CENTRAL JAPAN RAILWAY COMPANY 会社概要 2016 会社概要 プ ロ フィー ル 東海旅客鉄道株式会社(JR東海) は、国鉄改革により 沿 革 名 称 東海旅客鉄道株式会社 (JR東海)Central Japan Railway Company( JR Central) 昭和62 (1987) 年4月に誕生して以来、一貫して東京~ 設 立 日 昭和62 (1987)年4月1日 名古屋~大阪という日本の大動脈の新幹線輸送、そし 事 業 内 容 鉄道事業、関連事業 て名古屋、静岡を中心とした東海地域の在来線輸送を 主 な 諸 元 (平成28(2016) 年3月末現在) を中心に関連事業を展開しています。 また、将来にわたりその使命を果たすため、超電導リ ニアによる中央新幹線計画を着実に推進しています。 ● 高山本線特急 「ひだ」 に新型気動車を投入 率 1990 平成 2月 ● 運輸大臣より中央新幹線の地形、 地質等に関する調査の指示を受け調査開始 55.1%(1,086.8km) 率 76.7%(1,511.0km) 6月 ● 山梨リニア実験線の建設計画を運輸大臣に申請、 承認 率 97.5%(1,922.3km) 1991 自 動 信 号 化 率 97.8%(1,927.3km) 1992 上場証券取引所 名古屋・東京 電 株 数 95,042名 C 数 18,164名 営 業 キ ロ 1,970.8km ▶ 安全綱領 Ⅰ. 健全な経営による世の中への貢献 1. 安全は輸送業務の最大の使命である。 Ⅱ. 近代的で愛され親しまれ信頼される 2. 安全の確保は規程の遵守及び執務の厳正から始まり不断の修練に サービスの提供 両 線 化 化 T C 化 平成 2年 3年 10月 ● 東海道新幹線鉄道施設を譲受け 4年 3月 ● 東海道新幹線 「のぞみ」 を300系車両で営業運転開始 7月 ● 株式会社ジェイアール東海ホテルズを設立 (現・連結子会社) 12月 ▶ 経営理念 樹立 6年 6月 ●ジェイアールセントラルビル株式会社を設立 (現・連結子会社) 1997 平成 9年 4月 ● 山梨リニア実験線における走行試験開始 10月 4. 安全の確保のためには職責をこえて一致協力しなければならない。 5. 疑わしいときは手落ちなく考えて最も安全と認められるみちを 採らなければならない。 1999 平成 11年 安全綱領 2000 平成 12年 平成 13年 執行役員 葛西 敬之 代表取締役会長 山田 佳臣 代表取締役社長 柘植 康英 代表取締役副社長 金子 専務執行役員 慎 事務部門担当、中央新幹線推進本部担当 長田 豊 鉄道事業本部担当、安全部門統括担当、電気部門統括担当 宮澤 勝己 常務執行役員 技術部門担当、運輸部門統括担当 取 締 役 常 勤 監 査 役 監 1 査 役 巣山 芳樹 小菅 俊一 宇野 護 田中 君明 勝治 秀行 森 厚人 トーケル・パターソン 張 富士夫(社外) 頃安 健司(社外) 佐伯 卓(社外) 藤井 江見 石津 太田 秀則 弘武 緒(社外) 裕之(社外) 木藤 繁夫(社外) 東海旅客鉄道株式会社 会社概要 2016 執 行 役 員 白國 坪内 巣山 小菅 宇野 厚地 田中 勝治 紀行 良人 芳樹 俊一 護 純夫 君明 秀行 中央新幹線推進本部リニア開発本部長、車両部門統括担当 松野 水野 寺井 篤二 孝則 元昭 建設工事部長、中央新幹線推進本部中央新幹線建設部名古屋建設部長 山口 孝夫 大竹 敏雄 田中 守 岩田 眞 伊藤 彰彦 江尻 良 森 厚人 杉﨑 英司 生田 元 本田 敦 波多野 穣 丹羽 俊介 山田 龍彦 竹内 寛人 古橋 智久 早川 信博 上野 雅之 鈴木 広士 大山 隆幸 秘書部・監査部・広報部・総務部・法務部・人事部・管財部担当 総合企画本部長、財務部担当 総合技術本部長、海外高速鉄道担当、施設部門統括担当 中央新幹線推進本部長、建設部門統括担当 5月 ● 名古屋マリオットアソシアホテルが開業 (株式会社ジェイアール東海ホテルズが運営) 3月 ●ジェイアール東海不動産株式会社を設立 (現・連結子会社) ● 東海道新幹線品川駅開業、 全列車270km/h運転を柱とした抜本的なダイヤ改正実施 2005 平成 17年 7月 ● 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構国鉄清算事業本部保有の当社株 2006 平成 18年 3月 ● 東海道新幹線に新ATC (自動列車制御装置) システムを導入 4月 ● 定款授権に基づく取締役会決議により、 自己株式268,686株を取得 2007 平成 19年 2008 1月 ● 山梨リニア実験線の建設計画の変更を国土交通大臣に申請、 承認 ● 東海道新幹線 「のぞみ」 にN700系新型車両を投入 12月 2009 平成 21年 管財部長 5月 12月 東海鉄道事業本部長 建設工事部次長 新幹線鉄道事業本部副本部長・車両部長 静岡支社長 関西支社長 ● 平成2 (1990)年に運輸大臣より指示を受けた中央新幹線の地形、地質等に関する の残り4項目に関する調査の指示を受け調査開始 ●自己株式90,000株の消却を実施 ● 平成20 (2008)年に国土交通大臣より指示を受けた中央新幹線に係る全幹法第5条の 残り4項目に関する調査報告書を国土交通大臣に提出 5月 ● 国土交通大臣が当社を中央新幹線 (東京都・大阪市間) の営業主体及び建設主体に指名 2012 平成 24年 5月 ●自己株式90,000株の消却を実施 2013 平成 25年 2月 ● 東海道新幹線 「のぞみ」 にN700A新型車両を投入 8月 ● 山梨リニア実験線の42.8kmへの延伸と設備更新が完了し、 走行試験再開 2014 平成 26年 10月 ● 国土交通大臣が中央新幹線品川・名古屋間の工事実施計画 (その1) を認可 2015 平成 27年 ● 武豊線 (大府駅〜武豊駅間) を電化 3月 '13.8.29 山梨リニア実験線出発式 ● 国土交通大臣より中央新幹線に係る全国新幹線鉄道整備法 (以下「全幹法」 という)第5条 平成 23年 安全対策部長 総合研修センター所長 ●日本車輌製造株式会社を連結子会社化 2011 中央新幹線推進本部副本部長・企画推進部長 財務部長 '03.10.1 東海道新幹線品川駅開業 ● 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構国鉄清算事業本部保有の当社株式 調査報告書を国土交通大臣に提出 総合技術本部副本部長・技術企画部長 広報部長 600,000株の売却 7月 平成 20年 10月 総合技術本部副本部長・技術開発部長 中央新幹線推進本部リニア開発本部副本部長・山梨実験センター所長 ● 愛知県小牧市に研究施設を開設 286,071株が売却され、同機構が保有する全ての当社株式の売却が終了 総合企画本部副本部長・情報システム部長 総合企画本部副本部長・投資計画部長 施行により、JR会社法の適用対象から除外 平成 15年 10月 中央新幹線推進本部副本部長 総合企画本部副本部長・企画開発部長・東京企画開発部長 ● 「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律」の 2003 新幹線鉄道事業本部長 総務部長 ● JRセントラルタワーズ竣工 ●ジェイアール名古屋タカシマヤが開業 (株式会社ジェイアール東海髙島屋が運営) 7月 '99.12.20 JRセントラルタワーズ竣工 ● 東海道新幹線 「のぞみ」 に700系車両を投入 平成 14年 事業推進本部長 中央新幹線推進本部副本部長・中央新幹線建設部長 市場第一部及び京都証券取引所(平成13(2001)年3月に大阪証券取引所に合併) に 株式上場 2002 営業本部長 中央新幹線推進本部リニア開発本部副本部長 ● 名古屋、 東京、大阪(平成25(2013)年7月に東京証券取引所に統合)の各証券取引所 3月 12月 取締役、監査役及び執行役員[ 平成28(2016)年6月23日現在 ] 代表取締役名誉会長 3月 12月 2001 取締役及び監査役 東海髙島屋に商号変更(現・連結子会社) 平成 3. 確認の励行と連絡の徹底は安全の確保に最も大切である。 '97.10.8 株式上場 ● 株式会社ジェイアール東海百貨店を設立、 平成9(1997)年9月株式会社ジェイアール 1994 よって築きあげられる。 Ⅲ. 明るくさわやかで活力のある社風の '87.4.1 東海旅客鉄道株式会社発足 ●ジェイアール東海バス株式会社を設立 (現・連結子会社)、同年4月自動車運送事業を同社 3月 複 員 ● 東海道新幹線に3駅 (新富士、掛川、三河安城)開業 平成 元年 20,600万株 業 3月 1989 発行済株式の総数 従 昭和 63年 4,836両 車 主 1988 405駅 駅 1兆3,579億円 収 ● 東海旅客鉄道株式会社設立 数 1,120億円 本 業 4月 数 金 営 昭和 62年 に営業譲渡 益 資 担うとともに、鉄道事業との相乗効果が期待できる分野 1987 ● 国土交通大臣が中央新幹線の建設に関する整備計画を決定し、 当社に建設を指示 '15.3 最高速度285km/hへの速度向上 ● 東海道新幹線最高速度285km/hへの速度向上実施 東海旅客鉄道株式会社 会社概要 2016 2 会社概要 安全・安定輸送 東海道新幹線開業以来、 乗車中のお客様が死傷される列車事故 安全・安定輸送の確保は鉄道の原点です。