Official Signed Copy (July 8, 2010) フィリピン共和国 移民労働者および 海外在住フィリピン人法 (1995 年) 共和国改正令第 10022 号 包括的施行規則 外務長官、労働雇用長官、保健長官、全国労使関係委員会委員長、保険監督長官 の法令上の職務権限、および共和国令第 10022 号(共和国令第 8042 号移民労働者およ び海外在住フィリピン人法(1995 年)改正)に従い、窮境にある移民労働者・その家 族・海外在住フィリピン人の、福祉の保護・促進基準を改善するなどの目的で、以下の 施行規則をここに公布する。 第 1 規則 一般規定 第 1 項 方針表明 (a) 独立外交を追求し、かつ国家主権、領土保全、国益、他国との関係を重視した自決 権を踏まえ、国家は常に、国内外を問わず一般に国民の尊厳を守らなければならない。 特にフィリピン人移民労働者については、継続的に国際条約を監視し、フィリピン人移 民労働者の保護を保証する条約を採択/調印、批准し、海外フィリピン人労働者の受け 入れ国と二国間協定を結ぶ努力をするものとする。 (b) 国家は、国内・海外、組織的・非組織的を問わず、労働者に全面的な保護を与え、 すべての者に対する完全雇用および平等な雇用機会を促進しなければならない。これを 実現するため、国家はフィリピン人移民労働者に対して、適時適切な社会的・経済的・ 法的サービスを提供しなければならない。 (c) フィリピン人移民労働者の、外貨送金による国家経済への多大な貢献を認めても、 国家は、経済成長維持および国家発展実現の手段として、海外雇用を促進しない。海外 雇用プログラムの存在は、フィリピン国民の尊厳・基本的人権・自由がいかなる時も、 脅かされたり侵されたりしないことの保証のみに基礎を置いている。したがって国家は、 継続的に国内雇用機会を創出し、財貨および発展による権益の公平な分配を促進しなけ ればならない。 (d) 国家は、法の下の男女の基本的平等、および建国における女性の重要な役割を確認 する。女性海外移民労働者の貢献および女性特有の脆弱性を認識した上で、国家は、移 1 Official Signed Copy (July 8, 2010) 民労働者および移民労働者の福祉を目的とした機関の組織に関する、政策およびプログ ラムの策定・実施に、性差に配慮した基準を適用しなければならない。 (e) 裁判所や準司法的機関および適切な法的支援の自由な利用は、いかなる者も貧困を 理由に妨げられない。これに関連して、正規/合法、非正規/不法を問わず、窮境にあ る、海外在住フィリピン人一般、特にフィリピン人移民労働者の、権利および利益が適 切に守られ保護されるように、有効な機構を制定することが急務である。 (f) フィリピン人移民労働者、および国家の民主的意思決定過程に参加し、海外雇用関 係制度を利用するすべての海外在住フィリピン人の権利は、認められ保証される。 (g) 国家は、地位向上に最も有効な手段は、移民労働者が技能を持つことだと認識する。 政府は、当該官庁の奨学金や研修助成金/補助金の指針を通じ、無料の技能開発・強化 プログラムへの移民労働者の参加機会を拡大しなければならない。これに従い、政府は できる限り速やかに、技能を有するフィリピン人労働者のみ派遣、および/または派遣 の許可をするものとする。 (h) 国家は、非政府組織、労働組合、勤労者協会、利害関係者(ステークホルダー)な ど、合法であると然るべく認められる関係者等の団体は、フィリピン人移民労働者の保 護および福祉促進において、国家のパートナーであると認識する。国家は信頼と相互尊 重の精神で、こうした団体に協力しなければならない。派遣・斡旋業者の多大な貢献は、 このパートナーシップの一部を成すものとする。 第 2 規則 用語の定義 第 1 項 定義 (a) 本法令とは、「移民労働者および海外在住フィリピン人法(1995 年)」共和国令第 9422 号および第 10022 号改正を指す。 (b) 権限とは、免許を受けた派遣/斡旋業者の職員または担当者に、免許に記載された 場所または特定の場所における、人材派遣および職業紹介活動の権限を与える、労働雇 用長官発行の書類を指す。 (c) BI とは、移民局(Bureau of Immigration)を指す。 (d) 真正非政府組織(NGO)とは、フィリピン人移民労働者の保護および福祉促進にお いて、フィリピン政府の活動パートナーとしてフィリピン大使館に然るべく認められた、 非政府市民団体または宗教的組織を指す。 2 Official Signed Copy (July 8, 2010) (e) CICT とは、情報通信技術委員会(Commission on Information and Communications Technology)を指す。 (f) 契約労働者とは、海外派遣のため、海外雇用庁の手続きをすでに経た雇用契約を有 するフィリピン人労働者を指す。 (g) DFA とは、外務省(Department of Foreign Affairs)を指す。 (h) DILG とは、内務自治省(Department of the Interior and Local Government )を指す。 (i) 直接雇用とは、海外雇用のため、労働雇用長官に承認され海外雇用庁の手続きを経 た雇用主に、直接雇用された労働者をし、以下の形態がある。 1. 国際機関による雇用 2. 外交団の構成員による雇用 3. 指名雇用者または、業者の援助や関与なしに、雇用主による海外雇用機会を確 保できる労働者 (j) DOH とは、保健省(Department of Health)を指す。 (k) DOJ とは、司法省(Department of Justice)を指す。 (l) DOLE とは、労働雇用省(Department of Labor and Employment)を指す。 (m) DOST とは、科学技術省(Department of Science and Technology)を指す。 (n) DOT とは、観光省(Department of Tourism)を指す。 (o) 雇用契約とは、以下のとおり。 1. 民間派遣/雇用業者に雇用された陸上勤務労働者:行政に認可された基本雇用 契約に基づく、外国の事業主/雇用主と労働者の間で交わされた個別の書面によ る契約 2. 船員: 雇用期間が明記され、三者構成による協議によって作成された、事業 主/雇用主と船員との間で個別に合意した、書面による海外雇用庁承認の標準雇 用契約 (p) フィリピン人サービス業者とは、認定プロジェクトまたは海外契約のために労働者 を派遣する民間派遣業者として、労働雇用長官によって然るべく認可された、個人、共 同経営体、企業を指す。 3 Official Signed Copy (July 8, 2010) (q) 性差への配慮とは、社会にはびこる男女間の不平等や不公正を認識し、両性それぞ れの利益に対して同一の関心を持って問題に取り組む姿勢を指す。 (r) 指揮または経営とは、以下のいずれかの行為を指す。 1. 派遣/斡旋業者またはその雇用先支部の運営を管理・監督すること 2. 被雇用者を雇用または解雇する権限を行使し、派遣/斡旋業者またはその支部 における経営方針を策定・実行すること (s) 連帯責任とは、海外派遣されたフィリピン人労働者の雇用契約実行に起因するすべ ての賠償請求に対する、事業主/雇用主および派遣/斡旋業者の責任を指す。派遣/斡 旋業者派遣/斡旋業者が法人である場合、企業幹部、管理職、場合によって共同経営者 は、前述の賠償請求および損害に対して、企業または共同経営体と共に、自ら共同およ び連帯責任を負う。 (t) IC とは、保険委員会(Insurance Commission)を指す。 (u) 非正規/不法フィリピン人移民労働者とは、以下のいずれかを指す。 (1) 詐欺または虚偽によりパスポートを取得した者 (2) 期限切れのビザまたは滞在許可証を所有する者 (3) 渡航書類を一切持っていない者 (4) 有効期間内だが不適切なビザを持つ者 (5) 海外雇用庁の手続きを経ていない、または、法もしくは規則の要請がある場 合、その後現地で海外労働事務所により照合・登録されていない雇用契約を有す る者 (v) 労働法とは、大統領令第 442 号改正法を指す。 (w) 免許とは、個人、共同経営体、企業が民間派遣/斡旋業者を運営する権限を与える、 労働雇用長官発行の書類を指す。 (x) LGU とは、地方自治体(Local Government Unit)を指す。 (y) 斡旋業者とは、国際水域を航行する船舶に乗船し、関連海運活動をする船員の人材 派遣および職業斡旋に従事できるよう、労働雇用長官によって然るべく認可された、個 人、共同経営体、企業を指す。 4 Official Signed Copy (July 8, 2010) (z) NBI とは、国家捜査局(National Bureau of Investigation)を指す。 (aa) NCC とは、国家コンピュータセンター(National Computer Center)を指す。 (bb) NLRC とは、全国労使関係委員会(National Labor Relations Commission)を指す。 (cc) ノンライセンシーとは、海外フィリピン人労働者の人材派遣および職業紹介に従事 するための有効な免許がない、または免許が無効、取消、停止、期限切れ、もしくは海 外雇用庁に登録された認可派遣/斡旋業者の登録リストから削除された個人、共同経営 体、企業を指す。 (dd) NRCO とは、国家海外フィリピン人労働者再統合センター(National Reintegration Center for Overseas Filipino Workers)を指す。 (ee) NSCB とは、国家統計調整委員会(National Statistical and Coordination Board)を指 す。 (ff) NSO とは、国家統計事務所(National Statistics Office)を指す。 (gg) NTC とは、国家通信委員会(National Telecommunications Commission)を指す。 (hh) 海外在住フィリピン人とは、移民労働者、海外在住のその他のフィリピン国民およ びその扶養家族を指す。 (ii) 窮境にある海外在住フィリピン人とは、海外在住フィリピン人で、医療的、精神・ 社会的、法的援助問題があり、本規則第 9 規則に定められた治療、入院、カウンセリン グ、法的代理人、または居住する国の当局によるその他の介入を必要とする者を指す。 (jj) 海外フィリピン人労働者または移民労働者とは、その国の国民ではないところで、 または軍事もしくは非営利目的の政府船以外の、国外の海上を航行する船舶に乗り組ん で、または海外もしくは公海上にある施設で、過去、現在、将来的に報酬を得る活動に 従事した、または従事する者を指す。「将来的に報酬を得る活動に従事する者」とは、 海外雇用を確保または保証された労働志願者を指す。 (kk) OWWA とは、海外労働者福祉庁(Overseas Workers Welfare Administration)を指す。 (ll) 紹介料とは、労働雇用長官により規定された人材派遣および職業紹介サービスにつ いて民間派遣業者が労働者に課す総額を指す。 (mm) POEA ( 海 外 雇 用 庁 ) と は 、 フ ィ リ ピ ン 海 外 雇 用 庁 ( Philippine Overseas Employment Administration)を指し、「行政(Administration)」と同じ意味で使用される。 5 Official Signed Copy (July 8, 2010) (nn) POLO(海外労働事務所)とは、フィリピン海外労働事務所(Philippine Overseas Labor Office)を指す。 (oo) 事業主(Principal)とは、認可民間派遣/職業紹介業者を通じて、海外雇用のためフ ィリピン人労働者を雇用するまたは従事させる、雇用主または国外斡旋業者を指す。 (pp) 民間派遣/職業紹介業者とは、海外雇用のための労働者の人材派遣および職業斡旋 に従事し、直接または間接に、労働者または雇用主または両者から手数料を課す、労働 雇用長官によって然るべく認可された、個人、共同経営体、企業を指す。 (pp) 再雇用者とは、同じ事業主との雇用契約を更新した陸上勤務労働者を指す。 (rr) 正規/合法フィリピン人移民労働者とは、以下を指す。 (1) 有効パスポート、および適切なビザまたは滞在許可証を所有し、受け入れ国で 働く者 (2) 海外雇用庁の手続きを経た、または、法もしくは規則の要請がある場合、その 後現地で海外労働事務所により照合・登録された雇用契約を有する者 (ss) 船員とは、海外雇用で雇用されているまたは従事している者で、軍事または非営利 目的の政府船以外の船舶に何らかの資格で乗り組んでいる者を指す。この定義には、漁 師、巡航船乗員、公海上にある移動式海洋掘削装置で働く者を含む。 (tt) フィリピン人技能労働者とは、適切な政府機関によって定められた、志願する職に 必要な、学位、資格もしくは経験を持つ者、または能力、訓練経験および認定証を有す る者を指す。 (uu) TESDA とは、技術教育技能開発庁(Technical Education and Skills Development Authority)を指す。 (vv) 未成年移民労働者とは、18 歳未満、または労働雇用長官の定める海外雇用の最低 年齢制限未満の者を指す。 第 3 規則 移民労働者の派遣 第 1 項 移民労働者の権利の保証 6 Official Signed Copy (July 8, 2010) 国家は、フィリピン人移民労働者の権利が守られている国にのみ、海外フィリピ ン人労働者の派遣を認める。政府は、海外フィリピン人労働者の権利保護について、受 け入れ国側の保証として、以下のいずれかを認識するものとする。 (a) 当該国に、移民労働者を含む労働者の権利を保護する労働・社会法規がある。 (b) 当該国が、移民労働者を含む労働者の権利保護に関する、多国間条約・宣 言・決議の調印、および/または批准をしている。 (c) 当該国が、海外フィリピン人労働者の権利保護に関して、政府と二国間協定 を結んでいる。 ただし受け入れ国が本項(a)、(b)、(c)号に記載の保証のいずれかを推進するため、 移民労働者の権利を保護する積極的かつ具体的な措置を講じる場合に限るものとする。 「積極的かつ具体的な措置」には、法的または行政的措置、外交交渉、司法判 断、プログラム、プロジェクト、活動、および移民労働者の権利保護の目的で受け入れ 国が取るその他の行動がある。 以上を実現する目的で、外務省は、受け入れ国が本項(a)、(b)、(c)号に記載の保 証のいずれかを順守しており、同国が移民労働者を含む労働者の権利を保護する積極的 かつ具体的な措置を講じている旨の証明書を発行しなければならない。外務省は、海外 雇用庁に対して、移民労働者の権利を保護する、受け入れ国の労働/社会法規、条約/ 宣言/決議、または二国間協定の、関連条項を明記した証明書を発行しなければならな い。この証明書は、必要が生じるたびに、外務省による審査を受けるものとする。 海外雇用庁理事会は、その決議において、上記の保証に適合し、外務省の証明を 受けた受け入れ国への海外フィリピン人労働者の派遣のみ、認めるものとする。 海外雇用庁は、現行の国外雇用主/事業主の認定基準および労働者の資格条件に 従い、海外雇用庁理事会が認めた受け入れ国にのみ海外フィリピン人労働者を登録する ことができる。 第 2 項 海外雇用庁理事会役員、政府高官および職員の責任 前項に記載の外務省の証明書のない移民労働者派遣を認める決議に、実際に賛成 票を投じた海外雇用庁理事会役員は、免職または解任の処罰を受け、公職に任命される 資格を 5 年間剥奪される。さらに、本項に違反し、派遣を禁じる海外雇用庁理事会の決 議に明らかに違反する、移民労働者派遣を認める許可証発行に関与した政府高官または 職員 は、本項の同様の処罰に処される。 第3項 海外フィリピン人労働者の外航船舶への派遣 7 Official Signed Copy (July 8, 2010) 国家はまた、所有者/雇用主が移民労働者の権利を保護する国際法および基準に 準拠している、国外の海上を航行する船舶、または海外もしくは公海上にある施設への、 海外フィリピン人労働者の派遣を認めなければならない。 第 4 項 国際事業に携わる会社および業者への派遣 国家は同様に、国際事業に携わる会社および業者への、海外フィリピン人労働者 の派遣を認めなければならない。ただし、海外雇用庁が定める雇用契約に示され、国際 的に受け入れられている水準に従った、基準・条件・要件を満たす場合に限る。 第 5 項 技能労働者の派遣 技能測定の適切な機構が整い、国益に一致し次第、労働雇用長官は、フィリピン 人技能労働者のみ派遣を認めるものとする。 第6項 派遣の終了または禁止 第 3 規則第 1 項および第 5 項の規定にかかわらず、国益のため、または公共の福 祉に必要な場合、海外雇用庁理事会は、外務省との協議の上、いつでも移民労働者の派 遣を終了または禁止することができる。 海外雇用庁理事会は、外務省との協議の上、禁止の特例を認める、または禁止を 解除することができる。 第 7 項 渡航勧告 外務省は、必要に応じて、渡航勧告を発令しなければならない。「渡航勧告」と は、通常安全上の理由で、特定の目的地における一般的な平和および秩序の状況に基づ き、旅行する一般国民に発する通知である。 第8項 労働に関する状況 海外雇用庁は、外務省と協議し、労働・雇用条件、移民の実態、その他の事実に ついての情報の普及とともに、特定の国における、人権および労働者の権利に関する国 際基準への順守を広めることで、個人個人が海外雇用について十分な情報を得た上で賢 い決断ができるよう、適切な準備をしなければならない。海外雇用庁は、時宜に即して、 全国発行されている新聞に勧告を掲載しなければならない。 海外雇用庁は、全国規模で包括的、持続可能な就業前指導セミナーなど、その他 のプログラム、またはその他の情報手段や普及キャンペーンによる方策に取りかからな ければならない。 8 Official Signed Copy (July 8, 2010) 第 4 規則 不法な人材派遣 第 1 項 定義 本法令において、不法な人材派遣とは、営利・非営利を問わず、フィリピン労働 法・大統領令第 442 号改正法第 13 条(f)に意図されている権限のノンライセンシーまた はノンホルダーによる、労働者の訪問、参加、契約、移送、利用、雇用、または調達の いずれかの行為を意味し、照会、契約サービス、海外雇用の約束または広告も含む。た だし、当該ノンライセンシーまたはノンホルダーが、いかなる方法でも、2 人以上の者 に有償で海外雇用の約束をした場合に関与があったとみなす。同様に、権限のノンライ センシー、ノンホルダー、ライセンシー、ホルダーにかかわらず、以下の行為があった 場合も含む。 (a) 労働雇用長官の定める許容可能手数料表に記載の額より多い額 を、直接もしくは間接に、請求もしくは受け取る。または、貸付金も しくは前払い金として実際に受け取った額より多い額を、労働者に払 わせる、もしくは同意させる。 (b) 人材派遣または雇用に関する、虚偽の告知、情報、または文書 を、提供または公表する。 (c) 虚偽の告知、証言、情報、もしくは文書を提出する、または、 免許もしくは労働法における権限を確保する目的、海外雇用庁に雇用 労働者の立証をする目的などで、不実表示行為を行う。これには、存 在しない仕事、実際の海外労働とは違う仕事、または海外雇用庁に登 録されているかどうかにかかわらず、別の雇用主との仕事についての 労働指示による、労働者の再配置を含む。 (d) 転職により労働者が過酷な雇用条件から解放されることを目的 としている場合を除き、すでに雇用されている労働者に、他の仕事を 紹介するため、現在の就職先をやめるよう勧誘、または勧誘しようと する。 (e) 自分の代理店を通さずに求人に応募した、または労働組合もし くは勤労者協会について結成、参加、支援、接触し、もしくは支援を 受けた労働者を雇用しないように、個人または団体に影響を与える、 または与えようとする。 (f) 公衆衛生、道徳、またはフィリピン共和国の尊厳上有害な仕事 への、労働者の人材派遣または職業紹介に従事する。 9 Official Signed Copy (July 8, 2010) (g) 労働雇用長官または正当に権限が与えられた代理人の査察を妨 害する、または妨害しようとする。 (h) 雇用、求人、外貨収入送金、職場離脱、出発やその他の事項、 または労働雇用長官が必要とする情報についての、状況報告書の提出 を怠る。 (i) 労働雇用省に承認・検証された雇用契約を、当事者が実際に署 名した時から同契約の期限満了までの間に、労働雇用省の許可なく、 労働者が損害を被るような変更または修正をする。 (j) 人材派遣または職業紹介業者の職員または担当者が、旅行代理 業に従事する、または旅行代理業の経営に直接もしくは間接に携わる 企業の取締役になる。 (k) 求人に応募した労働者の渡航書類を、金銭上もしくは財務上の 判断、または労働法およびその施行規則により認められている以外の その他の理由で、出発前に拒絶または保留する。 (l) 労働雇用省により定められた正当な理由なく、契約労働者を実 際に派遣しない。 (m) 労働者の過失なく、派遣が実際には行われなかった場合の、派 遣のための文書や手続きに関連して労働者が被った費用の返金を怠る。 (n) フィリピン国民以外の者に認可派遣/斡旋業者の指揮または経営を 任せる。 第 2 項 経済的妨害行為に関する犯罪 不法な人材派遣が、互いに共謀する 3 人以上の集団によって行われた場合、シン ジケート組織による行為とみなされる。また 3 人以上の個人または集団に対して行われ た場合、大規模な行為とみなされる。 第3項 その他の禁止行為 上記に挙げた行為に加え、個人または団体が以下の禁止行為を行うことも違法行 為である。 a. 年率 8%を超える利息で、合法的許容紹介手数料の支払いに使われ、 移民労働者が個人的に、または保証人もしくは融通当事者を通して、当 10 Official Signed Copy (July 8, 2010) 該融資について先日付小切手を振り出さなければならないような融資を、 海外フィリピン人労働者に対して行う。 b. 海外フィリピン人労働者が、特定の機関、団体、または個人のみから の融資を利用しなければならないような、強制的・排他的な取り決めを 強いる。 c. 海外フィリピン人労働者の雇用契約が本人の責によらず途中終了した 場合に、当該労働者が受けた融資について斟酌または再交渉を拒否する。 d. 船員の健康診断費用を事業主/船主が負担する場合を除き、海外フィ リピン人労働者が、特定の診療所、機関、団体または個人のみにおいて 健康診断を受けなければならないような、強制的・排他的な取り決めを 強いる。 e. 事業主/船主が義務づけ、当該研修費用を負担する推奨研修を除き、 海外フィリピン人労働者が、特定の機関、団体、または個人のみによる 何らかの研修、セミナー、指導または教育を受けなければならないよう な、強制的・排他的な取り決めを強いる。 f. 資格停止処分中の派遣/職業紹介業者が、審理中の労働者の申請手続 きなど、何らかの人材派遣活動に従事する。 g. 派遣/斡旋業者または国外雇用主/事業主が、強制労働者保険金に規 定されている、保険費用、保険料、またはその他保険関連手数料の費用 支払いを、海外フィリピン人労働者に負担させる、または給料から控除 する。 第4項 責任者 上記不法行為につき刑事責任を負う者には、主犯・共犯・従犯者がある。法人の 場合、事業の所有、管理、経営、命令権があり、違法行為の指示および行為に関与した 職員/担当者について責任を負うべき幹部が、責任を負う。 第 5 項 罰則 (a) 不法人材派遣で有罪となった者は、12 年以上 20 年以下の懲役および 100 万ペ ソ以上 200 万ペソ以下の罰金の刑に処す。 (b) 不法人材派遣が、定義上の経済的妨害行為に相当する場合、終身刑および 200 万ペソ以上 500 万ペソ以下の罰金の刑が科される。 