年報全文 - 大阪府立公衆衛生研究所

ま
え
が
き
平成 18 年度(2006 年度)も世界各地で鳥インフルエンザが発生し、家禽類から人へ感染したことが報告されました。
インドネシアでは、特にヒト−ヒト感染を否定できない例も報告され、新型インフルエンザの発生が近いのではないかと懸
念されました。9 月大阪府、大阪市、堺市、高槻市、東大阪市が参加し、高病原性鳥インフルエンザが発生し、さらにヒト
への感染が起こったことを想定した総合訓練が行われました。11 月には海外で狂犬病に感染し帰国後死亡された方が続い
て 2 名報道されました。日本には存在しない感染症が国内に持ち込まれることを示した例でした。報道はされていません
が大阪府内でも例年アジア各地から赤痢、チフス、パラチフス、コレラ、デング熱などに感染した帰国者の検査を行ってい
ます。
一方、ノロウイルスを含む感染性胃腸炎は、平成 17 年度に増して報告数が増加し、多数の検体が搬入されました。平
成 19 年 3 月世界保健機構(WHO)は、多くの薬が効かず治療が極めて難しい超薬剤耐性結核による感染が、日本を含む
35 ヵ国で確認されたことを報告しました。当研究所でも従来の薬剤耐性検査に加えて再検査を行うことを計画しています。
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」
(平成 11 年(1999 年)4 月施行)に基づいておこなわれ
ている感染症発生動向調査において当研究所は病原体調査及び情報解析とホームページへの掲載などを行ってきましたが、
4 月より感染症情報センター業務も健康福祉部健康づくり感染症課より移設し、府内の医療機関から保健所を経由して報告
される患者情報と検査情報を一体化することが出来ました。また、
府内の感染症の発生状況に応じて「感染症ものしり講座」
を府民向けにホームページに載せ、現在発生している感染症の性質や予防方法などをお知らせしています。
平成 18 年 5 月末より食品衛生法の改正により農薬等のポジティブリスト制度が施行されました。これに対応するために
分析法の見直しや改良を行い、信頼性を確保しつつ従来の 83 項目から 151 項目の検査を行う様になりました。さらに農薬
の一斉分析法の開発や改善を目的として研究開発を行いました。また、テレビ番組でダイエット効果があるとして紹介され
た白インゲン豆の摂食によって多数の健康被害が発生しましたが、この原因となるインゲン豆レクチンは紹介された方法で
は不活化しないことを明らかにしました。
その他、8 月に健康食品から医薬品成分を検出したことを公表しました。インターネットで強壮用やダイエット用健康食
品を購入することは危険性が伴うことを示しています。また、10 月北朝鮮核実験の情報を受け、直ちに大気や雨水中の放
射能監視態勢を強化しました。幸いにも放射能が検出されませんでした。平成 17 年度からアスベストによる健康被害が社
会問題になっていますが、アスベスト工場の周辺住民に関連した調査も実施しました。
以上列記しただけでも、今後大規模な健康危機が発生する可能性が示されています。当研究所は大阪府における健康危機
管理に関する科学的、技術的中核を担うことを期待されています。平成 18 年 8 月「健康危機発生時における近畿2府7県
地方衛生研究所の協力に関する協定書」を福井県、三重県、徳島県を含む 17 の自治体間で締結しました。これによって府
県市の地方衛生研究所間が連携して検査協力するなど、より効果的に健康危機に対応することが出来るようになりました。
本年報は平成 18 年度に当研究所が実施した全業務の要約です。別途発行しております研究報告とあわせてご高覧いただ
きご批判を仰げれば幸いに存じます。
平成 19 年 9 月
大阪府立公衆衛生研究所
所
長
織
田
肇
平 成 18 年 度
大阪府立公衆衛生研究所
年
報
大阪府立公衆衛生研究所
沿
革
明治 13 年 12 月、大阪府警察部衛生課の所管として細菌検査薬品試験室が設置され、以来、永年にわたり大阪府におけ
る細菌検査等の試験研究業務を実施してきたが、昭和 24 年 10 月大阪市東成区森の宮に設置された府立衛生研究所に発展
解消し、公衆衛生に関する試験、検査、研究を行うこととなった。
一方、戦後、産業医学・労働衛生に関する調査、研究機関として、昭和 21 年 9 月、大阪市大淀区本庄中通りに府立産業
医学研究所が設置され、昭和 23 年 4 月に労働部所管の府立労働科学研究所に引継がれた。
その後、両研究所の機能拡張のため庁舎改築の必要性が生じ、それを契機として両研究所を機構的に統一し、府民の健康
と生活衛生の向上に寄与するため、昭和 35 年 7 月 1 日に大阪府立公衆衛生研究所が設置された。
査所を廃止)
旧大阪府立衛生研究所
明治 13 年 12 月
大正 15 年 11 月
昭和 27 年 10 月
衛生部公衆衛生課乳肉検査室と薬務
大阪府警察部に衛生課を設置その付
課化学試験室とを府立衛生研究所に
属機関として、細菌検査を主体にし
統合、府立衛生研究所は、総務、細菌、
た検査室を設置
化学、獣医の 4 部制(8 課)となる
大阪府庁舎の大手前移転に伴い 2 階
昭和 35 年 1 月
研究所を新築の現庁舎に移転
に化学試験室、乳肉検査室、地下に細
旧大阪府立労働科学研究所
菌検査室を設置(警察部衛生課所管)
昭和 17 年 11 月
衛生行政の警察行政からの分離に伴
い、上記各室は内政部衛生課の所管
昭和 21 年 9 月
となる
大阪府立産業医学研究所を大淀区本庄
中通に設置(衛生部所管)
昭和 20 年 3 月
教育民生部衛生課に所管換え
昭和 20 年 10 月
大阪府立血清製造所を、北河内郡水
医学研究所を廃止し、労働部に所管換
本村(現寝屋川市)に設置
え)
昭和 21 年 5 月
昭和 23 年 4 月
衛生部の創設に伴い、細菌検査室は防
昭和 28 年 8 月
研究所を旭区大宮北之町に移転
疫課に、化学試験室は薬務課に、乳
昭和 35 年 1 月
研究所を新築の現庁舎に移転、庶務、
肉検査室は公衆衛生課に所属
昭和 22 年 5 月
研究第 1、研究第 2 の 3 課制
衛生部防疫課細菌検査室を東区法円
大阪府立公衆衛生研究所
坂町の旧陸軍の建物に移転
昭和 23 年 12 月
同細菌検査室を大阪府細菌検査所と
改称
昭和 24 年 1 月
昭和 24 年 5 月
昭和 24 年 10 月
大阪府立労働科学研究所を設置(産業
昭和 35 年 7 月
旧大阪府立衛生研究所と旧大阪府立労
大阪府立血清製造所を大阪府立細菌
働科学研究所とを統合し、大阪府立公
検査所の支所とする
衆衛生研究所を設置し、総務部(庶務
大阪府立細菌検査所を現在地(東成
係、調査係)
、公衆衛生部(微生物課、
区中道 1 丁目)に新築移転
化学課、食品衛生課)
、労働衛生部(労
大阪府立衛生研究所を設置(細菌検
働衛生課、環境衛生課)の 3 部をおく
昭和 36 年 10 月
昭和 37 年 7 月
精神衛生部(環境精神衛生課、成人精
健文化賞を贈られ、厚生大臣より表彰
神衛生課、児童精神衛生課)を設置
される
総務部に経理係を、公衆衛生部にウイ
昭和 57 年 11 月
ルス課を設置
昭和 38 年 8 月
研究機関に指定される
昭和 60 年 3 月
公害部を設置し、新たに設置した水質
課と、労働衛生部より移管した環境衛
平成 5 年 4 月
課庶務係及び調査係を総務課総務係及
業務を公害部で実施することとなる。
び調査係に名称を変更
平成 6 年 4 月
一課制となる
精神衛生部を大阪府立こころの健康総
合センターに移管
平成 8 年 4 月
総務部に庶務課を設置し庶務係、経理
研究所業務の総合企画、調整及び情報
係、調査係で組織
機能強化のため、総務課調査係を総務
薬事指導部を設置し、府薬務課で行っ
課企画情報室に改める
平成 9 年 4 月
ていた指導業務の技術的部分を主体に
した指導係と、公衆衛生部化学課に属
食品衛生検査の信頼性確保部門責任者
として総務部に検査管理室長を設置
平成 11 年 4 月
していた薬品化学部門を母体にした試
験係との 2 係を設置
昭和 43 年 9 月
総務部庶務課を総務部総務課に、庶務
衛生部とにまたがって処理されていた
これにより、労働衛生部は労働衛生課
昭和 41 年 4 月
WHO 基準に準拠した安全実験施設
(P3 レベル)竣工
生課の 2 課制とし、公衆衛生部と労働
昭和 39 年 5 月
文部大臣より文部省科学研究費補助金
感染症予防法に対応して感染症解析プ
ロジェクト担当総括研究員を設置
府公害監視センターの設置にともな
平成 12 年 4 月
い、公害部(水道課、環境衛生課)の
総務部が総務課、検査管理室、企画情
報室の 1 課 2 室制になる
一部で実施していた公害関係調査業務
平成 15 年 4 月
5 部7課 3 室を 4 部8課に組織再編
が同センターに移管され、両課を再編
総務部を企画総務部と名称変更
成して環境衛生部・環境衛生課(1 部
検査管理室と企画情報室を統合して企
1 課制)を設置(公害部廃止)
画調整課とする
食品衛生部を新設し、公衆衛生部の化
公衆衛生部、食品衛生部、労働衛生部、
学課と食品衛生課をそれぞれ食品化学
薬事指導部、公害衛生室の 4 部 1 室
課と食品細菌課として移管。また、環
を感染症部、食品医薬品部、生活環境
境衛生部を廃止して同部の環境衛生課
部の 3 部とする
を公衆衛生部に移管すると共に、公衆
感染症部には、細菌課(旧微生物課と
衛生部に病理課を新設
旧食品細菌課の統合)とウィルス課(旧
昭和 46 年 5 月
公害衛生室を新設
ウィルス課と旧病理課の統合)の2課
昭和 49 年 4 月
薬事指導部の指導係及び試験係を廃止
を、食品医薬品部には食品化学課と薬
し、新たに薬事指導課を設置
事指導課(旧薬事指導部)の2課を、
労働衛生部と薬事指導部の課制(1 部
生活環境部には、環境水質課(旧環境
1 課)を廃止
衛生課)と生活衛生課(旧労働衛生部
環境汚染物質の人体影響調査及び研究
と旧公害衛生室の統合)の2課を置く
昭和 45 年 4 月
昭和 50 年 12 月
昭和 51 年 9 月
平成 18 年 4 月
に貢献した業績に対して、第 28 回保
健康福祉部健康づくり感染症課から大
阪府感染症情報センターの業務を移管
ii
目
ま
え
が
沿
事
次
き
革
業
概
要
1.組織と業務…………………………………………………………………………………………………………………
1
2.施設の状況及び庁舎の維持管理…………………………………………………………………………………………
3
3.歳入及び歳出………………………………………………………………………………………………………………
4
4.所内委員会の運営…………………………………………………………………………………………………………
5
5.研究備品整備状況…………………………………………………………………………………………………………
6
6.広報、見学、報道…………………………………………………………………………………………………………
6
7.教育、研修…………………………………………………………………………………………………………………
9
8.試験実施件数 ………………………………………………………………………………………………………………
10
9.調査、研究実施状況………………………………………………………………………………………………………
12
10.組換え DNA 実験、安全実験室の運用…………………………………………………………………………………
18
11.所内研究発表会、公開セミナー…………………………………………………………………………………………
19
12.図書及び資料の刊行………………………………………………………………………………………………………
20
課別事業内容等
企画調整課
1.所全体に関る企画、調整…………………………………………………………………………………………………
21
2.地研全国協議会事務局としての活動……………………………………………………………………………………
22
3.情報の公開と情報化の推進………………………………………………………………………………………………
23
4.食品衛生検査の信頼性確保業務…………………………………………………………………………………………
23
5.大阪府感染症情報センター………………………………………………………………………………………………
23
細
菌
課
1.腸管系感染症………………………………………………………………………………………………………………
25
2.呼吸器、結核及び動物感染症……………………………………………………………………………………………
27
3.食品の行政検査……………………………………………………………………………………………………………
34
4.調査、研究…………………………………………………………………………………………………………………
45
5.外部機関との共同研究事業………………………………………………………………………………………………
48
6.教育、研修等………………………………………………………………………………………………………………
48
iii
ウイルス課
1.ウイルス試験・検査………………………………………………………………………………………………………
50
2.調査、研究…………………………………………………………………………………………………………………
54
3. 会議、委員会、研修、特許等……………………………………………………………………………………………
57
食品化学課
1.行政検査……………………………………………………………………………………………………………………
58
2.依頼検査……………………………………………………………………………………………………………………
67
3.調査、研究…………………………………………………………………………………………………………………
68
4.教育、研修…………………………………………………………………………………………………………………
72
5.会議、委員会、研修会等への出席………………………………………………………………………………………
73
薬事指導課
1.薬事申請等に関する相談指導及び試験検査技術の指導………………………………………………………………
74
2.行政試験……………………………………………………………………………………………………………………
74
3.依頼試験……………………………………………………………………………………………………………………
75
4.調査、研究…………………………………………………………………………………………………………………
75
5.教育、研修、指導等………………………………………………………………………………………………………
78
環境水質課
1.依頼試験・検査……………………………………………………………………………………………………………
79
2.調査、研究…………………………………………………………………………………………………………………
80
3.教育、研修、講演、会議、派遣、指導、協力…………………………………………………………………………
84
生活衛生課
1.試験、検査…………………………………………………………………………………………………………………
86
2.調査、研究…………………………………………………………………………………………………………………
86
3.教育、研修、講演、会議、派遣、指導、協力…………………………………………………………………………
89
府・国・地 研 関連事業等 ……………………………………………………………………………………………………… 91
業
績
集
誌上発表等………………………………………………………………………………………………………………………
95
学会発表等……………………………………………………………………………………………………………………… 101
iv
事 業 概 要
事
業
概
1.組織と業務
(平成19年3月31日現在)
総 務
・研究所業務の総合調整、職員の人事・給与、施設の維持管理
課
(14名)
企画総務部
・所の運営に係る予算、決算及び金銭や物品の出納、経理事務
・公文書の管理、依頼検査結果の発行、公衆衛生関係者の教育及び
訓練に関する事務
(22名)
・研究所業務の総合的な企画・調整
企画調整課
(7名)
・健康危機管理体制の整備・推進、公衆衛生に関する情報の提供、
情報ネットワークの管理運営
・食品衛生に係る試験検査の信頼性確保業務
・大阪府感染症情報センターに関する事務
細 菌
・市販食品の安全性に関する試験・検査
課
(18名)
感 染 症 部
・感染症、食中毒起因菌の疫学解析、病原因子の研究
・輸入感染症の原因菌検索、食品中の真菌、魚介毒の研究
(40名)
・各種ウイルス性疾患の確定診断と感染症発生動向調査
ウイルス課
(21名)
所 長
・感染症と食中毒の原因因子の検索・同定
(123名)
・リケッチア症、原虫症、寄生虫病の診断、及び、蚊、ダニ、ネズ
ミ等の検査
・ウイルス性疾患、リケッチア症、原虫症、寄生虫病の診断法の開
発と発症メカニズムの研究
副所長
・エイズ、麻疹等の疫学調査、予防法、治療法及び病理学的研究
・食品添加物、残留農薬、PCBs、動物用医薬品、カビ毒、遺伝子
食品化学課
組換え食品、アレルギー物質、重金属、器具・容器包装、おもち
(20名)
ゃ等の規格基準に基づく試験検査
・食品中残留農薬、食品添加物、動物用医薬品等の各種分析法の開
食品医薬品部
発及び実態調査
(31名)
・微量有害物質の実態調査及びヒトに対する曝露評価
・医薬品等(医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器)の承認に
薬事指導課
(10名)
係る調査、製造や輸入に関する相談指導
・医薬品等の薬事法に基づく試験検査
・医薬品等の品質評価に係る調査研究
・水道原水及び浄水中の微量有害物質や環境微生物の検査
環境水質課
(13名)
生活環境部
・プール水、浴槽水、温泉、生活排水及び下水の検査
・水環境中の未規制有害物質及び環境微生物に関する研究
・生活排水等の効率的な処理法に関する研究
(29名)
・環境中の放射能調査
生活衛生課
・職場の作業環境測定と特殊健康診断の実施
(15名)
・家庭用品及び住居環境中の化学物質の測定
・職場、家庭内の有害因子による健康影響評価
・大気汚染による生体影響評価に関する研究
図 1.1
組織と業務
要
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 1.1
部課別 • 職種別現員表
(平成19年3月31日現在)
一
職
医
薬
獣
化
農
応
芸
用
生
経
環
営
境
種
般
医
事
部
化
化
工
工
課
課
務
企画
総務部
感染症
部
薬品部
生活
環境部
合
師
学
学
学
物
学
学
食
生
床
品
検
検
査
査
技
技
師
師
電
動
衛
車
生
運
監
転
視
員
自
気
手
電
汽
合
機
缶
器
務
操
換
手
用
療
話
交
医
作
士
手
員
計
1
1
所
長
1
1
総
務
課
9
企画調整課
1
細
菌
2
1
課
1
1
2
1
10
1
16
薬事指導課
10
環境水質課
8
1
1
4
1
5
40
生活衛生課
10
1
2
2
1
16
1
1
食品化学課
計
1
14
ウイルス課
食品医
学
臨
長
所
副
師
衛
7
1
2
2
5
4
1
18
21
21
10
25
4
3
1
1
14
2
7
1
5
1
1
2
3
1
2
6
14
1
2
2
2
1
7
1 123
注)
(1) 感染症部長(兼務)は副所長の項に掲出。企画総務部長、食品医薬品部長、生活環境部長は、それぞれ総務課、食品化学課、環境水質課の項に掲出
(2) 一般事務の職名は事務吏員、他は技術吏員である
(3) 行政職は、一般事務、経営工学、食品衛生監視員、医療機器操作手、用務員、総務課の他の職種、企画調整課の化学である
(4) 研究職は、(3)以外の職種である
事
業
2.施設の状況及び庁舎の維持管理
図 1.2
建物の配置および付近の見取図
表 1.2
建物の概要
(平成19年3月31日現在)
名
称
構
造
建面積
延面積
備
考
S34.12 竣工
本
館
鉄筋コンクリート造4階建
1,660.29
6,867.52
別
館
鉄筋コンクリート造6階建
643.25
4,272.18
S49.10 竣工
ボイラー機械室
鉄筋コンクリート平屋建
233.27
260.97
S49.10 竣工
動
鉄筋コンクリート2階建
202.50
405.05
S45.3 竣工
物
舎
S37.2 増築
ボイラー監視室
軽量鉄骨造平屋建
9.69
9.69
S51.2 竣工
特定屋内貯蔵所
鉄筋コンクリート平屋建
8.99
8.99
H4.3
2,757.99
11,824.40
合
計
(m2)
敷地
竣工
5,790.91
概
要
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
3.歳入及び歳出
表 1.3
科
総
歳入予算および決算
目
予算配当受額(円)
額
収入済額(円)
70,114,073
70,114,073
使用料及び手数料
39,452,430
39,452,430
国 庫 支出金
13,937,848
13,937,848
諸
16,723,795
16,723,795
収
入
表 1.4
科
総
歳出予算および決算
目
額
健康福祉総務費
予算配当受額
支出済額
1,382,683,646
1,370,697,865
961,038,128
961,038,128
報
酬
4,835,880
4,835,880
給
料
558,816,544
558,816,544
手当
395,793,482
395,793,482
職
員
共
済
費
1,275,222
1,275,222
報
償
費
10,500
10,500
306,500
306,500
282,616,662
270,631,189
111,000
21,838
4,400,000
4,191,233
668,000
246,111
6,201,000
5,588,030
旅
費
衛生研究所費
共
済
賃
費
金
報
償
旅
費
費
需
用
費
125,367,662
118,792,265
役
務
費
2,394,000
1,860,237
委
託
料
79,035,000
76,975,763
42,181,000
41,562,178
工事 請負 費
744,000
472,500
備品 購入 費
20,189,000
20,011,433
負担金、補助及び交付金
1,326,000
909,601
総務管理費(一般管理費等)
7,387,689
7,387,689
公衆衛生費(予防費等)
24,718,832
24,718,820
環境衛生費(食品衛生費等)
78,587,667
78,587,667
医
12,692,271
12,691,975
13,500,440
13,500,440
384,000
384,000
1,757,957
1,757,957
使用料及び賃借料
薬
費(薬務費)
商工総務費(商工業総務費)
環境保全費(環境保全対策費)
工業高等専門学校費(学校管理費)
事
業
概
4.所内委員会の運営
表 1.5
委
員
会
所内委員会一覧
委員長・議長
委員
緊急対策特別委員会
織田
肇
15名
所外学識経験者2、地域代表者9、所内委員4
病原体等取扱安全管理委員会
織田
肇
11名
所外学識経験者5、地域代表者1、所内委員5
組換えDNA実験安全委員会
織田
肇
9名
所外学識経験者3、所内委員6
調査研究評価委員会
近藤雅臣(所外) 10名
所外学識経験者7、所内委員3
倫理審査委員会
大竹
所外学識経験者3、所内委員3
徹
6名
備
考
労働安全衛生法(昭和47年法57)及び大阪
安全衛生委員会
織田
肇
17名
府職員安全衛生管理規程(昭和55年訓職140)
による安全衛生管理に関する委員会
感染症防止対策委員会
奥野良信
10名
バイオセイフティ委員会
大竹
徹
9名
動物実験委員会
大竹
徹
9名
放射性同位元素等による放射線障害の防止に
放射線運営委員会
渡邊
功
5名
関する法律(昭和32年法167第21条)による
管理運営の組織
感染症サーベランス委員会
奥野良信
9名
バイオサイエンス委員会
高橋和郎
8名
感染症解析プロジェクト委員会
高橋和郎
7名
公衆衛生情報委員会
薬師寺積
11名
図書運営協議会
田中之雄
10名
研究発表会運営委員会
山本丈雄
9名
化学薬品安全対策委員会
岩上正藏
8名
所報編集委員会
塚本定三
9名
化学安全実験室運営委員会
熊谷信二
5名
公衛研ニュース編集会議
中野
8名
仁
要
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
5.研究備品整備状況
表 1.6
備
品
新たに取得した主要研究備品
名
形
式
吸光度検出器及びシステムコントローラー
島津製作所
SPD-M20A, CBM-20A
液体クロマトグラフワークステーション
島津製作所
LC Solution multi-PDA
パージ&トラップ濃縮導入システム
Tekmar
低バックグラウンド放射能自動測定装置
キャンベラジャパン
Loopamp
テラメックス
リアルタイム濁度測定装置
卓上型ガスクロマトグラフ質量分析計
日本電子
500JKE-A7,AA70KES-AS
S5X2050E
LA-320C
JMS-Q1000GC, 6890N, EQ-17032PC
6.広報、見学、報道
表 1.7
インターネットによる情報発信
研究所の紹介、研究活動、健康危機事例情報、花粉情報、健康危
Webによる情報発信
機事例データ、トピックス等
感染症情報センター:感染症発生動向情報(週報、月報)、感染
症ものしり講座
メールマガジンの配信
32号〜43号を配信
定期購読者:約580名
表 1.8
号 数
発行日
公衛研ニュース
タ イ ト ル
大阪湾におけるアサリ等二枚貝の麻痺
第31号
第32号
第33号
H18.7.28
所 属
著 者
細 菌 課
濱野米一
大阪府の感染症発生動向調査事業
ウイルス課
宮川広実
化学物質による乗用車室内空気の汚染
生活衛生課
吉田俊明
アメーバに潜むレジオネラ属菌
環境水質課
枝川亜希子
生薬中の残留農薬
薬事指導課
動物用医薬品
食品化学課
性貝毒による毒化
H18.11.20
H19.3.23
田上貴臣
梶村 計
田口修三
事
表 1.9
年月日
H18.5.18
H18.5.23
H18.6.19
H18.6.22
担当課
企画調整課
薬事指導課
企画調整課
食品化学課
企画調整課
環境水質課
細菌課
食品化学課
区
業
概
見学等の受入れ
分
テーマ
見学者
人数
講義・見学
公衆衛生研究所について
大学生
33
講義・見学
公衆衛生研究所について
大学生
21
講義・見学
公衆衛生研究所について
大学生
38
消費者団体
15
講義・見学
食中毒、食品の安全、ポジティブリスト
制度
企画調整課
H18.7.4
薬事指導課
講義・見学
公衆衛生研究所について
専門学校生
17
講義・見学
公衆衛生研究所について
食品関連コンサルタント
40
食品化学課
企画調整課
H18.10.11
細菌課
食品化学課
企画調整課
非結核性抗酸菌について
細菌課
H18.10.11
ウイルス課
H18.10.18
食品化学課
HIV検査について
講義・見学
ノロウイルスについて
生活衛生課
企画調整課
食品化学課
大学生
8
ベトナム保健省
8
(財)未来工学研究所
3
温暖化とウイルスについて
環境水質課
H18.11.22
高病原性鳥インフルエンザについて
講義・見学
ほか
ダイオキシンについて
企画調整課
H18.11.27
細菌課
ウイルス課
講義・見学
大阪府立公衆衛生研究所における健康
危機管理について
食品化学課
H18.12.1
細菌課
ウイルス課
講義・見学
O157、ノロウイルス、インフルエン
ザについて
和泉市教育委員会
35
企画調整課
H18.12.11
細菌課
食品化学課
講義・見学
感染症、食の安全について
市民生協
6
組織、業務、主な試験分析機器等
他府県職員
2
感染症サーベイランス、インフルエン
広州呼吸疾病研究所
ザについて
医師(JICA)
ウイルス課
H19.1.24
企画調整課
講義・見学
H19.3.15
ウイルス課
講義・見学
5
要
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 1.10
掲載日
新聞社名
新聞報道
取材内容
関係部署
朝日新聞
H18.4.12
産経新聞
尼崎市クボタ旧神崎工場周辺に発生した
毎日新聞
中皮腫の疫学評価について
生活衛生課
大阪日々新聞
H18.5.9
H18.6.18
H18.7.28
H18.8.5
H18.8.18
日経新聞
乗用車内の揮発性有機化学物質について
家庭で起こる食中毒としての腸管出血性大
朝日新聞
腸菌の実態とその防止法について
産経新聞
生活衛生課
細
菌
課
車の室内空気汚染について
生活衛生課
読売新聞
健康食品から未承認医薬品成分
薬事指導課
読売新聞
近畿2府7県健康危機管理に関する協定に
(首都圏版)
京都新聞
他
ついて
企画調整課
H18.12.8
少年写真新聞
インフルエンザウイルス電顕写真の提供
ウイルス課
H18.12.18
朝日新聞
ノロウイルス感染の解説と対策について
細
H18.12.22
読売新聞
ノロウイルスの流行状況と対策について
感染症部
H18.12.26
読売新聞
母乳中PCB汚染について
食品化学課
H19.1.9
毎日新聞
鳥インフルエンザ迅速診断府の開発
ウイルス課
H19.1.24
朝日新聞
冬に流行しやすいウイルス感染症について
ウイルス課
H19.1.31
朝日新聞
今年のインフルエンザについて
ウイルス課
H19.3.8
少年写真新聞
受精瞬間の電顕写真の提供
ウイルス課
H19.3.26
朝日新聞
犬鳴温泉の適応症について
環境水質課
表 1.11
掲載日
放送局名
菌
課
電波報道
取材内容
尼崎市クボタ旧神崎工場周辺に発生した
関係部署
H18.4.12
読売テレビ
H18.4.13
毎日放送
大阪湾のアサリの麻痺性貝毒による毒化
細
菌
課
H18.5.3
NHK
大阪湾のアサリの麻痺性貝毒による毒化
細
菌
課
H18.5.25
毎日放送
乗用車内の揮発性有機化学物質について
生活衛生課
H18.6.16
ABCテレビ
プール熱について
感染症部
H18.7.24
朝日放送
夏に多発する食中毒の菌について
細
H18.7.26
ラジオ大阪
夏期に注意すべき感染症について
ウイルス課
H18.7.20
ラジオ大阪
予防接種の副反応について
ウイルス課
H18.8.10
読売テレビ
新型インフルエンザについて
感染症部
H18.9.7
関西テレビ
セアカゴケグモの毒腺抽出とインタビュー
ウイルス課
H18.9.12
朝日放送
シックカー(車内空気汚染)について
生活衛生課
H18.9.20
NHK
シックカー(車内空気汚染)について
生活衛生課
H18.11.5
テレビ東京
腰痛防止のために-図表の使用許可
生活衛生課
H18.11.22
読売テレビ
ノロウイルスとインフルエンザとについて
ウイルス課
H18.11.24
関西テレビ
ノロウイルスの流行について
ウイルス課
H18.11.30
NHK
ノロウイルスの流行について
ウイルス課
H18.11.30
読売テレビ
H18.11.30
ABCラジオ
H18.12.16
読売テレビ
毎日放送
中皮腫の疫学評価について
新型インフルエンザと今年のインフルエ
ンザの流行予測について
生活衛生課
菌
課
感染症部
ノロウイルスの流行対策について
ウイルス課
ノロウイルスの流行と対策について
ウイルス課
H18.12.21
読売テレビ
ノロウイルスの感染サイクルについて
ウイルス課
H19.1.9
テレビ大阪
鳥インフルエンザ迅速診断法の開発
ウイルス課
H19.1.29
読売テレビ
今シーズンのインフルエンザについて
ウイルス課
H19.2.5
毎日放送
ノロウイルスの感染経路について
ウイルス課
事
業
概
7.教育、研修
表 1.12
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国内からの研修の受入れ
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6
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表 1.13
海外からの研修の受入れ
表 1.14
研究職員の国際会議、学会等への派遣
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大学等の非常勤講師
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要
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
8.試験実施件数
表 1.16.1
衛生検査実施件数
依頼によるもの
保健所
住民
保健所
以外の
その他(医
療機関、
学校、事業
依頼によ
らないもの
計
行政機関 所等)
分離・同定・検出
結
核
化学療法剤に対する耐性検査
性
梅
病
161
83
87
91
303
核酸検査
17
51
28
毒
その他
ウイルス
分離・同定・検出
1
ウイルス
抗体検査
476
1
1
1
リケッチア
クラミジア・マイコプラズマ
ウイルス・リケッチア等検査
452
リケッチア
13
1
6
クラミジア・マイコプラズマ
病原微生物の動物試験
原
58
35
72
3
333
2
62
4
そ族・節足動物
4
10
1,487
312
352
188
3,249
3,249
3,673
5,330
3,249
2
3,249
247
2
40
184
40
373
4
1,495
5
10
虫
寄生虫
原虫・寄生虫等
244
729
17
41
9
10
64
真菌・その他
細
病原微生物検査
2,152
菌
核酸検査
食中毒
2,152
1,959
ウイルス
2,784
71
60
12
1,959
2,855
理化学的検査
動物を用いる検査
その他
血液検査(血液一般検査)
1
エイズ(HIV)検査
血清等検査
3
149
72
149
4
3,249
3,257
168
497
665
352
928
1,280
1,835
1,835
469
1,680
HBs抗原、抗体検査
その他
臨床検査
生化学検査
先天性代謝異常検査
その他
288
尿一般
尿検査
神経芽細胞腫
その他
アレルギー検査(抗原検査・抗体検査)
その他
3,119
微生物学的検査
食品等検査
288
理化学的検査(残留農薬・食品添加物等)
964
3,119
1,128
83
843
811
408
84
2,146
283
160
190
31
85
33
386
224
944
54
動物を用いる検査
964
54
その他
分離・同定・検出
(上記以外)
核酸検査
細菌検査
抗体検査
295
化学療法剤に対する耐性検査
医薬品・家庭用品等
医薬品
検査
医薬部外品
313
203
15
10
290
49
4
61
959
252
19
事
表 1.16.2
業
概
衛生検査実施件数
依頼によるもの
保健所
住民
保健所
以外の
行政機関
療機関、
学校、事業
ないもの
40
7
医療機器
計
所等)
40
化粧品
医薬品・家庭用品等
その他(医 依頼によら
7
毒劇物
検査
225
家庭用品
62
15
その他
456
287
471
栄養関係検査
2
細菌学的検査
水道原水
理化学的検査
32
55
2
17
生物学的検査
水道等水質検査
細菌学的検査
飲用水
57
理化学的検査
利用水等(プール
細菌学的検査
水等を含む)
理化学的検査
84
74
2
87
24
84
43
24
155
454
454
37
467
504
3
104
107
88
88
細菌学的検査
一般廃棄物
理化学的検査
生物学的検査
廃棄物関係検査
細菌学的検査
産業廃棄物
理化学的検査
生物学的検査
SO2・NO2・OX等
97
浮遊粒子状物質
1
98
降下煤塵
大気検査
有害化学物質・重金属等
酸性雨