大事故 組 織 図 0 を起こせば、会社への信頼は一気に失われ、会社の 存立すら危うくなります。こうした認識のもと、当社 は発足当初から安全確保に向け、ハード・ソフトの両 秘書部 取締役会 総合企画本部 会長 総合技術本部 社長 面から取り組んできました。 管理部 運輸営業部 東海鉄道事業本部 中央新幹線推進本部 車両部 監査部 静岡支社 総務部 三重支店 法務部 では中央新幹線を除いた年間の設備投資のうち安 会社発足以来、 累計の安全関連投資額 全関連投資は約7割から8割で推移しています。ま 工務部 広報部 件 この間の安全関連投資は総額3兆円を超え、直近 飯田支店 3.2 た、実践的な教育訓練や大規模な復旧訓練等で異 常時に備えるなど、社員の技量と安全意識の一層 兆円 の向上に向け、弛みない取り組みを続けています。 人事部 財務部 監査役 企画部 管財部 監査役会 管理部 営業本部 運輸営業部 新幹線鉄道事業本部 事業推進本部 車両部 建設工事部 施設部 安全対策部 運転管理システム 電気部 海外事務所 ワシントンD.C.・ロンドン・シドニー 関西支社 総合研修センター 運行管理と安全対策(東海道新幹線) 名古屋セントラル病院 東 海 道 新 幹 線 の 安 全 で 正 確 な 運 行 は 、新 幹 線 運 転 管 理システム ( C O M T R A C ※:コムトラック)を中 枢とする様 々なシステムにより、 列車の運転状況や設備の稼働状況等、膨大な情報を的確に把握し、輸 健康管理センター 送全体の統制と万全の安全管理を行うことにより支えられています。 ※COMTRAC:列車の進路制御、列車の運転管理、乗務員(運転士・車掌) と車両の運用管理等を行うシステ ム。コンピュータに入力された各列車の運転条件(各駅の発着時刻、発着番線、列車順序等) に基づき、運行 中のすべての列車状況を常時監視することが可能。 事務統括センター リニア・鉄道館 新幹線総合指令所 東京の新幹線総合指令所では、上記のシステムを活用し、輸送、運用、 東海道・山陽新幹線第2総合指令所 施設、電力、信号通信の各指令が連携しながら、新幹線の安全・安定輸送 を支えています。 また、東京の総合指令所と同じ機能を持ち、同指令所が被災した場合 には代替の指令所として機能する新幹線第2総合指令所をJR西日本と 営 業 エリア 共同で大阪に設置し、異常時に対する危機管理体制を強化しています。 日本国土:約380,000km 人口:1.28億人 猪谷 当社は、東京、名古屋、大阪間を結ぶ日本の 第2総合指令所の各装置類は常時電源が入った状態で待機しており、平 500km 0 常時は指令員・保守要員の教育訓練等に活用されています。東海道新 2 幹線では安全・安定輸送を守るために様々な設備を二重系にしています (平成27(2015)年1月1日現在) が、指令所も二重系化し、危機管理体制を強化しています。 交通の大動脈である東海道新幹線、及び名 古 屋・静 岡 地 区 の 都 市 圏 輸 送を中 心とした 塩尻 12線区の在来線を運営しています。 高山本線 美濃赤坂 米原 亀山 京都 新大阪 ATC 東京 甲府 名松線 飯田線 岐阜 身延線 多治見 伊勢奥津 紀勢本線 多気 富士 大府 武豊線 豊橋 東海旅客鉄道株式会社 会社概要 2016 の な い 高 速 旅 客 鉄 道 専 用 の 軌 道 の2つ の 仕 組 み からなる、C r a s h 国府津 り列車同士の衝突事故ゼロという高い安全性を維持しています。 参宮線 552.6km 在来線 東海道本線 360.1km 御殿場線 新幹線 在来線 60.2km 88.4km 飯田線 195.7km 高山本線 189.2km 19.3km 中央本線 太多線 関西本線 紀勢本線 名松線 参宮線 在来線計 1,418.2km 合 1,970.8km 計 ATCの仕組み ③先方列車と自列車の位置情報から ATC信号(速度照査パターン)作成 ④速度と信号 の比較 ⑤速度が信号を超過すると ブレーキが動作 自列車の速度 ②自列車の位置情報 Avoidance(衝突回避)の原則により、開業以来半世紀以上にわた 熱海 東海道新幹線 武豊線 3 により列 車 同 士 の 衝 突を防 いでいます。このシステムと、平 面 交 差 線区別営業キロ 東海道新幹線 鳥羽 JR東海 ATCシステム(Automatic Train Control、自動列車制御装置) 静岡 東海道本線 身延線 新宮 場 合 は自 動 的にブレー キを作 動し、許 容 速 度 以 下まで 低 下 させる 御殿場線 沼津 武豊 松阪 東 海 道 新 幹 線は先 行 列 車との 間 隔などを考 慮した許 容 速 度を列 車 の 運 転 台に信 号として 表 示し、列 車 速 度 が 許 容 速 度 を 上 回った 品川 名古屋 関西本線 静岡 JR東海 新横浜 美濃太田 大垣 新大阪 東京 辰野 中央本線 太多線 名古屋 京都 地上設備 (位置補正用) 受信 先行列車 ①先行列車の位置情報(レール) 新幹線電気・軌道総合試験車(通称:ドクターイエロー) 174.8km 17.8km 59.9km 180.2km 43.5km 電 気 設 備や 線 路 等 の 地 上 設 備を点 検 する車 両として 、当 社 では 「 新 幹 線 電 気・軌 道 総 合 試 験 車( 通 称:ドクターイエロー )」を導 入し ています。700系をベースにしたこの車両は270km/hで走行しな がら高精度に効率良く点検を行い、安全・安定輸送を支えています。 29.1km ドクターイエロー 東海旅客鉄道株式会社 会社概要 2016 4 運行管理と安全対策(在来線) 地震防災システムの強化 他 社 に 先 駆 け て 平 成 4( 1 9 9 2 )年 に 運行管理システム ATS-PT(自動列車停止装置) 当社は、現在、在来線のほぼ全線に運行管理システムを導入してい 在来線ではATS-PTにより、列車から信号機や曲線、分岐器までの距 ます。運行管理システムは、CTC(列車集中制御装置)※1 、PRC(自動 離に応じて連続的に速度を照査し、列車が停止信号を超える恐れのあ ※2 等で構成されており、 これらを活用し列車の運行計 進路制御装置) る場合には自動的に非常ブレーキをかけることで、安全を確保していま 画や信号の制御、列車の追跡、運行実績データの管理等を行ってい す。ATS-PTは、平成24 (2012) 年に当社の在来線全線区※ への導入を ます。指令所において、列車・駅の情報を一元管理することで、通常時 完了しました。 はもとより、異常時における正確・迅速な指示・指令を実現しています。 ATS-PTの機能 ※1 ※2 CTC:列車運行を効率的に管理するため、駅等の信号設備を一括して遠隔制御すると同時に、列車の 運行状況をリアルタイムで監視する機能を持った装置。 PRC:日々の運転計画情報と、個々の列車の位置を判断し、 CTC装置を介して、列車ごとの進路を自 動制御する装置。 地上子 (パターン発生) 列車の走行曲線 ATS-PTの概要 連続的に速度を照査。 ・地上からの情報をもとに、車上で どのような速度でも、 信 号 機 ま で の 距 離 に 応じ た ブ レーキパターンを発生させる 速度超過時点で ・列車速度がこのパターンを超過し 非常ブレーキ た場合は、自動的に非常ブレーキ が動作し、信号機の手前までに停 場内信号機 止する ・ブレーキパターンによる連続制御 を行う ※平成21(2009)年10月より災害で不通となっていた名松線(家城・伊勢奥津間) については平成28年 (2016)年3月の運行再開に併せて導入。 東海総合指令所(名古屋) ・静岡総合指令所 当社の在来線12線区は東海総合指令所(名古屋)及び静岡総合 (通称:ドクター東海) 「軌道・電気総合試験車」及び「軌道試験車」 在来線の軌道・電気設備の保守 ドクター東海 指令所で運行管理を行っています。両指令所では、24時間体制で、 管理については、 「 軌道・電気総合 列車の運転状況や設備の稼働状況等を監視しています。 試験車」 及び 「軌道試験車」 ( 通称:ド クター東海) により、効率的かつ早 期に設備状況を把握しています。 大規模改修工事(東海道新幹線) 改修」 を実施する二段階の対応を採ります。この工法により、工事実施 は、日々の入念な点検・補修により健全性が十分に保たれています。 時の列車運行支障を大幅に低減でき、また工事費の大幅な縮減も可 しかし、将来は経年劣化による大幅な設備の更新が必要となることか 能となりました。 