせ 9. 同好会 16. 短歌会 1 CJC Newsletter 2016年5/6月 第113号 2016年度 武部友の会 報告 ~ 4月6日 (水曜日)12時 ハイアットホテル内 Promenade Café にて ~ 秋の恒例行事のひとつとなった武部友の会が、4月6日ハイアットホテル内Promenade Cafeにて開か れました。CJC会員の皆様が楽しいひと時を過ごせますようにと、 スウェン博江さんのご両親(武部さ ん)から頂いた寄付金で始まったこのランチ会も、昨年新たにスウェン博江さんから頂いたお志も加わ り、今後も長く続く楽しい行事となったように思います。 出席者は26名。5月にはタイのバンコクへ栄転され る野中領事ご夫妻も出席してくださいました。司会 のスクリプチャク恵美子さんから会の成り立ちなど を説明いただき、田村恵子CJC会長からは野中領 事へ、在豪中はCJCのイベントに快く協力してくだ さったことに関して感謝の言葉が述べられました。 お食事はバッフェ。テーブルに所狭しと美しく並べ られたお料理。あれも美味しい、 これもいかが?と、 初めてお会いする方ともお料理をきっかけに会話 が始まり、 とても楽しい時間を過ごすことができま した。会の趣旨どおりだなと実感! 最後に、 スウェン博江さんと今回の武部友の会を企画準備してくださった方々に御礼申し上げます。 と ても楽しかったです。ありがとうございました。 未だお出かけされたことのない方、次回はぜひご一緒に楽しみましょう。 オークリーあずさ (前ページより続く) 今後もCJCとして同世代内だけ 並び、懐かしいゲームや景品もたくさん用意していま でなく、世代を超えた繋がりを深めていけるような活 す。大人も子供の楽しめる近所の神社のお祭り的な 動を続けてまいりますので、 どうか応援してください。 雰囲気のあるイベントですので、是非ご家族やご近 5月22日(日)に開催される秋祭りはこの目的にぴっ 所の方を誘ってお立ち寄り下さい。 たりとした催しです。年々活気が増すイベントになり、 末筆になりますが、日本大使館領事部の野中領事が 日本人コミュニティー内だけでなく、 日本語を学ぶ子 5月5日にバンコクへ異動なさいました。野中領事は 供たちを通して広くキャンベラの一般市民にも日本 CJCの各行事にいつも協力して下さり、大変お世話に 文化、特に子供文化を知ってもらう絶好の機会となり なりました。新しい赴任地でのますますのご活躍をお ました。ホールでは子供たちが一生懸命練習した日 祈りいたします。そして後任には高橋宗生領事が赴 本の歌や踊りを披露し、中庭にはたくさんのお店が 任なさったことを報告いたします。 CJCブッククラブ 2ヶ月に一度、 日曜日の午後に国立図書館カフェで集まります。和気藹々とした中で自分とは異 なった読後感を分かち合うのも楽しいものです。 お問合わせ、参加申し込みはラム直子(0438824538)まで。 2 CJC Newsletter C 2016年5/6月 第113号 CJCトーク JCトークとは、 2月から10月の隔月に、様々な分野で活躍する方をお招きして、 日本語でお話をうか がい、さらには会員同士の交流を深めるイベントです。 トークは土曜日の午後に行われます。日程 等につきましてはトークの次回予告や、その下段に記載されている申し込み要項などをよくご覧くださ い。会場はシビックのグリフィンセンターで、 トーク終了後は講師の方々や参加者同士の交流などもあり ます。あなたもそんな週末の午後の過ごし方はいかがですか? 6月は 杉森匠司さんと、 小島千明さんのお二人を招いて健康と医療のテーマでのトーク二本立て。 ま た8月13日 (土)には、村上博啓防衛駐在官を講師に招きお話をうかがう予定です(日程変更の可能性が あります)。今後のCJCトークもどうかご期待ください。 担当:田村恵子 電話:0400 450 893 メールでの問い合わせは、[email protected] まで 2016年 4月30日のCJCトークから 『女性は一流の料理人になれるのか』に参加して 文 博子マーシャル 今回のCJCトークに参加して、ひとつのことに精通してい る方の言葉は温かく、ひたむきな姿勢が随所に表現さ れていることを学ぶことができました。 日本料理では、 「五味五色五法」に基づいています。 と、 料理人らしい姿での珠美さんの語りを聞きながら、机上 に置かれてある紙を開くと、ひらりと手に触れたものが ありました。日本料理の定式の説明書きと一緒に、いち ょうの葉が挟まれていたのです。料理は、全体バランスを 考えて、甘味、辛味、塩味、苦味、酸味の五つの味付けで、 また、白、黄、赤、青、黒の五つの色彩を取り入れ、季節 感を出し、 「五法」 とは、生、煮る、焼く、揚げる、蒸すとい う料理方法を指して、料理人はいつもこれらの定式を考 え、料理し、盛りつけを行なうという。日本料理では、料 (写真: 野田 珠美さん) 理は3、5、7品の素材で構成され、 「陽」の数字を大切に していると。 私は、手元の葉に、ふと、いちょう並木の中を登下校した 学生の頃を思い出してました。既に、珠美さんの五感で 楽しむ世界に、季節感から引き込まれていたようです。 公邸で大切なのは、 「安全に召し上がってもらうこと」 と 最初に述べられていた時は、「味の外交官」 「食の大使」 と言われるような、 公邸料理人としての職人気質を感 じます。 また、仕事の一番の苦労であり楽しみであるの が、仕入れに行くことであると。 赴任先の国で、いろいろと情報を集めて、自分の足を使 い,目で見て,手に取って触り, メニュー作りに始まり、仕 入れされている時間はどれだけ (次ページに続く) 3 CJC Newsletter 2016年5/6月 第113号 (前ページより続く) のものか、下ごしらえに費やす時 間は、相当なものに違いないのに、珠美さんの気取らな い言葉は、聞き手を笑わすほどでした。 