倫理審査提出書 - 新生児低体温療法登録事業トップ

埼玉医科大学総合医療センター
様式1
総合医療センター倫理審査申請書
平成 24 年 6 月 20 日提出
埼玉医科大学総合医療センター
病院長 吉本 信雄 殿
申請者(実施責任者)
所属:総合周産期母子医療センター新生児部門
役職:教授
氏名:田村 正徳
印
申請番号 433
1.申請課題
2.審議の種類
3.申請・研究
の種類
4.申請内容と
その概要
「Consensus2010 に基く新しい日本版新生児蘇生法ガイドラインの確立・普
及とその効果の評価に関する研究(分担研究者田村正徳)
」班調査
新生児低体温療法レジストリーの実施。
■ 通常手続き
□ 迅速審査
□ 緊急審議
□ 疫学研究
■ 観察研究
□ 臨床倫理
□ 介入を伴う研究(登録先:
「Consensus2010 に基く新しい日本版新生児蘇
生法ガイドラインの確立・普及とその効果の評価に関する研究班(分担研究
者: 田村正徳)
」事務局:埼玉医科大大学総合医療センター新生児部門)
(登録番号:
)
2010 年に改定された ILCOR(The International Liaison Committee on
Resuscitation : 国際蘇生法連絡委員会)の蘇生法推奨では、中等症~重症の
新生児低酸素性虚血性脳症(HIE: Hypoxic Ischemic Encephalopathy )に
対する低体温療法が標準治療とされた。現時点では、18 か月後の死亡もしく
は重度の神経学的後遺症を減少させる number needed to treat(NNT)は 9
であり,低体温療法の脳保護効果は十分とは言い難い。今後、適応基準や冷
却方法・併用療法の改善により、脳保護効果を増強する必要がある。日本が
世界にエビデンスを発信する礎となる症例登録制度の確立が急務である。
この研究計画は「新生児低体温療法レジストリー」と呼び、重症新生児の
アウトカム改善に関する多施設共同研究、
「Consensus2010 に基く新しい日本
版新生児蘇生法ガイドラインの確立・普及とその効果の評価に関する研究班
(分担研究者: 田村正徳)
」の一環として新生児低体温療法導入を検討された
中等度から重症 HIE 症例のデータを全国の周産期関連施設から集める研究を
当総合周産期母子医療センター新生児部門が行う事を目的として記載された
ものである。
(資料添付1)
新生児仮死に伴う低酸素性虚血性脳症は、新生児の後障害の原因の1つで
あり新生児蘇生法では、約 1000 出生に1名の頻度で集中治療を行う必要があ
るとエビデンスとして報告している。出生前の予想が極めて難しい症例では、
昨今産科無過失保障制度の対象となる原因であり、このような児が不幸な転
帰を取らなくてもすむような治療法の1つとしてわが国では、2010 年版新生
児蘇生法の普及とともに導入が広まりつつある。
新生児低体温療法は、日本でも以前からいくつかの施設で行われており、本
年ガイドラインが作成されたものの、詳細な点では検討課題もあり、今後我
が国での手法の確立と、改善を検討するためにも幅広く治療症例を登録する
ことが責務と考えます。
このような現状を踏まえて、日本での 2010 年版新生児蘇生法が普及浸透し
てゆくほど、新生児低体温療法のニーズは増加するものと考えられ、厚労省
本研究班事業として、この療法の適応症例の全国集積は極めて重要でありま
す。分担研究者であり、わが国での日本周産期新生児医学会が主催する新生
児蘇生法普及活動の中心となっている田村が、本症例登録調査の中心となり
ます。近年、このような調査を行う場合、調査を取りまとめる研究者がそ
の所属施設にて調査研究を行う事について倫理委員会に申請を行う事が
要請されており、今回申請を行う次第です。
5.実施者
6.e-learning の
受講の有無
具体的には、Consensus2010 に基く新しい日本版新生児蘇生法ガイドライン
の確立・普及とその効果の評価に関する研究班で作成した「新生児低体温療
法登録用紙」
(資料添付2)を、班員から、また日本周産期・新生児医学会な
ど関連学会発表等で広く配布、施設参加を募り、サテライト低体温療法講習
等を通じて協力施設を拡大し、症例登録をお願いする。登録を行いうる他施
設とは、低体温療法の施行が可能な機器が装備されている総合周産期母子医
療センター(80 施設)と各都道府県にある地域周産期センター、この他に NICU
認可病床を有する周産期施設等で、本登録に賛同し、各施設の倫理委員会承
認を得られた後とする。本登録は、埼玉医大総合医療センター、総合周産期