ら、当社では、平成14(2002)年から全国新幹線鉄道整備法に基づく 平 成 2 7( 2 0 1 5 )年 度まで 新幹線鉄道大規模改修引当金の積立てを開始し、新しい工法が確立 の3年間で、累計約750億円 したことを受け、当初計画を5年前倒し、平成25(2013)年度から大 を投じ、工事を進めており、平 規模改修工事に着手しました。 成28(2016)年度からの4年 新しい工法は小牧研究施設(P11参照) を中心に開発しました。この 間も、総額1,450億円を計画 工法では、経年によるひび割れ等の変状の発生自体を抑止することで し、引き続き変状発生抑止対 構造物の延命化を実現する予防保全としての「変状発生抑止対策」 を 策を進めます。 大規模改修工事 ルの内側に並行して敷設しています。平成28(2016)年度末までに、 脱線防止ガード (無道床橋りょう用) 能となりました。 一 方 、万 一 脱 線した 場 合 計画された軌道延長596kmのうち約7割が完了予定で、計画全体で に、車 両 が 線 路から大きく逸 は平成31(2019)年度末に完了予定です。 脱 することを防 止 するため、 あわせて、平成21 (2009) 年から計画区間のうち必要な土木構造物を 平 成 2 4( 2 0 1 2 )年 度までに 対象に、脱線防止ガードを有効に機能させるため、地震時の高架橋上での 当社保有の新幹線車両に 「逸 揺れの増幅を抑制するダンパーブレース工法等の対策を進めています。 脱 防 止ストッパ 」の 設 置を完 また、構造が特殊なため、敷設方法を別途検討してきた無道床橋 期 地 震 警 報 シ ステ ム( T E R R A - S:テ ラ ス )」を 導 入し、警 報 の 早 期 化 及 び 精 度 中継所 列車無線 停止情報を放送 在来線地震情報 早期伝達システム 緊急地震速報 接続装置 変電所 に対応する機能強化等を完了しました。 沿線地震計 き電停止 検知点 ( 2 0 1 3 )年に直 下 型 地 震や 連 動 型 地 震 地震波 気象庁観測点 気象庁本庁 震源地 (気象業務支援センター) 各車両所の耐震化及び浜松工場のリニューアル 日 常 的 に 車 両 の 検 査 修 繕 を 行う各 車 両 所 の 建 物 は 、平 成 2 4 (2012)年度から耐震化工事を進め、平成27(2015)年度末に完了 建替・補強により耐震性を高め、大地震の際にも車両の検査修繕を継 続することで、長期にわたり運行できないリスクを低減するとともに、 検査修繕ラインの改良及び最新機器の導入による作業効率向上や しました。 ま た 、新 幹 線 車 両 の 全 般 検 査 ※ を 行う浜 松 工 場 で は 、平 成 2 2 ( 2 0 1 0 )年からリニューアル 工 事を行っています。工 事では建 物 の 作業環境改善を図ります。新しい検修ラインによる全般検査は平成29 (2017)年から開始予定です。 ※全般検査(新幹線):36ヶ月以内または走行120万km以内で実施する新幹線車両のオーバーホール。 地震等災害対策(在来線) 度末に完了する予定です。 時間当たりの片道の列車本数が10本以上の区間) について、平成26 さらに、お客様のご利用が1日5千人以上の駅の耐震化も進めてお (2014)年までに完了しており、現在は東海地震において強く長い地 り、平成27 (2015) 年度までに68駅の耐震化が完了しました。平成28 震動が想定される区間として、東海道本線の静岡地区及び身延線の (2016)年度は、草薙駅など4駅の耐震化を完了予定です。 富士地区を対象に進めています。 また、在来線車両の全般検査・重要部検査 ※を行う名古屋工場では、 平成26(2014)年より耐震化工事を行っており、平成33(2021)年 ※全般検査(在来線) : 8年以内に実施する在来線車両の全般のオーバーホール。 重要部検査: 4年以内または走行60万km以内(電車)、50万km以内(気動車) に実施する、在来線車両の重 要な装置のオーバーホール。 さらに、毎年実施している総合事故復旧訓練は、事故復旧即応体制 従事する社員等に対し安全に関する教育訓練を実施しています。特に の充実及び他系統の業務を学ぶ機会であり、平成27(2015)年度も、 運転業務に携わる社員(運転士、車掌、指令員、及び信号の取扱いや転 地震をはじめとする自然災害や、列車火災等が発生したとの想定で、 てつ器の操作を行う者等) には、担当業務ごとに定められた内容・時間 旅客避難誘導訓練、情報伝達訓練、脱線復旧訓練、沿線設備復旧訓練 に基づいて教育や訓練を実施しています。異常時において迅速かつ 等の実践的な訓練を実施しました。 確実に対応できるように、運輸系統の現業機関では、シミュレーター 脱線・逸脱防止対策 脱線状況等を踏まえ、平成21(2009)年より 「脱線防止ガード」 をレー 成 1 7( 2 0 0 5 )年には「 東 海 道 新 幹 線 早 当社では、安全・安定輸送を確保するため、運転業務や設備保守に 地震等災害対策(東海道新幹線) り脱線防止ガードの敷設が可 新幹線総合指令所 教育・訓練等の取組み まず実施し、その効果を確認しつつ、必要に応じ部材取替等の「全般的 平成16(2004)年に発生した、新潟県中越地震での上越新幹線の 東海道新幹線早期地震警報システム(テラス) 東海総合指令所 構造物の強化として、高架橋柱の耐震補強を高密度線区(ピーク1 大規模改修工事の概要 東海道新幹線は既に開業50年を超えていますが、その土木構造物 テラス ダ ス )」を 導 入した 後 も 強 化 を 続 け 、平 の向上等を実現しました。さらに、平成25 速度 ブレーキパターン 「 地 震 動 早 期 検 知 警 報 シ ス テ ム( ユ レ 加えて、通勤や出張の際に不測の事態に居合わせた場合も、社員が 装置を導入し、運転士や車掌の取扱い等の模擬訓練を実施しており、 お客様の安全確保のために職責をこえて乗務員等と一致協力し適切 他の系統でも、実際の車両や線路・架線・信号設備等の地上設備を使 に対応できるよう、平成28(2016)年度から全社員を対象に教育を開 用した様々な訓練を実施しています。このほか、総合研修センターで 始しました。社員としての心構えを含め、緊急時の具体的な対応方法 は、それぞれの職能に応じて専門的な知識・技能の教育を行っている に関する教育を毎年行っていきます。 ほか、各種資格の取得講習、車掌・運転士養成等を行っています。 総合事故復旧訓練 津波避難誘導訓練 駅輸送・車掌訓練装置 了しています。 りょう等についても、技術開発の成果により平成27(2015)年9月よ 構造物等の耐震化 東 海 道 新 幹 線 の 高 架 橋 柱 に つ い て は 、阪 神・淡 路 大 震 災 後 に 除き、耐震補強を完了しました。 実 施した 耐 震 診 断 により補 強 が 必 要と判 断した も の 及 び 平 成 1 5 さらに、 より一層の構造物の強化を図るため、橋脚・盛土の耐震補強を ( 2 0 0 3 )年に政 府 が 公 表した東 海 地 震 の「 想 定 地 震 波 形 」による強 進めてきました。橋脚は平成26 (2014) 年に施工を完了し、盛土は一部 く長い地震動が想定される区間のものについて、一部の協議案件を の協議案件を除き平成24 (2012) 年度末までに補強を完了しました。 5 東海旅客鉄道株式会社 会社概要 2016 東海旅客鉄道株式会社 会社概要 2016 6 輸送サービスの充実 最新車両N700Aの投入とN700系車両の改造 日本の大動脈輸送を担う東海道新幹線と東海 地域の在来線網を一体的に維持・発展させるとい う使命を果たすため、当社は輸送サービスの改 当社は、取替時期を迎えている700系の置き換え車両として、 「中 さらに 、N 7 0 0 系 以 来 の フ ル モ デ ル チェン ジ とな る 次 期 車 両 央締結ブレーキディスク」や「台車振動検知システム」、 「 定速走行装 「N700S」 について、平成32(2020)年度を目途に投入する方向で検 置」等、N700系以降の当社独自の技術開発成果を採用したN700A 討を進めています。 「 N700S」 には、さらなる省エネルギー化を図りつ 善に努めてきました。東海道新幹線が安全で正 の 投 入を進めてきました。平 成 2 8( 2 0 1 6 )年 度からは、さらに最 新 つ、より一層の安全性・安定性を向上させる新技術を採用するととも 確な点はもとより、高速、高頻度・大量といった点 の技術開発成果を反映させた新たなN700A(3次車)の投入を開始 に、徹底した機器の小型・軽量化により、床下機器配置の最適化を図る します。3次車では、新たなブレーキライニングの開発により地震ブ ことで、様々な編成長に適応可能な 「標準車両」 を実現します。今後、確 も、長年にわたる継続的な設備投資により、285 ㎞/hへの速度向上や 「のぞみ10本ダイヤ」 とい う形へ磨きあげられています。今後もさらなる輸 レーキの停止距離をさらに短縮したほか、パンタグラフ、台車、ATC 認試験車を平成30(2018)年3月頃までに製作し、営業車両(量産車) について走行中の車両データの監視機能を強化するなど、さらなる に反映する新技術の最終確認を行います。 