その他
公共用水域
環境・公害関係検査
60
工場・事業場排水
水質検査
浄化槽放流水
5
その他
42
48
63
42
108
68
騒音・振動
悪臭検査
土壌・底質検査
藻類・プランクトン・魚介類
環境生物検査
その他
12
一般室内環境
3
13
放射能
食
533
10
品
43
その他
温泉(鉱泉)泉質検査
その他
総
6,192
256
その他
環境試料(雨水・空気・土壌等)
19
19 13,703
計
11
5,637
35
6,204
256
533
10
43
2
3
1,450
2
1,453
3,241
28,559
51,159
要
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
9.調査、研究実施状況
表 1.17.1
課
感染症部
細菌課
細菌課
細菌課
細菌課
細菌課
細菌課
*ウイルス課
通常研究、開発研究
研究課題
腸管感染症および類似疾患における細
菌学的研究
細菌性呼吸器感染症に関する調査研究
結核菌および非結核性抗酸菌に関する
研究
細菌性食中毒に関する研究
食品内で産生される細菌毒素に関する
研究
研究者
共同研究
勢戸和子
田口真澄
山崎
勝川千尋
河原隆二
田丸亜貴
田丸亜貴
河原隆二
勝川千尋
石橋正憲
川津健太郎
神吉政史
浅尾
久米田裕子
河合高生
努
食中毒原因物質としてのノロウイルス
依田知子
に関する研究
神吉政史
食品由来真菌に関する研究
久米田裕子
山崎謙治*
備考
渉
左近直美*
千葉大学真
細菌課
浅尾
努
菌医学研究
センター他
細菌課
ウイルス課
魚介毒に関する研究
ウイルス性呼吸器感染症の研究
濱野米一
川津健太郎
加瀬哲男
森川佐依子
青山幾子
西村公志
宮川広実
(ばば小児
高橋和郎
大竹
奥野良信
科)
他5名
大國
剛
徹
弓指孝博
ウイルス課
腸管感染性ウイルスに関する研究
山崎謙治
左近直美
ウイルス課
衛生動物を介する感染症に関する研究
弓指孝博
青山幾子
大竹
大竹
森
川畑拓也
徹
ウイルス課
HIV感染症に関する研究
ウイルス課
腸管寄生性原虫に関する研究
木村明生
ウイルス課
ヒトヘルペスウイルスに関する研究
小田美光
ウイルス課
ウイルス課
ウイルスと環境化学物質の突然変異誘
導に関する研究
花粉症対策のための基礎的研究
治代
小島洋子
12
徹
(大國診療
所)
他6名
終了
宮川広実
小田美光
西村公志
馬場宏一
大竹
徹
事
業
概
表 1.17.2
課
通常研究、開発研究
研究課題
研究者
共同研究
食品医薬品部
食品化学課
食品添加物等に関する衛生学的研究
食品化学課
食品中の残留農薬に関する研究
食品化学課
食品化学課
食品化学課
食品中並びに母乳に残留する微量有害
物質に関する研究
尾花裕孝
池辺克彦
北川幹也
吉光真人
野村千枝
粟津
住本建夫
村田
弘
高取
聡
北川陽子
柿本幸子
岡本
葉
田口修三
桑原克義
小西良昌
起橋雅洋
阿久津和彦
柿本健作
藤田瑞香
母乳中の残留性有機汚染物質
小西良昌
(POPs)とその代謝に関する研究
柿本健作
遺伝子組換え食品に関する研究
薫
吉光真人
粟津
北川幹也
阿久津和彦
北川幹也
野村千枝
薫
大阪大学、
食品化学課
内分泌かく乱化学物質に関する研究
高取
聡
北川陽子
岡本
葉
関西医科大
学
古田雅一 (大
食品化学課
食品の放射線照射に関する研究
阪府立大学
尾花裕孝
先端科学研
究所)
食品化学課
加工食品中の特定原材料の分析法開発
北川幹也
および実態調査
粟津
吉光真人
野村千枝
田上貴臣
皐月由香
薫
生薬・漢方製剤の品質評価に関する研
薬事指導課
究 -ニンジンサポニン及びサイコサポ
山崎勝弘
ニンの分析法の開発生体試料中の薬物の迅速定量法に関す
薬事指導課
る研究 -バルビツール酸系薬物を対象
岡村俊男
として薬事指導課
生薬の残留農薬による汚染の実態に関
梶村計志
する研究
中村暁彦
13
備考
要
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 1.17.3
課
通常研究、開発研究
研究課題
研究者
共同研究
備考
生活環境部
環境水質課
環境水質課
環境水質課
環境水質課
環境水質課
生活衛生課
生活衛生課
宮野啓一
田中榮次
土井
味村真弓
小泉義彦
高木総吉
安達史恵
枝川亜希子
田中榮次
宮野啓一
味村真弓
小泉義彦
高木総吉
安達史恵
肥塚利江
枝川亜希子
山本康次
中野
奥村早代子
環境放射能および環境放射線の測定
肥塚利江
味村真弓
渡邊
有害作業のある小規模事業所における
熊谷信二
小坂
宮島啓子
労働衛生管理の推進に関する研究
吉田
淀川水系の水質調査
水質試験における分析方法の開発等に
関する研究
環境微生物に関する調査研究
小規模分散型生活排水処理システムに
関する研究
住居環境中の有害化学物質への曝露実
態とその評価方法に関する研究
渡邊
功
土井
均
仁
均
仁
渡邊
博
功
功
吉田俊明
冨岡公子
松永一朗
大阪府立産
生活衛生課
家庭用品に関する衛生学的研究
中島晴信
宮野直子
松永一朗
業技術総合
研究所 他8
施設
生活衛生課
生活衛生課
大気汚染および室内空気汚染による健
中島孝江
康影響に関する研究
野上浩志
ストレス関連性疾患の予防に関する免
疫学的検討
中野ユミ子
乗用車内装品等から放散される有害化
生活衛生課
学物質の乗員曝露とその経気道吸収量
吉田俊明
の推定
生活衛生課
動物曝露実験による亜硝酸ガスの生体
影響の検討
東恵美子
大山正幸
14
大山正幸
産業医学研
究所
他3施
設
吉田
仁
終了
開発
(終了)
開発
(終了)
事
表 1.18
業
概
大阪府試験研究機関提案型調査研究事業プロジェクト研究
プロジェクト
研
究
課
題
所
属
研究者
高橋和郎
産学公設試験研究機関連
携新技術研究開発
新型インフルエンザに対する迅速診断法の確立と予
防、治療に関する基礎的研究*
プロジェクト
西村公志
ウイルス課
奥野良信
加瀬哲男
川渕貴子
結核迅速感染源調査システムの構築
若手技術シーズ育成
プロジェクト
田丸亜貴
細菌課
大阪府内における介護労働者の腰痛問題を克服する
河原隆二
生活衛生課
冨岡公子
大阪府立大学
樋口由美
* 藤田保健衛生大学、他1企業との共同研究
表 1.19
研
究
課
受託研究
題
所
呼吸器感染症の診断技術の向上に関する研究
属
ウイルス課
動物細胞を宿主細胞として使用した組換え型ヒトコラーゲンの
効率的な製造方法の開発(共同研究)
ウイルス課
インフルエンザ迅速診断試薬開発のための基礎的研究
ウイルス課
インフルエンザ迅速診断キットの市販後調査としての性能評価
ウイルス課
ココアの抗インフルエンザウイルス効果の解析
ウイルス課
インフルエンザ迅速診断試薬の性能評価に関する研究
ウイルス課
ヒトおよびトリインフルエンザウイルスに対する迅速診断法の
評価と開発
ヒトインフルエンザウイルスに対する迅速診断法の評価
新興・再興感染症制圧に向けた国内外連携研究拠点形成(鳥イ
ンフルエンザの実態把握と対策に関する総合研究)
ウイルス課
ウイルス課
ウイルス課
二酸化塩素のウイルス不活化作用に関する研究
ウイルス課
新規消毒剤の病原性細菌に対する殺菌機構の解明に関する研究
ウイルス課
抗癌剤3種の血中薬物濃度測定法の開発
薬事指導課
浄化槽面整備後の地域水環境への影響評価
環境水質課
15
研究者
奥野良信
高橋和郎
西村公志
川渕貴子
宮川広実
弓指孝博
奥野良信
加瀬哲男
木村明生
森川佐依子
大竹
徹
奥野良信
加瀬哲男
高橋和郎
大竹
奥野良信
加瀬哲男
徹
森川佐依子
奥野良信
高橋和郎
西村公志
川渕貴子
青山幾子
弓指孝博
奥野良信
加瀬哲男
森川佐依子
奥野良信
高橋和郎
西村公志
勝川千尋
河原隆二
宮川広実
奥野良信
高橋和郎
勝川千尋
河原隆二
西村公志
奥野良信
高橋和郎
加瀬哲男
左近直美
西村公志
森川佐依子
弓指孝博
川渕貴子
大竹
徹
川畑拓也
小島洋子
山崎謙治
森
治代
西村公志
山本丈雄
岡村俊男
沢辺善之
中野
奥村早代子
梶村計志
山本康次
仁
要
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 1.20
±³²¯
文部科学省科学研究費補助金による研究
±³Íä
ug
±³º
V®±³
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16
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事
表 1.21
研
究
業
概
厚生労働科学研究費補助金、その他の研究助成金による研究
課
題
地方衛生研究所のあり方および機能強化に関する
研究
健康危機管理における地方衛生研究所の広域連携
システムの確立
所
属
研究者
所
長
織田
所
長
織田
肇
SARSコロナウイルス検査法の精度向上及び迅速化
副所長兼
に関する研究
感染症部長
治療薬としてのヒトモノクローン抗体製剤化に関す
副所長兼
る研究
感染症部長
畜水産食品の微生物等の試験方法に関する研究
細
肇
奥野良信
補助金等事業者名
厚生労働科研究費補助金
地域健康危機管理研究事業
財団法人日本公衆衛生協会
地域保健総合推進事業
厚生労働科研究費補助金
新興・再興感染症研究事業
厚生労働科研究費補助金
奥野良信
医薬品・医療機器等レギュラト
リーサイエンス総合研究事業
厚生労働科研究費補助金
菌
課
塚本定三
食品の安心・安全確保推進研究
事業
食品における微生物迅速検査法の開発及びその精
度評価システムに関する研究
厚生労働科研究費補助金
細
菌
課
浅尾
努
食品の安心・安全確保推進研究
事業
厚生労働科研究費補助金
薬剤耐性食中毒菌サーベイランスに関する研究
細
菌
課
田口真澄
食品の安心・安全確保推進研究
事業
広域における食品由来感染症を迅速に探知するた
めに必要な情報に関する研究
エイズ医薬品候補物質のスクリーニングを基盤と
した抗エイズ新薬開発に関する研究
HIV検査相談機会の拡大と質的充実に関する研究
薬剤耐性HIVの発生動向把握のための検査方法・
調査体制確立に関する研究
アジア・太平洋地域におけるHIV・エイズの流
行・対策状況と日本への波及に関する研究
インフルエンザをはじめとした、各種の予防接種
の政策評価に関する分析疫学研究
細
菌
課
ウイルス課
ウイルス課
勢戸和子
大竹
大竹
徹
徹
ウイルス課
森
ウイルス課
小島洋子
ウイルス課
治代
加瀬哲男
厚生労働科研究費補助金
新興・再興感染症研究事業
厚生労働科研究費補助金
政策創薬総合研究事業
厚生労働科研究費補助金
エイズ対策研究事業
厚生労働科研究費補助金
エイズ対策研究事業
厚生労働科研究費補助金
エイズ対策研究事業
厚生労働科研究費補助金
新興・再興感染症研究事業
厚生労働科研究費補助金
検査機関の信頼性確保に関する研究
食品化学課
田中之雄
食品の安心・安全確保推進研究
事業
ハイスループット・ヒト型遺伝毒性試験系の構築
(ヒト薬物代謝酵素遺伝子を用いたハイスルー
小田美光
ウイルス課
山崎謙治
日本アロマ環境協会
細
課
勝川千尋
大同生命研究助成
ウイルス課
川畑拓也
大同生命研究助成
環境水質課
高木総吉
大同生命研究助成
生活衛生課
吉田
大同生命研究助成
プットumu試験の開発)
病原微生物感染予防効果を保有した入浴アロマセ
ラピーの基礎研究
(財)ヒューマンサイエンス振
ウイルス課
興財団
政策創薬総合研究事業
劇症型溶血性レンサ球菌感染症患者由来G群およ
びC群溶血性レンサ球菌の遺伝子型別および病原
菌
因子の解析
大阪府内のHIV感染者における性感染症の罹患
状況調査と伝搬形態の解明
大阪府内水道水源河川における有機フッ素化合物
の分布に関する研究
大阪府における過去の環境中アスベスト濃度指標
の開発
17
仁
要
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
10.組換え DNA 実験、安全実験室の運用
表 1.22
実
験・研
組換え DNA 実験実施状況
究
レベル
所
B1/P2
細菌課
勢戸和子
B1/P2
細菌課
依田知子
細菌性食中毒に関する研究−セレウス菌−
B1/P2
細菌課
河合高生
ボツリヌス毒素の高感度検出法
B1/P2
細菌課
河合高生
ヒスタミン産生菌の機能解析
B1/P2
細菌課
神吉政史
呼吸器系病原細菌における病原性および薬剤耐性に関する研究
B1/P2
細菌課
河原隆二
腸管系ウイルス遺伝子のクローニング
B1/P2
ウイルス課
山崎謙治
ウイルス性呼吸器感染症の研究
B1/P2
ウイルス課
加瀬哲男
ヒト型コラーゲン大量生産系の構築
B1/P2
ウイルス課
加瀬哲男
B型肝炎ウイルスのX蛋白質による突然変異生成の解析
B1/P2
ウイルス課
小田美光
B1/P2
ウイルス課
小田美光
B1/P2
ウイルス課
宮川広実
B1/P2
ウイルス課
左近直美
B1/P2
ウイルス課
左近直美
B1/P2
ウイルス課
小島洋子
腸管感染症起因菌診断のための遺伝子検査法に関する研究
ノロウイルスキャプシッドの大腸菌・カウロバクター・バキュロウイルスでの発現とノロウ
イルスcDNA全長の哺乳動物細胞での発現
ヒトsulfotransferase遺伝子を導入した変異原性試験菌株の開
発に関する研究
ヘルペスウイルス感染症の核酸診断のための研究
ウイルス性胃腸炎原因ウイルスならびに肝炎ウイルス遺伝子の
クローニング
Astrovirusのウイルスキャプシドの大腸菌での発現
ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)に関する研究vpr遺伝子の
クローニングと発現
18
属
研究者
事
業
概
11.所内研究発表会、公開セミナー
表 1.24
年月日
セミナー/講演
所内研究発表会
司会/座長
テーマ
平成17年度地域保健総合推進事業「健康
井上
H18.5.30
第165回
公衛研セミナー
清
連携システムの確立」
塚本定三
山本丈雄
H18.9.28
第166回
公衛研セミナー
危機管理における地方衛生研究所の広域
大竹
徹
渡辺
功
ボツリヌス毒素とバイオテロ
赤阪
進
(企画調整課)
浅尾
努
(細菌課)
固相抽出-HPLC法を用いた生薬製剤・漢
山崎勝弘
方製剤中の指標成分の迅速分析
(薬事指導課)
先天性サイトメガロウイルス感染症のスク
宮川広実
リーニング検査の試み
(ウイルス課)
コンビニエンスストアにおける浄化槽の実
奥村早代子
態調査と機能改善に向けての技術開発
(環境水質課)
Reverse Transcription Loop-Mediated
塚本定三
講演者
Isothermal Amplification Method(RTLAMP法)によるノロウイルス検出
依田知子
(細菌課)
岡田全司
H18.11.22
第167回
公衛研セミナー
(国立病院機構近畿
中央胸部疾患セン
ター・臨床研究セン
Role of animal models in the pre-
David N.McMurray
clinical evaluation of new tuberculosis
(テキサス大学教
vaccine
授)
食品及び生活関連製品由来の化学物質の
北川陽子
ホルモン様作用について
(食品化学課)
ター長)
岩上正藏
渡辺
H19.2.2
功
第168回
公衛研セミナー
熊谷信二
浄化槽面整備地域における事前現況調査
中野
と整備の効果予測
(環境水質課)
内視鏡消毒剤オルトフタルアルデヒドの環
宮島啓子
境濃度と健康影響
(生活衛生課)
喫煙と受動喫煙による尿中コチニン等の
熊谷信二
測定研究と健康影響及び公衆衛生対策に
関する考察
熊谷信二
第169回
H19.3.15
野上浩志
(生活衛生課)
精神ストレスと化学ストレスの生体におよ
中野ユミ子
ぼす影響
(生活衛生課)
高橋和郎
公衛研での36年
高橋和郎
食中毒・感染症とともに
織田
ウイルス感染症と関わって35年
公衛研セミナー
肇
仁
19
大竹
徹
(ウイルス課)
塚本定三
(細菌課)
奥野良信
(感染症部)
要
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 1.25
公開セミナーの開催
日
時
平成18年7月4日(水)午後2時〜4時
場
所
大阪府立女性総合センター
目
的
対
象
講
演
大講堂
公衛研46周年・健康科学センター5周年記念事業として、保健衛生、健康意識の向上に
役立つ知識をやさしく解説する
大阪府民
1) 「メタボリックシンドローム
ほんとうに多いのか、悪
いのか、大阪の実態」
大阪府立健康科学センター
健康度測定部
‒ 成人病センター及び健康科学センターを通じての取り組
参事兼医長
岡田武夫
みから‒
2) 「大阪府民の食生活と健康」
大阪府立健康科学センター
‒ 見えてきた「できる」食生活 ‒
健康度測定部長
佐藤眞一
3) 「食道楽、大阪の食中毒事情」
大阪府立公衆衛生研究所
‒ 多様化してきた食中毒から身を守るためには ‒
副所長兼感染症部長
奥野良信
参加者
約500名
12.図書及び資料の刊行
表 1.26
平 成 18 年 度 購 入 図 書
洋雑誌
蔵
洋
書
数
(製本済み)
資
料
の
刊
行
15
図書及び資料の刊行
和雑誌
3
書
2,810
和
書
5,015
洋雑誌
6,620
和雑誌
2,062
平成17年度大阪府立公衆衛生研究所年報 (ISSN 0289-9809)平成18年11月
大阪府立公衆衛生研究所研究報告 No44 (ISSN 1343-2923)平成18年12月
20
課別事業内容等
企 画 調 整 課
細
菌
課
ウ イ ル ス 課
食 品 化 学 課
薬 事 指 導 課
環 境 水 質 課
生 活 衛 生 課
府・国・地 研
関連事業等
課別事業内容(企画調整課)
企
画
調
整
課
企画調整課は、公衆衛生情報の収集・解析・提供、各種広報活動、研究管理事務、関連機関との連絡調整、情報化の推進、
情報ネットワークの運営・管理、図書室の運営、年報の編纂、および大阪府が行う食品衛生検査の信頼性確保業務を担当し
ている。平成 18 年度から大阪府感染情報センターが移管され、その管理運営の事務を担う事になった。また、調査研究評
価委員会および倫理審査委員会を開催し、さらに大阪府試験研究機関提案型調査研究事業(産学公設試験研究機関連携新技
術研究開発プロジェクト、若手技術シーズ育成プロジェクト)への参加のための企画調整を行った。
地方衛生研究所全国協議会に関し、平成 17 年度に引き続き本年度も所長が会長を務め、企画調整課がその事務局を担当
した。
1.所全体に関わる企画、調整
後継事業、各部における試験研究機関のあり方の検討状況
等について協議した。
(委員:藤村企画総務部長)
(2) 企画委員会
1)所の整備構想専門家会議
平 成 18 年 8 月 15 日、 平 成 19 年 1 月 22 日、2 月 15
部内検討委員会に有識者の意見を聞く「公衆衛生研究所
日、3 月 9 日の計 4 回開催され、平成 18 年度事業計画、
整備構想専門家会議」が設置され、当研究所の現況、整備
提案型調査研究事業(18 年度採択結果と 17 年度事後評
構想の背景、求められる機能と組織等について検討が行わ
価、19 年度の公募等)等について検討したほか、平成 18
れた。同会議は、大学教授(公共政策、財政学、微生物学)
、
年度の全研究機関の研究課題を掲載した「新技術ジャーナ
検疫所および公衆衛生協会の有識者で構成され、整備構想
ル」の発行に協力した。
に関する意見を聞いた。会議は平成 18 年 7 月 31 日、9
(委員:井上企画調整課長)
(3) 研究職職員研修委員会
月 11 日、11 月 27 日、平成 19 年 1 月 23 日の計 4 回開
催され、専門家会議報告案が検討された。会議には籏野総
研究職職員研修は、府立試験研究機関の活性化と連携を
務課長、井上企画調整課長がオブザーバーとして参加した。
図り,研究職員の資質向上と科学技術の動向等に関する理
解を深めることを目的に行われている。
2)大阪府試験研究機関の連携による活動
今年度は平成 19 年 1 月 18 日(木)に大阪府職員研修
センター
大研修室において開催された。地方独立行政法
府立 7 試験研究機関の活性化を目的として、連絡調整
人 東京都立産業技術研究センター理事 鈴木節男氏の講演
会議、企画委員会、研修委員会および交流委員会が事務局
「試験研究機関への地方独立行政法人制度の導入について
の商工労働部ものづくり支援課により開催され、以下のと
– 全国の自治体に先駆けて独法化を行った公設試から学ぶ
おり参加し各種活動を行った。
–」を聴講し,意見交換を行った。当所からは 12 名が参
加した。
(1) 拡大連絡調整会議
(委員:沢辺善之)
(4) 若手研究員交流委員会
平成 19 年 3 月 14 日に開催され、大阪府研究開発調整
会議設置要項の改正、試験研究機関提案型調査研究事業の
若手研究員交流会は、大阪府の公設試験研究機関に所属
21
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
する若手研究員の積極的な交流と情報交換、及び能力と資
【審査申請】
質の向上を目的に行われている。今年度は、(財)化学物
疫学研究:9 件
質評価機構大阪事業所において平成 19 年 1 月 29 日(月)
【審査結果】
に開催された。立命館大学研究部履行リサーチオフィス
疫学研究:承認:2 件、条件付承認 7 件
村上誠氏の講演「クリエイション・コア東大阪における産
・迅速審査
学連携」を聴講し、意見交換を行った。また、化学物質評
疫学研究:9 件(研究者の変更届け 3 件、研究期間の延
価機構大阪事務所及びクリエイションコア・東大阪の見学
長願い 6 件)承認
を実施した。当所の参加研究員数は 14 名であった。
ヒトゲノム・遺伝子解析研究:1 件(研究期間の延長願
(委員:北川陽子)
い 1 件)承認
2.地研全国協議会事務局としての活動
3)調査研究評価員会
平成 18 年 7 月 3 日(月)に外部評価委員 6 名、内部評
所長が地方衛生研究所全国協議会会長、企画調整課がそ
価委員 4 名、事務局 4 名の出席のもと、委員会が開催さ
の事務局として活動した。
れた。各課から提出された 7 課題について、予め提出さ
1)事務局として主担した事業等
れた評価資料その 1 及び当日のプレゼンテーション、ディ
スカッションにより、研究の必要性、研究の水準、研究の
成果等の観点から評価が行われた。また、外部評価委員に
(1)地域保健総合推進事業「健康危機管理における地方
よる書類(評価資料その 2)による全課題評価も同様の観
衛生研究所の広域連携システムの確立」
(分担研究者
地
点から実施された。評価結果は評価委員、各研究者に還元
方衛生研究所全国協議会会長
され、研究者及び部課長の協議・検討を経て、研究計画の
昨年度に引き続き、全国地研 76 機関が参加し、各地域の
改善・修正が行われた。また、これらの結果は「平成 18
連携強化を目的として
織田肇)
の事務局を務めた。
年度調査研究評価に関する報告書」としてまとめられ、健
1) 地域ブロック内連携協定の締結
康福祉部長等に報告された。
2) 連携マニュアルの作成と模擬演習
3) 検疫所・厚生局等との連携の構築、
4)倫理審査委員会
4) 全国レベルでの自然毒中毒研修会を開催と自然毒中毒
事例の画像データベースの作成及び全国ネットワークの
大阪府立公衆衛生研究所倫理審査委員会規程に基づき、
構築
倫理審査委員会(自然科学の有識者 4 名、倫理学あるい
を推進し、これらの成果をまとめた報告書を、厚生労働省、
は社会科学面の有識者 1 名、一般市民の立場の人 1 名、
日本公衆衛生協会、関連する国立研究所及び各地方衛生研
事務局 2 名)が 2 回開催され、申請のあった 12 件につい
究所に送付した。
て審査が実施された。また、倫理審査委員会規程第 5 条
(2)田中之雄食品化学課長が全国衛生化学技術協議会の
に基づく迅速審査 10 件が実施された。その結果は以下の
幹事として、研究発表会の開催、企画検討を行った。
通りである。
2)事務局として主胆した会議
・第 1 回:平成 18 年 10 月 20 日(金)
【審査申請】
疫学研究:3 件
・第1回理事会(総務委員会合同)
(大阪)
【審査結果】
・平成 19 年度
条件付承認 2 件、計画の変更を勧告 1 件
地方衛生研究所全国協議会
臨時総会(東京)
・第 2 回:平成 19 年 3 月 20 日(火)
・会長表彰選考委員会(大阪)
22
H18.5.11
H18.6.2
H18.8.30
課別事業内容(企画調整課)
・第2回理事会(総務委員会合同)(大阪)
・第57回
H18.8.30
4.食品衛生検査の信頼性確保業務
地方衛生研究所全国協議会総会
(富山市)
・臨時理事会(東京)
H18.10.24
H19.2.5
(1) 府内 8 ヶ所の食品衛生検査施設における検査記録及び
成績を点検し、その中から検査現場に出向き検査担当者
から事情聴取する必要があると思われるものを選出し、
3.情報の公開と情報化の推進
内部点検を行った。選出した項目は PCB、合成樹脂製
容器包装の規格等の理化学的検査、冷凍食品の規格等の
1)インターネットへの各種情報の公開
微生物学的検査である。その点検結果に基づき、検査の
適正な実施とその記録及び保管、内部精度管理の適正な
所が蓄積してきた技術・研究情報を広く提供するため研
実施、標準作業書の記載事項等について改善要請を行っ
究課題・研究報告等の情報をインターネットで発信すると
た。
ともに、全国の衛生研究所から収集した健康危機事例情報、
(2) 全国規模で行われる外部精度管理調査への参加を調整
大阪府内の花粉情報、感染症発生動向情報をインターネッ
し、結果については評価を行い、報告書を作成した。
トで発信した。
(3) 厚生労働省の主催する信頼性確保部門責任者研修に参
また、所の保有する電子メールサーバを利用して、健康
加し、信頼性確保部門の質の向上を図った。
情報についてのメールマガジンを発行し、延べ 6,500 名
(4) 所内新入職員を対象に GLP について研修を実施した。
の読者に送信した。
5.大阪府感染症情報センター
2)情報化の推進
『感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する
(1) 感染症サーベイランス事業
法律』
(平成 11 年(1999 年)4 月施行)に基づいておこ
地方感染症情報センターとして厚生労働省を中心とする
なわれている感染症発生動向調査は、感染症の発生状況を
全国ネットワークで運用される当事業に参加し、データ報
把握し、その分析を行い、情報を公表することによって、
告及び還元を行った。
感染症の発生及びまん延の防止を目的としている。各都道
府県は感染症情報センターを設置して感染症発生動向調査
(2) 地方衛生研究所業績集データベース作成事業
事業を行なっている。大阪府ではこれまで健康福祉部健康
地方衛生研究所全国協議会の事業として全国の地方衛生
づくり感染症課の中に置いて、感染症の発生状況や動向な
研究所の研究業績について収集されたデータを、地方衛生
どの情報収集を行ない、情報の解析とグラフ化は当研究所
研究所業績集データベースに追加した。
で実施してきた。
しかし、SARS、ウエストナイル熱、鳥インフルエンザ
(3) 自然毒中毒事例情報システムの開発
などの新興再興感染症やバイオテロなど、感染症に係わる
地域保健総合推進事業の一環として、自然毒中毒事例シ
新たな問題が次々と浮上し、感染症情報センターの効率化
ステムを開発し、自然毒による中毒事例情報を収集し公開
と機能アップが求められるようになり、平成 18 年 4 月よ
した。
り、センターの機能を一元化するため当研究所に大阪府感
染症情報センターを設置した。企画調整課は、以下の業務
(4) 既存イントラシステムの運用
の事務局を担当した。
(1)患者情報の集計
所内イントラネットを利用している消耗品予算管理シス
テム、会議室予約システム、業績登録システムを運用し事
全数把握疾患として医師から保健所に届出られた患者情
務の省力化に努めた。
報および、定点把握疾患として定点医療機関から届出られ
23
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
(3)解析結果の還元
た発生数は、保健所で入力され大阪府感染症情報センター
を経由して国感染症情報センターデータベースに集約され
解析結果および集計結果を定点医療機関、保健所、府内
る。大阪府感染症情報センターは入力のチェックとデータ
市町村、医師会にファックス、メール等で送った。また、
の集計を行った。
当所のホームページ上で公開している。
(2)患者情報の解析
毎週の集計結果を、解析小委員会において解析した。
24
課別事業内容(細菌課)
細
菌
課
細菌課においては、府内で発生するコレラ、腸チフス、パラチフス、赤痢、腸管出血性大腸菌などの腸管感染症、溶血性
レンサ球菌感染症、髄膜炎菌性髄膜炎、結核などの呼吸器感染症について細菌学的、免疫学的および遺伝学的特性を解析し、
感染経路の解明に活用している。
食中毒、集団下痢症などの発生においては患者材料(便、吐物)
、原因食品、原因施設(ふきとり)等から原因病因物質
の検出を行うとともに、汚染経路を解明している。苦情食品等についてもその原因について検査している。
また、府内で流通している多くの種類の市販食品については食の安全推進課の依頼により食品衛生法で定めるところの
GLP 対応で細菌、魚介毒、カビ等の検査を行うとともに、製造所、調理施設においても腸管出血性大腸菌、サルモネラ、
腸炎ビブリオ、カンピロバクター等の検査を実施し、食中毒予防に役立てている。
平成 18 年度に府内および近隣府県の諸機関から依頼された検査総数は表 2.1.1 に示すとおり、
3,009 検体であった。1,381
検体は腸管系病原菌、1,628 検体は結核・呼吸器系およびその他の病原菌に関するものであった。
1.腸管系感染症
2)薬剤耐性試験
腸管系病原細菌の薬剤感受性試験成績を表 2.1.3 に示し
1)培養検査
た。使用薬剤は ABPC、SM、TC、CTX、KM、CP、ST、
GM、NA、FOM、OFLX、CPFX の 12 剤で、センシディ
府内および近隣府県等の関連機関からの依頼にもとづ
スク (BD) を用いた Kirby-Bauer 法で実施した。
き、本年度に実施した赤痢菌、チフス菌、パラチフス菌、
(1) 赤痢菌、チフス菌、パラチフス菌、コレラ菌はすべて
コレラ菌、腸管出血性大腸菌など 2 類、3 類感染症を中心
耐性であった。
とした腸管系感染症の病原菌検索および菌株の同定検査
(2) 腸管出血性大腸菌では 17.3%が耐性であった。
を含む培養検査の総数は 1,235 件であり、その内訳を表
(3) その他の菌種ではサルモネラで 34 株中 15 株 (44.1% )
2.1.2 に示した。
が耐性であった。
病原菌検出数の合計は 627 株であった。2 類感染症は
3)2 類感染症発生状況
関西空港検疫所からの 83 株が最も多く、3 類感染症の腸
管出血性大腸菌は 153 株で、そのうち 126 株は保健所か
らの依頼検体であった。5 類感染症は 368 株で関西空港
平成 18 年度に府内の医療機関および保健所から発生届
検疫所と病院からのものが多く、その内訳は、プレシオモ
けが出された 2 類感染症を表 2.1.4 に示した。
ナス 139 株、カンピロバクター 102 株、サルモネラ 83 株、
・赤痢発生状況
下痢原性大腸菌 18 株、NAG ビブリオ 12 株、エロモナス
94 例の届出があり、3 例が国内、91 例が輸入症例であっ
11 株、その他 3 株であった。下痢原性大腸菌のうち 8 株
た。輸入症例のうち 80 例は泉佐野保健所管内の関西空
は腸管凝集付着性大腸菌(EAEC)O111:H21 で、感染性
港検疫所からの届出で、9 例が大阪府の住民、71 例が
胃腸炎の行政依頼でノロウイルス陰性あるいは陽性者が少
他府県の住民であった。検出菌は S. dysenteriae 1 例、
S.
なかった 2 つの保育園事例から分離された。
flexneri 10 例、S. sonnei 83 例であった。
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表 2.1.1
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
課別事業内容(細菌課)
表 2.1.2
腸管系感染症培養検査数
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・腸チフス、パラチフス発生状況
素型が異なっていたが、遺伝子型は一致していた。また、
平成 18 年度に届出のあったチフス性疾患は腸チフス 1
O157:H7(VT1, VT2) が分離された家族事例で 1 名は同時
例、パラチフス 2 例であった。
に O157:NM(VT2) が分離された。O157 以外の血清型は
・コレラ発生状況
全国的にも分離数が増加しており、血清型別不能株も見ら
平成 18 年度の発生は 1 例あり、感染国はインドであっ
れることから、EHEC の同定には毒素産生性試験が優先さ
た。
れるべきである。
(主担:勢戸、田口、山崎)
2. 呼吸器、結核及び動物感染症
4)3 類感染症発生状況
行政依頼で当課へ搬入された腸管出血性大腸菌(EHEC)
1)レンサ球菌感染症
は 87 事例 126 名から分離された 133 株で、昨年度より
も少なく集団発生はなかった。一方、O157 以外の血清型
は増加し、O26、O91,O111,O121,O165 の 5 タイプ
本年度に実施したレンサ球菌検査総数は 203 件であり、
の血清型が 9 事例 14 株分離された。内訳は表 2.1.5 に示
検出された 198 株のレンサ球菌の検査成績を表 2.1.6 に
した。
示した。
Streptococcus pyogenes は 167 株検出され、最も多く
O157 の家族事例のうち 1 事例は、2 名の感染者の毒
27
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 2.1.3
分離菌株の薬剤耐性(ヒト由来株)
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28
課別事業内容(細菌課)
表 2.1.4
2 類感染症発生状況
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29
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 2.1.5
3 類感染症発生状況
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課別事業内容(細菌課)
表 2.1.7
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検出された血清型は 1 型、次いで 4 型、12 型の順であった。
dysgalactiae subsp. equisimilis ) による症例が届け出られ
前年度に比べて 1 型、4 型が増加、3 型、12 型が減少した。
るようになり、S. dysgalactiae subsp. equisimilis の検出
近畿地区内で発生した劇症型溶血性レンサ球菌感染症
数が増加したと考えられる。S. pyogenes の血清型は 1 型
17 症例についてその詳細を表
2.1.7 に示した。検出菌
が 5 株と多く、その他は 28 型が 3 株、B3264 型が 2 株、
の 内 訳 は S. pyogenes が 12 株、S. dysgalactiae subsp.
9 型および型別不能が各 1 株であった。
equisimilis が 5 株であった。平成 18 年 4 月に劇症型溶
2)レジオネラ症
血性レンサ球菌感染症の「医師から都道府県知事等への届
出基準」が変更になり、原因菌が「A 群レンサ球菌」から「β
溶血を示すレンサ球菌」になった。その結果これまで届出
平 成 18 年 5 月 に 2 例 (50 歳、 男 性 お よ び 59 歳、 男
の必要のなかった G 群および C 群レンサ球菌 ( 主として S.