日本の伝統の器で演出した写真、小鉢に盛られた数種 類の前菜が並んでいる写真の、 うっとりするほど色鮮や かさを前に、聞き手からは歓声が上がります。 レセプショ ンで100個、200個作ろうが、個々に召し上がるの は1個です。 と。 「桜餅」の写真でも、その均整のとれた 和菓子としての美しさに「食べてみたい」 と声がこぼれ る中で、初めて見る諸外国の方達は、葉をよけて残され ても、日本人である令夫人の方達は、葉まで食べてくだ さるだろうと想定し、桜の若葉を選んで塩漬けし、葉の 筋を1本1本取り除く作業をされたという。 会で、肉体労働でもある厨房の中で、一筋な料理への 情熱があり、普段のなんでもない時に嫌なことを引き 受け、自分の立ち振舞いを考えながら過ごした珠美さ んの姿があり、大きな課題の前に、自分を励まし、食材 を前にして、心の傷と体の疲れを癒してきたにちがいな い言葉の数々。 ご夫婦で、数百人のお客様へ食事の采配をふるうのは 大変なことです。その1個のために精密度を極め、目の 前の仕事を堅実に行うために、厨房でひたむきに食材 と向き合っている姿があり、食の作品の写真には、自然 と尊敬の域となっていました。食材を活かしたユニーク な工夫も忘れません。鍋敷きを切って、手作り器を作っ たり、 クリスマスなどは、珠美さんも商品の一つとなっ て、コスチュームもアレンジ。そうして出来上る料理は, 技の冴えで繊細な和食そのものと評判を呼んでいるの だろうと感じます。いろんな企画やお手伝いをすること になっても、本気勝負だから、 この方の前には、壮大な 見せ場があるんだなと感じます。ユネスコ無形文化遺産 へ和食の登録活動をされた老舗料亭「菊乃井」主人の 村田吉弘さんのお陰で、世界に認められた印をもって、 和食の魅力を発信できるようになったと言われました。 食材、個々の大事なところをいかにベストな状態で盛り 込めるかが勝負といいます。あんかけの1品でも食材 を別々に調理し、最後に合わせる。最初から一緒に調理 すると、野菜の色も個性も薄れてしまう。見た目には、さ ほど違いはなくても、口にいれるとその差は歴然だろう と想像できます。 これは、育児真っ盛りの私に別の切り口からのヒントに なりました。兄弟といえども個々の性格を伸ばすには、 やはり、それぞれに手間をかける方がいいという教えに も受け取れます。 珠美さんの語りで感動したのは、料理には、 「美味しい」 、 「美味しくない」 とは別に、そこにはその方達の「文化」 があり、それを知るとそこにある景色が変わる、料理の 味が違ってくるという言葉です。珠美さん自身が、料理と 一緒で、 自分に努力の手間をかけて、 自分の色合いを付 加価値高いものにしてきたから、料理に対する尊敬が、 体の随所までに入っている方なのだと伝わります。 珠美さんは幼い頃から、家業の手伝いをしながら、料理 をすることが生活の一部になっていたそうです。東京の 晴海埠頭から沖縄へ家族旅行する船の中で、総料理長 さんと話す機会に恵まれ、大阪の辻料理学校へ進み、そ の後、吉兆へ就職します。女性の募集はなかった当時に 厨房へ入れたのは、幸運でもあり、強さの秘訣でしょう か。吉兆の創始者である湯木貞一さんにお会いされた のも巡りあわせでしょうか。珠美さんも、茶道という言葉 を使われていて、盛られる器、文化、おもてなしの心、も てなされる側の気持ちを含めてこそ日本料理という職 人芸が写真からも伺えます。吉兆で、茶道や華道などの 日本文化、器など様々な知識を得られたと、また男性社 パリでは、寝る時間が惜しいほど、パイ作りに没頭した 小話に、 「あの時は、体が二つありました」 と笑って言う のです。写真を見ているだけで、職人が釜を開けた時の 焼きたてのバターの香ばしい香り、ショコラの甘い香り まで立ち込めるようで、果実のコンフィチュールの甘酸 っぱい味に疲れを飛ばし、体二つ分を整えてきたにち がいないと私の想像が膨らみます。 東京の用賀にある日本料理『本城』のお店の紹介があり ました。予約で一杯の人気店ですが、 ご主人は京都『た ん熊』で修行し、パリ日本大使館の公邸料理人を経て開 店したそうです。 またひとつ、訪れたい店を知れて、 日本 の帰国が楽しみになりました。 珠美さんの話を聞いていると、家庭の食卓を家族や友 人と笑顔を囲う場にしていきたいと思えてきます。食の 元気の素をもらえました。 トークにお力添えしてくださった大使夫人をはじめ、 ご 縁がありました皆様に感謝申し上げます。 4 CJC Newsletter 2016年5/6月 第113号 2016年 4月9日のCJCトークから 『継承語としての日本語学習について』に参加して 文 フォスター桂子 今回の井谷先生の継承語学習に関する講演は、公私と もに考えさせられることがたくさんあり、 とても有意義な 講演でした。 「継承語/Heritage Language」 という言葉を 聞いたのは、今回が初めてではなかったのですが、最初 に英語でこの言葉を聞いたときは、正直申しましてラテ ン語のような、実際に表社会では使用されていなく、歴 史文学的のような限られた世界で使用されており、 また そういった形で保存しないと存在が薄れてしまうような 言語のイメージがうかびました。 しかし現在において継 承語の意味するものは、 「実際に家庭内コミュニケーシ ョンでは使われているが、一歩家の外に出るとそれが社 会では使用されていない、いわゆる第2の母国語のよう なもの」だそうです。つまり私の身近な例としては、オー ストラリアで生まれた私の子供たちにとっての日本語、 ということになります。