安全性、安定性の向上、検査修繕コストの低減を図っています。3次 送サービスの充実に努め、競争力の維持・強化に 車まで含めてN700Aは平成31(2019)年までに計51編成を投入 向け継続的に取り組んでいきます。 する計画です。 一方、既存のN700系全80編成については、 「 中央締結ブレーキディ スク」 や 「定速走行装置」等、N700Aに採用した主な機能を取り込むこ とで、安全性・信頼性を向上させる改造工事を進め、平成27 (2015) 年 8月に完了しました。 東海道新幹線 こうした取組みにより平成31 (2019) 年度末には700系の置き換え 東 海 道 新 幹 線 は 、日 本 の3大 都 市 圏 で ある東 京 ~ 名 古 屋 ~ 大 阪を結 ぶ 大 動 脈として 、昭 和 3 9 が完了し、当社保有の新幹線車両の全てが最高速度285㎞/hで走行 (1964)年の開業以来、約59億人のお客様にご利用いただき、日本経済の成長を支えてきました。 可能なN700Aタイプに統一されます。 今後も安全・安定輸送の確保を最優先に、日本の大動脈輸送を担い続けていきます。 安 全 正 確 0 件 ○開業以来、乗車中のお客様が死傷される列車事故ゼロ ○人材教育・訓練による安全意識・技能の向上 ○安全関連設備への継続的投資 高 頻 度・大 量 358 445 本 285 注:平成27(2015)年度実績。自然災害等による遅延も含む 千人 ○1日当たりの列車本数 358本 ○座席数 ○1日当たりの輸送人員 445千人 1,323席 / 列車 注:平成27(2015)年度実績(臨時列車を含む) 注:平成27(2015)年度実績 ○広く、静かな車内空間 の運転が可能な「のぞみ10本ダイヤ」が実現しました。これは、新大阪駅において線 路1線とホーム1面の増設と折返し整備が可能な引上げ線を2線から4線に増設する 改良工事が完了したこと、N700Aタイプが一定編成数揃ったことによるものです。 現在、特にお客様のご利用の多い時間帯を中心に1時間に10本の「のぞみ」 を運転し ており、需要に合わせたより弾力的な列車設定を実施しています。 図 1 ■金曜日の例 時 15 16 17 18 19 20 21 発車時刻 00 00 00 00 00 00 00 10 10 10 10 10 10 10 (本/日) 13 13 13 13 20 20 20 20 20 20 23 23 23 23 23 23 23 30 30 30 30 30 30 40 40 40 40 40 40 47 47 47 47 47 50 50 50 50 50 50 53 53 53 53 53 53 のぞみ 273 231 ひかり 50 143 158 89 81 0 ’88.3 ’94.3 194 201 209 65 65 65 80 83 83 65 83 ’15.3 ’14.3 ’16.3 GDPと東海道新幹線輸送人キロの推移 GDP (億人キロ) 500 短縮され、最短2時間22分となりました。利便性の向上とともに、異常時等における 450 ダイヤの回復力が向上しています。 350 現在は、概ね毎時1本の「のぞみ」が285km/h運転をしています。平成28(2016) 年3月のダイヤ改正でも、最高速度285km/hで運転する 「のぞみ」 「こだま」 を増やし ました。今後も車両更新を進め、285km/h運転の列車を拡大していく予定です。 東海旅客鉄道株式会社 会社概要 2016 80 60 61 ’07.3 60 52 ’08.3 41 ’09.3 25 ’10.3 ’11.3 9 51 ’12.3 40 47 ’13.3 ’14.3 28 32 ’15.3 ’16.3 ’20.3 (計画) 400 465 460 469 東海道新幹線輸送人キロ 489 501 443 438 445 427 437 406 396 403 416 530 525 515 520 516 525 506 513 507 496 498 475 480 491 521 (兆円) 600 529 550 500 450 300 400 250 350 200 300 0 ’02.3 ’03.3 ’04.3 ’05.3 ’06.3 ’07.3 ’08.3 ’09.3 ’10.3 ’11.3 ’12.3 ’13.3 ’14.3 ’15.3 ’16.3 0 出典:GDP/ 「国民経済計算」 (内閣府) 在来線におけるサービス向上 在来線については、速達化、新型車両の投入、フリークエンシーの 386 384 395 387 384 確保等を行うことにより、新幹線と一体のネットワークを形成する 「ワ イドビュー」特急網を整備してきました。ご利用が好調な 「ワイドビュー 401 391 しなの」 「 ワイドビューひだ」等について多客期や沿線イベント開催時 139 136 300 139 132 132 133 130 138 134 135 などの需要にあわせ弾力的に増発や増結を実施しています。普通列 車については、朝夕の通勤時間 ワイドビューしなの 帯を中 心とした列 車 の 増 発・増 245 250 252 252 254 253 254 262 257 260 結や、快 速 列 車 体 系 の 整 備 、発 車時刻の等間隔化等、ご利用い ただきやすいダイヤの設定に努 0 145 ’05.3 381 391 358 350 200 100 389 こだま 290 34 400 定期外 100 342 300 (百万人) こだま 注1.臨時列車を含む運転本数の実数 2. 87.4当社発足、92.3「のぞみ」デビュー、03.10抜本的なダイヤ改正(1時間当たり最大で「のぞみ」7本) の最高速度が285km/hとなりました。これにより東京~新大阪間の所要時間は3分 80 60 「ワイドビュー」 と称する車両を投入するとともに、新幹線との接続の 定期 200 ひかり のぞみ 350 150 最大10本の 「のぞみ」 運転 ※ 「のぞみ」 のみ抜粋 (本/日) 400 、 1日の運転本数としては、お盆のピークとなった平成28(2016)年8月10 平成27年(2015)のダイヤ改正で、23年ぶりに速度向上が実現し、東海道新幹線 51 80 向上等のサービス向上を着実に進めてきました。特急列車については、 在来線輸送人員の推移 1時間に お客様の ご利用の多い 金曜の夕方等 東海道新幹線の実運転本数の推移 図2 250 東海道新幹線の速度向上 80 防犯カメラ (デッキ部設置イメージ) に貢献しています。 「のぞみ10本ダイヤ」 の例 東海道・山陽新幹線時刻表 [東京駅下り (2016年6月) ] 図1 こうした列車設定により、平成27(2015)年度の1日当たりの運転本数は358本と 日に過去最高となる432本を記録しました。 80 25 19 60 を施します。 ネットワークを形成し、名古屋・静岡を中心とする東海地域の社会・経済 注:東海道新幹線:N700系「のぞみ」、航空機:B777-200との比較 成26(2014)年には、ほぼすべての時間帯で1時間当たり片道最大10本の「のぞみ」 13 注:数値は各年度末時点の編成数(保留車等を除く) 当社の運営する12線区の在来線は、東海道新幹線と一体になった ○東京~大阪間を移動する際の1座席当たりの エネルギー消費量は航空機の約8分の1 ○同様にCO2排出量は約12分の1 当社はこれまで運転本数を順次増加させ、輸送サービスを向上させてきました。平 7 80 在来線 約 平成4 (1992)年に登場した東海道新幹線の最速列車である 「のぞみ」 について、 図2 64 快 適 「のぞみ10本ダイヤ」 と弾力的な列車設定 なり 0 48 60 60 30 32 N700A 防犯カメラを増設します。あわせて、防犯カメラと非常ブザーを連動 1/8 1/12 約 90 6 16 N700 系 させ、運転台や車掌室で乗務員が即座に状況を把握できるように改良 注:平成28(2016)年3月ダイヤ改正時点(最速列車による到達時間) 環境適合性 120 700 系 さらなるセキュリティ向上を図るため、客室内及びデッキ通路部にも ○最高速度 285km/h ○東京~新大阪間 2時間22分 ○平均遅延時分 0.2分 / 運行1列車 300 系 現在、N700Aタイプのデッキ部に防犯カメラを設置していますが、 km/h 分 (編成) 150 客室内等への車内防犯カメラ増設 高 速 0.2 東海道新幹線の車種別編成数の推移 ’07.3 ’08.3 ’09.3 ’10.3 ’11.3 ’12.3 ’13.3 ’14.3 ’15.3 ’16.3 めています。 車両の新製 橋上駅舎化、自由通路新設及び新駅の設置 在 来 線 車 両 につ い て は 、会 社 発 足 当 初 より計 画 的 に 、省 エ ネ ル 当社は、沿線自治体との協議に基づき、橋上駅舎化や自由通路新設 ギ ーやバリアフリー 、乗り心 地 等に配 慮した 最 新 の 車 両を新 製・投 を実施しています。