平成12年度(337KB)

CODEN:KEKNAP
ISSN:0451-3150
神奈川県
衛生研究所 年報
平成 12 年度 (2000)
50 号
平成 13 年8月
目
次
まえがき
1
沿革
2
機構
3
4
1
(1)現員配置表
2
(2)組織別職員表
2
(3)事業体系
4
施設・設備
(1)土地・建物
5
(2)物品
5
(3)雑誌一覧
7
経理概要
(1) 平成 12 年度歳入歳出決算
(2)一般衛生検査手数料(年次比較)
7
11
5
管理運営
11
6
検査件数
12
7
研修活動
(1)衛生部研修事業(衛生研究所分担分)
17
(2)平成 12 年度研修生受け入れ
18
(3)当所職員を講師とする研修・講演
18
(4)見学・視察者一覧
20
(5)取材等一覧
20
(6)施設公開等行事
20
8
定期刊行物
9
各部の業務概要と調査研究課題
10
21
(1)業務概要
21
(2)事業課題
25
(3)事業課題概要
29
(4)部別事業調査研究課題一覧
54
学会・研究会・研究論文等での発表
(1)衛生研究所発表会(第 12 回)
57
(2)学会・研究会
58
(3)研究論文・総説・解説等業績発表
64
ま え が き
平成12年度年報50号をお届けいたします。
平成12年度は6月に神奈川県藤野町の老人福祉施設におきまして腸管出血性大腸菌O 157 による
多数の食中毒患者が発生し、神奈川県では本庁、保健福祉事務所の衛生検査課と衛生研究所が緊密な
連携を取りながら、原因の究明をすすめ、規模の拡大防止に努めてまいりました。しかし、残念なが
ら死者を出す結果になってしまいましたが、施設外部への感染の拡大は、くい止めることができまし
た。 時を同じくして、他県の保健所による腸管出血性大腸菌O 157 の検査ミス事件が起こり、他山の
石として検査施設における精度管理の重要性を考える良い機会となりました。また、6月から7月に
かけて、雪印乳業のブドウ球菌エンテロトキシン混入による食中毒事件としてはわが国最大規模の食
中毒事件が起こりました。従来の食中毒とは異なり、細菌の産生した毒素による食中毒であることか
ら、牛乳中に混入した微量毒素の検出技術が要求されました。そのため衛生研究所が、普段より蓄積
していた技術と情報網が大変役立ち、県内生産牛乳の検索を精力的に実施して住民の不安解消に努め
てまいりました。
平成12年4月から相模原市が神奈川県で4番目の保健所設置政令市として発足し、横浜市、川崎
市、横須賀市についで衛生試験所も設置されることになり、県内での相互の連携がますます増大する
ことと思われます。また、平成11年4月から本庁に置かれていた「地方感染症情報センター」は、
平成12年度より衛生研究所に移管され、横浜、川崎の政令市を除いた県内各地区の定点医療機関か
ら、45疾患の発生情報を週単位で集め、解析して関係諸機関に還元しています。また、インターネ
ットによる情報の配信を開始いたしました。
平成13年度から茅ヶ崎市への移転に向けて新築工事が開始されます。平成15年度の新衛生研究
所の開設に向けて県民の期待に応えるように、さらなる努力を重ねていきたいと考えております。
平成13年8月
神奈川県衛生研究所長
益川
邦彦
神奈川県衛生研究所年報
1
第 50 号
沿
2000
革
当所の創立は、明治 35 年( 1902 年)10 月に横浜市海
岸通り 5 丁目でペスト患者が発生したことが発端とな
り、同年 11 月、ペスト検査所として建設されたのが前
身で、その当時は、主にペスト菌検査とそ族のペスト菌
検索並びに細菌の培養試験を行っていた。
大正元年(1912 年)にいたり、扇町 5 丁目に細菌検査
所とあわせてペスト検査所を新築し、その名も神奈川県
第二衛生試験場と称し、一般細菌学的検査と予防液の製
造を行うほか、開業医師や公衆衛生関係者の求めに応ず
る委託検査を開始し、また、自ら研究する者のための試
験室の解放などを行えるよう設備が整った。
大正 8 年(1919 年)8 月に近隣火災により類焼したの
を機に、9 年(1920 年)に中村町に移転、昭和 2 年(1927
年)4 月に鉄筋コンクリート造りに建て替えられた。し
かし、時代の進歩とともに公衆衛生上の業務は著しく増
加する傾向にあり、12 年(1937 年)3 月末、同じ敷地
内に新たに木造二階建の別館を増築するとともに、県庁
内に残っていた第一衛生試験場(薬学及び飲食物関係)
と乳肉、家畜衛生試験室を統合して、名称を「神奈川県
中央衛生試験所」と改め、内容も総合衛生検査並びに研
究機関として新しく出発した。
戦後になって、昭和 23 年( 1948 年)9 月 1 日に厚生
省 3 局長通牒「地方衛生研究所設置要綱」が出され、そ
の後 51 年に設置要綱が改正された。この改正要綱に基
づいて、衛生研究所として諸規定が整えられ、現在の調
査研究体制の骨格が形作られた。
また、昭和 35 年(1960 年)4 月、中小製薬企業者の
ために製薬指導室を設置、順次機構の整備を図ってきた。
わが国の経済がそれまでの戦災復興期から成長期へと
新たな段階を迎え、県民の生活においても、衣食住の面
にわたって質的な向上や多様化が著しくなったが、一方
では食品の安全性や産業公害等の問題が顕著になってき
た。こうした状況の変化に対して、単に検査技術の向上
だけでは対応が困難となり、施設の抜本的改善を図る必
要から、39 年(1964 年)3 月横浜市旭区中尾町に鉄筋
コンクリート 4 階建の庁舎が新築された(現在の本館)。
その後、経済の高度成長期を迎えるとともに公害問題
が深刻の度を増し、必然的に公害関係の試験、検査体制
の一層の充実を迫られることとなった。県では昭和 43
年(1968 年)4 月に公害センターを新設、それに伴い、
従来当所が担当していた公害関係の検査業務の一部を同
センターに移管した。
一方、技術改革の進展は産業や生活の多様化、経済活
動の更なる活性化を促すとともに、その結果として食品
衛生、環境衛生、ウイルス関係、毒性関係等の諸問題が
ますます複雑多岐となり、これらに関する検査、研究の
要望が急速に増大してきた。
県民の健康を守るという衛生研究所としての責任を果
たすためには、それまでの施設設備では対応できなくな
ったために、昭和 47 年(1972 年)4 月、公害センター
の新築とあわせて、隣地に鉄筋コンクリート造り地下 1
階地上 5 階の庁舎を新築、従来の庁舎を「本館」、新庁
舎を「 新館」と呼称することとし、新館の主として 3 ∼ 5
階が衛生研究所の増築部分となった。
また、これと同時に組織の強化を図るため、従来の l
課 3 部 9 科制を 1 課 6 部 15 科制に改めた。
昭和 49 年(1974 年 )8 月、新たに企画指導室を設け、1
課 1 室 6 部 15 科制となり、平成 3 年 4 月、公害センタ
ーが環境科学センターとして整備されたことに伴い、衛
生工学部が環境科学センターに移管され、l 課 1 室 5 部
13 科制となり、更に 9 年 4 月に管理部を設置した。
平成 9 年 3 月に地域保健法の改正にともない、従来の
地方衛生研究所設置要綱が改正され、地方衛生行政にお
ける科学的、技術的中核としての機能が一層強化され、
地域保健関係者に対する研修指導、公衆衛生に関する情
報の収集、解析、提供がより一層強く求められることに
なった。
また、高齢社会、疾病構造の変化、保健、医療サービ
スに対する県民ニーズの変化への対応、エイズやO 157
のような新型感染症や輸入食品に含まれる農薬や添加物
から県民の健康を守るため既存部門の充実、強化を行う
とともに、市町村や保健所等が行う地域保健活動を支援
し、疾病予防に関する調査研究の強化を図るため、現在、
移転整備が進められている。
平成 12 年度は、感染症情報センターの業務移管によ
り、感染症発生情報週報及び月報を発行した。また、新
衛生研究所の 15 年開所に向けて、衛生部各室課等と連
携を図りつつ、行政システム改革の視点を取り入れて、
衛生研究所のあり方について検討を重ねている。
− 1−
歴 代 所 長
大
小
渡
児
小
児
高
清
渡
脇
池
榊
松
衛
益
川 国
俣 憲
邊
玉
林 栄
玉
橋 武
水 利
辺 良
坂 和
田 陽
原 高
崎
藤 繁
川 邦
男
司
邊
威
三
威
夫
貞
一
男
男
尋
稔
男
彦
昭和
2年
7年
8年
14 年
21 年
23 年
44 年
52 年
56 年
59 年
61 年
61 年
62 年
平成 4 年
9年
4 月∼
10 月∼
4 月∼
6 月∼
11 月∼
1 月∼
8 月∼
5 月∼
6 月∼
4 月∼
4 月∼
8 月∼
9 月∼平成
4 月∼
4 月∼
7年
8年
14 年
21 年
22 年
44 年
52 年
56 年
59 年
61 年
61 年
62 年
4年
9年
9月
3月
5月
11 月
12 月
7月
5月
5月
3月
3月
8月
8月
3月
3月
神奈川県衛生研究所年報
2
(1)
第 50 号
機
2000
構
現員配置表
(平成 13 年 4 月 1 日現在)
職
名
所
副
課
室
長
課
長
補
佐
所
部
組織名
長
所
長
副
所
長
主
副
研
長
究
員
主
主
幹
主
任
主
技
技
能
研
幹
査
究
員
事
計
技
師
師
1
1
1
1(2 )
企 画 指 導 室
1
細 菌 病 理 部
1
菌
専
門
1
長
管理部管理課
細
科
1
2
1
1
7(2 )
1
1
4
1(2 )
2
4
1
9(2 )
(1 )
1
2
1
4(1 )
科
臨 床 血 清 科
病
理
科
1
1
1
2
3
1(1 )
(1 )
1
(2 )
2
5
1
9(2 )
ウィルス第一科
(1 )
1
2
1
4(1 )
ウィルス第二科
(1 )
1
3
1(2 )
6
6
3
1
1
2
2
ウ イ ル ス 部
1
食 品 薬 品 部
1
食 品 化 学 科
4(1 )
17(2)
6
食品添加物科
(1 )
3
1
薬 事 毒 性 科
(1 )
2
3
1
6(1 )
2
1
3
1
7(1 )
1
1
1
1
2
1
4
3
1(2 )
7
2
1
12(2)
(1 )
5
1
6(1 )
(1 )
1
1
2(1 )
1
1
3
食 品 獣 疫 部
(1 )
乳 肉 衛 生 科
食品微生物科
生 活 環 境 部
1
環 境 化 学 科
環 境 生 物 科
放
射
能
科
計
1
1
6(3 )
1
1
5(8 ) 19
1
2
1
20
4(1 )
2
7
(2)
(平成 13 年 4 月 1 日現在)
長(技術)益 川 邦 彦
所
尾
浩
司
管 理 部 長(事務)菅 原
精度管理担当部長(兼)前 田
隆
功
一
長(事務)藤
管 理 課 長(事務)(兼)
菅
原
功
課 長 補 佐(事務)
内
野
清
副
幹
栗
原
喜
樹
査(事務)
飯
内
田
藤
静
朋
江
子
主
〃
主
主
)は兼務職員
組織別職員表
所
副
67(11)
1
(
事
坂
本
裕
技 能 技 師
企画指導室長 (技術)
主
浪 夫
芳 哉
幹
安
田
久美子
小
石
儀
田
國太郎
裕 子
細 菌 科 長 (技術)(兼 )
専門研究員
山
井
山
沖
志
朗
井
津
志
忠
朗
行
主任研究員
鈴
木
理恵子
〃
佐
多
辰
垣
浅
田
井
雅
良
史
夫
主任研究員
渡
辺
祐
子
〃
黒
木
俊
郎
技
師
臨床血清科長 (技術)
− 2−
井
田
専門研究員
主
事
細菌病理部長 (技術)
一
荒
吉
神奈川県衛生研究所年報
病 理 科 長 ( 技術)(兼)
専門研究員
ウイルス部長 (技術)
山
井
岡
今
ウイルス第一科長( 技術)(兼)
井
志
専門研究員
土
井
佳
代
崎 則 男
光 信
主任研究員
〃
小
宮
島
澤
眞
尚
紀
〃
大
森
清
美
井
光
斎
近
藤
藤
隆 行
真規子
渡
邉
寿
嶋
今
井
貴 子
光 信
専門研究員
古
屋
由美子
主任研究員
〃
原
佐
藤
みゆき
利 明
〃
片
山
丘
〃
技
師
ウイルス第二科長( 技術)(兼)
食品薬品部長 (技術) 佐 藤
食品化学科長 (技術)
岸
2000
朗
今
専門研究員
主任研究員
第 50 号
修
信
技
師
食品獣疫部長(技術)(兼)
美
二
美智子
熊
山
乳肉衛生科長(技術)
専門研究員
主任研究員
技
師
食品微生物科長(技術 )
主任研究員
〃
尾
坂 謙 一
井 志 朗
上
洋
一
長谷川
寺 西
幸
江
大
古
川
一
郎
高
藤
橋
澤
孝
倫
則
彦
相
川
勝
弘
生活環境部長 (技術) 森
環境化学科長 (技術)( 兼)
森
康
明
康
明
専門研究員
渡
辺
貞
夫
専門研究員
宇都宮
暁
子
主任研究員
〃
藤
井
巻 照
上
久
茂
〃
〃
伊 藤
長谷川
伸
一
一
夫
技
師
渡
邊
裕
子
〃
伏
脇
裕
一
〃
食品添加物科長(技術)(兼)
佐
佐
藤
藤
久美子
修 二
辻
上
清
村
美
仁
専門研究員
平
山
ク
ニ
〃
〃
山
中
田
村
利
昌
治
道
主任研究員
岸
弘
子
薬事毒性科長( 技術)(兼)
専門研究員
佐
宮
藤
原
〃
技
師
環境生物科長 (技術)( 兼)
専門研究員
主任研究員
放射能科長 (技術)
修 二
智江子
専門研究員
主任研究員
− 3−
森
康
明
竹
稲
田
田
貴
茂
嗣
高
城
裕
之
飯
桑
島
原
育 代
千雅子
神奈川県衛生研究所年報
(3)
第 50 号
2000
事業体系
試験検査
行政検査・・・・公衆衛生に関する本庁各課並びに保健福祉事務所等の事業計画に基づいた試験検査
(調査活動)
一般依頼検査・・・・県内の住民、事業所等からの依頼に基づいて行う有料の試験検査
経常研究・・・・ 研究員の通常業務上からの発想に基づく経常的な研究 41 テーマ
感染症の予防に関する研究
食品等の安全に関する研究
医薬品等の安全に関する研究
飲料水の安全に関する研究
快適な暮らしづくりに関する研究
放射能に関する研究
検査・分析法技術、精度管理に関する研究
特定研究・・・・ 研究所において、組織横断的に取り組む重点的な研究
・県民ニーズに応え、早急な対策を講ずるための基礎的研究
・保健衛生上、特に推進させることが望ましい研究
・文部科学省が推進する地域の活性化に資する基礎的、先導的研究
調査研究
指定研究・・・・ 本庁又は出先機関が定める指針等により実施する研究
・新たな技術の創出が期待される研究
・行政課題の研究を目的とする応用開発研究の遂行に当たって必要な基礎的な研究等
・科学技術振興課「重点基礎研究」
助成研究・・・・ 国等から助成(委託金を含む)を受けて取り組む研究
厚生労働省厚生科学研究
厚生労働省国際医療協力研究
文部科学省国際学術研究
ヒューマンサイエンス振興財団等
共同研究・・・・ 地方公共団体又は民間機関と共同して実施する研究
受託研究・・・・ 民間機関等から委託を受けて行う研究
衛生検査基礎技術研修・・・・保健福祉事務所職員を対象とする実技研修
衛生検査担当者研修・・・・ 保健福祉事務所中堅職員を対象とする新技術及び理論に関する研修
研修指導
衛生検査専門技術研修・・・・県、市町村職員及び病院検査室職員を対象とする技術専門研修
技術研修生の受入・・・・ 海外、国内
公衆衛生
情報の収
集・提供
感染症情報…感染症発生動向調査等に関する情報の収集、提供(週報、月報、微生物検査情報)
研究情報の提供…情報誌の発行(研究報告、事業年報、衛研ニュース)等
施設公開、研究発表会等
− 4−
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
3 施設・設備
(1)
土地・建物
(ア)土
(イ)建
(2)
ア
地
物
8,969.41m2
延 11,292.98m2
本 館
鉄筋コンクリート造4階建
新 館
鉄筋コンクリート造地下1階地上5階建
(一部かながわ考古学財団使用)
動物舎
コンクリートブロック造平屋建
ボンベ庫
車 庫
補強コンクリートブロック造平屋建 面積 57.75m 2
サーモコン造平屋建 面積 169.85m2
その他
面積
面積 2,611.26m 2
面積
8,046.20m2
面積 156.06m2
251.86m 2
物品
備品
細
面積
面積
分
(価額が 200 万円以上の重要物品を記載)
類
計測機器類
写真光学機器類
医療機器類
試験実験機器類
品
目
(13.3.31 現在)
数
ATPフォトメーター
揮発性炭素測定装置
血球計数器
原子吸光フレーム光度計
原子吸光フレームレス光度計
高周波プラズマスペクトル
サンプルオートガンマー測定器
スペクトロメーター
生化学自動分析装置
放射能測定装置
熱量計
濃度計
排水排気モニター・エリアモニター
ハンドフットクロスモーター
分光光度計
溶出試験器
顕微鏡
多用途監視記録装置
滅菌器
安全キャビネット
液体シンチレーションカウンター
遠心分離機
核酸解析用遠心システム
乾燥器
吸着処理装置
クロマト装置
嫌気性培養器
コイトトロン
高度処理実験装置
採水器
シールドルーム
質量分析計
− 5−
量
備
1
1
1
4
1
1
1
1
1
4
1
1
1
1
12
1
5
1
3
2
1
8
1
2
1
26
3
1
1
1
1
1
考
神奈川県衛生研究所年報
細
分
類
試験実験機器類
農水産機器類
諸機械類
イ
リース機器
細
分
類
計測機器類
写真光学機器類
試験実験機器類
農水産機器類
品
目
第 50 号
数
2000
量
全自動反応測定装置
洗滌器
全窒素・全有機・炭素分析装置
全有機・ハロゲン分析装置
炭酸ガス培養器
窒素・リン除去運転制御装置
DNA解析装置
DNA合成機
DNAシークエンサー
DNA増幅装置
低温灰化装置
バイオトロンルーム
培養装置
発酵反応試験装置
発生ガス制御装置
発熱性物質試験装置
分注器
マイクロタイターセット
有毒化合物等分解試験装置
飼育装置
ポンプ
冷凍機
備
考
備
考
1
3
1
1
1
1
1
1
1
2
1
1
2
1
1
1
1
3
1
5
1
2
(アの備品に準じた価額の物品を記載)
品
目
数
フレームレス原子吸光光度計
分光光度計
蛍光顕微鏡
高速液体クロマトグラフ四重極質量分析
高速液体クロマトグラフ
誘導結合プラズマ発光分光質量分析計
ガスクロマトグラフ質量分析装置
アミノ酸分析計
クロマト情報処理装置
イオンクロマトグラフ
窒素・リン検出器付ガスクロマトグラフ
ECD検出器付ガスクロマトグラフ
FPD検出器付ガスクロマトグラフ
液体シチレーションカウンター
パルスフィールド電気泳動装置
超音波フリーザー
電気化学検出器
真空凍結乾燥機リューター
高速冷却遠心機
デンシトメーター
マウス飼育装置
農薬前処理装置
− 6−
量
1
1
1
1
3
1
4
1
1
2
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
神奈川県衛生研究所年報
(3)
第 50 号
2000
購入(収集)雑誌一覧
和
医学のあゆみ
科学技術文献速報
日本医事新報
用水と廃水
雑
厚生の指標
月刊薬事
食品衛生研究
外
国
AnalyticalChemistry
Applied andEnvironmental Microbiology
Infection andImmunity
International JournalofSystematicBacteriology
JournalofAgriculturalandFoodChemistry
JournalofAmericanWaterWorksAssociation
JournalofAppliedMicrobiology
Letters inAppliedMicrobiology
4
誌
食品化学新聞
原子力安全委員会月報
原子力委員会月報
雑
臨床検査
臨床病理
神奈川県気象月報
誌
Journal of AssociationofOfficialAnalyticalChemists
Journal of Bacteriology
Journal of ClinicalMicrobiology
Journal of PharmaceuticalSciences
Nature
TheJournalof lnfectiousDiseases
Toxicology
経
理
概
要
(1)平成12年度歳入歳出決算
歳
入
( 単位:円)
款
項
目
節
使 用 料 及 び
手
数
料
使
用
料
28,020,611
衛生使用料
公衆衛生費
使 用 料
手
数
料
衛生手数料
公衆衛生費
手 数 料
諸
収
入
受託事業収入
衛 生 受 託
事 業 収 入
公衆衛生費
受託事業収入
立
替
収
入
衛生立替
収
入
公衆衛生費
立替収入
雑
12年度
決算額
入
雑
入
衛生費雑入
計
11年度
決算額
比
較
増減(△)
27,945,072
摘
要
75,539
7,485,796
8,819,662 △1,333,866
7,485,796
8,819,662 △1,333,866 行政財産使用料
7,485,796
8,819,662 △1,333,866
20,534,815
19,125,410
1,409,405
20,534,815
19,125,410
1,409,405 衛生研究所試験検査手数料
20,534,815
19,125,410
1,409,405
10,349,477
7,751,152
2,598,325
3,003,338
0
3,003,338
3,003,338
0
3,003,338
3,003,338
0
3,003,338
衛生研究所受託事業収入
7,342,359
7,743,741 △
401,382
7,342,359
7,743,741 △
401,382
7,342,359
7,743,741 △
401,382
3,780
7,411 △
3,631
3,780
7,411 △
3,631 信号伝達装置消費電力料等
3,780
7,411 △
3,631
38,370,088
35,696,224
− 7−
2,673,864
光熱水費等庁費立替収入
神奈川県衛生研究所年報
歳
第 50 号
2000
出
12年度
決 算 額
1 1 年 度
決 算 額
費
38,738,328
56,643,595 △17,905,267
総務管理費
30,896,079
33,332,563 △2,436,484
29,437,577
33,332,563 △3,894,986
酬
24,415,339
27,899,067 △3,483,728
費
2,080,923
2,269,991 △
189,068
賃
金
398,594
399,864 △
1,270
旅
費
2,542,721
款
総
項
務
目
節
一般管理費
報
共
済
財産管理費
企
画
2,763,641
1,458,502
需
用
費
費
科学技術
推 進 費
賃
報
償
旅
比
較
増減(△)
1,458,502
△
摘
220,920
0
1,458,502
0
1,458,502
7,160,399
22,629,492 △15,469,093
7,160,399
試験研究機能高度化推進
22,629,492 △15,469,093 事業費
金
110,000
費
72,800
費
128,210
408,000 △
0
394,780 △
298,000
72,800
266,570
需
用
費
5,019,446
役
務
費
0
使用料及び
賃 借 料
59,943
備品購入費
1,736,000
負担金補助
及び交付金
34,000
26,000
8,000
681,850
681,540
310
681,850
681,540
310
費
121,850
121,540
310
費
560,000
560,000
0
国際交流費
国際交流
推進費
旅
需
用
要
14,459,000 △9,439,554
5,000 △
14,000
5,000
45,943
7,322,712 △ 5,586,712
− 8−
国際協力推進事業費
神奈川県衛生研究所年報
款
衛
項
生
目
12年度
決 算 額
節
第 50 号
11年度
決 算 額
2000
比
較
増減(△)
摘
費
261,667,629 269,840,035 △ 8,172,406
公衆衛生費
148,973,536 157,928,284 △ 8,954,748
公衆衛生
総 務 費
予
防
846,270
31,730 1.保健情報システム事業費
9,000 2.保健教育センター研修事
業費
償
費
175,000
166,000
需
用
費
507,000
562,000 △
55,000 3.衛生行政諸費
役
務
費
196,000
118,270
77,730
953,338
410,000
543,338 神経芽細胞腫検査費
需
用
費
923,338
380,000
543,338
役
務
費
30,000
30,000
0
費
l.感染症予測監視事業費
16,312,510
16,800,350 △
487,840
費
0
300 △
300
賃
金
100,000
49,000
51,000 3.感染症予防対策事業費
旅
費
49,600
35,200
14,400 4.エイズ相談・検査事業費
共
衛生研究
所 費
878,000
報
母子保健
指 導 費
要
済
16,520,200 △ 1,725,940 5.肝臓疾患対策事業費
需
用
費
14,794,260
役
務
費
442,500
174,000
268,500
委
託
料
719,250
0
719,250
使用料及び
賃 借 料
20,000
備品購入費
186,900
共
済
費
2.感染症流行予測調査
事業費
21,650 △
1,650
186,900
0
130,829,688 139,871,664 △ 9,041,976 1.衛生研究所維持運営費
2.衛生研究所試験検査費
4,000
4,000
0
3. 衛生研究所研究調査費
賃
金
430,000
448,967 △
18,967
旅
費
334,380
372,820 △
38,440
需
用
費
79,256,138
87,186,750 △ 7,930,612
役
務
費
12,757,890
14,371,000 △ 1,613,110
委
託
料
31,034,641
30,359,253
675,388
使用料及び
賃 借 料
4,319,005
4,101,734
217,271
工事請負費
1,102,500
1,260,000 △
157,500
備品購入費
1,483,134
1,656,140 △
173,006
負担金補助
及び交付金
108,000
− 9−
111,000
△
3,000
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
.