性 ) のレジオネラ症の発生届けがあり、分離菌の同定検
31
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
査 を 行 っ た。 結 果 は い ず れ も Legionella pneumophila
INH、RFP、SM、EB、KM、CS、PAS、EVM、TH の 9
serogroup 1 であった。発生時期は近かったが両症例には
薬剤については小川培地を用いた比率法、PZA について
関連性が認められず、感染源も不明であった。
は液体培地法により実施した。
菌株の内訳は結核菌 87 株(96.7%)
、非結核性抗酸菌 2
3)髄膜炎菌性髄膜炎
株(2.2%)であった。1 検体は現在検査継続中である。
被験結核菌のうち 19 株(21.0%)がいずれかの抗結核薬
平成 18 年 6 月に髄膜炎菌性髄膜炎 (51 歳、女性 ) の発
に耐性で、昨年度の耐性率(19.7%)より増加した。
生届けがあり、分離菌の同定検査を行った。血清群は B 群、
薬剤耐性結核菌 14 株の耐性パターン(表 2.1.9)は 13
海外渡航歴はなく国内感染例であった。
種類で、2 剤以上に耐性を示す株(10 株、11.5%)の割
合は昨年度の 2 倍に増加した。 結核初回標準療法に使用
4)バンコマイシン耐性腸球菌感染症
される INH、RFP、PZA、SM、EB のうちいずれか 1 剤
以上に耐性を持つ株は 16 株 (18.4% )、INH、RFF を含む
平成 18 年 10 月にバンコマイシン耐性腸球菌感染症 (83
2 剤以上に耐性を有する多剤耐性結核菌は 4 株(4.4%)で、
歳、女性 ) の発生届けがあり、分離菌の同定検査を行った。
いずれの割合も昨年度より増加した。
結果は vanA 遺伝子を保有する Enterococcus faecium で
(2) 非結核性抗酸菌検査
あった。
本年度の府内保健所からの抗酸菌菌種同定依頼は 54 件
5)呼吸器感染症原因検索
で昨年度より 1 件減少した(表 2.1.10)
。菌種同定は発育
速度、コロニー性状を確認した後、16S-23S インターナ
平成 18 年 4 月に府内の知的障害者厚生施設において呼
ル領域遺伝子および 16S リボゾーム RNA 遺伝子の塩基配
吸器感染症の集団発生事例があり原因細菌の検索を行っ
列決定により実施した。菌種数は 14 菌種で、昨年度もっ
た。有症者 8 名から採取した咽頭ぬぐい液の培養検査で
とも多く分離された M.lentiflavum が減少し、
M.gordonae
は 3 検体が肺炎球菌陽性となった。尿中抗原検査 ( 肺炎球
の分離率が上昇した。M.gordonae のうち 11 株は患者由
菌およびレジオネラ ) は陰性であった。ウイルス検査では
来ではなく、高齢者結核検診の対象者および対象施設水道
6 検体からヒト・メタニューモウイルス遺伝子が RT-PCR
蛇口から検出された。
により検出されている。本事例における肺炎球菌とヒト・
(3) 結核菌遺伝子型別調査
メタニューモウイルスの関連性は不明であるが、患者に対
して抗菌薬が奏効したことから肺炎球菌感染が発症に何ら
本年度に府内および近隣自治体の保健所から依頼のあっ
かの影響を与えたことが推測された。(主担:河原、勝川)
た結核菌遺伝子型別調査の依頼総数は 86 事例、
180 株(う
ち有料依頼は高槻市から 1 事例)で、件数・菌株数とも
6)結核菌および抗酸菌に関する研究
に昨年度より増加した(表 2.1.11)
。結核菌遺伝子型別は
集団感染疑い事例については VNTR 型別によるスクリー
ニングおよび IS6110 -RFLP 分析による確認検査、菌株保
(1) 抗酸菌の薬剤感受性
存依頼の株については IS6110 -RFLP 分析のみ実施した。
平成 18 年度に府内および近隣自治体の保健所から依頼
集団感染疑い事例の感染源調査依頼は 45 事例で、その
のあった抗酸菌の薬剤感受性試験依頼数は 91 件(うち 3
うち 32 事例(71.1%)が VNTR 型別と IS6110 -RFLP 分
件は有料依頼分、1 件は菌株死滅で検査不能)であった。
析により同一遺伝子型であると判明し、集団感染であると
これらをナイアシン試験およびパラニトロ安息香酸培地発
証明された。
育試験により結核菌か非結核菌かを同定した結果および薬
結核菌地域分子疫学調査については、泉佐野保健所の「結
剤感受性試験結果を表 2.1.8 にまとめた。感受性試験は、
核感染経路調査事業」で新たに 36 株の依頼があり、これ
32
課別事業内容(細菌課)
表 2.1.8
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平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
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① 牛乳、加工乳
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(1)牛乳、乳製品など
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4月に 25 検体、11 月に 19 検体について規格検査した
ところ、すべて規格に適合していた。
(主担:河合、久米田)
② アイスクリーム類、氷菓
8 月にアイスクリーム、氷菓など合計 56 検体について
までの依頼株 93 株のいずれかと遺伝子型が一致した株が
5 株(13.9%)みられた。
細菌規格検査(細菌数・大腸菌群)を実施したところ、す
(主担:田丸)
べて規格に適合していた。
(4) クォンティフェロン TB-2G 検査
(主担:神吉)
③ 発酵乳および乳酸菌飲料
本年度のクォンティフェロン TB-2G 検査実績および結
2 月に発酵乳、乳酸菌飲料 30 検体について、乳酸菌数
果は表 2.1.12 のとおりである。本検査の依頼元は近隣自
および大腸菌群の規格検査を実施した結果、すべて規格に
治体、医療機関等であり、82 件が有料検査であった。
適合していた。
(主担:山崎、石橋)
④ 乳飲料
(主担:河原)
1 月に乳飲料 45 検体について細菌学的規格検査を実施
した。いずれも細菌数 30 未満、大腸菌群陰性で規格に適
7)動物由来感染症
合していた。
4類感染症であるブルセラ症の感染源調査として犬のブ
(主担:神吉)
(2)水産食品
ルセラ病の調査を行った。大阪府内の犬の抗体保有状況、
① 生カキ
菌検索を行った結果、潜在的な感染があることが判明した。
和泉市の犬繁殖業者の施設で犬ブルセラ病の集団感染
11 月に生食用かき 15 検体、1 月に 12 検体、12 月に
が発生し、犬 263 頭の検査を南部家畜保健衛生所病性鑑
15 検体、2 月に 12 検体について細菌数、大腸菌最確数の
定室と共同で実施した。血液を検査材料とし、培養検査、
規格検査を実施したが、すべて成分規格に適合していた。
(主担:河合、久米田、依田)
PCR、抗体検査を行った。その結果、陽性と判定された犬
② 魚肉ねリ製品
(いずれかの検査で陽性と判定された犬)は 137 頭であっ
た。
12 月に魚肉ねリ製品 43 検体について規格検査として
(主担:勝川)
の大腸菌群の検査を実施した結果、大腸菌群はすべて陰性
であった。
3. 食品の行政検査
(主担:神吉)
③ 生食用魚介類
5 月に刺身類 14 件、6 月に生食用鮮魚介類 14 検体、7
月に生食用鮮魚介類 32 検体、9 月に鮮魚介類 32 検体に
1)食品の収去検査
ついて腸炎ビブリオ(最確数)の規格検査を実施した結果、
すべて規格に適合していた。
年間監視計画による検査対象食品、検査項目について検
査を行った。その内訳は食品製造業、販売店などから収去
(主担:川津、河合)
(3)食肉製品
された食品の細菌学的検査、魚貝毒、抗生物質及びノロウ
イルスの試験検査を、3,119 検体、3,831 項目について実
6 月に加熱後包装食肉製品 13 検体および包装後加熱食
施した。検査材料、検査項目および結果は表 2.1.13 に示
肉製品 1 検体、10 月に加熱食肉製品 25 検体および非加
熱食肉製品1検体について規格検査実施した結果、いずれ
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課別事業内容(細菌課)
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
も規格に適合していた。また、6 月にラックスハム等の非
菌が 1 検体から検出された。生菌数については、300 未
加熱食肉製品(輸入品 3 検体、国産品 11 検体)について、
満がほとんどであったが、3 検体が 104 の菌数を有するも
リステリア菌の検査を実施したが、検出しなかった。
のもあった。大腸菌群が検出されたものが 2 検体あった。
(主担:依田)
(主担:山崎、石橋、川津)
(4)冷凍食品
(9)その他の食品
① 病原性大腸菌 O157 の検査
8月に輸入冷凍食品 30 検体、1 月に輸入冷凍食品 30
検体について規格検査を実施した結果、すべて規格に適合
していた。
4 月に生鶏肉 56 検体、5 月に仕出し弁当調製施設の食
(主担:神吉、依田)
材 57 検体、6 月に食肉鶏肉 28 検体、7 月に量販店調理
食品の食材 28 検体および社会福祉施設の食材 10 検体、8
(5)容器包装詰加圧加熱殺菌食品
月に生食用青果物 56 検体、9 月に病院給食に使用される
6 月にレトルト食品 28 検体について規格検査を実施し
食材 56 検体、10 月に福祉給食施設の食材 57 検体、11
たが、いずれの検体も発育し得る微生物は陰性で、成分規
月に調理麺関連食材 52 検体、12 月にそうざい製造施設
格に適していた。
で使用される食材 56 検体、1月に大規模販売店の食材
(主担:神吉)
56 検体、2 月に食肉 56 検体及び 3 月に中小規模販売店調
(6)ミネラルウォーター、清涼飲料水
理施設食材 56 検体について検査を実施したが、すべて陰
1月にミネラルウォーター 15 検体、2 月に清涼飲料水
性であった。
(主担:山崎、石橋、浅尾、川津、河合、神吉)
8 検体について規格検査を実施した結果、すべて規格に適
合していた。
② サルモネラ、カンピロバクタ-、腸炎ビブリオの汚染実態調査
(主担: 川津)
4 月に生鶏肉 56 検体について、サルモネラ(含薬剤耐
(7)液卵
性サルモネラ)およびカンピロバクターの検査を実施し
4月に殺菌液卵 20 検体、12 月に殺菌液卵 12 検体、未
た。その結果、24 検体よりカンピロバクターが、34 検体
殺菌液卵 4 検体について規格検査を実施したところ、い
よりサルモネラが検出された。また、検出されたサルモネ
ずれも成分規格に適合していた。
ラ 34 検体中 32 検体が薬剤耐性サルモネラであった。
(主担:山崎、石橋、久米田)
(主担:山崎、石橋)
5月に仕出し弁当調製施設の食材 57 検体について、サ
(8)衛生規範のある食品
ルモネラ
(含薬剤耐性サルモネラ)
およびカンピロバクター
4 月に洋生菓子 40 検体について検査を実施したところ、
の汚染実態を調べた結果、すべての検体がサルモネラ、カ
ンピロバクター陰性であった。
細菌数、黄色ブドウ球菌についてはすべての検体が衛生規
範に適合していたが、大腸菌群は 3 検体が陽性であった。
(主担:浅尾)
5 月に鮮魚介類 42 検体についての腸炎ビブリオの汚染
なお、サルモネラは全検体、陰性であった。
実態調査(定性)を行ったところ、すべての検体は腸炎ビ
(主担:久米田)
ブリオ陰性であった。
(主担:依田)
6 月に洋生菓子 40 検体について細菌数、大腸菌群、黄
6 月に食肉鶏肉 28 検体について、サルモネラ(含薬剤
色ブドウ球菌およびサルモネラの汚染実態調査を行った結
耐性サルモネラ)およびカンピロバクターの検査を実施し
果、細菌数および黄色ブドウ球菌についてはすべての検体
た。その結果、17 検体よりカンピロバクターが、12 検体
が衛生規範に適合していたが、3 検体から大腸菌群が検出
よりサルモネラが検出された。また、検出されたサルモネ
された。サルモネラはすべて陰性であった。
ラ 12 検体すべてが薬剤耐性サルモネラであった。
(主担:河合)
(主担:神吉)
11 月にゆで麺 20 検体について生菌数と大腸菌群、お
6 月に鮮魚介類 42 検体について腸炎ビブリオの定性検
よび黄色ブドウ球菌の検査を実施した結果、黄色ブドウ球
査を実施した結果、エビ 1 検体およびキビナゴ 2 検体か
36
課別事業内容(細菌課)
ら腸炎ビブリオが検出された。
(主担:川津)
査(定性試験)を行った結果、14 検体から腸炎ビブリオ
6 月に 5 カ所の社会福祉施設の肉、魚介類、ミキサー食
が検出された。また、魚介類加工施設の刺身 18 検体につ
10 検体について、腸管出血性大腸菌 O157、サルモネラ
いて、
規格検査としての腸炎ビブリオ検査とは別に細菌数、
の検査を実施したところ、すべて陰性であった。 また、5
大腸菌群および黄色ブドウ球菌の検査を実施した結果、2
施設の普通食と手刻み食やミキサー食の計 16 検体につい
検体が細菌数 105 以上であり、14 検体が大腸菌群陽性で
て細菌汚染状況を比較した結果、1 施設のミキサー食 2 検
あった。黄色ブドウ球菌は 1 検体陽性であった。
(主担:河合)
体 ( 細菌数 3,300/g、大腸菌群 55/g と細菌数 300 未満 /g、
大腸菌群 35/g) を除き、14 検体は細菌数 300 未満で、大
10 月に福祉給食施設で使用される食材 57 検体につい
腸菌群および黄色ブドウ球菌は陰性であった。
て、サルモネラ(含薬剤耐性サルモネラ)及びカンピロバ
7月に加熱調理用鮮魚介類42検体について腸炎ビブリ
クターの検査を実施した。その結果、サルモネラ(含薬剤
オ汚染調査(定性試験)を実施した結果、3検体から腸炎
耐性サルモネラ)はすべて陰性であったが、鶏肉 1 検体
ビブリオが検出された。また、刺身等の生食用冷凍鮮魚介
よりカンピロバクターが検出された。
類18検体について、規格検査としての腸炎ビブリオ検査
(主担:浅尾)
10 月にナチュラルチーズ 10 検体のリステリアを検査
したが、いずれも陰性であった。
とは別に、細菌数、大腸菌群および黄色ブドウ球菌につい
ても検査を実施した。その結果、黄色ブドウ球菌はすべて
(主担:川津)
11 月に調理麺関連食材 52 検体についてサルモネラの
陰性であったが、大腸菌群は4検体が陽性、細菌数は、
汚染調査を実施した結果、すべて陰性であった。
10 2~10 5のオーダーで検出された。
にそうざい製造施設食材 53 検体についてカンピロバク
(主担:山崎、石橋)
12 月
ター、サルモネラならびに薬剤耐性サルモネラの汚染調査
7 月に量販店調理食品の食材など 28 検体について、サ
を実施した。その結果、3 検体よりカンピロバクターが検
ルモネラ及びカンピロバクターの汚染実態調査を実施し
出された。また、8 検体よりサルモネラが検出され、この
た。その結果、サルモネラはすべて陰性であったが、鶏肉
うち 7 検体は薬剤耐性サルモネラであった。
(主担:河合)
2 検体よりカンピロバクターを検出した。また、社会福祉
施設の食材 10 検体について、前項の O157 に加えて細菌
1月に大規模販売店の食材 56 検体についてサルモネ
数、大腸菌群、黄色ブドウ球菌及びサルモネラの汚染実態
ラ(含薬剤耐性サルモネラ)及びカンピロバクターの汚染
を調査した結果、黄色ブドウ球菌及びサルモネラは陰性で
実態調査を行ったところ、鶏肉 1 検体より薬剤耐性サル
あったが、食肉 4 検体、魚介類 1 検体から大腸菌群が検
モネラ、砂肝 1 検体よりカンピロバクターが検出された。
出された。6 施設で収去された刻み食等の調理食品 20 検
(主担:浅尾)
体について、細菌数、大腸菌群、黄色ブドウ球菌の検査を
2月に食肉 56 検体についてサルモネラ、カンピロバク
実施した結果、大腸菌群及び黄色ブドウ球菌はすべて陰性
ターの汚染調査を実施した。その結果、鶏肉 19 検体から
で、細菌数はミキサー食 3 検体を除き(10 ~ 10 のオー
カンピロバクター、鶏肉 7 検体からサルモネラが検出さ
ダー)すべて 300 未満であった。
れた。検出されたサルモネラのうち、7 検体は薬剤耐性サ
2
4
(主担:浅尾)
ルモネラであった。
8 月に生食用青果物 56 検体について、サルモネラの検
(主担:川津)
3 月に中小規模販売店調理施設食材 56 検体について、
査を実施したが、すべて陰性であった。
(主担:依田)
サルモネラ、カンピロバクターおよび薬剤耐性サルモネラ
9 月に病院給食に使用される食材 56 検体について、サ
の汚染実態調査を行った。その結果、9 検体よりカンピロ
ルモネラ(含薬剤耐性サルモネラ)およびカンピロバクター
バクターが検出された。また、8 検体よりサルモネラが検
の検査を実施した。その結果、生鶏肉 7 検体よりカンピ
出され、これらのサルモネラはすべて薬剤耐性サルモネラ
ロバクターが、さらに生鶏肉 4 検体より薬剤耐性サルモ
であった。
ネラが検出された。
③ 抗生物質
(主担:川津)
9 月に鮮魚介類 42 検体について腸炎ビブリオの汚染調
(主担:久米田)
4 月に牛乳・加工乳 10 検体、6 月に魚介類 10 検体、8
37
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 2.1.14
食中毒・苦情検査数
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表 2.1.15
サルモネラによる
食中毒
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平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
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課別事業内容(細菌課)
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ノロウイルスによる食中毒 (2)
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ノロウイルスによる食中毒 (3)
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課別事業内容(細菌課)
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ノロウイルスによる食中毒 (4)
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平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
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44
課別事業内容(細菌課)
⑩ 自動販売機販売の水の大腸菌群検査
月に牛肉・豚肉 11 検体、10 月に鶏肉 10 検体及び 11 月
に牛乳・加工乳 10 検体についてベンジルペニシリンの検
4 月と 10 月に、量販店内等に設置されている水の自動
査を実施したが、基準値を超えるベンジルペニシリンは検
販売機で提供されている水を 14 検体ずつ検査したが、す
出されなかった。
べて大腸菌群陰性であった。
(主担:河合、久米田、依田)
(主担:河合、久米田)
④マリントキシンの検査
2)食中毒に関する検査
収去検査: 12 月にトラフグ、シロサバフグ等の一夜干し
及び皮の湯引き等のフグ加工品(14 検体)を対象とし
てフグ毒検査を実施した結果、いずれも陰性であった。
平成 18 年中に、府内および他府県で発生した食中毒等
(主担:濱野)
に関連した検体および苦情食品で保健所から当課へ搬入さ
確認検査: 5 月にフグ加工品 13 検体、2 月にフグ加工品
れた 2,151 検体 16,188 項目について検査を実施し、それ
15 検体についてテトロドトキシンを検査した結果、す
らの結果について表 2.1.14 に示した。主な食中毒、苦情
べて陰性であった。
等についてはサルモネラ(表 2.1.15)
、カンピロバク夕ー
(主担:濱野)
依頼検査:大阪府水産課の依頼により大阪湾産二枚貝等
(表 2.1.16)
、下痢原性大腸菌(表 2.1.17)
、ノロウイルス
28 検体について、公定法により麻痺性貝毒を検査した
(表 2.1.18)
、その他の病因物質(表 2.1.19)
、異味・異臭
による苦情(表 2.1.20)にまとめた。
結果、24 検体から麻痺性貝毒を検出した。そのうち 13
検体が規制値(4 MU/g)を超えた。
(文責:塚本)
(主担:濱野)
4. 調査、研究
⑤ バンコマイシン耐性腸球菌の実態調査
6月および 10 月にそれぞれ鶏肉 10 検体を検査したが、
いずれの検体からもバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)は
検出されなかった。
1)腸管感染症および類似疾患における細菌学
的研究
(主担:山崎、石橋、河合)
⑥ ヒスタミン産生菌の汚染実態調査
5 月に 20 検体の魚介類加工品について、ヒスタミン生
(1) 腸管感染症の細菌学的研究
成菌検査を実施したところ、2 検体よりヒスタミン生成菌
が検出された。
(主担:依田)
赤 痢 菌、 チ フ ス・ パ ラ チ フ ス 菌、 腸 管 出 血 性 大腸菌
⑦ 生食用カキのノロウイルスの検査
(EHEC)、サルモネラ、カンピロバクターについて分離株
10 月、12 月及び 2 月にそれぞれ市販生カキ 7 検体ずつ
の血清型別、薬剤感受性試験を実施し、流行菌型の特徴を
について、ノロウイルスおよび A 型肝炎ウイルスの検査
調査した。海外渡航者由来赤痢菌はニューキノロンに対す
を実施したところ、全て陰性であった。4 月と 3 月に二枚
る MIC 値が高くなる傾向が見られ、サルモネラでもニュー
貝を 7 検体ずつ、11 月に生食用カキ 7 検体、1 月に加熱
キノロン耐性菌が分離された。また、EHEC は O157 以
調理用生カキ 7 検体および生食用カキ 1 検体についてノ
外の血清型が 12 名から分離され、特徴的な性状と病原因
ロウイルスの検査を実施したが、いずれも陰性であった。
子について検討した。いずれも今後の動向に注意が必要で
(主担:山崎、久米田、川津、河合、依田、神吉、左近)
ある。( 研究の一部は厚生労働省「希少感染症診断技術向
⑧ ボツリヌス毒素の検査
上事業」および厚生労働科学研究費補助金「食品の安心・
6 月に府内に流通している低酸性食品 28 検体について
安全確保推進研究事業」による )
ボツリヌス毒素および嫌気性菌の検査を実施したが、すべ
て陰性であった。
(2) 腸管系病原菌の遺伝学的疫学解析
(主担:神吉)
⑨ ブドウ球菌毒素の検査
多発する EHEC 感染症の関連性を調査するため、分離
5 月に脱脂粉乳 18 検体についてブドウ球菌毒素の検査
を行った結果、いずれも陰性であった。
株のパルスフィールドゲル電気泳動 (PFGE) 型別を実施し
(主担:依田)
た。また、近畿 11 カ所の地研と協力して散在広域流行株
の探知に向けての精度管理とカンピロバクターの遺伝学的
45
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
疫学指標の検討を実施した。精度管理では電送画像での類
3)結結核菌および非結核性抗酸菌に
関する研究
似性検索で良好な結果が得られ、カンピロバクターでは適
切な制限酵素の選択が重要であることが明らかになった。
( 研究の一部は厚生労働科学研究費補助金「新興・再興感
(1) 菌検出法:LAMP 法による結核菌群、非結核性抗酸菌
染症事業」による )
3 菌種の迅速検出法により、患者由来喀痰からの菌検出
を実施し、従来の核酸増幅法と同等の感度で菌検出可能
(3) 迅速検査法の開発
なことを確認した。
ヒトの胃腸炎の原因となるカンピロバクター 6 菌種を
(2) 薬剤感受性:従来から検査している主要抗結核薬に短
一度に検出、同定できる PCR 法を開発した。( 研究の一
期化学寮法剤 PZA を加えた 10 薬剤に対する感受性を調
部は厚生労働科学研究費補助金「食品の安心・安全確保推
査し、薬剤耐性結核菌の出現頻度をモニタリングしてい
進研究事業」による )
る。また、SM 耐性機序について共同研究を行った。
(主担:勢戸、田口、山崎)
(3) 遺伝子型別:結核集団発生時の感染源調査および府
内 2 地域の地域分子疫学を IS6110 -RFLP 分析法および
2)細菌性呼吸器感染症に関する調査研究
VNTR 型別にて実施し、感染経路解明、蔓延状況の把
(1) 1967 年から実施しているレンサ球菌流行状況調査を
握を行っている。また、VNTR 型別については、解析
継続実施し、分離または収集した溶血性レンサ球菌 236
locus を 24 箇所に増やし , 大阪府内の結核臨床分離株の
株について同定、血清型別、遺伝子型別、薬剤感受性試
遺伝子型別に最適な解析 locus の検討や各 locus の挿入
験、病原遺伝子および薬剤耐性遺伝子等の解析を実施し
数変化の期間について調査しているところである。
た。本年度はランスフィールドの G 群、C 群または A
(4) 非結核性抗酸菌同定法:16S-23S インターナル配列と
群抗原を保有する Streptococcus dysgalactiae subsp.
16S リボゾーム遺伝子の塩基配列決定による抗酸菌同定
equisimilis に つ い て 重 点 的 に 解 析 を 行 っ た。 そ の 結
を実施し、府内で分離される抗酸菌種分布をモニタリン
果、M タンパクをコードする遺伝子のシークエンス型別
グしている。
(emm 型別)が抗血清による型別と同等の結果が得られ
(5) QuantiFERON-TB:接触者検診を本庁・保健所と共同
るにもかかわらず、多くの抗血清の準備を必要とせず、
して実施し、効果を評価した。
1 ペアのプライマーのみで測定が行える有用な型別方法
(6) 非 結 核 性 抗 酸 菌 遺 伝 子 型 別: 最 も 感 染 者 数 の 多 い
であることが判明した。また病原因子の解析も行ったが
M.avium complex について感染経路を明らかにするた
本菌感染症の重症化と関連する因子は見いだせなかっ
め、RFLP 分析、VNTR 型別によりヒト由来株、動物由
た。
来株、環境由来株の遺伝子型別を継続している。また再
(2) 府内の2カ所の介護老人保健施設における発熱性呼吸
排菌患者事例について遺伝子型調査を実施し、異なる菌
器疾患の集団感染において、ウイルス感染に引き続く肺
株による再感染の存在を確認した。
炎球菌の感染が重篤化に関与している事が判明した。高
(主担:田丸、河原、勝川)
齢者における肺炎球菌ワクチン接種推奨の根拠となる事
4)細菌性食中毒に関する研究
例であった。
(3) 本年度は動物由来感染症にも研究対象を広げ、ブルセ
(1) 食中毒原因菌の免疫学的簡易検出法の開発
ラ症について検査方法の検討、人の症例調査、菌の汚染
状況の調査を行った。その結果、Brucella canis は国内
得られた抗 Campylobacter jejuni 菌体抗原モノクロー
に常在しており、犬の中で蔓延している事実が判明した。
ナル抗体の中で、4B4 抗体が Campylobacter のイムノ
(主担:勝川、河原、田丸)
クロマト法の開発に有用であった。下痢症患者の便 35
検体(Campylobacter 培養陽性 14 検体、培養陰性 21
検体)を用いて検討した結果、本抗体を用いたイムノク
46
課別事業内容(細菌課)
ロマト法は、従来法(培養法)と比較して 92.9%の感
6)魚介毒に関する研究
度と 100%特異性で患者便中の Campylobacter を検出
できることが明らかとなった。
(2) ヒスタミン生成菌由来ヒスチジンデカルボキシラーゼ
(1) 潮干狩り等で採取されるアサリの安全性を確保するた
(HDC) に関する研究
め、水産課、食の安全推進課、水産試験場と連携して定
ヒ ス タ ミ ン 生 成 菌 で あ る Photobacterium
期的に大阪湾の貝類 7 種計 82 検体について毒性を調査
phosphoreum , Photobacterium damselae , Raoultella
した結果、種差や地域差が大きいことが確認された。毒
planticola および Morganella morganii の組換え HDC 5
性はムラサキイガイ、アカガイ、アサリ、マガキの順に
種類を作成し、各組換え HDC の機能の比較検討を実施
強く、毒化期間はムラサキイガイ、アカガイが長かった。
し、マグロおよびサンマの開きに添加して魚肉中のヒスタ
ムラサキイガイの毒性は、南部が北部に比べ強い傾向が
ミン産生状況を行った。本成果は外国雑誌(Applied and
見られた。調査結果を解析した結果、アサリの毒化予知
Environmental Microbiology)に投稿し受理された。
には、プランクトン調査よりもムラサキイガイの毒性調
(主担:石橋、川津、神吉)
査によるモニタリングが有効と考えられた。
(2) 当グループが開発した麻痺性貝毒の簡易測定法として
5)食品内で産生される細菌毒素に関する研究
の ELISA 法を確立しキット化に成功した。全国各地か
ら生産県及び検査機関の協力を得て約 800 検体を入手
平成 18 年 5 月に大阪府内で乳児ボツリヌス症を疑う事
し、本キットによる測定を実施した結果、本 ELISA 値
件が発生した。医師から持ち込まれた浣腸便および血清
(n mol/g) に変換係数 (3) を掛けると、公定法で 2 MU/g
から、マウス法により翌日に B 型ボツリヌス毒素を検出
以上となった検体は全て 2 MU/g 以上に変換されること
し届け出医師に報告した。毒素と同時に PCR 法により浣
を確認した。本法は貝毒モニタリングにおけるスクリー
腸便中に B 型毒素遺伝子を確認した。浣腸便からはI群
ニング手法として有効であることを実証した。結果を第
菌の B 型ボツリヌス菌を分離した。国立感染研からボツ
12 回国際有毒鞭毛藻類学会 (2006 年 9 月、コペンハー
リヌス毒素検出用のラテックス凝集反応用試薬の提供を受
ゲン ) ほかにて発表した。
(主担:濱野、川津)
け、初めて臨床試験に利用した。本試薬は極めて検出感度
7)食品由来真菌に関する研究
が高く、非特異反応も認められなかった。感染研には少な
くとも乳児ボツリヌス症の診断には、マウス法の補助試験
法として有効であることを報告した。なお、患者には蜂蜜
「発ガン性アフラトキシン汚染食品の迅速診断法の開発」
の摂取歴はなく、検査したハウスダストやミルク等の乳児
現在、アフラトキシンの規制は日本では B1 の暫定基
用食品からボツリヌス菌芽胞は検出されなかった。患者糞
準値のみであるが、FAO/WHO 合同食品規約委員会によ
便からのボツリヌス菌芽胞の環境汚染を防ぐ目的で、ボツ
る国際規格に照準を合わせ、B1, B2, G1, G2 値を合計し
リヌス菌芽胞消長を経時的に追跡し、陰性になるまで合計
た総量規制が検討されている。前年度、アフラトキシン
23 回検査した。
の自然汚染に関与すると考えられる真菌の菌株について
ウナギを原因食品とするブドウ球菌食中毒が発生した。
multiplex PCR 法で B 産生菌と BG 産生菌を区別できる
食べ残し及び同一製品のウナギからラテックス凝集反応に
ことが確認できた。今年度はアフラトキシン汚染食品から
より A 型エンテロトキシンを検出した。分離菌は A 型と
DNA を抽出し、直接、multiplex PCR 法でアフラトキシ
H 型エンテロトキシン遺伝子を保有していた。私たちが
ン産生に関与する遺伝子の検出を試みた結果、コーンフラ
開発した ELISA 法により、両食品から A 型及び H 型エン
ワー、コショウ、ピーナッツ等 18 検体(Total アフラト
テロトキシンを検出した。A 型よりも H 型エンテロトキ
キシン 0.7 ~ 392.9 μg/kg)中、16 検体から標的遺伝子
シンが 5 倍位多く検出された。
を検出できた。検出できなかった 2 検体はアフラトキシ
(主担:浅尾、久米田、河合)
ン濃度が 0.7 あるいは 0.17 μg/kg と日本の基準値 B1:10
47
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
μ g/kg を大幅に下回っていた。また、アフラトキシン B
と T 血清型別を行い結果を報告した。あわせて近畿地区
と G が検出されたサンプルはすべて、PCR の結果と一致
における 7 件の劇症型溶血性レンサ球菌感染症例を報告
したが、アフラトキシン B しか検出されなかったサンプ
した。
ル 7 検体中 3 検体は PCR では BG 産生菌の存在が予想さ
れた。
6.教育、研修等
(主担:久米田、浅尾)
8)食中毒原因物質としてのノロウイルスに関
する研究
1)教育・研修
ノロウイルスの陽性コントロールとして使用できるリコ
ンビナント粒子の作製について、目的の組み換えウイルス
H18.12.21-22北海道ほか 6 機関の自治体貝毒担当者
を獲得し、得られたウイルスを昆虫細胞に感染させ、目的
に麻痺性貝毒の簡易測定法の研修を行
タンパクを大量発現させた。培養上清を収集し、2 種類に
なった。
(担当:濱野・川津)
H19.3.2 平成 18 年度大阪市結核研修「QFT の
ついて粒子形成を確認した。
基礎知識」
LAMP 法 に つ い て は、 昨 年 度、 検 出 頻 度 の 高 い
(担当:河原)
Genogroup II、Genogroup I については、RT-PCR 法と
H19.3.20近畿の地方衛生研究所 9 機関の貝毒担
同等の良いプライマーセットを確立することができたの
当者 13 名に、貝毒検査法の研修を行っ
で、これを臨床検体に使用して良い結果を得た。
た。
(担当:濱野・川津)
ノロウイルスに対する感染のしやすさに関連していると
いわれている分泌型、非分泌型を決定している FUT2 遺
2)会議・委員会・研究会等の出席
伝子の調査については、得られた検体について現在実験中
である。しかし、検体数がかぎられているため、再度研究
期間の延長申請を行った。
H18.9.20平成 18 年度大阪府衛生検査所精度管理
(主担:依田、山崎、左近、神吉)
専門委員会に委員として出席した。
(担当:塚本、勝川、田口)
H18.10.13平成 18 年度大阪府衛生検査所精度管理
5.外部機関との共同研究事業
専門委員会(検討会)に委員として出
席した。
レファレンスセンター事業
(担当:塚本、勝川、田口)
H18.12.15国際会議場(広島)で開催された平成
衛生微生物技術協議会、希少感染症研究事業の「カンピ
18 年度漁場環境保全関係試験研究推進