そういわれると、ラテン語のよう な定義付けからは遠く離れるような気もするのですが、 それぞれの家庭内で積極的に学習に取り組んでいかな いと、実際に消えていってしまう可能性が秘めている、 と いうところでは根本的な意味は同じだと思いました。 今回講師は継承語を学ぶことの難しさをさまざまな視 点から観察されましたが、それは自分の経験からもっと ものことだと思いました。 まず、継承語は、比較的新しい 概念なので、定義に関しては現在でもかなり議論がある ようです。講師は定義の仕方によって学習法が異なって くることを示唆していらっしゃいました。 また個人の能力 や背景、求めるレベルなどが千差万別なので、それにあ った対象カリキュラムを機械的に作り出すことは非常に 難しい、 という点も強調されてました。一方実際の学習 者にとっても、周りからの期待や偏見、 また「母親が日本 人なんだから日本語が出来て当然」のような誤認識など に苛まれ、それが個人の習得の壁になってしまい、 どん なに良い学習プランがあっても、精神的なことがきっか けで継承語から離れてしまうこともある、 ともおっしゃっ てました。 以上のように述べれば継承語を教えるのは難しい事の (写真: 井谷 ユキさん) ような気もしますが、講師の話をお伺いしているうちに そればかりではないとも感じました。第1に、 どのよう な定義にも必ず共通しているものがあることを感じまし た。それは言語習得によってその背景にある文化への 理解を深めること、また継承語学習者のアイデンティテ ィの確立、 という確固とした期待です。講師の話をお伺 いしている最中に、スウェーデンに存在するアッシリア 語のバイリンガル学校に関する記事を思い出しました。 その中で、バイリンガル言語学習が社会への統合(integration) だけでなく、所属社会への貢献(contribution)を 促すと論じられていたのですが、継承語学習への期待 はまさしくこの観点に近いなと感じました。私の子供た ちの例からすると、自分の生活するオーストラリア社会 にしっかり統合しつつも、 日本文化の理解者として、 また ダブルの子供というアイデンティティをもって、その日常 に貢献していってほしいという強い期待です。第2に講 師は、継承語学習は「楽しくなければ続かない」 ともおっ しゃってました。私が思うに、教える側が楽しければ学習 者も楽しい。つまり教える側が難しく考えるのではなく、 楽しみながら指導方法に取り組んでいくことが難点を克 服する鍵ではないのだろうかと、 日々感じています。 今回の講演は主にオーストラリアの日本人コミュニティ の中の継承語、つまり日本語が対象でしたが、 オーストラ リア全体での継承語の取り組みに関しても考える良い機 会となりました。講師がおっしゃっていたように、 日本人コ ミュニティ、 とくにキャンベラの日本人コミュニティの中 では、婚姻が理由の移住が近年増加しているそうです。 私はこれを、 オーストラリアへの関わり方がかなり他の移 民と異なっていると理解しています。大半の日系移民は 自分の意思で、 まだたくさんの家族が日本に残っている 状態で移住しているため、母国との物質的や精神的なつ ながりは比較的強いと思われます。(次ページに続く) 5 CJC Newsletter 2016年5/6月 第113号 (前ページより続く) この要素は継承語の積極的な取り 組みに大きなプラス影響をもたらしているはずです。一 方、オーストラリアでは、 このような移民体系はごく一部 でしかありません。本国を追われる形で移住する難民 枠や特別人道保護枠で来る移民も少なくはありません。 このような移民の2世、3世の中にも継承語学習者が たくさんいると思いますが、おそらくつながりや取り組 みはかなり異なり、さらに難しいように感じます。近い将 来、他のコミュニティの継承語への取り組みやまたそれ に対し国際社会が貢献できることなどを勉強する機会 があればと思います。 2016年6月の「CJCトーク」のお知らせ ~ 6月上旬 ~ 6月4日(土) 14:30~15:30 まで 姿勢が変われば人生が変わる 講師: 杉森 匠司(すぎもりしょうじ) さん 杉森さんからのトーク内容紹介: こんにちは。姿勢矯正セラピス トのしょうじと申します。皆さまは「姿勢が変われば人生が変わ る!」 と聞いて、 どう思われますか?「そんな、大げさな・・・」 と思わ れたでしょうか(笑)だけど僕は、それは大げさでも何でもなく、 ある人にとっては真実そのものだろうな、 と思っています。 という のも、多くの皆様がお困りの、腰痛や肩こり、首の辛さやヒザの痛 さ、それに、ヘルニアやムチウチ、股関節症や腱鞘炎、そういった 症状のほとんどが、姿勢を整えるだけで、劇的に消失もしくは減 少するんです!どうしてそう言い切れるのか?と言えば、僕、 しょう じはシドニーで治療院を2院営み、日々臨床に励んでおります。 そこで行っている施術の中心が「姿勢を整えるだけ」なんです。そ の結果、 ここ数年、広告は一切していないにもかかわらず、病院や他の治療院で匙を投げられたような患者様で 常に予約が満杯の状態が続いています。それもこれもすべて、“姿勢の持つパワー”を僕が最大限に活かし、患者 様に還元している、その結果患者様が健康になられている、 ということの証明ではないでしょうか?僕が、全セラ ピスト人生をかけて導き出した結論は、 まさしく、 「姿勢を整えれば、人の身体は健康になっていく!」 ということ。 これはほぼ間違いありません。そのあたりの「健康になるための姿勢の秘密」を今回お話しさせていただこうと 思っています。6月4日、皆さまにお会いできることを楽しみにしております! 杉森さんのプロフィール: Remedial Massage Therapist、姿勢矯正セラピストとして、セントラルコーストとシドニー シティに治療院を構える。