款
項
目
節
環境衛生費
生活衛生
指 導 費
(11年度は 需
食品衛生指
導費)
委
用
費
託
料
済
償
旅
100,763,956 △ 2,950,773
7,000
金
1,121,000
1,121,000
費
70,000
110,000 △
費
534,000
634,000 △
用
費
10,748,500
11,916,000 △
役
務
167,000 △
費
38,000
使用料及び
賃 借 料
30,059,400
備品購入費
800,000
需
要
用
賃
31,210,200 △ 1,150,800 10.水道病原性微生物緊急対
策事業
11.小規模受水漕水道等衛生
262,000
538,000
対策推進事業費
12.住まいと健康サポートシ
ステム推進事業費
13.環境ホルモン調査事業費
678,795
3,590,910
678,795
費
50,910
32,170
18,740
費
3,540,000
646,625
2,893,375
11,290,000
10,469,000
821,000
11,290,000
10,469,000
費
10,000
9,240
金
1,420,000
1,540,000 △
821,000 1.薬事指導運営費
2.医薬類似品等監視指導費
760 3.医薬品等製造業指導費
4.医薬品検定事務等調査費
120,000
6,960,765 △ 1,000,765
費
済
0 1.狂犬病対策費
2.動物由来感染症対策事業
0 3.生活環境指導費
4.浄化槽指導監督費
40,000 5.家庭用品衛生指導費
6.放射能測定調査費
100,000 7.水道事業指導監督費
8.特定化学物質水源調査事
1,167,500
業費
9.水道水質管理計画推進事
129,000
業費
3,590,910
医 薬 費
共
摘
100,763,956 △ 2,950,773 1.食品衛生指導事業費
2. 輸入食品衛生対策事業費
13,827,457
14,430,310 △
602,853 3.食品科学検査調査事業費
4.食品科学情報収集事業費
7,917,000
7,917,000
0 5.新規規制農薬検査事業費
6.乳肉衛生指導事業費
32,690,826
32,989,446 △
298,620 7.新規規制動物用医薬品検
査事業
8.食品衛生検査施設信頼性
確保事業費
9. 病原性大腸菌予防対策事
業費
需
旅
計
97,813,183
7,000
保健所費
務
比
較
増減(△)
費
保健所費
薬
1 1 年 度
決 算 額
97,813,183
使用料及び
賃 借 料
生活衛生
共
指 導 費
(11年度は 賃
環境衛生指
導費)
報
12年度
決 算 額
2,912,115 1.健康相談等事業費
2.保健福祉事務所維持運営
2,912,112
費
需
用
費
5,960,000
役
務
費
800,000
100,000
700 ,000
委
託
料
3,100,000
1,858,995
1,241,005
300,405,957
326,483,630 △26,077,673
− 10 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
(2)一般衛生検査手数料(年次比較)
年度
月別
平成
件 数
9 年度
金
額
平成
件 数
10
金
年度
平成
件 数
額
11 年度
金
額
平成
件 数
12 年度
金
額
4
月
90
1,120,120
71
589,180
86
889,790
598
1,317,420
5
6
月
月
1,635
754
1,810,950
4,605,960
1,075
913
1,164,650
2,472,200
1,231
477
1,539,970
1,826,920
2,025
244
2,636,145
1,430,315
7
月
2,575
2,825,890
1,149
2,756,230
619
3,607,160
1,888
3,361,510
8
9
月
月
738
617
2,878,210
1,721,240
1,786
573
1,874,490
2,154,790
1,609
86
1,667,960
567,870
2,520
135
1,877,440
1,828,030
10
月
116
1,159,580
71
785,780
1,010
1,600,100
179
586,985
11
12
月
月
224
2,219
1,581,580
2,791,270
524
1,798
1,447,280
1,370,700
1,681
94
2,179,820
1,232,100
2,342
107
2,478,740
1,301,995
1
月
1,813
2,289,530
867
1,428,420
1,241
2,001,260
826
1,754,880
2
3
月
月
521
2,492
2,590,220
1,633,370
727
1,765
1,263,200
1,577,450
162
784
750,450
1,262,010
215
1,168
941,325
1,020,030
13,794
27,007,920
11,319
18,884,370
9,080
19,125,410
12,247
20,534,815
月 平 均
1,149
2,250,660
943
*衛生試験、治療等に関する条例による
1,573,698
756
1,593,784
1,021
1,711,235
計
5
(1)
管
理
運
関東甲信静支部総会(千葉)
平成12年7月13∼14日 衛生微生物技術協議会
第21回研究会(郡山)
⑤ 平成12年10月17∼18日 第51回地方衛生研究所
全国協議会総会(前橋)
⑥ 平成12年10月26∼27日 第37回全国衛生化学技術
協議会年会(岐阜)
⑦ 平成12年11月27∼28日 第37回全国薬事指導協議
会(名古屋)
⑧ 平成13年2月1∼2日 第14回公衆衛生情報研究協
議会(大津)
衛生研究所運営協議会
平成13年度調査研究、試験検査、研修指導等の計画、
12年度調査研究等の経過について審議(H12/11/15開催 )
(2)
(3)
④
所内委員会活動
研究用備品の公正適切な選定、所員の健康保持、施設
安全の維持向上並びに実験用動物の管理等調査研究事業
の円滑有効な展開を図るため設けられた所内委員会の活
動状況は、次のとおりである。
① 機種等選定委員会(年2回開催、17機種)
② 図書委員会(購入図書の選定、JOISの運用及び図
書室管理運営)(年9回開催)
③ 研究報告編集委員会(年2回開催)および年報、
研究報告合本委員会(8回開催)
④ 動物舎運営委員会(動物舎の管理運営等)(年8回
開催)
⑤ 衛生委員会(年1回開催)
⑥ 環境安全管理委員会(年1回開催)
⑦ 化学物質安全管理委員会(年4回開催)
⑧ RI利用委員会(年1回開催)
⑨ 再編整備検討会議(年19回開催)
⑩ 生物系安全実験室安全管理委員会(年1回開催)
⑪ 組換えDNA実験安全委員会 (年1回開催)
⑫ 放射線障害予防委員会(年1回開催)
⑬ 施設公開委員会(年6回開催)
⑭ 所内発表委員会(年4回開催)
⑮ 食品衛生検査業務管理運営委員会(年1回開催)
営
(4)
地方衛生研究所全国協議会 関東甲信静支部会
①
平成12年9月28∼29日 第15回関東甲信静地区ウ
イルス研究会(千葉)
② 平成12年2月23日 第13回関東甲信静支部理化学
研究会(水戸)
③ 平成13年2月22∼23日 第13回関東甲信静支部細
菌研究部会(東京)
(5) 県並びに政令四市衛生研究所、衛生試験所長
会議
地方衛生研究所長会議等
①
平成12年6月8日 全国地方衛生研究所長会議 (東
京)
② 平成12年6月9日 地方衛生研究所全国協議会臨時
総会(東京)
③ 平成12年6月23日 地方衛生研究所全国協議会
− 11 −
①
平成13年3月27日 県並びに政令四市衛生研究所、
衛生試験所長会議
② 平成13年2月27日 県並びに政令四市衛生研究所、
衛生試験所 医薬品情報部会
③ 平成13年3月2日 県並びに政令四市衛生研究所、
衛生試験所 食品衛生情報部会
④ 平成13年3月8日 県並びに政令四市衛生研究所、
衛生試験所 環境衛生情報部会
⑤ 平成13年3月22日 県並びに政令四市衛生研究所 、
衛生試験所 微生物情報部会
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
6 検 査 件 数
(1 )
平成12年度検査項目別・依頼先別件数
住
結
性
(件数は、衛生行政報告例による)
依 頼 に よ る も の
依頼によら
保健所
保健所以外の その他(医療機関 、 ないもの
計
行政機関
学校事業所等)
民
核
病
8
1,212
ウイルス・リケッチア等検査
37
187
45
1,829
1
481
229
6,867
2,245
4,314
342
1
316
113
病原微生物の動物試験
1
原
虫 ・ 寄生虫等
4
86
389
2
食
中
毒
187
42
臨
床
検
査
1,297
267
5,303
食
品
等
検
査
12
974
347
213
699
上記以外の細菌検査
390
574
225
3,125
医薬品・家庭用品等検査
1
61
213
46
111
栄 養 関 係 検 査
水 道 等 水 質 検 査
8
88
246
305
廃 棄 物 関 係 検 査
環境・公害関係検査
28
175
136
放
射
能
18
299
温泉(鉱泉)泉質検査
そ
の
他
156
259
計
27
3,339
2,902
6,733
5,160
*同一検体を用いて表則に掲げる2種類以上の検査を行った場合は、それぞれ該当する区分に計上
647
339
317
415
18,161
(2)平成12年度部別・依頼先別検査件数
各部合計
区
分
一
般
検体数
細
菌
依
頼
項目数
検
査
件
数
行
政
依
頼 調査研究に伴う検査
検体数
項目数
合
検体数
項目数
検体数
計
項目数
科
254
374
988
10,511
530
616
1,772
11,501
細菌病理部 臨 床 血 清 科
346
346
58
96
1,967
8,675
2,371
9,117
9
9
123
288
132
297
600
720
1,055
10,616
2,620
9,579
4,275
20,915
病
理
科
小
ウイルス部
計
ウ イ ル ス第
一科
378
914
1,903
5,904
23
88
2,304
6,906
ウ イ ル ス第
二科
5,352
10,389
1,056
2,523
41
335
6,449
13,247
小
計
食 品 化 学 科
5,730
11,303
2,959
318
8,427
1,263
64
156
423
1,319
8,753
474
20,153
2,582
109
483
340
420
449
903
食品薬品部 食 品 添 加 物 科
薬 事 毒 性 科
164
212
235
650
248
569
647
1,431
小
164
212
662
2,396
744
2,308
1,570
4,916
計
乳 肉 衛 生 科
56
182
364
814
716
716
1,136
1,712
食品獣疫部 食 品 微 生 物 科
265
538
203
731
250
250
718
1,519
小
計
321
720
567
1,545
966
966
1,854
3,231
環 境 化 学 科
143
1,513
290
4,240
465
4,614
898
10,367
生活環境部 環 境 生 物 科
55
200
66
118
2
52
123
370
78
4,436
299
766
1,176
5,842
317
1,338
1,254
11,991
27,420
5,160
19,118
17,790
61,206
放
小
射
合
能
科
計
198
1,713
18
374
計
7,013
14,668
5,617
− 12 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
細菌病理部
検
区
細
菌
検
査
無
抗
分
薬
免
原
免
そ
肺
査
件
数
合
一 般 依 頼
行 政 依 頼 調査研究に伴う検査
検体数
項目数
検体数
項目数
検体数
項目数
赤
痢
203
203
7
7
3
3
コ
レ
ラ
1
2
チ フ ス ・ パ ラ チ フ ス
8
16
腸管出血性大腸菌感染症
361
704
87
87
感 染 性 胃 腸 炎
110
2,090
A 群 溶 レ ン 菌 咽 頭 炎
8
8
37
74
7
7
そ の 他 の レ ン サ 球 菌
3
3
百
日
咳
3
3
細 菌 性 髄 膜 炎
2
2
河川水・下水道水腸管病原菌検査
360
6,840
食
中
毒
28
569
338
338
薬 剤 耐 性 菌 検 査
40
80
そ
の
他
95
181
菌
試
験
40
160
31
124
菌
性
試
験
小
計
254
374
988
10,511
530
616
離 ・ 培 養 ・ 同 定 検 査
1
1
8
8
1,385
2,542
剤 感 受 性 検 査
483
6,034
疫 学 的 抗 原 検 査
虫
検
査
43
43
50
88
疫 血 清 反 応 検 査
302
302
の
他
の
検
査
99
99
小
計
346
346
58
96
1,967
8,675
炎 マ イ コ プ ラ ズ マ 検 査
9
9
123
288
小
計
0
0
9
9
123
288
合
計
600
720
1,055
10,616
2,620
9,579
計
分
検体数
213
1
8
448
110
52
3
3
2
360
366
40
95
71
0
1,772
1,394
483
0
93
302
99
2,371
132
132
4,275
項目数
213
2
16
791
2,090
89
3
3
2
6,840
907
80
181
284
0
11,501
2,551
6,034
0
131
302
99
9,117
297
297
20,915
ウイルス部
検
区
分
一 般
検体数
H
I
V
267
イ ン フ ル エ ン ザ
37
ヘ ル パ ン ギ ー ナ
手
足
口
病
無 菌 性 髄 膜 炎
急性脳炎(日本脳炎を除く)
眼
疾
患
74
原
因
不
明
そ
の
他
小
計
378
風
疹
麻
疹
日
本
脳
炎
下
痢
症
49
A
型
肝
炎
B
型
肝
炎
4,878
C
型
肝
炎
425
恙
虫
病
小
計
5,352
合
計
5,730
依 頼
項目数
540
226
148
914
55
査
件
数
行 政 依 頼
検体数
項目数
1,112
2,224
599
3,002
38
114
65
195
46
184
6
14
23
1,903
220
110
160
244
185
12
84
89
5,904
220
110
320
373
370
137
1,056
2,959
1,130
2,523
8,427
合
検体数
項目数
11
10
44
36
2
23
8
88
41
41
64
335
335
423
9,909
425
10,389
11,303
− 13 −
計
調査研究に伴う検査
検体数
1,379
636
38
65
57
10
80
14
25
2,304
220
110
160
293
185
4,878
425
178
6,449
8,753
項目数
2,764
3,228
114
195
228
36
160
84
97
6,906
220
110
320
428
370
9,909
425
1,465
13,247
20,153
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
食品薬品部
検
区
分
一
般
検体数
依
頼
査
行
項目数
件
政
検体数
依
数
頼
合
調査研究に伴う検査
項目数
検体数
項目数
計
検体数
項目数
食 魚 介 類 及 び そ の 加 工 品
品 肉 類 及 び そ の 加 工 品
20
19
60
55
5
2
10
4
25
21
70
59
汚穀類・豆類及びその加工品
35
272
2
4
37
276
染 野菜・果実類及びその加工品
物 洗
剤
99
15
296
45
94
0
188
0
193
15
484
45
験
123
524
0
0
123
524
他
分
7
0
11
0
53
1,113
0
60
0
1,124
0
他
0
0
0
0
0
318
7
1,263
16
156
50
1,319
50
474
57
2,582
66
等 精
度
そ
栄 栄
管
理
試
の
養
養 そ
成
の
小
計
魚 介 類 及 び そ の 加 工 品
0
0
肉 卵 類 及 び そ の 加 工 品
0
0
0
0
穀 類 及 び そ の 加 工 品
食野菜果実及びその加工品
5
44
21
144
20
20
25
44
41
144
類
9
63
50
50
59
113
料
料
等
等
1
1
24
3
30
30
1
31
24
33
等
4
33
60
60
64
93
装
物
等
12
0
130
0
160
12
80
130
160
験
23
23
23
23
53
449
76
903
品 菓
子
添 酒
加 清
精
涼
物 調
味
等 添
容
精
飲
飲
器
度
料
加
包
管
そ
理
試
の
他
小
計
医
医
医 化
薬
薬
粧
品
薬 医
品 製
等 医
精
療
原
用
3
109
26
483
1
1
26
112
27
113
19
1
84
3
19
2
84
5
6
76
131
103
262
317
品
料
48
4
28
造
承
認
検
薬
類
似
査
品
1
2
131
16
262
87
度
験
3
6
155
156
管
理
試
薬
粧
品
療
及
類
等
薬
介
度
類
管
理
228
6
品
0
0
原
料
具
0
0
0
0
品
類
1
1
験
他
4
4
似
食
86
2
156
0
外
び
用
1
50
420
3
他
品
部
50
340
155
0
の
薬
験 医
精
そ
び
0
2
毒 医
等 魚
品
外
0
具
そ
医
性 化
試 医
部
及
80
品
試
の
32
62
3
6
0
0
2
4
35
67
159
335
3
163
6
339
小
計
164
212
235
650
248
569
647
1,431
合
計
164
212
662
2,396
744
2,308
1,570
4,916
− 14 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
食品獣疫部
検
区
分
一 般 依 頼
検体数 項目数
乳
件
数
行 政 依 頼
検体数 項目数
17
102
68
226
18
2
36
4
2
6
肉
2
6
16
32
乳・乳製品 ア イ ス ク リ ー ム 類
乳 酸 菌 飲 料
食
査
合
計
調査研究に伴う検査
検体数
55
項目数
55
検体数
項目数
140
383
5
18
20
8
41
22
78
200
80
206
26
3
26
9
42
3
58
9
0
0
細 食 肉 卵 類 加
菌
工
卵
品
及
そ
の
他
類 魚
加
介
工
類
品
6
85
12
157
6
85
12
157
品
20
66
20
66
70
95
1
70
2
95
び 魚
理
化 そ
介
の
他
の
食
学 咬
検
傷
犬
動 物 由 来 感 染 症
査
食品の製造工程管理
350
350
350
350
他 豚丹毒菌の疫学的分類
ブドウ球菌エンテロトキシン産生能
90
201
90
201
90
201
90
201
エルシニアの生態
20
20
20
20
716
716
1,136
153
1,712
440
145
405
等 そ
の
小
調
一 般 食 品 農
微
生
調
そ
物
井
検
査 水
食
品
56
117
182
258
364
36
814
182
産
食
品
25
45
120
360
類
他
8
1
16
1
8
1
16
1
水
10
20
10
20
70
24
140
48
70
24
140
48
0
0
理
器
の
具
戸
ー
道
ル
水
水
河
川
水
等
排
そ
の
苦
そ
の
他 腸
空
2
計
理
水
等 プ
等
1
内 有 用
中
カ
水
他
6
12
0
16
0
22
情
33
43
33
43
菌
ビ
8
134
150
100
150
100
150
108
150
234
10
10
小
計
265
538
203
731
250
250
718
1,519
合
計
321
720
567
1,545
966
966
1,854
3,231
− 15 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
生活環境部
区
分
一
般
依
検体数
頼
項目数
検
査
件
数
行
政
依
頼
検体数
合
計
調査研究に伴う検査
項目数
検体数
項目数
検体数
項目数
水 道 水 の 一 般 検 査
水 道 水 の 精 密 検 査
98
1
1,120
46
98
1
1,120
46
井 戸 水 の 一 般 検 査
5
60
5
60
井 戸 水 の 精 密 検 査
プ 一 ル 水 の 検 査
1
26
46
52
1
26
46
52
水中揮発性有機物質等の検査
1
3
家
庭
用
品
検
査
一 般 室 内 環 境 検 査
水 中 有 害 物 質 の 検 査
43
191
5
1
3
24
30
132
1,290
67
221
298
3,982
25
50
30
110
714
50
110
0
71
0
824
166
2,692
60
化学物質の安全性の検査
ゴ ル フ 場 使 用 農 薬 検 査
21
水 道 水 源 水 質 検 査
13
78
20
120
33
198
水 質 監 視 項 目 検 査
環境ホルモン水道水水質調査
12
6
432
126
50
210
250
2,250
62
222
682
2,502
4
32
56
412
60
444
0
0
0
0
4,614
898
10,367
173
197
浄
化
悪
廃
臭
・
排
ガ
小
計
昆 虫 な ど 同 定 試 験
殺 虫 剤 効 力 試 験
小
ウ
計
ラ
小
合
ン
126
ス
物
棄
放 射 能 検 査
6
槽
143
1,513
290
4,240
51
4
55
145
66
118
2
52
117
6
55
200
66
118
2
52
123
370
18
78
214
22
991
70
214
40
991
148
63
115
63
115
18
374
78
4,436
299
766
1,176
5,842
317
1,338
1,254
11,991
環 境 試 料
食
品
検
査
計
計
0
198
0
1,713
− 16 −
465
神奈川県衛生研究所年報
7
(1)
研
修
第 50 号
活
2000
動
衛生部研修事業(衛生研究所分担分)
ア
衛生検査基礎技術研修
コース名
生物学系コース
内
容
期
間
日数
人数
平成 12 年 9 月 27 日
∼ 11 月 22 日
13
43
食品中の残留動物用医薬品の試験法、水分活性試験法、
平成 12 年 11 月 30 日
15
37
乳・乳製品等の検査法、水質検査法、化学検査の基礎、
浄化槽試験法、家庭用品試験法、着色料の試験法、合成
∼ 13 年 2 月 28 日
日数
人数
10
50
8
54
腸管病原菌の検査法、原虫検査法、ウイルスの遺伝子診断の
基礎、 HIV 検査法、レジオネラ属菌の検査法、食肉検査
法(抗菌性物質等 )
、嫌気性菌の検査法、食品中の動物
性異物等
理化学系コース
樹脂製容器包装の試験法、試薬の管理
イ
衛生検査担当者研修
コース名
生物学系コース
内
容
期
間
乳及び乳飲料等からのエンテロトキシンの検出、微生物検査に
平成 12 年 9 月 28 日
おけるサンプリング法の問題点と統一化、HIV 検査法、
∼ 13 年 1 月 19 日
ノーウォーク様ウイルスの検査法、食肉等の抗生物質検査
理化学系コース
新規規制食品添加物の試験法、水中の環境ホルモン試
平成 13 年 1 月 24 日
験法、残留動物用医薬品規格(新規告示品)
ウ
日
∼ 3 月 23 日
衛生検査専門技術研修
程
講
平成12年 6月15日
小型球形ウイルスと食品
平成12年 6月29日
平成12年10月20日
演
題
名
講
師
人数
国立公衆衛生院
輸入食品における寄生虫の問題点
パルスフィールドゲル電気泳動法(PFGE )の疫学的活用
ウイルス室長
西尾
東京検疫所
企画調整官
はるしま
64
治
31
東島弘明
国立感染症研究所
53
細菌部主任研究官
寺嶋
平成12年11月17日
平成13年 3月 2日
事故とヒューマンファクター
NHK
解説委員
淳
69
小出五郎
食水系細菌性食中毒
国立感染症研究所
−腸炎ビブリオならびにサルモネラ食中毒を中心に−
腸管系細菌室長
島田俊雄
− 17 −
71
神奈川県衛生研究所年報
(2)
第 50 号
2000
平成12年度研修生受け入れ
ア
海
国
外
籍
研
修
生
所
属
研修内容
ウズベキスタン
ウズベキスタン国立科学 エイズ検査
アカデミ−免疫学研究所
タイ
タイ厚生省医療科学局
担当部
期
間
人数
ウイルス部
平成12年9月∼13年3月
1名
医 薬 品 等 生 物 食品薬品部
平成12年9月∼13年3月
1名
学的検査
イ
国
内
研 修 生 所 属
研 修 内 容
国立感染症研究所
家畜病性鑑定所
担当部
期
新規採用職員の細菌についての研修
細菌病理部
細菌同定、パルスフィールドゲル電気泳動法 細菌病理部
間
人数
平成12年4月∼5月
平成12年6月
3名
1名
日本大学生物資源科学部
卒論研修
細菌病理部
平成12年7月∼13年3月
1名
北里大学獣医学部
麻布大学獣医学部
河川・下水食中毒菌検査
卒論研修
細菌病理部
細菌病理部
平成12年8月
平成12年7月∼13年3月
1名
1名
浜松市保健環境研究所
淋菌の検査法
細菌病理部
平成12年12月13日∼ 14 日
1名
神奈川大学理学部
横浜市立大学
卒論研修
HIVの解析
ウイルス部
ウイルス部
平成12年4月∼13年3月
平成12年4月∼13年3月
2名
1名
埼玉県社会福祉事業団
下痢症原因菌の分子生物学的手法
ウイルス部
平成12年4月∼13年3月
1名
コロニー嵐山郷
横須賀市衛生試験所
ウイルス検査法
ウイルス部
平成12年5月∼12月
2名
(90日間)
マイコトキシン協会
PCR 技術
ウイルス部
平成12年8月∼9月
(4日間)
1名
北里大学医療衛生学部
卒論研修
食品薬品部
平成12年4月∼13年2月
1名
星薬科大学薬学部
東京家政大学
食品添加物及び容器包装材の分析
卒論研修
食品薬品部
食品薬品部
平成12年8月∼9月
平成12年4月∼13年2月
1名
1名
生活環境部
麻布大学環境保健学部
㈱山本海苔店
2名
卒論研修
食品獣疫部
食品を汚染する細菌並びに真菌の検 食品獣疫部
平成12年4月∼13年1月
平成12年10月∼11月
2名
2名
出と同定
衛生短期大学衛生技術科
(3)
総合実習
各部各科
平成 13 年 2 月
29名
当所職員を講師派遣する研修・講演
対象者
担当部
職員(市町村含)
回
人
企画指導室
1
24
細菌病理部
ウイルス部
1
1
50
70
食品薬品部
食品獣疫部
生活環境部
合
計
1
4
20
164
専門技術者
回
人
5
3
61
300
2
248
1
22
10
20
432
1,063
住
民
回
学
回
人
1
1
2
4
− 18 −
30
100
150
280
生
人
2
8
130
530
6
394
1
17
16
1,070
業界団体
回
人
3
1
4
180
40
220
合
回
計
人
1
24
12
13
451
1,000
8
642
1
22
15
50
658
2,797
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
講演会
講
演
テ
−
マ
講
師
主
催
者
細菌・ウイルス分野
細菌による腸管感染症
入浴施設におけるレジオネラ属菌の防除方法
沖津忠行
黒木俊郎
(社)神奈川県ペストコントロール協会
山形県文化環境部
クリプトスポリジウムについて
黒木俊郎
川崎市衛生研究所
課題報告 レジオネラ属菌
水からのクリプトスポリジウム試験方法
黒木俊郎
黒木俊郎
(社)神奈川県ビルメンテナンス協会
国立公衆衛生院
平成 12 年度水道クリプトスポリジウム試験法実習
古川一郎
国立公衆衛生院
HIV 検査について
エイズのウイルス学と検査法
今井光信
今井光信
神奈川県衛生部
国立公衆衛生院
HIV 感染の現状と今後の課題
今井光信
いわき医師会
HIV 検査体制の現状と今後の課題
エイズの基礎知識と検査法
今井光信
今井光信
埼玉臨床検査技師会
JICA(国際医療技術財団)
PCR 法による HIV 検査
今井光信
国立感染症研究所
HIV 検査体制の現状と今後の課題
肝炎ウイルスの話
今井光信
今井光信
日赤薬剤師会
神奈川県立衛生短期大学
HIVsubtype でみる流行の疫学的分析
近藤真規子
神奈川県立衛生短期大学
土井佳代
カビ毒研究連絡会
佐藤久美子
厚生労働省医薬品局食品保健部
食品・薬品分野
貝類やキノコのアミン類について
イマザモックスアンモニウム塩試験法・シアナジン試験法
生活環境分野
原水汚染と今後の課題
森
康明
麻布大学獣医学部
室内汚染化学物質濃度とその軽減化対策
森
康明
三崎保健福祉事務所
室内汚染化学物質濃度とその測定法および軽減化対策
くらしと水環境
森 康明
伊藤伸一
厚木保健福祉事務所
栄区生涯学習連絡会・栄区役所
フタル酸エステルの分析技術
伊藤伸一
ニチユ・テクノ
農薬 GC/MS の技術研修
P & T − GC/MS の技術研修
伊藤伸一
長谷川一夫
厚木保健福祉事務所
厚木保健福祉事務所
昆虫学の基礎
稲田貴嗣
神奈川県有害生物防除協同組合
運転・処理状況の常時把握のための知識
竹田
茂
日本環境整備教育センター(環境省)
浄化槽の構造と機能
合併処理浄化槽の消毒に関する現状と課題
竹田 茂
竹田 茂
日本環境整備教育センター(環境省)
保健教育センター(生活衛生課)
生活排水処理の現状と問題点
竹田
茂
環境研究交流会
講
師
講義その他
非
常
勤
講
師
先
講 義 内 容
横浜市立大学医学部
神奈川県立衛生短期大学
山井志朗
山井志朗
細菌学
細菌学
神奈川大学
今井光信
ウイルス学
横浜市立大学
神奈川県立衛生短期大学
今井光信
今井光信
ウイルス学
ウイルス学
神奈川県立衛生短期大学
佐藤修二
薬理学
神奈川県立病院付属看護専門学校
神奈川県立病院付属看護専門学校
佐藤修二
宮原智江子
薬理学
薬理学
神奈川県立衛生短期大学
小島
薬理学
神奈川県立衛生短期大学
横浜国立大学工学部
森 康明
伏脇裕一
分析化学
環境管理学
神奈川工科大学
宇都宮暁子
水質環境学
− 19 −
尚
神奈川県衛生研究所年報
(4)
第 50 号
2000
見学・視察者一覧
年
月
日
見
平成 12 年4月 24 日
学
者
所
属
人数
韓国・京畿道環境研究院訪問団
平成 12 年5月 16 日
平成 12 年5月 18 日
5
(財)神奈川県環境衛生営業指導センター
岡山県環境保健センター
2
2
平成 12 年5月 19 日
国立公衆衛生院特別課程衛生学特論コース施設見学
平成 12 年6月8日
平成 12 年6月 16 日
麻布大学獣医学部
福島県保健福祉部
平成 12 年8月 31 日
科学技術庁神奈川南原子力安全管理事務所等
平成 12 年 11 月 22 日
平成 13 年2月 19・20 日
コープかながわ横浜北地区経営委員会
熊本県保健環境科学研究所
25
2
平成 13 年3月 12 日
長野県衛生組織連合会
16
平成 13 年3月 12 日
愛知県瀬戸保健所
(5)
1
15
6
3
2
取材等一覧
年
月
日
取
材
者
内
容
担 当 部
平成 12 年 4 月 18 日
平成 12 年 8 月 25 日
フジテレビ
横浜ケーブルビジョン
都市のクマネズミ問題(住宅街)について
サイエンスウィーク体験実験・施設見学行事紹介について
生活環境部
企画指導室
平成 12 年 11 月 14 日
フジテレビ
スーパーニュースのための取材(渋谷のドブネズミ)
生活環境部
平成 12 年 11 月 15 日
平成 12 年 11 月 22 日
ジャパンタイムズ
日本テレビ
日本の都市のネズミについて
都心のネズミ問題(ドブネズミとクマネズミの習性の違い)
生活環境部
生活環境部
平成 13 年 2 月
日本テレビ
都市のクマネズミ問題(感染症対策)について
生活環境部
(6)
8日
施設公開等行事
科学技術週間行事
科学技術庁による科学技術週間参加行事として公開ミニ講座とパネル展示を行いました。
テーマ「身近な健康」−ちょっと寄って大きな発見−
:
日
時:平 成 12 年 4 月 21 日(金)
内
容公開ミニ講座
:
・「レジオネラはどんな細菌?」
・「ちょっと気になるプラスチック−食品用容器、包装材を中心に−」
・「くらしの中の放射線」
参加者一般
:
216 名
「神奈川サイエンスウィーク」行事
県科学技術振興課による「かながわサイエンスウィーク」及び教育庁教育部による「かながわ子どもワクワク体験プ
ロジェクト」参加行事として体験実験および所内見学を行いました。
テーマ「ミクロの世界を見てみよう」
:
日
時:平 成 12 年 8 月 25 日(金)
内 容体験実験と施設見学
:
参加者小・中学生
:
55 名
− 20 −
刊 行 物 名
業務報告
年
研 究
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
8
行
回
数
定
期
部 数
年1回
500
年4回
各500
刊
2000
物
刊 行 物 名
回
神奈川県における
放射能調査・報告書
報
数
部 数
年1回
200
報 告
神奈川県微生物検査情報
衛研ニュ−ス
年7回
(H13 から月報)
神奈川県感染症発生情報
毎週
衛研ニュース内容
No.
発行年月
記
事
担
当
者
90
平成 12 年 6 月 新生児を襲うB群レンサ球菌
感染症情報センターと感染症発生動向調査
岡
吉
崎
田
則
芳
男
哉
91
平成 12 年 9 月 ブドウ球菌食中毒とエンテロトキシンについて
水環境中の有害化学物質のバイオアッセイによる管理
尾
伏
上
脇
洋
裕
一
一
92
平成 12 年 12 月 インフルエンザの迅速診断
医薬品の異物苦情事例について
渡
宮
邉
澤
寿
眞
美
紀
93
平成 13 年 3 月 ビブリオ・バルニフィカス感染症
(科学技術週間)「衛生研究所公開ミニ講座」のご案内
沖 津 忠 行
企 画 指 導 室
9
各部の業務概要と調査研究課題
(1) 業務概要
管理部
立っています。企画指導室の主な役割は、研修指導、公
衆衛生情報等の収集解析・提供を行うとともに所内調査
研究等の実施計画やその調整を行っています。さらに、
地域保健法の地域保健対策の推進に関する基本的な指針
の中で地域保健対策を推進するうえで保健所、市町村保
健センターと相互に連携させることが求められていま