平成27(2015)年度には安倍川駅の共用を開始 入してきました。近年では、新型気動車キハ25形(2次車)を平成26 しました。平成28(2016)年度は草薙駅、新所原駅、高山駅、春日井駅 (2014)年度に高山本線・太多線に16両、平成27(2015)年度に紀 の供用を開始予定です。また、かねてより磐田市から要望のあった東 勢本線・参宮線に36両投入し、 平成28(2016)年3月には、当 キハ25形 (2次車) 海道本線袋井駅・磐田駅間にお ける新駅の設置について、平成 社の在来線気動車がすべて会 2 6( 2 0 1 4 )年に磐 田 市 等と協 社 発 足 以 降に新 製した 車 両と 定を締 結しました。現 在 工 事を なりました。 進めており、平成31(2019)年 高山駅完成予想図 度末の開業を予定しています。 東海旅客鉄道株式会社 会社概要 2016 8 所要時間 (最速) 超電導リニアによる 中央新幹線計画の推進 40 67 営業速度 500 分 東京都~大阪市 km/h 当社は、自らの使命であり経営の 生 命 線である首 都 圏~中 京 圏~近 畿圏を結ぶ高速鉄道 の 運 営を持 続 営業施策の強化 東京都~名古屋市 当社では、東海道新幹線のビジネスでのご利用の利 分 便性を高めると同時に、さらなる増収に向けて、地域や ターゲットごとに様々なキャンペーンや商品を展開し、 中央新幹線 (東京都・名古屋市間) の路線 するとともに、企 業としての 存 立 基 山梨県 盤 を 将 来 にわ たり確 保して いくた 多様な情報媒体・販売チャネルを通じて観光需要の喚 東京都 長野県 岐阜県 め、超電導リニアによる中央新幹線 神奈川県 計画を全国新幹線鉄道整備法 (以下、 凡 起にも取り組んでいます。 「EXサービス ※1 」 会員数 ※2 例 :計画路線 「全幹法」 という。)に基づき、進めて :山梨リニア実験線 います。 :駅 この地図は、国土地理院長の承認を得て、同 院発行の100万分の1日本を複製したもので ある。 (承認番号 平25情複、第310号) N 静岡県 愛知県 0 25 50km 日本の大動脈輸送を担う東海道新幹線は、開業から50年以上が経過 の確保と競争力強化に必要な投資を行うとともに、健全経営と安定配当 し、鉄道路線の建設・実現に長い期間を要することを踏まえれば、将来の を堅持し、柔軟性を発揮しながら着実に取り組みます。その上で、まずは 経年劣化や大規模災害に対する抜本的な備えを考えなければなりませ 東京都・名古屋市間を実現し、さらに、経営体力を回復させた上で、速や ん。また、東日本大震災を踏まえ、大動脈輸送の二重系化により災害リス かに大阪市まで実現することとしています。 クに備える重要性がさらに高まっています。このため、その役割を代替 なお、当社は、全幹法の適用により経営の自由や投資の自主性等民間 する中央新幹線について、自己負担を前提に、当社が開発してきた超電 企業としての原則が阻害されることがないことを確認するため、法律の 導リニアにより可及的速やかに実現し、東海道新幹線と一元的に経営し 適用にかかる基本的な事項を国土交通省に照会し、平成20 (2008) 年1 ていくこととしています。 月にその旨の回答を得ています。 説明会を開催しました。さらに、南アルプストンネル新設(山梨工区)工 に進み、当社は、平成23(2011)年5月に建設の指示を受けて以降、第 事については平成27(2015)年12月に、品川駅新設(北工区・南工区) 一局面として進める東京都・名古屋市間において、環境アセスメントの 工事については平成28(2016)年1月に安全祈願・起工式を執り行い、 手続きを進め、平成26(2014)年8月に最終的な環境影響評価書を国 本 格 的な土 木 工 事に 土交通大臣及び関係自治体の長へ送付するとともに、公告しました。ま 着手しました。平成28 た、環境アセスメントの手続きと並行して工事実施計画の認可申請に ( 2 0 1 6 )年 度 は 中 央 必要な準備を進め、最終的な環境影響評価書の送付と同日に、国土交 新幹線計画の推進の 通大臣に対し、品川・名古屋間の工事実施計画 (その1) の認可申請を行 た めに 1 , 1 3 0 億 円 の い、10月に認可を受けました。 設備投資額を計上して これまでに、沿線各地において地区ごとの事業計画等、地域に密着し 引き続き地域との連 単位で事業説明会を開催しました。また、路線の中心位置を明らかにす 携を密にしな がら、工 るための中心線測量について、予定していた沿線6都県で作業を進める 事 の 安 全 と環 境 の 保 とともに、補償の考え方等をご説明するための用地説明会を開催する 全を重 視し、工 事を着 など、今後の工事に向けた準備を進めました。さらに、南アルプストンネ 実に進めます。 ルや品川駅等で工事契約を締結し、このうち一部の工事では工事概要 建設線 区間 中央新幹線 東京都・大阪市 走行方式 超電導磁気 浮上方式 最高 設計速度 505キロ メートル/時 建設に要する 費用の概算額 (車両費を含む) 90,300億円 その他 必要な事項 主要な 経過地 第4条 第5条 基本計画 調査指示 第14条の2 交通政策審議会 環境 アセスメント 昭和48(1973)年11月決定 地形地質調査 平成2(1990)年2月指示 →平成20(2008)年10月報告 4項目調査 ※1 平成20(2008)年12月指示 →平成21(2009)年12月報告 第6条 営業主体・ 建設主体指名 平成23(2011)年5月18日同意 →平成23(2011)年5月20日指名 第7条 整備計画 ※2 平成23(2011)年5月23日同意 →平成23(2011)年5月26日決定 第8条 建設の指示 平成23(2011)年5月27日指示 第9条 工事実施計画※3 平成26(2014)年8月26日認可申請 →平成26(2014)年10月17日認可 工事着手 9 東海旅客鉄道株式会社 会社概要 2016 「エクスプレス予約」 実績の推移 駅 線路延長 品川・名古屋間 品川駅、神奈川県 (仮称) 駅、 山梨県 (仮称) 駅、長野県 (仮称) 駅、 岐阜県 (仮称) 駅、名古屋駅 285.6km 工事費 完成予定時期 利用件数 (平日1日平均) 会員数 会員数 (万人) 300 「エクスプレス予約」 「 プラスEX」 (千件) 180 289 155 266 両サービスの会員は、スマートフォンなどでご希望の指定席を予約すれば、専用のICカードを自動改札機にタッチ 250 するだけで、新幹線にスピーディーにご乗車いただけます。駅のきっぷうりばに立ち寄る必要もなく、 トータルの移 200 動時間を大幅に短縮できます。また、手数料なしで何度でも予約変更が可能なため、1時間当たり片道最大で10本の 150 「のぞみ」が運行するなか、お客様のご都合に合わせて最も便利な列車をご利用いただけます。平成28(2016)年 100 60 50 30 3月時点で、両サービスの会員数は289万人、平日一日あたりの利用件数は約16万件となっています。 また、両サービスの会員のお客さまにビジネス目的でのご利用だけでなく、土休日等に観光目的で新幹線をご利 東海道・山陽新幹線の新しいネット予約・チケットレス乗車サービス 「エクスプレス予約」 「 、プラスEX」 会員以外の方にも一層便利にご利用いただけるよ う、平成29 (2017) 年夏のサービス開始を目標に、東海道・山陽新幹線に新しいネット 0 198 119 110 ’12.3 236 217 134 138 150 120 90 ’13.3 ’14.3 ’15.3 ’16.3 0 ※1 会員数は各月末の実績で、JR東海及びJR西日本の合計 ※2 ’ 13.3より 「プラスEX」 会員を含む 新しいネット予約・チケットレス乗車サービス[平成29(2017)年夏サービス開始] 1.利用登録 予約・チケットレス乗車サービスを導入します。このサービスは、 クレジットカードと既に 広く普及した交通系ICカードさえあれば、すぐにご利用いただけます。また、訪日外国 2.予約 3.乗車 タッチ! クレジット カード 人の方には、外国語でご利用いただけるよう準備を進めています。 より多くのお客様に思い立った際にすぐに新幹線をご予約いただけ、 また、直前まで 自由に予約変更できるネット予約・チケットレス乗車サービスをご利用いただけること で、新幹線の利便性が一層向上します。 交通系ICカード 観光需要喚起のための取組み 各種観光キャンペーンの展開 当社エリアの恒久的な観光資源である京都・奈良等については 「そうだ 地域との連携の強化 京都、行こう。」 キャンペーン等を継続的に実施し、主に首都圏から関西圏への新幹線のご利用を促進して います。 40,158億円 [総工事費は55,235億円 (車両費を含む。山梨リニ ア実験線既設分は除く) ] 平成39 (2027) 年 光キャンペーンも展開しており、今後も沿線のイベントと連動した旅行商品の拡充などを通 方々と連携して展開しています。 