身体全体を見て治療をするというホリスティックなアプローチを実践。 2013年に初の著作 となる 「海外でセラピスト 〜僕の夢の叶え方〜」がアマゾンより電子出版された。姿勢研究家として知られる一方、社 会貢献活動にも熱心に取り組み、東北被災地へのサポートに余念がない。現在も最前線の治療現場に立ち続け、地域 の方の支持を受けると同時に、世界各地で施術・セミナー・ボランティア活動を行っている。 杉森先生のトークは先着15名に限らせていただきます。 ストレッチを致しますので運動しやすい服装で、 バスタオルかヨガマットをご持参ください。 2016/2017年度 会費更新のお知らせ 会員のみなさま、今年も会費更新の時期となりました。 会費更新のお知らせが来月末までに皆様のお手元へ届くよう現在準備中です。 会費のお支払いには、便利な銀行振込み(EFT)をご利用ください。銀行振り込みを 利用される際には、必ずEFTコードをReference欄にご記入ください。 会員更新について、 ご不明な点などございましたらCJC事務局までお気軽にお問 い合わせください。 CJC事務局 6 CJC Newsletter 2016年5/6月 第113号 2016年6月の「CJCトーク」のお知らせ ~ 6月中旬 ~ 6月11日(土) どちらが良い?日本・オーストラリアの医療比較 14:30~15:30 まで 講師: 小島千明さん(キャンベラ病院慢性疾患内科担当医) 小島さんからのトーク内容紹介: 日本とオーストラリアは、医療保険制度によるユニバーサルケアが確立されて いるということ、 また公的保険と民間保険の混在という観点からも、国民が世界的には恵まれた、似通った医療 制度を享受することができています。 しかし、 日本では地域や加入保険の種類と拘わらず、自由に医療機関を選 ぶことができますが、オーストラリアの場合はGPから病院への紹介状をもらうなどの違いもあります。 また、多民 族社会のオーストラリアは、 ターミナルケアに関する要望、死生観もそれぞれの出自によって違い、一般化するこ とは難しいものの、入院期間から胃瘻造設率に至るまで、 日本との興味深い相違などもあります。 今回のトークでは、 日本とオーストラリアの制度の違いの比較、 また医療活動の中で経験した文化的差異などに ついて、端的にお話しさせて頂くと共に、参加者の方が医療について疑問に思ってきたことなどがあれば、討議 させて頂くという形式を考えています。 講師紹介: キャンベラ病院慢性疾患内科・リハビリ科担当医。 アイルランド国立コーク大学医学部卒業(MB, BAO, BCh, BMedSci) アイルランドのコーク大学病院、ボーモント大学病院などの勤務を経て、 オーストラリアに移住。 イプスウィッ チ病院(QLD) 、 セント・ジョージ病院(NSW)の内科勤務後、現職。内科医以前は、 日本とアイルランドの比較文学・比較文 化を演劇を中心に研究。 日本女子大学(学士) 、東京大学(学術修士) 、 アイルランド国立トリニティ・カレッジ (M.Phil.)。 CJCトーク参加申し込み方法と、会場案内 杉森講師のトーク申し込み締め切りは6月1日 (水) まで。参加費は会員は無料、非会員は5ドルです。 小島講師のトーク申し込み締め切りは6月8日 (水) まで。参加費は会員は無料、非会員は5ドルです。 会場はグリフィンセンター (Griffin Centre) 2階9号室です (20 Genge Street CIVIC, Dendy 映画館の近くです) 参加希望の方は、博子マーシャル までメール [email protected] 又は、電話 043-054-7937 で受け付けております。 皆様の参加をお待ちしております。 CJCサポートネットワーク ~ 遠くの親戚より 近くの他人 ~ 日本人コミュニティの相互援助 現在次のようなボランティアを行うことができます。 CJCサポートネットワークは、その会員、非会員を問わず、キ ャンベラ及び、その近郊に在住の日本人、又はその家族を 対象として、登録しているボランティアの方々のネットワーク により、高齢者、病気、怪我、お産などで手助けを必要として いる方々のための緊急時・非常時援助活動をしております。 その他、各種福祉関係の情報や、キャンベラに新しく来ら れた方のための情報提供もいたします。 ボランティアが出張した場合はバス代、駐車料金等の実費 は依頼者側の負担になります。 またボランティアが車で出張 した場合にはガソリン代として1回5ドルをボランティアに 直接お支払いください。 7 *買い物手伝い*家事手伝い*車の運転*お話*和食調理*付 き添い*子供の世話*通訳*書類の制作*電話連絡*宅配*ペ ットの世話*電話による情報提供 緊急時のみならず生活に困難が生じることが予想される時も、遠 慮なさらずに以下の係までご連絡、相談してみてください。 又、CJCのサポートネットワーク、ボランティアは守秘義務 を第一と重んじています。 連絡先窓口 電話: 0412910647 プライアー恵理子 メール:[email protected] 電話:0401754090 マッケイ 京子 メール:[email protected] CJC Newsletter 2016年5/6月 第113号 Sassafras Nuts Chestnut and walnut farm - 栗拾い体験記 秋の食材が店頭に並び始めましたが、 日本人が古代から秋の食べ物として親しんできた栗を、 豪州で収穫体験できるのをご存知ですか? 昨年、CJCの景品としてRichard Moxhamさんから、栗拾い2キロの商品をご提供していただき、当選された方達と一緒 に訪れてみると、1000以上の栗の木と数百のクルミの木に、果実が実っている光景が広がっていました。 