す。衛生研究所は、平成 15 年度に茅ヶ崎市に移転し、
新衛生研究所として、設備の整備、機能の充実強化、備
品の整備が行われることになっており、その中で企画情
報部門の機能が付加され充実強化が図られることになっ
ています。
1業務の概要
(1)予算・経理
(2)庶務一般
(3)動物飼育管理
(4)運転業務
(5)洗浄業務
企画指導室
衛生研究所は、地域における科学的かつ技術的中核と
して厚生省事務次官通達、「地方衛生研究所の機能強化
について」
(平成 9 年 3 月 14 日付 )により位置づけられ、
その業務は 、(1)調査研究(2)試験検査(3)研修
指導(4)公衆衛生情報等の解析提供の4本柱から成り
1.試験検査及び研究調査の企画調整について
試験・研究関連業務の調整に関する庶務並びに研究に
関する調査、報告に関することを行っています。その他、
研究職員の資質向上と研究環境の活性化を図っていま
す。
− 21 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2.研修指導について
2000
病原性ナイセリア属菌の長期的な薬剤感受性調査によ
研修指導業務は衛生部研修計画の一環として、当所と
保健所検査課等との検査業務をより一層円滑に進め、衛
る耐性菌の出現監視を行い、その成績をWHOリン菌薬
剤感受性サーベイランス事業に提供して、各国との情報
生技術の向上を図るために衛生検査基礎技術研修、衛生
交換を行うとともに、国内のセンターとしての機能を有
検査担当者研修および衛生検査専門技術研修について
県、市町村の技術職員を対象に研修を実施しています。
しています。赤痢アメーバ、クリプトスポリジウム等の
腸管寄生性原虫による再興・新興感染症、性感染症の病
3.公衆衛生情報等の収集と解析提供について
原体検索およびそれらに関する調査研究を行っていま
広報資料の関係では「神奈川県衛生研究所 業務報告
/年報/研究報告 」、
「神奈川県における放射能調査報
す。また、小児ガンの一種である神経芽細胞腫検査にと
もなう精度管理等の調査を実施しています。
告 」、「衛研ニュース」、「神奈川県微生物検査情報」およ
【病理科】
び「神奈川県感染症発生情報( 週報/月報)」を発行し、
関係機関に提供しています。
特殊微生物(マイコプラズマおよびL型菌)の病原性
に関わる実験病理学的研究を行っています。また、これ
4.新衛生研究所の整備について
らの微生物に起因する疾患、特に肺炎マイコプラズマ感
設備の整備としては、既存棟の一部を改修し、研究事
務、管理事務、共同研究室等の配置をすることになって
染症の疫学調査ならびに検査法の開発を行っています。
その他に、必要に応じて化学物質の有害性に関する実験
います。
病理学的研究も行っています。
新棟は、約 8,000 ㎡、鉄筋コンクリート3階建ての実
験棟を建設し、実験室等を配置することになっています。
ウイルス部
また、機能の充実強化として、(1)企画調整機能、(2)
調査研究機能、(3)試験検査機能、(4)情報機能等の機能
の充実強化を図ることになっています。
備品の整備として、新衛生研究所の機能を重視する観
点から、備品の更新作業を行っています。
要綱類の見直しとして、良好な周辺環境への配慮と透
明性を確保するために、事務系業務及び研究業務に関わ
るすべての要綱類の整備と見直しを行っています。
5.その他、発展途上国を対象にした技術研修に関する
国際交流、科学技術週間にあわせた施設公開行事、図書、
文献検索による資料の収集・提供、その他資料の収録・
分類並びに研究成果の保存なども行っています。
ウイルス部は、病気の原因となる微生物のうちインフ
ルエンザ、エイズ、肝炎などの病原体であるウイルスの
検査や研究を行っています。対象とするウイルスの種類
が非常に多く、またウイルスによりその扱いが異なるた
め、現在ウイルス部には 2 つの科があり、9 名のスタッ
フで次のような調査研究を行っています。
【ウイルス第一科】
HIV(エイズウイルス )、インフルエンザウイルス、
エンテロウイルス(ポリオ、手足口病、ヘルパンギ−ナ
など )、アデノウイルス(咽頭結膜熱、流行性角結膜炎
など )、ムンプスウイルス(おたふく風邪)などについ
て検査、研究を行っています。HIV に関しては、保健
所(県域)で採血された HIV 抗体検査希望者の検査を
細菌病理部
一括して検査しています。また厚生労働省の HIV 検査
細菌病理部は、平成 12 年度現在、細菌科、臨床血清
科、病理科の 3 科、部員数 9 名で構成され、次のような
法・検査体制研究班の班員として、全国の地方衛生研究
所と国立感染症研究所との協力で検査法の検討、サブタ
検査・調査研究を行っています。
イプや薬剤耐性変異株の解析等、 HIV の疫学研究を行
【細菌科】
っています。
コレラ、赤痢、チフス、腸管出血性大腸菌感染症等の
2類または3類感染症の病原体の分離・同定試験および
【ウイルス第二科】
肝炎ウイルス(A 型、 B 型、 C 型など)、ヘルペスウ
疫学的解析を行います。また、食中毒、原因不明下痢症
イルス、日本脳炎ウイルス、風疹ウイルス、麻疹ウイル
等の腸管系感染症および溶血レンサ球菌、百日咳菌等に
よる呼吸器系感染症の病原体検索とそれらに関連する検
スなどのウイルスやリケッチア(恙虫病、紅斑熱、発疹
チフス)の検査、研究を行っています。特に恙虫病に関
査法の確立、病原因子の解析、分子疫学等の調査研究を
しては、PCR 法による原因リケッチアの検査法、株同
行っています。また、WHO指定機関として国内レンサ
球菌レファレンスセンターの運営を行っています。その
定法を確立し、その普及にも努めています。また、食中
毒の原因ともなる下痢症ウイルスについても、形態学的
他 、医薬品 、化粧品、医療用具等の無菌試験および行政、
にあるいは遺伝子学的に調査、研究を行っています。
一般依頼検査を実施するとともに、大規模、突発事件に
おける緊急検査に対応しています。
以上のようにウイルス部では、エイズ、インフルエン
ザ、ウイルス性下痢症、恙虫病等社会問題ともなってい
【臨床血清科】
る感染症の原因病原体の研究やその疫学研究に精力的に
− 22 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
取り組む一方、そこで培った先端技術を他のウイルス分
2000
医薬品、化粧品、医療用具等の効能と安全の確保を図
野の研究にも応用し、発展させるべく努めています。
るための品質調査、貝毒及びフグ毒の毒性検査、化学性
食中毒に関する調査、天然物や化学製品及び疑似医薬品
食品薬品部
等の安全性調査を行っています。健康及び快適生活志向
食品薬品部は食品化学科、食品添加物科、薬事毒性科
の3科18名で構成され、食品や医薬品の安全を確保す
るため、残留農薬、食品添加物、医薬品等の理化学分析
や毒性に関する検査や調査研究を行っています。物流の
国際化・広域化は食品や医薬品等の検査対象項目の急激
な増大と多様化をもたらし、より高度な分析技術の開発
や精度並びに設備の充実を不可欠なものとしています。
平成 12 年度はそうした通常の検査や調査研究の他に、
乳製品による大規模な中毒事故が社会問題化して以後、
県民からの苦情事例が急増しました。また、遺伝子組み
の中で、多様な化学製品が使用され、安全を確保するた
めに、それらに対応できる成分分析法の改良や、安全性
の評価方法の開発も必要になり検討を進めています。ま
た健康の維持増進における食品の役割が見直されており
生理活性成分の確認や作用機序についても検討を行って
います。
医薬品は製造時の品質管理の徹底がはかられています
が、医療用医薬品では、平成 10 年度から製剤の溶出試
験規格設定のための作業が開始されました。当科でも厚
生労働省の医療用医薬品再評価事業に参画しています。
また、医薬品等の知事承認品目の規格及び試験方法に関
する審査を行っています。
換え食品の表示義務化に向けた検討を行いました。
【食品化学科】
食品中に残留する農薬、動物用医薬品及び有機スズ化
食品獣疫部
合物等環境汚染物質の動態を、化学分析の面からとらえ、
安全な食生活の確保に関する調査研究を行っています。
食品獣疫部は、乳肉衛生科と食品微生物科の2科8名
残留農薬は、平成4年度より順次食品衛生法の改正が行
で構成されています。当部の担当業務は、食品衛生に係
われ、現在 224 農薬の残留基準値が設定されています。
畜水産食品中に残留する動物用医薬品についても、毒性
わる微生物学的検査研究業務です。
【乳肉衛生科】
や残留性について審議が終了したものから順次残留基準
乳、肉、魚介類及びそれらの加工品等についての細菌
設定がなされ、現在、ホルモン剤、抗生物質、合成抗菌
剤、内寄生虫剤にわたり 19 品目が設定されています。
検査及び抗生物質検査、ふぐ加工品の魚種鑑別試験、
HACCP 方式に基づく食品の製造工程管理に関する微生
これらの品目は、今後も順次追加される予定であり、公
物学的研究、ブドウ球菌のエンテロトキシン産生制御の
的試験法作製に協力して試験法の検討や残留実態調査を
行っている。また新規規制項目について神奈川県内に流
研究、豚丹毒菌やエルシニアなどの人畜共通感染症につ
いての研究を行っています。
通する農産物や畜産物について安全監視が実施できるよ
【食品微生物科】
うに、試験法の改良や研修を行い、未規制の農薬につい
て先行的に調査し実態の把握に努めています。
食品(乳、肉、魚介類及びその加工品を除く)及び飲
料水あるいは器具などの微生物学的検査研究を行うとと
【食品添加物科】
もに、真菌(カビ)の生理生態学的研究を行っています。
食生活に身近な食品添加物および容器包装材等につい
て化学的な面から調査研究を行っています。さらに、12
また、腸内有用細菌の研究、病原性大腸菌 O157 分離用
培地の改良に関する基礎的研究にも取り組んでいます。
年度は、13 年4月から始まる遺伝子組み換え食品の表
これらの食品獣疫部の検査研究は、消費者の食生活上
示に向けて、分析体制を整える準備を開始しました。
の安全を守るためのものであり、あるいは動物を原因と
市場にはたくさんの輸入食品が見られるようになって
いますが、神奈川県における輸入食品対策事業として、
する新しい感染症を防止するためのものであります。
また、食品獣疫部では、平成 12 年度は、検査部門の
食品添加物に関しては指定外添加物を中心に着色料、甘
微生物区分の検査として、食肉中のオキシテトラサイク
味料、保存料、酸化防止剤等の試験を実施しています。
また、県内で製造されている食品添加物あるいは食品添
リン検査、食肉等のペニシリン系 、 テトラサイクリン
加物製剤の品質を確保するために成分規格試験を実施し
野菜類の腸管出血性大腸菌 O157、 大腸菌及びサルモネ
ています。
合成樹脂製容器包装材については、材質中に存在する
ラ汚染実態調査、生食用魚介類の腸炎ビブリオ汚染実態
材質の原料であるモノマーや、材質の品質確保のために
検査、ナッツ類 、 香辛料等のカビ及びアフラトキシン
の添加剤等さまざまな化学物質の調査、研究を行ってい
ます。
汚染調査について食品GLPを実施しました。
【薬事毒性科】
系及びアミノグリコシド系の抗生物質検査、肉類並びに
調査、生食用カキの細菌数、 大腸菌及びVTECの汚染
上記調査を、試験品取扱い標準作業書、検査実施標準
作業書、試薬等管理標準作業書、機械器具保守管理標準
− 23 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
作業書の各標準作業書に従い実施しました。
機リン酸エステル系防炎加工剤分析法の改良などについ
検査の信頼性を確保するため、外部精度管理並びに内
部精度管理を実施しました。
て調査研究を行いました。
室内環境関係では新築住宅におけるホルムアルデヒド
外部精度管理としては、食品薬品安全センターから送
やトルエン等、室内濃度指針値の定められている化合物
付された検体について細菌数測定、大腸菌同定検査を行
い、良好な結果を得ました。
を中心に調査を行うと共に室内化学物質低減化対策につ
いても調査研究を行いました。
内部精度管理としては、そば粉中の細菌数測定を実施
一方では、生活排水の検査及び生活排水処理技術の開
しました。また、「科学的根拠及び情報を提供する地研
の試験検査機能の強化に関する研究」の分担研究者から
発や処理機能の調査並びに技術指導を担当しています。
また、環境庁の共同研究として発ガンプロモータ物質の
内部精度管理実施調査の依頼があり、送付された牛乳の
検出のためのスクリーニング法の開発及びそれによるプ
一般生菌数の検査を実施しました。
ロモータ活性の分析を行いました。更に、受託研究や各
種の助成研究も行いました。
生活環境部
【環境生物科】
生活環境部は環境化学科、環境生物科及び放射能科の
3科、部員数 15 名で構成されています。部の主な業務
は人間の生活環境全般に関する調査研究を、それぞれ化
学、生物学と理工学の立場で生活環境における安全性確
保のため取り組んでいます。
各科について平成 12 年度に実施した調査・研究の概
要を説明します。
【環境化学科】
生活環境中の化学物質が原因となる問題は多種多様で
すが特に飲料水、家庭用品、室内空気環境、生活排水な
どを中心に取り組んでいます。
飲料水の安全性を確保するために農薬、内分泌撹乱
物質(環境ホルモン)や揮発性有機化合物の調査研究を
行うと共に水道原水・浄水について監視項目等の調査、
水道水源水質調査並びに水道水質管理計画に基づく精度
管理等を行いました。常に突発的な事故に対して対応で
きるように心がけています。
家庭用品関係では家庭用品の法律で規制されている
トリフェニル錫化合物や塩化ビニル等の調査に加えて、
未規制の家庭用品として室内環境汚染原因と考えられる
家庭用エアゾール製品等の揮発性有機化合物の調査や有
主に衛生動物の制御について生態学の視点に基づき調
査研究を行いました。県内におけるマダニの分布調査及
びタテツツガムシ幼虫の県内における分布拡大要因につ
いて調査研究を引き続き行いました。また、ダニアレル
ゲン量簡易測定キットの検査やクマネズミに対する忌避
剤の効果についても調査研究を行いました。
【放射能科】
核実験、核燃料サイクル等からの放出により環境へ負
荷される放射性物質の挙動に関する調査・研究を行いま
した。雨水・上水・土壌中などの環境放射能濃度調査や
海産物・粉乳・野菜などの食品中の放射能濃度調査や、
国内食品中に含まれるセシウム-137 などの放射性物質の
濃度とその推移についての調査を行いました。また、食
品素材における微量元素の濃度分布、キノコにおける放
射性セシウムの挙動、セシウムに対する土壌微生物の性
状解析及び建築材料中のラドンに関する研究を行いまし
た。
多様な生活環境の時代を迎え、県民の健康に対する高
い関心、より安全な住環境の創造等により生ずる新たな
諸問題に迅速に対応するためにも、今後更に相互協力を
強化したいと思います。
− 24 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
細菌病理部
(2) 事業課題
ア バンコマイシン耐性腸球菌汚染実態調査
【感染症の予防に関する事業】
Ⅰ 事業関連課題(本庁等主管課)
Ⅱ調査研究課題
1 健康相談等事業(衛生総務室)
細菌病理部
[経常研究]
細菌病理部
ア 保健福祉事務所衛生試験検査
イ 保菌者検索
2 エイズ検査・相談事業(保健予防課)
ウイルス部
1
病原ビブリオの抗原解析と毒素産生性に関する
2
検討
A群溶レン菌Mタンパクの感染防御に関する研
究
ア HIV抗体検査
3 感染症予測監視事業(保健予防課、厚生労働省)
3
細菌病理部
腸管出血性大腸菌の環境中(主に水系)におけ
る分布状況
ア 感染性胃腸炎調査
イ A群溶血性レンサ球菌咽頭炎調査
ウ 百日咳調査
4
Naegleria fowleriの生息に関する研究
5
6
髄膜炎菌の抗生剤感受性の実態
B群レンサ球菌の溶血毒素について
ウイルス部
エ 細菌性髄膜炎調査
オ 河川水および下水道水等腸管系病原菌調査
カ 淋菌感染症調査
キ マイコプラズマ肺炎調査
ウイルス部
ア インフルエンザのウイルス学的調査
イ ヘルパンギ−ナのウイルス学的調査
ウ 手足口病のウイルス学的調査
1
2
HIV感染マーカーの推移に関する研究
日本でみられる希なHIV-1サブタイプの解析
3
ウイルス性呼吸器感染症に関する研究
4
5
Q熱に関する研究
蚊が媒介するウイルスに関する研究
6
リケッチア感染症に関する調査研究
食品獣疫部
1 嫌気性連続流動培養装置を用いた腸内有用菌に
エ 無菌性髄膜炎および急性脳炎(日本脳炎を除く)
関する研究
のウイルス学的調査
オ ウイルス性眼疾患のウイルス学的調査
[重点基礎研究]
ウイルス部
カ 乳児嘔吐下痢症および感染性胃腸炎のウイルス
1
学的調査
キ 小児の麻疹感受性調査
ノ−ウォ−ク様ウイルスの遺伝子解析
Ⅲ共同研究課題(共同研究者)
ク 風疹抗体調査
細菌病理部
ケ 麻疹ウイルス調査
コ 恙虫病患者の血清学的調査
1
4 感染症流行予測調査事業(保健予防課、厚生労働省)
ウイルス部
ア インフルエンザ感受性調査
野菜等の農水産物からの汚染微生物等の検出法
に関する調査研究(厚生労働省)
2 溶血レンサ球菌レファレンス支部センター(関
東甲信静ブロック)運営(厚生労働省)
3
イ 日本脳炎感染源調査
5 感染症予防対策事業(保健予防課)
髄膜炎菌性髄膜炎の発生動向調査及び検出方法
の研究(厚生労働省)
4
細菌病理部
ア 保菌者・感染源調査
パルスフィールドゲル電気泳動法の標準化およ
び画像診断を基盤とした分散型システムの有効
性に関する研究(厚生労働省)
イ チフス菌等のファージ型別調査
ウイルス部
ウ アメーバ赤痢確定試験
6 狂犬病対策事業(生活衛生課)
1
HIVの検査法と検査体制を確立するための研究
(厚生労働省 、HIV検査法・検査体制研究班)
食品獣疫部
2
ア 狂犬病検査
7 動物由来感染症予防対策事業(生活衛生課)
エイズ医薬品候補物質のスクリ−ニング研究
(厚生労働省)
食品獣疫部
1 細胞付着性大腸菌の実態把握と検査法の確立に
食品獣疫部
ア 動物由来感染症病原体保有状況調査
8 新規規制動物用医薬品検査事業(生活衛生課)
関する研究(厚生労働省)
− 25 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
ア オキシテトラサイクリンの検査
【食品等の安全に関する事業】
8 新規規制農薬検査事業(生活衛生課)
食品薬品部
Ⅰ 事業関連課題
1 食品衛生指導事業(生活衛生課)
細菌病理部
ア GC−MSによる残留農薬の確認試験
9 食品の食中毒菌汚染実態調査事業(生活衛生課)
食品獣疫部
ア 食中毒の細菌学的原因調査
ウイルス部
ア 食中毒のウイルス学的原因調査
ア 食品の食中毒菌汚染実態調査(肉類、生食用魚
介類、野菜類)
10 病原性大腸菌予防対策事業
食品薬品部
ア 食品添加物の規格試験
イ 非感染性食中毒の原因調査
細菌病理部
ア 病原性大腸菌汚染防止検査
ウ 異味異臭、異物等の苦情食品原因調査
2 食品科学情報収集事業(生活衛生課)
細菌病理部
Ⅱ調査研究課題
[経常研究]
食品薬品部
ア 食品中の原虫汚染実態調査
食品薬品部
ア 加工食品等の未規制農薬残留調査
遺伝子組み換え食品の検出法に関する検討
1
2 内分泌かく乱化学物質に関する研究
食品獣疫部
食品獣疫部
ア 香辛料等の芽胞形成菌調査
3 食品科学検査調査事業(生活衛生課)
1
食品薬品部
HACCP方式に基づく食品の製造工程管理に関す
る微生物学的研究
豚丹毒菌の分子疫学的分類に関する研究
ア 海産魚介類の有機スズ化合物(TBTO、TPT及びD
BT)汚染実態調査
2
イ 台所用洗浄剤の成分規格検査
する研究
4 エルシニア
3
食品獣疫部
ア 食品中のカビ毒検査
[重点基礎研究]
食品薬品部
食品薬品部
ア 魚介類の一酸化炭素
1
食品中微量汚染物質についての発癌プロモータ
ー的見地からの安全性評価
2 アレルギ−性接触皮膚炎において早期に産生さ
イ 市場流通二枚貝の貝毒調査
ウ ふぐ加工製品のふぐ毒調査
食品獣疫部
れるサイトカインmRNA発現パタ−ンに関する研
究
ア ふぐ加工製品検査(魚種鑑別)
3
イ 畜水産物中の残留抗生物質検査
ウ 生食用カキ成分規格検査
有機スズ化合物の雄性生殖毒性
食品獣疫部
エ 牛乳の保存試験に関する調査
1
オ 乳・乳製品の黄色ブドウ球菌エンテロトキシン
検査
カ 食肉製品の腸管出血性大腸菌 O157 検査
食品薬品部
ア 輸入農産物のポストハ−ベスト農薬調査
エンテロコリチカの生態に関する
研究
4 乳肉衛生指導事業(生活衛生課)
5 輸入食品衛生対策事業(生活衛生課)
黄色ブドウ球菌のエンテロトキシン産生能に関
病原性大腸菌O157分離培地(CT-SMAC寒天培地)
の改良に関する基礎的研究
Ⅲ共同研究課題
食品薬品部
1
平成12年度食品汚染物モニタリング調査事業
2
(厚生労働省)
内分泌かく乱物質の健康影響に関する生体試料
イ 輸入食品中の指定外添加物検査
6 食品残留農薬実態調査事業(生活衛生課)
食品薬品部
分析法の開発とその実試料分析結果に基づくヒ
ト健康影響についての研究(厚生労働省)
ア 内分泌かく乱化学物質測定用ディスポ−ザブ
ア 食品残留農薬実態調査(厚生労働省委託)
7 新規規制動物用医薬品検査事業(生活衛生課)
食品薬品部
ル器具の開発に関する研究
イ
ア 食肉中の動物用医薬品残留検査
3
食品獣疫部
経口免疫寛容への内分泌かく乱物質の影響
高分子素材からなる生活関連製品由来の内分泌
かく乱化学物質の分析および動態解明(厚生労
− 26 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
働省)
ア
イ
4
2000
ア 家庭用品試買検査
食品容器包装材料等からの溶出挙動の解明
医療用具などの高分子材料中の重金属調査
2 住まいと健康サポートシステム推進事業(生活衛生
課)
食品添加物安全性再評価、変異原性第二次試験
食品獣疫部
(厚生労働省)
ア カビアレルゲン量の精密検査
生活環境部
ア 室内汚染化学物質実態調査
【薬品等の安全に関する事業】
イ アレルゲン生物実態調査
3 浄化槽指導監督事業(生活衛生課)
Ⅰ 事業関連課題
1 薬事指導運営事業(薬務課)
細菌病理部
生活環境部
ア 大規模浄化槽実態調査
4 生活環境指導事業(生活衛生課)
ア 医薬品等の品質調査
イ 苦情医薬品等の原因調査
食品薬品部
生活環境部
ア 生活生物の制御に関する調査
ア 医薬品等の品質調査
イ 苦情医薬品等の原因調査
2 医薬類似品等監視指導事業(薬務課)
Ⅱ調査研究課題
[経常研究]
食品獣疫部
食品薬品部
ア 医薬類似品等の医薬品成分に関する試験
3 医薬品等製造業指導事業(薬務課)
1
野外ならびに住居室内の空気から分離されるカ
ビの生理特性
生活環境部
細菌病理部
ア 医療用具・特殊医薬品に関する試験
食品薬品部
1
室内環境中の有機化合物質調査
ア 医薬品等の製造承認審査
2
イ 県内製造医薬品の品質調査
ウ 医薬品の技能及び精度調査(厚生労働省委託)
家庭用品中の有機リン酸エステル系防炎加工剤
の分析
3
生活排水の代替塩素による消毒法に関する研究
4
ダイオキシン類等有害化学物質の環境中での動
態と環境毒性評価に関する研究
4 医薬品検定事務等調査事業(薬務課)
食品薬品部
ア 医薬品再評価溶出試験規格調査(厚生労働省委
5
紅斑熱群リケッチア保有マダニ類の分布
6 ツツガムシの分布拡大要因
[重点基礎研究]
託)
イ 医療用具の品質調査(厚生労働省委託)
生活環境部
1
Ⅱ 調査研究課題
1
生活環境部
植物性緩下薬成分の定量における標準品の安定
1
化に関する検討
2
3
微生物による藻類と藻類由来有毒化合物の分解
特性に関する基礎的研究
[助成研究]
[経常研究]
食品薬品部
天然成分の抗酸化能に関する研究
乱用薬物・亜硝酸エステル類の吸入による循環
2
浄化槽消毒処理水の安全性評価に関する研究
(日本環境整備教育センタ−)
内分泌撹乱化学物質の生態毒性評価に関する研
究(文部科学省)
3 合併処理浄化槽に対する消毒技術の評価に関す
器系作用に及ぼす衛生学的検討
る研究(公益信託柴山研究基金)
Ⅲ 共同研究課題
食品薬品部
1
未規制薬物の乱用防止に関する研究(厚生労働
省)
【飲料水の安全に関する事業】
Ⅰ事業関連課題
1 水道病原性微生物緊急対策事業(生活衛生課)
細菌病理部
ア 水道原水の原虫汚染実態調査
【快適な生活を守る事業】
Ⅰ 事業関連課題
1 家庭用品衛生指導事業(生活衛生課)
2 特定化学物質水源調査事業(生活衛生課)
生活環境部
生活環境部
− 27 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
ア ゴルフ場使用農薬水質調査
2
3 水道水質管理計画推進事業(生活衛生課)
食品獣疫部
3
ア 水質監視細菌検査
2000
食品素材における微量元素の濃度分布
キノコにおける放射性セシウムの挙動に関する
研究
[重点基礎研究]
生活環境部
ア 水道水質管理計画に基づく水質監視
生活環境部
1 セシウムに対する土壌微生物の性状解析に関す
イ 水道水質管理計画に基づく精度管理
る基礎的研究
4 環境ホルモン水道水調査事業(生活衛生課)
生活環境部
【検査・分析法技術、精度管理に関する事業】
ア 環境ホルモン水道水調査
Ⅰ事業関連課題
5 水道事業指導監督事業(生活衛生課)
生活環境部
細菌病理部
1 神経芽細胞腫検査事業(地域保健課)
ア 神経芽細胞腫検査の精度管理および技術指導
ア 水道水源水質調査
2 食品衛生検査施設信頼性確保事業(生活衛生課)
Ⅱ 調査研究課題
食品薬品部
ア 食品の理化学検査および動物検査における精度
[経常研究]
生活環境部
1 水環境中の人畜由来ホルモンの動態に関する研
管理試験
食品獣疫部
ア 食品細菌検査における精度管理用試料の作製
究
2
水道原水への内分泌撹乱物質(環境ホルモン)
供給源としての底泥の評価
Ⅱ調査研究課題
[経常研究]
Ⅲ 共同研究課題
細菌病理部
1
食品薬品部
水道水を介して感染するクリプトスポリジウム
及び類似の原虫性疾患の監視と制御に関する研
究(厚生労働省)
食品中の残留農薬分析法の改良に関する研究
動物用医薬品試験法改良に関する研究(Ⅱ)
3
食品中の環境由来化学物質分析法の改良に関す
る研究
4 未規制農薬の分析法の改良に関する研究
生活環境部
1
1
2
水道における化学物質の毒性、挙動及び低減化
に関する研究(厚生労働省)
5
指定外添加物の分析法に関する研究
生活環境部
1 水環境中のノニルフェノールエトキシレート(N
Ⅳ 受託調査・研究課題
PE)分解生成物の分析
生活環境部
1 水道原水及び浄水中の内分泌撹乱物質の挙動に
Ⅲ共同研究課題
関する調査(企業庁、広域水道事業団)
食品薬品部
【放射能に関する事業】
1
食品残留農薬告示分析法の検討(厚生労働省)
2
食品中の食品添加物分析法の設定(国立医薬品
食品衛生研究所)
Ⅰ 事業関連課題
1 放射能測定調査事業(生活衛生課、文部科学省)
生活環境部
ア 環境放射能水準調査
3
食品添加物試験法設定
4
5
容器・包装試験法設定 (日本薬学会)
発がんのイニシエ−ションを受けたBhas42細胞
2 食品科学指導事業(生活衛生課)
(日本薬学会)
を用いての発がんプロモ−タ−簡易検出法の研
生活環境部
ア 食品の放射能濃度調査
6
究室間バリデ−ションスタディ−(日化協)
香粧品試験法の設定(日本薬学会)
生活環境部
Ⅱ 調査研究課題
[経常研究]
1
生活環境部
1
化学物質による生物・環境負荷の総合評価手法
の開発「未来環境創造型基礎研究推進プロジェ
クト」(環境省)
建材中のラドン濃度に関する研究
− 28 −
神奈川県衛生研究所年報
(3)
事業課題概要
第 50 号
Escherichia
2000
coli( EPEC)31 検体(28.2 % )、Klebsiella
Ⅰ 事業関連課題
oxytoca 7 検体(6.4 % )、Campylobacter jejuni および
Aeromonas caviae 各 3 検体(2.7 % )、Aeromonashydrophila
細菌病理部
および Aeromonas sobria 各 1 検体(0.9 %)で、E. coli
1−ア 保健福祉事務所衛生試験検査
−細菌学的検査−
と A.caviae 、A.hydrophila、A.sobria、C.jejuni、K.oxytoca
との同時分離例が各々 1 検体、計 5 検体に認められ E.
【 感染症の予防に関する事業 】
保健福祉事務所との連携業務の一環として分離された
coli の 2 種類の血清型菌分離例が 1 検体に見られた。近
菌株の詳細な生化学的性状、血清学的同定型別試験、毒
素産生性とその型別試験、病原因子およびその遺伝子に
年の傾向として E. coli の分離率が高いが、例年と同様
に分離株はいずれも腸管毒素またはベロ毒素を産生しな
関する試験等の試験項目について実施した。
い病原大腸菌(EPEC )であった。
平成 12 年度に保健福祉事務所から送付された菌株数
は 110 件であり、その内訳は、赤痢菌 3 件 、サルモネラ 5
3−イ
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎調査
平成 12 年度に、感染症発生動向調査定点医療機関に
件、大腸菌 74 件、腸炎ビブリオ 27 件であった。
−血清学的検査および原虫検査−
平成 12 年度、血清学的検査(トキソプラズマ、赤痢
おいて臨床的にA群溶血レンサ球菌咽頭炎と診断された
患者由来の咽頭拭い液に対し、溶レン菌分離を行った。
アメーバ等)および原虫検査の依頼はなかった。
総検査数 37 検体中 32 検体(86.5%)から A 群溶レン菌が
1−イ
分離された。
A 群溶レン菌 32 株は 9 種類に血清型別された。主な
保菌者検索
平成 12 年度は、県内福祉施設の園生 200 名について
血清型は T12 型 31.3%、T4 型 25.0 %、T2 型 12.5 %、T1
赤痢菌の培養検査を行った。便 200 検体( 8 月 22 日:85
検体、8 月 29 日: 18 検体、1 月 9 日: 83 検体、1 月 16
型 9.4 %であった。平成 8 年度以来、T4 型および T12
型は主要菌型である。
日:17 検体)を検査した結果、赤痢菌はすべて陰性で
あった。
3−ウ 百日咳調査
平成 12 年度に、感染症発生動向調査定点医療機関に
ウイルス部
おいて臨床的に百日咳様疾患と診断された患者由来の鼻
2−ア HIV 抗体検査
昭和 62 年 2 月 10 日より神奈川全県下の保健所で HIV
咽頭拭い液 3 検体に対し、百日咳菌分離を試みたが、本
菌は分離されなかった。
抗体検査受付が開始され、当所で検査が実施されている。
平成 5 年 4 月からは検査が無料化され、同年 8 月からは
HIV-1 の抗体検査に加え、HIV-2 の抗体検査も行ってい
3−エ 細菌性髄膜炎調査
平成 12 年度に、感染症発生動向調査定点医療機関に
る。さらに、平成 12 年度は厚生労働省 HIV 検査法・検
おいて臨床的に細菌性髄膜炎と診断された患者由来の髄
査体制研究班の協力により、毎週火曜日に夜間検査を実
施している大和保健所の HIV 検査について遺伝子検査
液 2 検体に対し、起因菌の分離を試みたが、髄膜炎起因
菌は分離されなかった。
を実施した。その影響により、大和保健所の検査希望者
数は他保健所に比べ多い傾向にある。平成 12 年度に県
下各保健所で受け付けられた抗体検査希望者総数は
1,112 件であり、その内大和保健所分は 324 件(29 %)
であった。
本年度は PA 法による一次スクリーニング検査の結
果、全て陰性であった。
3−オ
河川水および下水道水等腸管系病原菌調査
腸管感染症の発生予測および流行防止に役立てるた
め、河川水(10 定点 )
、県下流域下水道水(12 定点 )
、
終末処理場流入水(4 定点)および放流水(4 定点)に
おける腸管系病原菌の汚染実態調査を行った。
調査項目は、2類感染症原因菌であるコレラ菌O 1 お
よびO 139、赤痢菌、チフス菌、パラチフスA菌および
3類感染症原因菌である腸管出血性大腸菌、食品衛生法
に規定される食中毒原因菌 Vibrio cholerae non-O 1, O
細菌病理部
3−ア 感染性胃腸炎調査
平成 12 年度に、感染症発生動向調査定点医療機関か
139、 腸 炎 ビ ブ リ オ 、 Vibrio
mimicus、 Vibrio
ら送付された感染性胃腸炎を疑える患者便 110 検体につ
いて、腸管病原菌の検索を行った。
fluvialis/furnissii、 Aeromonas hydrophila/sobria、
Plesiomonas shigelloides、 Salmonella、 Campylobacter
便 110 検体中 40 検体(36.4 %)から腸炎起因菌とし
jejuni/coli 、Yersinia enterocolitica および病原大腸菌を対
て推定できる病原菌が分離されたが、 70 検体からは既
知腸管病原菌を分離できなかった。病原菌分離状況は、
象とした。
供試検体は、2000 年 4 月∼ 2001 年 3 月に毎月1回の
頻度で採取を行い、
延べ検体数 360 件について調査した。
− 29 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
河川水からは、2類および3類感染症原因菌は検出さ
頭拭い液についてウイルス分離を実施し、インフルエン
れなかったが、 Vibrio cholerae non-O 1, O 139、 Vibrio
mimicus、 Aeromonas および病原大腸菌が全定点から検
ザウイルス A/H1 型 19 株、 A/H3 型 5 株、 B 型 4 株、エ
コーウイルス 3 型 1 株 、アデノウイルス 1 型 1 株、2 型 1
出され、特に淡水性細菌である Aeromonas の検出頻度
株、3 型 7 株、4 型 1 株が分離された。
は高かった。流域下水道水からは Vibriocholerae non-O 1
, O 139、Vibriofluvialis/furnissii、Aeromonas、Salmonella
また、インフルエンザ脳症が疑われた患者 3 名につい
て病原体検索を行ったが、
ウイルスは分離されなかった。
および病原大腸菌が全定点から検出された。処理場流入
水からの検出菌は、流域下水道水と同様な頻度で検出さ
れた。処理場放流水からは、Aeromonas および病原大腸
3−イ ヘルパンギ−ナのウイルス学的調査
ヘルパンギーナはコクサッキーウイルス A 群により
菌が全定点から検出されその検出頻度は高かった。流域
毎年夏季に小児の間で流行する、発熱、口内炎、咽頭痛
下水道水および処理場流入水から検出された Salmonella
の 血 清 型 は 、 検 出 頻 度 の 高 い 順 に S. Agona 、 S.
を主症状とするかぜ様疾患である。
平成 12 年度の神奈川県域の流行は、例年同様 6 月よ
Oranienburg 、 S. Enteritidis 、 S. Hader、 S. Infantis 、S.