11 Official Signed Copy (July 8, 2010) ただし、不法な人材派遣が 18 歳未満の者になされるか、権限のノンライセンシ ーまたはノンホルダーの手による場合、最高刑が科される。 (c) 禁止行為のいずれかで有罪となった者は、6 年以上 12 年以下の懲役および 50 万ペソ以上 100 万ペソ以下の罰金の刑に処す。 犯罪人が外国人の場合、本項に記載の処罰に加え、さらなる法手続きなく国外退 去となる。 いずれの場合も、有罪判決により自動的に、派遣/職業紹介業者、融資機関、研 修所、または診療所の、免許または登録の取り消しとなる。 第6項 裁判地 第 4 規則に定義される不法な人材派遣に基づく犯罪行為は、違法行為が行われた、 または違法行為が行われた際に違法行為を受けた当事者が実際に居住している、州また は市にある地方裁判所に提訴されなければならない。ただし、犯罪行為が最初に提訴さ れた裁判所が、他の裁判所を排除して裁判管轄権を得る。 第7項 時効 第 4 規則における不法な人材派遣は、5 年で時効となる。ただし、経済的妨害行 為を伴う不法な人材派遣については、20 年で時効となる。 第8項 独立訴訟 本項における処罰に値する違法行為の提訴は、その他の現行法または規則におけ る犯罪訴訟に影響を与えない。 第 5 規則 公務員の従事の禁止 第1項 欠格事由 以下の公務員は、直接・間接を問わず、移民労働者派遣業に従事することを禁じる。 (a) 職階にかかわらず、DOLE、POEA、OWWA、DFA、DOJ、DOH、 BI、IC、NLRC、TESDA、海外在住フィリピン人委員会(CFO)、NBI、 フィリピン国家警察(PNP)、マニラ国際空港(MIAA)、フィリピン 民間航空局(CAAP)、および本法令の実施に関わるその他の政府機 関公務員または職員 12 Official Signed Copy (July 8, 2010) (b) 上記公務員の、4 親等内の血族または姻族である親族 本項に違反した公務員または職員は、刑事訴追なしに、公務員規則に 従い、行政処分を受ける。 当該政府機関は、自主的に、または個人の申し立てにより、違反のあった公務 員・職員、および/またはその親族に対する訴訟を、監視および開始する。 第 6 規則 対不法派遣プログラム 第 1 項 海外雇用庁の対不法派遣プログラム 海外雇用庁は、不法派遣活動の撲滅にむけた方針・手順を採用し、強力なプログ ラム・方策を準備、実行する。この例としては以下のようなものが挙げられる。 (a) 不法な人材派遣、および事実上行政的または刑事的に関連した事例の 被害者に対して、書類作成やカウンセリングなどの法的支援の実施 (b) 司法省検察官と協力の上、予備捜査および公判中の不法派遣業者の 訴追 (c) 不法な人材派遣に従事した疑いのある組織または団体の、査察および 閉鎖などの特別処理 (d) 啓蒙活動 海外雇用庁は、必要な場合いつでも、上述のプログラム実行について、その他の 関係団体と連携する。 第2項 法的支援 海外雇用庁は、不法な人材派遣、および事実上行政的または刑事的に関連した事 例の被害者に対して、法律相談、訴状や付属書類の作成支援、刑事訴訟提訴の形で、無 料の法的支援を実施する。 第3項 不法な人材派遣に対する訴状の受領 不法な人材派遣、および事実上行政的または刑事的に関連した事例の被害者は、 海外雇用庁に対して、支援目的であることを宣誓した上で、文書による報告書または訴 状を届け出ることができる。 13 Official Signed Copy (July 8, 2010) 首都圏以外の地域においては、不法な人材派遣に関する訴状および報告書は、海 外雇用庁または労働雇用省の該当地域事務所に届け出ることができる。 労働雇用省で受領した訴状および報告書は、海外雇用庁の適切な評価を受けなけ ればならない。 第 4 項 管轄検察庁による事例の承認 海外雇用庁は、不法な人材派遣およびその他の関連事例について、十分な証拠が あるという評価および適切な決定後、予備捜査実施のため、管轄検察庁の承認を得なけ ればならない。 予備審査中、訴状提出者は、海外雇用庁の法的支援またはカウンセリングを受け ることができる。 第 5 項 刑事訴訟の提訴 労働雇用長官、海外雇用庁長官、労働雇用省地域事務所所長、正当に権限が与え られたこれらの代理人、または被害者は、関係省庁と共に該当刑事訴訟を提訴すること ができる。 第6項 係官の宣誓供述および証言 違法行為となる活動の場に居合わせた、労働雇用省、海外雇用庁、法執行機関の 係官または職員の宣誓供述および証言は、被告人を起訴する十分な根拠となる。 第 7 項 公判中の法的支援 本法令第 6 項に基づく処罰に値する違法行為の訴追において、海外雇用庁の対不 法派遣部門は、司法省検察官と協力し、場合によっては、海外雇用庁の弁護士に訴追を 主導させる。 第 8 項 訴追部門弁護士への特別手当 予備捜査時の特別弁護人、および/または法廷審問時の司法省検察官の共同弁護 人となる海外雇用庁の弁護士には、長官が定める額の追加手当が与えられる。 第 9 項 訴状/報告書への対処 不法派遣活動が行われているとする訴状/報告書が出された場合、不法派遣の疑 いのある活動が行われている敷地内において、査察が行われる。不法派遣活動が確認さ れた場合、海外雇用庁許可規制局(LRO)局長は、海外雇用庁長官に、刑事訴訟訴追、 および/または閉鎖命令もしくは予防的資格停止命令の発令を提言する。 14 Official Signed Copy (July 8, 2010) 第 10 項 査察 海外雇用庁および/または労働雇用省地域事務所の任命官は、自主的に、不法派 遣の疑いのある活動について査察を行う。 査察終了から 2 日以内に、宣誓供述に基づいた報告書が、許可規制局局長または 場合によって該当地域事務所所長に提出されなければならない。 第 11 項 閉鎖命令の発令 海外雇用庁長官または該当労働雇用省地域事務所所長は、ノンライセンシーの活 動が国家安全保障および社会秩序に危険を及ぼさないか、または求職者のさらなる搾取 につながらないかを見極める、一方的予備尋問を実施することができる。このため、海 外雇用庁長官、該当労働雇用省地域事務所所長、または正当に権限が与えられたこれら の代理人は、質疑応答の形で、訴状提出者および/またはその証人を直接に尋問し、宣 誓証言を得ることができる。訴状提出者および/または証人の証言は、文書にまとめ、 本人に署名され、権限のある当局者に証明されなければならない。 査察報告書または訴状提出者の予備審査に基づき、海外雇用庁長官、労働雇用省 地域事務所所長、または正当に権限が与えられたこれらの代理人が、そのような危険ま たは搾取の存在を認めた場合、海外雇用庁長官により、不法派遣活動に使用されている 施設の閉鎖を命じる文書命令が出される。 営業免許または許可が地方自治体から発行されている事業所の場合、労働雇用 長官、海外雇用庁長官または該当地域事務所所長は、同様に、発行自治体に対して、営 業免許または許可の即時停止/取消を提言する。 第 12 項 閉鎖命令の実行 閉鎖命令は、違反者または対象施設の責任者に対して出される。閉鎖は、施設の 封鎖および施錠、ならびに施設敷地内の目立つ場所に太字で閉鎖の告知を貼り出すこと で完成する。必要な場合いつでも、関連法執行機関の支援・支持をこの目的で要請する ことができる。 第 13 項 履行報告書 履行手順の詳細を記載した、宣誓下で実行された閉鎖命令の履行報告書は、履行 日から 2 日以内に、許可規制局局長、または場合によって該当地域事務所所長に提出さ れなければならない。 第 14 項 閉鎖命令中の刑事訴訟提訴 15 Official Signed Copy (July 8, 2010) 海外雇用庁長官、労働雇用省地域事務所所長、正当に権限が与えられたこれらの 代理人、法執行機関、または被害者は、管轄の検察庁ともに、該当刑事訴訟を提訴する ことができる。 第 15 項 閉鎖命令の効力 不法派遣活動に従事する団体のすべての幹部および担当従業員は、悪質行為者リ ストに載り、政府の海外派遣プログラムへの参加資格剥奪/参加禁止となる。 第 16 項 施設再開の申立申請の資格 再開の申立は、以下の者のみが申請できる。 (a) 建物の所有者、または正当に権限が与えられたその代理人 (b) 建物の管理者、または正当に権限が与えられたその代理人 (c) 閉鎖命令の対象である個人/団体の派遣活動とは異なる営業/活動を、閉鎖 /施錠された敷地内で合法的に営なむ、その他の個人または団体 第 17 項 施設再開の根拠 (a) 事務所が閉鎖命令の対象でない。 (b) 建物の所有者または建物の管理者との賃貸借契約が、すでに取り消されてい る、または終了している。再開要請は、建物の所有者または建物の管理者のどち らかによる宣誓供述により、建物が、人材派遣目的で海外雇用庁発行の必須免許 のないその他の個人/団体に賃貸/賃借されないことが、正当に裏付けられなけ ればならない。 (c) 事務所が、直接・間接を問わず、不法派遣活動に関わっていない個人/団体 との共有になっている。 または (d) 海外雇用庁が正当であり価値があるとみなす、その他類似の根拠。 第 18 項 閉鎖命令の解除申立 すでに実施されている閉鎖命令の解除申立は、実施日より 10 歴日以内に許可規 制局に申請された場合のみ、受け付けられる。申立は、立証され、付属書類を添付の上、 基になる根拠を明記していなければならない。本規則に表記の必要要件を満たさない解 除申立は、受け付けられない。 16 Official Signed Copy (July 8, 2010) 第 19 項 閉鎖命令の解除申立の資格 立証された閉鎖命令の解除申立は、閉鎖命令が発令され実施された対象の個人も しくは団体、または正当に権限が与えられた代理人のみが申請できる。 第 20 項 閉鎖命令解除の根拠 閉鎖命令の解除は、以下のいずれかの根拠によって認められる。 (a) 個人/団体が、直接・間接を問わず不法派遣活動に関与していないことが、後 に確認された、または証明された。 (b) 海外雇用庁が正当であり価値があるとみなす、その他類似の根拠。 閉鎖命令の解除は、該当官庁への、違法派遣活動を行った疑いのある者に対する 刑事告発には、影響を与えない。 第 21 項 上訴 閉鎖命令の解除申立および/または再開申立を却下する海外雇用庁長官の命令に ついて、命令受領から 10 日以内に、労働雇用長官に上訴することができる。 第 22 項 施設の監視 海外雇用庁は、閉鎖命令の対象となった施設を監視しなければならない。 再開した施設が、不法派遣活動にまだ使われているとその後確認された場合、解 除申立をすることができない閉鎖命令が新たに出される。 第 23 項 就業前指導セミナー(PEOS) 海外雇用庁は、海外雇用のための採用の法慣行、移民労働者の権利・責任・義務、 健康問題、不法な人材派遣の防止および手口、性差への配慮などのテーマを取り上げる セミナーの実施を通じて、包括的な就業前指導プログラムを強化しなければならない。 海外雇用庁は、移民労働者に、労働者としての権利だけでなく、人としての権利 も教え、労働者に、権利の主張方法を教授・指導し、権利侵害を是正できる機構を提供 しなければならない。 第 24 項 地方自治体・その他政府機関・NGO とのパートナーシップ 17 Official Signed Copy (July 8, 2010) 海外雇用庁は、海外雇用の全側面についての情報を普及する目的で、海外フィリ ピン人労働者の権利および福祉を擁護する、地方自治体・その他政府機関・NGO との パートナーシップを維持および強化しなければならない。 このため海外雇用庁は、関係団体に、認可業者・団体の最新リスト、および冊子、 パンフレット、ポスターの他、新しい対不法派遣法・規則などの情報資料を、地元市民 に個別に配布できるよう、常に提供しなければならない。 第 7 規則 金銭的請求権 第 1 項 労働調停員の司法権 他の法律の規定にかかわらず、全国労使関係委員会の労働調停員は、訴状、また は実際的、道徳的、懲罰的、およびその他の損害賠償など、労使関係に起因する、もし くはフィリピン人労働者の海外雇用に関する法令や契約に基づく申立の提出から、90 歴日以内に審問および決定する、独自かつ排他的な権限を持つ。 