ロバクター」、「溶連菌感染症」ならびに「ジフテリア・百
会議、赤潮・貝毒部会に担当者 1 名を
日咳」の近畿支部レファレンスセンターとして以下の事業
派遣した。
(担当:濱野)
H19.1.25財団法人大阪公衆衛生協会主催講演会
を行い報告した。
(1) カンピロバクター:当研究所保存の C.jejuni 128 株、
で「腸管出血性大腸菌感染症について」
C.coli 2 株の血清型別を行い、82 株が 16 血清型に型別
という演題で講演した。 (担当:田口)
H19.2.2平成 18 年度大阪府衛生検査所精度管理
でき、ニューキノロン系薬剤に対する感受性試験では
130 株中 41 株 (36.9% ) が耐性である結果を得た。ま
専門委員会に委員として出席した。
た近畿地区で発生した 13 件の食中毒事件(滋賀県;1、
(担当:塚本、勝川、田口)
大阪府;12)の血清型を調べ疫学的に利用した。
(2) 溶連菌感染症:京都市衛生公害研究所(16 株)
、当研
H19.2.20東北区水産研究所で開催された平成 18
究所(213 株)から合計 229 株について月別検出状況
年度先端技術を活用した農林水産研究
48
課別事業内容(細菌課)
高度化事業「現場即応型貝毒検出技術
3)研修・セミナー等の受講
と安全なモニタリング体制の開発」研
究推進会議に担当者 1 名を派遣した。
H18.1.6 ~ 28平成 18 年度特定研修・新興再興感染症
(担当:濱野)
技術研修(国立保健医療科学院)
H19.3.29平成 18 年度大阪府・大阪市・堺市・東
大阪市合同による大阪府衛生検査所精
度管理専門委員会に委員として出席し
た。
(担当:勝川、田口)
49
(担当:河原)
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
ウ
イ
ル
ス
課
高病原性鳥インフルエンザはベトナム、タイに止まらず欧州やアフリカへ感染が拡大し、特にインドネシア、エジプトで
患者発生が続いている。ウイルスが変異し人から人へ感染する新型インフルエンザが発生する可能性が高まっているなか、
ウイルス課においても新型インフルエンザを診断するための遺伝子診断を中心とした準備態勢を整えた。また、高病原性鳥
インフルエンザウイルスを含めた全てのトリインフルエンザウイルスに反応する簡易検査法を開発した。
米国において 2002 年より急速な拡大が起こったウエストナイル熱対策として、当課では 2006 年度も死亡カラスの検査
に加えて府内各地における定点にて捕集された蚊についてウエストナイルウイルスの保有状況を調査した。その結果は、全
例陰性であった。
世界規模あるいは我が国においても HIV 感染者の増加が問題となっているが、大阪府においても 2006 年は 2005 年と
同様 152 名が報告されている。当課においても診断、感染者の治療支援のための検査、疫学調査などを実施した。
感染症発生動向調査におけるウイルス感染症では一昨年、昨年に引き続き感染性胃腸炎が注目された。原因ウイルスとし
てはノロウイルス G Ⅱがもっとも多く検出された。ノロウイルスは高齢者施設や医療機関での集団感染の事例も多数報告
された。特に 11-12 月期は過去に例がないほど多数の事例が発生した。2006/2007 年のインフルエンザは、流行時期が大
きくずれ込み、そのピークは 3 月中旬から下旬にかけてみられ、流行は 2007 年の 4 月後半まで続いた。ピーク時の大阪府
の定点あたりの報告数は 27.8 であった。発生動向調査によりインフルエンザ患者から分離されたウイルスはインフルエン
ザA香港型(H3N2)、Aソ連型(H1N1)、B型であった。2007 年 1 月に入って、関東地方に端を発した麻疹が大阪府内
でも発生し、4 月以降も患者発生は続いている。当課ではウイルス分離するなどウイルス学的診断を積極的に実施した。
その他、当課ではウイルス性疾患のみならず毒グモ、ネズミ、ダニなどの衛生動物や寄生虫、原虫、リケッチア、クラミ
ジアなどについても検査、研究を行った。また、花粉の飛散状況に関する研究も行った。
(ウイルス課における検査件数は
表 2.2.1 に示した)
2)ウイルス性胃腸炎
1.ウイルス試験・検査
(1)集団発生
1)エンテロウイルス
平成 18 年度調査を実施したウイルス性胃腸炎の集団発
生件数は食中毒を除き 204 事例となり、昨年比 2.5 倍と
平成 18 年度中に大阪府感染症発生動向調査検査定点
なった。原因はノロウイルス GI が 8 事例、GII が 185 事
から分離されたエンテロウイルス (EV) はエコーウイルス
例、その他 2 事例であった(図 1)
。GII については解析
(Echo)18 型 -29 株、コクサッキーウイルス (Cox)A16 型
の終了している 43 事例すべてが GII.4 に分類されており、
-7 株、CoxB5 型 -6 株、Echo9 型 -4 株、Echo30 型 -4 株、
本流行を形成した遺伝子型と考えられる。発生施設として
CoxA9 型 -4 株、EV71 型 -3 株などであった。無菌性髄膜
高齢者施設、医療機関が多く小学校や幼稚園などは例年
炎のうち Echo18 型が 65%を占めていた。手足口病では
並みの届けで状況であった。
(大阪府情報センター http://
CoxA16 と EV71 両方の流行がみられた。脳炎患者からは
www.iph.pref.osaka.jp/infection/monosiri/3/3.html)
ムンプスウイルスが分離された。
(主担:山崎、左近)
(主担:山崎、左近)
50
課別事業内容(ウイルス課)
表 2.2.1
ウイルス課検査件数
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図 2.2.1
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平成 18 年度胃腸炎
集団発生の病因物質
51
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
(2)感染症発生動向調査
(3) アデノウイルスおよびその他ウイルス
感染性胃腸炎の病原体検出状況は A 群ロタウイルスが
感染症発生動向調査の定点病院由来検体から分離された
9 件(4.1%)、ノロウイルスが 84 件(37.8%)、アスト
アデノウイルスは 1 型が 11 株、2 型が 3 株、3 型が 26 株、
ロウイルスとアデノウイルス 40/41 型がそれぞれ 8 件で
5 型が 1 株であった。今年度は 3 型が最も多く分離された。
あった。また、その他のアデノウイルスが 6 件分離され
また、2006 年 4 月に和泉保健所管内の社会福祉施設でヒ
たが腸重積症発症患児が 3 名含まれていた。検出された
トメタニューモウイルスと肺炎球菌との混合感染と考えら
ノロウイルスは未解析の 9 検体を除き、2 例が GI、残り
れる肺炎の集団発生を認めた(細菌課との共同調査)
。
(主担:加瀬、森川、宮川)
73 検体が GII.4 に分類された。今年度は A 群ロタウイル
スの検出率が 10%を切る一方で、ノロウイルスの検出が
4)エイズ
目立った。特に 10 月末から年内にかけては 111 検体と年
間の半数の検体が集中し、そのうち 67 件(60%)がノロ
ウイルスであった。
(主担:左近、山崎)
(1) HIV 感染確認検査
3)インフルエンザおよびその他の呼吸器ウイ
ルス
2006 年度に確認検査を行った検体は 155 件であった。
このうち、抗 HIV-1 抗体陽性と確認されたものは 96 件で
あり、陽性件数は依然として増加傾向である。陽性例を依
(1) インフルエンザ
頼元で分類すると、府保健所が 8 件、夜間検査所が 12 件、
インフルエンザ様疾患による集団発生は 5 事例であり、
土曜日休日検査所が 22 件、日曜即日検査所が 13 件、大
うち 2 事例でインフルエンザウイルス AH3 亜型が分離さ
阪府内の医療機関からのものが 35 件、府外の医療機関か
れた。その他の依頼検査として、9 月下旬に香港旅行から
らのものが 6 件であった。96 件の陽性の内訳は、日本人
帰国した女性の家族への 2 次感染例について、高病原性
男性が 78 件、日本人女性が 2 件、外国人男性が 3 件、外
トリインフルエンザを疑い、ウイルス検出を行ったが、イ
国人女性が 1 件、国籍不明の男性が 6 件、国籍不明の女
ンフルエンザウイルス AH1 亜型を検出した。翌週にも、
性は無く、国籍も性別も分からないものが 6 件であった。
ベトナムから帰国した女性について、トリインフルエンザ
本年度、抗体価が低く WB 法でも判定保留または陰性
を疑いウイルス検出を行ったところ、インフルエンザウイ
となり、RT-PCR 法によって感染が確認された感染初期例
ルス AH3 亜型を検出した。また、夏季である 7 月にイン
と思われる検体が 8 件と前年度に比べ倍増した。このう
フルエンザ様疾患の患者 1 名からインフルエンザウイル
ちの2件は抗体検査では全く陰性であるウインドウ期の検
ス AH1 亜型を分離した。
体であった。感染初期例の増加は感染拡大を反映している
と考えられ、非常に憂慮すべき事態であると考えられる。
冬期の流行シーズンに入ってからは、感染症発生動向調
(主担:川畑、森、小島)
査の定点病院由来検体から、3 月末日現在で AH1 亜型 3 株、
AH3 亜型 47 株 ,B 型 26 株が分離されており、4 月に入っ
ても流行中である。
(2) HIV 感染者のフォローアップ
(主担:森川、加瀬、宮川)
HIV 感染者の治療支援を目的として、ウイルス分離に
(2) 感染源調査
よる感染者体内のウイルス性状解析、および薬剤耐性遺
国の感染症流行予測調査事業のインフルエンザ感染源調
伝子の解析を行った。2006 年度は、25 例の HIV-1 感染
査 ( ブタ ) において 160 件の検体についてウイルス分離を
者についてウイルス分離を試み、18 例から HIV-1 が分離
実施したが、すべて陰性の結果であった。
された(未治療例:13/18、治療施行例:5/7)
。分離さ
(主担:弓指)
れた HIV-1 株のうち 10 株は、病態悪化の指標となる SI
(Syncytium-inducing:巨細胞形成 ) タイプの性質を示し
52
課別事業内容(ウイルス課)
た。SI タイプが分離された感染者の大部分は病態が進行
遺伝子検出、抗体測定等の診断検査を実施し、1 症例が日
している未治療感染者または治療中断・失敗例であった。
本紅斑熱 ( 他県での感染が疑われた例 ) であることを確定
しかしながら、多剤併用療法により血中ウイルス量が 5
した。
年間に渡って検出限界以下(<50 コピー /ml)に維持され
(主担:弓指)
(3)原虫・寄生虫検査
ている感染者 1 例からも SI タイプが分離され、今後も注
意深い経過観察が必要であると思われた。
大阪府の動物由来感染症対策の一環として、府内で捕獲
26 例について薬剤耐性遺伝子検査を実施したところ、4
された放浪犬のエキノコックス保有調査を実施した。合
例において服用中の治療薬に対する耐性変異が検出され、
計で 69 頭の糞便を採取し、ホルマリンエーテル法および
治療薬変更の必要性が示唆された。未治療感染者 18 例か
ショ糖浮遊法を併用した寄生虫卵検査の結果、エキノコッ
らは、薬剤耐性ウイルスの感染を示唆するアミノ酸変異は
クス虫卵は検出されなかった。他の寄生虫卵として、全体
検出されなかった。
の 20.3%の 14 頭からイヌ回虫卵、3 頭からイヌ鞭虫卵、
(主担:森、川畑、小島)
2 頭からマンソン裂頭条虫卵および 1 頭からテニア科条虫
5)その他ウイルス、原虫、寄生虫
卵が検出された。
(1)蚊媒介性ウイルス
(主担:木村)
(4)オウム病確認検査 鳥類のオウム病クラミジア
保有検査
ウエストナイル熱など国外から持ち込まれる可能性のあ
る衛生動物媒介性感染症の侵入を監視する目的で、ウエス
府内ペットショップの鳥類の糞便由来オウム病陽性
トナイル熱に関する蚊のサーベイランス事業及びカラス等
PCR 産物 1 検体について、ダイレクトシークエンス法に
の死亡鳥類調査事業に健康づくり感染症課及び環境衛生課
よる確認検査を実施した。その結果、オウム病クラミジア
とともに参画し、市街地に生息する蚊及びカラスから RT-
の塩基配列と確認した。またこの個体についての投薬後の
PCR 法によるフラビウイルス属遺伝子の検出及びウイル
再、および再々検査を実施した。
ス分離を試みた。蚊のサーベイランスでは総計 374 プー
オウム病が疑われた肺炎患者の血清診断
ル、7 種 4,729 頭の蚊について、カラス等の死亡鳥類調査
肺炎にて入院していたペットショップ従業員および無
では計 13 羽について調査を実施した。これらの調査結果
症状のレースバト所有者のオウム病血清抗体保有検査を、
はすべて陰性であったが、今後も防疫対策のための情報蓄
Micro IF 法により検査した。その結果、2 名ともオウム
積として継続する必要があると考えられた。なお、ウエス
病抗体陰性であった。
トナイルウイルス遺伝子の検出法については、より多くの
(主担:木村)
(5)セアカゴケグモ毒性試験
ウイルス株を検出できる LAMP 法について検討した。ま
た、海外から帰国後に発症したと考えられる患者 2 症例
大阪府環境衛生課のセアカゴケグモ対策事業の一環とし
について遺伝子検出、抗体測定等の診断検査を実施し、1
て、セアカゴケグモ毒性試験を実施した。大阪府内南部で
症例がデング熱であることを確定した。
採取されたクモから摘出した毒腺を、滅菌リン酸緩衝液中
(主担:弓指)
(PBS)で目的の濃度に希釈し、
若年(ddy Slc: 8 週齢/雄)、
(2)リケッチア
老齢(ddy Slc: 20 ヶ月齢/雌)および幼齢(ddy Slc: 4
リケッチア症に関しては、一昨年度ツツガムシ病患者が
週齢/雄)マウスの腹腔内に投与し、その死亡率と体重変
発生した地域等において野鼠の捕獲調査を実施した。捕
動を観察した。その結果、本年採取されたセアカゴケグモ
獲した野鼠類 (35 頭 ) 及びそれに寄生していたツツガムシ
の毒性は発見当時のクモの毒性と同程度である事、しかし
(546 頭 )、マダニ類 (26 頭 ) について PCR 法によるリケッ
幼齢および老齢のマウスの中毒症状は、通常用いている若
チア遺伝子の検出を試みたが、すべて陰性の結果であっ
年マウスと比較して、著しく重症である事が明らかとなっ
た。また、リケッチア症が疑われる患者 2 症例について
た。さらに 2 度目に咬まれた場合を想定して実施した、
53
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
同一個体への再投与実験では、アナフェラキシーショック
物石けんを主成分とした液体洗浄剤は 0-157、MRSA な
等のアレルギー反応は認められなかった。
どの細菌を 1 分以内に完全に不活化、またアデノウイル
(主担:木村、高木)
スを 3 分以内に 99.9%不活化できた。さらに石けんに
アルカリ耐性酵素を加えることにより、ネコカリシウイ
6)電子顕微鏡による形態学的調査
ルスを 2 分以内に 99.99%以上不活化することができた
2)2003 年 1 月~ 2006 年 3 月のノロウイルス (NV) 流行
株の解析および流行の特徴について調査した。解析事例
(1)過型電子顕微鏡を用いた検査
は NV 集団発生事例で 157 件、小児散発事例は 116 件、
嘔吐下痢症ウイルスに関連した業務では、下痢症患者の
また食中毒事例は有症苦情を含め 123 件であった。小
便材料についてウイルス粒子の検索を年間を通じて実施し
児散発例における検出遺伝子型はこれまで GII.4 が主要
た。
であったが、
昨シーズンは GII.3 が流行株となった。一方、
走査型電子顕微鏡を用いた検査では、花粉症の原因であ
非流行期の集団発生事例では 4 月に食中毒から検出され
る植物の花粉を観察分類のため写真撮影した。また、病原
た株との関連が推測された。しかし、2004,2005 年の
微生物の試料作成法の検討と微細形態の観察を行った。
非流行期と 2005 年 11、12 月に多発した集団発生は幼
以上のほかにも、所内各課の要請に応じて、2種類の電
稚園や小学校といった小児を中心として発生しているに
子顕微鏡を用いて微細形態の観察を行い、資料を作成し
も関わらず、小児散発例での流行型とは異なっていた。
た。
散発例から予想される小児流行型と発症年齢層を同じに
(主担:西村)
する集団発生における遺伝子型が一致するとの予想に反
(2)電子顕微鏡精度管理に関する研究
し、異なっていたことに関して明瞭な理由は考えられな
厚生労働科学研究分担研究「バイオテロ等健康危機発生
かった。食中毒においては数年間隔で検出される型に変
時の電子顕微鏡的ウイルス検査の精度管理」に参加した。
化が認められた。3 年間ではあるが小児散発例では検出
電子顕微鏡によるウイルス粒子の存在の証明、観察時点で
型が GII.2,3,4,6 に集積していた。また、2006 年 11 月
粒子が確認できる場合の迅速性はバイオテロ発生時、特に
から始まったノロウイルスの流行は過去最大規模とな
天然痘をターゲットにした場合に非常に有効であり、また
り、この流行の主要タイプは GII.4 であった。
未同定ウイルスの診断にも有効であると考えられる。しか
(主担 : 山崎、左近)
し、検出感度があまりよくないことから検出に用いられる
2)ウイルス性呼吸器感染症の研究
ことが少なくなり、使用頻度の減少は診断を大きく左右す
る操作技術と診断技術のレベルを低下させる。
そこで、地方衛生研究所における電子顕微鏡の精度管理
SARS, 高病原性トリインフルエンザに関しては従来法
のため固定粒子の作製(インフルエンザウイルス、ヘルペ
の RT-PCR 法、Lamp 法などに加えて迅速診断キットの作
スウイルス等)を実施し、また、マニュアルの作成に取組
製を試みた。特に高病原性トリインフルエンザに関しては
んだ。
大阪産業再生プロジェクト事業に参加し、さらに学術振興
(主担:西村、左近)
会科学研究費補助金をえて、トリインフルエンザウイルス
2. 調査、研究
を検出するためのイムノクロマトを試作し、インドネシア
等においてその有用性を確認した。
5類感染症は、経年的なサーベイランスが特に必要とさ
1)腸管感染性ウイルスに関する研究
れる疾患なので、例年通り大阪府内でのウイルスの検出を
中心に行った。大阪地区でのインフルエンザは、2005/06
1)大阪府内のベンチャー企業と共同でウイルス不活化効
シーズン後半の 4 月 5 月に Victoria 系統の B 型インフル
果のある天然除菌石鹸の開発を行った。無機クレイと植
エンザが散見した。2006/07 シーズンは 1 月から 3 月に
54
課別事業内容(ウイルス課)
かけて AH3 亜型と B 型が混合流行した。本シーズンの分
4)HIV 感染症に関する研究
離ウイルスは、いずれも本年度のワクチン株と類似した抗
原性を示した。インフルエンザ以外のウイルスとしてヒト
メタニューモウイルス、RS ウイルス、麻疹ウイルスの検
1)依頼検査において 98( 女性が 2 名、うち 1 名は外国人 )
出方法に技術改良を加えた。
名の感染者を確定したが、昨年より 22 名増加した。聞
さらに厚生労働科学研究費補助金インフルエンザワクチ
き取り調査により陽性者の多数を男性同性愛者が占め
ンの分析疫学研究班に参加し、今シーズンに分離されたウ
た。
イルスの抗原性およびワクチンの有効性について解析し
2)クリニックを定点とした疫学調査では、3,263 名中 25
た。また、学術振興会科学研究費補助金をえて、ワクチン
名の日本人男性 HIV 陽性者を見い出し昨年の 11 名より
の効果判定、流行期以外のインフルエンザウイルスの存
大幅に増加した。このことより積極的な疫学調査の重要
在様式、感染個体レベルでのウイルス変異について検討し
性が示唆された。
た。
(主担:加瀬、森川、高橋)
3)感染初期例が増加する傾向が著しくなっており、感染
の増大、また受け易い検査体制構築の試みが効果をしめ
3)衛生動物を介する感染症に関する研究
し始めていることが示唆された。
4)100 名の通院する HIV 感染者について薬剤耐性、体内
ウエストナイル熱に関する蚊のサーベイランス、カラス
ウイルスの変化を調べたところ薬剤耐性が見い出され、
等の死亡鳥類調査事業に健康づくり感染症課及び環境衛生
薬剤変更の必要性が示された。また、未治療患者からも
課とともに参画し、市街地に生息する蚊及びカラスから
耐性変異が見い出され、新規感染者への薬剤耐性ウイル
RT-PCR 法によるウイルス遺伝子の検出とウイルスの分離
スの拡大が示唆された。10 名からは悪性化ウイルスが
を試みた。蚊のサーベイランスについては総計 374 プー
検出され、エイズ発症を予測した治療を可能にできた。
ル、4,729 頭の蚊 ( 依頼検査分も含む ) について、また、
5)治療前の HIV 感染者体内から取り出したエイズ薬エ
カラスについては計 11 羽について調査を実施した。これ
ファビレンツに対する薬剤耐性に関与する遺伝子変異を
らの調査はすべて陰性の結果であったが、このような情報
もつ HIV を試験管内での培養実験で解析した結果、エ
の蓄積は防疫対策時に有用になると思われる。なお、ウエ
ファビレンツの投与によりその遺伝子変異に他の変異が
ストナイルウイルス遺伝子の検出方法については、LAMP
加わると薬剤耐性を獲得する可能性が示された。
法の応用についても引き続き検討した。
6)エイズ薬候補物質 157 件中 12 件について抗ウイルス
リケッチア症に関しては、一昨年ツツガムシ病患者が発
活性を認めた。また強い活性が見られた検体の作用機序
生した地域等において野鼠の捕獲調査を実施した。捕獲し
を検索したところ、細胞の第2ウイルス受容体に作用す
た野鼠類 (35 頭 ) 及びそれに寄生していたツツガムシ・マ
ることが確かめられた。
ダニ類 (917 頭 ) について PCR 法によるリケッチア遺伝子
7)二酸化塩素ガス溶存液(濃度長期保存型)が野性株
の検出を試みたが、これらの結果はすべて陰性であった。
HIV を不活化することが判明した。
しかし、リケッチア症の媒介種とされるフトゲツツガムシ
(主担:森、川畑、小島、大竹)
やタテツツガムシあるいはヤマトマダニの生息は確認され
5)腸管寄生性原虫に関する研究
ており、今後も警戒していく必要があると考えられた。
患者の診断においては、リケッチア症 2 例、デング熱 2
例の各疑い患者症例について遺伝子検出、抗体測定等の診
大阪府近郊に棲息するドブネズミ便からのクリプトス
断検査を試み、日本紅斑熱 1 例、デング熱 1 例の症例を
ポリジウム遺伝子の検出とその解析を行った。兵庫県西
確定することができた。
宮市内の都市部で捕獲された 50 頭のクマネズミを安楽
(主担:弓指、青山)
死させた後に直腸内の糞便約 0.2g を採取し、蛍光抗体
法によるオーシストの検索及び Cryptosporidium 共通の
55
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
SSUrRNA 遺伝子の一部約を増幅する Nested PCR 法を
7)ウイルスと環境化学物質の突然変異誘導に
関する研究
行った。PCR 増幅産物は direct sequencing により塩基
配列を決定し解析した。その結果、4 頭から蛍光抗体法
でオーシストが検出され(8.0%)、Nested PCR 法によ
1)B 型肝炎ウイルスの X 遺伝子を導入した umu 試験菌
り 19 頭 よ り Cryptosporidium 特 異 的 な SSUrRNA 遺 伝
株が DNA 損傷性を示すことから、X 蛋白質の DNA 損
子が検出された(38.0%)。Direct sequencing により決
傷作用を明らかにするため、その仮説として DNA ポ
定することが出来た 13 塩基配列について系統樹解析を
リメラーゼの関与について解析するために、大腸菌の
行った結果、それぞれの配列は 4 つのクラスターに分類
DNA ポリメラーゼ B 遺伝子欠損株を作成した。また、
された。このうち 7 配列が形成するクラスターは従来の
その菌株に X 遺伝子をコードするプラスミドを導入し
遺伝子型とは明らかに異なっており、ドブネズミに特有の
た umu 試験菌株も作成した。その結果、大腸菌の DNA
Cryptosporidium 遺伝子型の存在が示唆された。
ポリメラーゼ B 遺伝子欠損株に X 遺伝子を導入した株
(主担:木村)
は、対照株と同じ反応を示したことから、DNA ポリメ
ラーゼが X 蛋白質の DNA 損傷に関与していないことが
6)ヒトヘルペスウイルスに関する研究
わかった。
2)東京、大阪地域の表層土壌に強力な変異原として存在
急性脳炎、痙攣重積などの中枢神経症状が認められる患
する 3,6-Dinitrobenzo[e]pyrene は、ヒト型チトクロー
者髄液 30 検体についてヘルペスウイルスの検出を nested
ム P4503A4、P4501A1 及び P4501A2 酵素による酸化
PCR で行った。HSV は全例陰性、HHV6B 陽性が 2 例、
反応とさらにヒト型アセチル転移酵素 2 型によるアセ
VZV 陽性が 1 例であった。
チル転移反応を介して遺伝毒性を示すことを明らかにし
た。
HHV6 B陽性の 2 例はどちらも臨床的に突発性発疹の
(主担:小田)
症状が認められている。1 例は 11 ヶ月男児で、けいれん
8)花粉症対策のための基礎的研究
の群発と、体幹失調があった。もう 1 例は 1 歳 0 ヶ月男
児で意識消失発作、四肢脱力発作、および体幹失調を認め
た。どちらの事例も経過は良好で現在は軽快している。
1)2006 年度においては、大阪府立公衆衛生研究所の屋
VZV 陽性の事例は基礎疾患の治療のため免疫抑制剤服
上で花粉の観測を年間を通じて行った。その結果 2006
用中の 69 歳の事例で、帯状疱疹罹患中に意識障害を認め
年は予測通りスギ・ヒノキ花粉の飛散の少ない年であっ
た事例である。この事例もその後軽快しているが、免疫不
た。また、スギ・ヒノキ花粉以外に春の木の花粉では、
全状態にある症例では VZV による中枢神経症状にも注意
ヤシャブシ・イチョウ・コナラ・マツ・カバノキ科の花
を要する。
粉が多く観察された。夏と秋には、少ないながらもイネ
HHV6、HHV7 感染症は突発性発疹として小児期には
科・ヨモギ・ブタクサ・カナムグラの花粉が観察された。
ありふれた疾患であるが、中枢神経症状を伴うこともあり
2)観測データを用いスギ・ヒノキ花粉飛散状況をホーム
迅速な診断法の開発が望まれる。現在LAMP法による検
ページ上に折れ線グラフで表示し花粉飛散状況の解説と
査法を検討中で、ウイルス陽性検体を用いた増幅領域の検
注意の喚起を行った。
討をおこない、標的とする領域を決定した。(この事業は
3)2006 年度は、茨木・四条畷・藤井寺・泉佐野の4基
ニューバイオ研究事業による)
幹保健所との共同観測を行い大阪府の5地域の地域差を
昨年に引き続き、先天性サイトメガロ感染症が疑われる
解析した。また、
そのデータを地域差が分かるようにホー
児の臍帯から抽出したDNAを用いてPCR法でCMVD
ムページ上にスギ・ヒノキの飛散状況をアイコンを使っ
NAの検出を試みた。10 例中 2 例でCMVDNAが検出
て表示した。
され、先天性CMV感染症の確定診断の一助となった。
4)夏におけるイネ科の花粉を、秋におけるブタクサ・ヨ
(主担:宮川)
モギ・カナムグラの花粉の予報と花粉飛散状況の解説を
56
課別事業内容(ウイルス課)
ホームページ上に行った。
(主担:西村)
府地域福祉推進財団)
H18.11.13
3. 会議、委員会、研修、特許等
山崎
感染症予防対策講習会講演 (大阪府社会
福祉協議会)
H18.12.7
大阪公衆衛生協会
森川
衛生教育公開セミナー
講演
1)会議・委員会・研究会等の出席
H19.2.2
大阪府立消防学校
加瀬
専科教育特殊災害科講
義(バイオテロ対策)
H.18.6.20
平成 18 年度防除作業従事者研修会講演
( 大阪ビルメンテナンス協会 )
H18.7.5
神戸市感染症発生動向調査定点研修会講演
『大阪府における感染症発生動向調査の取
り組み』
H19.2.23
宮川
宮川
成人病センター組み換え DNA 安全委員会
平成18年度保健師研修会講演「感染症
コース(結核以外の感染症)」
H18.11.1
弓指
感染症発生動向調査委員会(大阪府・大阪
市・堺市・高槻市・東大阪市)
H18.7.27
H19.2.8
川畑
加瀬
加瀬
H19.3.2
感染症予防対策講習会講演 (午前:大阪
大阪府保健所検査技師全体研修会講演
加瀬
府地域福祉推進財団)(午後:大阪府社会
福祉協議会)
H18.11.7
感染症予防対策講習会講演 (大阪府地域
福祉推進財団)
H18.11.7
2)研修の受講
加瀬
加瀬
H19.1.22
感染症・食中毒防止対策研修会講演 「ノ
厚生労働省主催研修会『新型インフルエン
ザその現状と対策について』
ロウイルスによる食中毒、感染症」
(大阪
57
宮川、森川、加瀬
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
食
品
化
学
課
食品化学課の日常業務では健康福祉部食の安全推進課、各保健所と協力して化学分析を基盤に食品の安全性を確保する目
的で、食品添加物、農薬、PCB、動物用医薬品、カビ毒、遺伝子組換え食品、有害性金属、牛乳、食品用器具・容器包装等
の分析や規格検査を行った。さらに、府民の関心事となっている遺伝子組換え食品及びアレルギー物質(特定原材料)につ
いては、検査法の技術開発と改良を行った。また、保健所に持ち込まれる消費者からの苦情食品の化学分析を行い、原因究
明と対策についての基礎的調査を行った。さらに、大阪府の検査機関(保健所、市場食品衛生検査所等)で陽性、疑陽性と
なった検体の再検査を行う確認検査も実施した。
平成 15 年 5 月の食品衛生法の改正により、平成 18 年 5 月 29 日から施行された「農薬等のポジティブリスト制度」に
対応すべく農薬等の分析法の見直し改良を行い、平成 19 年 2 月の農薬検査から、従来の 72 項目から 132 項目に農薬数を
増やして検査を行った。さらに、動物用医薬品についても年度当初から従来の 11 項目から 19 項目に増やして検査を行った。
平成 9 年 4 月から導入された業務管理基準(GLP)についても引き続いて、分析法の再検討を行うと共に各種標準作業
書の作成及び既存分析機器の整備等に取り組んだ。本年度に作成した標準作業書リストを表 3.1.1 に示した。
食品化学課が参画した調査研究事業では、大阪府母乳栄養推進事業において母乳中の残留性有機汚染物質(有機塩素系化
合物等)の分析を行った。公衆衛生研究所事業では輸入食品の安全性評価事業費を受けて、農薬の一斉分析法の改善、確立
に努めた。厚生労働省関連では、国立医薬品食品衛生研究所の研究班参画及び厚生労働科学研究を実施した。
本年度実施した検査業務の内容を表 3.1.2 に示す。使用基準違反、
不正使用等の不良食品件数は 1,680 検体中 10 件であっ
た。本年度の検体数は前年度と較べて若干増加し、
「農薬等のポジティブリスト制度」に対応すべく検査農薬数を増やした
ため、検査総項目数は約 7,000 項目増加した。また、検査項目が遺伝子組換え食品の検査あるいはアレルギー物質の検査
等難度の高い複雑なものに移行しており、業務量が激増したと言える。今後とも関係各機関の協力を得てさらに充実した効
率的な行政検査及び調査研究を行いたいと考えている。
の混入についても 20 検体を検査したが、全て陰性であっ
1. 行 政 検 査
た。
(主担:吉光、粟津)
2)アレルギー物質の検査
1)遺伝子組換え食品の検査
食品アレルギーの原因となる小麦、乳、卵、そばの 4
遺伝子組換え食品中の DNA の分析を、大豆、豆腐、油
品目の混入について検査した。乳について 8 検体、そば
揚げ、きな粉などの大豆加工食品 19 検体、コーンスター
について 11 検体、卵について 4 検体を検査したがすべて
チなどのとうもろこし加工食品 14 検体について行った。
陰性であった。小麦について 7 検体検査したが、米粉 1
大豆加工食品では、豆腐げ 1 検体から組換え遺伝子を検出
検体が陽性を示した。この米粉については、検体採取時に
した(混入率 0.2%)。とうもろこし加工食品 14 検体をス
小麦成分が混入した可能性が考えられた。
(主担:北川幹、粟津)
クリーニング検査したが、違反は認められなかった。とう
もろこし加工食品については、未承認組換え遺伝子(Bt10)
58
課別事業内容(食品化学課)
表 3.1.1
食品化学課における検査等に係わる標準作業書等書類
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(2) 防かび剤(イマザリル (IMZ)、ジフェニル (DP)、
3)食品添加物
オルトフェニルフェノール (OPP)、チアベンダ
ゾール (TBZ))の検査
(1) 保存料(ソルビン酸、PHBA 等)
輸入果実 14 検体(グレープフルーツ 10、オレンジ 3、
野菜果実加工食品、漬物、食肉加工食品、菓子など合
レモン 1)につき防かび剤の検査を行った。14 検体のう
計 56 検体についてソルビン酸、安息香酸、デヒドロ酢酸、
ち IMZ が使われていたものが 12 検体で、そのうち 3 検
PHBA イソブチル、PHBA イソプロピル、PHBA エチル、
体は TBZ も使われていた。DP と OPP はどの検体からも
PHBA ブチル、PHBA プロピルの検査を行ったが、イカ
検出されなかった。また、防かび剤使用なしの表示のあっ
塩辛 1 検体からソルビン酸が 0.03g/kg 検出された。当該
たグレープフルーツとオレンジのそれぞれ 1 件からは表
品の製造記録などを調査した結果、ソルビン酸使用不許可
示通り防かび剤が検出されなかった。検出された防かび剤
の原材料にソルビン酸を使用しており、イカ塩辛も使用基
は全て基準値以下で、その検出値のレベルは、IMZ:0.0006
準違反と判断された。
~ 0.0019g/kg、TBZ:0.0003 ~ 0.0015g/kg である。
( 主担:住本、村田、高取、北川陽、柿本幸、岡本 )
(主担:尾花、吉光、粟津)
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食品化学課行政検査業務実績
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平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
課別事業内容(食品化学課)
(3) 着色料
(10) 乳化剤(ポリソルベート)
菓子、野菜加工食品、穀類加工食品、果物加工食品、漬
ポリソルベ-トは我が国では使用禁止の乳化剤である。
物、調味料、蜂蜜等 40 検体について検査を実施したが違
今回、中国、タイ、アメリカ、ニュージーランド等 11 ヶ