り始まり、7 月をピークに 8 月に終息した。流行規模は
Typhimurium、 S. Montevideo で あ っ た 。 放 流 水 で は
Aeromonas および病原大腸菌が全定点から検出された
昨年より大きいものであった。本年度は 38 件について
ウイルス分離を実施し、コクサッキーウイルス A (CA)4
が、流域下水道水および処理場流入水で高頻度に検出さ
型 8 株、CA5 型 2 株、CA6 型 9 株、CA10 型 6 株、アデ
れた Vibrio cholerae non-O 1, O 139、Salmonella の検出
頻度は低かった。
ノウイルス 1 型 1 株、単純ヘルペスウイルス 1 型 3 株の
計 29 株が分離された。
3−カ 淋菌感染症調査
感染症発生動向調査に神奈川県単独で淋菌感染症を加
3−ウ 手足口病のウイルス学的調査
手足口病は例年夏季に小児の間で流行する疾患で、そ
え 、調査を行った。病原体定点は基幹定点 6 カ所とした 。
の主な原因ウイルスはエンテロウイルス 71 型、コクサ
この内 3 カ所の定点から分離菌株 8 件の送付があった。
同定された 7 株はすべてβラクタマーゼ非産生株であっ
ッキーウイルス A(CA) 16 型および CA10 型である。
本年度は 1990 年、1995 年に次ぐ流行年であった。6
た(1 株は非発育 )。
月から患者数が増え始め、7 月にピークを迎え、その後
3−キ
減少しながらも終息はみられず、冬季まで患者報告が続
いた。ウイルス分離依頼件数は 65 件であり、エンテロ
マイコプラズマ肺炎調査
今年度は検査数 9 件で、全て肺炎マイコプラズマ分離
ウイルス 71 型 27 株、コクサッキーウイルス A(CA)16
陰性であった。昨年度、エリスロマイシン( EM )耐性誘
発試験により 11 株の EM 耐性(MIC;>400µg/ml)肺炎マ
型 8 株、CA6 型 4 株、CA10 型 2 株、CA2 型 1 株、アデ
ノウイルス(Ad)2 型 1 株、Ad5 型 1 株の計 44 株が分離
イコプラズマ株を得たが、これらの株の遺伝子変異を調
された。
べた結果、23S
rRNA 遺伝子に A → G あるいは A → C
の点変異が認められた。従って、肺炎マイコプラズマの
EM 耐性が 23S rRNA 遺伝子の点変異により発現される
3−エ 無菌性髄膜炎および急性脳炎(日本脳炎を除く)
のウイルス学的調査
ことが判明した。
無菌性髄膜炎の病原ウイルスとしては、エンテロウイ
ウイルス部
ルス(エコーウイルス、コクサッキー B 群ウイルス等)
が主であり、その中でも毎年異なった型により流行する
3−ア
ことが多い。感染症予測監視事業の一環として毎年調査
インフルエンザのウイルス学的調査
インフルエンザは例年 12 ∼ 3 月にかけて流行し、患
者発生のピークは 1 月末∼ 2 月初めとなることが多い。
を行っている。また、従来の脳・脊髄炎調査は平成 11
年感染症新法施行以来急性脳炎調査として実施となっ
しかし、平成 12 年度冬季の県域での流行は 2 ∼ 4 月に
た。
かけて起こり、患者発生のピークは 3 月中旬にあった。
患者発生数からみて、極小さな流行にとどまった。
平成 12 年度は手足口病との合併症例が多く、検査定
点から検体を送付された 48 件の内 30 件が合併症例であ
横須賀市、相模原市および県域の各保健所管内初発集
った。 RD-18S 細胞、HeLa 細胞、 Vero 細胞、HEp-2 細
団かぜ(10 集団 47 名 )について、病原体検索を行った。12
月中に発生した 2 集団はインフルエンザウイルス以外の
胞、 GMK 細胞および哺乳マウスを用いてウイルス分離
を実施した。その結果、エンテロウイルス 71 型 6 株、
原因が考えられた。1 ∼ 3 月に発生した 8 集団はインフ
コクサッキーウイルス A10 型 3 株、同 A2 型 1 株、エコ
ルエンザを起因としており、内訳は、A/H1 型7集団 、B
型1集団であった。
ーウイルス 22 型 1 株、ムンプスウイルス 2 株およびア
デノウイルス 1 型1株が分離された。無菌性髄膜炎と手
感染症発生動向調査のために採取された 120 検体の咽
足口病合併症例の内 1 症例の咽頭拭い液検体から、
− 30 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
RD-18S 細胞と GMK 細胞ではエンテロウイルス 71 型、
ついて、PA で麻疹ウイルスに対する抗体の測定を行っ
哺乳マウスではコクサッキーウイルス A10 型が分離さ
れた。なお、急性脳炎は検査依頼がなかった。
た。
3−オ ウイルス性眼疾患のウイルス学的調査
平成 12 年度の県域での眼疾患の検査依頼は咽頭結膜
年齢別の抗体保有率は 1 歳以下が 50.0 %、他の年齢
層(2 ∼ 14 歳)は 90.0 ∼ 100 %を示し 、平均抗体保有
率は 86.1 %であった。
現在の予防接種が個人接種で行われていることから、
熱の 6 件のみで、この内 2 件からアデノウイルス 3 型
予防接種率の低下が予想される。今後も継続して麻疹に
( Ad3)が分離された。
また、一般依頼検査として相模原市より 62 件、横須
対する抗体保有状況の把握を行うとともに 、 予防接種
賀市より 12 件の流行性角結膜炎患者の検査依頼があり、
の必要性と麻疹に関する適切な知識を普及していくこと
が大切と思われる。
それぞれ 26 株( Ad8 12 株、 Ad19 4 株、 Ad4 4 株、 Ad3
1 株、Ad7 1 株、 Ad11 1 株、AdNT 3 株)、5 株(Ad4 2
3−ク 風疹抗体調査
株、Ad1 1 株、Ad3 1株、Ad8 1 株)のアデノウイルス
を分離した。
3−カ
乳児嘔吐下痢症および感染性胃腸炎のウイルス
学的調査
ウイルス性の下痢症を調査する目的で平成 12 年 4 月
から平成 13 年 3 月にかけて、 乳児嘔吐下痢症および感
染性胃腸炎が疑われた患者の便を対象にウイルスの検査
を実施した。
感染症予測監視事業における 3 ヵ所の定点医療機関か
ら得られた検体および 2 事例の感染性胃腸炎の集団発生
事例より採取された検体について 、 ロタクロン(TFB
社製)とアデノクロン E (TFB 社製)を用いたロタウイ
ルス、アデノウイルスの検出および遺伝子検出法による
小型球形ウイルスの一種のノーウォークウイルスの検出
を行った。さらに電子顕微鏡によるウイルス検索も実施
した。検査定点から得られた 8 検体の便について検査し
たところ、ロタウイルスが 1 検体、ノーウォークウイル
スが 1 検体検出され、アデノウイルスは検出されなかっ
た。さらに 2 事例の感染性胃腸炎の集団発生事例で得ら
風疹流行の予測とその推移を知るため、 住民の風疹
ウイルスに対する感受性の実態を把握しておくことは重
要である。
平成 12 年度においては、 一般健康人男女 220 名(男
110 名 、女 110 名)を対象として、 風疹ウイルスに対す
る赤血球凝集抑制(HI)抗体の測定を行った。
結果は年齢別抗体保有状況を陰性率でみると、 1 歳以
下 65.0 % 、 1 ∼ 4 歳 25.0 % 、 5 ∼ 9 歳 10.0 %、 10 ∼ 14
歳 30.0 %、 15 歳以上 5.0 ∼ 35.0 %となり平均陰性率
は 22.7 %であった。
次に HI 抗体価をみると 32 ∼ 128 倍が 55.5 %を占め 、
平均抗体価は 26.3 であった。
以上の成績より、 1 歳以下で抗体保有率が特に低いこ
とがわかった。この年齢層が今後の感染と流行の主体に
なると考えられる。現在生後 12 ∼ 90 ヵ月と中学生を対
象にワクチン接種が実施されているが 、 これらの年齢
層の抗体保有状況の推移を監視するとともに 、 妊娠前
および妊娠可能年齢層への風疹ワクチン接種は継続して
奨励すべきであると思われる。
れた便 35 検体のうち 19 検体から遺伝子検出法でノーウ
ォークウイルスが検出され、この 2 事例はノーウォーク
ウイルスによる感染性胃腸炎の集団発生であることが判
3−ケ
明した。
年 4 月から平成 13 年 3 月の間に麻疹様患者より麻疹ウ
イルスの分離を行った。その結果、感染症予測監視事業
3−キ 小児の麻疹感受性調査
昭和 53 年から義務接種として始まったわが国の麻疹
定点医療機関からの 1 検体についてウイルス分離を試み
ワクチンの接種は、平成 6 年 10 月の予防接種法改正に
ともない勧奨性に変わった。小児の麻疹ウイルスに対す
る免疫状態を把握しておくことが必要なことから、 昭
和 54 年以降、 赤血球凝集抑制(HI)抗体の保有状況に
ついて調査を行ってきた。しかし HI 抗体の測定に必要
なミドリサル血球の入手が困難になったため 、 昨年度
より麻疹ウイルスを吸着したゼラチン粒子による凝集反
応法(PA)により抗体の保有状況調査を行った。
平成 12 年 5 月から 13 年 3 月の間に藤沢市民病院と神
奈川県立足柄上病院で採取された小児の血清 108 検体に
麻疹ウイルス調査
成人の麻疹様疾患の実態を把握する目的で、平成 12
たが、ウイルスは分離されなかった。
3−コ
恙虫病患者の血清学的調査
恙虫病を疑われた患者 48 名(足柄上保健福祉事務所
44 名 、秦野保健福祉事務所 2 名、平塚保健福祉事務所 1
名、小田原保健福祉事務所 1 名)の急性期と回復期の血
清について蛍光抗体法による血清学的検査を実施したと
ころ、 40 名に Gilliam、 Karp、 Kato、 Kawasaki およ
び Kuroki の 5 株に対する抗体の有意上昇が認められた。
また回復期の血液の得られなかった患者においては、急
性期の血液による遺伝子学的検査の結果により 2 名が患
者と判定された。感染推定場所を見ると前年と同じく山
− 31 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
近年におけるわが国の日本脳炎の発生は、西日本を中
北町で過半数の患者が発生していたが、 周辺地域でも
心に流行が見られる。日本脳炎ウイルス(以下 JEV と
ほぼ固定化する傾向がみられた。
名 、11 月に 28 名 、12 月に 6 名で本県での発生は例年
略)の侵淫度を追跡し流行予測を行うため、 豚の JEV
抗体保有状況を調査した。
同様 11 月に集中した。性別では女性 9 名、男性 32 名、
平塚市食肉センターに持ち込まれた生後 5 ∼ 8 ヵ月齢
不明 1 名で 、年齢別では 30 代 1 名、40 代 7 名 、50 代 11
の県内産の豚を対象に、平成 12 年 7 月から平成 12 年 9
月までの期間に 8 回、20 頭ずつ、計 160 頭について採
一方 、確定患者の詳細を見ると 、発生月では 10 月に 8
名 、60 代 13 名、 70 代 8 名 、80 代 1 名、不明 1 名の年
齢層に感染が見られた。また感染時の行動としては 、
昨年と同様に畑 、 田圃などでの農作業や自宅付近が多
く 、 日常生活での感染の機会が多いことが判明した。
インフルエンザ感受性調査
平成 12 年 7 月∼ 8 月の間に採取された 0 歳以上の県
民 268 名(0 ∼ 4、5 ∼ 9、10 ∼ 14 、15 ∼ 19 、20 ∼ 29、30
∼ 39、40 ∼ 49 、50 ∼ 59、60 歳以上の 9 区分年齢群各 28
∼ 30 名ずつ)の血清について、インフルエンザ各型に
対する年齢別抗体保有状況を調査した。使用抗原は、A/
ニ ュ ー カ レ ド ニ ア /20/99( H1N1)、 A/ モ ス ク ワ /13/98
( H1N1)、A/パナマ/2007/99(H3N2)、 B/山東 /07/97、 B/
山梨/166/98 の 5 種類である。抗体保有率は、最低血清
希釈倍数の HI 抗体価 10 以上で集計した。
A/ ニューカレドニア/20/99( H1N1 )は、本年度のワク
チン使用株である。本株に対する抗体保有率は、20 歳
未満では 30 ∼ 40 %を示したが、20 歳以上では 15 %以
下であった。
A/ モスクワ/13/98( H1N1)は、抗原的にも遺伝子的に
もワクチン使用株とは全く異なるグループに属する抗原
変異株である。本株に対する抗体保有率は、 10 ∼ 19 歳
の年齢群では 90 %以上、最も低かった 60 歳以上でも 30
%となり、ワクチン使用株と比べて高かった。
A/ パナマ/2007/99( H3N2)は、本年度のワクチン使用
株である。本株に対する抗体保有率は、5 ∼ 19 歳の年
齢群では 63 ∼ 90 %であったが 、その他の年齢群では 40
%以下であった。
B/山東/07/97 は、11 年度のワクチン使用株である。本
株に対する抗体保有率は、15 ∼ 29 歳および 60 歳以上
では 20 ∼ 36 %、それ以外の年齢群では 10 %未満であ
った。
B/山梨/166/98 は、本年度のワクチン使用株である。
本株に対する抗体保有率は、5 ∼ 19 歳の各年齢群で 63
%以上を有していたが、それ以外の年齢群は低かった。
A/H1 および A/H3 型は、前年度に流行していたにも
かかわらず、各ワクチン使用株に対する抗体保有率が低
かった。また、 B 型に対しても十分な抗体を保有してい
るとは言い難く、全ての型に対して警戒が必要と思われ
た。
4 −イ
抗体及び 2-ME 感受性抗体をそれぞれ測定した。
その結果、 HI 抗体及び 2-ME 感受性抗体は検出され
なかった。県内での調査結果から JEV の侵淫度は例年
以下と思われた。神奈川県では平成 12 年度も平成 11 年
度と同様に、患者発生はなかった。
ウイルス部
4−ア
血し、血中の JaGAr01 株に対する血球凝集抑制(以下 HI)
細菌病理部
5−ア 保菌者・感染源調査
−コレラ菌、赤痢菌の検査−
コレラ菌1株、赤痢菌7株について検査した。コレラ菌
は、足柄上保健福祉事務所管内の医療機関における分離
株で、確認検査の結果、コレラ菌O139であるがコレラ
毒素非産生であった。赤痢菌(Shigella sonnei)7株は、
茅ヶ崎保健福祉事務所管内の海外渡航者およびその接触
者由来株で、パルスフィールドゲル電気泳動法による
DNA 解析を行い分離株相互の類似性を比較した。
−腸管出血性大腸菌の検査−
県内で分離された腸管出血性大腸菌 O157 分離株につ
いて、ベロ毒素検査( 2 株 )
、 DNA 解析( 16 株)の検査
を実施した。
秦野および三崎保健福祉事務所管内で分離された大腸
菌 O157 各 1 株、計 2 株についてベロ毒素産生試験を実
施した。その結果、2 株ともベロ毒素 1 および 2 産生株
であった。
県内で分離された腸管出血性大腸菌 O157 のうち 5 事
例の患者、保菌者、食品(食肉)および環境由来 16 株
(足柄上 5 株、小田原 2 株、茅ヶ崎 1 株、秦野 1 株、藤
沢 1 株、鎌倉 1 株および横須賀市 5 株)についてパルス
フィールドゲル電気泳動法による DNA 解析を実施し
た。
事例 1:平成 12 年 9 月、小田原および茅ヶ崎保健福
祉事務所管内で腸管出血性大腸菌患者(小田原 2 名、茅
ヶ崎 1 名)が発生した。患者由来株 3 株の DNA パター
ンが一致し、喫食調査からレストランチェーン店の「ひ
とくちステーキ」を原因とする感染事例であることが判
明した。
事例 2:同年 9 月、足柄上保健福祉事務所管内で患者
発生( 1 名)があった。焼肉店での喫食歴があったこと
から同店の調査を行ったところ、食肉から腸管出血性大
腸菌 O157( 1 株)が検出された。患者および食材由来
日本脳炎感染源調査
株の DNA パターンが一致し、同店を原因施設とする感
− 32 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
染事例であることが判明した。
2000
平成12年度は、指定動物飼育者及び動物販売店におけ
事例 3:同 9 月、秦野保健福祉事務所管内で患者発
生(1 名)があった。足柄上保健福祉事務所管内の焼肉
るサル類の糞便25検体について、細菌性赤痢及び腸チフ
スの検査を行ったところ、すべて陰性であった。
店で喫食歴があったことから同店の調査を行ったとこ
同じく動物販売店及び展示施設のインコ、カナリア類
ろ、排水(1 株)および従業員(1 名)から腸管出血性
大腸菌 O157 が検出された。これら 3 株について DNA
等の糞便45検体について、オウム病クラミジアの検査を
行ったところ、19検体(42.2%)が陽性であった。
解析を実施したが、パルスフィールドゲル電気泳動法で
は解析できない菌株であった。
事例 4:同年 11 月、横須賀市内で同時期に発生した
細菌病理部
8−ア バンコマイシン耐性腸球菌汚染実態調査
患者 2 名の疫学調査を実施した。患者由来 2 株の DNA
薬剤耐性菌への関心が高まる中、輸入鶏肉および豚肉
パターンが一致した。
事例 5:平成 13 年 2 月、横須賀市、鎌倉および藤沢
からバンコマイシン耐性腸球菌(VancomycinResistant
Enterococci: VRE)の検出が報告され、輸入肉の安全性
保健福祉事務所管内で患者発生(横須賀 1 名 、鎌倉 1 名、
に対する消費者の関心が高まっている。本県ではバンコ
藤沢 1 名)があった。横須賀市の患者は、焼肉店で生レ
バーを喫食しており、該当店の調査および関係者の検便
マイシン耐性腸球菌汚染状況を把握するために県内に流
通する輸入鶏肉 28 検体(中国産 14 検体、米国産 8 検体、
を行ったところ 、食肉(1 株)および患者家族(保菌者 1
タイ産 4 検体およびブラジル産 2 検体)国産鶏肉 7 検体
名)から腸管出血性大腸菌 O157 が検出された。また、
鎌倉および藤沢の患者も店舗は各々異なるが焼肉チェー
および輸入豚肉(米国産)5 検体、計 40 検体について
汚染実態調査を行った。
ン店での喫食が確認された。患者由来株 3 株、保菌者由
Enterococcus 属菌 は、輸入鶏肉から 82.1%( 23/28)、
来株 1 株および食肉由来株 1 株、計 5 株について DNA
解析を行ったところ 5 株の DNA パターンは一致した。
国産鶏肉から 85.7 %( 6/7)、輸入豚肉から 80%(4/5)検
出された。分離された菌株は、 NCCLS (臨床検査標準
委員会)の寒天平板希釈法に準じ薬剤感受性試験を実施
5−イ チフス菌等のファージ型別調査
チフス菌1株について検査した。チフス菌は横須賀市に
した。供試菌株はバンコマイシンに対しすべて 4µg/ml
以下の MIC 値を示し、バンコマイシン耐性菌は検出さ
おける腸チフス患者からの分離株で、同定検査を行いフ
れなかった。
ァージ型別検査を国立感染症研究所内腸チフス中央調査
委員会に依頼した。ファージ型はE1型であった。
Ⅱ調査研究課題
[経常研究]
5−ウ アメーバ赤痢確定試験
感染症法に基づく感染症の細菌学的検査やアメーバ赤
細菌病理部
1 病原ビブリオの抗原解析と毒素産生性に関する検討
痢等の確定試験を実施する。12年度は検査依頼がなかっ
− Vibrio cholerae の診断用抗血清の作製および新抗原型
た。
の追加による抗原構造表の拡充−
食品獣疫部
病原ビブリオの菌体抗原(O抗原)型特異性を利用し
た抗血清による血清型別法は、本菌属の同定を的確にす
6−ア
るための手法であると同時に、有効な疫学的指標とされ
狂犬病検査
当所では昭和45年度より、狂犬病予防法に基づき係留
観察中の咬傷犬が死亡し、動物保護センタ−及び保健所
る。Vibrio cholerae のO抗原はO 1 ∼O 194 まで報告さ
れており、O 1 およびO 139 は各々従来から知られるコ
で、当該犬が狂犬病ウィルスに感染していないかどうか
レラ菌および 1992 年に出現した新型コレラ菌に該当す
の鑑別を必要と認めた場合、 検査を行っている。
平成12年度は検査依頼はなかった。
る。O 1 およびO 139 以外は V. cholerae non-O1, O139
と総称されるが、これらの抗原型であってもコレラ菌と
同等の病原性を保持する菌株が存在することから、本菌
食品獣疫部
7−ア 動物由来感染症病原体保有状況調査
の抗原解析を行い血清型別法について検討した。
V.cholerae の全ての抗原型は非特異的なR抗原を保持
− サル類及びインコ、カナリア類等の糞便検査−
することから、それらの抗血清にはR抗体が含まれる。
県内で飼育されているペット動物について、動物由来
感染症の動向を把握しその情報を獣医師、動物販売業者
このためO抗原に特異的な診断用血清は、抗血清中のR
抗体を吸収操作で除去して作製する。現在、本菌の血清
等に提供し、迅速な予防措置に資する目的で、平成2年度
学的診断は国立感染症研究所でのみ対応しているが、我
より県内で飼育されている犬、猫、小鳥等の愛玩動物に
ついて人獣共通感染症の病原体検査、抗体保有検査を行
々も診断用抗血清の作製を順次実施しており、これまで
にO 2 ∼O 100、O 139、O 140 の特異因子抗血清を作
っている。
製して、分離株の同定および分布状況等の疫学解析への
− 33 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
迅速な適用を可能にした。一方、国立感染症研究所と共
数の測定を行った。
同で、O194 までの抗原型に該当しない V. cholerae 分離
株の抗原解析を行い、これまでの暫定型(O 195 ∼O
BPW による増菌では一夜培養菌は接種後1∼2時間
で対数増殖期となるのに対し Starved では3∼4時間で
204)に新たな抗原型 2 種類(O 205、O 206)を加えて
対数増殖期となっている(増殖の遅延が見られた)
。一
抗原構造表を拡充した。
方 mEC+n による増菌において一夜培養菌では 24 時間
培養で3株とも 10 8オーダーとなったが、8時間の時点
2
では2株は 10 3 と 10 5のオーダーであった。Starved で
A群溶レン菌Mタンパクの感染防御に関する研究
− ELISA 法を用いた A 群溶血レンサ球菌抗 M 型抗体の
測定−
は 24 時間培養後であっても2株が 10 2オーダーであり
1株は検出限界以下となってしまった。
A群溶血レンサ球菌の感染により様々な抗体産生が認
Novobiocin の 存 在 と 42 ℃ と い う 培 養 温 度 に よ り
められる。その中で最も感染防御に関与するとされてい
るのが抗 M 型抗体である。劇症型溶血レンサ球菌感染
mEC+n の方が増殖の抑制が強くなっていると思われる
が、貧栄養状態となる事で更にその傾向が強くなってい
症における発症メカニズムは未だ明らかとされていない
る。
が、本菌に対する型特異抗体の欠損や低下がその一因と
なると考えられている。そこで、我が国の主要流行菌型
実際の検体中にもこの様な状態の菌細胞の存在が考え
られる為、BPW 等の非選択増菌培地による増菌が有効
である M4 型、M12 型および劇症型溶血レンサ球菌感
であると考えられる。
染症で分離頻度の高い M1 型、M3 型について ELISA 法
による抗体価の測定を試みた。
4
Naegleriafowleri の生息に関する研究
ELISA 用Mタンパク抗原は従来の塩酸抽出からペプ
N.fowleri は急性で重篤な原発性アメーバ性髄膜脳炎
シン抽出に変更し、抽出液を DEAE sepharose によるイ
オン交換または Sephacryl-S200 でのゲル濾過したMタン
の原因アメーバで、平成 8 年には福岡県において我が国
最初の N.fowleri による原発性アメーバ性髄膜脳炎が確
パク精製抗原を用いた。この精製抗原を用い、各M型の
認されている。しかし、その生息実態等はほとんど知ら
ウサギ免疫抗血清との特異性試験を行ったところ、各抗
原は対応する抗血清にのみ高い ELISA O.D.値を示し特
れていない。このためアメーバの生息状況を調査した。
異性が確認された。各抗原ともに 2.5µg/ml の抗原量を
5
用いてヒト血清に対する抗体価測定を試みたところ、幼
児期より学童期に上昇する傾向があること、M4 型およ
収集した髄膜炎菌 166 株について、型別、薬剤感受性
の測定を行った。型別はB群が 59 %、Y群が 24 %で他
び M12 型に対する抗体保有は M1 型および M3 型と比
は、型別不能株であった。13 薬剤について薬剤感受性
較し高いレベルであった。これは、血清採血時の流行菌
型であり、顕性あるいは不顕性感染による抗体保有者と
の測定を行ったところ、PCG では 30.7 %、EMでは 4.8
%が中等度耐性であった。TCに対して 7 株が耐性であ
思われた。なお、供試血清は呼吸器疾患に対する抗体測
った。大学生等を対象にした保菌者調査では 0.3 %の保
定を目的として分与された血清を使用した。
菌率であった。
3
6
腸管出血性大腸菌の環境中(主に水系)における
分布状況
髄膜炎菌の抗生剤感受性の実態
B群レンサ球菌の菌体外毒素産生性について
B群レンサ球( GBS)による新生児感染症の発症因子と
−貧栄養状態となった腸管出血性大腸菌O 157 の増菌培
養液中の動態について−
して、最近、溶血毒素が注目されている。本菌は健康妊
婦の 20 %程度に保有されているとされ、また、患者か
腸管出血性大腸菌O 157(以下O 157)は環境中(特
ら分離される GBS は特定の血清型に集中しており、我
に水系)では栄養等が乏しいために貧栄養状態となって
存在している事が考えられる。その様な状態の菌細胞が
が国ではⅢ型菌が多い。従って、GBS 分離株の溶血毒
素産生能を由来別あるいは血清型別に調べることは、溶
増菌培地中においてどのような動態を示すかを知る目的
血毒素と発症との因果関係を追求する上で重要である。
で検討を行った。
使用した菌株はO 157 の分離株3株(一夜培養菌:
そこで今年度は、前年度検討した溶血毒素産生試験法
により、Ⅰ型、Ⅲ型、 NT6 型および JM9 型を含む計 33
ONC)およびそれらの貧栄養状態株(滅菌蒸留水中で
株の GBS 分離株につき、溶血素産生能を調べた。その
3週間保存したもの: Starved)であり、増菌培地とし
て BufferedPeptone Water( 以下 BPW)および Novobiocin
結果、血清型あるいは由来別に溶血素産生能に差異があ
るとの成績は得られなかった。今後更に多くの分離株を
加m EC(以下 mEC+n)として、培養温度は BPW が 36
供試して検討する必要はあるが、溶血毒素産生能と血清
℃、mEC+n が 42 ℃とした。各増菌培地中にそれぞれの
菌数が 10 2オーダーとなるように接種し、接種後8時間
型の関連性は低いように思われた。
後(mEC+n は 24 時間後も測定した)まで1時間毎に菌
ウイルス部
− 34 −
神奈川県衛生研究所年報
1
HIV 感染マーカーの推移に関する研究
第 50 号
2000
ころ、インフルエンザウイルス A/H1、 A/H3、 B 型、コ
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染者は毎年確実に
増加している。潜伏期が長期にわたるため、感染から発
クサッキーウイルス B1、B2 、 B5、B6 型、エコーウイ
ルス 6 、18、30 型、アデノウイルス 2、3、7、8、19 型
症に至る過程における抗原・抗体の推移を迅速かつ正確
に対する感受性が確認された。
にチェックし、病態を把握することは、後天性免疫不全
症候群( AIDS)発症予防や治療方針、二次感染の防止
実際の患者検体からどの程度のウイルスが分離される
のかを調査した。インフルエンザ様疾患と診断された患
等の対策を講ずるために大変重要な意義を持つ。
者の咽頭拭い液からは 、インフルエンザ A/H1、A/H3 型、
平成 2 年より、感染経路、臨床症状、薬剤投与歴等異
なる HIV 感染者から経時的に血液を採取し、 HIV 分離
アデノウイルス 7 型およびコクサッキ− B2 型ウイルス
が分離された。インフルエンザの流行期(特に流行初期)
の成否やゼラチン粒子凝集( PA)法、 ELISA 法、ウェ
には、インフルエンザ以外のウイルスも存在し、流行状
スタンブロット(WB)法による血漿中の HIV 抗原・抗
体の消長を追い、これら HIV 感染マーカーと病態との
況を複雑にしている様子が伺えた。
Caco-2 細胞は、他の細胞よりもウイルス分離率が優
関連について検討している。
れていると言う成績は得られなかったが、他の細胞と併
HIV 感染後長期経過すると、HIV 感染マーカーであ
る CD4 陽性細胞数や血漿中の抗 HIV コア抗体の低下が
用することにより、ウイルス検索の効率を向上させるこ
とが出来ると思われた。
みられたが、作用機序の異なる複数の抗 HIV 剤を用い
た多剤併用療法が取り入れられてから、これらマーカー
の維持あるいは上昇が認められるようになり、発症遅延
4
に有効に働いていると思われる症例が確認された。
感染症で、畜産関係者や獣医師に C.burnetii 抗体保有率
2
が高く、ヒトにインフルエンザ様の呼吸器疾患を起こす
ことが知られている。わが国でも異型肺炎、呼吸器疾患
日本でみられる希な HIV-1 サブタイプの解析
Q熱に関する研究
Q熱は Coxiella burnetii ( C.burnetii)による人畜共通
日本で流行している HIV の特徴を明らかにするため、
患者の中に C.burnetii 感染者がいる可能性が示され注目
envC2V3
領域についてサブタイプを決定し、感染経路
別、国籍別にサブタイプの解析を行った。
されるようになった。
C. burnetii に対する抗体の測定は主に phase II 抗原を
男性同性間性行為による感染では 79 例の内そのほと
用いた間接蛍光抗体法(IF)により行われているが、IF
んどがサブタイプ B であった。一方、異性間性行為に
よる日本人感染者 87 例ではサブタイプ E が 58%と最も
は観察者の熟練度や主観に影響されることもある。そこ
で酵素抗体法(ELISA)と IF による phase II 抗原に対す
多く、ついでサブタイプ B が 32%、その他(サブタイプ
る呼吸器疾患患者血清中の C.burnetii 抗体検出を行、い
A、C 、D 、G)が 10%であった。外国籍では東南アジア
が最も多く、そのほとんどはサブタイプ E であった。
IF と ELISA の抗体検出状況を調べた。
慢性呼吸器疾患患者 48 検体で、IF 抗体が検出された
アフリカ、南米出身者からはサブタイプ A、 C、 D、 F
ものは 15 検体あり抗体価は 16 ∼ 64 倍であった。これ
や A/C リコンビナントウイルスが検出されており、こ
らの血清を ELISA で測定すると IF 抗体価 16 倍では 7
れらはそれぞれの国の流行状況を反映しているものと考
えられた。
検体中 3 検体は陰性であった。これに対して IF 抗体価
32 倍以上では 8 検体中陰性は 1 検体のみであった。C.