50+ (フィフティ・プラス) 当社では50歳以上のお客様ならどなたでもご入会頂ける旅クラブ「50+」 を運営してお り、平成27(2015)年度末時点の会員数は約83万人、同年度の「50+」ブランド商品のご 利用はのべ約22万人となっています。会員の方には会員誌やWEBを通じて旬な観光情報 をお伝えするとともに、神社仏閣の特別拝観等が楽しめるツアーをはじめとした専用旅行商 海外のお客様向けの商品展開 旅行会社と連携し、訪日観光客の拡大に寄与するとともに、東海道新幹線の観光需要喚 起を図る目的で、 「 FLEX JAPAN」 というブランドにより、インターネット等を通じて海外向 けに旅行商品等を販売しています。 このほか、沿線の自治体や地元の交通事業者等と連携し、 「 高山・北陸」、 「 伊勢・熊野・和歌 山」、 「 立山黒部アルペンルート」、 「 富士山・静岡」等のエリアを対象に訪日外国人旅行者向 けの周遊商品を販売しています。 Shupo (シュポ) 資源をご紹介する 「Shupo[シュ ポ ]」キャン ペ ー ン 等 を 地 元 の 品をご案内しています。 27 (2015) 年4月には、1日の走行距離が過去最高の4,064㎞を記録したほか、速度603㎞/ hを記録し鉄道の世界最高速度を更新しました。 今後も、営業線仕様の車両及び設備により、営業運転に対応した保守体系の確立に向けた検 証を行うとともに、超電導リニア技術のブラッシュアップと営業線の建設・運営・保守のコスト ダウンに取り組んでいきます。 また、平成26 (2014) 年度から、 「 超電導リニア体験乗車」 を実施し、累計3万人を超える多 くの方々に速度500km/h走行を体験していただいており、 「 乗り心地が良い」 といったご感 想をいただくなど、超電導リニア技術の完成度の高さを実感していただいています。平成28 年度も引き続き計画的に実施します。 在来線特急列車のご利用促進 を目的に、当社沿線の数ある観光 平成28(2016)年度は、5月のサミット開催で注目の集まる伊勢志摩等を対象とした観 じ、首都圏、名古屋圏、関西圏の間で相互にご利用促進を図っていきます。 山梨リニア実験線における取組み 当社は、従来から、中央新幹線を実現する際には、その先進性や高速性から超電導リニアの 採用が最もふさわしいと考え、技術開発を進めてきました。 平成9 (1997) 年4月には、山梨リニア実験線の先行区間18.4kmにおいて走行試験を開始 しました。超電導リニアの技術レベルについては、各段階で評価されており、平成21 (2009) 年7月の国土交通省の超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会において、既に営業運転 に支障のないレベルに到達していることが確認され、平成23 (2011) 年12月には、国土交通 大臣により超電導リニアに関する技術基準が制定されました。 平成25 (2013) 年8月、山梨リニア実験線では、42.8kmへの延伸及び設備の全面的な更 新工事を完了し、営業線仕様の車両L0 (エル・ゼロ) 系による走行試験を開始しました。 平成 ※1 「EXサービス」 はJR東海とJR西日本が提供する 「エクスプレス予約」及びJR東海 が提供する 「プラスEX」 を指します ※2 平成28(2016)年3月時点 平成22(2010)年2月24日諮問 →平成23(2011)年5月12日答申 ※3 品川・名古屋間工事実施計画 (その1) の概要 区間 甲府市附近、 赤石山脈 (南アルプス) 中南部、 名古屋市附近、奈良市附近 全国新幹線鉄道整備法の手続きの流れ ※1 4項目調査 ●輸送需要量に対応する供給輸送力等に関する事項 ●施設及び車両の技術の開発に関する事項 ●建設に要する費用に関する事項 ●その他必要な事項 や安全対策等について地域にお住まいの方へご説明するための工事 (注)建設に要する費用の概算額には、利子を含みません。 図1 います。 た内容をきめ細やかにご説明するため、市区町村単位及び自治会等の ※2 整備計画の内容 千件 え、 「 IC早特タイプ21」 「 、一緒に☆こだま早特」 等、家族・グループ向けの新たな商品を投入しました。 計画の進捗状況 の通り 万人 用いただけるよう、観光型商品を拡充しています。平成27 (2015) 年度は 「EXファミリー早特」 等の既存の商品に加 このプロジェクトの完遂に向けて、鉄道事業における安全・安定輸送 図1 289 155 東海道新幹線の利便性を向上する取組み 超電導リニアによる中央新幹線計画の意義~健全経営と安定配当を堅持して計画を推進 中央新幹線(東京都・大阪市間)の全幹法の手続きは 「EXサービス ※1 」利用実績 (平日1日)※2 また、当 社 の 駅を起 点に沿 線 の 観 光 スポットを歩 い て 巡る参 加 費 無 料 の「 さわや かウォー キ ング 」は、地 域と密 着したイベン トとして 定 着して おり、平 成 2 8 ( 2 0 1 6 )年 1 0 月に2 5 周 年を迎 えます 。今 後 も 地 元と連 携を強 化し、魅力的なコースを設定して Japan Highlights Travel いきます。 また、東 海 道 新 幹 線 沿 線 の 観 光情報を集約したポータルサイト 「Japan Highlights Travel」 ( 日 本 語 に 加 え 、英 語 等 に も 対 応)は、引き続き沿線の自治体や 観光協会と連携して旅行需要の 喚起を図っていきます。 東海旅客鉄道株式会社 会社概要 2016 10 技術開発・技術力強化への取組み 関連事業展開 鉄道事業は、様々な技術を持つ社員が協力して着実に業務を執行 するとともに、車両、土木構造物、軌道、電力、信号通信等の様々な設 より一層の安全確保や将来の経営基盤強化のためには、そのベース となる技術力を不断に高めることが重要です。 されるように、駅立地を十分に活か 自社研究施設 (愛知県小牧市) 小牧研究施設での技術開発の推進 当社は名古屋駅のJRセントラルタ ワーズやJRゲートタワー計画に代表 備が有機的に機能することで成り立っています。鉄道事業にとって、 すことができる事業をはじめ、鉄道 事業との相乗効果が期待できる分野 当社の将来を支える技術開発の取組みをさらに強化するとともに、技術力の向上と人 を中心に収益基盤の拡充に努めてき 材の育成を図るため、平成14(2002)年7月、愛知県小牧市に当社独自の研究施設を開設 ました。今後もグループ会社と一体 し、研究開発を推進しています。小牧研究施設の大きな特長は、実物大の試験装置を使っ となって事業を展開することで、収益 て技術開発を行っている点です。発足からの14年間で試験装置を充実させながら、N700 及び利益の拡大を図っていきます。 系・N700A車両の開発や東海道新幹線の脱線逸脱防止対策、新幹線土木構造物の大規 模改修工法や新幹線用次世代架線など、当社独自の技術開発成果を挙げてきました。 JRグループの事業展開 高速鉄道システムの海外展開 当社は、世界最高水準の高速鉄道に関する総合的な技術力を活用 道においては平成26 し、海外における高速鉄道プロジェクトへのコンサルティング事業を ( 2 0 1 4 )年 より技 術 推進しています。高速鉄道システムの海外展開は、高速鉄道市場の コン サ ル ティン グ を 拡大に伴う国内各メーカーの技術・技能の維持強化、資機材の安定 実施してきました。 供給、鉄道関係機器の技術革新やコストダウンにつながる有意義な 取組みと考えています。 海外展開の対象路線 さ ら に 、一 般 社 団 法 人 国 際 高 速 米 国テキサスプロジェクトについては、東 海 道 新 幹 線 型 のトータ SCMAGLEVの対象路線: を 通じて 、 「Crash ともに、平 成 2 8 ( 2 0 1 6 )年 5 月には現 地 子 会 社を設 立するなど、開 Avoidance(衝突回 ニューヨーク ボルチモア N700-I Bulletの対象路線: テキサス州ダラス〜ヒューストン間 ワシントンD.C. ダラス 避 )」の 原 則に基 づく 国 北 東 回 廊 プロジェクトにつ いては、引き続き超 電 導リニアシステ 日本 型 高 速 鉄 道シス ム「 S C M A G LE V 」のプロモーション活 動を行っており、台 湾高速鉄 テムを国際的な標準とする取組みを継続しています。 の負荷が少ないという優位性があります。当社は、車両の省エネルギー 化等、鉄道運行に係るエネルギー効率を一層高めることで、直接的な環 境負荷を低減することに加え、地球環境への負荷が少ない鉄道を一人 でも多くのお客さまに選択・利用していただくことで、運輸部門全体と しての環境負荷が抑制され、地球環境保全につながると考えています。 旅客輸送における輸送量とCO 2 排出量において、鉄道は国内全体 では5%を占めるにすぎません。