反は認められなかった。
国から輸入されたソース類、調味料、菓子類など 28 検体
(主担:北川幹、粟津)
について検査を行ったが、いずれからも検出されなかっ
(4) 発色剤(亜硝酸ナトリウム)
た。
(主担:尾花、吉光)
ハム、ソ-セ-ジ、たらこ、明太子等 30 検体について
4)残留農薬およびPCB等の検査
検査を行った。その内、27 検体から亜硝酸を検出したが
違反は認められなかった。
(主担:北川幹、粟津)
(5) 漂白料(亜硫酸)
(1) 牛乳及び乳製品
かんぴょう、はるさめ、漬物、レンコンの水煮等 56 検
牛乳、加工乳 15 検体について PCB の測定を行ったが、
体について検査したが、違反は認められなかった。
いずれからも検出されなかった(0.01 ppm 未満)
。また、
(主担:尾花、吉光、粟津)
牛乳 15 検体中のα -BHC、β -BHC、γ -BHC、総 BHC、
o,p' -DDD、p,p' -DDD、o,p' -DDE、p,p' - DDE、o,p' -DDT、
(6) 甘味料(サッカリンナトリウム)
p,p' -DDT、総 DDT、ヘキサクロロベンゼン (HCB)、ヘプ
漬物、清涼飲料水、菓子、魚肉練り製品、惣菜等の 56
タクロル、ヘプタクロルエポキシド(HCE)
、アルドリン、
検体について検査した。その結果、違反は認められなかっ
た。
ディルドリン、エンドリンを分析したがいずれも定量下限
(主担:尾花、吉光、粟津)
(0.001ppm)以下であった。
(主担:小西、阿久津)
(7) 甘味料(サイクラミン酸ナトリウム)
(2) 魚介類
サイクラミン酸ナトリウムは我が国では使用禁止の合成
魚介類 20 検体について PCB の測定を行った。いずれ
甘味料である。果実加工食品、漬物、穀類加工食品、魚介
も検出下限(0.01ppm)以下であった。また、水産加工
加工食品、調味料、菓子等 28 検体について検査を行ったが、
品 10 検 体 に お い て、 α -BHC、 β -BHC、 γ -BHC、 総
いずれからも検出されなかった。
BHC、o,p' -DDD、p,p' -DDD、o,p' -DDE、p,p' - DDE、
o,p' -DDT、 p,p' -DDT、総 DDT、ヘキサクロロベンゼン
(主担: 池辺、尾花)
(HCB)、ヘプタクロル、ヘプタクロルエポキシド(HCE)、
(8) 酸化防止剤(BHT、BHA)
アルドリン、ディルドリン、エンドリンを分析した。その
魚介加工品 20 検体について BHT および BHA を検査し
結果、たこ加工品からごく微量の DDT 類(総 DDT とし
た。その結果、いずれの検体からも検出されなかった。
て 0.012ppm)
、からすがれい加工品からごく微量の BHC
(主担:尾花、北川幹)
(総 BHC として 0.003ppm)
、ディルドリン(0.009ppm)、
DDT 類(総 DDT として 0.007ppm)を検出した。その
(9) 酸化防止剤(t - ブチルヒドロキノン:TBHQ)
他は定量下限(0.001ppm)以下であった。
TBHQ は我が国では使用禁止の酸化防止剤である。中
船底塗料や漁網用防汚剤などに使用されるトリブチルス
国、韓国、マレーシア等 10 ヶ国から輸入された菓子、野
ズ(TBT)およびトリフェニルスズ(TPT)の残留分析を行っ
菜加工食品、調味料等 20 検体について検査を行ったが、
た。魚介類 20 検体のうち1検体(養殖真鯛)から TBTO
いずれからも検出されなかった。
を検出した(塩化トリブチルスズとして 0.03ppm)
。その
(主担:尾花、北川幹)
他は定量下限(0.02ppm)以下であった。
(主担:田口、阿久津)
61
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
含窒素系・カーバメート系農薬(15 項目)
:クロルプロ
(3) 食肉、食鳥、食鳥卵
ファム、ピリミカルブ、ジエトフェンカルブ、キノメチオ
牛 肉 4 検 体、 豚 肉 3 検 体、 鶏 肉 3 検 体、 鶏 卵 10 検
ネート、フルトラニル、メプロニル、イプロジオン、イソ
体の PCB を測定したが、いずれからも検出されなかっ
プロカルブ、カルバリル、フェノブカルブ、ベンダイオカ
た(0.01ppm 以下)。また、牛肉、豚肉、鶏肉、各 5 検
ルブ、プロポキスル、オキサミル、ビテルタノール、テブ
体(計 15 検体)についてα -BHC、β -BHC、γ -BHC、
フェンピラド。
δ -BHC、総 BHC、HCB、o,p' -DDD、p,p '-DDD、o,p' -DDE、
ピレスロイド系農薬(9 項目)
:テフルトリン、シハロ
p,p' -DDE、o,p' -DDT、 p,p' -DDT、総 DDT、ヘプタクロル、
トリン、シペルメトリン、デルタメトリン、フルシトリネー
HCE、アルドリン、ディルドリン、エンドリンを分析し
ト、ペルメトリン、フェンバレレート、シフルトリン、フ
た。その結果、いずれも定量下限 (0.001ppm) 以下であっ
ルバリネート。
た。また、ハム、ソーセージなど畜産加工品 20 検体につ
農薬が検出された食品と農薬の残留値を表 3.1.3 に示し
い て α -BHC、 β -BHC、 γ -BHC、 δ -BHC、 総 BHC、
た。10 月の収去品中、しょうがから総 BHC として残留
HCB、o,p' -DDD、p,p' -DDD、o,p' -DDE、p,p' -DDE、o,p' -
基準値 0.01ppm を超えて、0.06ppm が検出された。他
DDT、 p,p' -DDT、総 DDT、ヘプタクロル、HCE、アル
の検出された農薬はすべて基準値以下であった。
( 主担:住本、村田、高取、北川陽、柿本幸、岡本 )
ドリン、ディルドリン、エンドリンを分析したが、いずれ
も定量下限 (0.001ppm) 以下であった。
(5) 国内産農産物の残留農薬検査
(主担:小西、阿久津)
流通市場で販売されている国内産野菜、果物、穀類 154
(4) 輸入農産物の残留農薬検査
検体について残留農薬の検査を行った。平成 19 年 1 月ま
野菜・果実・穀類及びその加工品等 148 検体について、
では輸入農産物と同じ農薬項目を測定した。但し、米(玄
有機塩素系農薬、有機リン系農薬、含窒素系農薬、カーバ
米)のみオキサミルを追加し検査をおこなった。本年度 5
メート系農薬及びピレスロイド系農薬等 79 農薬(11,692
月より食品衛生法の改定により、ポジティブリスト制度が
項目)の分析を 4 月、6 月、8 月、10 月、1 月に行った。
施行され、個別の食品について 799 農薬等に残留基準が
有機塩素系農薬(21 項目):BHC(α , β , γ , δとそ
設定された。監視の強化のため検査農薬の種類を増加する
の総和)、DDT(p,p' -DDT、p,p' -DDE、p,p' -DDD、o,p' -DDT
必要があり、2 月より検査農薬を 132 種類とし検査を行っ
とその総和)、ヘプタクロル、ヘプタクロルエポキサイド、
た。表 3.1.4 に 2 月に実施した農薬名を示した。一律基
ディルドリン、アルドリン、エンドリン、キャプタン、ク
準値が 0.01ppm に設定されたため定量下限値も 0.01ppm
ロルベンジレート、カプタホール、ジコホール、プロシミ
に設定した。但し、食品により基準値が 0.005ppm に設
ドン、クロロタロニル。
定があるエトプロホスとテルブホスについては定量下限値
有機リン系農薬(34 項目):ジクロルボス、ダイアジノ
を 0.005ppm とした。野菜、果物類は 5 月、7 月、11 月
ン、ジスルホトン、クロルピリホス、クロルピリホスメチ
に 102 検 体(8058 項 目 )
、2 月 に 42 検 体(5502 項 目 )
ル、ジメトエート、マラチオン、フェントエート、フェニ
を穀類は玄米 10 検体(800 項目)を 11 月に検査した。1
トロチオン、パラチオン、パラチオンメチル、フェンチオ
月までの検査で農薬が検出された食品と農薬の残留値を表
ン、プロチオホス、クロルフェンビンホス(E 体と Z 体の
3.1.5 に示した。2 月の検査で農薬が検出された食品と農
総和)、EPN、ピリミホスメチル、ホサロン、メチダチオン、
薬の残留値を表 3.1.6 に示した。42 検体中、のべ 21 農
ジオキサベンゾホス、エチオン、スルプロホス、キナルホ
薬が 12 検体から検出され、2 月の検査から実施項目の農
ス、エトプロホス、テルブホス、エトリムホス、エディフェ
薬アセタミプリドが 4 検体から検出されたほか、クレソ
ンホス、トルクロホスメチル、イソフェンホス、イソキサ
キシムメチル、シフルフェナミド、フェナリモル、メソミ
チオン、ピリダフェンチオン、ブタミホス、イプロベンホ
ル、メタラキシル、メパニピリムの新検査項目である農薬
ス、ジクロフェンチオン、アセフェート。
が検出された。従来からの検査農薬も新検査農薬も検出さ
62
課別事業内容(食品化学課)
表 3.1.3
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輸入農産物から検出された農薬とその原産国
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れた農薬はすべて基準値以下であった。
(2) 魚介類中の水銀検査
( 主担:住本、村田、高取、北川陽、柿本幸、岡本 )
魚介類の総水銀含有検査を 50 検体(国産 25 検体、輸
(6) 産地直送農産物の検査
入 25 検体)実施した。その結果、総水銀含有量は全て暫
生産地から直接に消費者に流通される野菜及び果実等
定規制値(0.4ppm)以下であった。
(主担:北川幹、吉光、野村)
10 検体(790 項目)について、7 月に残留農薬検査を行っ
た。この結果、農薬が検出された食品と農薬の残留量を表
(3) 清涼飲料水の重金属検査
3.1.7 に示したが、すべて基準値以下であった。
( 主担:住本、村田、高取、北川陽、柿本幸、岡本 )
清涼飲料水 8 製品についてカドミウム、鉛、ヒ素、ス
ズの分析を行った。その結果、すべて規格に適合してい
5)食品中の金属検査
た(カドミウム、鉛、ヒ素:検出してはならない;スズ:
150ppm 以下)
。
(1) 玄米の重金属検査
(主担:池辺、吉光)
6)動物用医薬品の検査
平成 18 年度産玄米(10)検体中のカドミウム含有量の
検査を行ったところ、ND ~ 0.08ppm の範囲で全て規格
(1) 合成抗菌剤の検査
値(1.0ppm)以下であった。
(主担:池辺、野村)
鶏卵 14 検体(5 月)
、に魚介類 25 検体(6 月)
、豚肉 15
63
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 3.1.4
平成 18 年 2 月収去での検査農薬名
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課別事業内容(食品化学課)
表 3.1.5
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国産農産物から検出された農薬とその産地
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検体(8 月)、牛肉 4 検体(8 月)についてサルファ剤系
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定量下限(0.02ppm)以下であった。
(主担:起橋、柿本健、藤田)
抗菌剤の検査を実施した。5 月にはスルファモノメトキシ
ン、スルファジメトキシン、スルファメラジン、スルファ
(2) テトラサイクリン系抗生物質
ジミジン、スルファキノキサリンの 5 種類について実施
し、6 月以降はスルファメラジン、スルファジミジン、ス
魚介類 10 検体(6 月)
、牛乳 15 検体(11 月)につい
ルファモノメトキシン、スルファジメトキシン、スルファ
てテトラサイクリン系抗生物質
(オキシテトラサイクリン、
キノキサリン、スルファクロルピリダジン、スルファメト
テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、ドキシサイ
キサゾール、スルファドキシンの 8 種類について実施した。
クリン)を測定した。その結果、魚介類はいずれも検出下
その結果、いずれも定量下限(0.01ppm)以下であった。
限以下(0.01ppm)であった。牛乳はいずれも定量下限
鶏卵 14 検体(5 月)、魚介類 25 検体(6 月)、豚肉 15
以下(0.01ppm)であった。
(主担:田口、柿本健、藤田)
検体(8 月)、牛肉 4 検体(8 月)についてキノロン系抗
菌剤オキソリン酸の検査を実施した。その結果、いずれも
65
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 3.1.6
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2月収去の国産農産物から検出された農薬とその産地
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(3) 肥育用ホルモン剤
7)その他の食品の検査
牛肉 10 検体(2 月)についてβ – トレンボロンおよび
ゼラノールの検査を実施した。その結果、いずれも定量下
(1) マイコトキシンの検査
限(β - トレンボロン 0.002ppm、ゼラノール 0.002ppm)
以下であった。
穀類及びその加工品(コーン、ビーフン等)
、ナッツ類
(主担:田口、柿本健、藤田)
及び豆類とその加工品(落花生、春雨等)24 検体につい
てアフラトキシンを測定した。その結果、いずれからも規
(4) 駆虫剤
制値(10ppb)を超えて検出されなかった。
牛肉 10 検体(2 月)についてトリクラベンダゾール残
また、リンゴジュース 15 検体についてパツリン検査を
留物の検査を行い、いずれも定量下限(ケトトリクラベ
実施したが、
基準値(0.050ppm)超えて検出されなかった。
ンダゾールとして 0.01ppm)以下であった。また、鶏卵
( 主担:住本、村田、高取、北川陽、柿本幸、岡本 )
14 検体(5 月)および豚肉 15 検体(2 月)についてフ
(2) ヒスタミンの検査
ルベンダゾールの検査を行い、いずれも定量下限(豚肉
0.002ppm、鶏卵 0.04ppm)以下であった。
イワシ加工食品、あじ加工食品、さんま加工食品、さば
(主担:田口、柿本健、藤田)
加工食品など 20 検体について検査を実施したが、いずれ
の検体からも検出されなかった。
66
(主担:尾花、吉光)
課別事業内容(食品化学課)
表 3.1.7
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産地直送品の農産物から検出された農薬とその産地
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(3) 牛乳及び加工乳の成分規格検査
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9)確認検査
乳の成分規格の検査を 4 月、11 月の 2 回に分け、牛乳
36 検体、加工乳(乳脂肪分 3%以上)6 検体、加工乳(乳
年間事業計画に従った検査、研究業務の他に、必要の都
脂肪分 3%未満)2 検体の計 44 検体について実施した。
度行われるものとして確認検査がある。これは他府県市で
すべてが規格に適合していた。
不良品と認められた食品の再検査や、保健所、卸売市場食
(主担:田口、起橋)
品衛生検査所、
食肉衛生検査所などでの予備試験で陽性(残
8)器具、容器包装
留基準違反など)であった検体の再検査を行うもので、本
年度は 1 事例について実施した(表 3.1.8)
。本検査は行
政処分に至る可能性も高く、不定期に検査の必要が生じ、
(1) 合成樹脂製の器具又は容器包装
結果が早急に要求されることが多い。
ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)を主成分と
本年度の事例では、2 月に食品衛生監視員が食品製造会
するポリ袋、食品容器等 20 検体についての規格検査を行っ
社を調査したところ、許可されていない食品の製造にサッ
た。カドミウム、鉛、過マンガン酸カリウム消費量、重金
カリンが使用していた。サッカリン使用範囲の確認と、是
属、蒸発残留物の検査を行ったが全て適合であった。
正改善された食品への不使用を確認するために 26 検体検
(主担:池辺、野村)
査したところ、お好み焼粉など 7 検体からサッカリン 0.01
~ 0.85g/kg を検出した。
ポリスチレン(PS)を主成分とする豆腐容器、総菜容
( 主担:食品安全室 )
器等 20 検体についての規格検査を行った。カドミウム、
鉛、
10)苦情食品の検査
過マンガン酸カリウム消費量、揮発性成分、重金属、蒸発
残留物の検査を行ったが全て適合であった。
(主担:池辺、野村)
苦情食品の処理過程において、食品衛生行政に対する信
ポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とするペッ
頼の確立が得られるように検査体制を維持するよう努力し
トボトル、卵容器等 20 検体についての規格検査を行った。
ている。検査結果は表 3.1.9 にまとめた。
カドミウム、鉛、過マンガン酸カリウム消費量、蒸発残留
2.依 頼 検 査
物、重金属、アンチモン、ゲルマニウムの検査を行ったが
全て適合であった。
(主担:池辺、野村)
輸入ガラス器具(コップ等)、輸入陶磁器(皿等)10 検
高槻市が平成 15 年 4 月に中核都市に移行し、これに伴
体のカドミウム、鉛の規格検査を行ったが全て適合であっ
い高槻保健所に関しては、従来の行政検査が依頼検査とな
た。
り依頼検査を行った。なお、堺市及び東大阪市に関して
(主担:池辺、野村)
蛍光染料の検査:紙皿、クッキングペーパー等の蛍光染
は遺伝子組換え食品の依頼検査を行った。検査結果は表
料の検査を 19 検体について実施した。その結果、いずれ
も蛍光染料を検出しなかった。
3.1.10 にまとめた。
(主担:池辺、尾花)
67
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 3.1.8
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未加熱の豆に対し 50%程度のレクチン活性の残存が認
3.調 査、研 究
められた。レクチン活性を評価する方法には赤血球凝集
試験が汎用されるが、定量的ではない。レクチン活性と
加熱の相関を評価するため、ウエスタンブロット法を用
1)食品添加物等に関する衛生学的研究
いて定量を試みたが夾雑物による影響が大きかった。
(3) ヒスタミン中毒
(1) 検査法の改善
ヒスタミン分析の迅速化を試みるため、酵素によるヒス
一部の分析試料に対して脆弱性のあった、亜硝酸根、ヒ
タミンの分解を利用した市販キットを用いる方法(市販
スタミン(HPLC 法)、ポリソルベート等の分析操作を
キット法)と、HPLC 法を比較検討した。その結果、市
再検討し検査作業書を改訂した。保存料とサッカリン検
販キット法は迅速に結果が得られ、その分析値は HPLC
査では、HPLC 分析条件の移動相を共通化し分析時間を
法とほぼ同じ傾向を示したことから、ヒスタミン中毒発
短縮した。
生時のスクリーニング検査として有用であると結論し
(2) 白インゲン豆による健康被害
た。
平成 18 年 5 月、白インゲン豆による健康被害が全国的
( 主担:尾花、池辺、北川幹、吉光、野村、粟津 )
に発生した。大阪府下においても健康被害の訴えがあり、
68
課別事業内容(食品化学課)
表 3.1.9
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た。C18 カラムを使用し、R、S 型の 2 種類の異性体を分
2)食品の放射線照射に関する研究
離測定できる条件を設定した。
照射食品中のジヒドロチミジン測定を、DNA の抽出、
ジヒドロチミジンについては、DNA に放射線照射する
ヌクレオシドへの分解、LC/MS/MS 測定の 3 段階で行う
と生成することが放射線生物の分野などで知られている
こととしたが、DNA の抽出については収率や再現性の点
が、食品中のジヒドロチミジンを定量的に分析するという
で解決できていない。植物試料での抽出に問題があるが、
観点からの報告がないために、基礎的な事項から検討した。
それは植物細胞の細胞壁をうまく破壊できないためと推察
測定系の検出限界を ppb レベルと設定したところ、LC/
される。
MS では感度が足りず LC/MS/MS による測定が必要となっ
照射によるジヒドロチミジンの生成は、チミジンやサケ
69
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 3.1.10
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行政依頼による検査結果
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精子 DNA にγ線を照射したところ線量依存的な生成が確
困難な試料で有効であった。また、これらの抽出法の検
認された。一方食品を含む非照射試料においては、検出限
討結果をふまえ、遺伝子組換えとうもろこし Bt10 の検
界以下の痕跡程度が検出された。ジヒドロチミジンの照射
査実施標準作業書を作成した。
特異的生成を確認するために、DNA を酸化還元的に化学
(2) ダイエット用食品中の遺伝子組換えパパイヤ検出の検
反応処理をすると、水素化ホウ素ナトリウム添加により少
討
量生成が認められ、照射特異的な生成物でないが日常的な
パパイヤおよびその抽出物等を原料に用いたダイエッ
環境下では検出頻度が低い物質であると推察され、検知指
ト用食品から DNA を抽出し、パパイヤ由来遺伝子およ
標としての適性を持つと結論した。
び遺伝子組換えパパイヤ導入遺伝子の検出を検討した。
( 主担:尾花 )
DNA 抽出法を検討した結果、Genomic-tip、reCTAB-S
3)遺伝子組換え食品に関する研究
maxi、DNA Stool Mini Kit、CTAB 法が他の抽出法よ
(1) 新規 DNA 抽出法の検討
りも良好な結果を示した。また、パパイヤ由来遺伝子が
キ ア ゲ ン DNA Stool Mini kit、 ニ ッ ポ ン ジ ー ン GM
検知された試料から遺伝子組換えパパイヤは検知されな
quicker、Promega Wizard Magnetic DNA Purification
かった。パパイヤ由来遺伝子を検知する DNA 増幅部位
System、医学生物学研究所 reCTAB-S の 4 種の DNA
が、加工による影響を受けやすいことが示唆された。
抽出キットを大豆、とうもろこし、パパイヤおよびその
( 主担:吉光、北川幹、野村、粟津 )
加工品に用いて検討した。その結果、DNA Stool Mini
4)加工食品中の特定原材料の分析法開発およ
び実態調査
Kit および GM quicker は他の抽出法と比較して抽出時
間が短く、抽出操作が簡単であった。他方、DNA Stool
Mini Kit および reCTAB-S は他の抽出法で DNA が抽出
(1) 通知法の改定による分析法の検討
70
課別事業内容(食品化学課)
平成 17 年 10 月に通知法が変更となった。新規分析法
(3) 行政検査における残留農薬分析法については、この数
となったことにより新たに問題が発生した試料につい
年試料採取量を 10g、抽出溶媒をアセトニトリル 20mL
て、分析法の改良を検討し検査標準作業書に反映させた。
と小規模にし、50mL 使い捨て遠心管容器内で抽出、脱
また、同様の事例について他の地研と意見交換を行い、
水、遠心分離を行って分析時間を短縮した分析方法を検
共同で分析法を検討していくこととした。
討してきた。固相カラムの条件検討を行い、分析対象農
平 成 18 年 6 月 に 再 度 通 知 法 が 変 更 と な り、 現 行 の
薬数を増やした。測定は GC/FPD 及び GC/MS で平行し
ELISA キットについてもバリデーションが必要となった
て行い、現行分析法とほぼ同等の精度が得られた。本法
ため、キットメーカー(日本ハム)とともにバリデーショ
は従来法よりも短時間に多くの検体を分析できることが
ン試験を行った。
判明した。
( 主担:住本、村田、高取、北川陽、柿本幸、岡本 )
(2) Profilin の ELISA 系の開発
果実・ラテックスアレルギーの原因タンパクである
6)内分泌かく乱化学物質に関する研究
Profilin の検出を目的として、ELISA 系の開発を検討し
た。しかし、現在市販されている抗体では種依存的選択
性が高く、広範な果実類等の検出には不適当であった。
(1) フタル酸モノエステル類について:フタル酸エステル
( 主担:北川幹、吉光、野村、粟津 )
類は生活環境中に多用されており、食品や空気を介して
日常的な曝露が危惧される。とくに胎児に対して毒性を
5)食品中の残留農薬に関する研究
示すことから、胎児の曝露状況を調べることとした。そ
こで血清中の高精度分析法を開発し、母子関係が明確な
(1) 厚生労働科学研究費補助金研究(食品の安心・安全確
母体血清及び臍帯血清中のフタル酸モノエステル類につ
保推進研究事業)の分担研究として、
「農薬等のポジティ
いて分析した。その結果、母体血清及び臍帯血清間で当
ブリスト化に伴う検査の精度管理に関する研究」を行っ
該化学物質の濃度差は認められなかった。従って、当該
た。当研究所の他 8 地方衛生研究所の参加協力を得て、
化学物質は、直接胎盤を通じて胎児に移行する可能性が
検査の信頼性確保のための精度管理試験(外部精度管理
示唆された。
及び内部精度管理)を実施した。また、検査精度を維持
(2) フタル酸ジ 2- エチルヘキシル (DEHP) について:新
するために必要な要因(標準品、分析法、分析機器)に
生児体表上にある胎脂中の DEHP 分析法を開発し測定
ついて検討を行った。外部精度管理では、一律基準値
した。その結果、血清中の DEHP 濃度を大きく上回る
(0.01ppm)付近の低濃度の添加農薬を含めた延べ 12
濃度が検出された。従って、胎脂中には妊娠6ヶ月目以
種類の結果は、全機関が添加農薬をすべて正しく検出し
降に曝露された DEHP が蓄積されている可能性が示唆
た。内部精度管理では、添加回収率及び HorRat 値を求
された。
めた評価で、全機関の分析法の妥当性が示された。また、
(3) イソフラボン類について:育児粉乳の一部には、大豆
クライテリアサンプルで GC/MS 装置の性能評価を行っ
を原材料に含むものがある。大豆中には、女性ホルモン
たところ、全機関ともほぼ正常に近いメンテナンス状態
様作用を有するイソフラボン類が含まれる。そこで育児
で測定が行われていた。今回の精度管理の結果から、
「正
粉乳及び離乳食に含まれるイソフラボン類濃度を測定す
確な ( 一定の ) 標準品」を用いて「適正な分析法」を実
るため、LC/MS/MS を用いた高精度分析法を開発して
施し「正常な状態の分析装置」で測定することによって、
いる。
信頼性ある検査データが得られることが示唆された。
(4) ホルモン様作用の評価について:酵母 Two-Hybrid 法
(2) 地研全国協議会近畿支部理化学部会の共同研究であ
及び Co-A BAP 法を比較し、それぞれの有する特長を
る「化学物質モデルにおける多検体迅速一斉検査の精
明らかにした。これらの特長を踏まえて適正使用するこ
度管理等の検討」に参加し、厚生労働省案の一斉試験法
とで、より正確なホルモン様作用の評価が可能となった。
( 主担:高取、北川陽、岡本 )
(LC/MS/MS)のバリデーションを検討した。
71
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 3.1.11 国内研修受け入れ状況
5
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7)食品中及び母乳に残留する微量有害物質に
関する研究
8)母乳中の残留性有機汚染物質(POPs)と
その代謝物に関する研究
(1) LC/MS/MS による食品中のテトラサイクリン系抗生物
当 研 究 の 基 礎 と な る、 母 乳 中 の POPs 濃 度 の 測 定 は
質の分析では、共存する生体成分のマトリックス効果の
1972 年より継続調査しており、その母乳試料(乳脂肪)
ために正しい定量値を得ることが困難であった。今回、
の一部を冷凍保存している。
抽出や精製の条件等を詳細に検討して、マトリックス効
(1) 平成 13-15 年度の科学研究費補助金による研究により、
果を排除することに成功した。さらに安定同位体内標準
母乳中の PCB 同族体・異性体別の濃度を明らかにし、そ
物質法を用いることにより、簡易でより正確な測定が可
の化合物別の母乳中濃度の経年推移を明らかにした。その
能となった。
結果、塩素数、塩素置換位置により、生体内蓄積性が大き
(2) 水産油脂を原料とした食品および医薬品を対象とした
く異なり、人体内動態の特徴を見いだした。また、母乳中
残留性有機ハロゲン汚染物質の一斉分析法を開発し、市
に存在する主な異性体と摂取食事との関係から、異性体別
販品の汚染実態調査を行った。その結果、一部の試料か
の吸収および代謝に関する推測を得ることが出来た。
ら有機塩素系農薬(ヘキサクロロベンゼン、クロルデン
(2) 臭素系難燃剤の PBDE についても、母乳中同族体・異
類、DDT 類)や PCBs、臭素系難燃剤(PBDEs)が検
性体別の濃度を測定し、経年推移を明らかにした。
出されたが、その濃度は健康影響上直ちに問題となるレ
(3) 水酸化 PCB については、市販されている標準品が少な
ベルではなかった。
く、水酸化 PCB を異性体別に同定することが困難であっ
(3) 大阪府母乳栄養推進事業に基づき母乳中の環境汚染物
たが、近年徐々に市販標準品も増えてきている。しかしな
質を測定し報告した。
がら、抽出等の分析法に若干の改良が必要である。水酸化
(4) 食品中の PCB の検査法について、常温アルカリ分解法
PBDE については、市販標準品が少なく未だ分析に至って
を検討して良好な結果が得られたので、これにより検査標
いない。
( 主担:小西、北川幹、阿久津、柿本健 )
準作業書を改定した。
4.教育、研修
( 主担:田口、桑原、小西、起橋、阿久津、柿本健、藤田 )
表 3.1.11 を参照
72
課別事業内容(食品化学課)
取り組み-」について講演
5.会議、委員会、研究会等の出席
H18.11.16
( 田中 )
食の安全・安心大阪府民会議 ( 第 10 回食
品衛生監視指導計画検討委員会 ) に出席
H18.8.31
学部会世話人会に出席
H18.9.11
和歌山県工業技術センターで「遺伝子組換
え食品検査の現状」について講演 (吉光)
H19.1.18
(田中、小西、阿久津)
第 15 回消費者委員会及び第 11 回食品衛生
監視指導計画検討委員会の合同会議に出席
全国衛生化学技術協議会年会 ( 幹事会、理
事会 ) に出席
H18.11.8
H18.12.12
( 田中 )
平成 18 年度大阪府母乳栄養推進事業検討
委員会に出席
H18.11.1
( 田中 )
平成 18 年度地研全国協議会近畿支部理化
( 田中 )
( 田中 )
H19.2.2
日本生薬学会関西支部平成 18 年度秋期講
平成 18 年度地研全国協議会近畿支部理化
学部会・研修会に出席
演会で「食品の安全性 -地方衛生研究所の
73
( 田中、尾花 )
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
薬
事
指
導
課
薬事指導課では、医薬品及び医薬部外品の許認可申請(製造・輸入)に関する相談・指導を行い、薬事法や種々の基準及
び規格に基づいて定められた内容に適合する申請書が作成され、医薬品及び医薬部外品が速やかに承認されるように努めて
いる。また、承認権限が厚生労働大臣から知事に委任されている地方委任医薬品等(医薬品及び医薬部外品、計 22 薬効群)
については、承認審査のうち特に「規格及び試験方法」
、
「添付実測値」等に関しての適合性を調査し、不備のあるものはそ
の適正化について指導を行っている。
試験検査については、健康福祉部薬務課と協力して医薬品、医薬部外品、医療機器の承認規格試験を、また化粧品につい
ては配合禁止成分や配合制限成分等の試験を実施した。さらに、平成 14 年度に大きな社会問題となった中国産ダイエット
食品による健康被害を機に実施することとなった健康食品の買い上げによる行政検査については、
平成 18 年度は強壮・強精、
血糖降下、血栓溶解効果を標榜する健康食品の検査を行った。このうち、強壮・強精を標榜する健康食品1品目からは、国
立医薬品食品衛生研究所の協力を得て、国内初の医薬品成分カルボデナフィルを検出た。その他にも 2 品目から同様の医
薬品成分を検出した。さらに、府民からの情報提供に基づく行政を通しての飛び込み検査も実施した。
調査研究については、生薬の残留農薬による汚染の実態に関する研究、生薬・漢方製剤の品質評価に関する研究などを実
施した。
1.薬事申請等に関する相談指導及び試
いて、第 15 改正日本薬局方に整合させるとともに「規格
験検査技術の指導
及び試験方法に関するガイドブック」に新たに顆粒剤を追
本年度における地方委任申請処理件数及び相談指導処理
加し、更なる充実を図った。
件数を、それぞれ表 3.2.1 及び表 3.2.2 に示した。
2.行政試験
本年度は、申請書の項目のうち「規格及び試験方法」の
作成に関することや新たな製造販売承認制度への移行に伴
う相談指導が多かった。その内容としては表 3.2.2 に示し
当課の試験検査部門では健康福祉部薬務課との相互協力
たように、規格の設定に関する相談指導が主であった。
のもとに、市場に流通している医薬品等の品質、有効性、
また、本年度から第 15 改正日本薬局方が施行され、当
安全性の確保を目的として行政試験を毎年実施している。
課ホームページに掲載している「規格及び試験方法の注意
当課に搬入される検体は、
点」及び「規格及び試験方法に関するガイドブック」につ
① 健康福祉部薬務課と当課が協議して試験品目を選定す
る本府独自の収去品目
② 健康食品による健康被害の未然防止、拡大防止のため
表 3.2.1 地方委任申請処理件数
と同様に選定した買い上げ品目
③ 厚生労働省が品目を選定する全国一斉取締りに係る収
!
!
去品目
④ 突発的な苦情処理等に伴う品目
等が主なものである。
表 3.2.3 に本年度の行政試験実施品目を、また、表 3.2.4
74
課別事業内容(薬事指導課)
表 3.2.2 相談指導処理件数
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).