異性間における日本人感染者について、 HIV 感染が
burnetii はバルトネラ属やレジオネラ属と交差反応があ
判明した年とサブタイプの関連について解析した結果、
男女とも 1994 年以降、サブタイプ E が増加しているこ
るという報告もあり、今回、臨床検体が少数例ではある
が、IF 抗体価 16 倍以下は非特異反応や交差反応の可能
とが確認された。また、女性感染者では 1994 年以降サ
性を否定できない。なお IF 抗体価 32 倍以上は ELISA
ブタイプ E の他にサブタイプ A、 C、 D 等も増加傾向が
認められた。異性間性行為による感染で、サブタイプが
の成績とよく一致することから有意な抗体価と思われる
が、IF で血清診断を行うには、急性期および回復期の
多様化していることが確認された。
ペア血清を用いて抗体価の有意上昇がみられた場合に患
3
者と診断する必要がある。 ELISA は血清診断法として
有用であるが、さらに検体数を加えた検討が必要である
ウイルス性呼吸器感染症に関する研究
−かぜ様疾患の組織培養に関する研究−
と思われる。
かぜ様疾患の原因ウイルス調査は、インフルエンザを
はじめとして多くのウイルスを検出対象とするため、用
5
蚊が媒介するウイルスに関する研究
いる培養細胞も多岐にわたる。そこで、ウイルス検索の
デング熱は蚊が媒介するデングウイルスによって発症
効率向上のため、広範囲のウイルスに感受性を持つと報
告のある Caco-2 細胞を用いた検出系の検討を行った。
する急性熱性疾患である。近年、デング熱は分布地域を
拡大し続け、さらにデング出血熱という致死率の高い疾
ウイルスに対する Caco-2 細胞の感受性を調査したと
患が出現し、デング熱の診断の必要性が高まってきた。
− 35 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
デングウイルス感染を診断するためには、病原学的検
汁酸の界面活性作用はpHによって影響を受け、酸性側
査、あるいは血清学的検査が必要である。平成 12 年度
は血清学的検査法の検討を行った。血清中の抗デングウ
でその作用が低下することが示唆される結果が得られ
た。
イルス抗体の中で、IgG 抗体はデングウイルスと近縁の
日本脳炎ウイルスとも反応するという報告がある。 IgM
抗体は量的には IgG 抗体より少ないがウイルス種特異
[重点基礎研究]
ウイルス部
的と考えられ、デングウイルス感染の診断に有効と思わ
1
れた。
市販のイムノクロマトグラフィー・キットを使用した
ウイルス性食中毒の主な原因であるノーウォークウイ
ルス(NV)は、人に下痢を起こす重要な病原体の一つで
ところ、抗デングウイルス IgM 抗体だけでなく、抗日
あり、現在でも培養細胞や実験動物で増殖させることが
本脳炎ウイルス IgM 抗体とも反応した例があった。
次に、市販の IgM-ELISA・キットを使用したところ、
できず 、研究が困難なウイルスである 。このウイルスは、
RNA ウイルスであることから容易に変異するため、遺
抗デングウイルス IgM 抗体を検出できた。また、イム
伝学的に多様性を示している。塩基配列の相違から
ノクロマトグラフィーで反応した抗日本脳炎ウイルス
IgM 抗体とは反応しなかった。IgM-ELISA はデングウ
Genogroup Ⅰ、Genogroup Ⅱに分類されそれぞれのグル
ープには複数の感染株が存在し、この遺伝子の多様性に
イルス感染の血清学的検査に有効と思われた。
より、遺伝子検出による診断も、いまだに困難を窮めて
6
ノーウォーク様ウイルスの遺伝子解析
いる。そのためできるだけ多くの原因ウイルスを検出で
きる遺伝子検出法が必要となっている。そこで県内で集
リケッチア感染症に関する調査研究
紅斑熱群リケッチア、発疹チフス群リケッチアの共通
団発生したウイルス性感染症や生カキによる食中毒の患
抗原である 17kDa ポリペプチドをコードする遺伝子の
塩基配列を比較して、紅斑熱群、発疹チフス群リケッチ
者便を用いて、RT-PCR により NV 由来遺伝子の検出を
行い塩基配列を調べたところ、その大部分は全国の流行
アに共通のプライマーおよび Rickettsia Japonica 特異的
株である Genogroup Ⅱのメキシコ株、トロント株に相同
なプライマーを作製した。これらのプライマーを用いた
PCR により、紅斑熱群、発疹チフス群リケッチア共通
性 の 高 い NV で あ っ た 。 し か し 少 数 で は あ る が 、
Genogroup Ⅰ の デ ザ ー ト シ ー ル ド 株 に 近 縁 の NV と
の DNA および日本紅斑熱リケッチア DNA の検出が可
Genogroup Ⅱのローズデール株に近縁の NV が検出され
能となり、この方法により日本紅斑熱患者の検出および
ダニ中の紅斑熱群リケッチアの検出を試みた。
た。これらの株は現在使用しているプローブと相同性が
約 80 %と低いことから検出率が悪い可能性がある。今
平成 12 年度は、県内では紅斑熱が疑われる夏の時期
後これらのウイルスから選択したプローブを使用するこ
に恙虫病様患者の発生は報告されなかった。また、ヤビ
ツ峠付近、大山付近の山地にて捕集された哺乳動物吸着
とにより NV の検出率を高めることが可能になると考え
られた。
性のダニ類 51 匹(ヤマトマダニ成虫 28 匹、オオトゲチ
マダニ成虫 3 匹、フタトゲチマダニ成虫 3 匹、若虫 12
Ⅲ共同研究課題
匹 、キチマダニ成虫 5 匹 )より紅斑熱群リケッチア DNA
の検出を試みたところ、フタトゲチマダニの成虫 1 匹か
細菌病理部
1 野菜等の農水産物からの汚染微生物等の検出法に関
ら紅斑熱群、発疹チフス群リケッチアに共通の DNA が
検出されたが日本紅斑熱リケッチア DNA は検出されな
かった。次にダニからの紅斑熱群リケッチアの分離を試
する調査研究
−生食用野菜からの腸管出血性大腸菌O 157 の検出に関
する研究−
みたところ、ダニを接種した細胞で細胞変性の起こった
腸管出血性大腸菌O 157(以下O 157)の分離培地と
ものがみられたが、リケッチアの分離はできなかった。
今後も患者情報を収集すると共にダニからの紅斑熱群
して多用されるセフェキシムおよび亜テルル酸カリウム
加ソルビットマッコンキー寒天培地(以下 CT-SMAC)
リケッチアの病原体の検出を行う必要があると思われ
は本菌がソルビット陰性であるという性質を利用してい
る。
るが、検体によってはO 157 の集落に酷似した集落を形
成して、検査効率を著しく低下させるものもある。そこ
食品獣疫部
で CT-SMAC 平板上においてO 157 酷似の集落性状を示
1
嫌気性連続流動培養装置を用いた腸内有用菌に関す
る研究
す菌株を対象として生食用野菜からのO 157 の検出のた
めに有用な増菌培地及び培養条件の検討を行った。
発ガン関連酵素であるβ -グルクロニダーゼおよびβ-
使用菌株はO 157 の分離株5株ならびにカイワレ大根
グルコシダーゼの活性ならびにそれらを産生する腸内菌
に対するpHの影響について検討を行った。その結果、
より分離したO 157 以外のオキシダーゼ陽性のグラム陰
性桿菌6株を用いた。使用培地はバッファードペプトン
菌種によって酵素の至適pHは異なっていた。また、胆
水(以下 BPW)と BPW にチオグリコール酸ナトリウ
− 36 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
ムを加えた物(以下 STG-BPW)およびノボビオシン加
m EC(以下m EC +n)を用いた。
1)試験管レベルの増菌法の比較
2000
研究
検査法の検討とマニュアルの作成、衛生研究所の細菌
検査担当者を対象に全国 4 ブロック、31 地研で検査法
BPW にて一夜培養した菌株を希釈し各増菌培地に接
の研修会を開催した。また、健康者 1711 名を対象に保
種し、菌数の測定を行った。培養温度は 36 ℃および 42
℃として好気培養および嫌気培養を行った。18 時間培
菌者調査を行い、 5 名(0.3 %)から髄膜炎菌を検出し
た。さらに 2257 施設の医療機関を対象に髄膜炎菌感染
養後にハートインフュージョン寒天培地を用いて菌数の
症に関するアンケート調査を行い 126 施設から回答を得
測定を行った。
O 157 についてはいずれの菌株においても BPW を用
た。
いて 36 ℃で増菌させた場合が最も菌数が高かったが、
4
パルスフィールドゲル電気泳動法の標準化および画
m EC +nや 42 ℃での増菌の場合発育が抑制されるも
のが見られた。O 157 以外の菌株については STG の添
像診断を基盤とした分散型システムの有効性に関する
研究
加および嫌気培養により、増殖が抑えられた。
関東甲信静ブロックの 11 地方衛生研究所の共同研究
2)滅菌および未滅菌カイワレ大根を用いての増菌法の
検討
として腸管出血性大腸菌 O157 等による集団および散発
の感染症・食中毒事例について、細菌学的情報システム
BPW にて一夜培養した菌株を希釈し、滅菌および未
(パルスネット)に結合するための環境整備に関する研
滅菌のカイワレ大根と共に各増菌培地に接種し、36 ℃
で 18 時間好気および嫌気培養を行った後、 CT-SMAC
究に参加した。
パルスネットを構築する上で、精度管理株が配付され、
およびセフェキシムおよび亜テルル酸カリウム加マッコ
各地研で統一された条件によりパルスフィールドゲル電
ンキー寒天培地(CT-LMAC)に塗抹し、36 ℃、20 ∼ 22
時間培養後平板の観察を行った。
気泳動(PFGE)を行った。得られた画像を都立衛生研
究所に電送し、電送された画像による解析が可能なこと
滅菌カイワレ大根に接種した場合には、試験管レベル
を確認した。また、県内で発生した集団および散発事例
で発育が認められなかった培養条件であっても充分な発
育を認めたものがある、一方菌株によってはいずれの増
について PFGE による DNA パターン解析を行い、従来
の疫学解析に遺伝子学的手法を加えることの有用性を確
菌培地を用いても 42 ℃では全く発育の見られないまま
認した。
のものもあった。
未滅菌カイワレ大根接種した場合に、O 157 の検出率
ウイルス部
が最も高かった増菌培地は STG-BPW であった、他の増
1
菌培地に比較して全般にO 157 以外の菌の増殖を抑制し
ているようであった。
HIV のスクリーニング検査と HIV 感染者のフォロー
アップ検査(薬剤耐性検査等)に関して、各検査法の開
以上より増菌培養で BPW に STG を添加することや
HIV の検査法と検査体制を確立するための研究
発・改良・実用化により、
検査精度の向上を計ると共に、
嫌気培養を行う事でO 157 を効率的に検出できるものと
より効率的で効果的な検査体制を確立するため、必要な
思われた。
基礎的研究とモデル実験とを目的に研究を行った。
3 年計画の 1 年目にあたる本年度は、スクリーニング
2
検査に関しては、
溶血レンサ球菌レファレンス支部センター(地方衛
生研究所合同協議会関東甲信静ブロック)運営
関東甲信静ブロック 8 カ所の地方衛生研究所から
1
2
2000 年 1 月から 12 月までに検出された A 群溶血レンサ
保健所等の HIV 検査の実態把握と問題点の解明
HIV 検査体制の機能強化のため、対策の立案と一
部試験的実施
球菌血清型別結果の報告を受け、集計・解析を行った。
検出されたA群の T 型は T12 型が 24.2 %、T1 型が
を目標に研究を行った。またジェノタイプの薬剤耐性検
査に関しては、研究室レベルでの検査法の確立とその臨
18.5%、T25 型が 14.2 % 、T4 型が 13.5 %の順であった。
床応用のための実用化研究を、また、フェノタイプの薬
また、大学病院や地方衛生研究所などから当所に送付さ
れた劇症型溶血性レンサ球菌感染症の疑われた 11 株(7
剤耐性検査に関しては、各種検査法の研究室レベルでの
確立を本年度の重点目標として研究を行った。
症例)について、群別、T型別、M型別および発熱毒素
型別を行った結果、6 株(4 症例)が T1 ・M1 型、spe A 、
B 保有、3 株(1 症例)が T28 型、spe B、C保有で、T4
2
型、spe B、C保有および T25 型、spe B、C保有が各
で盛んに行われている。これら企業から提供される合成
々 1 株(1 症例)であった。
化学物質や生薬抽出物等について、抗 HIV 活性のスク
リーニングを行い、エイズ医薬品として有望な物質を見
3
いだす。スクリーニングは、国立感染症研究所で実施さ
髄膜炎菌性髄膜炎の発生動向調査及び検出方法の
エイズ医薬品候補物質のスクリーニング研究
現在抗 HIV 薬剤の開発が、日本の各医薬品メーカー
− 37 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
れてきた、MT-4 細胞の HIV 感染による細胞障害性を指
神奈川県では食品添加物の品質確保を目的に、神奈川
標としたマイクロプレート法を用いた抗 HIV 活性の測
定により行った。
県内の食品添加物製造業による製品について、特定業種
として監視点検を行っている。
国立医薬品食品衛生研究所より送付された 35 サンプ
平成 12 年度は 12 検体 130 項目について実施した。試
ルについてスクリーニングを実施したが、抗 HIV 活性
を示すものはみられなかった。また、すべてのサンプル
料名(主な用途)は、亜硫酸ナトリウム(漂白剤)、ピロ
亜硫酸ナトリウム(漂白剤)、ピロ亜硫酸カリウム(漂白
について、Molt-4 細胞と Molt-4/HTLV Ⅲ B 細胞との混
剤)、炭酸ナトリウム(かんすい、pH 調整剤、膨張剤)、
合培養による巨細胞形成抑制試験を実施したが、巨細胞
形成抑制を示すサンプルはなかった。
酢酸ナトリウム(酸味料、調味料、pH 調整剤)、クエン
酸三ナトリウム(酸味料、調味料 、pH 調整剤)、BHA( 酸
化防止剤)、L-アスコルビン酸ナトリウム(栄養強化剤 、
食品獣疫部
1 細胞付着性大腸菌の実態把握と検査法の確立に関す
る研究
品質改良材、酸化防止剤 )、ピリドキシン塩酸塩(栄養
強化剤 )、D-キシロース(甘味料 )、キシリトール(甘
味料)、次亜塩素酸ナトリウム(漂白剤)であった。
ヒト、動物、環境および食品由来大腸菌計 79 株につ
いて 3 種類の付着性因子の遺伝子(eaeA, bfpA, aggR)お
第 7 版食品添加物公定書(1999)の試験方法に従い、成
分規格試験を実施した 。試験内容は、性状、確認試験(ナ
よび耐熱性毒素様毒素(EAST 1)の遺伝子(astA)の保有
トリウム塩、カリウム塩、亜硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、
状況を PCR 法により検索した。その結果、31 株におい
て上記の遺伝子を単独または複数で保有していることが
クエン酸塩、 L-アスコルビン酸、塩化物等 )
、純度試験
(溶状、重金属、ヒ素、遊離酸及び遊離アルカリ、比旋
明らかとなった。また、これら因子の保有が認められた
光度、融点等)乾燥減量、強熱残分、定量等であった。
菌株の中には、 STEC、 EIEC、ETEC および EPEC 以外
の非病原性として扱われるいわゆる「その他の大腸菌」
全試料が規格基準に適合した
も含まれていた。
1−イ
【 食品等の安全に関する事業 】
平成 12 年7月 18 日、藤沢市の小学校で理科の教材用
として栽培されたジャガイモ(メークイン)が原因と推
Ⅰ 事業関連課題
察される非感染性食中毒が発生した。
細菌病理部
残りのジャガイモが搬入され、目視により明らかに、緑
色をおびたものが多かったことから、グルコアルカロイ
1−ア 食中毒の細菌学的原因調査
食中毒および原因不明食中毒に係る調査、発生事件の
原因追求、感染経路および原因不明食中毒の解明に役立
てるための調査を行った。
平成 12 年度は 、保健福祉事務所からの依頼により便 3
非感染性食中毒の原因調査
ド(GA:α-ソラニンおよびα-チャコニン)の調査を実
施した。
試料は生と茹でたものであったが、いずれも、表面が緑
色を帯びたものは、市販の緑色を帯びていないジャガイ
検体、食品 24 検体、菌株 1 検体について検査を行った。
モの GA( 57-139mg/kg)に比較して高く、 10 倍の GA が
便および食品検体について既知腸管病原菌の培養検査を
行ったところ、便 2 検体から黄色ブドウ球菌が検出され
検出されるものもあった。また、比較的緑色部分が少な
いものも、市販品に比較して GA は高い傾向にあった。
たが、その他からは食中毒の原因と考えられる細菌は検
このことから、食中毒の原因はジャガイモの GA による
出されなかった。菌株については、黄色ブドウ球菌のコ
ものと推察された。
アグラーゼ型別およびエンテロトキシン型別を行った。
1−ウ
ウイルス部
1−ア 食中毒のウイルス学的原因調査
平成 12 年度、ウイルス性食中毒を疑われた事例が 20
事例発生した。これらの患者便を用いて電子顕微鏡法と
遺伝子検出法で原因ウイルスの検出を行った。その結果
13 事例より遺伝子検出法で小型球形ウイルスの一種で
あるノーウォークウイルスが検出され、ノーウォークウ
イルスによる食中毒様胃腸炎であることが判明した。
異味異臭、異物等の苦情食品原因調査
乳製品による大規模な食中毒事故の発生以後、保健所
への消費者等からの苦情事例が急増した。それらのうち、
保健所から原因調査を依頼されたものの中から試験検査
を実施した苦情事例4例を紹介する。
1) 牛乳表面の油膜生成
まず官能試験として味、においについて正常品と比べ
たところ、苦情品に特に異常は認められなかった。しか
し、苦情品には極めてわずかではあるが油膜のようなも
のを認めたため、鉱物油等の混入を疑い FID-GC で炭化
食品薬品部
1−ア
食品添加物の規格試験
水素類の試験したが、正常品との違いは認められなかっ
た。
2) キムチの異臭
− 38 −
神奈川県衛生研究所年報
ヘッドスペ−ス法により苦情品のキムチの臭気成分を
FID-GC 及び GC-MS で測定し、市販の対照品と比較し
ながら検討した。極めて含量に多いものが特に見あたら
第 50 号
2000
はピリミホスメチルの消失はみられなかった。
食品獣疫部
2−ア 香辛料等の芽胞形成菌調査
なかったので、少量でも臭気の強い酢酸エチル及びジメ
香辛料、カレールー等計25検体についてクロストリ
チルスルファイドなどの試験を行ったが、対照品との有
意な差は認められなかった。
ディウム属菌、ウエルシュ菌、ボツリヌス菌等の嫌気性
芽胞形成菌の検査を行った。その結果、ウエルシュ菌が
3) 紙パック入りジュース容器に付着したハエ
6検体から分離され、その他のクロストリディウム属菌
紙パック入りジュース容器に付着したハエ(苦情ハエ)
が開封以前に容器に混入したものかどうかを調べるため
が5検体から分離された。また、カレーの調理実験試料
9検体について、バチルス等の芽胞形成菌数を調べた結
に、カタラーゼ試験を実施し、非加熱対照ハエ及び加熱
果、加熱調理によって、芽胞形成菌は、極端に減少する
( 沸騰水中4分加熱)対照ハエと活性を比較したところ、
苦情ハエと非加熱対照ハエの活性は完全に一致した。従
が、完全に死滅はしないことがわかった。
って、苦情ハエは加熱工程を経たものではないことが確
食品薬品部
認され、開封以前に混入した可能性は小さいことが示唆
された。
3−ア 海産魚介類の有機スズ化合物(TBTO 、 TPT お
よび DBT)汚染実態調査
4) ワインボトル中の粒状、紛状および塊状物質
有機スズ化合物は毒性の高い汚染物であり、神奈川県
ワインの器壁に付着、底に沈殿した粒状物質、紛状物
質および器壁に付着した塊状物質について有機酸の分析
内に流通する魚介類の汚染状況を継続して調査してい
る。12 年度は、 12 魚種 20 検体について TBTO (ビスト
を実施した。異物を湿潤状態のまま採取し、重量を測定、
リブチルスズオキシド )、 TPT(トリフェニルスズ)化
水または塩酸で溶解して有機酸の定量を行った。異物に
は約 30 %(湿潤換算)の酒石酸が含まれ、異物の主成
合物及び DBT(ジブチルスズ)化合物の調査を実施し
た。TBTO は 5 検体から 0.03 ∼ 0.06ppm の、TPT は 3
分は酒石酸であることが推定された。また、苦情品ワイ
検体から 0.03 ∼ 0.06ppm の、 DBT は 4 検体から 0.02 ∼
ンと対照品ワインに含まれる有機酸の組成は類似し、異
常は認められなかった。
0.03ppm の濃度範囲で検出された。汚染濃度は平成 2 年
度以降減少し、低濃度で推移しているが、低濃度でも生
体への影響が懸念される内分泌撹乱物質にリストアップ
細菌病理部
2−ア 食品中の原虫汚染実態調査
されていることから注意が必要と思われる。
生食用野菜、果実、カキ(生食、加熱用、殻付き)20
3−イ
台所用洗浄剤の成分規格検査
検体についてクリプトスポリジウムの汚染実態調査を実
施したが原虫汚染は認められなかった 。
(生食用野菜は
台所用洗浄剤は食品衛生法で規格基準が定めれてい
る。検査項目はヒ素、重金属、pH 及びメタノールであるが試
サイクロスポーラについても実施)また、殻付きカキ 2
買試験を行ったところ 10 検体中1検体からメタノールが基準
検体については、13 ℃と 20 ℃に保持した人工海水にク
に極めて近い値で検出された。試験法を若干検討したと
リプトスポリジウムの嚢子を添加し、取り込み実験を行
った結果、取り込みは確認されたが回収された嚢子数は
ころ基準以下の値となった。なお、他の項目では、全て
の検体で基準以下であった。
添加数に比例しなかった。
食品獣疫部
3−ア 食品中のカビ毒検査
食品薬品部
2−ア
加工食品等の未規制農薬残留調査
香辛料 16 検体、ナッツ類 17 検体、穀類5検体および
青果物および穀類などの加工食品中に残留する農薬
は、小麦粉、茶等など一部の食品にのみ食品衛生法の残
ナチュラルチーズ2検体合計 40 検体について、検査を
実施したが、アフラトキシンは、検出されなかった。
留基準が適用されない。しかし、加工食品の輸入量は年
信頼性確保部門による査察で指摘された事項について
々増加の一途をたどっているため、平成 3 年度より青果
物および穀類等について収穫後使用農薬(ポストハ−ベ
は、随時改良を加え整備した。
スト)残留調査と並行して加工食品についても残留調査
食品薬品部
を実施している。試験方法は食品衛生法及び環境庁の定
めた方法等を準用した。平成 12 年度は野菜加工品 9 検
4−ア 魚介類の一酸化炭素
最近、輸入鮮魚類の中に変色防止の目的で一酸化炭素
体 、果実加工品 2 検体、穀類加工品 10 検体、計 7 品目 21
を使用しているという情報がある。一酸化炭素は一般的
検体、30 農薬、 316 項目について実施した。その結果、
スパゲティ4検体中2検体にピリミホスメチルが検出さ
に化学合成品であり、食品に使用することは、禁止され
ている。また、仮に化学合成品以外の一酸化炭素を使用
れ、調理による消長試験を行った。8∼9分の塩ゆでで
したとしても、このような変色防止処理した鮮魚類は、
− 39 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
消費者の判断を誤らせ、衛生上危害が生じるおそれがあ
アミノグリコシド系の残留抗生物質の検査をバイオアッ
るために検査を行った。
真空パックの紅鮭、サケの切り身および冷凍メバチお
セイ法により実施している。
平成 12 年度は、食肉 31 検体、魚介類 24 検体、鶏卵 2
よびバチマグロの4検体について、一酸化炭素の検査を
検体、うずら卵1検体及び蜂蜜1検体、計 59 検体につ
実施した。検査方法は、真空パックの検体は衛乳第 10
号、鮮魚中の一酸化炭素分析法( 2)B法で、冷凍マグロ
いて検査を実施したところ、すべて陰性であった。
については(1)A法で行った。
4−ウ
真空パックの紅鮭の一酸化炭素濃度は、3.8µl/L、サケ
は、2.8µl/L であり、10µl/L の基準値以下であった。
県域に流通する生食用カキの細菌検査を実施し、違反
食品の排除に努めることを目的として、平成9年度より
また、メバチの一酸化炭素濃度は、 38.8µg/kg、バチ
従来の細菌数、大腸菌数(E.coli 最確数)の規格検査に加
マグロは、19.0 µg/kg であり、平成 6 年 9 月に改正され
た基準値 200µg/kg(以前は 100µg/kg)以下であった。
え、ベロ毒素産生性大腸菌(VTEC)について検査を実
施している。平成 12 年度は 10 月から1月にかけて生食
以上から、鮮魚4検体は一酸化炭素無処理と判断した。
4−イ
生食用カキ成分規格検査
用カキ15検体について検査したところ、細菌数、大腸
菌数はすべて規格基準以下であり、また VTEC もすべ
て不検出であった。
市場流通二枚貝の貝毒調査
二枚貝 24 検体について麻痺性貝毒及び下痢性貝毒試
験を実施した。その結果、麻痺性貝毒の規制値である
4MU/g 及び下痢性貝毒の規制値である 0.05MU/g を越え
4−エ 牛乳の保存試験に関する調査
生 乳 中 の 菌 を 同 定 し た と こ ろ 、 Flavobacterium、
る検体はなかった。
Enterobacteriaceae、 Pseudomonas などが優占であった。
4−ウ
また、製品 19 検体の保存試験を 10 ℃で実施したところ
5 日保存以降で細菌数の上昇が認められ、それらの菌は
ふぐ加工製品のふぐ毒調査
県内で市販されているふぐ加工製品 6 検体について、
ふぐ毒検査を実施した。その結果、規制値である 5MU/g
を越える検体はなかった。
Moraxella、 Enterobacteriaceae などであった。
4−オ
乳・乳製品の黄色ブドウ球菌エンテロトキシン
検査
食品獣疫部
4−ア ふぐ加工製品検査(魚種鑑別)
近畿地方を中心に発生した低脂肪乳に起因するブドウ
球菌エンテロトキシン食中毒に関連し、乳処理業の乳、乳
ふぐは「フグの衛生確保について 」
(昭和 58 年環乳 59
製品等 35 検体についてエンテロトキシン等の検査を実
号)の中で食用に供してよいふぐの種類が規定されてお
り、原料ふぐの標準和名の表示が義務づけられている。そ
施した。その結果、エンテロトキシンはすべて不検出であ
った。
のため刺身などに加工されス−パ−等で販売されている
ふぐ加工製品について、使用されているふぐの魚種鑑別
4−カ
試験を実施している。
検査は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により行
市販食肉製品 26 検体について腸管出血性大腸菌 O157
の検査を実施した。すべて不検出であった。
食肉製品の腸管出血性大腸菌 O157 検査
い、クマシ−ブリリアントブル− R-250 による蛋白質染
色並びにリンゴ酸脱水素酵素およびホスホグルコムタ−
ゼの活性酵素染色により得られた染色パタ−ンを比較し
食品薬品部
5−ア 輸入農産物のポストハ−ベスト農薬調査
た。
輸入果実、5 種 18 検体及び先行調査として国内産野
平成 12 年度はふぐ刺身 2 検体、ふぐ鍋セット 4 検体
について検査を行ったところ、トラフグ表示のふぐ刺身
菜2種6検体に対して、6農薬 40 項目について調査を
実施した。フィリピン産パイナップル2検体からトリア
1 検体およびふぐ鍋セット 1 検体が、トラフグもしくは
ジメホン及びその代謝物であるトリアジメノールが検出
その近縁種であるカラスとは異なる種類と判定された。
された 。トリアジメノールは食品衛生法に基準が設定さ
れている農薬であるが、パイナップルに対する規格基準
4−イ
は設定されていない。作物残留に関する登録保留基準で
畜水産物中の残留抗生物質検査
昭和 45 年度より、食品の安全性確保のため、国産及
び外国産の食肉、魚介類等について、「畜水産食品中の
はトリアジメホンの残留について果実に対して定められ
ているが、今回の2検体の残留量はいずれも登録保留基
残留物質検査法
準(0.5ppm )以下であった。
第 1 集」(厚生省生活衛生局、昭和 52
年 8 月)及び「畜水産食品の残留有害物質モニタリング
検査の実施要領 」(厚生省生活衛生局、平成 6 年 7 月 1
5−イ
日)に基づき、ペニシリン系、テトラサイクリン系及び
− 40 −
輸入食品中の指定外添加物検査
わが国の輸入食品は食品貿易の活発化に伴い、輸入量
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
が増加している。このような状況のもと県内に流通して
施した。いずれも食品衛生法の規格基準内であった。
いる輸入加工食品の指定外添加物について調査を行い、
不良食品の排除をはかり、食品の安全性を確保すること
食品獣疫部
7−ア オキシテトラサイクリン検査
を目的に本事業を行った。
平成8年度より、食品の安全性確保のため、11 品目
試料は輸入加工食品の菓子類、野菜果実類、魚介類、
肉卵類、穀類、清涼飲料、酒精飲料等 40 検体を収去し
の動物用医薬品に残留基準が設定された。これに伴い県
域流通の外国産及び国内産の食肉、魚介類等について、
て試験した。
畜産領域や水産養殖の分野で疾病予防や治療に汎用され
試験項目は着色目的のキノリンイエロ−、アゾルビン、
パテントブル−、カンタキサンチン、β−アポカロテナ
るオキシテトラサイクリンの残留検査を実施している。
さらに平成 13 年 1 月 1 日から魚介類および馬肉を除く
−ル、オレンジⅡ、グリ−ンS、甘味目的のサイクラミ
畜産食品についてはオキシテトラサイクリンだけでな
ン酸、保存目的のパラオキシ安息香酸メチル、酸化防止
目的の TBHQ (第三級ブチルハイドロキノン)、乳化目
く、クロルテトラサイクリンおよびテトラサイクリンの
定量を同時に行い、これらの総和としての残留基準値が
的のポリソルベ−トの指定外添加物延べ 243 項目につい
新たに定められた。
て実施した。
キノリンイエロ− 24 食品、アゾルビン 27 食品、パテ
平成 12 年度は、食肉 13 検体及び魚介類 16 検体につ
いてオキシテトラサイクリンの検査を実施し、平成 13
ントブル− 16 食品、カンタキサンチン 27 食品、β−ア
年 1 月 1 日以降の食肉 4 検体についてはオキシテトラサ
ポカロテナ−ル 25 食品、オレンジⅡ 24 食品、グリ−ン
S 16 食品、サイクラミン酸 25 食品、パラオキシ安息香
イクリン、クロルテトラサイクリンおよびテトラサイク
リンの検査を実施したところ、全て残留基準値以下、あ
酸メチル 23 食品、TBHQ(第三級ブチルハイドロキノ
るいは不検出であった。
ン)18 食品、、ポリソルベ−ト 18 食品について実施し
たところ、全て指定外添加物は検出されなかった。
食品薬品部
8−ア
食品薬品部
6−ア 食品残留農薬実態調査
GC−MSによる残留農薬の確認試験
平成 5 年度よりガスクロマトグラフ質量分析計(GC
−MS)の新規導入に伴い、ガスクロマトグラフで農薬
食品衛生法に基づき食品の規格基準を定めるための基
が検出された検体についてGC−MSによる確認試験を
準資料となる農産物における 2 農薬(ピリメタニル及
実施している。
平成 12 年度は、小麦加工品 2 検体および果実4検体
びクロマフェノジド)の残留実態調査を行った 。 ピリ
メタニルは 8 農産物(みかん、りんご、日本なし、いち
ご、ぶどう、かき、パイナップル及びバナナ)計 32 検
体について、クロマフェノジドは 11 農産物(米、てん
から検出されピリミホスメチル及びトリアジメホンと、
その代謝物であるトリアジメノールが GC-MS で確認さ
れた。ピリミホスメチルは、スパゲティ 2 検体で、それ
さい、はくさい、キャベツ、レタス、ホウレンソウ、ブ
ロッコリ−、りんご、日本なし、かき及び茶)計 44 検
ぞれ 0.04ppm、 0.02ppm の濃度で検出され、トリアジメ
体について実施した。 その結果、すべて検出限界以下
リカ産パイナップル2検体からそれぞれトリアジメホン
0.02ppm トリアジメノール 0.02ppm、トリアジメホン
であった。
ホンおよびその代謝物であるトリアジメノールは、アメ
0.15ppm、トリアジメノール 0.05ppm が検出された。な
お、小麦のピリミホスメチルの規格基準値は 1.0ppm で
あり、小麦粉の規格基準は設定されていない。また、パ
食品薬品部
7−ア 食肉中の動物用医薬品残留検査
平成 11 年 11 月 26 日現在、動物用医薬品 15 品目(α,
イナップルのトリアジメホン、トリアジメノールの規格
β−トレンボロン、ゼラノ−ル、イベルメクチン、クロ
サンテル、フルベンダゾ−ル、オキシテトラサイクリン、
基準も設定されていない。
アルベンダゾ−ル、イソメタミジウム、チアベンダゾ−
食品獣疫部
ル、スルファジミジン、カルバドックス、スピラマイシ
9−ア 食品の食中毒菌汚染実態調査
−肉類、生食用魚介類−
ン、ベンジルペニシリン、トリクラベンダゾール及びモ
キシデクチン)に残留基準が施行された。これに伴い、
県内流通食肉中の残留実態を把握するために、平成 12
年度は牛肉、牛脂、豚肉、豚脂及び鶏肉 14 検体につい
て7品目(スルファジミジン、ゼラノ−ル、αβ−ト
,
レンボロン、クロサンテル、イベルメクチン、フルベン
ダゾ−ル、カルバドックス)55 項目について検査を実
平成 10 年度より、流通拠点を中心に収去した畜水産
食品について、腸管出血性大腸菌O 157 等の食中毒菌の
汚染実態調査を実施し、さらに 12 年度は生食用魚介類加
工品の腸炎ビブリオの汚染実態調査をも実施している。
平成 12 年度は食肉 30 検体について腸管出血性大腸菌
O 157 およびサルモネラの検査を行った。また、生食用
魚介類加工品 30 検体について腸炎ビブリオの検査を行
− 41 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
った。
は 35S-1 、 35S-2 を用いた。さらに DNA 抽出および分解
検査方法は、腸管出血性大腸菌O 157 については平成
9 年厚生省通知衛食第 207 号及び衛乳第 199 号ならびに
の 指 標 に 大 豆 lectin 遺 伝 子 を 検 出 す る プ ラ イ マ −
GM01,GM02 を使用した。市販豆腐 16 検体(1999 年購
厚生省生活衛生局食品衛生課及び乳肉衛生課事務連絡に
入、凍結保存したもの)について検査した結果、国産大
基づき mEC+n 培地、42 ℃、24 時間培養後、免疫磁気
ビ−ズ法を行い CT-SMAC および酵素基質培地を使用し
豆使用と表示のある 6 検体から1検体、特に表示のない
9検体から4検体組み換え遺伝子が検出された。
て分離した。
サルモネラについては、平成 11 年厚生省生活衛生局
長通知生衛発第 1078 号別添「平成 11 年度食品の食中毒
2
内分泌かく乱化学物質に関する研究
容器包装材に由来する化学物質の中には、内分泌かく
汚染実態調査実施要領」に基づいて BPW で前増菌した
乱作用が疑われているものがいくつか挙げられている。
後、TT 培地および RV 培地を使用後、 DHL 培地および
酵素基質培地を使用して分離した。
そのうちビスフェノール A(BPA )はポリカーボネート樹
脂およびエポキシ樹脂の原料として使用され、食品への
腸炎ビブリオについては、食品衛生検査指針「微生物
溶出が問題となっている化合物である。その他 BPA は
編」に準拠し、食塩ポリミキシンを用いた MPN 法によ
り 1g あたりの菌数を求めた。
ポリ塩化ビニル樹脂(PVC )の安定剤としても使用されて
いる。 12 年度、 PVC 製品中の BPA を調査したところ、
検査の結果、食肉 3 検体(牛挽き肉2,鶏挽き肉1)
ほとんどの製品に使用されていた。試料は内分泌かく乱
からサルモネラが検出され、腸管出血性大腸菌O 157 は
すべて陰性であった。腸炎ビブリオは 3 検体が 0.4 ∼
化学物質が注目されるようになった平成 9-10 年に入手
したものであり、今後その後の製品について調査を実施
0.7/g であり他はすべて 0.3 未満/g であった。
し、添加剤の使用動向および、溶出挙動を調査する。
−野菜−
汚染食品の排除、食中毒発生の未然防止を図るため、
食品獣疫部
流通食品の細菌汚染実態を把握することを目的として調
1
査した。
ミニトマト、ほうれんそう、カイワレ、アルファルフ
微生物学的研究
−食品製造工程におけるよごれと微生物相の検討−
HACCP 方式に基づく食品の製造工程管理に関する
ァ、もやし、みつば、レタスおよびカット野菜各10検
HACCP 方式に基づいて、食品の製造工程における衛
体、合計80検体について、腸管出血性大腸菌O 157、
サルモネラおよび大腸菌の検査を実施した。その結果、
生微生物学的な管理基準を求めるために、食品製造工程
の微生物汚染度と微生物相の関わりを調査している。
みつば5検体、ほうれんそう2検体およびもやし2検体
県内の一牛乳製造施設で使用される原料用生乳 29 検
から大腸菌が検出されたが、腸管出血性大腸菌O 157 お
よびサルモネラは検出されなかった。
体について一般細菌数およびアデノシン三リン酸(ATP )
量を測定し、ATP による生乳の品質管理法を検討した
なお、この調査は、食品 GLP に基づいて実施した。
ところ 、細菌数の範囲は 1.4 × 104 ∼ 6.9 × 105/ml、ATP
の範囲は 2.1 × 104 ∼ 5.2 × 105RLU であり、一般細菌
細菌病理部
10 −ア 病原性大腸菌汚染防止検査
数と ATP 値に相関は認められず、原料用生乳の品質管
