1994.12.06 環境電磁ノイズの電界強度測定法 項 目 名 称 適用範囲 内 容 環境電磁ノイズの電界強度測定方法 測定場所の電磁環境の現状把握、又は建設予定建築物の遮蔽性能設計を行うことを目 的とした、環境電磁波ノイズを測定する方法について規定する。 測 定 量 等価電界強度レベル(ループアンテナ測定による、dBμV/m) 電界強度レベル(上記アンテナ以外のものによる、dBμV/m) 測定装置 アンテナ 原則として下記のアンテナを用いる。 ・広帯域アンテナ ループアンテナ(等価電界強度レベル測定) ロッドアンテナ バイコニカルアンテナ ログペリオディックアンテナ ダブルリッジドガイドアンテナ ダイポールアンテナ ・同調アンテナ 受信装置 電界強度計、スペクトラムアナライザ、ネットワークアナライザを 用いる。 ケーブル ・電磁波シールド仕様の同軸ケーブルとする(5D−2Wなど)。 ・必要最小限の長さを用いることとし、余ったケーブルを束ねない。 束ねる必要がある場合は”8”字状とする。 ・必要に応じフェライトコアをケーブルに装着する。 測定方法 測定点の位置 ・測定目的・対象を明確にし、原則として以降の検討に有効な資料と なり得る位置を選び、例えば金属足場などの反射物の極く近傍での 測定は避けることが望ましい。 ・原則としてアンテナ基底部の高さは、床、又は地上から1.0∼1.5m とし、30MHz以上の周波数では3m以上とする事が望ましい。 ・測定位置が明確な場合は、その位置、高さでの測定を実施する。 測定時間帯 ・測定対象とする施設の稼動時間帯に計測を行うことを原則とする。 主として昼間を対象とする施設 8:00∼18:00 昼夜を対象とする施設 24時間 ・天候、季節などにより測定結果が変動することが考えられるため、 考慮が必要である。 測定時間 ・周期変動的なノイズについては、その変動が十分捉えられる時間と する。 ・一過性のノイズについては、スペクトラムアナライザにより一定時 間毎(例えば1時間毎)のピーク値を連続的に測定し、その時間的 変化によってピーク値が確実に捉えられているかどうか判定が可能 な方法による長時間測定が必要である。 ( つ づ く ) - 1 - 項 目 (測定方法) 内 アンテナの設 置 容 ・ノイズの到来方向が既知であれば、その方向にアンテナの指向性向 きを合わせる。 ・ノイズの到来方向が不明、又は複数存在する場合は、アンテナの指 向性向きを水平方向全周を網羅するように回転するか、東西・南北 のように90゜となる2方向とする。ただし、ログペリオディック アンテナのように前方と後方の指向特性が異なる場合には、4方向 とする。 アンテナの偏 波 ・原則として次の偏波面の測定を実施する。別途要求がある場合には それに従う。 ループアンテナ ロッドアンテナ 垂直偏波 垂直偏波 バイコニカルアンテナ ログペリオディックアンテナ ダイポールアンテナ 測定対象周波 数範囲 受信装置の設 定 水平偏波 水平偏波 水平偏波 垂直偏波 垂直偏波 垂直偏波 ダブルリッジドガイドアンテナ 水平偏波 垂直偏波 ・アンテナの測定周波数範囲の目安は以下のとおりである。 別途要求がある場合にはそれに従う。 ループアンテナ ロッドアンテナ バイコニカルアンテナ 100k∼30MHz 100k∼30MHz 20M∼300MHz ログペリオディックアンテナ ダブルリッジドガイドアンテナ 200M∼1GHz 1G∼ ・原則として検波方式は、ノイズの種類、測定目的に応じて下記の何 れかとする。 尖頭値(ピークレベル測定) 準尖頭値(国際規格との比較が必要な場合) 平均値(放送波を測定する場合に便利) ・原則として通過帯域幅は、下記とする。(CISPR 準拠) 電界強度計(中間通過帯域幅) 100k∼150kHz 150k∼30MHz 30MHz∼ 200Hz 9kHz 120kHz スペクトラムアナライザ(RBW)、ネットワークアナライザ 100k∼30MHz 10kHz 30MHz∼ 100kHz 計測時の留意 事項 ・アンテナと受信装置間のケーブルは、ケーブルによる信号の損失を 考慮してなるべく最短の長さとする。 ・信号の再輻射や共振を除くため、アンテナと受信装置間のケーブル の両端にはフェライトコアを装着することが望ましい。 ・測定装置を発電機やバッテリーをコンバータでACに変換した電源 を用いる場合には、これらからの伝導ノイズが測定装置に入らない ようにする必要がある。 ( つ づ く ) - 2 - 項 目 測定結果の整 理方法及び表 示方法 内 電界強度レベ ルの算出 容 ・測定値から下記の補正を行って電界強度レベルを算出する。 L=L1+L2 +L3 (d BμV/m) ここで、L :電界強度レベル (dBμV/m) L1 :受信装置読み取り値(電圧レベル、dBμV) L2 :アンテナ感度補正値(d B) L3 :ケーブルロス補正値(d B) ・ループアンテナ測定値については、上記補正値に加えて磁界と電界 のインピーダンス補正値L4 (=20log10(120π)=51.5dB 遠方界 )を加算することにより等価電界強度レベルが求められる。 結果の表示に 付記すべき事 (1) 測定場所名、所在地 (2) 測定場所およびその周辺を含む敷地の状況・図面 項 (3) 測定位置(図面および測定状況写真の添付) (4) 敷地周辺の主なノイズ発生源の種類や状況 ・公共放送の種類、名称、使用周波数、偏波、到来方向 ・その他のノイズの状況 (5) 測定日時、曜日、天候、温湿度 (6) 測定機関、測定者名 (7) 使用機器の名称、接続と設定条件、機器等の校正年月日 ・アンテナの名称、形式、偏波面、測定方向 ・受信装置の名称、形式、検波方式、通過帯域幅 ・使用ケーブルの種類、長さ ・その他の計測に使用した機器の名称、形式 (8) その他必要と思われる事項 - 3 -
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