475371206
に医薬品等試験実施件数・実施項目数を示した。
2)国の一斉収去による行政試験
1)府の一斉収去、買い上げ等による行政試験
医薬品 25 品目については、国の医療用後発医薬品再評
本府独自で行う収去試験は、主として有効成分の定量や
価品質規格策定事業(当課をはじめ、全国 10 都府県が参
製剤試験など薬効に直接影響する項目を重点的に行った。
加)との関係から内用固形製剤の溶出試験を実施した。ま
本年度も前年度と同様に、特に医療現場での使用頻度が高
た、医療機器 5 品目については無菌試験等を行った。
その結果、試験を実施した合計 30 検体の全てが品質規
いもの、製造工程面で不良品が発生しやすいもの、同種同
格に適合していた。
効品の多いものなどの試験を実施した。その結果、品質面
からは特に問題なかったが、承認書の規格及び試験方法が
3. 依頼試験
不備な検体が 3 品目発見された。
平成 15 年度から、健康食品の安全対策事業の一環とし
本年度における民間からの依頼試験は、薬事法の規定に
て、健康食品の買い上げ検査を実施しており、本年度は、
強壮(4 品目)、血糖降下(6 品目)、血栓溶解効果(5 品
基づく検定的意味合いの強い血液製剤に係る微生物学的試
目)を標榜する品目を対象として試験を実施した。その結
験のみであった。
果、強壮を標榜する 4 品目のうち 3 品目から医薬品成分
一方、理化学試験としては、平成 9 年度から薬事法の
が検出され、いずれも無承認無許可医薬品として措置され
一部を所管するようになった大阪市及び東大阪市が収去し
た。強壮を標榜する品目から検出された医薬品成分の内訳
た一般用医薬品等の試験を受託したものであり、その試験
は、プソイドバルデナフィルが 1 品目、ヒドロキシホモ
内容は有効成分の確認及び定量などであった。
シルデナフィルが 1 品目、残り 1 品目は新規成分のカル
4. 調査、研究
ボデナフィルであった。
また、突発的な苦情処理等に伴う品目として、府民から
の情報提供により収去された日本薬局方医薬品について試
1)生薬の残留農薬による汚染の実態に関する
研究
験を実施した。その結果、当該品目は日本薬局方の規格に
適合しており、府民の理解を得ることができた。
(1)市場品の実態調査(対象農薬:BHC、DDT、キント
さらに、平成 10 年度から全国 10 都府県(当課を含む)
が参加した、国の医療用後発医薬品再評価品質規格策定事
ゼン
業が実施されているが、それに基づいて当課では合計 24
今年度調査を行った人参 5 試料中 1 試料から BHC が
規格について、溶出試験の試験条件並びに規格、データ等
検 出 さ れ た(Total BHC 0.023ppm)
。 ま た、 セ ン ナ 5
の検討を行った。
試 料 中 1 試 料 か ら は DDT が 検 出 さ れ た(Total DDT
75
対象生薬:人参、センナ)
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 3.2.3
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行政試験実施品目一覧表
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76
課別事業内容(薬事指導課)
表 3.2.4
医薬品等試験実施件数 ・ 医薬品等試験実施項目
受付件数
受
付
総
件
数
総
数
局方医薬品
定性試験
政
間
総
無
菌
依
依
項
極
菌
効
頼
頼
目
複
試
力
件
件
数
雑
験
試
数
数
簡
複
定量試験
極
簡
複
複
単
雑
雑
単
雑
53
42
2
40
40
171
162
9
1,081
11
5
292
773
(1,060)
(10)
(5)
(289)
(756)
10
20
そ
の
他
験
216
20
品
殺
269
14
医薬部外品
粧
民
1,803
34
11
67
27
336
868
460
(1,376)
(34)
(10)
(65)
(25)
(331)
(851)
(60)
2
(2)
局方外医薬品
化
試験実施項目数
行
4
400
(2)
80
20
(74)
(20)
2
22
22
14
(20)
(20)
(14)
99
20
79
(99)
(20)
(79)
衛生材料
7
医療機器
毒
劇
物
そ
の
他
各項目の(
15
7
15
80
14
1
5
60
(80)
(14)
(1)
(5)
(60)
61
59
2
(61)
(59)
(2)
)内は行政依頼に基づく試験項目の内数
0.008ppm)。さらに、人参 5 試料中 2 試料にキントゼン
MAX(Waters 社製)に負荷させた。ギンセノシド Rg1
の残留が認められた(0.013ppm、0.015ppm)。
の分析用として、Oasis MAX を 20%メタノールで洗浄後、
(2)分析法の開発
50%メタノールで Rg1 を溶出させた。一方、ギンセノシ
GC-MS(イオン化法:NCI)を用いたピレスロイド系
ド Rb1 の分析用として、上記の Oasis MAX を 30%メタ
農薬の一斉分析法を開発した。本法は高い回収率及び再現
ノールで洗浄後、70%メタノールで Rb1 を溶出させた。
性を示し、かつ、特異性にも優れていた。直線性も良好で
あった。
ギンセノシド Rg1 の HPLC 分析条件として、検出波
(主担:梶村)
長は 203nm、カラムに Wakosil- 5C18AR (4.6mm φ ×
25cm、5 μm) を用い、カラム温度は 30℃、移動相には
水 / アセトニトリル混液 (81:19) を用いた。一方、ギンセ
2)生薬 ・ 漢方製剤の品質評価に関する研究
– ニンジンサポニン及びサイコサポニンの分析
ノシド Rb1 の HPLC 分析条件として、カラムに Inertsil
法の開発 –
ODS-3 (4.6mm φ ×25cm、5 μm)、カラム温度は 50℃、
ニンジンサポニン
移動相には水 / アセトニトリル混液 (7:3) を用いた。
試料には、配合生薬の種類が多い女神散(にょしんさ
これらの分析法によって、配合生薬の種類が多い製剤に
ん)、参蘇飲(じんそいん)を用いた。試料溶液のクリー
おいても、ニンジンサポニンの分析が可能となった。
ンアップについては、5%強アンモニア水を含む 20%メタ
サイコサポニン
ノールを試料に加え、ニンジンサポニンであるギンセノ
試料には、代表的なサイコ配合製剤である小柴胡湯、柴
シド類に結合しているマロニルエステルを除去し、Oasis
苓湯、柴胡桂枝湯、補中益気湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、加
77
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
味逍遥散を用いた。試料溶液のクリーンアップについて
アモバルビタール、バルビタール、フェノバルビタール
は、水 / メタノール混液 (1:1) を試料に加え、等容量の 0.1
ナトリウムの回収率はいずれも 90%以上と良好な結果で
mol/L 水酸化ナトリウムを添加してマロニル基・アシル
あった。一方、アモバルビタール、ペントバルビタールの
基のエステル結合を除去し、Oasis MAX に負荷させた。
分離を様々な LC のカラムを用いて検討したが、完全分離
次いで 25%メタノール で洗浄後、70%メタノールでサ
することが出来なかった。
(主担:岡村)
イコサポニン類を溶出させた。この液に等容量の 6%塩酸
5. 教育、研修、指導等
/ メタノール混液 (1:1) を加えて、サイコサポニン類を酸
処理してジエン型の b1 及び b2 に変換した。
HPLC 分析条件として、測定波長は 254 nm、カラムに
1) 大阪府毒物劇物取扱者試験委員会(岩上)
L-column ODS、(4.6mm φ ×25cm、5 μm)、移動相に
大阪府毒物劇物取扱者試験委員として出席
は 0.05 mol/L リン酸二水素ナトリウム / アセトニトリル
混液(65:35)を用いた。
2) 医薬品承認申請実務担当者研修会(岡村)
(H18.5.15 , 8.2
大阪府)
(H18.6.16
この分析法によって、サイコサポニン b1 及び b2 の良
大阪府)
好なクロマトグラムが得られ、添加回収実験を行った結果、
3) 近畿府県医薬品等審査担当者連絡会議(山崎、岡村)
各製剤とも回収率は 98%程度、相対標準偏差が 3%以下
(n=3) であった。以上のことから、本法は漢方製剤中のサ
4) 大阪製薬企業会
(H18.7.25
大阪府)
イコサポニンの定量法として簡便であり、サイコ含有漢方
第 55 回薬事研修会「第 15 改正日本薬局方の改正点と
エキス製剤の品質評価に有効であると考えられた。
留意点について」
(岩上、山本、田上、中村)参加者数
(主担:山崎)
28 名
(H18.8.4)
5) 承認申請書記載要領・軽微変更等に関する説明会(岡村)
3)生体試料中の薬物の迅速定量法に関する研究
(H8.8.4
大阪府)
6) 大阪府母乳栄養推進事業検討委員会(岩上)
– バルビツール酸系薬物を対象として –
大阪府母乳栄養推進事業検討委員として出席
市販品の人血清を用い、添加回収実験を行った。バル
ビツール酸系薬物を添加した人血清に塩酸を加え、固相
(H18.9.11
大阪府)
7) 医薬品製造販売業等管理者講習会(皐月)
抽出用のカラムである Oasis MCX にバルビツール酸系薬
医薬品等の承認に係わる事項
物を吸着させ、その後メタノールで溶出し、HPLC で分析
た。HPLC の分析条件として、逆相系のカラム L-column
8) 全国薬事指導協議会(第 43 回)
(岩上、
山本、
山崎、
梶村、
ODS(4.6mm φ ×15cm、5 μm) を 用 い、 移 動 相 に は
(H18.10.10
大阪府)
田上)
0.1%リン酸 / メタノール混液 (67:33) を使用した。流速は
薬事全般に関する情報提供、意見交換など
1.5mL/min、カラム温度は 40℃、測定波長は 215nm で
行った。同定はフォトダイオードアレイにより対象薬物の
9) 医薬品等許認可事務担当者説明会(山崎)
スペクトルを確認することで行った。また、固相抽出用の
カラムについて検討した結果、バルビタールについては、
10)改正薬事法に係る医薬品等の承認・許可等の事務手
Oasis MCX 3cc(60mg) よ り も 充 填 剤 の 量 が 多 い Oasis
(H18.10.20
(H18.12.14
和歌山県)
厚生労働省)
続きに関する説明会(岡村)
MCX6cc(150mg) のほうが回収率が高いことがわかった。
(H19.1.29
78
大阪府)
課別事業内容(環境水質課)
環
境
水
質
課
環境水質課は、水の安全性確保や健康危機の予防と対策を目的とし、水道原水や飲用水(浄水)
、鉱泉、遊泳場または浴
場の水等の理化学的・生物学的試験検査及び調査研究、生活排水等の処理に係わる試験検査・調査研究及び維持管理指導、
環境中の放射能・放射線の調査研究を実施している。
依頼試験・検査について、平成 18 年度も、主に大阪府内水道事業体の依頼を受け、府民の関心の高い農薬類、ダイオキ
シン類、耐塩素性病原微生物であるクリプトスポリジウム及びジアルジア、レジオネラ属菌等を中心に水質検査を実施し
た。クリプトスポリジウムの検査において、平成 18 年 5 月 12 日に府内簡易水道の浄水からクリプトスポリジウムのオー
シストが検出(2 個 /20L)された事例が 1 件あった。この事例では、健康福祉部環境衛生課の指導により、直ちに当該水
道の緊急給水停止が行われると共に、配水池及び配水管の洗浄が行われ、浄水のクリプトスポリジウム不検出を確認後、平
成 18 年 5 月 14 日に通常給水が再開されている。当課では、健康福祉部環境衛生課と協力し、施設洗浄後のクリプトスポ
リジウム検査も行い危機管理対応に努めた。
また、環境中放射能に関しては、平成 18 年 10 月 9 日、北朝鮮で地下核実験が実施されたとの発表を受け、文部科学省
や健康福祉部環境衛生課と協力し、放射能調査の強化を 10 月 9 日より約 2 週間にわたって行った。その結果、空間放射線
量率の異常値や人工放射性核種は検出されず、北朝鮮地下核実験による大阪府への影響はなかったことを確認した。
水質検査の信頼性確保については、今年度も、厚生労働省が実施する「平成 18 年度水道水質検査精度管理のための統一
試料調査」に参加したほか、府内水道事業体(37 機関)を対象に健康福祉部環境衛生課と共に水道水質基準項目 2 項目(鉄
及びその化合物、陰イオン界面活性剤)について「大阪府水道水質検査外部精度管理」を実施し、検査精度の向上に努めた。
調査研究においては、健康福祉部環境衛生課の依頼を受け、
新たな環境汚染物質として社会的関心が高まっている有機フッ
素化合物を対象に「大阪府水道水中微量有機物質調査」を実施した。また、淀川等水系における有機フッ素化合物、医薬品
類等の微量有機物質調査、水質試験における分析方法の開発等に関する研究、レジオネラ属菌やクリプトスポリジウム等の
環境微生物に関する研究、合併処理浄化槽を用いた小規模分散型生活排水処理システムに関する調査研究を実施した。
を対象とした。ダイオキシン類の検査では、水道原水で目
1.依頼試験・検査
標値の 1pg-TEQ/L を超えるものはなく、浄水においては
すべて目標値の 1/10 以下であった。また、健康福祉部環
境衛生課からの依頼調査である水道水中微量有機物質調査
今年度実施した試験・検査について表 4.1.1 に件数、表
については、有機フッ素化合物を対象に実施した(78 件)。
4.1.2 には項目数を示す。
「水道等水質検査」の大半は、市町村の水道事業体から
次に、生物学的検査では、府内浄水場の水道原水中のクリ
の依頼検査や大阪府からの行政依頼調査等であり、水道原
プトスポリジウム及びジアルジア検査(84 件)を実施し、
水及び浄水を対象としたものである。検査項目としては、
12 検体からクリプトスポリジウムのオーシストを 10 L 中
理化学検査では、水道原水及び浄水について農薬類検査
1 ~ 10 個、5 検体からジアルジアのシストを 10L 中 1 ~
(88 件)、ダイオキシン類検査(38 件)及び水質基準項目
4 個検出した。安全性確認のため保健所と分担して浄水の
の一部の検査などを実施した。農薬類の検査については、
検査を行った結果、前書きに記した府内簡易水道浄水から
水質管理目標設定項目に規定されている農薬類のうち、主
検出した 1 例を除き、いずれもクリプトスポリジウムの
として LC-MS を検出機器として用いる農薬類約 30 項目
オーシスト及びジアルジアのシストは検出されず、水道水
79
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
表 4.1.1
環境水質課検査件数
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実施した。
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( 文責:渡邊 )
「一般環境関係」の水質検査では、公共用水域で調査研
究による淀川等の水系調査(88 件)及び浄化処理水の放
2.調査、研究
流先河川の水質調査(16 件)、事業場排水で依頼検査によ
る水質検査(108 件)、浄化槽放流水で合併処理浄化槽の
1)淀川等水系の水質調査
流入水や処理水の調査等(88 件)を実施した。環境生物
検査では、依頼検査及び自主検査により浴槽水や冷却塔水
等の環境水についてレジオネラ属菌検査等(35 件)を行っ
今年度は、難分解性かつ蓄積性を有し新たな環境汚染物
た。「放射能」(586 件)では、年間を通じ、環境試料及び
質と報告されている有機フッ素化合物、近年水環境中での
食品中のベータ線測定、ガンマ線核種分析及び空間線量率
存在が報告され生態系への影響が懸念されている医薬品
測定を行うと共に北朝鮮地下核実験時の緊急時調査も実施
類、工業原料や溶剤として使用されている水溶性難分解
した。また、「温泉(鉱泉)泉質検査」も依頼により 2 件
性の溶剤を対象に、淀川水系 (12 地点 ) 及び大和川水系 (8
80
課別事業内容(環境水質課)
表 4.1.2
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81
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
地点 ) で実態調査を行った。
(5) 固相抽出 GC–MS 法による水溶性有機溶剤(N , N –
(1) 有機フッ素化合物の主要対象化合物は PFOS と PFOA
ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン)の分析法
とし、平成 18 年 8 月(夏季)・平成 19 年 2 月(冬季)
を検討し、サロゲートを使用した高精度の分析法を確立
の 2 回調査を行った。その結果、すべての試料から両化
した。
合物とも ng/L レベルで検出された。現在 2 回のデータ
(6) 文献収集により、環境中の有機臭素系難燃剤ヘキサブ
と類縁化合物のデータを含めて、詳細な解析を行ってい
ロモシクロドデカン(HBCD)の異性体組成は工業原体
るところである。
と大きく異なっており、HBCD 分析法は、異性体分析が
(2) 解熱鎮痛剤等 5 種の医薬品の存在実態調査を夏季及び
可能な液体クロマトグラフ質量分析法が適切であると認
冬季の計 2 回行った。その結果、両水系において対象と
めた。
(主担:田中、宮野、安達)
した医薬品が検出され、1 種についてはすべての地点か
3)環境微生物に関する調査研究
ら、残り 4 種については各々数地点から検出された。検
出濃度はいずれの医薬品も< 0.5 ~ 50ng/L と低濃度で
あった。
(1) レジオネラ属菌の塩素消毒に対する抵抗性についてア
(3) 溶剤として N,N- ジメチルホルムアミド (DMF) とテラ
メーバ共存の影響について検討した。その結果、アメー
ヒドロフラン (THF) について調査を行った。夏季の結果
バ(Acanthamoeba ATCC30234 株)は塩素に対して
は、DMF は淀川及び大和川水系において <0.1 ~ 3.1 μ g/
抵抗性を示し、アメーバに寄生して増殖しているレジオ
L、THF は <0.1 ~ 23 μ g/L といずれも低濃度であった。
ネラ属菌(L.pneumophila ATCC33152 株)の塩素抵
冬季試料については分析中である。
抗性を高めることがわかった。
(2) 循 環 式 浴 槽 水 を 対 象 に、 迅 速 遺 伝 子 検 査 法 で あ る
(主担:宮野、小泉、高木)
LAMP 法を用いたレジオネラ属菌検出について検討し
2)水質試験における分析方法の開発等に関す
る研究
た。循環式浴槽水 84 試料のうち、培養法で 13 試料、
LAMP 法で 30 試料が陽性であった。同時に LAMP 法反
(1) 二酸化塩素の自動分析を検討し、高い分析精度、回収
応阻害確認試験を行ったところ、4 試料で反応阻害が認
率が得られた。また、共存物質による影響をほとんど受
められた。これらは、薬湯や原水に井戸水を使用してい
けずに二酸化塩素を分析出来ることを確認した。
た試料であった。培養法陽性で LAMP 法陰性の試料は
(2) 水道水中の非イオン及び陰イオン界面活性剤の分析法
なく、また、LAMP 法陰性の試料はすべて培養法陰性で
の改良法 ( 同時分析法 ) について検討した。その結果、
あった。したがってレジオネラ属菌検出に LAMP 法を
両界面活性剤を固相カラムで同時濃縮し、2 種類の溶媒
用いることにより、培養法の陰性結果を早期に予測し得
で分画する方法により、陰イオン界面活性剤測定時に非
ると考えられた。
イオン界面活性剤の妨害を受けず、また両化合物の回収
(3) 大阪府内の環境水のうち、顕微鏡法でクリプトスポリ
率も良好な結果が得られた。
ジウム陽性のもの及び過去に陽性となったことのある地
(3) 昨年度検討した有機フッ素化合物の LC-MS/MS による
点を中心に、18 カ所 27 試料について Nested PCR 法を
水試料分析法について、100 検体以上の環境水試料を分
用いてクリプトスポリジウムの遺伝子の検出を試みた。
析し、実試料に十分適用できることを確認した。また生
その結果、11 カ所 16 試料について PCR 陽性となった。
体試料中の有機フッ素化合物分析方法も検討中である。
現在、陽性となった検体について、その遺伝子型同定の
(4) LC-MS/MS を用いて解熱鎮痛剤等の医薬品 5 種につい
ためシークエンスを行っている。
て水を対象とした分析方法を検討し、環境水中において
(主担:土井、肥塚、枝川)
測定を行った。その結果、試料により回収率の変動が観
察されたので、共存物質の妨害について現在検討中であ
る。
82
課別事業内容(環境水質課)
平成 18 年度における環境及び各種食品中の放射能及び
4)小規模分散型生活排水処理システムに関す
る研究
放射線のレベルは、昨年度と同様、すべて平常値であり、
人工放射性物質の環境への新たな放出はないことを確認し
(1) 効率的処理・維持管理方法の研究に関しては、コンビ
た。本年度も上水原水(淀川河川水)に医学利用によると
ニエンスストアの浄化槽 2 施設について、昨年度に実施
思われる極微量のヨウ素 131 を検出したが、その濃度は
した機能改善の効果について追跡調査を行った。清掃か
約 1mBq/L であり、飲食物の摂取制限に関する指標値か
ら約 8 ヵ月間は処理水質が大幅に改善されたが、その後、
ら判断して、府民への健康影響には全く問題のないレベル
汚泥の蓄積と水温低下により処理水質の悪化が認められ
であった。従って、今年度も、大阪府において人工放射性
た。さらなる、水質改善には清掃期間の短縮が必要と考
降下物また原子力施設からの漏洩等による人工放射性物質
察された。また、維持管理については、府営住宅に設置
の新たな環境への放出はなかったことを確認した。なお、
された浄化槽について継続的に検討している。
北朝鮮核実験時のモニタリング強化においても空間放射線
(2) 面整備された浄化槽群の処理機能や地域水環境に与え
量率の異常値や人工放射性物質は検出されなかった。
る影響に関しては、豊能町高山地区で河川調査と浄化槽
さらにガンマ線核種分析の精度確認のため(財)日本分
の機能調査ならびに処理機能が低下している浄化槽につ
析センターとのクロスチェック(分析確認試料 10 試料)
いて改善方法を検討した。また、富田林市の浄化槽面整
を行った結果、ガンマ線核種分析結果の精度は十分確保さ
備事業開始前の佐備川流域水質調査結果を解析し、汚濁
れていることを確認した。
(主担:肥塚、味村、渡邊)
負荷量の算出や整備後の水質予測を行い、研究集会での
発表と雑誌の投稿を行った。
6)大阪府水道水中微量有機物質調査
(3) 効率的な浄化槽面整備事業手法に関しては、PFI 手法
導入の有用性、課題などを明らかにし、研究助成先への
今年度は夏季に府内の 12 浄水場、冬季に 13 浄水場の
報告を平成 18 年 11 月に行った。
(4) 汚泥再処理センターの余剰汚泥削減手法に関しては、
原水、浄水及び給水栓水について、未規制物質である有機
廃熱利用を前提とした熱処理法と好気性消化法の基礎的
フッ素化合物の PFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)
検討を行った。熱処理法では 1/2 程度まで、好気性消化
と PFOA(パーフルオロオクタン酸)を対象項目として調
法では 2 割程度まで削減できた。
査を行った。その結果、両化合物とも全ての試料水から検
出され、それらのレベルは概ね 1 〜 100ng/L の範囲であっ
(5) 紫外線照射とオゾンガスを併用したし尿処理水中のエ
ストロゲンラジカル酸化では、ELISA によるエストロゲ
た。PFOS と PFOA とでは PFOA の方が高い濃度を示した。
ンの測定を行った。
現在、我が国では PFOA に関する水道水質基準等は設定
(主担:山本、中野、奥村)
されていない。しかし、米国 EPA と企業側との間で設定
5)環境放射能及び環境放射線の測定
されたアクションレベル(500 ng/L、水道水においてこ
のレベル以上の PFOA が検出された場合は、企業側は水
昨年度に引き続き、文部科学省委託による放射能調査を
道水の浄化や代替水源に責任を持って行うという基準)と
主に、大阪府内の環境及び食品試料中の放射能及び空間放
比較すると、今回の調査で検出された PFOA の濃度はか
射線量率調査を実施した。降水の全ベータ放射能測定 78
なり低い濃度であることを認めた。
件、環境及び食品中のガンマ線核種分析 40 件、空間放射
(主担:宮野、小泉、高木)
線量率測定 395 件を行った。また、2006 年 10 月 9 日の
7)大阪府水道水質検査外部精度管理
北朝鮮地下核実験実施の発表を受け、当日から 10 月 24
日までモニタリングの強化として、連日、モニタリングポ
今年度の対象項目を無機物質では鉄及びその化合物と
ストの値の確認、降下物及び大気浮遊塵のガンマ線核種分
し、府内の試験・研究機関及び水道事業所の 37 機関、有
析を行った。
83
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
機物質では陰イオン界面活性剤とし 22 機関の協力を得て、
進市町村協議会(5 回)
水道水質検査精度管理を実施した。
H18.4.1 ~ H.19.3.31
(1) 鉄及びその化合物では、当所の水道水に、鉄標準液を
山本
浄化槽管理士国家試験委員会、
( 財 ) 日本環境整備教育センター
(6 回 ) 添加し、鉄として 39.9 μ g/L となるように検査試料を
調整した。検査方法は「水質基準に関する省令の規定に
H18.4.1 ~ H.19.3.31
山本
一般認定審査適合委員会、( 社 )
基づき厚生労働大臣が定める方法」であるフレームレス
地域資源循環技術センター (3
-原子吸光光度計による一斉分析法(以下Fless法、
回 ) H18.4.1 ~ H19.3.31 なお使用するキュぺットの種類により、- N:ノーマル
処理、- P:パイロ処理、- M:メタル製と区分した)
、
山本
高機能光触媒の創製と応用技術
研究会委員会(5回)
H18.4.1 ~ H19.3.31
フレーム-原子吸光光度計による一斉分析法(以下 F
中野
環境技術実証モデル事業大阪府
法)、誘導結合ブラズマ発光分光分析装置による一斉分
技術実証委員会、大阪府環境情
析法(以下ICP法)が用いられた。なお、複数の分析
報センター(8回)
機器が整備されている機関については、複数の方法での
H18.5.11 ~ H19.3.23
中野
淀川水質汚濁防止連絡協議会
検査を依頼した。その結果、Fless-M法、ICP法
河川水質機構調査小委員会(4
は実施機関数が少なかったものの、真値に対する誤差率
回)
H18.5.26 ~ H19.3.19 が ±10%を超えた検査値はなかった。一方、F法、Fl
ess-P及びFless- N 法では一部の検査結果で真値
小泉
大和川水環境協議会委員会、大
和川水環境協議会(6 回)
に対する誤差率が ±10%を超えており、検査法による差
が認められた。
H18.7.5
渡邊、中野
平成 18 年度淀川水質汚濁防止
(2) 陰イオン界面活性剤に関しては、当所の水道水中に、
連絡協議会水質保全委員会、淀
陰イオン界面活性剤として約 0.06mg/L となるように、
川水質汚濁防止連絡協議会 構成成分である 5 種類の成分を任意に混合した標準溶
渡邊
液を添加し検査試料を調製した。検査方法は、「水道基
H18.7.20
平成 18 年度淀川水質汚濁防止
準に関する省令の規定に基づく厚生労働大臣が定める方
連絡協議会総会、淀川水質汚濁
法」である固相抽出 - 高速液体クロマトグラフ法が用い
防止連絡協議会
渡邊
られた。その結果、棄却される検査値はなく、真値に対
H18.7.28 大阪府営住宅合併式浄化槽水質
する誤差率も ±20%以内の許容範囲に入っており、良好
調査検討会、( 財 ) 大阪府住宅
な精度管理結果が得られた。
供給公社
( 主担:宮野、田中)
H18.8.23 ~ H.19.2.8
大阪府環境審議会温泉部会 (2
回)
3.教育、研修、講演、会議、派遣、指
H18.9.4
導、協力
山本、中野、奥村
田中
大阪府営住宅単独式浄化槽水質
調査検討会、( 財 ) 大阪府住宅
供給公社
1)会議・委員会・研究会等への出席
山本、中野、奥村
H18.10.3 ~ H18.12.12 臭素系ダイオキシン類排出実態
等調査検討会、環境省(2 回)
H18.4.1 ~ H.19.3.31
浄化槽審査評定委員会、( 財 )
渡邊
日本建築センター (8 回 )
H18.11.2 山本
H18.4.1 ~ H.19.3.31
大阪府浄化槽行政連絡協議会委
員会、大阪府浄化槽行政連絡協
議会
合併処理浄化槽登録専門委員
会、全国合併処理浄化槽普及促
84
中野
課別事業内容(環境水質課)
規採用職員研修(3 日)
2)研修・セミナー等への受講
宮野、田中、小泉、高木、土
井、肥塚、枝川、中野、奥村
H18.5.16 ~ H18.5.25
平成 18 年度「環境放射能分析・
「講師派遣」
測定の基礎」コース(( 財 ) 日
本分析センター)
H18.12.6
味村
H18.5.10 ~ H19.3.27
第 48 回環境放射能調査研究成
業監督者講習会講師(3回)、
果発表会(文部科学省)
(財)ビル管理環境センター
肥塚、味村
H19.3.14
厚生労働大臣指定貯水槽清掃作
平成 18 年度放射能分析確認調
H18.7.12 ~ H18.11.30
査技術検討会(文部科学省、事
田中
浄化槽管理士認定講習会講師、
( 財 ) 日本環境整備教育センター
務局 ( 財 ) 日本分析センター)
(2回 )
肥塚、味村
H18.9.1 ~ H19.2.26 中野、奥村
厚生労働大臣指定建築物環境衛
生管理技術者講習会講師(4
3)教育・研修
回)
、
(財)ビル管理環境セン
ター
「国内研修受入れ」
H18.11.21
田中、奥村
大阪府合併処理浄化槽普及促進
市町村協議会研修会講師 奥村
H18.5.26 ~ H18.6.23
大阪府健康福祉部環境衛生課新
85
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
生
活
衛
生
課
労働衛生の分野としては、大阪府内の事業所における小規模事業所の比率は近隣府県で最も高く、労働災害はこれら小規
模事業所で多く発生している。したがって、小規模事業所における産業保健活動を支援し、勤労府民の健康障害を防止する
ことは自治体の重要な役割といえる。また、日常生活の衛生分野では、近年、シックハウス症候群や化学物質過敏症が大き
な社会問題になっているほか、抗菌処理された家庭用品に代表されるように、様々な化学物質が家庭内に持ち込まれており、
化学物質への日常曝露も府民の健康に影響を与える可能性があることから、取り組むべき課題である。さらに、都市におけ
る小児気管支喘息の有症率は 5 ~ 6%に達しており、アレルギー疾患の発症における大気汚染や生活環境因子の関与を明ら
かにすることも自治体の重要な課題である。
このような課題に対し、生活衛生課では、行政検査として家庭用品検査、依頼検査として職場における特殊健康診断と作
業環境測定および住居内空気環境測定を行った。また、小規模事業所の労働衛生管理に関する研究としては、医療従事者の
化学物質への曝露状況と健康影響調査、高齢者介護施設での介護従事者の腰部負担調査を実施した。一方、家庭用品中の有
害化学物質に関する調査としては、抗菌剤および可塑剤の分析法の開発と市販品における使用実態調査、無機系抗菌剤から
の金属溶出試験と皮膚常在菌への影響の検討、界面活性剤の最小発育阻止濃度の測定を行った。室内空気環境については、
乗用車の室内空気中化学物質の体内動態に関する動物実験的研究、受動喫煙対策のための室内汚染指標値の検討を行った。
また、化学物質過敏症とアレルギー疾患との関連や発症要因を明らかにする疫学調査を継続するとともに、化学物質過敏症
の発症機序の解明に関する動物実験的研究を行った。大気汚染と健康影響に関する研究としては、亜硝酸の健康影響に関す
る動物実験的研究を行った。
1.試験、検査
よるものかはわからなかった。
2.調査、研究
生活衛生課が平成 18 年度に実施した検査を表 4.2.1 に
示す。
依頼検査については、延べ 36 単位作業場所の気中粉塵
1)有害作業のある小規模事業所における労働
衛生管理の推進に関する研究
濃度および気中有機溶剤濃度の測定、延べ 6 事業所の労
働者総数 352 名の有機溶剤、鉛、カドミ、クロムの特殊
健康診断および住居内空気試験 12 件を実施した。自主検
(1) 16 医療機関において、洗浄従事者の自覚症状調査と内
査については、作業環境検査 467 件、職業病検査 2,561 件、
視鏡洗浄室のオルトフタルアルデヒド濃度の測定を行っ
家庭用品検査 518 件、室内空気試験 6,192 件、環境・公
た。洗浄従事者 125 名中、洗浄作業時に 22.4%、消毒
害検査 2,360 件、その他 1,710 件を実施した。
液交換時に 33.3%のものに症状が見られた。オルトフ
「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」に
タルアルデヒド濃度は、用手洗浄よりも自動洗浄の方が
低かった。
基づく家庭用品検査は市販繊維製品中のホルムアルデヒド
(主担:宮島)
等 225 件実施した。乳幼児用繊維製品中ホルムアルデヒ
(2) 大阪府内の病院における注射用抗癌剤の混合調製作業
ドの基準違反が 1 件認められた。原因究明のため樹脂加
の現状を把握するため、質問紙調査を実施した。その結
工判別試験を行なったが、樹脂加工によるものか、移染に
果、以下のことがわかった。100 床以上の病院の約 8 割
86
課別事業内容(生活衛生課)
表 4.2.1
生活衛生課検査件数
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わかった。また、介護福祉士専門学校の卒業生を対象に
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質問紙調査を行い、就労中の 80%以上の人が介護の仕
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事を続けたいと考えているが、
「給料が低い」などの理
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の住宅地図により確認した。また、過去の環境中石綿濃
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由でやめたいと思うこともあることがわかった。
(主担:冨岡)
度を推定する試料として、同地域の寺院の堆積粉じんが
使用できないかを検討している。(主担:熊谷、吉田仁)
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b
daehb
daehb
_=‹ˆŒ
b
hbe
hbe
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b
ejb
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b
idi
idi
よる測定法を確立した。また、生体試料の変異原性試験
_!__Q_
b
caicb
caicb
(umu 試験)に使用する新菌株として NM3009 株が適
cadjb
ceajbj
cgabjj
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(5) 血中カドミウム濃度のフレームレス原子吸光光度計に
切であることがわかった。
`1’$<}\-,~RT-,ddg{x€w
______RT-,ddg}
~N•“”“”|Byw
(主担:小坂)
2)住居環境中の有害化学物質への曝露実態と
その評価方法に関する研究
(1) これまでに国産車 101 車種を対象として車室内空気中
で同作業を行っており、責任者は抗癌剤の職業性曝露の
化学物質を分析したところ、275 種の物質が同定された。
危険性を認識していた。多くの病院では、個人保護具の
これらの中から、各物質の車内濃度レベルと既存毒性
着用が行われていたが、小規模病院は安全キャビネット
データより、車内において衛生上問題となる化学物質約
やガイドラインの設置などの安全対策が遅れていた。
30 種を選定した。一方、閉鎖空間内に入れた動物 ( ラッ
(主担:吉田仁)
ト ) に化学物質を曝露させ、動物への経気道吸収により
(3) 介護機器使用による腰部負担の軽減に関する調査を行
減少する空間内化学物質を経時的に自動測定するシステ
い、使用は負担軽減に効果的であるが、適切な使用方法
ム ( 閉鎖系曝露装置 ) を作成した。動物を入れない閉鎖
や作業姿勢の指導、作業環境の整備も重要であることが
系曝露装置に選定された各化学物質を注入し、空間内化
87
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
学物質濃度の推移を予備的に調べたところ、蒸気圧が低
有症者と関連疾患のない無症者を対象とした追加健康調
い (1 mmHg 以下 ) 物質や水への溶解度の高い物質は実
査を準備中である。また、調査地域でのスギ・ヒノキ花
験に適さないことが明らかとなり、14 物質 (2- メチル
粉飛散量を 3 地点で測定した。山側は海側より数倍多く
ペンタン、メチルシクロペンタン、n- ヘキサン、n- ヘ
花粉が飛散していたが、各地域の花粉症有症率には差が
プタン、2,4- ジメチルヘプタン、n- ノナン、n- デカン、
認められなかった。
トルエン、エチルベンゼン、o- キシレン、m- キシレン、
(文責:中島孝)
(2) 一昨年、
「これまで、大気汚染物質である二酸化窒素
p- キシレン、スチレン、1,2,4- トリメチルベンゼン ) に
により起きるとされていた喘息は、亜硝酸が原因であっ
ついて本試験を行った。各化学物質の閉鎖空間からの減
た。
」とする英国の疫学論文が発表された。二酸化窒素
少速度には差が見られ、同じ濃度の曝露環境においても
は大気汚染物質としてすでに規制されているが、大気中
物質により体内吸収量に差があることが示唆された。閉
の亜硝酸はまだ行政対応がとられていない。当部署は、
鎖空間からの各物質濃度の減少割合はいずれも低濃度に
二酸化窒素の動物曝露施設を有しているので、亜硝酸ガ
おいて高く、酵素的反応の関与する推移を示した。得ら
ス発生装置を作製すれば亜硝酸の動物曝露実験が可能で
れたデータから各物質の体内動態を薬物動力学的に解析
あり、先の疫学論文の検証を過去に報告のない動物曝露
し、実際の車室内環境での乗員における各物質の経気道
実験により行うこととした。現在、亜硝酸ガス発生装置
吸収量の算出を現在進めている。
を作製中であり、実験に必要な 3 週間の亜硝酸ガス濃度
(主担:吉田俊)
の安定を目指して改良を進めている。
(2) 近年、子供たちに急増しているアレルギー疾患の原因
を解明するため、大阪市立大学、福岡大学等と共同して、
(主担:大山)
(3) 多数の事務室を対象に、浮遊粉塵量と室員の尿中コチ
生活環境の要因とアレルギー疾患発症との関連を探る長
ニン量の関連性を検討し、正の相関があることがわかっ
期的な研究を進めている。大阪府内の妊婦約 1000 人を
た。尿中コチニンの市販のエライザーキットによる測定
対象に妊娠中から、生まれた子供が 3 歳 6 ヶ月になるま
法と液クロ測定法の比較検討をしたが、このエライザー
で追跡する調査で、住居内の空気汚染や母親の食事習慣
法は精度的に十分ではなく実用的でないと思われた。尿
など総合的に調べている。現在、母親のアレルギー既往
中ニコチン代謝物の測定について、民間が開発したニコ
と環境要因との間の関連について解析を進めている。今
チェック簡易測定法と当所で開発した液クロ測定法との
年度は、二酸化窒素曝露濃度とアレルギー疾患有病率と
クロスチェックの検討を進めている。
(主担:野上)
の間の関連について解析を行ったところ、明らかな関連
4)家庭用品に関する衛生学的研究
は見られなかった。また、冬季の屋内排気型暖房器具の
使用、炊事の時のガス器具使用とアレルギー疾患有病率
との間にも明らかな関連は認められなかった。
(1) 厚生労働省家庭用品安全対策事業(家庭用品規制基準
(主担:松永)
設 定、 分 析 法 策 定 ). 2,2,4-Trimetyl-1,3-pentanediol
monoisobutyrate など水性塗料中の VOC の GC-FID お
3)大気汚染および室内空気汚染による健康影
響に関する研究
よび GC-MS 分析法の開発を行い、市販製品の VOC 対
策実態等の分析調査を行った。その結果、室内用塗料の
(1) 多種化学物質過敏症とアレルギー疾患との関連や発症
成分はより高沸点で低毒性の物質に代替されていること
要因を調べるため、A 市 3 歳 6 か月児健康診査受診者
がわかった。また、抗菌剤ナフテン酸亜鉛の HPLC 分析
とその母親を対象に、平成 18 年 1 月より 2 年間の予
法の開発を行った。
(主担:中島晴)
定で調査票による調査を実施中で、2 月までの回収率
(2) 抗菌製品の市販実態及び抗菌剤の使用実態を継続調査
は 50.4%であった。12 月までの 1 年間の調査票回答者
した。また、無機系抗菌剤が、皮膚常在菌へ及ぼす影響
1,102 人の有症率は 3 歳 6 か月児とその母親で、アトピー
に関する研究を継続して行った。人工汗・唾液中に各濃
性皮膚炎 9.9%と 7.5%、花粉症 0.7%と 7.5%、気管支
度の金属(Ag,Cu,Zn,Cr)を溶解し、真菌と細菌を 1 種
喘息 2.9%と 2.2%であった。母親について、これらの
ずつ混在させ、金属濃度による最小殺菌濃度 (MBC) の
88
課別事業内容(生活衛生課)
違いを測定した。2 種の皮膚常在細菌(表皮ブドウ球菌、
H18.4 ~ H19.3(独)国立環境研究所客員研究員
アクネ菌)と 3 種の真菌(カンジダ、白癬菌、黒カビ)
を用いた。その結果、菌種及び金属種・溶液によって各々
H18.4 ~ H19.3
違いはあるものの、総じて真菌類の方が高濃度の金属溶
液中で生存していた。つまり、細菌が死滅する金属濃度
H18.4 ~ H19.3(財)労働科学研究所協力研究員
でも真菌は生存し、皮膚常在菌のバランスが崩れて真菌
症が発現する可能性が示唆された。
中島晴
静岡県立大学客員共同研究員
中島晴
熊谷
H19. 1.26 大阪大学医学部保健学科・講義
(主担:中島晴)
(3) E.coli , K.pneumoniae , S.aureus 及び皮膚常在菌を用
「精神ストレスと化学ストレスの複
合作用について」
いて 13 種の界面活性剤(陰イオン系 7、陽イオン系 6)
中野
の最小発育阻止濃度 (MIC) 測定を行った。
2)会議・委員会・研究会等への出席
(主担:宮野)
5)ストレス関連性疾患の予防に関する免疫学
的検討
H18. 6.10
講演会「あなたの車は大丈夫 ?