母子医療センター新生児科が主体となって行うため、他施設の倫理委員会審
査は今後並行して行われる。
本治療法は、患者の病状から、前述の新生児低体温療法導入基準、除外基
準に基づき、何らかの意図的な振り分けをされることなく実施を検討され、
導入が行われる。
登録にあたっては、該当症例の入院があれば、低体温療法の導入検討を行
いつつ、家族への本レジストリーの施設であることの説明と、関連書類(資
料添付3)に基づいて患者さんの保護者に説明し、同意を得た後、セキュ
リ テ ィ の 保 証 さ れ た Web 登 録 画 面 ( 新 生 児 低 体 温 療 法 登 録 事 業
http://www.babycooling.jp/ )より、本研究に賛同を得られた登録施設
責任者、実施責任者により ID、パスワードによるログインを行い、患者個
人が特定されることのない登録用紙記載と同じ調査項目によって作成さ
れた画面から入力する。Web 登録管理事務局を埼玉医大総合医療センター新
生児科に置く (email [email protected])。 なお本 URL は研究班と
の契約で開設され、施設 ID, PW 情報は当事務局の施錠のできる環境下で
研究代表者が保管する。
保護者から承諾を得る場合の書式については必要があれば、各施設での変
更もあり得ます。各施設でのデータ管理は今後更に詳しい調査を行う可能
性もあるため、データは連結可能匿名とします。このため匿名化対応表は、
埼玉医大総合医療センター新生児科にて施錠ができる保管庫で研究代表者が
保管いたします。
所属 総合周産期母子医療センター新生児部門 役職 教授
氏名 田村 正徳
■ 有 (受講サイト名:ICR 臨床研究入門 添付書類4 )
□ 無
7.利益相反(COI)
に関する審査
■大学 COI 管理委員会に自己申告書を提出(公的研究資金による研究)
(添付書類5、6)
□病院 COI 管理委員会に自己申告書を提出(公的研究資金以外の資金)
□対象外
8.所属診療科、 所属 総合周産期母子医療センター新生児部門
部署の責任者 氏名 田村 正徳
印
9.実施場所、
実施期間
目標症例数
10.他施設共同
研究の有無
役職 教授
データの招集は総合周産期母子医療センター 新生児部門
目標症例数 軽症も含めると年間 1000 例(全国)
、当院登録年間症例数 5~
10 例
2011 年 9 月より 3 年間
他施設共同研究の有無
■ 有
□ 無
( 有の場合、他施設での倫理審査の有無
■ 有
□ 無
)
11.倫理的配慮
(1)研究などの対象となる個人の人権の擁護
各施設より収集する情報は氏名等、個人が特定されるものは含まない。
(2)対象者その家族(代諾者)に理解を求め同意を得る方法
本レジストリーの家族説明用紙を用いて、施設担当医師が説明し、同意がえ
られれば、同意書に記載、署名捺印をいただく。
(資料添付3)
(3)研究等によって生じる個人への不利益及び危険性
観察研究であり、この研究で調査対象となる個人には不利益は生じないと
考えられる。いつでも同意の撤回が可能であり、書式準備されている。
(資料
添付3)
(4)医学上の貢献の予測
日本の新生児科医が遭遇する,詳細な臨床データを蓄積して,低体温療法
の至適運用方法、適応症例の更なる検討に及び、脳障害の軽減、防御に貢献
したいと考えている。これによって、世界のトップレベルにある我が国の新
生児死亡率の更なる軽減と、障がいを被っている児が通常の生活を送れるよ
うになることを期待している。
(5)その他
特になし。
12.費用負担
Web 作成、管理維持に関する費用等は田村正徳が、厚生労働科学研究費補助
金「Consensus2010 に基く新しい日本版新生児蘇生法ガイドラインの確立・
普及とその効果の評価に関する研究」班、分担研究者になっているのでこの
研究費から支出する予定である。
13.添付資料
1.新生児低体温療法レジストリー研究計画書
2.新生児低体温療法レジストリー登録用紙
3.関連書類:家族への新生児低体温療法レジストリー説明用紙(1)、同意
書(2)、同意撤回書(3)
4.ICR 臨床研究入門初級編 e ラーニング修了証
5. 利益相反審査結果通知書・勧告書(埼玉医科大学 COI)管理委員会
通知年月日
事務局記載
6. 利益相反(COI)に関わる自己申告書(公的資金を用いた研究)
7.低体温療法の適応基準と除外基準、
「consensus2010 に基づく新生児低体
温療法実践マニュアル 田村正徳監修、岩田欧介編集、東京医学社発行
2011 年第一版」 p32-33 より抜粋
年
月
日
通知番号
事務局記載