第2項 国際的サービス産業についての情報更新 前項の権能に従った上で、全国労使関係委員会は下記の行為を行うものとする。 a. 国際的サービス産業開発についての情報を更新し、迅速な対応に努める。 b. 移住問題および関連性のある海外活動に関する、国際または国内会議に参加す る。 第3項 連帯責任 第 7 規則上のすべての申立についての、事業主/雇用主および派遣/職業紹介 業者の責任は、連帯とする。この責任は、海外派遣契約に組み込まれ、承認に先行する 条件でなければならない。法律に規定されている、派遣/職業紹介業者による履行保証 は、労働者に支払われる全ての金銭請求または損害賠償について義務を負う。 派遣/職業紹介業者が法人の場合、企業幹部、管理職、場合により共同経営者が、 前述の請求および損害について、企業または共同経営体と共に、自ら共同および連帯責 任を負う。 当該責任は、雇用契約の全期間において存続し、国内または国外で作成された契 約の差替、改訂または修正の影響を受けない。 18 Official Signed Copy (July 8, 2010) 第 4 項 妥協合意 第 7 規則上の、損害賠償を含む金銭請求についてのいかなる妥協、示談または自 由協定の場合も、両当事者が合意した異なる期間を該当官庁が承認した場合を除き、該 当官庁による調停承認から 30 日以内に支払われなければならない。 第 5 項 不法な解雇および/または控除の効力 法律もしくは契約の定義上の、公正な、有効な、もしくは認められた理由のない 海外雇用の解除、または労働者の給与からの不正な控除があった場合、労働者は、年率 12%の利息による斡旋料に、雇用契約の期限内の給与、または満期に達していない全て の年の 3 カ月分の、いずれか少ない方を加えた、全額弁償を受ける資格がある。 不正な控除の場合、労働者は、控除がなされた日付から年率 12%の利息で、控 除の払い戻しを受ける資格がある。 第6項 終局裁定の効力 国外雇用主/事業主が終局裁定を受けた場合、さらなる手続きなく自動的に、裁 定が完全履行されるまで、フィリピン海外雇用プログラム参加、およびフィリピン人労 働者の募集・採用の資格を剥奪する。 このため、全国労使関係委員会または関係当事者は、国外雇用主/事業主に対す る終局裁定の完全履行がされていないことを示す、執行官の執行報告書の認証謄本を、 海外雇用庁に提出しなければならない。 資格を剥奪された国外雇用主/事業主が、裁定を完全履行した場合、全国労使関 係委員会または関係当事者は、資格剥奪解除の根拠となる、裁定の完全遵守を示す、執 行官の執行報告書の認証謄本を、海外雇用庁に提出しなければならない。 第7項 任意仲裁 団体協約のある海外フィリピン人労働者の場合、労働法第 261 条および第 262 条 に従い、任意仲裁に付さなければならない。 第 8 規則 外務省の役割 第1項 フィリピン外交政策第 3 の柱としての国民支援 19 Official Signed Copy (July 8, 2010) 国民支援は、フィリピン外交政策第 3 の柱である。1991 年フィリピン外交法、 移民労働者および海外在住フィリピン人改正法に従い、外務省は、フィリピン人移住者 の権利および福祉を促進・保護する、政策およびプログラムを策定・実施し、窮境にあ る海外在住フィリピン人に対して、領事機関や法的支援を提供する義務がある。 第 2 項 海外フィリピン人労働者保護の国際的、地域的、および二国間の取り組み 外務省は、海外フィリピン人労働者の権利を保護し福祉を促進する、国際的・地 域的条約/宣言/協定の策定において先導的な役割を担う、および/または積極的に参 加することによって、国際的・地域的協議の場で、海外フィリピン人労働者の権利およ び福祉の保護・促進を唱え続けなければならない 外務省は、その外交部署を通じ、海外フィリピン人労働者の状況改善に努めなけ ればならない。外務省は、特に二国間協定の締結またはその他の協力を通じ、受け入れ 国との円満な連携関係を築かなければならない。 第 3 項 国別チーム対応 国別チーム対応により、母体機関にかかわらずすべての海外赴任の職員や担当者 は、国ごとに、大使主導による任務を負った国別チームとして行動する。 フィリピン領事館がある受け入れ国では、領事館も、大使指導のもとで国別チー ムの一員となる。 国別チーム対応実行において、訪問中のフィリピン派遣団には、全面的支援およ び情報が提供される。 第 4 項 国際協定の交渉 改正行政法(行政令第 292 号)に従い、外交関係における、全国家的努力の計画、 編成、運営、調整、評価をする上で、外務省が、大統領に対する勧告・補助の主導機関 となるものとする。 第 9 規則 移民労働者法的支援業務 第 1 項 職務および責任 外務省の移民労働者法的支援業務は、フィリピン人移民労働者および窮境にある 海外在住フィリピン人への、すべての法的支援サービスの提供および全体的調整の、一 義的責任を負う。この一義的責任の遂行において、担当者は以下の義務および職務を果 たさなければならない。 20 Official Signed Copy (July 8, 2010) (a) フィリピン人移民労働者への法的支援サービス提供の、指針・手順・ 基準を発行する。 (b) 移民労働者への法的支援提供の効果的な調整をはかるため、労働雇 用省、海外雇用庁、海外労働者福祉庁、その他関連政府機関、および移 民労働者を支援する非政府組織との、緊密な連携を構築する。 (c) 必要があれば、移民労働者への法的支援を提供する政府サービス・資 源を補足するため、フィリピン統合弁護士会(IBP)、その他の弁護士 協会、労働、移民、人権関連法の法律専門家、一流法律事務所、および その他の市民社会団体の支援を要請する。 (d) 移民労働者法的支援基金を運営し、用途・処理・支払いを規定する、 承認済み指針・手順に従い、支払いを認可する。 (e) 本法令第 20 項に規定の移住情報システムを維持する。 (f) 毎年の一般歳出法上の外務省予算に含めて、予算を作成する。 (g) その他、義務遂行に有益、必要、または付随的な、職務を遂行およ び責任を負う。 第 2 項 資格および権限 移民労働者法的支援業務は、法律家として 10 年以上の経験があり法律分野での 能力を証明された弁護士で、直近の地方または国政選挙で公職に立候補していない者が 指揮を執るものとする。当該職は、フィリピン大統領により任命される。外務次官とし ての肩書き、階級、給与、および特権を得、外務省移民労働担当次官事務所 (OUMWA)を統括する。 当該職は、事務所の効果的な職務遂行の補助のため、国内外を問わず、民間弁護 士を採用する権限を持つ。 第3項 法的支援基金 本法令に基づく法的支援基金は、外務省の承認済み指針・基準・手順に従い、移 民労働者および窮境にある海外在住フィリピン人への法的サービス提供のためだけに利 用される。 当該基金は、特に以下の特定の目的のために利用される。 21 Official Signed Copy (July 8, 2010) (a) 国選弁護人または公選弁護人がいない場合の、海外での刑事・労働訴訟に臨 む移民労働者の代理業務、または不法もしくは不正行為のあった海外雇用者の提 訴業務に対する、国外弁護士への弁護費用の支払い。ただし、科された処罰が終 身刑もしくは死刑である、または移民労働者担当次官が価値ある状況と認める場 合を除き、上訴費用は一切支払われないものとする。 (b) 弁護士および関連外交部署の推薦による、拘留中の労働者の一時保釈のため の保釈保証。 (c) 裁判費用・手数料、およびその他弁護士が推奨する相応な訴訟経費。 第 10 規則 労働雇用省の役割 第1項 現場における保護 労働雇用省は、移民労働者、および該当する場合はその他の海外在住フィリピン 人に、法的支援の提供、および適切な医療センターまたは病院の紹介など、外国におけ る労働・社会福祉法が正しく適用されているか、注意を払わなければならない。 第2項 海外労働事務所の職務 労働雇用省の国外業務部門となるのは海外労働事務所で、以下の職務および責任 を持つ。 a. 海外フィリピン人労働者の福祉および利益を促進・保護し、労使関係に起因 するすべての問題において支援する。 b. 本法令の原則に従い、労働雇用省の雇用促進指令に連携する。 c. 雇用契約およびその他の雇用関係文書を照合する。 d. フィリピン労働政策なかでも海外フィリピン人労働者に影響を及ぼす、受け 入れ国での状況および政策展開について監視し、労働雇用長官に報告する。 e. 移民労働者・海外在住フィリピン人資料センターの運営を、監督・調整する。 f. 労働雇用長官が課す、その他の職務および責任。 A. 海外雇用庁 22 Official Signed Copy (July 8, 2010) 第 3 項 民間部門の規制 海外雇用庁は、認可・登録制の整備により、労働者の人材派遣および海外職業斡 旋への民間部門の参加を規制する。また必要があれば、関連該当団体との連携により、 労働者の福祉および国内労働力需要を考慮に入れた、フィリピン人労働者の海外雇用を 促進・監視するシステムを策定・実施する。海外雇用庁は、雇用前の段階から、海外フ ィリピン人労働者にとって最良の雇用条件確保、被害を受けやすい部門のニーズおよび 海上・陸上労働者の特性についての考慮など、海外雇用の規制・管理に責任を負う。 第 4 項 海外雇用庁を通じた採用 行政は、まず政府間協定に基づいた労働者の派遣・職業紹介をしなければならな い。外国政府およびその仲介、ならびに公益に必要な場合にその他の雇用主による、訓 練を受けた有能なフィリピン人労働者の要件を必要とする派遣・職業紹介:において、 行政は、フィリピンが二国間協定を締結している国のみに派遣しなければならない。た だし、当該国が、フィリピン人移民労働者の権利保護を保証し、さらに、移民労働者に 関する国際法・基準を監視および/または遵守している場合に限る。 第 5 項 海外雇用主保証基金 政府間協定に基づき海外雇用庁が募集した移民労働者のために、海外雇用庁は、 関連指針を通じ、契約上の義務違反に起因する労働者の金銭請求に対応する、海外雇用 主保証基金を設立・運営する。 第6項 海外雇用庁の権限 海外雇用庁は、以下について審問および決定する、独自かつ排他的な権限を持つ。 (a) 労働者から徴収した手数料の返金、または労働者採用の認可もしくは 権限授与の条件違反などの、認可・登録に関する規則違反に、関連また は起因する、行政的性質の、すべての雇用前/採用時の違反事例。 (b) 雇用主、事業主、請負業者、海外雇用庁の手続きを経た海外フィリ ピン人労働者に関する、行政的性質の、 懲戒処分およびその他の特別事 例。 第7項 裁判地 雇用前/採用時の違反事例は、訴状提出者の選択により、海外雇用庁裁定事務所、 または訴状提出者が応募もしくは採用された場所の労働雇用省/海外雇用庁地域事務所 に、届け出ることができる。訴状が最初に届け出られた事務所が、事例の審理をするも のとする。 23 Official Signed Copy (July 8, 2010) 懲戒処分およびその他の特別事例は、海外雇用庁裁定事務所に届出をするものと する。 第 8 項 届出の資格 いかなる被害者も、労働法、海外雇用庁規則、その他の発令に対する違反につい て、宣誓の上書面にて、訴状を届け出ることができる。 この目的上、被害者は、違反または海外雇用庁規則に規定された懲戒処分の根拠 となる行為により、不利益を受ける者である。 しかしながら行政は、自主的に、予備評価に従い、海外雇用についての違反、ま たは海外雇用庁規則およびその他の発令に規定された懲戒処分の根拠となる行為の報告 書に基づき、訴訟手続きを行うことができる。 第 9 項 法的時効 すべての雇用前/採用時の違反および懲戒処分事例は、当該訴因発生後 3 年以内 に、開始または行政への届出がなされない場合、時効となる。 第 10 項 行政処分の発動 雇用前/採用時の違反事例について、行政は、審判権限を行使し、戒告、資格停 止、または免許取消もしくは失効の処分を科すことができる。 資格停止処分が科された場合、行政は、適切と考えられれば、資格停止期間中毎 月 5 万ペソの罰金支払いを条件に、違反のあった派遣/斡旋業者の資格停止解除を認め るものとする。 