車中の化
学物質」
(住環境疾患予防研究会)
(1) ストレス負荷下に微量の環境有害化学物質をマウスに
反復塗布することにより、ブラジキニンの産生を介して、
H18. 7.22
吉田俊
講演会「介護作業が人の体に及ぼす影響 –
皮膚反応の増大とともに、全身的な皮膚過敏症が誘導さ
今までのやり方で本当に大丈夫 ?–」
(あま
れ、ストレスにより増幅されることが判明した。
がさき福祉住環境研修会)
H18. 8. 1
(主担:中野)
冨岡
研修会「アスベストとは」
(大阪府教育セン
ター)
(2) 感作性物質をマウスに与えると、マクロファージ系の
H18. 8.25
細胞から分子量約 45kDa の非特異的抑制因子 NSF が放
講演会「アスベストはどこに使われている
出される。この NSF は樹枝状細胞の抗原提示能を抑制
の?
するが、プロテオーム解析により、MAP シグナル伝達
独協会)
H18. 8.28
系を制御する脱リン酸化酵素 dual specific phosphatase
熊谷
どんな病気を引き起こすの ?(大阪日
熊谷
研修会「アスベスト健康影響調査における
14 (DUSP14)/MAP-kinase phophatase-6 (MKP6) と一
聞き取り調査について」
(大阪府健康福祉部
致した。遺伝子組換え DUSP14 は NSF と共通の種々の
健康づくり感染症課)
H18.10.20
性質を示し、塗布や生体内投与で接触皮膚炎の発現を阻
止した。
講演会「あなたの車は大丈夫 ?
熊谷
車中の化
学物質」
(滋賀県)
(主担:中野)
H18.10.27
吉田俊
講演会「抗がん剤を取扱う医療従事者の健
康リスク」
(注射薬適正使用研究会)
3.教育、研修、講演、会議、派遣、指
導、協力
H18.10.31
冨岡
講演会「化学物質による乗用車室内空気の
汚染」
(高機能光触媒の創製と応用技術研究
1)教育・研修
会
国内研修受入
H18.11.10
H18.4 ~ H19.3 大阪大学医学部学生に環境医学関連
の講義・実習・研修
吉田俊
静岡県立大学セミナー「抗菌加工製品の安
全性」
(静岡県立大学公衆衛生学研究室)
中野
講師派遣
H18.11.22
H18.4 ~ H19.3 大阪大学医学部環境医学非常勤講師
中島晴
研修会「アスベスト健康影響調査における
聞き取り調査について」
(奈良県福祉部健康
中野
安全局健康増進課)
89
熊谷
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
H18.12. 7
家庭用品安全対策主管部局連絡会議
家庭用品関係の講演」
(大阪府、大阪市、堺
「第 43 回全国衛生化学技術協議会年会での
市、東大阪市、高槻市)
90
中島晴
府・国・地研関連事業等
府・国・地研関連事業等
1)ニューバイオサイエンス研究事業
ンザ定点 306、小児科定点 199、眼科定点 52、STD 定点
66 および基幹定点 15 であった。これらのデータは定点
平成 18 年度は 8 件のテーマを設定し研究を推進した。
へ還元し大阪府医師会ニュース ( 週報 ) へ掲載するととも
第 1 に 迅 速 な 診 断 法 の 開 発 と し て、 突 発 性 発 疹 の
に、当所のホームページに掲載し府民へ広く提供した。
HIV-6、ウエストナイルウイルス、HIV 抗原、ノロウイル
また、定点把握疾患の検査情報として、府内の定点機関
スである。これらについては一定の成果が得られ、論文に
より送られてきた 862 検体についてウイルス学的検査を
まとめられ報告される予定である。このうち 2 件につい
行い、結果を速やかに還元するように努めた。検査結果の
ては文科省の科学研究費補助金の採択を得られている。
まとめは、感染症発生動向調査事業報告書第 25 報 ( 平成
細菌学に関する研究では
ブルセラ症の疫学調査がなさ
18 年度版 ) に記載した。
れ、大阪での侵淫度が明らかとなった。また、連鎖球菌を
(文責:宮川)
4)厚生労働省感染流行予測調査事業
対象により多剤耐性につながる拡張型 b – ラクタマーゼの
① 新型インフルエンザウイルスの出現監視を目的とした
保有率があきらかとなり、さらに詳細な解析がなされた。
後者の研究も平成 19 年度に文科省の科学研究費補助金の
感染源調査
採択を得られている。
インフルエンザ感染源調査 ( ブタ ) において 240 件の検
アレルギー疾患の原因で問題となる加工食品中の大豆の
体についてウイルス分離を実施したが、すべて陰性の結果
検出について、PCR 法を用いて効率よく検出することが
であった。
可能となり実用化へ向けられている。
② 麻疹感受性調査
本年度も、研究成果について年度末に報告会を行い、多
小児と青年を中心に府内の一般住人 188 名を対象に麻
くの方に参加して頂き、成果が報告され、有益な議論がな
疹ウイルスに対する抗体価を測定し、抗体保有率を求め
され、今後の研究の方向性も明確化されたように思われる。
た。年齢群別抗体保有率は、1 才児で 70%、2-3 才児で
86.2%、4-6 才児で 100%であり、10 代以降は 95 –100%
2)感染症解析プロジェクト
であった。
平 成 18 年 度 も 感 染 症 検 査 マ ニ ュ ア ル の 改 訂 と CD-
(文責:加瀬)
5)大阪府感染症流行予測調査会
ROM 化を目指し、各検査担当者に依頼し、改訂作業を進
めた。年度末現在、作業は完結していないが、平成 19 年
大阪府、大阪市、堺市が共同で実施している研究会であ
度も引き続き作業を継続する予定である。
り、ウイルス課が編集事務を担当している。府内各委員か
らの研究報告をまとめ、平成 17 年度感染症流行予測調査
3)大阪府感染症発生動向調査事業
結果報告書第 41 報として編集し、会員に配布した。平成
大阪府、大阪市、堺市、東大阪市、高槻市の協力のもと
18 年 7 月 13 日に総会が開催され、栗村敬会長挨拶の後、
実施している事業であり、大きく全数把握対象疾患と定点
各委員より研究報告された。
把握対象疾患に分けられる。
(文責:加瀬)
6)病原性微生物検出情報への協力
定点把握対象感染症の患者情報は大阪府内の指定届出機
関 ( 定点 ) から収集され、厚生労働省からの全国情報とと
国立感染症研究所が月報として発行する病原微生物検出
もに感染症情報センターで検討し、大阪府解析評価小委
情報に参画し、細菌及びウイルス検出情報を提供した。
員会に報告した。平成 18 年の指定機関数は、インフルエ
91
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
より地方衛生研究所全国協議会代表者に対し、
「法令外分
7)大阪府衛生検査所精度管理事業
担金の拠出に係る取り扱いについて」で分担金である協議
大阪府内で微生物学的検査を登録している衛生検査所
会の年会費について 10%削減の協力要請があった。それ
22 ヶ所における微生物学的検査の精度ならびにさらなる
に対し、会員各位に相談のうえ協議会として現行 40,000
精度向上を目的として、下記の病原細菌を簡単な病歴を付
円としている年会費を 5%削減し、38,000 円とする案を
けて提供し、各施設における検査方法で検査させ、その検
平成 19 年 1 月 24 日付けで回答し了承された。それに伴
査法と結果を大阪府衛生検査所精度管理専門委員会にて評
い平成 19 年度より協議会費を 38,000 円とすることとなっ
価し、問題が認められた施設に指導を行った(報告書は大
た。
阪府健康福祉部地域保健福祉室健康づくり感染症課で作
今回、現協議会会長の任期が次年度で終了するため、協
成)。
議会において「地方衛生研究所全国協議会会長選考に関す
提供菌株:
る細則」を新たに定め、次期より会長の選考は当細則に基
Shigella flexneri 1a
づき行うこととした。
Shigella sonnei
(文責:足立)
(2) 地研全国協議会近畿支部における活動
Enterohemorrhagic Escherichia coli O157:H7 VT1,VT2 Enterohemorrhagic Escherichia coli O165:NM VT2
堺市衛生研究所の田中智之所長が近畿支部長を務め、3
Salmonella Typhimurium
回の総会(平成 18 年 5 月、8 月、19 年 1 月開催)及び
Salmonella Enteritidis(リシン脱炭酸陰性)
支部役員会(平成 18 年 7 月開催)に出席した。総会にお
Vibrio fluvialis
いては、
各研究所より提案された議題の他、
農薬のポジティ
Vibrio cholerae nonO1,O139
ブリスト制度について、感染症法の一部改正について、自
結核菌の塗抹標本 2 枚
然毒部会の設置について、等に関して討議が行われた。な
Vancomycin-resistant Enterococci (VanA タイプ )
お、第 2 回総会において企画総務部総務課 山崎哲技師に
Enterococcus faecium
支部長表彰が贈られた。
Vancomycin-resistant Enterococci (VanB タイプ ) また、地域保健推進事業の関連として、2 回のブロック
Enterococcus faecalis
長会議(平成 18 年 9 月、平成 19 年 1 月)が開催された。
本年度は 2 類感染症原因菌で誤答した施設はなかった
会議には近畿支部の各所長の他、徳島県、福井県、三重県
が、3 類感染症原因菌では 1 施設あり、また、5 類感染
の衛生研究所長、大阪検疫所、関西空港検疫所、神戸検疫
症原因菌を 2 類感染症原因菌とした施設もあった。今後、
所、近畿厚生局の各代表者に出席してもらい、
「健康危機
日常検査において頻度が高い細菌の同定を確実に行うに
管理における地方衛生研究所の広域連携ガイドライン」
「近
は、正確な生化学的性状、血清学的反応および毒素型別が
畿ブロック連携マニュアル」
「近畿地区における地域ブロッ
必須であり、今後の検査所の技術の研鑽が必要であろう。
クレファレンスセンター」等について討議を行った。
(文責:塚本)
また、平成 18 年 10 月に当事業の一環として、海外か
ら帰国後にみられた痘そうウイルス感染を想定し、病原体
8)地方衛生研究所全国協議会関連
を検出するという模擬演習が、堺市衛生研究所が担当し当
所を含めた近畿支部の 12 地研が参加し実施された。
(1) 全国協議会における活動
(文責:足立)
所長が地方衛生研究所全国協議会の会長及び総務委員長
(3) 部会での活動
を、企画調整課がその事務局を務め、平成 18 年度臨時総
【細菌部会】
会(東京)、第 57 回総会(富山)、3 回の理事会(大阪、
東京)
及び会長表彰選考委員会(大阪)等を開催した。
平成 18 年 11 月 2 日に第 3 回近畿支部細菌部会研究会
平成 18 年 12 月 27 日付けで、全国知事会 麻生渡会長
が和歌山市民会館市民ホールで開催され、当所から 8 名
92
府・国・地研関連事業等
が参加した。研究会の内容は以下の通りであった。
報
1) 平成 18 年度近畿支部理化学部会の開催、
告
2) ポジティブリスト制度施行後の課題、
・衛微協、全国地研協議会等報告
3) GLP 体制の維持
・レファレンスセンター報告
について議論し、情報交換を行った。
研究班報告
平成 19 年 2 月 2 日に平成 18 年度理化学部会がピアザ
・トピックス
淡海・滋賀県立県民交流センター(大津市)で開催された
リステリア、ボツリヌス
(参加者約 80 名)
。プログラムは、特別講演として大阪市
・一般演題
6題
水道局工務部水質試験所の塩出貞光氏による「水道水質
・特別講演
2題
試験検査業務における GLP の導入」及び日本食品分析セ
「鳥インフルエンザ発生に伴う京都府保健環境研究所
の対応」
ンターの杉本茂氏による「食品衛生法 GLP と信頼性確保」
森垣中啓:京都府保健環境研究所
「下痢を起こさせる大腸菌」
の 2 講演が行われた。また、一般講演として 3 題の学術
塚本定三
講演が行われた。
(文責:田中)
【疫学情報部会】
(文責:勝川)
【ウイルス部会】
平成 18 年 7 月 24 日に和歌山県民文化会館(事務局:和
平成 18 年 9 月 8 日、大阪市立大学医学部医療研修セン
歌山県環境衛生研究センター)で開催された役員会に出
ター研修室において地研近畿支部ウイルス部会研究会が開
席し、18 年度の部会活動(定期研究会、部会の企画運営、
催された。部会長である大阪市立環境科学研究所
その他活動等)について検討を行った。
田窪良
行所長の挨拶の後、次のプログラムで進行した。
定期研究会は、平成 18 年 11 月 10 日に和歌山商工会議
1) ウイルス感染症に関する情報交換会
所(和歌山市)で開催され、
レファレンスセンター報告および各地研からの各種ウイ
特別講演 1「感染症集団発生調査の基本ステップと実際」
ルスについての報告がなされた。
森山和郎・大阪府健康づくり感染症課
2) ウエストナイルウイルスに関する蚊のサーベイランス
特別講演 2「筋萎縮性側索硬化症(むろ病)の病態―環境
3) 特別講演
疫学を中心としてー」
「血清疫学調査の有用性と vaccine preventable disease
対策」
八瀬善郎・関西鍼灸大学名誉学長
多屋聲子:国立感染症研究所
を聴講した。当所からは、熊谷信二・生活衛生課長が「石
4) 一般演題研究発表
綿工場周辺における中皮腫死亡に関する量―反応関係の検
(文責:加瀬)
討」
、加瀬哲男・ウイルス課主任研究員が「ヒトメタニュー
【理化学部会】
モウイルスと肺炎球菌が検出された呼吸器疾患の集団発生
平成 18 年 8 月 31 日に滋賀県衛生科学センターで開催
事例」について一般講演を行った。なお、定期研究会に先
された平成 18 年度地研全国協議会近畿支部理化学部会世
だち、感染症情報センター意見交換会が開催された。
話人会に、当研究所から 1 名が出席した。議題として、
(文責:井上)
93
業
績
集
業績集(誌上発表等)
誌
上
発
表
等
■ 細菌課
1)濱野米一 , 坂本一男:毒フグを知ろう ( 第 2 回トラフグ属 ), 食と健康 ,4 月号 , 24–25 (2006)
2)濱野米一 , 坂本一男:毒フグを知ろう ( 第 3 回トラフグ属ほか ), 食と健康 ,5 月号 , 34–35 (2006)
3)濱野米一 , 坂本一男:毒フグを知ろう ( 第 4 回トラフグ属ほか② ), 食と健康 ,6 月号 , 24–25 (2006)
4)濱野米一:貝毒を知ろう(第 1 回下痢性貝毒・麻痺性貝毒), 食と健康 ,7 月号 , 28–29 (2006)
5)濱野米一 , 鍋島靖信:貝毒を知ろう(第 2 回テトラミン・ピロフェオフォルバイド , 食と健康 ,8 月号 , 26–27 (2006)
6)濱野米一 , 坂本一男:毒フグを知ろう ( 第 5 回トラフグ属ほか③ ), 食と健康 ,1 月号 , 42–43 (2007)
7)濱野米一 , 坂本一男:毒フグを知ろう ( 第 6 回ハコフグ属ほか ), 食と健康 ,2 月号 , 20–21 (2007)
8)濱野米一 , 坂本一男:毒フグを知ろう ( 第 7 回モヨウフグ属ほか ), 食と健康 ,3 月号 , 26–27 (2007)
9)大島泰克 , 濱野米一:麻痺性貝毒のモニタリング , 日本水産学会監修 , 今井一郎 , 福与康夫 , 広石伸互編 “ 貝毒研究の
最先端 – 現状と展望 ,pp.19–29”, 恒星社厚生閣 , 東京 (2007)
10)鈴木敏之 , 濱野米一 , 関口礼司 , 城田由里:下痢性貝毒のモニタリング , 日本水産学会監修 , 今井一郎 , 福与康夫 , 広
石伸互編 “ 貝毒研究の最先端 – 現状と展望 ,pp.30–42”, 恒星社厚生閣 , 東京 (2007)
11)Masumi Taguchi, Kazuko Seto, Wataru Yamazaki, Teizo Tsukamoto, Hidemasa Izumiya1 and Haruo Watanabe
: CMY–2 β –Lactamase–Producing Salmonella enterica Serovar Infantis Isolated from Poultry in Japan,
Japanese Journal of Infectious Diseases , 59(2),144–146 (2006)
12) Yuko Kumeda: Fungal identification with molecular biological techniques -Heteroduplex panel analysis for
identification of Aspergillus section Flavi species-, Mycotoxins, 56, 77-84 (2006)
13) 久米田裕子 , 田口真澄 , 川津健太郎 , 河合高生 , 神吉政史 , 浅尾
田知子 , 石橋正憲 , 塚本定三 , 堤
努 , 濱野米一 , 勢戸和子 , 山崎
渉 , 河原隆二 , 依
千津 , 足立和人:学校給食によるカンピロバクター集団食中毒事例 – 大阪府 , 病原
微生物検出情報 , 27, 172-173(2006)
14)Wataru Sugiura, Tomoko Yoda, Takashi Matsuba, Yoshinori, Tanaka, and Yasuhiko Suzuki:Expression
and Characterization of the genes encoding Azoreductases from Bacillus subtilis and Geobacillus
stearothermophilus Biosci, Biotechnol. Biochem., 70, 1655–1665 (2006)
15)依田知子 : ノロウイルスの検出法 , Medical Technology, 34,1161–1166 (2006)
16)Tomoko Yoda, Yasuhiko Suzuki, Kenji Yamazaki, Naomi Sakon, Masashi Kanki, Ikuko Aoyama, and Teizo
Tsukamoto:Evaluation and application of Detecting Norovirus using Reverse Transcription Loop–Mediated
Isothermal Amplification Method, J. Med. Virol., 79, 326–334 (2007)
17)Kawai, T., Kase, T., Suzuki, Y., Eda, S., Sakamoto, T., Ohtani, K., Wakamiya, N.:Anti–influenza A virus
activities of mannan–binding lectins and bovine conglutinin, J. Vet. Med. Sci., 69, 221–224 (2007)
18)K.Kawatsu,M.Ishibashi,and T.Tsukamoto:Development and Evaluation of a Rapid, Simple, and
Sensitive Immunochromatographic Assay To Detect Thermostable Direct Hemolysin Produced by Vibrio
parahaemolyticus in Enrichment Cultures of Stool Specimens , J.Clin.Microbiol., 44,1821–1827 (2006)
95
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
■ ウイルス課
19)Kamada M, Nagai T, Kumagai T, Igarashi M, Ihara T, Okafuji T, Ochiai H, Sakiyama H, Shimomura K, Suzuki E,
Torigoe S, Miyazaki C, Miyata A, Yuri K, Ito Y, Nakayama T, Kase T : Efficacy of inactivated trivalent influenza
vaccine in alleviating the febrile illness of culture–confirmed influenza in children in the 2000–2001 influenza
season, Vaccine, 24 (17), 3618–3623 (2006)
20)Noriko Kojimahara, Akiko Maeda, Tetsuo Kase and Naohito Yamaguchi : Cross–reactivity of influenza A (H3N2)
hemagglutination–inhibition antibodies induced by an inactivated influenza vaccine, Vaccine, 24 (33–34), 5966
–5969 (2006)
21)Okada M, Takemoto Y, Okuno Y, Hashimoto S, Fukunaga Y, Tanaka T, Kita Y, Kuwayama S, Muraki Y,
Kanamaru N, Takai H, Okada C, Sakaguchi Y, Furukawa I, Yamada K,Izumiya M, Yoshida S, Matsumoto M,
Kase T, Peiris JS, DeMello DE, Chen PJ, Yamamoto N, Yoshinaka Y, Nomura T, Ishida I, Morikawa S, Tashiro M,
Sakatani M : Development of vaccines and passive immunotherapy against SARS coronavirus using mouse and
SCID–PBL/hu mouse models , Adv Exp Med Biol., 581,561–6 (2006)
22)Nagai T, Okafuji T, Miyazaki C, Ito Y, Kamada M, Kumagai T, Yuri K, Sakiyama H, Miyata A, Ihara T, Ochiai
H, Shimomura K, Suzuki E, Torigoe S, Igarashi M, Kase T, Okuno Y, Nakayama T : A comparative study of
the incidence of aseptic meningitis in symptomatic natural mumps patients and monovalent mumps vaccine
recipients in Japan. Vaccine, 25 (14), 2742–2747 (2007)
23)加瀬哲男:トリインフルエンザと新型インフルエンザ , Makoto ,135, 2–7 (2006)
24)N. Yagi, K. Ohkubo, Y. Okuno, Y. Oda, and M. Miyazawa : Antimutagenic compound from yellow batai
(peltophorum dosyrachis), J. Oleo. Science, 55, 173–180 (2006)
25)M. Miyazawa, G. Kohno, Y. Okuno, and Y. Oda:Suppression of MeIQ–induced SOS response by allybenzenes
from Asiasarum heterotropoides in the Salmonella typhimurium OY1001/1A2 umu test, Nat. Prod. Res., 20,
671–675 (2006)
26)Y. Oda, Y. Totsuka, K. Wakabayashi, F.P. Guengerich, and T. Shimada:Activation of aminophenylnorharman,
aminomethylphenylnorharman and aminophenylharman to genotoxic metabolites by human N–
acetyltransferases and cytochrome P450 enzymes expressed in Salmonella typhimurium umu tester strains,
Mutagenesis, 21, 411–416 (2006)
27)西村公志:微生物の世界 , p5–40, p86–198, 筑波出版会 , 東京 (2006)
28)西村公志:「微生物の世界」(1)病原細菌 , バイオサイエンスとインダストリー , Vol.64, No.6, 9–10 (2006)
29)西村公志:微生物ってなに?