澄み切った空 気に包まれながら、眺めているだけでも心豊かな気持ちになります。栗は“種実類”に分類されるナッツ類ですが、栄養 価が高い食材で主成分はでんぷんです。 栗に含まれるでんぷんは、イモ類のでんぷんと比較すると、でんぷんの粒子 が細かく、それがあの上品な味わいを生んでいるそうです。是非、ご家族そろって足を運んでみてください。帰宅後に、 子供達からの会話も広がります。自分たちの手で収穫した栗を味わう嬉しさは、格別でした。 (博子マーシャル) Sassafras Nuts Chestnut and walnut farm WEBサイトはこちら! http://sassafrasnuts.com.au くりひろいに いきました。たのしかった。 そこで ひるごはんをたべました。 あしであけました。はじめてたべました。 おいしかった。 (シーベル まるこ6歳) 昨年のCJCアニュアルランチで栗2kgのラッフル賞に当たったもの のすっかり忘れていた頃、メリーさんから栗のシーズン到来という秋 の知らせを頂き、みんなでお弁当を持って栗拾いに行ってきました。 子供は、栗がどのようにイガに入っているか?どうやってイガを開いて 栗を拾うか?など体験を通して学ぶことが出来たことがとても嬉しか ったようで、帰ってきてから得意気に色々な人に説明していました。 大自然の中、楽しく栗拾いした後は、みんなで楽しくお弁当やロース トして頂いた栗を食べたり、久しぶりにゆったりした時間を過ごせま した。また来年も、お伺い出来るのを楽しみにしています。 (福本 るみ) 「初めてのクリ拾いに、びっくり」 大きなのう園には、スパイキーな皮に入ったクリが、ゴロゴロおちて いました。イガにも、初めてさわりました。イガが手に当たるといたい からグローブをつけたほうがいいよ。と、はじめに、「指をいたくしな い拾い方」を教えてくれたので、ぼくは、おもしろくなって、バケツを いっぱいにしました。拾っている間にも、木の上からポトン、ポトンと クリが落ちてきます。みんなが『じょうじ、すごい!』と言ってくれた、 ほくのバケツのクリは、12.47キロで、その日の一番重たいバケツ でした。お昼の後に、アツアツのやきクリを食べたら、ホクホクして いてあまかったです。 家にもどって、コールズでクリが1キロ12ドルで売っているのを見 て、もし、ぼくが拾ったのをコールズで売ったら、いくらなんだろうと 思って計算してみました。12x12.47=およそ150ドルの金がくに も、また、びっくりしました。 (マーシャル じょうじ8歳) 8 CJC Newsletter 2016年5/6月 第113号 『見ぃつけた!』 今年のイースターホリデーは娘と二人で何をして過ごそうかなぁ。と キャンベラのイベント情報を夜な夜な探していたところにメリーさん から朗報が届きました。栗拾いの時期が到来とのことで、早速お友達を 誘って参加させて頂きました。 【その壱】栗農園は、ガンガーリンから車で2時間弱ほどで日帰りも可 能です。足を伸ばせばJervis bay。次回は、栗拾いとビーチ!一度で二 度美味しい欲張りプラン確定です。 【その弐】イガは手ではなく足で勝負!「くりひろい」という音が何を意 味するのか知らずに農園に行った娘は、栗が「スパイキー」なものに入 っていることを発見。そのイガの両側を足で踏むとツヤツヤした茶色の 栗の実が顔を出します。とっさに掴もうとする娘に「そっとですよ〜。」 娘は「ちくちく」という語を身を以て習得したようです。 【その参】栗むき器などなくてもなんのその! 栗はビタミンCや食物繊 維などが豊富だそうです。今回は、栗おこわと栗の甘露煮にチャレンジ してみました。料理を始める前にお料理名人に栗剥きの秘策を伝授し て頂いて大正解。重曹を入れて15分ほど茹でます。これを2ラウンドし てからお水に浸した状態で皮を剥きます。おかげで辛い皮剥きが楽し くこなせました。 今回ご一緒させて頂いた皆さま、楽しいひと時をありがとうございまし た。 (ゴールディング 寛子) ストレッチ体操 最近、ラジオ体操とみんなの体操はスクリーンを 見ながらやるようになり、 ちょっとした間違いを発 見したり、皆の動きもシャキッとしてきました!一ヶ 月に一度でも構いませんので是非お試し下さい。 場所: CivicのGriffin Centre 日時: 時間は第五金曜日、年末年始を除いた、毎 週金 曜日午前11時から約1時間 参加費:外部からの支援により現段階 では部屋 代の一部として1回$2となっております。 連絡先 0408 006237 ウエストコット和子 合唱グループ ”歌おう会” 毎月第一月曜日にCookのHoly Covenant Anglican Churchで午後1時から4時まで,1000曲以上の歌が 選べるカラオケマシンに合わせて大きな声で楽しく 歌っています。 新入会員大歓迎です。参加費は一人$3.50 で、お 茶代こみです。 問合せ:プライアー・恵理子 ([email protected] 携帯 0412910647) 9 雀 友 会 月に一度集まって麻雀を楽しむ会です。 参加者は経験豊かな「ベテラン」から全くの初 心者までレベルはさまざまですが、初心者で も経験者の丁寧な指導を受けて、 どんどん上 達していっています。 麻雀をするのは脳の活性化にも役立ちます。 始めるとつい夢中になってしまいますが、3時 間だけの集まりです。 日時:毎月第4月曜日、午後1ー4時。 祭日と重なる場合は第3月曜日に変わります。 参加費:$3.50(お茶込み)、CJC非会員はさら に$3 追加。 