雇用主に対する懲戒処分事例については、行政は、海外雇用プログラムへの参加 資格を剥奪することができる。労働者に対する懲戒処分事例については、行政は同様に、 資格を停止または剥奪することができる。 第 11 項 上訴 行政の決定について、決定受領から 15 日以内に、労働雇用長官に上訴すること ができる。 B. 海外労働者福祉庁 24 Official Signed Copy (July 8, 2010) 第 12 項 プログラムおよびサービス 海外労働者福祉庁は、海外雇用のあらゆる局面において、海外フィリピン人労働 者およびその家族のための福祉プログラムを、策定・実施しなければならない。また海 外フィリピン人労働者およびその家族が、本プログラムおよびその他関連政府プログラ ムについて把握できるようにしなければならない。 第 13 項 契約上の義務履行の支援 海外労働者福祉庁の福祉プログラムおよびサービス実施において、また現地サー ビスのための国別チーム対応に従って、福祉担当官、または福祉担当官が不在の場合に は調整担当官は、以下を実行しなければならない。 1. フィリピン人移民労働者およびその家族に対し、業者、団体、および/または事 業主による契約上の義務履行において必要な、あらゆる支援をする。 2. 寄せられた苦情や問題の解決を目的として、関係業者または団体に対して建議し、 さらには協議または調停会議に招致することもできる。職場で最終的解決がなさ れず、労働者がフィリピンに送還された場合は、海外労働者福祉庁中央事務所、 または同庁地域福祉事務所で、調停を続けることができる。 C. 国家海外フィリピン人労働者再統合センター 第 14 項 国家海外フィリピン人労働者再統合センターの設立 国家海外フィリピン人労働者再統合センターは、帰国フィリピン人移民労働者の ために本規則により労働雇用省内に創設され、労働者のフィリピン社会への再統合の機 構を提供し、地域雇用の促進本部の役割を果たし、労働者の技能および将来性を国家の 発展のために利用するものとする。 国家海外フィリピン人労働者再統合センターは、該当する政府・非政府機関と連 携し、帰国海外フィリピン人労働者およびその家族の多様なニーズに対応する、総合セ ンターの役割を果たすものとする。 このため、技術教育技能開発庁、技術資源センター(TRC)、および研修・生活 向上に携わるその他の政府機関は、家事労働者および興行者を優先的に取り組む。 国家海外フィリピン人労働者再統合センターは、監督および政策方針に関し、海 外労働者福祉庁管理局に所属する。 第 15 項 国家海外フィリピン人労働者再統合センターの職務 25 Official Signed Copy (July 8, 2010) 国家海外フィリピン人労働者再統合センターは、以下を行うものとする。 (a) 関係者、サービス業者、国際組織と連携し、帰国フィリピン人移民労働者お よびその家族のために、生活、起業、貯蓄、投資、財務会計能力のためのプログ ラムおよびプロジェクトを開発・支援する。 (b) 帰国海外フィリピン人労働者およびその将来性の促進、開発、全面的活用に ついて、該当する関係者、サービス業者、関係国際組織と連携する。 (c) その他関係政府機関と連携し、帰国フィリピン人移民労働者に関するコンピ ュータ利用情報システムを制定し、官民の国内人材派遣業および雇用主すべてが 利用できるようにする。 (d) 帰国フィリピン人移民労働者に、雇用の機会についての定期的な調査報告お よび評価を提供する。 (e) 帰国フィリピン人移民労働者の福祉促進のための、その他の適切なプログラ ムを開発・実施する。 (f) 帰国海外フィリピン人労働者のオンライン登録、および取引相手との意思疎 通ができる、インターネット利用通信システムを維持し、国家海外フィリピン人 労働者再統合センターのコンピュータ利用サービス能力を維持・機能改善する。 (g) 帰国海外フィリピン人労働者およびその家族、メーカー、サービス業者、関 係者のための、能力向上プログラムを開発する。 (h) 政策提言およびプログラム開発のための研究を実施する。 (i) 労働雇用長官の定める、その他のプログラムおよび活動を行う。 第 16 項 プログラムの策定 労働雇用省、海外労働者福祉庁、技術教育技能開発庁、および海外雇用庁は、本 規則発効から 60 日以内に、高度な技術職への挑戦、生活的・起業的開発、賃金のより 高い雇用、および貯蓄の投資など、生産的な選択肢を移民労働者に考慮させるようなプ ログラムを策定しなければならない。 D. 移民労働者・海外在住フィリピン人資料センター 第 17 項 移民労働者・海外在住フィリピン人資料センターの設立 26 Official Signed Copy (July 8, 2010) 移民労働者・海外在住フィリピン人資料センターは、労働雇用長官の定めにより、 海外フィリピン人労働者が集中している国に設立するものとする。当該センターは、フ ィリピン大使館または領事館の敷地内に設立され、フィリピン大使館の行政的管轄下に 置かれる。 移民労働者・海外在住フィリピン人資料センターが、大使館または領事館の敷地 外に設立される場合、外務省は、受け入れ国政府が、適用法令および慣例に従い、適切 な承認をするよう、最前を尽くさなければならない。 第 18 項 サービス 移民労働者・海外在住フィリピン人資料センターは、以下のサービスを提供する。 a. カウンセリングおよび法的サービス b. 医療・入院サービスの斡旋などの福祉支援 c. 情報、到着後の指導・定着・地域ネットワークサービスなどの社会統合を促進す る助言プログラム、および社会交流活動 d. 非正規/不法労働者を、本法令の範囲内に含めるための登録 e. 労働雇用省および海外労働者福祉庁のプログラムの実施 f. 研修・技能向上などの人材開発 g. 移民労働者の特定のニーズを支援する、性差に配慮したプログラムおよび活動 h. 帰国労働者およびその他の移民のための指導プログラム i. 移民労働者およびその他の海外在住フィリピン人に影響を及ぼす、日常場面・環 境・活動の監視 j. 受け入れ国の労働・社会福祉法が、移民労働者およびその他の海外在住フィリピ ン人に正しく適用されているかの確認 k. 第 10 規則に従い、労使関係に起因する紛争の調停 第 19 項 職員 各地の移民労働者・海外在住フィリピン人資料センターには、海外にあるフィリ ピン政府機関所属の外交官、労働担当大使館員 1 名、およびその他の大使館員または職 員数名からなる外交職員が配置される。 27 Official Signed Copy (July 8, 2010) 以下の職員がセンターに配属される。 a. 外務省および労働雇用省が非常に問題の多い国と認識し、フィリピン人移 民労働者が集中している国には、心理学者、ソーシャルワーカー、およびシ ャリーアまたは人権専門弁護士 b. 可能・必要な場合に、労働担当官が派遣団団長と協議の上定めた、個人ボ ランティアおよび受け入れ国の真正非政府組織代表者 c. 広報担当官、または現地の言語・習慣・慣例に口頭・文書上精通している 担当官 および/または d. 法務担当官(海外雇用庁/全国労使関係委員会/労働雇用省)、および労 働雇用長官が必要とみなすその他の専門職 第 20 項 センターの運営 海外労働事務所は、労働担当大使館員を通じ、移民労働者・海外在住フィリピン 人資料センターの運営を監督・調整し、センターに関わるすべての事項についての最新 情報を派遣団団長が把握できるよう、年 4 回以上、派遣団団長あての書面による報告書 を提出する。 第 21 項 24 時間対応の活動 移民労働者・海外在住フィリピン人資料センターは、土日祝日を含む、24 時間 運営とする。持続的なネットワークおよび調整的な機構を保証するため、対応する 24 時間情報支援センターが、外務省および労働雇用省/海外労働者福祉庁に設置される。 第 22 項 予算 本法令により資金を特に得ていないサービスおよびプログラムの費用を含む、移 民労働者・海外在住フィリピン人資料センターの施設・年次保守・運営費用は、一般歳 出法(GAA)により供給を受け、労働雇用省の年度予算に含むものとする。 しかしながら、海外職員の給与および手当は、各省庁の予算により供給を受ける ものとする。 第 11 規則 保健省の役割 28 Official Signed Copy (July 8, 2010) 第 1 項 診療所の規制 保健省(DOH)は、海外雇用の要件としてフィリピン移民労働者に対して、内 科、外科、眼科、歯科、精神科、およびその他同様の検診(以下、検診と呼ぶ)を行う、 すべての診療所の活動および運営を規制する。海外求人応募者に対する雇用前検診 (PEME)は、保健省が示す基準に沿った、保健省公認の診療所および保健施設でのみ 行われるものとする。これに従い、保健省は以下を確認する。 (a) 検診費用は、妥当であり法外でないことを確認するため、調整され、 定期的に監視され、正式に公開されている。保健省は、関係者と協議した上、検 診費用の徹底的および定期的な見直しに基づき、様々な検診の費用の最低・最高 額の範囲を定めなければならない。求人応募者は、雇用前検診が行われる、保健 省公認の診療所および保健施設に、直接支払わなければならない。 (b) 海外雇用庁規則に従い、採用する派遣/斡旋業者が、労働者が職場に 採用・派遣され、および応募した職種に必須である、または国外雇用主が特に要 求する検診のみ行うと証明するとおりの、妥当に確かな事実があれば、フィリピ ン人移民労働者は検診を受けるだけでよい。 (c) 特定の受け入れ国において移民労働者の検診を独占的に行う診療所グ ループがない。 (d) すべてのフィリピン人移民労働者は、検診を行う保健省公認または保 健省公営のどの診療所でも選ぶ自由があり、患者としての権利が尊重される。海 外フィリピン人労働者が、登録事務所にまず行った後、他の場所にある診療所に 送られる装飾行為は認められない。 (e) 本法令発効から 3 年以内に、すべての保健省地域事務所および/また は地方自治体公営の州立病院は、国中どの地域でも行きやすく、交通・宿泊経費 を削減できるような、フィリピン人移民労働者の検診要件を満たすことができる 診療所を、設立・運営するものとする。 (f) フィリピン人移民労働者の検診を行う、保健省公営の診療所を含む、 すべての保健省公認の診療所は、同一の標準実施手順を順守し、受け入れ国また は国外雇用主/事業主による要件に合うように、国際的に受け入れられている実 施基準に従う。 第2項 国外雇用主の一時的資格剥奪 29 Official Signed Copy (July 8, 2010) 保健省公認または保健省公営の診療所による、正当な検診の結果を受け入れない 国外雇用主は、海外雇用庁規則に従い、海外雇用プログラムへの参加資格を一時剥奪さ れる。雇用主の一時資格剥奪は、検診結果の無条件受諾によってのみ解除される。 第 3 項 診療所または保健施設の責任 派遣先の国に到着してから 15 日以内に、海外フィリピン人労働者に医学上の問 題があるとわかった場合、当該海外フィリピン人労働者の健康診断を行った診療所また は保健施設は、フィリピンへの送還費用および当該労働者の派遣費用を支払う。 本項の規定に違反した保健省公認の診療所は、それにより発生するその他の責任 に加え、調査の結果、送還の医療的理由が、雇用主/事業主または受け入れ国の要求に 応じた、保健省の雇用前検診セットを利用した検診時に発見でき得たとされる場合、保 健省公認取消の処罰を受ける。 第 4 項 本法令における義務の不履行および不正行為のあった政府職員の責任 第 11 規則の規定に違反した政府高官または職員は、免職または解任となり、公 職に任命される資格を 5 年間剥奪される。当該処罰は、現行法または規則に基づいて当 該職員が負う、その他の責任に影響を与えない。 第 5 項 指針の発行 本規則発効から 60 日以内に、保健省は、第 11 規則の規定実行の関連指針を発行 するものとする。 