理法として ATP 測定は適当でなかった。
津久井保健福祉事務所管内における病原性大腸菌
また、原料用生乳および製品の分離菌株について検討
O157 感染症集団発生において、ヒト(便)324 件およ
び環境(排水) 19 件について病原菌検索を実施した。
したところ、 Enterobacteriaceae 16.9%、 Flavobacterium
15.8%、 Pseudomonas 10.0%、 Acinetobacter 6.9%、
その結果ヒト 49 件、環境 1 件から病原性大腸菌 O157:
Xanthomonas
H7( VT2 産生)が検出された。本事例のヒト由来株お
よび環境由来株について DNA 解析を実施したところ、
5.8%、Coryne-form 5.4%、Staphylococcus 4.6%であった 。
分離株の DNA パターンは一致していた。
2
Ⅱ 調査研究課題
豚丹毒は、豚丹毒菌の感染によって起こる豚の伝染病
であり 、畜産界に甚大な経済的被害を与えている。また、
[経常研究]
本菌はヒトにおいても類丹毒症や、希ではあるが心内膜
食品薬品部
1 遺伝子組み換え食品の検出法に関する検討
炎や敗血症を起こすことが知られており、人獣共通感染
症起因菌として公衆衛生上重要な細菌である。
6.2%、 Lactobacillus
5.8%、 Streptococcus
豚丹毒菌の分子疫学的分類に関する研究
輸入が許可されている Round Up Ready 大豆を対象と
現在、豚丹毒菌は、ペプチドグリカンからなる熱抽出
して PCR 法による市販豆腐から組み換え遺伝子の検出
を試みた。大豆の組み換え遺伝子検出には cauliflower
抗原を使用したゲル内沈降反応により26種類の血清型
とその抗原性を欠く N 型に分類されている。しかし、病
mosaic virus 35S promoter 遺伝子を、検出プライマ−に
原性を有する血清型の多くは 1 型及び 2 型に分類される
− 42 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
ため、疫学的マーカーとしての有用性はあまり認められ
菌株間の比較に有効な手段と思われた。
なかった。そこで、染色体レベルでの疫学的分類を行う
ため、パルスフィールドゲル電気泳動法によりタイピン
[重点基礎研究]
食品薬品部
グが可能かどうか検討した。
1
食品中微量汚染物質についての発癌プロモーター的
血清型 2 型の野外株を、制限酵素 Sma Ⅰ及び Apa Ⅰ
を使用して検討したところ、Sma Ⅰでは 130kb ∼ 450kb
見地からの安全性評価
Balb c/3T3細胞に v-Ha-ras 遺伝子が組み込まれ、発癌
の範囲でフラグメントの数及び出現部位に差違が認めら
のイニシエーションの状態にある細胞を用いて、発癌プ
れ、泳動パターンは Apa Ⅰに比べ多様であった。同一
の血清型においてもパルスフィールドゲル電気泳動を用
ロモーター試験の開発を行った。本試験法は、10 日間
の化学物質処理を行い、細胞播種後 16 日後に固定染色
いることにより疫学的分類が可能で Sma Ⅰを用いるこ
し、形成されるフォーカスの数を測定する方法であり、
とがより有効と思われた。
TPA やオカダ酸をはじめ、コール酸類及び重金属類等 、
多くの化学物質の発癌プロモーター活性を検出できるこ
3
黄色ブドウ球菌のエンテロトキシン産生能に関する
とがわかった。本試験法を用いて、農薬 7 種類について
研究
−エンテロトキシン産生遺伝子保有状況とその産生との
検討を行った結果、4 種類のついては発癌プロモーター
活性を有している可能性が示唆された。
関連−
黄色ブドウ球菌のエンテロトキシン(SE)産生能に関
するこれまでの試験法は、培養液中の SE 量を測定する
2
アレルギ−性接触皮膚炎において早期に産生される
サイトカイン mRNA 発現パタ−ンに関する研究
ことにより、毒素原性を判定してきた。今回、 Johnson ら
アレルギー性接触皮膚炎の感作相で産生される種々の
の報告のプライマーを用いて、 SE 産生遺伝子保有の有
無と SE 産生発現との関連を検討した。 SE 産生標準菌株
サイトカイン(ケモカイン)やそのレセプター及び表面
抗原等の mRNA レベルでの発現量について検討を行っ
6 菌株は A ∼ D 型の SE 遺伝子をしていた。食中毒由来
た。1%TNCB 及び 10%塩化ベンザルコニウム(BC)をマ
7 菌株では A ∼ C 型の遺伝子を保有し、そのうち 5 菌株
は食中毒に多く認められる A 型であった。また、標準菌
ウス耳介に塗布し、耳介表皮及び耳介リンパ節で発現す
るサイトカインやケモカインレセプター等の mRNA を、
株および食中毒由来菌株の SE 産生性を逆受身ラテック
経時的に RT-PCR を用いて経時的に調べた。その結果、
ス凝集反応法により調べたところ、これら菌株の保有す
る SE 遺伝子と SE 産生性は同一であった。食品由来 12
表皮及びリンパ節で異なる mRNA の発現パターンが認
められた。即ち、塗布後のごく早期においては IL-1 β
菌株においては 9 菌株が A ∼ D の遺伝子を保有し、ま
及び IL-2 が、TNCB 群で発現し、塗布 24 時間以後は、
た 、それに対応する SE が産生されていたが、標準菌株、
食中毒由来菌株に比較して、産生量の低いものが認めら
IL-12p40 及び IAα は 、リンパ節でのみ差が認められ、IL-2
は、表皮及びリンパ節で mRNA の発現に差が認められ
れた。これらのことから黄色ブドウ球菌の食中毒原性は、
た。以上より、マウス表皮のサイトカイン発現パターン
培養液についての逆受身ラテックス凝集反応法において
を調べることにより、接触皮膚炎及び接触アレルギーの
も十分確認できることが明らかとなった。また、作成し
たプライマーの信頼性が証明された。
原因物質早期の判定が可能であることが示された。
3
4
エルシニア
−エルシニア
エルシニア
有機スズ化合物の雄性生殖毒性
エンテロコリチカの生態に関する研究
エンテロコリチカの分子疫学的解析−
トリブチルスズ化合物について、イボニシでのインポ
セックス誘起、また、哺乳類に対する妊娠毒性及び免疫
エンテロコリチカ(Yersinia enteroco-
毒性等が報告されているものの、哺乳類の雄性生殖毒性
litica)は、食中毒起因菌に指定されており、食品およ
び環境中に広く分布している。さらに4℃以下の低温条
に関する報告はほとんどない。そこで、マウス5週齢
(
)
に 0.4, 2.0, 10.0mg/kg のトリブチルスズを週2回・4
件下で増殖可能なことから、冷蔵食品においても注意が
週間経口投与し、精巣の精子頭部数(SHC) 、組織学的検
必要である。今回、食中毒事例発生の際に汚染源や汚染
経路の特定に有効な手段となるパルスフィールドゲル電
討及びスズ含有量について検討した。その結果、精巣内
SHC はトリブチルスズ 2.0,10.0mg/kg 投与により有意
気泳動(PFGE)法を利用し、血清型および生物型による
に減少し、また、組織学的な検討では、 10.0mg/kg 投
分類だけでなく、Y.enterocoliticaの詳細な遺伝子型別
法について検討した。
与群において精細管の軽度の変性、及び対照群には見ら
れない多核細胞及び巨細胞が観察された。さらに精巣内
制限酵素は Xba Ⅰを用いて染色体 DNA を消化し、病
スズ含有量は投与量依存的に増加していた。以上の結果
原株および環境由来株について PFGE を行ったところ、
同一血清型および生物型においても異なる泳動パターン
より、トリブチルスズの反復投与により、精巣内のトリ
ブチルスズ又はその代謝物の含有量が増加し、精巣機能
を示したことから、PFGE 法は Y.enterocolitica における
障害が引きおこされる可能性が考えられた。
− 43 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
リスク評価を行うことを目的として、食品抗原経口感作
食品獣疫部
1 病原性大腸菌O 157 分離培地(CT-SMAC 寒天培地
の改良に関する基礎的研究)
によって誘導される免疫応答への影響を検討した。胸腺
萎縮などの免疫機能への影響が知られているジブチルス
ズは末梢リンパ節細胞の抗原特異的な増殖応答および抗
食品からの腸管出血性大腸菌O 157:H7 検出用として
これまで用いられてきた CT-SMAC 寒天培地について、
体産生能に影響を与えることを明らかとした。
カイワレ大根からの本菌の分離に供するために改良を行
3
った。その結果、CT-SMAC 寒天培地上においてO 157
の集落性状に酷似したO 157 以外のカイワレ大根由来株
高分子素材からなる生活関連製品由来の内分泌かく
乱化学物質の分析および動態解明
ア 食品容器包装材等からの溶出挙動の解明
については今回改良された CT-SSMAC 寒天培地(1%サ
瓶詰食品の金属製キャップの内側には、プラスチック
リシンおよび 0.01%-4-メチルウンベリフェリルβ
- -D-ガ
ラクトピラノシド加 CT-SMAC 寒天培地)を用いること
製のシーリング材が使用されている。これらのシーリン
グ材について、フタル酸エステル(PAE)等の可塑剤およ
により、供試菌株の 91%を集落の色調ならびにβ -ガラ
びビスフェノールAの使用動向を報告した。
クトシダーゼの有無によってO 157 と鑑別することが可
能になった。
12年度はノニルフェノール(NP)について調査を実施し
た。試料(国産品15検体および輸入品35検体)は11年度
の可塑剤を調査した溶出液を用いた。50検体中8検体に
Ⅲ 共同研究
食品薬品部
1
NPが検出された。NPが検出されたものの多くは、前年度
の調査においてPAEが検出された試料であった。ポリ塩
平成 12 年度食品汚染物モニタリング調査事業
化ビニル製品の添加剤は他の化合物に替わりつつあるこ
昨年度に引き続き平成12年度も国立医薬品食品研究所
による食品汚染物モニタリング調査に参加した。報告し
とが報告されていることから、再度調査を実施し、その
後の動向を調査する必要がある。
たデ−タは平成11年度に行政依頼試験として実施したも
イ
医療用具などの高分子材料中の重金属調査
のである。残留農薬が大部分を占めており、輸入農産物
のポストハ−ベスト農薬、国産青果物および加工食品の
医療用具及び食品の容器包装材料などの高分子素材中
に内分泌かく乱化学物質として疑いのある Cd、 Pb など
未規制農薬を報告した。さらに、輸入食肉中の動物用医
の金属の有無について検討した。測定には高周波プラズ
薬品、残留抗菌性物質及び魚介類中の有機スズ調査もあ
わせて報告した。
マ発光分析装置を用い、Cd 、Pb を含む 21 金属について
53 検体の高分子素材を分析した。その結果、Cd は全て
国産青果物では、果実33検体76項目、茶5検体68項目、
の検体で不検出であった。Pb については経皮胆道カテ
その他6検体6項目実施した。輸入農畜産物では、食肉20
検体70項目、野菜類8検体116項目、果実類57検体80項目、
ーテル 1 検体から検出された。他に体内に残留する静脈
留置針から Ba、 Al 及び Sr などの金属が高濃度検出され
大豆11検体11項目、果実加工品3検体45項目、野菜加工
た。
品3検体3項目であった。魚介類20検体のTBTO、TPT、DBT
は延べ60項目を調査した。さらに石油汚染に関連して魚
介類3検体9項目実施した。以上合計169検体555項目の食
4
品汚染物を報告した。
添加物の安全性について、マウスの骨髄細胞における小
2
核形成を指標とした方法により試験を実施している。平
成12年度はウルシロウ、オゾケライト(セレシン)の2
内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する生体試料
食品添加物安全性再評価、変異原性第二次試験
試験管内の変異原性試験で陽性の結果が疑われた食品
分析法の開発とその実試料分析結果に基づくヒト健康
品目であり、いずれも陰性の結果であった。
影響についての研究
ア 内分泌かく乱化学物質測定用ディスポーザブル器
【薬品等の安全に関する事業】
具の開発に関する研究
Ⅰ事業関連課題
さい帯や腹水などの生体試料中の内分泌かく乱化学物
質の暴露量測定を行うため破損や汚染の少ないプラスチ
ック製ディスポーザブル生体試料採取器具及び保存容器
細菌病理部
1−ア 医薬品等の品質調査
平成 12 年度、医薬品等の細菌学的品質調査の依頼は
の開発を行った 。その結果、腹水採取器具を除いて DEHP
のコンタミの影響のない生体試料採取器具及び保存容器
なかった。
の設定ができた。
1−イ
イ 経口免疫寛容へのブチルスズの影響
−抗原特異的なT細胞応答への影響−
苦情医薬品等の原因調査
平成 12 年度、苦情医薬品等の細菌学的原因調査の依
頼はなかった。
内分泌かく乱作用が疑われる化学物質の生体機能への
− 44 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
験を実施した。
食品薬品部
1−ア 市販医薬品等の品質調査
3−イ 県内製造医薬品の品質調査
県内製造医薬品4検体(アロプリノール錠、ロキソニン
平成 11 年に医薬部外品に新設されたドリンク剤 10 検
錠60mg、オイグルコン錠1.25mgおよび2.5mg)について、
体について、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸アミド及び
アミノエチルスルホン酸(タウリン)の定量試験を行った
溶出試験を行った。その結果、いずれの検体も、規格に
適合していた。
結果、いずれの検体も規格に適合していた。
1−イ
3−ウ 医薬品の技能及び精度調査
厚生労働省監視指導・麻薬対策課による医薬品分析の
苦情医薬品等の原因調査
目薬中の異物検査2検体及び法定外色素等の使用が疑
技能試験及び医療用後発医薬品品質確保事業における溶
われた化粧品について検査を行った。
目薬中の白色異物について、その形態及び性状につい
出試験精度の調査に参加した。医薬品分析の技能試験で
はブスコパン錠の定量試験を、溶出試験精度ではカルテ
て検討した結果、剥離細胞等を含むタンパク質であるこ
オロール錠の溶出試験を行い回答した。
とが確認された。目薬は既に使用中であったことから、
この異物は使用中に混入した目やに等であることが考え
食品薬品部
られた。
4−ア
また、表示外色素及び法定外色素の使用が疑われた化
粧品について、緑色202号、青色404号及びC.I.74260に
厚生省審査管理課による医療用医薬品の品質再評価に
係わる公的溶出試験規格を定めるために、試験法の妥当
ついて検査を行ったところ、緑色202号について検出さ
性を検証した。平成12年度は抗癌薬等19製剤について、
れず、また、他の色素については同定には至らなかった。
4試験液による溶出挙動及び公的溶出試験(案)の妥当性
を検証した。
食品薬品部
4−イ
2−ア 医薬類似品等の医薬品成分に関する試験
痩身を謳った健康茶4検体及び強壮強精効果を標榜した
県内で製造されている滅菌カテーテル等の医療用具4
検体について、外観試験、溶出物試験、発熱性物質試験
サプリメントや脱法ドラッグ10検体について、それぞれ
について収去検査を行った。その結果、いずれの検体も
医薬品成分の含有の有無について試験を行った。強精効
果を標榜した1検体からクエン酸シルデナフィルを検出
試験項目の規格に適合していた。
し、その量は検体1カプセルに医薬品1錠相当であった。
Ⅱ調査研究課題
健康茶4検体中3検体に生薬センナを確認し、その量は1
パッグに有効成分のセンノシドが生薬センナに相当し
[経常研究]
食品薬品部
た 。いずれの検体からも男性ホルモンやエフェドリン類、
1
ヨヒンビンなどを検出しなかった。
医薬品再評価溶出試験規格調査
医療用具の品質調査
植物性緩下薬成分の定量における標準品の安定化に
関する検討
細菌病理部
センナやダイオウの指標成分であるセンノシドA及びB
は不安定であることから、安定な条件を検討することに
3−ア
より、サプリメントに違法に添加された医薬品の検査や
医療用具・特殊医薬品に関する試験
−無菌試験−
第十三改正日本薬局方および生物学的製剤基準に準拠
調査に利用した。
し、医療用具および血液製剤の無菌試験を行った。
2
平成 12 年度は医療用具3検体(ドレナージチューブ
及びカテーテル )と血液製剤 40 検体(人赤血球濃厚液 20
桑葉の抗酸化活性を有することを認めた成分の代謝に
ついて、マウスを用いて血中濃度を測定した結果、配糖
検体、新鮮凍結人血漿 10 検体 、人血小板濃厚液 10 検体)
体はアグリコンとなることを確認した。
天然成分の抗酸化能に関する研究
について検査を行ったが、全て陰性であった。
3
食品薬品部
乱用薬物・亜硝酸エステル類の吸入による循環器系
作用に及ぼす衛生学的検討
3−ア 医薬品等の製造承認審査
県内製造所から提出された医薬品 6 品目、医薬部外品
亜硝酸エステルのトリップ効果を期待して芳香剤等を
吸入する薬物乱用が青少年の間で行われ、毒性等衛生学
54 品目について、製造承認申請記載の試験方法並びに
的な問題が懸念される。そこで実験動物への吸入による
試験成績を審査した結果、医薬部外品 67 品目について
は疑義事項や指摘事項を認め、再審査及び再々審査再審
毒性について試験法等の検討を行った。
査に至った。また、そのうち 3 品目については、確認試
Ⅲ共同研究課題
− 45 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
食品薬品部
%未満(基準; 0.1W/W %)であった。未規制項目につ
1
未規制薬物の乱用防止に関する研究
通信販売やインターネットなどで販売されている健康
いては家庭用エアゾル製品及び接着剤の分析を行った結
果、スチレンはすべての検体で 0.005W/W %未満であっ
食品や脱法ドラッグの実態調査を行い、痩身を標榜した
たが、トルエンは 12 検体から 0.007 − 6.1W/W %、キ
商品に表示されていない医薬品が添加された原因を、ま
た、医薬品ではあるがサプリメントのように流通するメ
シレンは 5 検体から 0.022 − 7.1W/W %検出された。
文献1)長谷川ら:神奈川衛研報告、22、14-21( 1992)
ラトニンの品質や規格などに問題があることが明らかに
なった。
食品獣疫部
2−ア カビアレルゲン量の精密検査
保健所に相談、調査依頼のあった5家庭からの8検体
【快適な生活を守る事業】
について、室内空気中のカビ数およびカビの種類を調査
したところ、カビ数は、13 未満∼ 975CFU /m3 であ
Ⅰ 事業関連課題
生活環境部
1−ア 家庭用品試買検査
り、フローラは、アスペルギルス属、クラドスポリウム
−ホルムアルデヒド、有機錫化合物−
属およびペニシリウム属のカビが主体だった。
前年度に引き続き通信販売の繊維製品 20 検体(生後
24 ヶ月以下の乳幼児用 14 検体、その他 6 検体)につい
生活環境部
てホルムアルデヒド、トリブチル錫化合物及びトリフェ
ニル錫化合物の検査を行った。トリブチル錫化合物及び
トリフェニル錫化合物の抽出には前年度と同様にジクロ
ロメタンのかわりにヘキサンを使用した。その結果ホル
ムアルデヒドは 24 ヶ月以下の乳幼児用4検体から検出
され、2検体は基準(検出せず;吸光度 0.05)を超えて
いた。その他は 40µg/g 以下(基準;75ppm 以下)、トリ
ブチル錫化合物及びトリフェニル錫化合物はすべての検
体で錫濃度として 0.1 µg/g 未満(基準;検出せず)であ
った。基準を超えたホルムアルデヒドについては GC/MS
法による確認も行った。
他に測定した 8 種類の未規制の有機錫化合物(モノブ
チル錫化合物、ジブチル錫化合物、モノフェニル錫化合
物、ジフェニル錫化合物、モノオクチル錫化合物、ジオ
クチル錫化合物、トリオクチル錫化合物、トリシクロヘ
2−ア 室内汚染化学物質実態調査
新築集合住宅2棟の未入居室内(計40箇所)における
ホルムアルデヒドと43種類の揮発性有機化合物( VOC)
濃度の住戸別変動の調査とホルムアルデヒドの検知管に
よる測定値の評価並びに防蟻剤として使用されているク
ロルピリホスの調査を実施した。
住戸別変動はホルムアルデヒド18.2∼24%、VOC 32.6
∼59.5%で、VOCの戸別変動が大きいことが認められた。
測 定 濃 度 は 、 ホ ル ム ア ル デ ヒ ド が 棟 別 に 181 ∼
401µg / m3 , 2 9 ∼ 60µg/m 3 で、VOC の代表としてのトルエ
3
ンが棟別に 213 ∼ 700µg/m,406
∼ 2173µg/m 3 であった 。
検知管によるホルムアルデヒド測定値は、室内に存在
するケトン類濃度に影響され実際の濃度よりも高い値を
示すが、ケトン類濃度がホルムアルデヒド濃度の4倍以
下であれば影響のないことが分かった。また、クロルピ
キシル錫化合物)はすべて定量下限値(錫濃度として
リホスによる室内汚染は、指針値(1µg / m3 )以下であった 。
0.1µg/g)未満であった。
−塩化ビニル、トリクロロエチレン、テトラクロロエ
室内VOC濃度低減化対策として、酸化チタン空気清浄
機による除去効果を試作品で検討し、約70%のVOCを除去
チレン、トルエン、キシレン、スチレン−
できることが認められたが、今後、低濃度レベルでの除
家庭用品中の揮発性有機化合物(VOC)は室内空気
去効果について調査する必要がある。
汚染の原因となる可能性が懸念されることから、家庭用
エアゾル製品 12 検体、接着剤 11 検体について検査を行
った。
「有害物を含有する家庭用品の規制に関する法律」
では家庭用エアゾル製品中の塩化ビニル、家庭用エアゾ
ル製品及び洗浄剤中のトリクロロエチレン、テトラクロ
ロエチレンが規制対象になっているにすぎないが、室内
空気中の指針値が示されたトルエン、キシレン、スチレ
ンも含めて検査対象項目とした。未規制項目の試験方法
は、長谷川らの方法1)を応用して行った。
規制項目については家庭用エアゾル製品の検査を行っ
た結果、すべての検体で塩化ビニルは不検出(基準;検
出せず)、トリクロロエチレンは 0.005W/W %未満(基
準; 0.1W/W % )、テトラクロロエチレンは 0.005W/W
2−イ
アレルゲン生物実態調査
国内で市販されているダニアレルゲン量の簡易測定キ
ット2製品(マイティチェッカー、アカレックステスト)
の反応を屋内塵を用いて検査した。9件中5件で、両製
品とも屋内塵中のチリダニ数から推定した反応の強さと
同等の反応が見られた。推定より弱い反応を示した試料
は1件、強い反応を示した試料は2件見られた。さらに
両製品で反応が異なった試料が1件見られた。両製品と
もケナガコナダニと、チャバネゴキブリの糞には反応し
なかった。マイティチェッカーはクモの糞に反応しない
が、アカレックステストはクモの糞に反応することがわ
かった。
− 46 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
生活環境部
築時には施工業者と相談して適切なる建材を使用するこ
3−ア 大規模浄化槽実態調査
大規模浄化槽等監視指導実施要領に基づいて、保健福
とが重要である。DCBの使用にあたっては過剰使用せぬ
よう啓蒙する必要があるとおもわれる。
祉事務所が実施した監視指導の結果、処理水質が悪かっ
た浄化槽3施設(藤沢、鎌倉保健所管内)を対象に精密
機能調査を実施した。その結果、いずれの施設も処理水
2
家庭用品中の有機リン酸エステル系防炎加工剤の分
析
質を回復あるいは改善することができた。
家庭用品中の9種類の有機リン酸エステル系防炎加工
生活環境部
剤を一斉分析する方法を検討した。前処理法としてカー
トリッジカラムを使用し、測定方法として GC/MSを用
4−ア
いることにより各々 1µg/g まで定量可能であった、本法
生活生物の制御に関する調査
イソチアン酸アリル(AIT)のクマネズミに対する忌避
作用について室内試験を実施したところ、強い臭覚忌避
を用いて繊維製品 71 試料について調査した結果、規制
対象のリン酸トリス(2,.3-ジブロモプロピル)と未規制
作用を持つことが判明した。
のリン酸トリエチルはすべて 1µg/g 未満であったが、未
Ⅱ 調査研究課題
規制の 7 種類が検出され、リン酸トリブチル 1 ∼
396µg/g( 13 試料)、リン酸トリス(2-クロロエチル)1
[経常研究]
∼ 327µg/g( 2 試料)、リン酸トリス(2-クロロプロピル)3
食品獣疫部
1 野外ならびに住居室内の空気から分離されるカビの
∼ 328µg/g(4 試料 )、リン酸トリス(1,.3-ジクロロプロ
ピル)5µg/g(1 試料)、リン酸トリフェニル 1 ∼ 283µg/g
( 20 試料)、リン酸トリス(2-ブトキシエチル)3 ∼ 4µg/g
生理特性
野外および室内空気中での優占カビである
Cladosporium cladosporioides、 Aspergilluspenicillioides 、
(2 試料 )、リン酸トリクレジル 3 ∼ 7µg/g(2 試料)で
あった。
Alternaria alternata および Eurotium rubrum の胞子、分
生子を畳表を基質として用い塗布し、湿度条件を変えて
25 ℃で培養した実験において、室内の優占種で好乾性
3
生活排水の代替塩素による消毒法に関する研究
生活排水処理施設では、衛生的な安全性を保つために、
のカビである A. penicillioides および E . rubrum は、室外
通常、塩素消毒が行われているが、塩素はトリハロメタ
の優占種である C. cladosporioides および A. alternata よ
りも湿度が低い条件においても発育が良好だった。
ンなどの発ガン物質を生成し問題が多い。そこで、塩素
に替わる消毒法としてオゾンおよび紫外線を用いて処理
実験を行った。オゾン処理では注入濃度5 mg/L で約5
生活環境部
1
室内環境中の有機化合物質調査
分間、紫外線処理では2 mW/cm2 で約 30 秒間の条件で
十分な消毒効果が発揮された。
代表的な室内汚染物質であるホルムアルデヒドやトル
エン、キシレンなどについて新築時からの室内化学物質
4
ダイオキシン類等有害化学物質の環境中での動態と
濃度の推移を、3箇所の住宅で 3 ヶ月毎に2年間に亘り
居間の空気を採取し測定した。
環境毒性評価に関する研究
ダイオキシンの前駆物質であるクロロフェノール、ク
総揮発性有機化合物(T-VOC )濃度は、使用した建材
ロロベンゼンを測定することで、ダイオキシン類濃度を
や生活様式によりその内容は大きく異なった。竣工時は
トルエンとキシレンの合計濃度が T-VOC 濃度(293µg/m3
推定する手法を開発した。この手法は都市ゴミ焼却炉で
の 2 ヵ月間のモニタリング調査よりその実用性が確認さ
∼ 1897µg/m3 )の 33-55% を占めていた。ホルムアルデヒ
れた。また、全有機ハロゲン量(TOX)については、
ド濃度(最高濃度 224µg/m3 )は家具の購入などにより
その推移は様々であったが、新築時よりも温湿度が高く
焼却炉のばい煙処理後の排ガスにおいてダイオキシンと
の相関が高かった。なお、本研究の一部は環境科学セン
なる時期に室内濃度が高くなり、2 年間同様なパターンを
ターとの共同研究として実施した。
繰返した。B 宅では指針値(100µg / m )を超える値は示し
ていない。これは放散の少ない材質を選択したためであ
5
3
紅斑熱群リケッチア保有マダニ類の分布
る。新築時には、化学物質の放散が少ない、あるいは放
丹沢地域の遊歩道で採集したフタトゲチマダニ雌7匹
散のない建材・施工材を選択することが健康被害を低減
していく上で有効であると考える。防虫剤として使用さ
と若虫 200 匹、ヤマトマダニ雄 20 匹と雌 10 匹、ヒトツ
トゲマダニ雌2匹の紅斑熱群リケッチア( SFGR)の保
れているパラジクロロベンゼン( DCB)濃度は、使用
有状況を PCR 法を用いて検査したが、陽性個体は見つ
状況により指針値(240µg / m )を超えている住宅が見られ
た。建築時に適切な建材を選択することで住宅内の化学
からなかった。
物質を低濃度に抑えることができるので、新築及び増改
6
3
− 47 −
ツツガムシの分布拡大要因
神奈川県衛生研究所年報
昨年は県南部へのタテツツガムシの分布拡大を黒布法
第 50 号
2000
細菌病理部
で確認したが、本年は野ネズミ類における寄生状況を確
認するために、11月に仙石原、湯本、湯河原で罠かけ
1−ア 水道原水の原虫汚染実態調査
県内水道水の微生物学的安全性を把握する目的で、水
を実施した。しかし、ネズミが捕獲されなかった。
道原水等における腸管寄生原虫、クリプトスポリジウム
[重点基礎研究]
およびジアルジアの汚染実態を、平成 12 年 7 月に、相
模川水系 15 地点と酒匂川水系 3 地点の水試料各 10L に
生活環境部
ついて調査した。
1
微生物による藻類と藻類由来有毒化合物の分解特性
に関する基礎的研究
クリプトスポリジウムは相模川水系 8 地点、ジアルジ
アは相模川水系 6 地点 、酒匂川水系 3 地点から検出され、
溶藻性微生物によるラン藻の分解現象を解明するため
検出クリプトスポリジウム数は、相模川水系では 1 ∼ 13
に、溶藻性評価法として自然に近い水中でのアッセイ法
を確立した。本法を用いて各種条件下での分解性を検討
オーシスト/10L 、ジアルジア数は相模川水系では 1 ∼ 2
シスト /10L、酒匂川水系では 1 ∼ 3 シスト/10L であっ
した結果、溶藻菌の違い及びラン藻の種類により活性が
た。
異なることが判明した。さらに、バイオリアクターでの
分解実験では、溶藻菌と有毒化合物分解菌の固定化担体
生活環境部
を用いることにより、アオコ(ラン藻)を分解し、有毒
2−ア
化合物も分解することができた。
平成 11 年度に引き続き、ゴルフ場周辺に存在する水
道水源のうち、ゴルフ場使用農薬による影響が予想され
[助成研究]
る 21 水源について、6月に調査を行った。調査項目は、
生活環境部
1
浄化槽消毒処理水の安全評価に関する研究
殺虫剤のイソキサチオン、イソフェンホス、クロルピリ
ホス、ダイアジノン、トリクロルホン、ピリダフェンチ
ゴルフ場使用農薬水質調査
合併処理浄化槽の沈殿槽上澄水及びそれらを消毒する
オン、フェニトロチオン、アセフェート、殺菌剤のイソ
ことで得られた塩素処理水、オゾン処理水、紫外線処理
水について、変異原性試験、細胞増殖阻害性試験等を行
プロチオラン、イプロジオン、エトリジアゾ−ル、オキ
シン銅、キャプタン、クロロタロニル、クロロネブ、チ
いその安全性について評価した。消毒処理によりいずれ
ウラム、トルクロホスメチル、フルトラニル、ペンシク
も変異原性が陽性となったが、変異原物質の生成が最も
少ないのはオゾン処理水で、次いで紫外線処理水、最も
ロン、メプロニル、メタラキシル、除草剤のアシュラム、
シマジン、テルブカルブ、ナプロバミド、ブタミホス、
多くの変異原物質を生成するのは塩素処理水であった。
プロピザミド、ベンスリド、ベンフルラリン、ベンデ イ
細胞毒性では、オゾン処理及び紫外線処理では有害物質
が分解されるために、消毒処理前よりも細胞毒性は低下
メタリン、メコプロップ、メチルダイムロン、ジチオピ
ル、ピリブチカルブの合計 34 種類である。結果は全て
したが、高塩素処理では有害化学物質の生成によって細
水質基準値、指針値(平成4年 12 月、衛水第 264 号)
胞毒性が高まった。したがって、消毒処理はオゾン処理
及び水質目標(平成5年 12 月、衛水第 227 号)以下で
が安全性の面で有効である。
あった。
2
食品獣疫部
内分泌撹乱化学物質の生態毒性評価に関する研究
内分泌攪乱化学物質の環境毒性評価及び環境管理手法
について、内外の情報を収集し、我が国に適した方法に
3−ア 水質監視細菌検査
秦野市、座間市の水道原水6検体の一般細菌および大
ついて整理した。化学物質の環境運命変化について分担
腸菌群を検査したところ、1検体で大腸菌群陽性であっ
し、まとめた。
た。
3
生活環境部
合併処理浄化槽に対する消毒技術の評価に関する研
究
合併処理浄化槽生物処理水を対象に塩素、オゾン、紫
3−ア 水道水質管理計画に基づく水質監視
前年度に引き続き、監視地点(原水は秦野市第 9 取水
外線を用いた消毒実験を行い、最適な消毒効果を得るた
場及び馬場取水場及び座間市第 2 水源、浄水は各々の水
めの条件、その時の処理水の安全性、経済性などを検討
中である。
系の曽屋児童遊園地、老人いこいの家くずは荘及び座間
市内給水栓)において 7 月及び 12 月に水質監視を実施
した。検査項目は原水が監視項目 32、水道原水全項目 38、
【飲料水の安全に関する事業】
Ⅰ 事業関連課題
TOC 及びトリハロメタン生成能の合計 72 項目であっ
た。浄水は監視項目 5 であった。結果は原水及び浄水と
も監視項目は全て指針値未満であった。
− 48 −
神奈川県衛生研究所年報
3−イ
水道水質管理計画に基づく精度管理
第 50 号
2000
固相抽出段階が 94 ∼ 121 % 、酸処理段階が 82 ∼ 94 % 、
検査精度の向上及び検査担当者の技術向上を図るた
め、県内の水道法に基づく水質検査を実施している検査
全操作が 75 ∼ 105 %と良好だった。
機関(21)を対象に、鉄、カドミウム及び銅について外
2
水道原水への内分泌撹乱物質(環境ホルモン)供給
部精度管理を実施した。鉄の変動係数は 6.08%で、平成
6年に行った際の変動係数 13.2%と比較して精度の向上
源としての底泥の評価
湖沼や河川の底泥は水中の汚濁物質を吸着、蓄積する
が認められた。鉄の回収率の平均値は 103%で、全体の
作用がある。しかし一方、浚渫や洪水時の巻き上がり、
88%が良好とされる判定基準の 90-110%の範囲内にあ
り、正確かつ精度の良い結果が得られた。カドミウム及
底泥表面付近の環境等によっては一度吸着した物質を溶
出して汚染物質の供給源となる可能性も持つ。そこで水
び銅の変動係数は 4.92%及び 4.81%で、平成 11 年度に
道原水への環境ホルモン供給源としての底泥の評価を行
行った際の変動係数 14.4%及び 13.5%と比較すると精度
の向上が認められた。カドミウムと銅の回収率の平均値
うことを目的とする。第一段階として各種の環境ホルモ
ン物質の分析法を確立し、対象とする物質の選定を行っ
は 102%及び 101%で、良好とされる判定基準の 90-110%
た。その結果、ビスフェノールA、アルキルフェノール
の範囲内にあり、正確かつ精度の良い結果が得られた。
類、 2,4-ジクロロフェノキシ酢酸、ベノミル等を検討対
象物質として選定した。
生活環境部
4−ア 環境ホルモン水道水質調査
昨年度に引き続き、谷ヶ原、寒川及び相模原浄水場の
Ⅲ共同研究課題
細菌病理部
原水及び浄水中の内分泌攪乱化学物質(ノニルフェノ−
1
水道水を介して感染するクリプトスポリジウム及び
ルなど 22 物質)を、7月(合計6検体)に調査したと
ころ、原水については、ノニルフェノ−ル等のアルキル
類似の原虫性疾患の監視と制御に関する研究
厚生科学研究費補助金事業の1つとして、水道水や水
フェノ−ル類3物質、ビスフェノ−ルA、農薬のベノミ
道原水を汚染するクリプトスポリジウムとジアルジアの
ル及び鉛が微量検出された。また浄水については、アル
キルフェノ−ル類2物質及び鉛が微量検出された。
検査法の開発・改良を行うとともに、汚染状況調査や代
替指標の開発を行った。環境水中ではウェルシュ菌、浄
水処理過程では藻類が代替指標となる可能性を示唆する
生活環境部
5−ア 水道水源水質調査
結果を得た。
本年度は産業廃棄物、一般廃棄物処理場及び工場跡地
の比較的近傍にある 13 水源を対象に WHO 飲料水水質
ガイドライン値の見直し物質とされているベンゾ(a )ピ
生活環境部
1
水道における化学物質の毒性、挙動及び低減化に関
する研究
レンを含む多環芳香族炭化水素類について調査を行っ
水道水質に関する基準の見直しのために、未規制物質
た。調査項目はフルオランテン、ベンゾ(b)フルオラン
であるアナトキシン-a 等の水道における存在状況の把
テン、ベンゾ(k)フルオランテン、ベンゾ()ピレン、イ
a
ンデノ(1,2,3-cd)ピレン、ベンゾ(ghi )ペリレンの合計6
握、浄水処理における除去・生成・制御について検討し
た。まず、水中のアナトキシン-a の分析法を検討し、そ
項目である。結果は、すべて定量限界値以下であった。
の分解挙動を明らかにした。
なお、定量限界値は 0.03µg/L であった。
Ⅳ受託調査・研究課題
Ⅱ 調査研究課題
生活環境部
[経常研究]
生活環境部
1
1
水環境中の人畜由来ホルモンの動態に関する研究
水道原水及び浄水中の内分泌撹乱物質の挙動に関す
る調査
水道事業者である神奈川県企業庁水道局及び神奈川県
水中の3種の天然エストロゲン(エストロン(E1)、 17 βエストラジ
オ -ル(E2)、エストリオル(
- E3))及び1種の合成エストロゲン(エチニルエ
広域水道企業団から委託を受け、県内にある3浄水場の
原水及び浄水中の内分泌攪乱化学物質(ノニルフェノ−
ストラジオル(
- EE2))の一斉分析法を検討した。本法は固相
ルなど 22 物質)を調査した。
抽出-GC/MS 法を採用し、水道原水と浄水を分析対象と
した。前処理は、簡略化して、①固相抽出②酸処理③誘
【放射能に関する事業】
導体化④精製とした。固相カラムはセップパック
Ⅰ事業関連課題
プラス
PS-2
カ -トリッジ、溶出溶媒はジクロロメタンを用いた。抱合体は酸処
理によって、フリのエストロゲンに変換して分析した。