会場: Holy Covenant Anglican Church Community Room 89 Dexter St, Cook, ACT 2614 ⃝ 無料の駐車場があります 連絡係: 岩田 ( 6258 3222 ) または 小城 ( 6251 1723 ) CJC Newsletter 2016年5/6月 第113号 CJC日本語ようちえんだより - 第27回 - 教諭 (正教員 ) 高橋昭子・ ニコル尚子 CJC幼稚園は3月19日で第5回卒園式、修了式を迎えました。保護者 の皆さま、また園児たちにとっても心に残る場でした。この一年間で、 日本語だけでなく、学校生活での大きな進歩と成長を見ることができ ました。 そして5月7日には第六回目の入園式 を迎えました。新入園児、特に年少の 7名にとっては新しい環境に、また初 めての集団活動で戸惑う事も多いと思 います。教員一同一体となり、楽しい 幼稚園を作っていけるよう頑張りたい と思います。今年も益々活気のある幼 稚園になりそうです。 教員チーム 馨先生、ひかる先生、尚子先生、昭子先生 5月の第一週は母の日をお祝いするクラフト作りです。 いつも支えてくれている優し いお母さんに お花を作りました。「ありがとう」の気持ちをたくさん込めて渡しました。 5月22日CJC秋祭りに披露するお遊戯の練習も頑張っていますよ! 10 CJC Newsletter 2016年5/6月 第113号 CJCキャンベラ日本語学校たより 日本語学校教諭 白土 杏子 第1回 Email: [email protected] FaceBook: CJC Community Language School 2016年4月30日入学式の様子 CJCキャンベラ日本語学校 開校! 4月30日、秋晴れの気持ちの良いこの日に14名の 新入生を迎え、無事にCJCキャンベラ日本語学校開校、 入学式を終えることができました。これまで運営委員を 始めCJCの方々には沢山のご協力をいただき、この日 を迎えることができたことを心より感謝しております。 あいにく、2名の生徒は欠席となり12名での式となり ました。名前を呼ばれて松本校長の前で歩み出る、そ して、記念品をいただき席へ戻る。一連の動きを担任の 説明を一度聞いただけで全ての生徒は行うことができ ました。多くの観客のいる中で、そして 新しい環境で 緊張しているはずなのに・・・・よく頑張りましたね。 職員一同、生徒たちの緊張を1日も早く取り除いてあ げられるよう頑張っていきたいと思っています。これか らもCJC役員、会員の皆様には沢山のご協力をいただく ことと思いますが、 どうぞよろしくお願いいたします。 これから日本語学校では 入学式の後ゲームを楽しみホッとひと息ついたとこ ろで、学力テストを行いました。と言っても、大切なこと は席に着きプリント課題に自力で臨む姿勢、これを私 たちは知りたかったのです。 学校に来れば友だちがいる、お兄さんお姉さんがい る、新しいことを知り楽しいところだとわかる、これを身 をもって理解してからこそ楽しく日本語を勉強できるの だと思っています。 知っている言葉をできるだけ発する機会を持ち、わ からないことをわからないと言える勇気を持ち日本語 を話し理解し合える楽しさを知ることができるよう、机 上学習のみならず様々な活動を取り入れていく予定で す。 まず手始めに。。。。5月7日はこどもの日にちなんだ 活動として大型紙を使い兜折り、そして 「こいのぼりケーキを」作る予定ですので次回のお便り での報告をお楽しみに! 11 CJC Newsletter 2016年5/6月 第113号 キ ャ ン ベ ラ 補 習 授 業 校 補習校だより 第38回 今年も元気いっぱいのピカピカの一年生男の子9名、女の子8名計17名が入学されました。賑やかさん、 静かさん、おしゃべりさん、おっとりさん、おしゃまさん、恥ずかしがり屋さん、 しっかり者。。。皆さん仲良く、国 語と算数を勉強していきます。今回は入学の喜びをお二人の保護者児童に書いていただきました。 (一年担任 福井美穂子) ☆ やまざと こうた ぼくは、ほしゅうこうにはじめていったとき、ドキドキしました。でも、おにいちゃんがいてうれしかったです。にねん せいのあいりちゃんが、かんげいのことばをすらすらよんでいました。その中で、「しゅくだいをわすれるとせんせい がふつうのかおになります。」といっていておもしろかったです。きょうしつでは、せんせいからしゅくだいをいただ くのがたのしみでまっていました。なぜなら、ぼくは、はやくあたまがよくなりたいからです。これから、かんじをがん ばりたいです。 お母様からのコメント 4月2日(土)、日中はまだ暑さが残るキャンベラで補習校の入学式に出席させていただきました。ランドセルはありま せんでしたが、少しだけお兄さんの恰好をしている我が子を見て、成長を感じるのと同時に少し寂しさを覚えました。補 習校の入学式は日本の学校の入学式とは違う趣で、アットホームな雰囲気で始まりました。かわいい名札をつけてズラ リと並んだ一年生を見て、お友達も沢山いて楽しく通えそうとホッと致しました。 在校生との距離も近くて、息子は知り合いと目が合うとくすぐったそうな顔をしていました。また、二年生の代表が一年 生に贈る歓迎の言葉が上手で驚いてしまいました。我が子も綺麗な日本語で話せるように、私も一緒に頑張っていきた いと思いました。心温まる入学式をどうも有り難うございました。 (山里 晃子) ☆ なかむら いちえい ぼくは、にゅうがくしきのとき、とてもきんちょうしました。ぼくは、ほしゅうこうのこうかがすきです。なぜかという と、うたのなかにカンガルーがでてくるからです。 それから、ほしゅうこうのおべんきょうもだいすきです。ぼくがたのしみにしていることは、かんじをいっぱいおぼえ ることです。いちねんせいになってとてもうれしかったです。 お母様からのコメント 私にとって三回目の子供の入学式をここキャンベラで迎えることができ、とても嬉しく思っています。