東海道新幹線(N700系「のぞみ」) と 航空機(B777-200) を比較した場合、東京~大阪間を移動する際の 1座席あたりのエネルギー消費量は約8分の1、CO 2 排出量では約12 分の1であり、東海道新幹線は圧倒的な環境優位性を有しています。 東海道新幹線と航空機の比較 (東京〜大阪) 名古屋駅直上の複合型超高層駅ビルであるJRセントラルタワーズ オフィス、百貨店 (ジェイアール名古屋タカシマヤ) 、ホテル (名古屋マリ (以下、 「タワーズ」 という。) は、高さ245m、延床面積約417,000㎡を オットアソシアホテル)等の事業を展開しています。平成12(2000)年 当社では、新幹線の一層の省エネルギー化を図るため、省エネ型車 は、平成19(2007)年度からの5年間で80編成を集中投入しました。 最新型車両N700Aは平成27(2015)年度までに25編成を投入して おり、平成28(2016)年度から平成31(2019)年度にかけてさらに 航空機の 新幹線 約1/8 N700系「のぞみ」 航空機 746MJ ※2 ※1 4.2kg-CO2 50kg-CO 2 B777-200 ※2 ※1.走行実績(当社分) に基づく算出 N700系「のぞみ」 ( 東京〜新大阪) ※2.ANA「アニュアルレポート 2011」 を参考に当社算出 B777-200(羽田〜伊丹・関空) 270km/hで走行した場合の 300系に対して23%、700系 の高さと眠り心地の良さを追求し、上質感と機能性を備えた宿泊主体 す。高さ約220m、延床面積は約260,000㎡と概ねタワーズの6割程度 型のホテルとします。 また、タワーズとあわせた店舗数が日本最大級となるレストランフ 名古屋駅周辺地区にさらなる賑わいをもたらします。 JR東海グループ ロアに加え、家電量販店、フィットネスクラブ、保育施設、医療施設等も での効率的な運営の観点から、 ビル全体の管理・運営はジェイアールセ 入居します。 業施設に加え、 「名古屋JRゲートタワーホテル」 が入居します。 ビル建設工事は平成27(2015)年12月に上棟し、順調に進んでい ます。オフィスリーシングも順調に進捗しており、平成28 (2016) 年11 「タカシマヤ ゲートタワーモール」 は、約150のファッション・雑貨等 月のオフィス入居開始、平成29 (2017) 年4月の 「タカシマヤ ゲートタ のショップを集積し、現在のジェイアール名古屋タカシマヤでは捉え ワーモール」 及び 「名古屋JRゲートタワーホテル」 開業に向け、最盛期を きれていないカテゴリー・価格帯のショップを取り揃えることで、二館 迎える内装・設備工事を着実に進めていくとともに、営業・宣伝活動を本 一体となった効果的な展開を図っていきます。 格化するなど、万全の準備を行っていきます。 JRゲートタワー (左) とJRセントラルタワーズ (中央・右) 「タカシマヤ ゲートタワーモール」 完成イメージ 「名古屋JRゲートタワーホテル」 完成イメージ 東海道新幹線の車種別電力消費量の比較 270km/h 270km/h に対して 1 6%の 削 減となり、 △23% △16% 285km/h 速 度 向 上 を 実 現しつ つ 、顕 著 なエネルギー消費の改善を示 しています。その結果、平成27 「名古屋JRゲートタワーホテル」 は全350室で、駅直結という利便性 バスターミナル、駐車場で構成される高層複合ビルを建設する計画で ントラルビル株式会社が行い、 「タカシマヤ ゲートタワーモール」 等の商 両の開発・投入を積極的に行っています。主力となっているN700系 ネル ギー 消 費 量は、最 高 速 度 の全面開業により、当社の関連事業収益は大きく増加しました。 100% 92% 77% ( 2 0 1 5 )年 度 末 の 段 階 で エ ■ CO₂排出量 (1座席当たり) ■エネルギー消費量 (1座席当たり) B777-200 省エネ型車両の投入 東京~新大阪を最高速度285km/hで走行した場合のN700Aのエ の旅客輸送量のうち29%を担っているにもかかわらず、CO 2 排出量 航空機 JRセントラルタワーズ JRゲートタワー計画は、 タワーズの隣に、 オフィス、商業施設、 ホテル、 26編成を追加投入する予定です。 鉄道の環境優位性 ※1 行っています。 の規模で、タワーズと一体で利便性の高い魅力ある都市空間を創造し、 鉄道には他の輸送機関に比べてエネルギー効率が高く、地球環境へ 90MJ いるほか、鉄道車両等の製造、各種鉄道設備の保守・検査・修繕等を 売サービスを行っています。不動産部門では、駅部及び高架下の開発 JRゲートタワー計画 地球環境保全 N700系「のぞみ」 は、主要駅におけるホテル事業や旅行業、広告代理店業等を展開して 力を活かして、百貨店の運営や、駅・車内における物品・飲食物等の販 誇る当社グループの関連事業の中核であり、当社の連結子会社3社が ヒューストン 発主体であるTCP社への技術支援の準備を進めています。また、米 新幹線 や、駅ビル等の不動産賃貸等を行っています。その他の事業部門で 北東回廊(ワシントンD.C.〜ニューヨーク間) 鉄 道 協 会( I H R A ) ルシステム「 N 7 0 0 - I B u l l e t 」の プロモーション活 動を推 進すると 当社グループは運輸、流通、不動産、その他の各事業を展開してい ます。運輸部門は、鉄道事業とバス事業、流通部門では、鉄道の集客 航空機の 約1/12 ネルギー消費原単位 ※ を平成 2(1990)年度比で約33%改 善しています。今 後 、N 7 0 0 A の投入を進めることにより、さ らなる省エネル ギー 化に努め ます。 その他の取り組み 300系 (1992) 700系 (1999) N700A (2013) ※東京〜新大阪下りを上記の最高速度で走行した場合の シミュレーション ※当社では、事業活動と最も関連性の高い値として車両走行キロの統計を用い、エネルギー消費源単位を [車両 1両を1km運行する際に消費するエネルギー量] と定義しています。 流通事業については、取扱商品の刷新や店舗のリニューアル等を ニューアルを実施していきます。 進めることにより集客力や商品力を高めています。また、不動産事業 そのほか、沿線の魅力的な商品を紹介するサイト 「いいもの探訪」 を においては、平成27(2015)年度に、名古屋駅構内のレストランゾー 通じて地域活性化に取り組むとともに、平成28 (2016) 年内のネット通 ン「 名 古 屋うまいもん 通り」等 のリニューアルを実 施しました。平 成 信販売事業の開始に向けた準備を進めていきます。 28(2016)年度も引き続き既存の駅ビル等の商業施設においてリ 11 東海旅客鉄道株式会社 会社概要 2016 東海旅客鉄道株式会社 会社概要 2016 12 輸送の状況 財務状況など 旅客運輸収入 旅客輸送人キロ 新幹線 合計 定期外 (億円) 12,000 11,000 10,696 10,110 10,530 10,000 9,000 11,434 11,138 11,265 10,967 定期 11,920 合計 定期外 定期 11,752 50,000 45,000 9,944 40,000 44,303 平成28 平成27 平成26 平成25 平成24 (2012)年 (2013)年 (2014)年 (2015)年 (2016)年 3月期 3月期 3月期 3月期 3月期 (億円) 50,734 48,744 47,429 45,540 42,915 50,134 48,873 46,930 35,000 166 166 169 171 168 2,000 1,391 1,389 1,444 1,431 1,390 1,000 0 ’12.3 ’13.3 ’14.3 ’15.3 0 ’16.3 ’12.3 在来線 ’13.3 ’14.3 ’15.3 970 994 1,009 10,000 1,026 997 9,229 9,038 8,952 9,069 629 653 666 687 657 6,000 5,490 5,588 5,463 600 400 340 340 2,000 200 0 ’12.3 ’13.3 ’14.3 ’15.3 (百万人) 160 143 149 155 135 140 140 120 129 定期外 157 143 定期 163 148 14 14 15 14 15 10 ’12.3 ’13.3 ’14.3 ’15.3 ’16.3 在来線 300 3,587 3,734 ’12.3 ’13.3 ’14.3 ’15.3 ’16.3 在来線 合計 定期外 1,123 1,129 1,146 1,168 1,201 1,000 906 913 930 954 981 387 395 254 253 260 391 257 401 262 200 130 133 135 134 138 100 ’12.3 ’13.3 ’14.3 ’15.3 ’16.3 400 217 217 216 214 220 ’12.3 ’13.3 ’14.3 ’15.3 ’16.3 0 (千人 / 日) 200 