前処理段階での E1、 E2、E3
生活環境部
1−ア
及び EE2 の回収率は、
− 49 −
環境放射能水準調査
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
−県内一般環境における放射能調査− 2000 年度−
度調査を実施している。2000 年度は粉乳(育児用粉ミ
神奈川県内の環境・食品中の放射能(線)を 1961 年
から継続して行っている。
ルク、脱脂粉乳)、キノコ類(シイタケ)について、セ
シウム -134(以下134 Cs)、セシウム -137(以下137 Cs)
今年度も、いくつかの食品試料、降下物等にセシウム
の濃度調査を行った。
-137 が断続的に検出されている。
調査結果は、平常値の範囲内であった。
結果を表に示す。シイタケは前年度より若干低い傾向
にあった。粉乳は脱脂粉乳1試料からのみ 137 Cs が検
(参考資料:神奈川県における放射能調査・報告書)
出された。
− 核燃料加工工場周辺におけるウラン濃度−
横須賀市久里浜にある核燃料加工工場(日本ニュクリ
魚介類は、 1992 年度からの放射性廃棄物の海洋投棄
の影響調査の一環として、日本海側で水揚げされたもの
アフュエル(株 ))周辺のウラン濃度について、63 試料
と、従来より行っている県内産(相模湾)のものとをま
を採取、分析した。調査結果を表に示す。
とめて示す。134 Cs、 137 Cs に加え、核廃棄物による汚
染指標として、ルテニウム -106、コバルト -60 も調査し
本結果は平常値の範囲内であり 、 施設による周辺環
境への影響はなかったと考える。
本年度よりデータの信頼性を保証することと調査結果
を迅速に得ることを目的として、一部試料につき
ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析装置)による測定
た。 1 3 7 Cs 濃度は日本海側と相模湾産の試料に有意差
はなかった。その他の核種はいずれも検出限界以下であ
り、魚介類は前年度と同じ放射能レベルであった。
表
を検討した。現法(固体蛍光光度法)と ICP-MS による
食品中の放射能濃度
Bqkg −1 as received
測定結果の関係は、y=1.127x+0.004( R=0.974 )であった 。
2
表
試料名
採取地
河川水
平作川
〃
〃
〃
採取日 試料数
測
定
粉乳
4
<LOD
<LOD ∼ 2.8
2
12
<LOD
<LOD
0.20 ∼ 3.8
<LOD ∼ 0.33
1.0∼1.4 μgl −1
00/ 8
6
0.4∼0.9 μgl −1
5
6
−1
1.0∼1.2 μgl
0.4∼1.1 μgl −1
−1
キノコ類
魚介類
5
00/12
01/ 2
137
試料数
値
00/ 5
134
品目
核燃料加工工場周辺の環境試料中のウラン濃度
Cs
Cs
定量限界(LOD):0.1Bqkg − 1
Ⅱ調査研究課題
[経常研究]
生活環境部
河川底質
平作川
〃
00/ 5
00/ 8
5
6
0.8∼2.5 ㎎㎏ (乾)
0.5∼2.3 ㎎㎏ −1(乾)
〃
00/12
5
0.9∼1.8 ㎎㎏
〃
01/ 2
6
0.6∼2.0 ㎎㎏ −1(乾)
によるラドンの放出を抑制する効果について検討を行っ
た。気密性の高い壁紙等はその抑制効果が示唆されたが、
久里浜
00/ 9
4
0.3∼1.1 ㎎㎏ −1(乾)
表面に通気性のあるものは明らかではなかった。またペ
1
建材中のラドン濃度に関する研究
一般家庭に使用されている室内用の壁紙、ペンキ塗装
(乾)
−1
土壌
ンキ塗装による効果は、塗り重ねを行うことにより増加
した。
−1
〃
01/ 3
4
0.3∼0.9 ㎎㎏
(乾)
海水
久里浜港
01/ 2
3
2.8∼2.9 μgl −1
これまでの研究結果から一般家庭に使用されている建
小田和湾
01/ 2
1
3.0
μgl −1
海底堆積物
久里浜港
築材料から放出されるラドンの量は、土壌等の環境から
の量に比べかなり低濃度と考えられた。ラドンによる内
01/ 2
3
1.0∼1.2 ㎎㎏ −1(乾)
部被曝線量を低減化するためには、室内空気の循環に考
慮することが重要であることが明らかになった。
−1
小田和湾
01/ 2
1
0.7
㎎㎏
(乾)
ワカメ
久里浜港
01/ 2
2
0.02
㎎㎏ −1(生)
2
小田和湾
01/ 2
1
0.02
㎎㎏ −1(生)
放射性核種の人体への移行のシミュレーションモデル
形成に必要な、食品の無機成分量の把握を目的として、
食品素材における微量元素の濃度分布
生活環境部
種々の食品素材について機器放射化分析により求めてき
2−ア
た。今年度は魚介類試料について分析を行った。
試料は相模湾産の魚類及び日本海側で水揚げされた魚
食品の放射能濃度調査
1973 年度より県内産もしくは流通食品中の放射能濃
− 50 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
類,頭足類(スルメイカ)の各可食部(筋肉部)及び、
1−ア
一部内蔵を用いた。いずれも、450 ℃ 24 時間灰化した
ものを放射化分析用試料とし、 21 元素について分析し
本事業において、前年に引き続き精度管理を担当し、
毎月、高濃度、低濃度の 検査用標準液として 2 本、お
た。セシウムでは筋肉と内臓中の濃度差がほとんど認め
よび高、低濃度のコントロール尿 2 本を調製し、延べ
られなかった。 Co、 Fe 、Zn 、Mg、 Mn 等は筋肉部に比
べ、内臓部の濃度が 5 ∼ 10 倍であった。これまでに調
2,880 本を 4 保健福祉事務所および相模原市に配付した。
精度管理は、保健福祉事務所において検体尿の神経芽
査した種々の食品素材中のセシウムの平均濃度を比較し
細胞腫検査と同時に実施したコントロール尿の VMA、
たところ、概ね、シイタケ>粉乳>魚類>頭足類>牛乳>野
菜類となった。
HVA、 CRE 測定値を集計することにより行った。昨年
と同様におおむね良好な結果であった。
3
食品薬品部
2−ア 食品の理化学検査および動物検査における精度
キノコにおける放射性セシウムの挙動に関する研究
ある種のキノコは、特異的に放射性セシウム(Cs)
を濃縮することが知られている。そのため、放射性 Cs
神経芽細胞腫検査の精度管理および技術指導
管理試験
濃度の高いキノコを食することは内部被曝線量の上昇に
つながり、健康への影響が心配される。そこで、キノコ
食品の理化学検査を担当する食品化学科、食品添加物
科及び動物試験を担当する薬事毒性科において、神奈川
における放射性 Cs の挙動を解明し、被曝線量の低減化
県精度管理実施マニアルに従い日常精度管理試験(計
に役立てることを目的とした。
本年度は県内でよく食べられる野生キノコを主体に
129 検体 520 項目)を実施した。その内訳は添加回収試
験(50 検体、238 項目)、ブランク試験(44 検体、237
Cs-137 濃度 を定量した。食用キノコ中の Cs-137 は、< LOD
項目)、精度試験(35 検体、45 項目)であった。全国一
-1
(定量限界以下)-128Bqkg fresh で、多くの試料(約 80
%)が<LOD から 10 Bq kg-1 fresh 以下であった。非食用
斉の食品衛生外部精度管理調査の保存料検査、残留農薬
検査及び残留動物用医薬品検査に参加し、いずれも良好
キノコについては<LOD-574 Bq k g-1 fresh で、食用に比べ
な結果と評価された。また、県食品衛生検査施設の GLP
ると Cs-137 を蓄積しているものが多く認められた。国
内で比較的 Cs-137 濃度が高いキノコが多く見つかって
精度管理事業として、動物用医薬品関連では合成抗菌剤
の試験用統一試料の作製と精度管理試験の実施、食品添
いる富士山のデータと比較すると、今回の結果は<LOD
加物関連では亜硫酸について添加量と回収率の変動試験
の試料が多かったが、 Cs-137 濃度が高いキノコについ
ては、その濃度に差がないことが分かった。
を実施した。
食品獣疫部
[重点基礎研究]
生活環境部
2−ア 食品細菌検査における精度管理用試料の作製
「食品衛生検査施設等における連絡協議会設置要領」
1
に基づき、食品衛生検査施設等連絡協議会の部会として
セシウムに対する土壌微生物の性状解析に関する
基礎的研究
平成 12 年度食品 GLP 精度管理部会(微生物班)が設け
土壌からキノコへ Cs-137 が移行する際、共存する土
壌微生物との関わりは、キノコによる Cs-137 蓄積を考
られ、微生物班においては微生物学的検査の信頼性を確
保することを目的として、微生物学的検査の精度管理に
える上で重要と考えられるが知見がない。そこで、キノ
ついて検討を行った。この中で衛生研究所はそば粉を用
コ生息土壌中の土壌微生物の Cs 対する感受性ならびに
取込量を調べ、キノコへの Cs 移行に土壌微生物が何ら
いた共通サンプルによる精度管理の方法について検討
し、各保健所検査課へ調製したサンプルを送付した。結
かの影響を与えているのかを検討した。
果を集計し、解析の結果、すべてのデータは下部管理線
キノコ生息土壌中に共存する細菌は Cs に対する感受
性が低く、放線菌は感受性が高いことが分かった。また、
および上部管理線内であり良好な結果を示した。
放線菌では、Cs に対する感受性が高い菌株ほど、Cs 取
Ⅱ調査研究課題
込量も全体的に高い傾向を示した。これらの Cs 高感受
性株について、SEM-EDX (走査電子顕微鏡−エネルギ
[経常研究]
食品薬品部
ー分散形 X 線分析法)で観察したところ、Cs は菌糸細
1
胞内のある部位に局在している可能性が示唆された。
平成5年度以降に第1次− 10 次までの告示で新たに
188 種類の農薬が追加され、計 214 農薬に食品衛生法の
【検査・分析法技術、精度管理に関する事業】
規格基準が設定された。今回、有機塩素系農薬(ピレス
Ⅰ 事業関連課題
ロイド系も含む)22 種、有機リン系 31 種、含窒素系 38
種類について一斉分析法を作成し、 5 農産物(ミカン、
細菌病理部
− 51 −
食品中の残留農薬分析法の改良に関する研究
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
リンゴ、アスパラガス、バレイショ及びキュウリ)につ
安全性を評価する一環として、LC/MS または LC/MS/MS
いて、添加回収、妨害の有無について検討したところ、2-3
農薬を除いて 70 %以上の回収率が得られ、食品由来の
を用いて河川水中の NP(1-10) EO や NP( 1-10) EC を ppt
レベルで定量する分析法を開発した。NP (1-9) EO や NP
妨害もほとんどなかった。この分析法は日常検査に十分
(1-10) EC が相模川水系河川水中で広く検出され、トー
使えるものと思われた。
タル濃度は NP(1-9)EO で 0.03-4.8 µg/L、 NP(1-10) EC
で 0.02-6.4µg/L の範囲であった 。また、NP(1-2 )EO と NP
2
(1-2 )EC の個々の濃度は 0.01-1.8
動物用医薬品試験法改良に関する研究(Ⅱ )
µg/L の範囲にあるこ
平成9年3月に食品衛生法の改正により残留基準が追
加された5項目のうち、試験法の問題点の改良および検
とを明らかとした。さらに、河川水中の NPE の分解が
エトキシ鎖長が大きい段階で、末端のアルコールのカル
出時の確認試験法を検討し、 簡易で正確な試験法への
ボン酸化を経て、残留性のあるノニルフェノキシカルボ
改良を行うことにより、食品の安全性を確保することを
ン酸(NPEC)同族体を生成しながら進行することを観察
した。
目的とした。サンプル成分による妨害、低い回収率、測
定感度などに問題のある4項目について、問題点の改良
を行い、3項目については日常試験に適用が可能と考え
られた。
Ⅲ共同研究課題
食品薬品部
1
3
食品中の環境由来化学物質分析法の改良に関する研
究
近年、内分泌かく乱物質など環境由来化学物質の食品
への汚染が憂慮されている。そこで内分泌かく乱物質の
1つとして注目されている有機スズ化合物について従来
法に比較して精度が高く、簡便な誘導体化法を検討した。
食品残留農薬告示分析法の検討
食品衛生法で食品中に残留する農薬を規制するため、
順次基準値の制定を行っているが、告示に当たっては、
残留量を分析する方法の確立が急務となっている。告示
分析法を作成するための資料データとして、今年度はピ
ラフルフェンエチル等2農薬を分担し、分析法の検討及
び農産物への添加回収試験を行った。
のり加工品でブチルスズの添加回収実験でほぼ満足でき
2
る結果を得た。
食品中の食品添加物分析法の設定
平成 11 年に食品添加物に指定された甘味料のスクラ
4
未規制農薬の分析法の改良に関する研究
平成 13 年2月現在 214 農薬が食品衛生法で規制され
ており、使用農薬の多様化によりさらに増加される見込
みである。将来的に規制品目となる可能性のある農薬で
分析法に問題がある農薬について分析法の検討を行って
いる。平成 12 年度はシクロプロトリン等 2 農薬につい
ロースについて、分析法を検討した。食品の抽出液を 2
種類の固相抽出で精製し、パルスドアンペロメトリー検
出器付イオンクロマトグラフィー(PAD-IC)及び示差
屈折器付高速液体クロマトグラフィー(RI-HPLC)を用
いて定量を行った。
多様な食品で良好な回収率が得られ、
日常の分析に利用できることが確認された。
て測定条件等の検討を行い、良好な結果を得ることがで
きた。
3
5
食品添加物試験法の項について、さらなる試験法の見直
指定外添加物の分析法に関する研究
食品添加物は、各国毎に規制されており、日本で使用
が許可されていない添加物は、指定外添加物と呼ばれて
いる。外国では保存料として使用されているパラオキシ
安息香酸メチルについて、食品中からの分析法を検討し、
固相抽出による精製後、HPLC で定量する方法を作成し
た。各種の食品で良好な回収率と再現性が得られ、行政
食品添加物試験法設定
「衛生試験法・注解 2000」が出版され、衛生試験法
し及び新試験法の導入等について検討した。
4
容器・包装試験法設定
「衛生試験法・注解 2000」が出版され、衛生試験法
の器具・容器包装および玩具試験法の項について、今後
のさらなる試験法の見直し、新しい項目の記載について
検査に有効と考えられた。
検討した。
生活環境部
5
1
分解生成物の分析
NP(1-2)EO や NP(1-2 )EC のようなノニルフェノール
エトキシレート(NPE)の分解生成物はエストロゲン様作
用を持つことが報告されている。これらの化合物の環境
発がんのイニシエ−ションを受けた Bhas42 細胞
を用いての発がんプロモ−タ−簡易検出法の研究室間
バリデ−ションスタディ−
水環境中のノニルフェノールエトキシレート(NPE)
Bhas 42 細胞( Balbc/3T3 細胞に ras 遺伝子を組み込ん
だ細胞)を用いて、発癌プロモーター検出のための簡易
試験法を開発した。既知の発癌物質及び発癌プロモータ
− 52 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
ーをはじめ、種々の化学物質についての発癌プロモータ
生活環境部
ー活性を検討した結果、発癌物質や発癌プロモーターの
多くは、本試験法により検出可能であることがわかった。
1
6
香粧品試験法の設定
衛生試験法の香粧品試験法の新項目(レゾルシンおよ
なスクリーニング方法を開発し、この試験系を用いて
255 物質の発がんプロモーター活性の有無を把握した。
びサリチル酸フェニル)について試験方法作成作業を行
発がんプロモーター活性が認められた物質については、
った。
用量作用曲線より、そのプロモーター活性の強度を明ら
かにした。
化学物質による生物・環境負荷の総合評価手法の開
発
発がんプロモーター物質を効率よく短期間で検出可能
− 53 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
(4) 部別事業調査研究課題一覧
(事業課題概要掲載ページ)
細菌病理部
Ⅰ
Ⅲ 共同研究課題
事業関連課題
1 水道水を介して感染するクリプトスポリジウム
1 健康相談等事業(衛生総務室)
ア 保健福祉事務所衛生試験検査
イ 保菌者検索
及び類似の原虫性疾患の監視と制御
に関する研究(厚生労働省)
29
49
29
2
野菜等の農水産物からの汚染微生物等の
2 感染症予測監視事業(保健予防課、厚生労働省)
ア 感染性胃腸炎調査
29
3
検出法に関する調査研究(厚生労働省)
36
溶血レンサ球菌レファレンス支部センター(関東
イ A群溶血性レンサ球菌咽頭炎調査
29
ウ 百日咳調査
エ 細菌性髄膜炎調査
29
29
オ 河川水および下水道水等
腸管系病原菌調査
髄膜炎菌性髄膜炎の発生動向調査及び
検出方法の研究(厚生労働省)
37
5
カ 淋菌感染症調査
29
30
キ マイコプラズマ肺炎調査
30
3 感染症予防対策事業(保健予防課)
ア 保菌者・感染源調査
32
イ チフス菌等のファージ型別調査
33
ウ アメーバ赤痢確定試験
4 食品衛生指導事業(生活衛生課)
33
ア 食中毒の細菌学的原因調査
37
4
甲信静ブロック )運営(労働厚生省)
パルスフィールドゲル電気泳動法の標準化および
画像診断を基盤とした分散型システムの有効性に
関する研究(厚生労働省)
37
ウイルス部
Ⅰ 事業関連課題
1
エイズ検査・相談事業(保健予防課)
ア
HIV 抗体検査
29
感染症予測監視事業(保健予防課、厚生労働省)
2
38
ア
インフルエンザのウイルス学的調査
30
5 新規規制動物用医薬品検査事業(生活衛生課)
ア バンコマイシン耐性腸球菌汚染実態調査
33
イ
ウ
ヘルパンギ−ナのウイルス学的調査
手足口病のウイルス学的調査
30
30
6 病原性大腸菌予防対策事業
エ
無菌性髄膜炎および急性脳炎(日本脳炎を除く)
オ
のウイルス学的調査
ウイルス性眼疾患のウイルス学的調査
44
カ
乳児嘔吐下痢症および感染性胃腸炎の
イ 苦情医薬品等の原因調査
44
8 医薬品等製造業指導事業(薬務課、厚生労働省)
キ
小児の麻疹感受性調査
31
31
ク
風疹抗体調査
31
ケ
コ
麻疹ウイルス調査
恙虫病患者の血清学的調査
31
31
ア 病原性大腸菌汚染防止検査
7 薬事指導事業(薬務課、厚生労働省)
ア 医薬品等の品質調査
ア 医療用具・特殊医薬品に関する試験
42
ウイルス学的調査
45
9 神経芽細胞腫検査事業(地域保健課)
ア 神経芽細胞腫検査の精度管理
および技術指導
10 食品科学情報収集事業(生活衛生課)
ア 食品中の原虫汚染実態調査
3
51
感染症流行予測調査事業
ア
(保健予防課、厚生労働省)
インフルエンザ感受性調査
32
イ
日本脳炎感染源調査
32
39
11 水道病原性微生物緊急対策事業(生活衛生課)
ア 水道原水の原虫汚染実態調査
Ⅱ 調査研究課題
4
食品衛生指導事業(生活衛生課)
ア 食中毒のウイルス学的原因調査
48
[経常研究]
Ⅱ
1 病原ビブリオの抗原解析と
毒素産生性に関する検討
2 A群溶レン菌Mタンパクの
感染防御に関する研究
30
31
38
調査研究課題
[経常研究]
1
2
33
34
HIV 感染マーカーの推移に関する研究
日本で見られる希な HIV-1
35
サブタイプの解析
35
3 腸管出血性大腸菌の環境中(主に水系)
における分布状況
34
3
4
ウイルス性呼吸器感染症に関する研究
Q 熱に関する研究
35
35
4 Naegleria fowleri の生息に関する研究
34
5
蚊が媒介するウイルスに関する研究
35
5 髄膜炎菌の抗生剤感受性の実態
6 B群レンサ球菌の溶血毒素について
34
34
6
リケッチア感染症に関する調査研究
[重点基礎研究]
36
− 54 −
神奈川県衛生研究所年報
1
ノーウォーク様ウイルスの遺伝子解析
第 50 号
ア 医薬品再評価溶出試験規格調査
36
Ⅲ 共同研究課題
1 HIV の検査法と検査体制を確立するための研究
(厚生労働省委託)
イ 医療用具の品質調査
Ⅱ
(厚生労働省、HIV 検査法・検査体制
研究班)
2
調査研究課題
に関する研究
37
食品薬品部
Ⅰ 事業関連課題
1
食品衛生指導事業(生活衛生課)
ア 食品添加物の規格試験
イ 非感染性食中毒の原因調査
38
38
ウ 異味異臭、異物等の苦情食品原因調査
38
輸入食品衛生対策事業(生活衛生課)
ア 輸入農産物のポストハ−ベスト
イ 輸入食品中の指定外添加物検査
食品科学検査調査事業(生活衛生課)
40
動物用医薬品試験法改良に関する研究(Ⅱ)
食品中の環境由来化学物質分析法の
52
改良に関する研究
52
4
5
指定外添加物の分析法に関する研究
遺伝子組み換え食品の検出法に関する検討
52
42
6
内分泌攪乱化学物質に関する研究
42
7
植物性緩下成分の定量における標準品安定性
に関する研究
45
8
天然成分の抗酸化能に関する研究
45
9
乱用薬物・亜硝酸エステル類の吸入による
循環器作用に及ぼす衛生学的検討
45
40
[重点基礎研究]
3
1
ア 海産魚介類の有機スズ化合物(TBTO、 TPT
及び DBT)汚染実態調
イ 台所用洗浄剤の成分規格検査
4
51
2
3
2
農薬残留調査
45
45
[経常研究]
1 食品中の残留農薬分析法の改良
37
エイズ医薬品候補物質のスクリ−ニング研究
(厚生労働省)
2000
39
39
2
食品中微量汚染物質についての発癌
プロモーター的見地からの安全性評価
アレルギ−性接触皮膚炎において早期に産生され
食品科学情報収集事業(生活衛生課)
ア 加工食品等の未規制農薬残留調査
新規規制農薬検査事業(生活衛生課)
39
ア GC−MSによる残留農薬の確認試験
41
3
5
43
るサイトカインmRNA発現パタ−ンに
関する研究
43
有機スズ化合物の雄性生殖毒性
43
Ⅲ 共同研究課題
1 平成 11 年度食品汚染物モニタリング
6
乳肉衛生指導事業(生活衛生課)
ア 魚介類の一酸化炭素
39
イ 市場流通二枚貝の貝毒調査
40
2
ウ ふぐ加工製品のふぐ毒調査
40
新規規制動物用医薬品検査事業(生活衛生課)
食品残留農薬告示分析法の検討
(厚生労働省)
3
内分泌かく乱物質の健康影響に関する生体試料分
調査事業(厚生労働省)
7
ア 食肉中の動物用医薬品残留検査
食品衛生検査施設信頼性確保事業(生活衛生課)
ア 食品の理化学検査および動物検査における
9
イ
4
41
ア 医薬品等の品質調査
イ 苦情医薬品等の原因調査
44
44
イ
11 医薬類似品等監視指導事業(薬務課)
ア 医薬類似品等の医薬品成分に関する試験
12 医薬品等製造業指導事業(薬務課)
45
ア 医薬品等の製造承認審査
45
イ 県内製造医薬品の品質調査
ウ 医薬品の技能及び精度調査
45
(厚生労働省委託)
器具の開発に関する研究
44
経口免疫寛容への内分泌かく乱物質の
影響
44
高分子素材からなる生活関連製品由来の内分泌か
く乱化学物質の分析および動態解明(厚生労働省)
ア 食品容器包装材料等からの
薬事指導運営事業(薬務課)
10
康影響についての研究(厚生労働省)
ア 内分泌かく乱化学物質測定用ディスポーザブル
51
食品残留農薬実態調査事業(生活衛生課)
ア 食品残留農薬実態調査
(厚生労働省委託)
52
析法の開発とその実試料分析結果に基づくヒト健
41
8
精度管理試験
44
45
13 医薬品検定事務等調査事業(薬務課)
− 55 −
溶出挙動の解明
44
医療用具などの高分子材料中の
重金属調査
44
5
食品中の食品添加物分析法の設定
6
(国立医薬品食品衛生研究所)
食品添加物試験法設定 (日本薬学会)
52
52
7
容器・包装試験法設定 (日本薬学会)
52
8
食品添加物安全性再評価、変異原性第二次試験
(厚生労働省)
44
神奈川県衛生研究所年報
9
未規制薬物の乱用防止に関する研究
10
(厚生労働省)
46
発がんのイニシエ−ションを受けたBhas42細胞を
6
1
食品獣疫部
Ⅰ 事業関連課題
3
4
ふぐ加工製品検査(魚種鑑別)
畜水産物中の残留抗生物質検査
40
40
ウ
生食用カキ成分規格検査
40
エ
オ
牛乳の保存試験に関する調査
乳・乳製品の黄色ブドウ球菌
40
カ
食肉製品の腸管出血性大腸菌
O157 検査
7
Ⅱ
40
3
40
ア
5
食品細菌検査における
精度管理用試料の作製
51
食品の食中毒菌汚染実態調査事業(生活衛生課)
食品中のカビ毒検査
食品科学情報収集事業(生活衛生課)
ア 香辛料等の芽胞形成菌調査
ア
48
ゴルフ場使用農薬水質調査
水道水質管理計画推進事業(生活衛生課)
ア 水道水質管理計画に基づく水質監視
48
イ
49
水道水質管理計画に基づく精度管理
環境ホルモン水道水質調査事業(生活衛生課)
ア 環境ホルモン水道水調査
49
家庭用品衛生指導事業(生活衛生課)
ア
イ
41
狂犬病検査
7
39
ア 生活生物の制御に関する調査
8 浄化槽指導監督費(生活衛生課)
9
10
ア
33
エルシニアエンテロコリチカの生態に
関する研究
大規模浄化槽実態調査
47
47
環境放射能水準調査
食品科学指導事業(生活衛生課)
食品の放射能濃度調査
49
50
Ⅱ
調査研究課題
[経常研究]
46
48
調査研究課題
豚丹毒菌の分子疫学的分類に関する研究
黄色ブドウ球菌のエンテロトキシン産生能に
46
46
放射能測定調査事業(生活衛生課、文部科学省)
ア
住まいと健康サポ−トシステム推進事業
(生活衛生課)
カビアレルゲン量の精密検査
46
生活環境指導事業(生活衛生課)
ア
33
水道水質管理計画推進事業(生活衛生課)
ア 水質監視細菌検査
室内汚染化学物質実態調査
アレルゲン生物実態調査
39
動物由来感染症予防対策事業(生活衛生課)
ア 動物由来感染症病原体
関する研究
5
49
(生活衛生課)
狂犬病対策事業(生活衛生課)
関する微生物学的研究
4
ア 水道水源水質調査
特定化学物質水源調査事業(生活衛生課)
ア 家庭用品試買検査
6 住まいと健康サポートシステム推進事業
[経常研究]
1 HACCP 方式に基づく食品の製造工程管理に
2
3
水道事業指導監督事業(生活衛生課)
食品中の食中毒菌汚染実態調査
(肉類、生食用魚介類 、野菜類)
食品科学検査調査事業(生活衛生課)
ア
10
2
4
保有状況調査
9
1
ア オキシテトラサイクリンの検査
41
食品衛生検査施設信頼性確保事業(生活衛生課)
ア
8
細胞付着性大腸菌の実態把握と検査法の確立に関
する研究(厚生労働省)
38
生活環境部
Ⅰ 事業関連課題
新規規制動物用医薬品検査(生活衛生課)
ア
6
病原性大腸菌 O157 分離用培地(CT-SMAC 寒天
培地)の改良に関する基礎的研究
44
乳肉衛生指導事業(生活衛生課)
ア
イ
ア
5
47
共同研究課題
1
エンテロトキシン検査
2
野外ならびに住居室内の空気から
分離されるカビの生理特性
36
[重点基礎研究]
52
53
Ⅲ
1
2000
関する研究
用いての発がんプロモ−タ−簡易検出法の研究室
間バリデ−ションスタディ−(日化協)
11 香粧品試験法設定(日本薬学会)
第 50 号
1
水環境中の人畜由来ホルモンの動態に
2
関する研究
室内環境中の有機化合物質調査
3
水環境中のノニルフェノールエトキシレート
4
(NPE)分解生成物の分析
家庭用品中の有機リン酸エステル系
防炎加工剤の分析
42
49
47
52
47
42
5
水道原水への内分泌撹乱物質(環境ホルモン)
供給源としての底泥の評価
49
43
6
生活排水の代替塩素による消毒法に
43
7
関する研究
47
ダイオキシン類等有害化学物質の環境中での動態
嫌気性連続流動培養装置を用いた腸内有用菌に
と環境毒性評価に関する研究
− 56 −
47
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
8
9
紅斑熱群リケッチア保有マダニ類の分布
ツツガムシの分布拡大要因
47
47
2 内分泌撹乱化学物質の生態毒性評価に対する
研究(文部科学省)
10
建築材料中のラドン濃度に関する研究
50
3 合併処理浄化槽に対する消毒技術の評価に
11
12
食品素材における微量元素の濃度分布
キノコにおける放射性セシウムの
50
挙動に関する研究
関する研究( 公益信託柴山研究基金)
Ⅲ 共同研究課題
1
51
[重点基礎研究]
1 微生物による藻類と藻類由来有毒化合物の分解特
性に関する基礎的研究
2
1
総合評価手法の開発
2
Ⅳ
浄化槽消毒処理水の安全性評価に関する研究
(日本環境整備教育センタ−)
10
(環境省)
化学物質による生物・環境負荷の
48
[助成研究]
1
48
48
未来環境創造型基礎研究推進プロジェクト
ア
セシウムに対する土壌微生物の性状解析に関する
基礎的研究
51
48
53
水道における化学物質の毒性、挙動及び低減化に
関する研究(厚生労働省)
49
受託調査・研究課題
水道原水及び浄水中の内分泌撹乱物質の挙動に
関する調査(企業庁、広域水道企業団)
49
学会・研究会・研究論文等での発表
(H12.4.1 ∼ H13.3.31)
(1)
衛生研究所発表会(第12回)
日時:平成 12 年 11 月 2 日(木)
口演発表
1 生活排水処理施設における消毒機能の改善に関する研究
竹田
茂
(生活環境部)
2
紫外線照射による有機塩素化合物の分解に関する研究
宇都宮暁子(生活環境部)
3
4
内分泌撹乱作用が疑われている水中農薬の微量分析法の検討
生物学的手法によるアオコが産生する有毒化合物等の分解に関する研究**
伊藤 伸一(生活環境部)
辻 清美 (生活環境部)
5
底泥及び沈降物が富栄養化に及ぼす影響に関する研究**
上村
6
7
食品添加物製剤の成分分析に関する研究
化粧品中の保湿成分等の分析について
山田 利治(食品薬品部)
岸 美智子(食品薬品部)
8
サンスクリーン剤の紫外線防御効果に関する検討
宮澤
9
10
腸管における食品抗原に対する免疫応答への化学物質の影響*
マイクロプレートを用いた発癌プロモーター試験法の開発 *
渡邊 裕子(食品薬品部)
大森 清美(食品薬品部)
11
未成熟雌性ラットの生殖臓器に対するビスフェノールAの影響*
熊坂
12
13
リン菌の主要治療薬剤に対する耐性菌の動向
クリプトスポリジウムの型別に関する基礎的研究*
渡辺 祐子(細菌病理部)
古川 一郎(食品獣疫部)
14
有芽胞嫌気性細菌の食品からの検出とその諸性状*
藤沢
15
16
中国南西部の injectingdruguser (IDU)で流行している HIV の解析
インフルエンザ脳症のウイルス学的研究*
近藤真規子(ウイルス部)
渡邉 寿美(ウイルス部)
17
C型肝炎ウイルス抗原抗体測定
古屋由美子(ウイルス部)
18
19
生カキおよび食中毒患者からのノーウォーク様ウイルスの検出について
抗日本脳炎ウイルス血球凝集抑制抗体検出の迅速化および簡便化の検討
原 みゆき(ウイルス部)
佐藤 利明(ウイルス部)
仁
(生活環境部)
眞紀(食品薬品部)
謙一(食品薬品部)
倫彦(食品獣疫部)
紙上発表
20
血中HIV−1プロウイルスの臨床的意義に関する基礎的研究*
近藤真規子(ウイルス部)
21
水中のビスフェノールAの超微量分析
上村
*:重点基礎研究による発表演題
**:特定研究による発表演題
印の無いものは経常研究による発表演題
− 57 −
仁
(生活環境部)
神奈川県衛生研究所年報
(2)
2000
学会・研究会
研
年
第 50 号
度
海外学会
全国学会
究
発
表
等
全国研究会 全国行政 地方学会 地方研究会
地方行政
その他
所内発表会
合計
平成 7年度
2
50
9
11
22
5
4
3
31
137
平成 8年度
8
49
6
15
17
0
5
3
33
136
平成 9年度
3
43
3
8
13
0
5
1
33
109
平成10年度
4
51
21
8
6
2
9
0
23
124
平成11年度
1
54
11
6
7
8
2
0
26
115
平成12年度
合 計
6
43
8
2
13
9
4
1
21
107
24
290
58
50
78
24
29
8
167
728
発表者(代表)名
題
名
学会名
【細菌病理部】
谷口理恵*
(岡崎則男) *ほか
RAPD 法を用いた Mycoplasma pneumoniae の遺伝子 第 27 回日本マイコプラズマ学会学術
多型の検出
集会 H.12.4.27(藤沢)
鈴木理恵子 ほか
鶏肉より分離されたバンコマイシン耐性腸球菌
第 33 回レンサ球菌感染症研究会
H12.6.17(札幌)
岡崎則男 ほか
B 群レンサ球菌の溶血素産生性について
第 49 回日本感染症学会東日本地方会
総会
佐多
辰 ほか
沖津忠行 ほか
H.12.10.6(旭川)
生食用野菜(カイワレ大根)からの腸管出血性大腸 第 130 回日本獣医学会
菌O 157 分離のための平板培地の検討
H12.10.7-9(大阪)
環境水域からの腸炎ビブリオの検出
第 34 回腸炎ビブリオシンポジウム
H12.10.13-14(大阪)
岡崎則男 ほか
B 群レンサ球菌分離株の溶血素産生能と血液寒天培 第 83 回日本細菌学会関東支部総会
地における溶血性
H.12.11.20-21(東京)
渡辺祐子 ほか
病原性 Neisseria 属菌等の輸送法の検討
第 83 回日本細菌学会関東支部総会
H.12.11.20-21(東京)
佐多
ソルビットマッコンキー寒天培地の改良に関する検 第 83 回日本細菌学会関東支部総会
辰 ほか
討
沖津忠行 ほか
H.12.11.20-21(東京)
IS が挿入された志賀毒素遺伝子を保有する STEC 第 83 回日本細菌学会関東支部総会
株の検索
H.12.11.20-21(東京)
古屋由美子
神奈川県における恙虫病患者発生状況
第 8 回ダニと疾患のインターフェース
に関するセミナー
H12.7.7-9(秋田)
渡邉寿美 ほか
A 型、B 型を鑑別できるインフルエンザウイルス迅 第 15 回関東甲信静支部ウイルス研究
【ウイルス部】
嶋
貴子 ほか
速診断キットの検討
部会
TMA 法による HIV-1・RNA 検出
第 15 回関東甲信静支部ウイルス研究
部会
原みゆき ほか
H12.9.28-29(千葉)
H12.9.28-29(千葉)
小学校で発生したノーウォーク様ウイルスによる嘔 第 15 回関東甲信静支部ウイルス研究
吐下痢症
部会 H12.9.28-29(千葉)
*;他機関発表代表者、(
)*;当所共同研究者
− 58 −
神奈川県衛生研究所年報
発表者(代表)名
近藤真規子 ほか
第 50 号
題
名
学会名
Transcription mediated amplification(TMA)法による 第 48 回日本ウイルス学会
HIV-1・RNA 検出
渡邉寿美 ほか
2000
H12.10.12-14(三重)
A 型、B 型を鑑別できるインフルエンザウイルス迅 第 48 回日本ウイルス学会
速診断キットの検討
H12.10.12-14(三重)
向出雅一*
(近藤真規子)*ほか
Real-time PCR 法による簡便で高感度な HIV-1 DNA 第 48 回日本ウイルス学会
定量法の開発
H12.10.12-14(三重)
川上千春*
1999/2000 シーズンに分離された AH1 型インフルエ 第 48 回日本ウイルス学会
(渡邉寿美) *ほか
ンザウイルスの疫学的解析
古屋由美子 ほか
Orientia tsutsugamushi 56kDa 型特異的抗原遺伝子に 第 48 回日本ウイルス学会
H12.10.12-14(三重)
よる型別について
片山
丘 ほか
渡邉寿美 ほか
原みゆき ほか
H12.10.12-14(三重)
Orientiatsutsugamushi 56kDa 遺伝子による PCR 型別 第 7 回リケッチア研究会
H12.10.28-29(千葉)
神 奈 川 県 域 に お け る イ ン フ ル エ ン ザ の 流 行 第 46 回神奈川県公衆衛生学会
( 1999/2000 年シーズン)
H12.11.10(横浜)
小学校で発生した集団嘔吐下痢症
第 46 回神奈川県公衆衛生学会
H12.11.10(横浜)
近藤真規子 ほか
HIV-1・ RNA 検 出 法 の 検 討 -各 種 検 査 材 料 に よ る 第 14 回日本エイズ学会
transcriptionmediatedamplification(TMA)法の評価- H12.11.28-30(東京)
向出雅一*
Real-time PCR を用いた簡便で高感度な HIV-1DNA 第 14 回日本エイズ学会
(近藤真規子)*ほか
および episomal2-LongTermalRepeat DNA 定量法と H12.11.28-30(東京)
その臨床的意義
福島浩一*
(今井光信) *ほか
アンプリコア HIV-1 モニター v1.5 のコントロール
・サーベイ
第 14 回日本エイズ学会
H12.11.28-30(東京)
宇宿秀三*
横浜市内の 1 病院でフォローアップ観察中の HIV-1 第 14 回日本エイズ学会
(近藤真規子)*ほか
感染者における SI タイプへ関与する V3 グループ H12.11.28-30(東京)
の遺伝子変異
鈴木一雄*
4 剤併用療法における、protease、 RT、 p6、cleavage 第 14 回日本エイズ学会
(近藤真規子)*ほか site 領域を含む HIV-1 遺伝子解析の臨床的意義
H12.11.28-30(東京)
向出雅一*
HIV-1 薬剤耐性検査のための遺伝子解析に関する検 第 14 回日本エイズ学会
(近藤真規子)*ほか 討
H12.11.28-30(東京)
須藤弘二*
MAGIC-5 細胞を用いた臨床分離株の抗 HIV 剤感受 第 14 回日本エイズ学会
(近藤真規子)*ほか
性検査の検討
H12.11.28-30(東京)