補習校では先生方 並びに保護者の方々が一つになり、手作りの温かい入学式を開いて下さり、私にとっても忘れられない一こまになりま した。これから、初めての教科書で勉強したり、沢山の思い出を作ってほしいと思います。 (中村 加代子) 12 CJC Newsletter 2016年5/6月 第113号 源氏物語の世界(78) 『夢浮橋』1 - 浮舟が生きていることを知った薫の思い - 松下佐智子 薫は、女一宮付きの女房の宰相君から、横川の僧都 が明石中宮の御前で語った不思議な話、宇治の故朱 雀院邸で何かに取り憑かれ死んだようになっていた 女を発見し、正気に戻し、本人の望みで出家させたと いう話を聞く。何故なら、 この女が薫の宇治の思い人 ではないかと思った中宮が、 この話を薫にするように 宰相君に指示したからである。 薫は横川僧都に会って真相を確かめたいと思う。 「 蜻蛉」の巻の薫の心内語に、浮舟が生きていることに ついて薫が思ったことが、次のように記されている。僧 都に会って確かめたいが自分の行動を他人から見苦 しく思われたくないということ、匂宮が浮舟に執心な ら諦めるということ、浮舟と来世のことを話したいとい うこと、そして、浮舟を自分のものとして取り戻そうと は思うまいということが書かれていた。薫が、横川僧 都に会って何を語るのか、横川僧都はこの件について どう思っているのかに焦点を当てて読み進めたい。 薫は、比叡山に横川僧都を訪ねる。人が静まった頃 を見計らって薫は、 自分が面倒を見なければならない 人が僧都のもとに隠れていると聞き、それが確かなら 事情を打ち明けたいと思っていたところ、女が受戒を 受けてしまったと聞いたが本当か、 と尋ねる。薫は、自 分の情報源については何も語らず、中宮の御前で僧 都が話したことも知らない振りをして話す。続いて、薫 は、その面倒を見なければならない女が年若く、その 親が女を死なせたように責めるので、止むを得ず聞 いているのだという体を装っている。女を失ってその 所在を尋ね回る見苦しい者と思われないための方便 と考えられる。 僧都は話を聞いて、薫と深い関係にある女を本人 の望みとは言え、畏れ多くも尼にしてしまったのだと 思う。僧都は、薫の訪問を、何もかも知った上でのこと と判断し、なまじっか隠しては却って具合が悪いと考 え、発見の経緯から受戒を施したことまで詳しく語り、 不都合なことが起きては困るという妹尼の考えで女 のことを秘してきたとつけ加える。僧都の話を聞き、薫 は、死んだと思っていた浮舟が本当に生きていたのだ と驚き、隠すこともできずに涙ぐむ。そんな薫の様子 13 から、僧都は女に対する薫の思いの深さを感じ取る。 僧都の感じた薫の浮舟への“思いの深さ”と“浮舟を自 分のものとして取り戻そうとは思わない”という薫の 心内語とのギャップをどうとらえればよいのだろうか。 改めて僧都から浮舟の素性を尋ねられた薫は、皇 族の血筋を引く者だと答え、特に妻にしようと思った わけではないが、出家して暮らしていると聞き安心し たと言う。その上で、女の母親に知らせたいが、そうす ると妹尼君の意志に背くことになるのではないかと 言い、僧都に一緒に小野に行ってほしいと頼む。 しか し、僧都は薫の頼みを聞き入れず、月が改まってから 妹尼に連絡をすると答える。 語られた薫のことばの他に薫の“心内語”がほしいと ころであるが語り手は何も記さない。ただ、僧都がこの 薫のことばを聞き、男でも出家した後に「あやしき心( 愛欲の心)」を失わない者もいるのだから、薫からこれ ほど思われている女の身ではきっと愛欲の心を失わ ずに持っているであろうと推測し、受戒を施したことを 後悔し始めている様子が伺われる。つまり、僧都は薫 にも浮舟にも愛欲が存在していると見ている。 薫は、僧都に、誰がということは書かず、ただ捜して いる人がいるという手紙を、小君(浮舟の弟)に持た せ、浮舟に届けたいので、書いてほしいと頼む。 しか し、僧都はこの手引きをすれば罪を得ることになると 言って断わる。つまり“愛欲”という仏教でいう生死界に 流転する原因となる事にかかわる手引きだからであ る。そして、薫自身が、坂本に行き、 しかるべき処置をし たとしても咎にはならないと助言する。薫はこの手引 きが罪を得ることになると言う僧都のことばを心外に 思い反論する。薫は、昔から仏道への思いが強かった にもかかわらず、母三条宮のこと、女二宮を妻として迎 えたこと、身分が高くなってしまったことなどが出家の 妨げとなっているが、仏に背くようなことは何もしない と道心の深さを語り、僧都の考えを変えようとする。 僧都が小君に目を留め、ほめると、薫は、そのチャン スを逃さず、浮舟に渡すための手紙、それは小君に託 す手紙になるのだが、それを書くように頼む。結局薫 に押し切られ、一度は断った (次ページへ続く) CJC Newsletter 2016年5/6月 第113号 (前ページより続く) 手紙を書いて僧都は小君に渡 す。僧都が何故手紙を書いたか、その理由は何も書か れていないが、貴族の最高位に属する薫の思い人を、 受戒させたことに対する後悔の念があったためと考 える他ないような気がする。後にこの手紙の内容が明 らかになるが、僧都は手紙の中で浮舟に還俗(げんぞ く=一度出家したものが、再び俗人にかえること)を 勧めているからである。 薫は、翌日、僧都の手紙と自分の手紙の二通を小君 に持たせて、浮舟のもとに遣いとして送る。薫は手紙 に、浮舟が匂宮との関係を持った「罪」を許すと記して 浮舟の心の負担を取り除き、 とにかく 「話したい」 と書 く。裏切られた自分のほうから「話したい」 と書くこと を不甲斐なく思い、他人の目を気にしながらも、 とに かく 「会いたい」 という気持ちを伝えている。