第 12 規則 地方自治体の役割 第 1 項 対不法派遣・海外雇用プログラムにおける役割 不法派遣との闘いにおいて、地方自治体(LGU)および内務自治省(DILG)は、 海外雇用庁、その他の関連政府機関、海外フィリピン人労働者の権利および福祉を擁護 する非政府組織と連携して、地元市民に対する海外派遣のあらゆる側面に関する情報の 普及について一義的な責任を負い、積極的に取り組まなければならない。この職務を遂 行するため、地方自治体は、以下を実行しなければならない。 a. 積極的な対不法派遣キャンペーンを立ち上げる。不法派遣の被害者に 法的支援を提供し、また必要であれば、不法派遣業者の逮捕および/また は起訴に関して、該当する政府機関と連携する。海外雇用庁が適切な行動 が取れるよう、いかなる不法派遣活動についても報告する。 30 Official Signed Copy (July 8, 2010) b.地元市民向けの定期的な就業前指導セミナー(PEOS)実施のために、 海外雇用庁、その他の政府機関、NGO に対し、会場、および研修を受け た地方自治体職員を提供する。 c. 海外雇用のあらゆる過程および状況についての最新情報を、地元市民に 提供する目的で、地元地域に、海外フィリピン人労働者ヘルプデスクまた は案内所を設立する。当該ヘルプデスクまたは案内所は、実行可能な限り コンピュータ化され、すべての関係政府機関、特に、海外雇用庁の海外求 人および優良認可業者の最新リストのデータベースに接続されていなけれ ばならない。 d. 各地域に在住している海外フィリピン人労働者の、職業、職種、婚姻状 態、性別、派遣国や派遣状態ごとに分類された、ビザ区分、氏名、住所、 雇用主の電話番号などの、基本リストに関するデータベースを構築および 維持する。 第 13 規則 労働者の本国送還 第 1 項 本国送還の一義的責任 労働者または労働者の遺体の本国送還、およびその所持品の搬送は、労働者の海 外への採用・派遣を行った、事業主、雇用主、または派遣業者の一義的責任とする。こ れに伴うすべての費用は、事業主、雇用主、または関係業者の負担とする。 第 2 項 本国送還費用の立て替え義務 本法令第 37 項 A の規定にかかわらず、本国送還の一義的責任は、労働者を直ち に送還する必要が生じた場合、労働者の雇用終了の理由について事前の決定なしに、事 業主または派遣業者側が、航空運賃、事業主の派遣費用、入国管理局罰金など、送還お よびそれに伴うその他費用を立て替える義務を伴う。しかし、雇用終了の原因が労働者 の過失のみだった場合、労働者の帰国後、事業主または派遣業者は、労働者から送還費 用を回収することができる。 労働者の本国送還に出国ビザの入手が必要な国では、事業主または雇用主は、労 働者の金銭負担なしで当該ビザを入手する、一義的責任を負う。派遣業者は、当該ビザ 入手において、事業主または雇用主と連携する。 すべての海外雇用契約は、事業主または雇用主、および派遣業者の、航空費用の 立て替えについての一義的責任、および労働調停員が労働者に過失があったと決定した 場合の労働者の費用払い戻し義務を、規定しなければならない。 31 Official Signed Copy (July 8, 2010) 第 3 項 本国送還手続き 本国送還が必要となり、国外雇用主が費用負担できない場合、海外労働事務所ま たは現地の責任担当職員は、当該窮状を、海外労働者福祉庁および海外雇用庁に同時に 通知しなければならない。海外雇用庁は、関係派遣業者に、通知後 48 時間以内に、航 空券または他地域送付航空券(PTA)を、海外労働事務所またはフィリピン大使館に提 供するよう命じる通知を発行する。関係省庁は、応諾の旨、海外雇用庁に通知し、そこ から、関係省庁の措置が、海外労働者福祉庁に報告される。 労働者の本国送還に出国ビザの入手が必要な場合、雇用主または事業主は、通知 から 15 日以内に、当該出国ビザを入手するものとする。さらに、労働者の採用、手続 き、および/または派遣に関わった派遣業者は、当該ビザ入手において、事業主または 雇用主と連携しなければならない。 第 4 項 不履行に対する措置 人材派遣業者が、航空券または PTA を、通知受領から 48 時間以内に提供できな い場合、海外雇用庁は、当該業者の文書手続きを一時停止、または必要とみなされる制 裁を科すものとする。海外雇用庁からの通知によって、海外労働者福祉庁は、送還費用 を立て替え、当該業者または事業主に償還請求する。行政処分は、当該業者が送還費用 を法定利息とともに海外労働者福祉庁に返済するまで、解除されない。 事業主または雇用主および/または派遣業者が、海外雇用庁通知の受領から 15 日間以内に、出国ビザの入手ができない場合は、海外雇用庁は、雇用主または事業主の 海外雇用プログラム参加を一時停止するものとし、正当な理由があれば派遣業者に文書 手続き一時停止処分を科すこともできる。 第 5 項 緊急送還 海外労働者福祉庁は、戦争、疫病発生、天災・人災などの災害または災難、およ びその他の同様の事態の場合、事業主または派遣業者の返済責任に影響を与えずに、通 知から 60 日以内に、外務省と連携の上、妥当な状況下で、国際機関とともに、労働者 の本国送還を行わなければならない。この場合、海外雇用庁は、関係業者の確認および 通知を同時に行わなければならない。 第 6 項 未成年移民労働者の強制送還 実年齢が海外派遣の最低年齢制限に満たない移民労働者の存在が発覚した、また は告発された場合、外交担当官は、遅滞なく、当該労働者を本国送還し、利用可能な最 速の通信手段により、当該発見事実およびその他の関連情報について、外務省に報告し なければならない。 32 Official Signed Copy (July 8, 2010) 派遣/職業紹介業者の送還費用の支払いまたは返済要求に加え、海外雇用庁は、 未成年移民労働者を派遣した派遣/職業紹介業者の免許を、通知および審問後に取り消 し、50 万ペソ以上 100 万ペソ以下の罰金を課す。海外雇用庁はまた、派遣における文 書または書類の手続きに関する全費用を、未成年移民労働者、またはその両親もしくは 保護者に返金するよう、派遣/職業紹介業者に略式手続で命じる。 返金は、未成年移民労働者が被った損害の賠償からは独立して追加されるものと する。返金は、本法令に規定のとおり海外雇用庁が正式に強制送還について通知した日 から 30 日以内に支払われなければならない。 第 7 項 その他の送還事例 労働者の事業主または派遣業者が、特定できない、見つからない、またはすでに 営業停止しており、さらに労働者が窮境にあり資力がない、すべての事例について、海 外労働者福祉庁の現地職員は、外務省と連携の上、妥当な事例について、本国送還を行 わなければならない。海外労働者福祉庁が負担した送還に付随する全費用は、派遣業者 /雇用主/保険業者または労働者に送還費用の返済を命じる海外労働者福祉庁に影響を 与えることなく、本法令に規定される緊急送還基金に請求することができる。 第 8 項 緊急送還基金 本国送還が緊急に必要となった場合に、海外労働者福祉庁は、妥当な事例につい て、派遣した業者および/または事業主、または労働者による返済に影響を与えること なく、緊急送還基金から必要な費用を立て替えるものとする。同時に、海外雇用庁は、 関係業者に、海外労働者福祉庁が立て替えた費用の返済努力をするよう求める。送還費 用が 1 億ペソを超える場合、海外労働者福祉庁は、当該額超過分の即時調達を、フィリ ピン大統領府に建議する。 第 9 項 担保および預託の禁止 民間派遣/職業紹介業者は、いかなる場合も、契約実行または送還を保証するた め、労働者に担保または現金預託を命じてはならない。 第 14 規則 移住のための共有政府情報システム 第1項 構成 33 Official Signed Copy (July 8, 2010) 移住のための共有政府情報システムの確立のため、関係省庁委員会を設立する。 関係省庁委員会は、以下の省庁により構成されるものとする。 a) 外務省 b) 労働雇用省および関係付属機関 c) 司法省 d) 内務自治省 e) 保健省および関係付属機関 f) 社会福祉開発省 g) 観光省 h) 保険委員会 i) 海外居住フィリピン人委員会 j) 出入国管理局 k) 国家捜査局 l) 国家通信委員会 m) 情報通信技術委員会 n) 国家コンピュータセンター o) 国家統計調整委員会 p) 国家統計事務所 q) 持家促進相互基金 r) 海外雇用に関わるその他政府機関 第2項 コンピュータシステムの利用可能性および連携 最初に、関係省庁委員会は、構成省庁の既存データベース/ファイルに含まれる 情報を利用できるようにしなければならない。第 2 段階として、自由なデータ交換およ び関係省庁間の共有を可能にする、コンピュータ設備システムの連携が必要となる。 第3項 委員長および技術支援 関係省庁委員会は、外務省および労働雇用省が共同で委員長を務める。国家コン ピュータセンターは、必要な技術支援を提供し、構成省庁間の情報共有を促す、適切な 情報通信技術基準を定めるものとする。 第 4 項 既存情報の機密解除および共有 関係省庁委員会は、機密解除され、構成省庁間で共有すべき、既存データベース の確認のために召集される。この共有データベースには、当初以下の情報などを含むも のとする。 34 Official Signed Copy (July 8, 2010) a) 職業/職種、婚姻状態、派遣国/派遣状態ごとに分類された、ビザ区分などを含 む、フィリピン人移民労働者/海外在住フィリピン人基本リスト b) フィリピン人移民労働者、および服役中などのその他のフィリピン国民に関する、 審理中の訴訟事件一覧表 c) 出発/帰国フィリピン人基本リスト d) フィリピン人移民労働者/海外在住フィリピン人/観光客の統計データ e) ブラックリストに載っている外国人/好ましくない在留外国人 f) 受け入れ国、特にフィリピン人の多い国における、法体制、移民政策、婚姻法、 および民法・刑法に関する基本データ g) 受け取り国が批准している、労働者の権利およびその他の人権についての法律文 書リスト h) 未成年を含む男女移民労働者に関する、過去から現在までの性別ごとの事例の追 跡システム i) 海外在住フィリピン人一般、特に移民労働者を支援する、海外部署のリスト j) 認可人材派遣業者リスト k) 公認国外雇用主リスト l) 人材派遣業者の既決/未決の、刑事/民事/行政訴訟およびその処分のリスト m) 関係省庁委員会が必要とみなす、その他の情報 関係省庁委員会は、情報の機密解除など、第 14 規則の実行に関して、方針・指 針・手順を定めなければならない。 第5項 情報の守秘義務 本共有情報システムを通じて得た情報およびデータは極秘扱いとし、関連省庁委 員会の通常職務に関する、公的・法的な目的、および本法令に想定された目的のために のみ使用される。 第6項 定例会議 35 Official Signed Copy (July 8, 2010) 関係省庁委員会は、本法令第 20 項の即時および完全履行のため、定期的に会合 を行い、また移住に関するデータの中央保管施設設置の可能性を探るものとする。履行 の進展状況は、本法令第 33 項上の、外務省および労働雇用省の報告書に含まれなけれ ばならない。 関係省庁委員会は、特に共有するデータ、報告の頻度、データの適宜性および有 効性についての議論の優先順位を決定するため、本規則発効から 30 日以内に召集され なければならない。 第 7 項 事務局 事務局は、関係省庁委員会に行政的支援サービスを提供し、外務省にその拠点を 置く。 第8項 基金 フィリピン慈善懸賞事務局は、第 14 規則の規定を実行に移すため、当初額 1000 万ペソを配分する。その後、関係省庁委員会の本予算が、共和国令第 10022 号第 26 項 に従い、一般歳出法により組まれる。 関係省庁委員会調達資金のため、電子政府基金を利用することもできる。. 第 15 規則 移民労働者融資保証基金 第 1 項 定義 (a) 出発前融資とは、新契約を結んだ出発移民労働者に、斡旋/手続き料支払い、 航空運賃、生活費用、衣料費、小遣いなど、出発前要件を満たすために貸し付け られる融資を指す。 (b) 家族支援融資とは、現在雇用されている移民労働者、またはフィリピンにい る、労働者の適格な扶養者/家族に、緊急事態を乗り切るために貸し付けられる 融資を指す。 (c) 保証契約とは、参加金融機関と海外労働者福祉庁との間の契約を指し、金融 機関から移民労働者が借り入れた融資を、労働者が返済できない場合に、海外労 働者福祉庁が返済することを保証するものである。 (d) GFI とは、政府金融機関(government financial institutions)を指す。 36 Official Signed Copy (July 8, 2010) 第 2 項 融資保証機関 移民労働者融資保証基金は、本規則により以下の目的で設立される。 (a) 派遣業者が、契約移民労働者に対する出発前および家族支援融資を引き上げ ることで、海外雇用を求める労働者の弱みにつけこむことを防ぐ。 (b) 担保または抵当が、不十分な、または全くない移民労働者の出発前および家 族支援融資について保証支援を提供する、保証システムを確立・運営する。 (c) 海外での報酬活動を予定している、または現在行っている、困窮移民労働者 に対するさらなる融資支援のため、政府金融機関の参加を確保する。 第3項 保証範囲 出発前費用の支払いまたは返済に経済支援の必要な出発移民労働者はすべて、出 発前融資を利用することができる。 緊急経済支援が必要な、現在雇用されている移民労働者、またはその適格な扶養 者は、家族支援融資を利用することができる。 第 4 項 基金の運営 本法令第 21 項に従い、海外労働者福祉庁の資本金からの 1 億ペソにより、移民 労働者融資保証基金が設立される。当該基金は海外労働者福祉庁によって運営され、参 加政府金融機関が貸し付ける出発前および家族支援融資の返済を保証する目的のためだ けに利用される。 出発前および家族支援融資に充てられる、すべての既存回転資金は、海外労働者 福祉庁資本金に戻されるものとする。 第 5 項 資金計画 海外労働者福祉庁は、出発前および家族支援融資を拡大する、相互合意した資金 計画の実行のために、政府金融機関との取り決めをしなければならない。 第6項 保証契約 保証契約が参加金融機関および海外労働者福祉庁双方により作成・承認されない 限り、いかなる融資も保証の対象とはみなされない。 37 Official Signed Copy (July 8, 2010) 第 16 規則 派遣業者採用労働者の強制保険 第1項 対象移民労働者 本法令第 10 項上の派遣/職業紹介業者が提出する契約履行保証に加え、派遣/ 職業紹介業者が派遣するすべての移民労働者は、強制保険の対象となり、当該労働者の 金銭負担なしにかけられる。 第2項 保証範囲 当該保険契約は、移民労働者の雇用契約期間中有効となり、最低でも以下の事項 に適用される。 (a) 事故死については、最低 1 万 5000 米ドルの遺族給付が、移民労働者の保険 受取人に支払われる。 (b) 自然死については、最低 1 万米ドルの遺族給付が、移民労働者の保険受取人 に支払われる。 (c) 完全永久障害については、最低 7,500 米ドルの障害給付が、移民労働者に支 払われる。両眼の完全失明、足首または手首より上の両肢欠損、両肢の完全永久麻痺、 脳損傷による治療不能な知的障害または精神障害が、永久障害とみなされる。 (d) 正当な理由なく雇用主によって、または正当な理由によって被雇用者によっ て、雇用契約が終了した労働者の、所持品搬送を含む、本国送還費用。死亡の場合、保 険業者は、本国送還または労働者の遺体の返送の、手配および支払いをしなければなら ない。保険業者はさらに、地元の認可葬儀場、遺体安置所、または遺体の搬送準備のた めの遺体処理施設を探す、全書類をそろえる、法的認可を得る、領事サービスを手配す る、死亡証明書を準備する、最低限必要な棺または航空輸送コンテナを購入する、さら に死亡場所から引き取り、受け入れ葬儀場に引き渡すといった遺体の運搬をするなど、 搬送に必要な支援をしなければならない。本規定は、本規則第 8 規則の規定には影響を 与えない。 (e) 生活費用給付が、最大 6 カ月、月最低 100 米ドル、受け入れ国で権利保護訴 訟に関わっている移民労働者に支払われる。 (f) 全国労使関係委員会での事案の判決または調停により、労働者に支払われる、 雇用主の責任に起因する金銭請求。金銭請求に対する保険金は、最低でも、移民労働者 の雇用契約の毎年の 3 カ月分の給与に相当する額とする。 38 Official Signed Copy (July 8, 2010) (g) 特別見舞。移民労働者が連続 7 日以上入院している場合、家族または希望す る個人 1 名の特別見舞が認められる。保険会社は、家族または希望する個人の、労働者 の入院場所の最寄りの大空港までの交通費を支払わなければならない。しかしながら、 ビザや渡航書類要件すべてを満たすのは、家族または希望する個人の責任となる。 (h) 医療救助。移民労働者の周辺に利用可能な適切な医療施設がないと、保険会 社の医師および/または顧問医師が決定した場合、必要な交通手段で、適切な医師の指 示による避難救助が、保険業者により行われる。 (i) 医療送還。医学上必要であると担当医が決定した場合、移民労働者の民間航 空での移動が医師に許可された時点で、移民労働者の居住地への医師の指示による送還 が、保険業者により行われる。医師の旅行許可受領までの期間が、退院日から 14 日を 超える場合、救急輸送機などの別の適当な交通手段を手配できる。必要な場合、医師お よび医師以外の付き添いをつけることもできる。本規定は、本規則第 8 規則の規定には 影響を与えない。 第 3 項 開示および支援の義務 出発前の移民労働者、およびその保険受取人最低 1 名に、請求手続きなどの保険 条件および給付について十分な説明をすることは、保険業者との連携の上、派遣/職業 紹介業者の義務となる。 また、保険業者に対する支払請求において、移民労働者および/または保険受取 人を支援し、保管している、請求に必要なすべての情報および書類を、請求者が容易に 入手できるようにすることは、派遣/職業紹介業者の義務となる。 第4項 保険会社の資格 5 年以上存続・営業しており、5 億ペソ以上の純資産があると保険委員会に判断 され、当年度の公認証明を有する、保険委員会に正式登録した一流民間保険会社のみが、 労働者保険を提供する資格を有するものとする。認可派遣/職業紹介業者のいずれか、 または海外雇用プログラムに関わる政府機関のいずれかに、勤務または利害関係を有す る、四親等内の血族または姻族である親族のいる、取締役、共同経営者、幹部、職員、 または担当者のいる保険会社は、本労働者保険を提供する資格を有しない。保険委員会 および海外雇用庁に、当該利害関係を公表するのは、当該取締役、共同経営者、幹部、 職員、または担当者の義務となる。 第 5 項 海外雇用証明書発行要件 派遣/職業紹介業者は、派遣する移民労働者の保険契約に、いずれの有資格保険 業者でも選択できる権利を有する。保険証書入手後、派遣/職業紹介業者は、移民労働 者に保険証書の正本を渡さなければならない。業者はその後、移民労働者の保険証明を、 39 Official Signed Copy (July 8, 2010) 移民労働者に対する海外雇用証明書(OEC)発行要件として、海外雇用庁に提出しなけ ればならない。国外保険会社発行の証書により保険がかかっている船員の場合、海外雇 用庁は、派遣/職業紹介業者からの保証の証明書またはその他の証拠を認めるものとす る。ただし、(a)号から(i)号までの最低保証範囲が含まれている場合に限る。このため、 国外保険会社は、船舶に対する損失補償を提供する団体を含むものとする。 第 6 項 請求通知 第 16 規則第 2 項(a)、(b)、(c)、(d) および (e)号に従って発行された証書に基づき 請求する権利があるいかなる人物も、当該保険会社に対し、付属関係書類とともに、文 書による通知を提出するものとする。保険会社は速やかに事実を確認し、請求の範囲内 で、請求通知提出から 10 日以内に支払いを行う。 第 7 項 事故死、自然死または障害請求の書類要件 第 2 項(a)、(b)および(c)号の事故死、自然死または完全永久障害に基づく請求は、 論議なく、被保険者の移民労働者側のいかなる過失の証明の必要なく、保険会社により 支払われなければならない。ただし、フィリピン海外駐在所に正式に認証された以下の 書類が、請求を立証する十分な証拠となる場合に限る。 1) 死亡証明書(自然または事故死の場合) 2) 警察または事故報告書(事故死の場合) 3) 診断書(永久障害の場合) 船員の場合、場合によって第 2 項(a)、(b)および(c)号に規定された額が、上記記 載の書類提出から 10 日以内に、論議なく、船員側の過失の証明の必要なく、国外保険 会社からフィリピンの代理店を通じ、船員/保険受取人に支払わなければならない。船 員/保険受取人が受け取る当該額は、海外雇用庁標準雇用契約または団体協約 (CBA)の規定上、船員/保険受取人が受け取る資格のあるどのような給付について も、その一部となり、またそこから差し引かれるものとする。本項の非論議・非過失規 定に従って支払われる額を超える請求については、海外雇用庁標準雇用契約または団体 協約に従って決定される。 第 8 項 送還請求の書類要件 第 16 規則第 2 項(d)号に基づく送還については、移民労働者の雇用終了の理由、 および送還の必要性を明記した証明書が、受け入れ国にある、フィリピン海外駐在所ま たはフィリピン海外労働事務所(POLO)により発行されなければならない。当該証明 書は、本項に従う目的の為だけに使用される。 40 Official Signed Copy (July 8, 2010) 第 9 項 生活費用給付請求の書類要件 第 16 規則第 2 項(e)号に基づく生活費用給付については、当該労働担当大使館員、 または不在の場合は、大使館もしくは領事館職員が、件名、関係者名、および移民労働 者の請求原因の本質について明記した証明書を発行するものとする。 第 10 項 金銭請求の調停 第 16 規則第 2 項(f)号に基づく金銭請求の支払いについては、以下の規則が適用 される。 (1) 全国労使関係委員会において、最終であり履行されるべき決定がなされた、 または関係者間で調停/譲歩合意に至った後、労働調停員は、自発的に、または 動議により、履行前協議の処理に従い、対象派遣/職業紹介業者に対し、令状受 領から 30 日以内の、裁定または同意額支払いを命じる強制執行令状を発行する。 (2) 派遣/職業紹介業者はその後速やかに、保険会社に対し保険範囲の責任額に ついて請求通知を届け出、決定または譲歩合意の認証謄本を添付する。 (3) 請求通知届出から 10 日以内に、保険会社は、派遣/職業紹介業者に対し、裁 定もしくは同意額、または保険範囲の責任額のいずれか低い額を支払う。保険金 受領後、派遣/職業紹介業者は、移民労働者の請求額を全額、速やかに支払い、 保険金額が裁定または同意額に満たない場合は、その差額を支払う責任を負う旨 を踏まえる。 (4) 保険会社が請求届出から 10 日以内の支払いができない場合、派遣/職業紹介 業者は、裁定または同意額を、本項第 1 号に規定の通り、30 日間の残りの期間 内に支払う。 (5) 労働者の請求が前述の 30 日以内に裁定されない場合、派遣/職業紹介業者の 契約履行保証または第三者預託金が、直ちに移民労働者の請求の賠償に充てられ る。 (6) 本項の強制労働者保険の規定は、本法令第 10 項の国外雇用主および派遣/職 業紹介業者の連帯責任には影響を与えない。 (7) 保険会社が起訴されない限り、第 7 規則上の金銭請求事例において、保険会 社弁護士の全国労使関係委員会への出席を禁じる。 第 11 項 保険請求履行における紛争 41 Official Signed Copy (July 8, 2010) 第 16 規則に基づき発行される保険契約の履行におけるいかなる疑義や紛争も、 仲裁または裁定のため保険委員会に持ち込むものとする。 前段の規定にかかわらず、全国労使関係委員会は、派遣/職業紹介業者に対し、 最終であり履行されるべき、または関係者間で調停/譲歩合意に至った、決定、決議、 またはその他の命令を執行する、独占的司法権を有する。 