口絵 1, 日科技連 , 東京(2006)
30)西村公志 , 地村由美 , 久保田潤子 , 塩谷恵子 , 永尾朝江 , 川井和久 , 高柳明美 , 戌角紀代美 , 濱石裕紀 , 大竹徹:花粉症
対策検討のための基礎的研究(第4報)– 大阪府内におけるスギ・ヒノキ科飛散花粉の地域差の調査 –, 大阪府立公衆
衛生研究所研究報告 ,44,17–25 (2006)
31)西村公志:平成 17 年度奄美群島における杉花粉等の飛散状況と活性化に関する調査報告書 , 国土交通省 都市・地域
整備局 , p17 (2006)
32)西村公志:インフルエンザウイルス , 保健ニュース 2006 年 12 月 8 日号 , 少年写真新聞 No1354(2006)
33)西村公志:細胞 , 保健ニュース 2006 年 12 月 8 日号 , 少年写真新聞 No1362(2006)
34)西村公志:O157, 厨 KURIYA 秋号 , p13, No.198 (2006)
35)西村公志:インフルエンザウイルス , 心とからだの健康 ,10 , p47, No.106 (2006)
96
業績集(誌上発表等)
36)Kimura, A., Edagawa, A., Okada,K., Takimoto, A., Yonesho, S, Karanis, P : Detection and genotyping
of Cryptosporidium from brown rats (Rattus norvegicus ) captured in an urban area of Japan,Parasiology
Research, 2007 Feb 21:; Epub ahead of print (2007)
37)宮川広実:乳幼児の感染症対策−小児集団生活施設における対応 , インフルエンザ , RS ウイルス感染症 , 臨床と微生物 ,
33(6),713–718 (2006)
38)Yoshiaki Yamagishi, Hiromi Miyagawa, Kazuko Wada, Sayuri Matsumoto, Hitomi Arahori, Arihiro Tamura,
Hidetoshi Taniguchi, Takahisa Kanekiyo, Junji Sashihara, Tomoko Yoda, Mikiya Kitagawa, and Keiichi Ozono
: CMV DNA detection from dried blood spot for diagnosing congenital CMV infection in Japan, Journal of
medical virology,78,923–925 (2006)
39)Matsumoto H,Suzuki S, Kobayashi O, Tamura K, Nonoyama S, Miyagawa H.:Diagnosis of congenital
cytomegalovirus infection using a traditionally preserved umbilical cord , Pediatr Infect Dis J., Feb, 26(2),192
(2007)
40)森
41)
治代:遺伝子検査法 , 臨床と微生物
川畑拓也 , 小島洋子 , 森
治代 , 大竹
Vol.33(増刊号), 581–585(2006)
徹 : HIV感染と疫学調査(2005 年), 平成 17 年度 感染症流行予測調査結
果報告書 , 第 41 報 ,53-54 (2006)
42)
川畑拓也 , 小島洋子 , 森
治代 , 大竹
徹 , 大國
剛 : 当所にてHIV感染を確認した、2例のイムノクロマトグラ
フィー法陰性の感染初期例 , 感染症学雑誌 ,81(1),76-77 (2007)
43)左近直美:ウイルス性胃腸炎を知る – ノロウイルスについて –, Makoto, 134, 2–7 (2006)
44)左近直美 , 山崎謙治 , 依田知子 , 塚本定三 , 大竹徹:大阪府における C 群ロタウイルスによる集団胃腸炎の発生 , 病原
微生物検出情報 ,27 (6),14–15 (2006)
45)左近直美:季節を問わず発生するノロウイルス感染症と食中毒 , 食品衛生研究 , 56(11),17–24 (2006)
46)青山幾子 , 弓指孝博 , 齋藤浩一 , 伊藤房子 , 樋口耕一 , 倉持隆 , 上澤行成 , 大竹徹 , 奥野良信 : 大阪府におけるウエスト
ナイルウイルスに対する蚊のサーベイランス調査 (2005 年度報告 ), 大阪府立公衆衛生研究所研究報告 ,44,1–8 (2006)
47)青山幾子 , 弓指孝博 , 齋藤浩一 , 樋口耕一 , 井関則夫 : 大阪府内のツツガムシ病に関する野鼠調査 (2005 年度報告 ), 大
阪府立公衆衛生研究所研究報告 ,44,9–15 (2006)
■ 食品化学課
48)Y. Konishi, M. Kitagawa, K. Akutsu, Y. Tanaka:Surveillance of polychlorinated biphenyl congeneric patterns
in human breast milk from 1973 to 2000 in Osaka, Japan, Environ. Health Prev. Med., 11, 38–44 (2006)
49)K. Akutsu, Y. Tanaka, K. Hayakawa:Occurrence of polybrominated diphenyl ethers and polychlorinated
biphenyls in shark liver oil supplements, Food Additives and Contaminants, 23, 1323–1329 (2006)
50)H.Obana, M.Furuta, Y.Tanaka:Detection of 2–alkylcyclobutanones in irradiated meat, poultry and egg after
cooking, Journal of Health Science, 52, 375–382 (2006)
51)H.Obana, M.Furuta, Y.Tanaka : Effects of temperature during irradiation on the production of 2–
alkylcyclobutanones in beef, Journal of Health Science, 53, 215–219 (2007)
52)小西良昌 , 田中之雄 , 堀伸二郎 , 多田
裕:ダイオキシン類による母乳汚染の経年推移 −「ダイオキシン類対策特別
措置法」の効果−, 環境化学 , 16, 677–689 (2006)
53)小西良昌 , 阿久津和彦 , 田中之雄:母乳中残留性有機汚染物質(POPs)調査(第 18 報)−POPs 測定における精製法
の検討−, 大阪府立公衆衛生研究所研究報告 , 44, 41–45 (2006)
97
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
54)阿久津和彦 , 小西良昌 , 田中之雄:水産油脂を原料とする食品および医薬品に残留する有機ハロゲン汚染物質の分析 ,
大阪府立公衆衛生研究所研究報告 , 44, 47–53 (2006)
55)野村千枝 , 粟津薫 , 吉光真人 , 北川幹也 , 尾花裕孝 , 池辺克彦 , 田中之雄:白花豆のレクチン活性に対する加熱調理の
影響 , 大阪府立公衆衛生研究所研究報告 , 44, 55–59 (2006)
56)粟津薫 , 野村千枝 , 吉光真人 , 北川幹也 , 尾花裕孝 , 池辺克彦 , 田中之雄:ヒスタミン分析の迅速化の試み , 大阪府立
公衆衛生研究所研究報告 , 44, 81–84 (2006)
■ 薬事指導課
57)梶村計志 , 田上貴臣 , 皐月由香 , 中村暁彦 , 山本丈雄 , 岩上正藏:センナ中に残留する有機塩素系農薬の実態調査ー
1991–2005 年における経年変化についてー , 医薬品研究 ,37(10),671–675(2006)
58)
TakaomiTagami,KeijiKajimura,YukaSatsuki,AkihikoNakamura,MasahiroOkihashi,YokoKitagawa,SatoshiTakator
i,Mikiya Kitagawa:Simultaneous Analysis of 10 Pyrethroid Pesticides in Natural Medicines by GC/MS with
Negative Chemical Ionization,YAKUGAKU ZASSHI,126(10) , 991–995 (2006)
59)
梶村計志 , 田上貴臣 , 皐月由香 , 中村暁彦 , 山本丈雄 , 岩上正藏:1990–2005 年に実施した人参・紅参に対する有機塩
素系農薬の実態調査 , 大阪府立公衆衛生研究所研究報告 ,44, 61–65 (2006)
60)
梶村計志 , 田上貴臣 , 山崎勝弘 , 山本丈雄 , 岩上正藏 , 高取
聡:グリベンクラミドが検出された健康食品について ,
大阪府立公衆衛生研究所研究報告 ,44, 67–71 (2006)
■ 環境水質課
61)奥村早代子 , 山本康次 , 小林永二 , 牟田口一徳:既設の中規模浄化槽における窒素・リン除去に向けた施設改修と運転
方法に関する研究 , 浄化槽研究 ,18(5), 1–10 (2006)
62)高木総吉 , 宮野啓一 , 小泉義彦 , 安達史恵 , 渡邊功 , 織田肇:大阪府内水道水源および淀川水系における 1,4– ジオキ
サンレベルの実態調査 , 環境化学 ,16, 669–676(2006)
63)渡辺功:臭素系ダイオキシン類概論 , マテリアルインテグレーション ,19(4) ,39–58(2006)
64)宮野啓一 , 小泉義彦 , 高木総吉 , 安達史恵 , 渡邊功:陰イオン界面活性剤分析法の検討(第2報)−瓶等等への吸着に
ついて−, 大阪府立公衆衛生研究所研究報告 , 44, 73–79 (2006)
65)肥塚利江 , 安達史恵 , 渡邊功:大阪府における環境および食品中放射能調査(平成 17 年度報告), 大阪府立公衆衛生
研究所研究報告 , 44 , 31–39 (2006)
66)肥塚利江 , 安達史恵 , 渡邊功:大阪府における放射能調査 , 第 48 回環境放射能調査研究成果論文抄録集 , 217–220
(2006)
67)Sokichi Takagi,Fumie Adachi,Isao Watanabe,Kurunthachalam Kannan:Studies on perfluorinated compounds
in the suspended solid and the dissolved phase in river water,Proceedings of International Symposium 2006
on Pioneering Studies of Young Scientists on Chemical Pollution and Environmental Changes, November 17–
19, 2006 Matsuyama, Japan, 455–458(2007)
68)Fumie Adachi, Sokichi Takagi, Isao Watanabe : Occurrence of 1,4–dioxane contamination in the water source
and Yodo River zone in Osaka prefecture, Proceedings of International Symposium 2006 on Pioneering Studies
of Young Scientists on Chemical Pollution and Environmental Changes, November 17–19,2006 Matsuyama,
Japan, 451–454(2007)
98
業績集(誌上発表等)
■ 生活衛生課
69)冨岡公子 , 熊谷信二 , 樋口由美 , 辻村裕次 , 新井康友 , 吉田 仁 : 個別ケアに取り組む高齢者介護施設における入浴介
助時の腰部負担および介護職員と利用者の満足度 , 産業衛生学雑誌 , 49, 54–58 (2007)
70)冨岡公子 , 熊谷信二 , 小坂
博 , 吉田
仁 , 田淵武夫 , 小坂淳子 , 新井康友 : 特別養護老人ホームにおける介護機器導
入の現状に関する調査報告 −大阪府内の新設施設の訪問調査から−, 産業衛生学雑誌 , 48, 49–55 (2006)
71)Tomioka K,Kumagai S,Kameda M,Kataoka Y : A Case of Occupational Asthma Induced by Falcata Wood (Albizia
falcataria), Jounal of Occupational Health, 48, 392–395 (2006)
72)中島晴信 , 大嶋智子 , 栗山孝雄 , 荒川泰昭 : 無機系抗菌剤の安全性評価(1)−市販抗菌加工製品に使用されている無
機系抗菌剤の分析−,
Biomed. Res. Trace Elements, 17(4) , 427–430 (2006)
73)中島晴信 , 宮野直子 , 高塚
正 , 栗山孝雄 , 荒川泰昭 : 無機系抗菌剤の安全性評価(2)−人工汗・唾液による無機系抗
菌剤及び加工布からの金属溶出−, Biomed. Res. Trace Elements, 17(4), 431–434 (2006)
74)中島晴信 , 高塚
正 , 栗山孝雄 , 荒川泰昭 : 無機系抗菌剤の安全性評価(3)−無機系抗菌剤が皮膚常在菌に及ぼす影響
−, Biomed. Res. Trace Elements, 17(4), 435–438 (2006)
75)Tomiyama K, Kuriyama T, Yamaguchi A, Nihira M, Sayama Y, Takeuchi T, Nakano Y, Nakashima H, Matsuda
Y and Arakawa Y : Relation of Excessive Accumulation of Calcium and Endonuclease Activation in the
Organotin–Exposed Olfactory System, Trace Nutrients Research, 23, 35–41 (2006)
76)中島晴信 , 宮野直子 , 松永一朗 , 中島ナオミ , 鹿庭正昭 : 大阪府下における抗菌製品の市場実態調査 –1991 年から
2004 年 –, 大阪府立公衆衛生研究所研究報告 ,44, 85–116 (2006)
77)Miyashita T, Yamaguchi T, Motoyama K, Unno K, Nakano Y and Shimoi K : Social stress increases biopyrrins,
oxidative metabolites of bilirubin, in mouse urine, Biochemical and Biophysical Research Communications,
349, 775–780 (2006)
78)Nakano Y : Novel function of DUSP14/MKP6 as a nonspecific regulatory molecule for delayed type
hypersensitivity, British Journal of Dermatology, 146, (2007) online–publish
79)Miyake Y, Sasaki S, Ohya Y, Miyamoto S, Mastunaga I, Yoshida T, Hirota Y, Oda H and the Maternal and Chile
Health Study group : Dietry intake of seaweed and minerals and prevalence of allergic rhinitis in Japanese
pregnant female; baseline datd from the Osaka Maternal and Child Health Study ,Ann Epidemiology, 16, 614–
621 (2006)
80)Miyamoto S, Miyake Y, Sasaki S, Tanaka K, Ohya Y, Mastunaga I, Yoshida T, Oda H, Ishiko O, Hirota Y and
the Maternal and Chile Health Study group : Fat and fish intake and asthma in Japanese women; baseline
datd from the Osaka Maternal and Child Health Study , International Journal of Tuberc Lung Disease, 11, 103
–109 (2007)
81)宮島啓子 , 田淵武夫 , 熊谷信二 : 大阪府内の医療機関における内視鏡消毒作業の現状 , 産業衛生学雑誌 , 48, 169–175
(2006)
82)宮野直子 , 中島晴信 , 松永一朗 : 市販抗菌防臭加工製品(寝具類)の抗菌力評価 , 大阪府立公衆衛生研究所研究報告 ,
44, 27–30 (2006)
83)Yoshida T, Matsunaga I, Tomioka K, Kumagai S : Interior air pollution in automotive cabins by volatile organic
compounds diffusing from interior materials. I. Survey of 101 types of Japanese domestically produced cars
for private use, Indoor and Built Environment, 15, 425–444 (2006)
84)Yoshida T, Matsunaga I, Tomioka K, Kumagai S : Interior air pollution in automotive cabins by volatile organic
99
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
compounds diffusing from interior materials. II. Influence of manufacturer, specifications and usage status on
air pollution, and estimation of air pollution levels in initial phases of delivery as a new car, Indoor and Built
Environment, 15, 445–462 (2006)
85)Yoshida J, Kosaka H, Tomioka K, Kumagai S : Genotoxic Risks to Nurses from Contamination of the Work
Environment with Antineoplastic Drugs in Japan, Journal of Occupational Health, 48, 517–522 (2006)
86)Yoshida J, Kumagai S, Tabuchi T, Kosaka H, Akasaka S, Oda H : Association between serum dioxin level
and urinary estrogen metabolites in municipal waste incinerator workers, Archives of Environmental and
Occupational Health, 60, 215–222 (2005)
100
業績集(学会発表等)
学
会
発
表
等
■ 細菌課
1)濱野米一:人への健康危害を及ぼす危害因子の基礎知識(1)– 自然毒および化学物質における危害因子 ( 魚毒・貝毒
を中心に)– , 日本防菌防黴学会 (2006)
2)Yonekazu Hamano, Kentaro Kawatsu:Development of an enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA)
for detection of paralytic shellfish poisoning toxins (PSP), 12th International Conference on Harmful Algae,
Copenhagen (2006)
3)Yonekazu Hamano, Kentaro Kawatsu:Development of the ELISA kit for the practical shellfish monitoring of
paralytic shellfish poisoning toxins (PST), The Third international workshop on target HAB species in the East
Asia Waters, Nagasaki (2006)
4)勢戸和子 , 田口真澄 , 塚本定三 , 多賀賢一郎 , 林
昭宏:海外渡航者からのナリジクス酸耐性赤痢菌の分離状況とシプ
ロフロキサシン感受性(1998 年〜 2004 年), 第 80 回日本感染症学会総会 , 東京(2006)
5)勢戸和子 , 田口真澄 , 山崎
渉 , 塚本定三 , 小林一寛:大阪府における minor serotype STEC の検出状況と分離株の
細菌学的特徴 , 第 10 回腸管出血性大腸菌感染症シンポジウム , 東京(2006)
6)勢戸和子 , 田口真澄 , 山崎
渉 , 塚本定三:多種類の下痢原性大腸菌が分離された修学旅行食中毒事例 , 第 46 回感染
性腸炎研究会 , 東京(2007)
7)勢戸和子 , 田口真澄 , 塚本定三:大阪府で分離された志賀毒素産生性大腸菌(STEC)O165 の細菌学的特徴 , 第 80 回
日本細菌学会総会 , 大阪(2007)
8)
久米田裕子:カビ同定 – 迅速法と遺伝子解析はどこまで可能か –, 第 33 回日本防菌防黴学会 , 東京(2006)
9)
久米田裕子 , 田口真澄 , 川津健太郎 , 河合高生 , 神吉政史 , 浅尾
堤
10)
努 , 勢戸和子 , 山崎
渉 , 河原隆二 , 塚本定三 ,
千津 , 足立和人:学校給食によるカンピロバクター集団食中毒 , 第 27 回食品微生物学会 , 大阪(2006)
Kumeda, Y., Asao, T., Takahashi, H., Ichinoe, M.: Predominant distribution of a new genotype within
Aspergillus section Flavi and Aspergillus nomius in sugarcane field soil in Asia, International Symposium on
Mycotoxicology in Bangkok, Thailand (2006)
11)依田知子 , 山崎謙治 , 左近直美 , 高橋和郎 , 大竹徹 , 奥野良信:RT-LAMP 法による迅速簡易なノロウイルス検出 , 第
54 回日本ウイルス学会 , 名古屋 (2006)
12)Tomoko Yoda, Yasuhiko Suzuki, Kenji Yamazaki, Naomi Sakon, Masashi Kanki, Ikuko Aoyama, and Teizo
Tsukamoto:Application of Detecting Norovirus using Reverse Transcription Loop-Mediated Isothermal
Amplification method, Asia-Pasific Academic Consortium for Public Health, 38th APACPH Conference
Partnership for Human Security and Health, Bangkok, Thailand (2006)
13)河合高生 , 浅尾努 , 久米田裕子:乳児ボツリヌス症について , 第 33 回地研近畿支部細菌部会 , 和歌山市 (2006)
14)田丸亜貴:大阪南部地域の結核地域分子疫学 , 第 81 回日本結核病学会総会 , 仙台 (2006)
15)柴田仙子 , 藤井史敏 , 松本恵美子 , 安井良則 , 富田元久 , 田丸亜貴 , 福田雅一:堺市における結核菌株の RFLP,VNTR
解析について , 第 65 回日本公衆衛生学会総会 , 富山 (2006)
16)Aki Tamaru, Yasuhiko Suzuki:Molecular epidemiological analysis of tuberculosis in three regions in
Osaka prefecture:The three common IS6110-RFLP patterns in Osaka., US-Japan Cooperative Medical
Science Program Forty-first Tuberculosis and leprosy Research Conference, Kagoshima (2006)
101
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
■ ウイルス課
17)高木康博 , 栗原重一 , 東奈津美 , 森川佐依子 , 加瀬哲男 , 前田章子 , 蟻坂はるみ , 柴原進 , 秋山由紀雄:高齢・老齢期の
インフルエンザ感染に及ぼすアミノ酸栄養補給の効果
– マウスを用いた検討 – , 第 20 回インフルエンザ研究者交流
の会シンポジウム , 仙台 (2006)
18)高木康博 , 東奈津美 , 森川佐依子 , 加瀬哲男 , 前田章子 , 栗原重一 , 蟻坂はるみ , 柴原進 , 秋山由紀雄:高齢マウスのイ
ンフルエンザ感染に及ぼすアミノ酸(シスチン + テアニン)投与の効果 , 第 54 回日本ウイルス学会 , 名古屋 (2006)
19)加瀬哲男 , 森川佐依子 , 奥野良信 , 馬場宏一:感染個体におけてインフルエンザウイルスのポピュレーションは変化す
るか? , 第 47 回日本臨床ウイルス学会 , 東京 (2006)
20)加瀬哲男 , 森川佐依子 , 山崎謙治 , 左近直美 , 宮川広実:呼吸器系アデノウイルス感染症における便中アデノウイルス
の検出頻度 , 第 7 回アデノウイルス研究会 , 名古屋 (2006)
21)大谷謙二 , 森利明 , 八木孝司 , 小田美光:B 型肝炎ウイルス X 蛋白質による遺伝毒性の解析 , 第 35 回日本環境変異原学会 ,
堺 (2006)
22)湯本聡一 , 斉藤俊光 , 小田美光 , 金谷一司:umu- 試験用試薬キット(マクロプレート法)のアミノ酸の影響評価と高
感度ハイスループット化に向けた検討 , 第 35 回日本環境変異原学会 , 堺 (2006)
23)小田美光:ヒト型硫酸転移酵素を発現する新規 umu 試験の開発とその評価 , 第 35 回日本環境変異原学会 , 堺 (2006)
24)小田美光 , 戸塚ゆ加里 , 若林敬二:N-Hydroxyaminophenylnorharman のヒト硫酸転移酵素による代謝的活性化 , 第
33 回日本トキシコロジー学会 , 名古屋 (2006)
25)Yoshimitsu Oda, Yukari Totsuka, Keiji Wakabayashi:Genotoxic activation of N-hydroxyaminophenylnorharma
n by human sulfotransferases expressing in Salmonella typhimurium umu tester strains, 37th Annual meeting,
Environmental Mutagen Society, Vancouver (2006)
26)乙部史子 , 周欣 , 松井三郎 , 小田美光 , 松田知成:HPLC- バイオアッセイを用いた下水処理排水中の DNA 損傷性およ
び AhR リガンド活性の解析 , 第 43 回環境工学研究フォーラム , 函館 (2006)
27)三宅和之 , 藤原昭雄 , 三宅陽子 , 深瀬智海 , 山崎謙治:グレープフルーツ種子抽出液 (GSE) によるノロウイルス代替ネ
コカリシウイルス不活化効果 , 第 27 回日本食品微生物学会学術総会 , 大阪(2006)
28)中山博之 , 白崎良成 , 外池宏司 , 西村直行 , 山崎謙冶:糞便直接 RT-PCR 法による Norovirus 検出法の開発 , 第 54 回
日本ウイルス学会総会 , 名古屋(2006)
29)永末有美 , 西田幸代 , 石田佳樹 , 今中幸江 , 熊谷善敏 , 山崎謙治 , 左近直美 , 沢辺昭義 , 坂上吉一 , 米虫節夫:衣類に付
着した病原菌・ウイルスの家庭用洗濯機による除菌効果 , 第 80 回日本細菌学会総会 , 大阪(2007)
30)木 村 明 生 , 枝 川 亜 希 子 , 岡 田 邦 宏 , 滝 本 篤 利 , 米 正 静 男: 西 宮 市 都 市 部 で 捕 獲 さ れ た ド ブ ネ ズ ミ 便 か ら の
Cryptosporidium 遺伝子の検出とその解析 , 第 75 回日本寄生虫学会大会 , 弘前 (2006)
31)大西義博 , 井澤甲二 , 大堀和俊 , 枝川亜希子 , 木村明生 , ラジェッシュ・チャホ , 福士秀人:ペット鳥類におけるオウ
ム病の病原体保有状況 , 第 12 回日本野生動物医学会大会 , 岐阜 (2006)
32)大西義博 , 井澤甲二 , 大堀和俊 , 枝川亜希子 , 木村明生 , ラジェッシュ・チャホタ , 福士秀人:ペット鳥類におけるオ
ウム病の病原体保有調査とその防疫対策の問題点 , 平成 18 年度日本獣医公衆衛生学会(近畿), 大阪 (2006)
33)小西修宏 , 堀越敬之 , 吉田敬介 , 永田秀明 , 武田雅人 , 梶川智洋 , 枝川亜希子 , 木村明生 , 伊藤良一:動物取扱業者等に
おけるオウム病クラミジアの汚染実態調査 , 平成 18 年度日本獣医公衆衛生学会(近畿), 大阪 (2006)
34)Kimura, A., Edagawa, A., Okada,K., Takimoto, A., Yonesho, S, Karanis, P.:Detection and genotyping of
Cryptosporidium from brown rats (Rattus norvegicus) captured in an urban area of Japan, 11th International
Congress of Parasitology, Glasgow, UK (2006)
102
業績集(学会発表等)
35)Kusuhara, Y., Kimura, A., Edagawa, A.:Detection and identification of free-living amoeba from environmental
water, The 27th world congress of biomedical laboratory science, Seoul, Korea (2006)
36)Takahiro Yumisashi, Ikuko Aoyama, Koichi Saito, Fusako Ito, Koichi Higuchi, Takashi Kuramochi, Yukinari
Uezawa, Toru Otake, Yoshinobu Okuno:West Nile virus surveillance in mosquitoes in Osaka Prefecture,(Fiscal
2005 Report)
37)森
The 1st Thailand-Japan Forum on Infectious Diseases, Bangkok, Thailand
治代 , 小島洋子 , 川畑拓也 , 大竹
(2007)
徹:V108I polymorphism が EFV 耐性の誘導に及ぼす影響 , 第 20 回日本エ
イズ学会 , 東京(2006)
38)藤崎誠一郎 , 藤崎彩恵子 , 伊部史朗 , 浅黄
司,森
治代 , 他 14 名:HIV-1 遺伝子型薬剤耐性検査のバリデーション ,
第 20 回日本エイズ学会 , 東京(2006)
39)藤野真之 , 潟永博之 , 吉田
繁 , 千葉仁志 , 森
治代 , 小島洋子 , 他 24 名:20003-2005 年の新規 HIV-1 感染者にお
ける薬剤耐性頻度の動向 , 第 20 回日本エイズ学会 , 東京(2006)
40)
川畑拓也 , 小島洋子 , 森
治代 , 大竹
徹 , 大國
剛 : HIV 感染に対して感染リスクの高い行動を取る人々を対象にし
た疫学調査において見つかった、HIV-1 遺伝子陽性である3例の感染初期例 , 第 20 回近畿エイズ研究会学術集会 , 大
阪 (2006)
41)
川畑拓也 , 小島洋子 , 森
治代 , 大竹
徹 , 大國
剛 : IC 法において陰性を示した3例の HIV 感染初期例 , 平成 18 年
度 地研近畿支部ウイルス部会研究会 , 大阪市 (2006)
42)
川畑拓也 , 小島洋子 , 森
治代 , 大竹
徹 , 大國
剛 : IC 法において陰性を示した3例の HIV 感染初期例 , 第 20 回日
本エイズ学会学術集会 , 東京 (2006)
43) 川畑拓也、小島洋子、森
治代、大竹
徹、大國
剛 : HIV 疫学調査における母集団の性感染症罹患リスクの解析 ,
第 20 回日本エイズ学会学術集会 , 東京 (2006)
44)左近直美 , 石川斉 , 梶原えり子:竹抽出物によるウイルス不活化効果 , 日本農芸化学会 第 446 回関西支部大会 , 京都
(2006)
45)左近直美 , 山崎謙治 , 依田知子 , 高橋和郎 , 大竹徹 , 奥野良信:感染形態別にみたノロウイルス流行株の変化 , 第 54
回日本ウイルス学会 , 名古屋 (2006)
46)Naomi Sakon, K Yamazaki, T Yoda, M Kaniki, K Takahashi, T Otake, T Tsukamoto, Y Okuno:Norovirus
outbreaks at nursing homes in Osaka, The 1st Thailand-Japan Joint Forum on Infectious Diseases,Bangkok
(2007)
47)Hajime Ogura, Ritsushi Fujii1, Mitsuaki Oseto, Hiroshi Nishimura, Naomi Sakon,Etsuko T. Utagawa and
Toshiyuki Goto:Electron Microscopic Diagnosis of Viruses in Japan, The 16th International Microscopy
Congress, Sapporo (2006)
48)左近直美:ノロウイルス感染症の発生状況 , 小児科学会 , 大阪 (2006)
49)左近直美:大阪府における Norovirus 流行状況 , 小児感染症研究会 , 大阪 (2006)
50)左近直美:ノロウイルスの基礎知識と感染事例 , 日本防菌防黴学会微生物制御システム研究部会 , 東京 (2007)
51)左近直美:ノロウイルスの基礎知識 ,PCO 微生物制御研究会 , 金沢市 (2007)
52)小島洋子 , 川畑拓也 , 森治代 , 大竹徹:大阪府内において HIV 感染に対してリスクの高い行動をとるグループ内で広
がる HIV-1 の疫学調査 , 第 20 回近畿エイズ研究会学術集会 , 大阪 (2006)
53)小島洋子:NAT( 核酸増幅検査 ) について , 第 24 回大阪 STI 研究会 , 大阪 (2006)
54)森川佐依子 , 加瀬哲男 , 奥野良信:糖鎖結合ラテックス粒子を用いたインフルエンザウイルスの抗原解析 , 第 47 回日
本臨床ウイルス学会 , 東京 (2006)
103
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
■ 食品化学課
55) 岡本
葉 , 高取
聡 , 起橋雅浩 , 住本建夫 , 田中之雄 , 早川和一:LC/MS/MS を用いた柑橘類中における防カビ剤の迅
速一斉分析法の開発 , 第 91 回日本食品衛生学会学術講演会 , 東京(2006)
56)尾花裕孝 , 田中之雄 , 古田雅一:一酸化炭素を指標にした食品照射検知を簡便化する試み , 第 92 回日本食品衛生学会
学術講演会 , 愛知県春日井(2006)
57)M. Okihashi,Y. Kitagawa, H. Obana, Y. Tanaka, Y. Yamagishi, K. Sugitate, K. Saitou, M. Kubota, M. Kanai, T.
Ueda, S. Harada, Y. Kimura:Rapid multiresidue method for the determination of pesticide residues in food by
GC/MS, GC/FPD and LC/MS/MS, European Pesticide Residue Workshop, Greece (2006)
58)M. Okihashi, Y. Kitagawa, H. Obana, Y. Tanaka, K. Sugitate, K. Saitou, M. Kubota, M. Kanai, T. Ueda, S.
Harada, Y. Kimura:Rapid multi-class screening method for the determination of 240 pesticide residues
in food by gas chromatography mass spectrometry and flame photometric detection, 11th International
Symposium on Capillary Chromatography, Italy (2006)
59)M. Okihashi, Y. Kitagawa, H. Obana, Y. Tanaka, Y. Yamagishi, K. Sugitate, K. Saitou, M. Kubota, M. Kanai, T.
Ueda, S. Harada, Y. Kimura:Multiresidue method for the determination of pesticide residues in food by GC/
MS, GC/FPD and LC/MS/MS, 11th IUPAC International Congress of Pesticide Chemistry, Japan(Kobe)(2006)
60)Y. Okamoto, S. Takatori, M. Okihashi, T. Sumimoto, K. Hayakawa:Rapid and simple method for the
determination of postharvest fungicides in citrus fruits by LC/MS/MS, 11th IUPAC International Congress of
Pesticide Chemistry, Japan(Kobe)(2006)
61)住本建夫 , 織田
肇 , 岩上正藏 , 田中之雄 , 村田
弘 , 起橋雅浩 , 高取
田中敏嗣 , 宇野正清 , 宇治田正則 , 佐々木珠生 , 堤
聡 , 北川陽子 , 岡本
葉 , 酒井
洋 , 上野英二 ,
泰造 , 衛藤修一:農薬等のポジティブリスト化に伴う検査の精度
管理に関する研究 , 第 43 回全国衛生化学技術協議会年会 , 米子(2006)
62)吉光真人 , 野村千枝 , 粟津薫 , 北川幹也 , 尾花裕孝 , 田中之雄:パパイヤ成分を含むダイエット用健康食品およびパパ
イヤ加工食品からの DNA 抽出の検討 , 第 43 回全国衛生化学技術協議会年会 , 米子(2006)
63)高取
聡 , 阿久津和彦 , 近藤文夫 , 和泉俊一郎 , 牧野恒久 , 中澤裕之 , 吉池美紀 , 野澤資亜利 , 岩本晃明:日本人男性の
血清中のフタル酸モノエステルの分析 , 第 9 回環境ホルモン学会研究発表会 , 東京(2006)
64)北川陽子 , 高取
聡 , 田中之雄 , 西川淳一 , 西原
力 , 堀伸二郎 , 西山利正:化学物質の酵母細胞壁に対する透過性の比較 ,
第 9 回環境ホルモン学会研究発表会 , 東京(2006)
65)小西良昌 , 田中之雄 , 堀伸二郎 , 多田
裕:Trends of dioxin contamination of human breast milk −Effect of “dioxin
special measures law”, 愛媛大学 COE 国際シンポジウム , 愛媛(2006)
66)阿 久 津 和 彦 , 田 中 之 雄:Analysis of polybrominated diphenyl ethers in Japanese mother's milk and food
samples, 愛媛大学 COE 国際シンポジウム , 愛媛(2006)
67)阿久津和彦 , 田中之雄:ポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDEs)による環境汚染問題 , 日本分析化学会環境分析研
究懇談会 , 東京(2006)
68)起橋雅浩 , 高取
聡 , 北川陽子 , 田中之雄:GC/MS/MS を用いて同時一斉測定の限界に挑む , 第 29 回農薬残留分析研
究会 , 大阪(2006)
69)高取
聡 , 起橋雅浩 , 北川陽子 , 岡本
葉 , 柿本幸子 , 村田
弘 , 住本建夫 , 田中之雄:QuEChERS 法を活用した残留
農薬分析法の検討 , 第 29 回農薬残留分析研究会 , 大阪(2006)
70)尾花裕孝 , 古田雅一:2– アルキルシクロブタノンを指標にした照射食肉類の検知 , 平成 18 年度放射線照射利用促進
協議会大会講演会 , 大阪(2006)
104
業績集(学会発表等)
71)尾花裕孝 , 田中之雄 , 古田雅一:放射線照射生成物を指標にした食品の照射履歴検知 , 平成 18 年度地研全国協議会近
畿支部理化学部会 , 大津(2007)
■ 薬事指導課
72)山崎勝弘:生薬・漢方製剤に混入が疑われる有害成分(アリストロキア酸)の迅速分析法の開発 , 日本生薬学会第 53
回年会 , 埼玉 (2006)
73)
山崎勝弘:固相抽出法を用いた漢方製剤中のサイコサポニンの定量法 , 第 43 回全国薬事指導協議会 , 和歌山 (2006)
74)
山崎勝弘 , 川口正美 , 関田節子 , 佐竹元吉:「理化学試験用生薬標準品」の検討結果 – チンピ , カシュウ , 生薬分析シ
ンポジウム , 大阪 (2006)
75)
岡村俊男:生体試料中の薬物の迅速定量法に関する研究 – アセトアミノフェン , バルビツール酸系薬物などを対象と
して –, 日本薬学会第 127 年会 , 富山 (2007)
76)
梶村計志 , 田上貴臣 , 山崎勝弘 , 山本丈雄 , 岩上正藏 , 高取 聡:健康食品から検出されたグリベンクラミドについて ,
第 43 回全国衛生化学技術協議会 , 鳥取 (2006)
77)
梶村計志 , 米田該典:黄耆およびその原植物の品質評価に関する研究 , 第 89 回生薬懇話会 , 大阪 (2006)
78)
田上貴臣 , 梶村計志 , 皐月由香 , 中村暁彦 , 山本丈雄 , 岩上正藏:GC/MS のネガティブ CI モードによる生薬中のピレ
スロイド系農薬の分析法の開発 , 第 43 回全国衛生化学技術協議会 , 鳥取 (2006)
79)
皐月由香 , 中村暁彦 , 梶村計志 , 田上貴臣 , 山本丈雄 , 岩上正藏:ニンジン中に残留する有機塩素系農薬について , 第
43 回全国衛生化学技術協議会 , 鳥取 (2006)
■ 環境水質課
80)田中榮次 , 枝川亜希子:温泉水中遊離残留塩素の自動分析 – その2 共存物質による影響 –, 第 33 回日本防菌防黴学会 ,
東京(2006)
81)中野 仁 , 山本康次 , 奥村早代子 , 坂部憲一 , 山内正洋:浄化槽市町村整備推進事業の進捗による地域水環境の改善効
果と住民の評価 −市町村面整備事業地域における事前現況調査と整備の効果予測−, 第 20 回全国浄化槽技術研究集会 ,
熊本 (2006)
82)宮野啓一:陰イオン界面活性剤分析法の検討(第3報)−単一固相による非イオン及び陰イオン界面活性剤の分画−,
第 43 回全国衛生化学技術協議会年会 , 米子 (2006)
83)枝川亜希子 , 土井
均 , 木村明生 , 田中榮次 , 肥塚利江:給湯設備内から検出された Legionella 属菌の遺伝子解析 , 第
33 回日本防菌防黴学会 , 東京(2006)
84)枝川亜希子 , 木村明生 , 田中榮次 , 土井
均:レジオネラ属菌の宿主となる自由生活性アメーバに関する研究 , 日本防
菌防黴学会若手の会 , 奈良(2006)
85)Edagawa.A,Kimura.A and Karanis.P:Isolation and identification of free-living amoebae from drinking water
sources in western Japan,11th International Congress of Parasitology,Glasgow,UK(2006)
86)Sokichi Takagi,Fumie Adachi,Isao Watanabe,Kurunthachalam Kannan:Studies on perfluorinated compounds
in the suspended solid and the dissolved phase in river water,International Symposium 2006 Pioneering
Studies of Young Scientists on Chemical Pollution and Environmental Changes, Matsuyama(Japan)
(2006)
87)Fumie Adachi, Sokichi Takagi, Isao Watanabe:Occurrence of 1,4-dioxane contamination in the water source
and Yodo River zone in Osaka prefecture, Pioneering Studies of Young Scientists on Chemical Pollution and
105
平成 18 年度大阪府立公衆衛生研究所年報
Environmental Changes, Matsuyama (2006)
■ 生活衛生課
88)Ohyama M, Otake T, Adachi S, Kobayashi T, Morinaga K:A comparison of the production of reactive oxygen
species by suspended particulate matter and diesel exhaust particles with macrophages, 10th InterNational
Inhalation Symposium, Hannover (2006)
89)Adachi S, Ohyama M, Uchiyama I:Risk assessment after an accidental exposure to asbestos by
reconstruction in a nursery school, 10th InterNational Inhalation Symposium, Hannover (2006)
90)大山正幸 , 大竹徹 , 森永謙二:ヒトモノサイト誘導マクロファージからのスーパーオキサイド反応におけるシリカ粒
子や人造鉱物繊維のサイズの役割 , 繊維状物質研究協議会主催研究交流発表会 , 東京 (2006)
91)Takenaka N, Hiroi M, Koteishi H, Sadanaga Y, Ohyama M, Bandow H:Secondary Generation of Gaseous
HONO and Effect on Our Health. 6th Environmental Science & Technology for Sustainbility of Asia, 熊 本
(2006)
92)熊谷信二 , 冨岡公子 , 宮島啓子 , 吉田 仁:オルトフタルアルデヒド曝露により皮膚・呼吸器症状を発症した2症例 ,
第 79 回日本産業衛生学会 , 仙台 (2006)
93)熊谷信二 , 車谷典男:旧石綿管工場周辺の石綿濃度の推定と中皮腫死亡に関する量反応関係の検討 , 第 47 回大気環
境学会 , 東京 (2006)
94)松本大輔 , 冨岡公子:腰痛対策プロジェクト 第 1 報 共通言語としての基本介護技術の必要性 , 日本リハビリテーショ
ン連携科学学会第 8 回大会 , 神戸 (2007)
95)冨岡公子 , 眞藤英恵 , 樋口由美:適切な福祉用具使用と作業姿勢の要因における作業負担の比較研究 , 第 46 回近畿
産業衛生学会 , 和歌山 (2006)
96)北原照代 , 垰田 和史 , 冨岡公子 , 辻村裕次 , 西山勝夫:女性施設介護労働者の月経関連症状および妊娠・流産について ,
第 46 回近畿産業衛生学会 , 和歌山 (2006)
97)冨岡公子 , 松永一朗 , 北原照代:大阪府内新設特別養護老人ホームにおける腰痛の実態−施設責任者の回答(訪問調査)
と職員の訴え(アンケート調査)−, 第 46 回近畿産業衛生学会 , 和歌山 (2006)
98)池田浩己 , 竹田浩子 , 冨岡公子 , 榎本雅夫 , 山下敏夫:アレルギー外来におけるシックハウス症候群・化学物質過敏
症の経験 , 第 25 回日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会 , 山梨 (2007)
99)冨岡公子 , 熊谷信二 , 樋口由美 , 辻村裕次 , 新井康友 , 吉田
仁:特別養護老人ホームにおける入浴介助の腰部負担
の評価 −個浴の介護負担と介護機器の有効性の検討−, 第 79 回日本産業衛生学会 , 仙台 (2006)
100)Nakano Y:The identification and functional characterization of non-specitic sappressor factor (NSF) for
delayed type hypersensitivity, 第 35 回日本免疫学会 , 大阪 (2006)
101)富山健一 , 仁平守俊 , 山口明子 , 佐山友里江 , 栗山孝雄 , 武内孝之 , 中野幸廣 , 中島晴信 , 松田芳和 , 荒川泰昭:有機
スズ曝露による嗅覚系のカルシウム過剰蓄積とエンドヌクレアーゼ活性化 , 第 23 回微量栄養素研究会シンポジウム ,
京都 (2006)
102)Nakashima H, Ohshima T, Kuriyama T, Arakawa Y:Safety evaluation of inorganic antimicrobial agents
(1)-Analysis of inorganic antimicrobial agents used in antimicrobial products-, 第 17 回日本微量元素学会 , 静岡
(2006)
103)Nakashima H, Miyano N, Takatsuka T, Kuriyama T, Arakawa Y:Safety evaluation of inorganic antimicrobial
agents (2) -Elution of metals with artificial sweat and saliva from antimicrobial agents and processed cloths-,
106
業績集(学会発表等)
第 17 回日本微量元素学会 , 静岡 (2006)
104)Nakashima H, Takatsuka T, Kuriyama T, Arakawa Y:Safety evaluation of inorganic antimicrobial agents (3)
–Influences of inorganic antimicrobial agents on indigenous microorganisms on skin –, 第 17 回日本微量元素学
会 , 静岡 (2006)
105)中島晴信 , 山崎勝弘 , 堀江正一:ゴムの加硫促進剤 Zinc butylxanthate(ZBX) と Zinc isopropylxanthate(ZIPX) の
分析法 , 第 43 回全国衛生化学技術協議会年会 , 鳥取 (2006)
106)中島晴信 , 宮野直子 , 松永一朗 , 中島ナオミ , 鹿庭正昭:抗菌防臭加工剤の安全性評価(39)−市販抗菌製品と製品
表示抗菌剤の経年推移−, 第 43 回全国衛生化学技術協議会年会 , 鳥取 (2006)
107)中島晴信 , 陰地義樹:抗菌防臭加工剤の安全性評価 (41) −抗菌剤 Methylenebis(thiocyanate)(MBTC) の分析法−, 第
43 回全国衛生化学技術協議会年会 , 鳥取 (2006)
108)中島晴信 , 高塚
正:抗菌防臭加工剤の安全性評価(40)−無機系抗菌剤が皮膚常在菌に及ぼす影響−, 第 43 回全国
衛生化学技術協議会年会 , 鳥取 (2006)
109)中島晴信 , 辻
清美 , 中島大介 , 後藤純雄:水性塗料中の VOC の分析 , 平成 18 年度室内環境学会 , 東京 (2006)
110)野上浩志:職場の喫煙対策のガイドラインの浮遊粉塵基準値の問題性と尿コチニン量について , 第 79 回日本産業衛
生学会 , 仙台 (2006)
111) 宮島啓子 , 熊谷信二 , 吉田
仁 , 冨岡公子:内視鏡消毒剤オルトフタルアルデヒドの環境測定と洗浄従事者の健康影
響について , 第 79 回日本産業衛生学会 , 仙台 (2006)
112)宮野直子 , 中島晴信 , 松永一朗:界面活性剤の皮膚常在菌等への影響 , 第 43 回全国衛生化学技術協議会年会 , 鳥取
(2006)
113)Yoshida T:Interior air pollution in automotive cabins by volatile organic compounds diffusing from interior
materials, JSAE Symposium, review of automotive air-conditioning 2007, Tokyo (2007)
114)吉田
仁 , 冨岡公子 , 熊谷信二:ワックス製造作業場における気中パラフィンおよびカルナバワックス濃度の測定 ,
第 79 回日本産業衛生学会 , 仙台 (2006)
107
平成18年度
大阪府立公衆衛生研究所年報
ISSN 0289-9809
平成19年10月発行
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