M. I m a i e t a l .
ViraldynamicsstageofHIV-1Infection
XIIIInter-nationalAIDSConference
H12.7.9-13(南アフリカ)
M. K o n d o e t a l .
ThemolecularepidemiologyofHIV-1inYokohama,
XIIIInter-nationalAIDSConference
Japan
H12.7.9-13(南アフリカ)
[海外発表]
*;他機関発表代表者、(
)*;当所共同研究者
− 59 −
神奈川県衛生研究所年報
第 50 号
2000
発表者(代表)名
M.Mukaide*
題
名
学会名
Rapid and sensitive HIV quantification;The real-time XIIIInter-nationalAIDSConference
(M.Kondo)*
PCRbasedHIV-DNAquantificationassay
K.Kawata*
Comparison with the several methods of measurement XIIIInter-nationalAIDSConference
(M.Kondo)*
of HIV-1 RNA viralloadinHIVpositivepatientswith H12.7.9-13(南アフリカ)
subtype E
H12.7.9-13(南アフリカ)
【食品薬品部】
渡邊裕子
岸
小島
弘子 ほか
尚 ほか
抗原特異的なT細胞応答に対するジブチルスズの影 2001 年度日本農芸化学会総会
響
H12.3.24-26(京都)
食品中のスクラロース分析法の検討
日本食品化学学会第 6 回学術大会
H12.5.18-19(東京)
合法ドラッグという名の脱法ドラッグについて(第 第 10 回体力栄養免疫学会大会
1 報)
大森清美 ほか
H12.9.1-3(弘前)
Bhas14 細胞を用いた腫瘍プロモーター検出法の開 第 59 回日本癌学会総会
発
H12.10.4-6(横浜)
渡辺貞夫 ほか
農作物中のフェンプロパトリンの分析法と実態調査 第 37 回全国衛生化学技術協議会
H12.10.26-27(岐阜)
宮澤眞紀 ほか
界面活性剤が p- フェニレンジアミンによる接触皮膚炎にお 第 37 回全国衛生化学技術協議会
よぼす影響
佐藤久美子 ほか
H12.10.26-27(岐阜)
神奈川県内流通農産物及び加工食品の残留農薬調査 第 46 回神奈川県公衆衛生学会
結果(平成 11 年度)
H12.11.10(横浜)
平山クニ
(古屋由美子)
市販大豆加工食品からの組み換え遺伝子の検出
第 46 回神奈川県公衆衛生学会
H12.11.10(横浜)
中村昌道
食品中の亜硫酸の定量法に関する若干の知見
第 46 回神奈川県公衆衛生学会
−その1,2−
H12.11.10(横浜)
魚醤中の不揮発性アミンについて
第 46 回神奈川県公衆衛生学会
土井佳代 ほか
H12.11.10(横浜)
大森清美 ほか
ras 遺伝子導入細胞を用いた発癌プロモーター試験 日本環境変異原学会第 29 回大会
法の開発
H12.11.14-16(仙台)
土井佳代 ほか
溶出試験における各種フィルターについて
第 37 回全国薬事指導協議会
H12.11.27(名古屋)
渡邊裕子 ほか
マウスにおける消化管免疫応答への化学物質の影響 第 4 回サイエンス&テクノロジーフォ
ーラム H13.1.19(横浜)
藤巻照久 ほか
フルベンダゾール分析法について
第 13 回地方衛生協議会研究所全国協議
会・関東甲信静支部理化学研究部会
H13.2.23(水戸)
熊坂謙一 ほか
神奈川県衛生研究所における医薬部外品製造承認書 第 13 回地方衛生協議会研究所全国協議
の審査について
*;他機関発表代表者、(
会・関東甲信静支部理化学研究部会
H13.2.23(水戸)
)*;当所共同研究者
− 60 −
神奈川県衛生研究所年報
発表者(代表)名
岸 弘子 ほか
第 50 号
題
名
学会名
イオンクロマトグラフィーによる食品中のスクラロ 日本薬学会第 121 年会
ースの定量
小島
尚 ほか
H13.3.28-30(札幌)
未規制薬物の乱用防止に関する研究(7)メラトニン 日本薬学会第 121 年会
含有サプリメントの品質について
熊坂謙一 ほか
2000
H13.3.28-30(札幌)
トリブチルスズ化合物のマウス雄性生殖に対する影 日本薬学会第 121 年会
響
H13.3.28-30(札幌)
【食品獣疫部】
佐多
辰
生食用野菜(カイワレ大根)からの腸管出血性大腸 第 130 回日本獣医学会学術集会
(藤澤倫彦)ほか
菌 O157 の分離のための平板培地の検討
H12.10.7-9(大阪)
佐多 辰
(藤澤倫彦)ほか
ソルビットマッコンキー寒天培地の改良に関する検 第 83 回日本細菌学会関東支部総会
討
H12.11.20-21(東京)
古川一郎 ほか
神奈川県内の河川における腸管系病原菌の汚染実態 第 83 回日本細菌学会関東支部総会
H12.11.20-21(東京)
尾上洋一
細菌汚染の現状と問題点
第 13 回地方衛生研究所全国協議会関東
−汚染指標としての大腸菌−
甲信静支部細菌研究部会総会
H13.2.22-23(東京)
【生活環境部】
森
康明 ほか
酸化チタン光触媒空気清浄機による室内空気中の揮 第9回環境化学討論会
発性有機化合物レベルの制御
H12.6.20-22(札幌)
第 46 回神奈川県公衆衛生学会
H.12.11.10(横浜)
森
康明 ほか
クロルピリホスによる室内空気汚染
森
康明 ほか
河川水の Ames 変異原生試験におけるディスク型固 第 33 回安全工学研究発表会
森
康明 ほか
相吸着剤の適用
H12.12.4(横浜)
竣工時からの室内 VOC s濃度の推移
H12 年度室内環境学会
H12.12.19-20(東京)
森
康明 ほか
室内汚染化学物質濃度とその軽減化対策
サイエンス&テクノロジーフォーラム
H13.1.19(横浜)
森
康明 ほか
集合住宅の竣工時における VOC sの住戸別変動と 平成 12 年度地方衛生研究所全国協議会
戸建て住宅における VOC s濃度の推移
関東甲信静支部理化学研究部会
H13.2.23(水戸)
浜村哲夫*
培養細胞を用いた大気中の浮遊粉塵の毒性評価
(伏脇裕一) *
日本環境変異原学会
H13.11.14(仙台)
伏脇裕一
発がんプロモーター試験の環境試料への適用の試み 第 33 回安全工学研究発表会
H12.12.4(横浜)
上村
水質試験への LC-MS 法の適用
仁 ほか
第 51 回全国水道研究発表会
H12.5.25(苫小牧)
辻
清美 ほか
オゾン酸化による底質中の microcystin の分析
第 48 回質量分析総合討論会
H12.5.10-12(名古屋)
*;他機関発表代表者、(
)*;当所共同研究者
− 61 −
神奈川県衛生研究所年報
発表者(代表)名
辻 清美 ほか
題
LC/MS によるラン藻毒の分析
第 50 号
名
2000
学会名
第 4 回分析化学東京シンポジウム 2000
H12.8.30-9.1(千葉)
辻
清美 ほか
ラン藻の制御に関する研究( VI)固定化微生物を 日本薬学会第 121 年会
用いたラン藻類の分解
H13.3.28-30(札幌)
原田健一*
(辻清美)*ほか
ラン藻の制御に関する研究( VII )細菌類が産生す 日本薬学会第 121 年会
る溶藻性化合物
H13.3.28-30(札幌)
伊藤伸一 ほか
水中のフタル酸エステル類の微量分析
第 46 回神奈川県公衆衛生学会
H12.11.10(横浜)
伊藤伸一 ほか
河川水中のエストロゲン及びその抱合体の分析
日本薬学会第 121 年会
H13.3.28-3029(札幌)
A.Utsunomiya etal.
AnalysisofNonylphenolPolyethoxylates(NPEO) and 第9回日韓水環境シンポジウム
Nonylphenoxycarboxylic Acids(NPEC ) Using Ionspray H12.10.16-17(豊橋)
LC/MSorLC/MS/MS,andTheirDistributioninSagami
RiverWaterinJapan
宇都宮暁子 ほか
ノニルフェノールエトキシレートとその分解生成物 平成 12 年度地方衛生研究所全国協議会
の微量分析法
関東甲信静支部理化学研究部会
H13.2.23(水戸)
竹田
茂 ほか
大腸菌O 157 を添加した生活排水の塩素消毒による 第 37 回日本水処理生物学会
除去効果
H12.11.8(相模原)
北原節子*
(竹田 茂)* ほか
大腸菌O 157 に対する塩素の殺菌効果
第 37 回日本水処理生物学会
H12.11.8(相模原)
竹田
生活排水処理の現況と問題点(消毒を中心に)
環境研究交流しずおか集会講演会
茂
H13.3.2(静岡)
矢部辰男 ほか
インドネシアにおける水田開発が家鼠類の分布に与 第 52 回衛生動物学会
える影響(2)
矢部辰男 ほか
稲田貴嗣
H12.4.2-3(那覇)
アリルイソチオシアネート( AIT )のネズミ忌避剤と 第 16 回ペストロジー学会
しての可能性
H12.11.27-28(福岡)
神奈川県内一般家屋のダニ相
第9回日本ダニ学会
H12.10.12-14(三浦)
小山包博
昭和 40 年代における神奈川県の放射能調査
第 42 回環境放射能調査研究成果発表会
H.12.12.6(千葉)
桑原千雅子 ほか
放線菌によるセシウムの取込(1)
2000 年度日本放線菌会大会
H12.7.13-14(福岡)
桑原千雅子 ほか
桑原千雅子 ほか
キノコ生息環境におけるセシウムの挙動
第 37 回全国衛生化学技術協議会
−キノコ生息土壌中の微生物の関わり−
H12.10.26-27(岐阜)
キノコ生息土壌より分離された放線菌のセシウム取 日本薬学会第 121 年会
込みと細胞内分布
H.13.3.28-30(札幌)
*;他機関発表代表者、(
)*;当所共同研究者
− 62 −
神奈川県衛生研究所年報
発表者(代表)名
題
第 50 号
2000
名
学会名
飯島育代 ほか
海岸付近で栽培された無農薬野菜の機器放射化分析 第 37 回理工学における同位元素研究
(4)
発表会 H.12.7.3-5(東京)
高城裕之 ほか
神奈川県における放射能調査
第 42 回環境放射能調査研究成果発表会
H.12.12.6(千葉)
高城裕之ほか
神奈川県における放射能調査
第 46 回神奈川県公衆衛生学会
− 1999 年度−
[海外発表]
A.Utsunomiya etal.
H.12.11.10(横浜)
DeterminationofNonylphenolPolyethoxylates
Society of Environmental Toxicology and
(NPnEO) andNonylphenoxyCarboxylicAcids
Chemistry, the
21st Annual Meeting
(NPnEC) Using Ionspray LC/MS or LC/MS/MS, and H12.11.12-16( Nashville, T N , U S A)
TheirDistributioninSagamiRiverWater (Japan)
T. Yabe
Influence of paddy field development on the roof rat 1st Natl. Conf.Rodent Pest HumanAgric.
Crops H12.5.23-24(タイ)
populationinthetropics
.
− 63 −
神奈川県衛生研究所年報
(3)
第 50 号
2000
研究論文・総説、解説・報告等
論文・総説・解説
年
度
海外学術誌
国内学術誌 専門誌
書籍
研究報告書
県報告書
邦文 英文
平成 7年度
所報
その他
合計
研究報告 衛研ニュース その他
10
18
8
14
8
5
19
13
2
0
3
100
平成 8年度
6
15
5
10
8
5
10
15
4
1
2
81
平成 9年度
14
17
3
18
1
9
0
15
3
0
4
84
平成10年度
9
21
5
15
7
15
6
8
6
0
7
99
平成11年度
5
20
7
9
6
15
10
7
4
0
6
89
平成12年度
合
計
ア
9
20
7
9
6
15
6
11
3
0
9
95
53
111
35
75
36
64
51
69
22
1
31
548
研究論文・総説
著者(代表)名
題
名
掲載誌
【細菌病理部】
谷口理恵*
(岡崎則男) *
RAPD 法を用いた Mycoplasmapneumoniae の遺伝子多
日本マイコプラズマ学会雑誌 27,
型の検出;P1 蛋白遺伝子の配列に基づくⅠ型、Ⅱ型に 57-58(2000)
おける gyr B 遺伝子翻訳開始領域の違い
Jpn.J.Infect.Dis., 54,23-26 ( 2001)
S.Izumiyama*
Prevalence of Cryptosporidium parvum infectionsin
(T.Kuroki)*
wearned piglets and
Prefecture,Japan
T. Murase*
Erythromycin resistance genes in Streptococcus pyogenes Microbiol. Immunol., 44,863-865(2000)
(R. Suzuki)*
fattening porkers in
Kanagawa
isolates inKanagawa,Japan
【ウイルス部】
今井光信 ほか
性感染症としての hepatitisvirus 感染症
E. Tsuji*
Evaluation of Detection Methods of HIV Proliferation for TheJournalofAIDSResearch,2,79-84
(T.Saito)*
the ScreeningofAnti-HIVCompounds.
(2000)
J. Tanaka*
Lipopolysacharide-inducedHIV-1expressionintransgenic
AIDS,14,1299-1307(2000)
(M.Imai)*
mice is mediated by tumor necrosis factor-α and
interleukin-1,butnot byinterferon-γ norinterleukin-6
Y.Furuyaetal.
Occurrenceofscrubtyphus ( Tsutsugamushi ) in
化学療法の領域,16,2056-2600( 2000)
Jpn.J.Infect.Dis. ,53,77-78( 2000)
Kanagawa Prefecture and types of Orientia tsutsugamushi
involved.
M.Mukaide*
Evaluation of ViroseqTM-HIV Version2 for HIV drug Jpn.J.Infect.Dis. ,53,203-205(2000)
(M.Kondo)*
resistance.
宇宿秀三*
(今井光信) *ほか
日本人の HIV-1 感染初期例から検出されたジドブジン 感染症誌, 74,360-364(2000)
耐性変異株の解析
林
免疫蛍光測定法による HIVp24 抗原キットの評価
孝子
感染症誌, 74,709-715(2000)
(今井光信)ほか
山崎雅彦*
インフルエンザウイルス A, B 型を区別して検出可能 感染症誌, 74,1032-1037(2000)
(渡邉寿美) *ほか
な迅速診断キットの臨床的検討
*;他機関発表代表者、(
)*;当所共同研究者
− 64 −
神奈川県衛生研究所年報
著者(代表)名
題
第 50 号
2000
名
掲載誌
清水英明*
A 型,B 型を鑑別できるインフルエンザウイルス迅速 感染症誌, 74,1038-1043(2000)
(渡邉寿美) *ほか
診断キットの感度と特異性
片山
神奈川県,島根県及び高知県で採集されたダニ類から 感染症誌, 75,53-54( 2001)
の紅斑熱群リケッチア DNA の検出
丘 ほか
友野順章*
1998/1999 年インフルエンザ流行期に中枢神経合併症を 外来小児科,3,260-265(2000)
(渡邉寿美) *ほか
呈した小児例の検討
嶋
マイクロプレートを用いた HIV 抗原抗体同時検出試薬 医学と薬学,43,1131-1140(2000)
貴子 ほか
の検討
G.R.Kaufman*
(M.Imai)*
ImpactofHIVType1Protease,ReverseTranscriptase,
CleavageSite,andp6MutationsontheVirological
AIDS Res.Hum.Retroviruses, 17,
487-497(2001)
ResponsetoQuadrupleTherapywithSaquinavir,Ritonavir,
andTwoNucleosideAnalogs
【食品薬品部】
杉田たき子*
ポリ塩化ビニル製玩具中のフタル酸エステル含有量
食品衛生学雑誌, 42,48-55(2001)
食品添加物クエン酸中のイソクエン酸の分析法
食品衛生学雑誌, 42,45-47(2001)
(平山クニ) *ほか
岸
弘子 ほか
小島
尚
加齢によるラット血中プラスミンおよびプラスミン阻 体力科学, 49 ,277-284 (2000)
害活性の性差におよぼす影響
小島
尚 ほか
センナ茎含有の健康食品に含まれるセンノシドの由来 食品衛生学雑誌, 41,303-306
について
土井佳代 ほか
(2000)
Mulberry leaf extractinhibits the oxidative modification of Biol.Pharm.Bull., 23, 1066-1071
rabbitandhumanlowdensitylipoprotein
土井佳代 ほか
StudiesontheconstituentsoftheleavesofMorusalbaL.
(2000)
Chem.Pharm.Bull., 49, 151-153
(2001)
藤巻照久 ほか
二次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による有機 神奈川県衛生研究所研究報告, 30,
スズ化合物結合生体成分検出の基礎的検討
6-10(2000)
宮原智江子 ほか
Goldthioglucose 処理肥満マウスにおける血糖制御障害 神奈川県衛生研究所研究報告, 30,
について
土井佳代 ほか
17-19(2000)
無承認無許可医薬品に混入されていた医薬品の検出方 神奈川県衛生研究所研究報告, 30,
法について(3) −フェンフルラミン−
20-22(2000)
宮澤眞紀 ほか
接触過敏反応におけるマスト細胞の動態について
神奈川県衛生研究所研究報告, 30,
23-25(2000)
佐藤久美子 ほか
食品汚染物残留調査結果(平成 11 年度)
神奈川県衛生研究所研究報告, 30,
106-108(2000)
大森清美 ほか
化粧品プレミックス原料中の保存量調査結果
神奈川県衛生研究所研究報告, 30,
34-36(2000)
*;他機関発表代表者、(
)*;当所共同研究者
− 65 −
神奈川県衛生研究所年報
著者(代表)名
題
第 50 号
2000
名
掲載誌
【食品獣疫部】
T. Fujisawaet al.
Occurrenceofclostridiainglassbottledfoods
Int.J.FoodMicrobiol., 54,213-217
(2000)
T. Fujisawaet al.
ModificationofsorbitolMacConkeymediumcontaining
Appl.Environ.Microbiol., 66, 3117-3118
cefixime and tellurite for isolation of Escherichia coli (2000)
O157:H7fromradishsprouts
T. Fujisawaet al.
Influenceofsodium chlorideonthe β -glucuronidase
activityof Clostridiumperfringens and Escherichia coli
Lett.Appl.Microbiol., 31,255-258
(2000)
T. Takahashi*
Taxonomicevidencethatserovar7of Erysipelothrix strains J.Vet.Med., B47,311-313(2000)
(T.Fujisawa)*
isolatedfromdogswithendocarditisare Erysipelothrix
tonsillarum
【生活環境部】
森 康明 ほか
酸化チタン光触媒空気清浄機による室内空気中の揮発 室内環境学会誌, 3,13-21(2000)
性有機化合物の除去効果
森
康明 ほか
河川水の Ames 変異原生試験におけるディスク型固相 環境化学, 10,573-579(2000 )
吸着剤の適用
上村
仁 ほか
LC-MS/MS を用いた監視項目新規指定農薬同時分析法 水道協会雑誌, 69,30-34(2000)
の検討
上村
仁 ほか
水中のビスフェノール A 超微量分析法の検討
神奈川県衛生研究所研究報告, 30,
11-16(2000)
Org.Geochem., 31,287-294( 2000)
D. Brincat* e t a l .
Molecular-isotopicstratigraphyoflong-chainn-alkanes in
(H.Uemura)*
LakeBaikalHoloceneandglacialagesediments
K. Tsuji etal.
Analysis of microcystininsedimentsusingMMPBmethod
小山包博
日本に影響のあった放射能事故
Toxicon,39,687-692(2001)
神奈川県衛生研究所研究報告, 30,
1-5(2000)
伊藤伸一 ほか
水中のフタル酸エステル類の微量分析
神奈川県衛生研究所研究報告, 30,
30-33(2000)
伊藤伸一
固相抽出− GC/MS 法を用いたエストロゲンの分析
水道協会雑誌, 69,41-48(2000)
長谷川一夫 ほか
GC/MS による家庭用品中のホルムアルデヒド及びアセ 神奈川県衛生研究所研究報告, 30,
トアルデヒドの分析
S. Takedaetal.
Removal
Characteristics
26-29(2000)
of
Coliform
Bacteria
in Japanese Journal of Water Treatment
Chlorination Processes at Domestic Wastewater Treatment Biology, 36 ,71-80 (2000)
Plants
竹田
茂 ほか
合併処理浄化槽の消毒実態と改良消毒装置による消毒 浄化槽研究 , 12,31-43(2000)
効果
T. Yabeetal.
Reason for the recent increase of roof rat infestation in Med.Entomol.Zool, 51,211-213(2000)
residentialareas in Tokyo.
*;他機関発表代表者、(
)*;当所共同研究者
− 66 −
神奈川県衛生研究所年報
著者(代表)名
飯島育代 ほか
第 50 号
題
名
JCO 事故に関連した県民からの問い合わせについて
2000
掲載誌
神奈川県衛生研究所研究報告, 30,
39-42(2000)
イ
その他解説・報告等
著者(代表)名
題
名
掲載誌
【細菌病理部】
山井志朗
髄膜炎菌性髄膜炎の発生動向調査及び検出方法の研究
平成 12 年度厚生科学研究(新興・再
興感染症研究事業)研究報告書(2001)
黒木俊郎
水道水を介して感染するクリプトスポリジウム及び類 平成 11 年度厚生科学研究(新興・再
(分担執筆)
似の原虫性疾患の監視と制御に関する研究
興感染症研究事業)研究報告書(2000)
鈴木理恵子 ほか
劇症型A群レンサ球菌感染症(人喰いバクテリア)
総合臨床, 50 ,520-525 (2000)
沖津忠行 ほか
病院および併設の介護老人保健施設における腸管出血 病原微生物検出情報,21,221-222
性大腸菌(O 157:H 7)感染症の集団発生−神奈川県 (2000)
松島章喜
腸管出血性大腸菌O 157 による広域中毒事例
神奈川県の感染症(平成 10 年),16-17
(2000)
沖津忠行
神奈川県内(横浜・川崎市を除く)のチフス菌等のフ 神奈川県の感染症(平成 10 年),7
ァージ型別結果
(2000)
沖津忠行 ほか
散発下痢症からの病原菌分離状況について
神奈川県の感染症(平成 10 年)
,15
(2000)
鈴木理恵子 ほか
河川等の環境調査
神奈川県の感染症(平成 10 年),22-23
−河川水腸管系病原菌調査−
(2000)
SalmonellaEnteritidis による食中毒
神奈川県の感染症(平成 10 年)
,18
佐多
辰
(2000)
沖津忠行
ビブリオ・バルニフィカス感染症
衛研ニュース,93,(2000)
岡崎則男
新生児を襲うB群レンサ球菌
衛研ニュース,90,(2000)
今井光信
エイズ検査はこわくない
健,29,21-23( 2000)
木原正博*
(今井光信) *ほか
献血者における HIV 感染状況
微生物検出情報,21,140-141 (2000)
近藤真規子 ほか
日 本 で 流 行 し て い る 1 型 ヒ ト 免 疫 不 全 ウ イ ル ス 微 生 物 検 出 情 報 ,21,141-142 (2000)
【ウイルス部】
(HIV-1)サブタイプ
原みゆき ほか
小学校で発生したノーウォーク様ウイルスによる感染 微生物検出情報,22 ,62 (2001)
性胃腸炎
M. K o n d o e t a l .
HIV-1subtype detectedduring1991-MarchinJapan.
Agents SurveillanceReport, 21,141-142
(2000)
渡邉寿美
インフルエンザの迅速診断
衛研ニュース,92, (2000)
*;他機関発表代表者、(
)*;当所共同研究者
− 67 −
神奈川県衛生研究所年報
著者(代表)名
題
第 50 号
2000
名
掲載誌
今井光信
HIV の検査法と検査体制を確立するための研究
(分担執筆)
研究報告
を確立するための研究報告書, 1-45
(2001)
近藤真規子
HIV サブタイプと HIV 検査体制の確立に関する研究
平成 12 年度 HIV の検査法と検査体制
(分担執筆)
総括 平成 12 年度 HIV の検査法と検査体制
を確立するための研究報告書,103-110
(2001)
【食品薬品部】
織田 肇*
経口免疫寛容へのジブチルスズの影響−抗原特異的な 平成 12 年度厚生科学研究(生活安全
(渡邊裕子)* ほか
T 細胞応答への影響
総合研究事業)研究報告−内分泌かく
乱化学物質に関する生体試料分析法の
開発とその実試料分析結果に基づくヒ
ト健康影響についての研究(2001)
織田
肇*(藤巻照 内分泌かく乱化合物測定用デイスポーザブル器具の開 同上
久平山クニ)
,
*ほか 発に関する研究
宮崎 豊*
医療用具を含む高分子素材中の重金属類の分析
(藤巻照久) * ほか
平成 12 年度厚生科学研究(生活安全
総合研究事業)研究報告−高分子素材
からなる生活関連製品由来の内分泌か
く乱物質の分析及び動態解析(2001)
中澤裕之*(平山ク ポリ塩化ビニル製手袋中のフタル酸ジ -2-エチルヘキシ 同上
ニ藤巻照久)
,
*ほか ルの食品中への移行に関する研究
藤巻照久
「有機スズ化合物について」−トリブチルスズ化合物 神奈川県公衆衛生協会報 , 77, ( 2001)
及びトリフェニルスズ化合物を中心に−
【食品獣疫部】
藤澤倫彦 ほか
野菜等の農水産物からの汚染微生物等の検出法に関す 平成 11 年度厚生科学研究費補助金(生
(分担執筆)
る調査研究
活安全総合研究事業)総括研究報告書
(2000)
尾上洋一
ブドウ球菌食中毒とエンテロトキシンについて
衛研ニュース, 91, ( 2000)
【生活環境部】
後藤純雄*(森 康 空気中の微量発癌関連物質の人体曝露測定法および曝 環境省報告書(FY1995 ∼ 1999)
明、伏脇裕一)*
露要因に関する研究ー特に発癌プロモーターを中心と (2000)
してー
森
康明
水質試験法、飲料水
衛生試験法・注解, 日本薬学会編
(分担執筆)
(2000)
伏脇裕一
(分担執筆)
水質試験法、飲料水
衛生試験法・注解, 日本薬学会編
(2000)
伏脇裕一
農薬と環境
教養環境学(エースプランニング社)
(分担執筆)
*;他機関発表代表者、(
(2000)
)*;当所共同研究者
− 68 −
神奈川県衛生研究所年報
著者(代表)名
上村仁
第 50 号
題
名
底泥及び沈降物が富栄養化に及ぼす影響に関する研究
(分担執筆)
2000
掲載誌
平成 11 年度科学技術総合研究委託費
地域先導研究
研究成果報告書
(2000)
山田桂大*
(上村 仁) *ほか
堆積有機物のバルク炭素同位体比と分子レベル炭素同 月刊海洋, 32 (9),575-579(2000)
位体比の比較 −水月湖堆積物コアの例−
辻
生物学的手法による有毒化合物等の分解に関する研究
清美
(分担執筆)
平成 11 年度科学技術総合研究委託費
地域先導研究
研究成果報告書
(2000)
辻 清美
(分担執筆)
Microcystin、anatoxin-a の二酸化塩素処理による分解挙 平成 11 年度厚生科学研究「水道にお
動
ける化学物質の毒性、挙動及び低減化
に関する研究」報告書 (2000)
宇都宮暁子
水質環境基準検討調査
平成 11 年度環境庁委託業務結果報告
(分担執筆)
−界面活性剤の水環境に及ぼす影響に関する調査−
書 (2000)
竹田 茂
(分担執筆)
水質試験法、下水・汚水
衛生試験法・注解, 日本薬学会編
(2000)
竹田
新・水とゴミの環境問題
新・水とゴミの環境問題 ,TOTO 出版
茂
(分担執筆)
竹田
茂
(2000)
小型合併処理浄化槽の衛生処理に関する調査
(分担執筆)
小型合併処理浄化槽の衛生処理に関す
る調査報告書(平成 11 年度)(2000)
竹田
茂
合併処理浄化槽の消毒に関する現状と課題
平成 12 年度環境衛生監視員研修テキ
スト(2000)
竹田
茂
管理士研修会の変身に期待する
神生水協 20 年のあゆみ(2001 )
竹田
茂 ほか
活性汚泥と汚泥貯留による大腸菌O 157 の除去効果
用水と廃水 , 42,67-68(2000)
日本における家ネズミ類の種類構成の変動と防除体制
家屋害虫,, 21 ,115-120 (2000)
矢部辰男
との関わり
矢部辰男
家ネズミ類の食性から見た食品被害の特性
ペストロジー会, 15,35-41(2000)
矢部辰男
日本の都市にクマネズミが増えた理由
生活と環境 , 45,12-16(2000)
矢部辰男
海外での害虫駆除
海外勤務と健康, 12,38-43(2000)
矢部辰男
カラスとネズミ、都市化のひずみを象徴する動物(書 日経サイエンス, 10, 1 4 2(2000)
評)
矢部辰男
熱帯における農業開発とネズミが関与する人獣共通感 海外農業開発, 259,10-14(2000)
染
*;他機関発表代表者、(
)*;当所共同研究者
− 69 −
Annual Report
of
Kangawa Prefectural Public Health Laboratory
No.50 (August, 2001)
平成13年8月31日
編集兼発行所
〒241-0815
横浜市旭区中尾1の1の1
神奈川県衛生研究所
電話(045)363-1030
Fax (045)363-1037
印
刷