第 12 項 派遣/職業紹介業者の責任 認可派遣/職業紹介業者により派遣された移民労働者が、保険料もしくは保険費 用を支払った、または当該保険が、派遣/職業紹介業者が移民労働者に追加手数料を請 求する根拠として利用された、という実質的証拠が海外雇用庁に示される場合、当該認 可派遣/職業紹介業者は免許を取り消され、すべての取締役、共同経営者、経営者、幹 部および職員は、海外労働者派遣業に従事する資格を永久に失う。当該処罰は、当該人 物が現行法令または規則上負う、その他の責任には影響を与えない。 第 13 項 国外雇用主保証基金 政府間協定に基づき海外雇用庁が採用した移民労働者について、本規則第 10 規 則第 5 項に記載の海外雇用庁国外雇用主保証基金は、契約上の義務違反に起因する、労 働者の金銭請求に対して責任を負う。 第 14 項 任意適用 再雇用、指名雇用、または直接雇用に区分される移民労働者については、国外雇 用主に保険費用の支払いを要請する、または自分自身で保険料を支払うことで、本保険 の適用を選択することができる。こうした労働者の権利保護のため、労働雇用省および 海外雇用庁は、国内外を問わず、調停・仲裁サービスなど適切な法的支援を労働者に提 供するものとする。 第 15 項 施行規則の策定 本規則発効から 30 日以内に、本法令第 37 項 A に従い、保険委員会は、主導機 関として、労働雇用省、全国労使関係委員会、および海外雇用庁とともに、派遣/職業 紹介業者、および海外フィリピン人労働者の権利・福祉を擁護する合法非政府組織と協 議の上、必要な施行規則を発布し、施行規則には以下の内容を含むものとする。 1. 2. 3. 4. 5. 参加保険会社の資格 保険会社の認定 統一標準約款形式 保険料率 給付 42 Official Signed Copy (July 8, 2010) 6. 7. 8. 9. 10. 引受業務指針 請求手続 紛争処理 行政的監視・監督 その他必要と見なされる事項 本規則発効から 5 日以内に、保険委員会は、前述の必要な規則の策定を開始する ため、関係省庁委員会を招集する。 第 16 項 保険業者の実績評価 毎年末に、労働雇用省および保険委員会は合同で、全国労使関係委員会および海 外雇用庁による、保険会社との個々の交流・経験に関する報告書に基づき、すべての保 険業者の実績評価を行い、移民労働者の正当な請求に対して回避的または対応が悪いと される保険会社の、参加禁止またはブラックリスト掲載の権限を有するものとする。労 働雇用省は、議会に対する年末報告に、当該評価を含めなければならない。 第 17 項 自動審査 前述の強制保険の規定は、適用海外フィリピン人労働者に有利な効力、ならびに 派遣/職業紹介業者および保険会社の順守を確認するため、本法令発効から 3 年後直ち に、議会監視委員会の自動審査を受けるものとし、必要に応じた以前の審査には影響を 与えず、本対象規定の修正、改訂および/または撤廃の目的に対して保証されている。 第 17 規則 雑則 第 1 項 海外雇用庁、海外労働者福祉庁、およびその他の理事会 他の法律の規定にかかわらず、海外雇用庁および海外労働者福祉庁の各理事会は、 それぞれ女性・海上・陸上部門から、所属部門の一般構成員によって公に選出・指名さ れた、3 名の役員を有するものとする。 女性・海上・陸上部門からの追加役員の選出・指名は、以下の指針に従うものと する。 (a) 海外雇用庁および海外労働者福祉庁は、選抜の目的で、指名候補者選抜につ いての大々的な情報キャンペーンを立ち上げ、理事会召集前に 90 日間に 3 回以上開催 する当該部門の公認指導者または代表者向けの審議会システムを提供する。その過程は、 公開され、民主的で、明瞭でなければならない。 43 Official Signed Copy (July 8, 2010) (b) 適切なフィリピン政府機関に正式登録され、指名に先立ち 3 年以上存続して いるなど優良な状態の、海外フィリピン人労働者の権利・福祉を保護、促進する非政府 組織のみが、理事会各部門の代表者を指名する資格がある。 (c) 指名候補者は、25 歳以上で、読み書きができ、指名の時点で移民労働者であ る、または移民労働者として過去に 3 年以上の経験がある者でなければならない。 (d) 申請・審査・協議の手続きを定めるため、選抜審査委員会が、労働雇用長官 の命により海外雇用庁および海外労働者福祉庁内に設立され、各運営理事会に公認候補 リストを提供する責任を負う。 (e) 各部門の代表 3 名ずつからなる、海外雇用庁/海外労働者福祉庁運営理事会 により選出された全指名候補者最終リストは、大統領に提出され、全国発行されている 新聞に掲載される。 本項に従い指名され、再指名の資格がある現職代表は、(d)号に示されたリスト に自動的に含まれるものとする。 大統領は、(e)号に示された最終リストの提出から 30 日以内に、海外雇用庁/海外 労働者福祉庁運営理事会代表を、リストから選出・指名する。 役員の任期は 3 年間で、次期 3 年間の再指名の資格を有する。欠員が出た場合、 大統領が、本法令の規定に従い、前任者の残りの任期を務める後任を指名する。 各理事会に海外労働者部門の 1 名以上の代表を必要とする、すべてのその他の政 府機関、および政府が所有または管理する企業は、当該機関および企業の憲章、施行規 則、内部規定により、本項のすべての適用規定に従うものとする。 女性・陸上・海上部門を代表する、海外雇用庁および海外労働者福祉庁の運営理 事会の現行役員は、3 年間の残りの任期を務めるものとする。その後この職は空席とみ なされ、後任選抜の手続きが本項に従い行われる。現職に再指名の資格がある場合、再 指名まで、または本項に従い他の人物が指名されるまで、任期を務める。 任期の定めのない運営理事会の現職代表は、本項に従い後任が指名されるまで、 留任する。 第 2 項 議会への報告 本法令第 4 項に規定の政策実施についてフィリピン議会に報告するため、外務省 および労働雇用省は、議会に対して個別に、フィリピン人移民労働者を受け入れている 国のフィリピン海外駐在所、または行使領事司法権についての半期報告書を提出しなけ 44 Official Signed Copy (July 8, 2010) ればならない。1 月から 6 月までの期間を範囲とする中間報告は同年の 10 月 31 日まで に、7 月から 12 月までの期間を範囲とする年末報告は翌年の 3 月 31 日までに、提出し なければならない。報告書には以下の情報などを含むものとする。 (a) フィリピン人移民労働者基本リスト、ならびに服役中を含む、移民労働者お よびその他のフィリピン国民に関わる審理中の訴訟一覧表 (b) フィリピン人移民労働者の労働条件 (c) 移民労働者が直面している問題、特に権利の侵害 (d) フィリピン人移民労働者の問題対処のために、フィリピン海外駐在所が取っ た取組/措置 (e) 受け入れ国における法律および政策の変更 (f) フィリピンと受け入れ国との間の二国間労働協定の状況 第3項 未報告の処分 報告の法的義務があるにもかかわらず、正当な理由なく前述の議会報告を提出し なかった政府職員は、解任され、公職に任命される資格を 5 年間剥奪される、行政処分 を科される。 第4項 政府手数料、行政経費および税金 本規則発効時点で移民労働者である者に、政府機関が課すサービス手数料はすべ て、値上がりしない。移民労働者の人材派遣および職業斡旋、ならびに支援に関連する、 労働雇用省およびその他の政府機関が提供するすべてのその他のサービスは、無料とす る。その行政経費は、労働者が負担しない。 移民労働者は、海外雇用庁発行の海外雇用証明書(OEC)の適正な提示により、 渡航税および空港使用料の支払いを免除される。 海外フィリピン人労働者の送金は、海外雇用証明書、または海外フィリピン人労 働者の受益者による有効な海外労働者福祉庁会員認定証の提示により、内国歳入改正法 第 181 項に基づき課せられる印紙税(DST)の支払いを免除される。 上記資格の正当な証明の正本に加え、謄本または認証謄本が、海外雇用庁または 海外労働者福祉庁から海外フィリピン人労働者に渡され、印紙税免除利用の際、労働者 の受益者が保持・使用する。 45 Official Signed Copy (July 8, 2010) 送金が銀行組織を通じて行われ、フィリピンの受益者の口座に入金され、現金自 動預払機(ATM)で引き出される、海外フィリピン人労働者の場合、送金手配時に資 格の正当な証明を提示することは、海外フィリピン人労働者の責任となる。 有効期限切れの資格証明では、海外フィリピン人労働者は印紙税支払い免除の権 利を得ない。 財務省内の内国歳入庁(BIR)は、海外フィリピン人労働者の印紙税および渡航 税の免除の効果的な実施に、必要および適当とみなされる歳入規則を発布できる。 第 5 項 議会移民労働者奨学基金の設立 主に、科学技術省に定義された科学技術分野における講座または研修を受ける意 思のある、資格ある移民労働者および/またはその直系子孫を支援する、議会移民労働 者奨学基金を創設する。 1 億 5000 万ペソの資金が、懸賞抽選の収益から供給される。 第6項 奨学基金委員会の創設 労働雇用省、科学技術省、海外雇用庁、海外労働者福祉庁、技術教育技能開発庁 の代表者、および労働雇用大臣に任命された移民労働者の代表 2 名から成る奨学基金委 員会を創設する。 第 7 項 奨学基金委員会の職務 (a) 奨学金制度への承認の範囲、基準および規範 (b) 利用額の決定 (c) 制度の監視および評価 (d) 研修・試験施設の特定/認定 (e) 基金の目的達成に必要な、その他の職務の遂行 第8項 実施機関 海外労働者福祉庁が、奨学基金委員会の事務局となる。事務局は、科学技術省と 連携の上、奨学金制度を運営する。 第 18 規則 46 Official Signed Copy (July 8, 2010) 資金調達 第 1 項 財源 本法令の規定の実行責任のある、各省、庁、機関、事務所、局および政府所有・ 管理企業は、それぞれの計画に、本法令の実行、一般歳出法に含むべき資金調達を含ま なければならない。 第 19 規則 移民労働者の日 第 1 項 記念式典 労働雇用省は、毎年 6 月 7 日の移民労働者の日記念式典を主催し、他の政府機関 の協力をあおぐものとする。 第 20 規則 過渡的規定 第 1 項 受け入れ国の基準の適用 本法令第 4 項に従い、外務省は、本規則発効から 90 日以内に、フィリピン大使 館のある国に対して証明書を発行する。 フィリピン大使館が競合管轄を行使し、大使が非駐在である国においては、外務 省は、本規則発効 120 日以内に、本法令第 4 項に規定の証明書を発行する。前述の期間 終了に先立ち、必要があるとの決定に基づいて、外務長官は、労働雇用長官と協議の上、 証明書発行期間の妥当な猶予を認める。 遵守または非遵守決定の必要証明書が発行されるまでの、前段に記載の期間内は、 移民労働者の海外への派遣は、現状の形態で進める。 証明書発行の目的で、外務省は、海外雇用庁と協議の上、すべての外交部署が遂 行する標準形式を発布する。 第2項 強制保険要件の発効 第 16 規則第 15 項に記載の必要な規則発効に先立って海外雇用証明の発行を受け たすべての海外フィリピン人労働者は、強制保険要件は適用しない。 第 21 規則 47 Official Signed Copy (July 8, 2010) 最終規定 第 1 項 撤廃条項 本包括的施行規則との整合性に欠けるすべての省令、通知、施行規則は、撤廃、 または然るべく改訂される。 第 2 項 発効 本規則の規定は、全国発行されている新聞 2 紙への掲載の 15 日後に、効力を生 じる。 2010 年 7 月 8 日、マニラ市にて作成。 アルベルト・G・ロムロ 外務省長官 ロザリンダ・ディマピリス=バルドス 労働雇用省長官 エンリケ・T・オナ 保健省長官 ジェラルド・ベンジャミン・C・ノグラレス 全国労使関係委員会(NLRC)委員長 ヴィーダ・T・チョン 保険委員会担当官 48
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