205 150 97 100 78 0 66 59 37 名古屋 東京 新大阪 金山 静岡 京都 36 浜松 注:東京・新大阪・京都・品川・新横浜については、新幹線のみの乗車人員 13 東海旅客鉄道株式会社 会社概要 2016 11,579 11,656 11,597 34 品川 33 32 刈谷 新横浜 輸 資本金 資本比率 (百万円) (%) 社名 ジェイアール東海バス (株) 1,747 100.0 ジェイアール東海物流(株) 300 90.0 (株)東海交通事業 事業の内容 バス事業 貨物運送業 295 100.0 (株) ジェイアール東海髙島屋 10,000 59.2 (株)ジェイアール東海パッセンジャーズ 998 100.0 売・小売業、飲 卸 食業 700 100.0 卸 売・小売業 ジ ェイアール東海フードサービス(株) 295 51.6 飲 食業 鉄道事業、受託事業 百貨店業 営業利益 3,725 4,261 4,946 5,065 5,786 親会社株主に帰属する当期純利益 ※1 1,327 1,999 2,556 2,641 3,374 総資産 52,140 52,311 51,781 52,179 52,685 自己資本 13,216 15,133 17,537 20,201 23,163 25.3% 28.9% 33.9% 38.7% 44.0% ジ ェイアール東海商事(株) 100 70.0 卸売・小売業 7.1% 8.2% 9.5% 9.7% 11.0% ジェイアールセントラルビル(株) 45,000 100.0 不動産賃貸業 10.5% 14.1% 15.7% 14.0% 15.6% (円) (円) (円) (円) (円) ジェイアール東海不動産(株) 16,500 100.0 不動産賃貸・販売業 9,500.00 105.00 115.00 120.00 125.00 新横浜ステーション開発(株) 9,304 100.0 不動産賃貸業 豊橋ステーションビル(株) 1,880 52.5 不動産賃貸業 東京ステーション開発(株) 1,750 100.0 不動産賃貸業 産 静岡ターミナル開発(株) 624 67.0 不動産賃貸業 浜松ターミナル開発(株) 600 76.8 不動産賃貸業 流 (株) 通 東海キヨスク 不 動 (億円) (億円) (億円) (億円) (億円) 営業収益 ¥11,845 ¥12,450 ¥12,772 ¥13,066 ¥13,579 営業費用 8,390 8,459 8,163 8,311 8,003 営業利益 3,455 3,991 4,608 4,754 5,576 当期純利益 1,208 1,878 2,403 2,602 3,286 総資産 50,335 50,429 49,860 50,134 50,594 そ 自己資本 12,582 14,363 16,613 19,310 22,199 の 25.0% 28.5% 33.3% 38.5% 43.9% 6.8% 7.9% 9.2% 9.5% 11.1% 自己資本比率 総資産営業利益率 自己資本当期純利益率 10.0% 13.9% 15.5% 14.5% 15.8% (円) (円) (円) (円) (円) 9,500.00 105.00 115.00 120.00 125.00 ※:平成24(2012)年10月1日を効力発生日として、普通株式1株を100株に分割し、 1単元の株式の数を100株とする 単元株制度を採用。これに伴い、平成25(2013)年3月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純 資産額及び1株当たり当期純利益を算定。 50 0 11,591 1株当たり年間配当金額 ※ 乗車人員ベスト10駅[平成27(2015)年度] 384 11,358 運 平成28 平成27 平成26 平成25 平成24 (2012)年 (2013)年 (2014)年 (2015)年 (2016)年 3月期 3月期 3月期 3月期 3月期 定期 (百万キロ) 1,200 200 0 400 3,641 600 80 (百万人) 3,575 800 100 20 3,462 客車走行キロ 合計 営業費用 0 ’16.3 旅客輸送人員 新幹線 ¥17,384 部 門 単体 4,000 339 340 343 ¥16,722 ※1: 「企業結合に関する会計基準」 ( 企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、平成28(2016)年3月期よ り、 「 当期純利益」 を 「親会社株主に帰属する当期純利益」 としている。 ※2:平成24(2012)年10月1日を効力発生日として、普通株式1株を100株に分割し、 1単元の株式の数を100株とす る単元株制度を採用。これに伴い、平成25(2013)年3月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当た り純資産額及び1株当たり当期純利益を算定。 5,568 5,481 (億円) ¥16,525 1株当たり年間配当金額 ※2 8,000 800 (億円) ¥15,853 自己資本当期純利益率 9,302 (億円) ¥15,083 総資産営業利益率 (百万人キロ) 1,200 (億円) 営業収益 自己資本比率 ’16.3 在来線 (億円) 連結子会社一覧表 連結 52,166 55,000 100 1,000 新幹線 (百万人キロ) 8,000 200 財 務 ハ イ ラ イト 名古屋ステーション開発(株) 480 100.0 不動産賃貸業 ジェイアール東海静岡開発(株) 363 100.0 不動産賃貸業 ジェイアール東海関西開発(株) 30 100.0 不動産賃貸業 (株) ジェイアール東海ホテルズ 14.000 (株) ジェイアール東海ツアーズ 490 70.0 旅行業 (株)ジェイアール東海エージェンシー 100.0 ホテル業 61 90.0 広告業 11,810 51.2 鉄道車両等製造業 ジェイアール東海建設(株) 300 100.0 中央リネンサプライ (株) 150 日本車輌製造(株) 他 ジェイアール東海情報システム(株) 建設業 87.6 リネンサプライ業 システム開発、 改修及び運営 100 100.0 100 92.1 JR東海財務マネジメント (株) 80 100.0 経理業務受託事業 及び金融業 東海交通機械(株) 80 88.4 車両、機械設備等の 検査及び修繕 ジェイアール東海コンサルタンツ(株) 50 100.0 建設コンサルタント業 日本機械保線(株) 軌道等の保守 及び修繕 注:上記の他、持分法適用関連会社2社 新生テクノス (株)、鉄道情報システム (株) 本 社 、そ の 他 の 主 な 事 業 所[平成28(2016)年6月現在] 本社 〒450-6101 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 JRセントラルタワーズ 新幹線鉄道事業本部 〒100-0005 東京都千代田区丸の内一丁目9番1号 丸の内中央ビル 本社(東京) 〒108-8204 東京都港区港南二丁目1番85号 JR東海品川ビルA棟 関西支社 〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原一丁目1番1号 新大阪阪急ビル10F 東海鉄道事業本部 〒453-8520 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目3番4号 JR東海太閤ビル ワシントン事務所 900 17th Street, N.W., Suite 520, Washington, DC 20006, U.S.A. 静岡支社 〒420-0851 静岡県静岡市葵区黒金町4番地 ロンドン事務所 三重支店 〒514-0009 三重県津市羽所町700番地 アスト津12F シドニー事務所 飯田支店 〒395-0000 長野県飯田市上飯田5356番地 6th Floor, 4 Eastcheap, EC3M 1AE, London, U.K. Suite 5.01A, Level5, 20 Hunter Street, Sydney, NSW 2000, Australia 見通し等に関する注意事項 本誌に記載されている将来の計画や見込み数値等は、当社が現在入手可能な情報に基づく見通しであり、 リスクや不確実性を含んでいます。潜在的なリスクや不確 実性の例としては、経済動向や事業環境、消費動向、当社及び子会社における他社との競合状況、法律や規制等の変更などが挙げられます。 なお、本誌は、原則として平成27 (2015) 年5月末までの情報に基づき作成されています。 ●金額は単位未満を切り捨て、その他の数値は単位未満を四捨五入して表示しています。 東海旅客鉄道株式会社 会社概要 2016 14
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