そして手 紙の結びに「法の師と尋ぬる道をしるべにて思はぬ山 にふみまどふかな」 (道心を求めて宇治に来たが、大 君に恋をし、その大君を失い、その形代として迎えた 浮舟をこのような形で失い、恋の道に踏み惑ってしま った) という歌と、小君を行方知れず浮舟の形見とし て世話をしていると書く。 出家した浮舟と会いたいという気持ちには僧都の 考えているようないわゆる男女の“愛欲”とは異なる時 点で話したいという願いが感じ取れないだろうか。 「ひと針の会」からのお知らせ 世界にたった一枚のあなただけのスカーフでおしゃれをしてみませんか? 今回のひと針の会では、スカーフを作ります。 気温の変化が激しい秋から冬の季節、首元が寒さを感じますね。そんな時 に頼れるのがスカーフです。首元のおしゃれを楽しんでみませんか?今回 は誰にでも手縫いで簡単に作れ、華やかな女性らしい印象になるミニス カーフを作ってみませんか?もう一つ作ってお友達にお揃いのスカーフを プレゼントするのもいいでしょう。作成後のスカーフの巻き方もお勉強に なります。 開催日: 8月15日 (月曜日) 場所: グリフィンセンター (Griffin Centre) 2階9号室 20 Genge Street, Canberra ACT 時間:午前10時 ~ 12時 参加費:$5.00 <ご用意いただくもの> 針、 まち針、はさみ、糸(白、黒) (布は、係りが準備します。) 参加ご希望の方は、8月8日までに下記へご連絡下さい。 なお、今回のひと針の会は参加人数を先着15名とさせていただきます 佐藤葉子: コンサダイン 安江: [email protected] 6255-7779 (午後4時以降) 14 CJC Newsletter 2016年5/6月 第113号 章トラベル (Aki Travel Pty Ltd) A.B.N. 98 079 581 598 / A.C.N 079 581 598 / Lic 2TA4637 【キャンベラより9月21日就航予定!! シンガポール航空・キャピタルエクスプレス運賃特集 】 NZ/ウェリントン行 シンガポール行 タイのリゾート/サムイ島行 日本各地/羽田行 欧州/ロンドン行 エコノミークラス $674~ エコノミークラス $871~ エコノミークラス $989~ エコノミークラス $973~ エコノミークラス $1929~ ビジネスクラス $1712~ ビジネスクラス $3617~ ビジネスクラス $4164~ ビジネスクラス $4398~ ビジネスクラス $7728~ 上記は5月3日現在の空港税を含む往復運賃です。その他のデスティネーションや航空会社 期間限定運賃・ホテルパッケージ等お気軽にお問い合わせください。 JRパスも取り扱っております。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― Shop 10A Milsons Village, 48 Alfred Street, Milsons Point NSW 2061(営業時間:月~金 9:30~17:00) 電話:(02) 9959-5188 ファックス:(02) 9959-5115 email: [email protected] Dr Graeme Flett デンタルクリニック raeme Flett 新患随時受付しております。 日本人助手が常駐しております。 BDS (SYD) General Dentistry 診療日: 火曜日、水曜日、木曜日、金曜日 診療時間: 朝8時30分より1時まで、午後は2時より夕方5時まで 当医院の情報はホームページでもご覧頂けます。 http://campbelldentistry.com.au/ Suite 3, Medical Centre, Blamey Place Campbell, ACT 2612 Te l e p h o n e : ( 0 2 ) 6 2 5 7 8 8 9 5 Fa c s i m i l e : ( 0 2 ) 6 2 5 7 9 0 8 8 子供から大人まで初歩から指導いたします。 楽しく書道をはじめてみませんか? 場所:Phillip 日時:応相談 受講料:大人 1レッスン $15 子ども1レッスン $12 講師 荒木友美 2005年(19歳) 師範取得; 書道歴23年; 指導歴10年 少数人制の教室ですので一人ひとりに合わせたお手本をお 渡しし内容を考え指導致します。 お問い合わせはメールにて、[email protected] (見学希望の方もお気軽にご連絡ください。) KIM’S GROCERY 取り扱い商品:韓国、 日本、中国食品&雑貨等。お店に無いものでご希望のものは、空 の袋を持ってきてください。問屋に問い合わせます。 場所:Saraton Building, CityのCitywalkとEast Rowの角。バス停近く。 電話:6257-9277、FAX:6262-5683、携帯:0417-506-549 15 CJC Newsletter 2016年5/6月 第113号 Canberra Japan Club Inc PO Box 840 Civic Square ACT 2608 Australia CJCニュースレター 発行人:田村恵子 編集:小梛秀樹 Email : [email protected] 次回会報発行予定日:2016年7月15日 Canberra Japan Club Inc. 会員数:105世帯306名2法人(2015年7月現在) 委員連絡先:小梛 秀樹 Mail:[email protected] CJC Blue Bells 16
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