別添 諮問第3号「国際無線障害特別委員会(CISPR)の 諸規格について」のうち 「情報技術装置からの妨害波の許容値と測定法」 9 情報技術装置からの妨害波の許容値と測定法 目 総 論 次 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 1.適用範囲及び目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 2.引用規格 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 3.定義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 4.情報技術装置(ITE)の区分 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 4.1 クラスB情報技術装置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 4.2 クラスA情報技術装置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 5.電源ポートおよび通信ポートの伝導妨害波の許容値 ・・・・・・・・・・・・14 5.1 電源ポートの伝導妨害波電圧の許容値 ・・・・・・・・・・・・・・・14 5.2 通信ポートの伝導コモンモード妨害波の許容値 ・・・・・・・・・・・16 6.放射妨害波の許容値 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17 7.妨害波許容値の解釈 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17 7.1 妨害波許容値の意義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17 7.2 量産装置の適合試験での許容値の適用 ・・・・・・・・・・・・・・・17 8.一般測定条件 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 8.1 供試装置(EUT)の配置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 8.2 供試装置(EUT)の動作 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 9.電源ポート及び通信ポートにおける伝導妨害波の測定法 ・・・・・・・・・・23 9.1 測定用受信機 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24 9.2 擬似電源回路網(AMN) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24 9.3 大地面 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25 9.4 伝導妨害波測定のための装置の配置 ・・・・・・・・・・・・・・・・26 9.5 通信ポートにおける伝導妨害波の測定法 ・・・・・・・・・・・・・・26 9.6 測定値の記録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30 10.放射妨害波の測定法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31 10.1 測定用受信機 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31 10.2 測定用アンテナ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31 10.3 放射妨害波測定用テストサイト ・・・・・・・・・・・・・・・・・32 10.4 放射妨害波測定のための装置の配置 ・・・・・・・・・・・・・・・33 10.5 測定値の記録 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33 10.6 高レベルの周囲雑音の存在下での測定 ・・・・・・・・・・・・・・33 10.7 ユーザ設置場所でのテスト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34 図 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36 付則A 代替テストサイトでのサイトアッテネーション測定法 ・・・・・・・・・50 付則B 尖頭値測定の判定ツリー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・61 付則C コモンモード妨害波測定のための可能な試験配置 ・・・・・・・・・・・63 付則D 擬似通信回路網(ISN)の構成図 ・・・・・・・・・・・・・・・・・68 付則E 通信ポートにおける信号のパラメータ ・・・・・・・・・・・・・・・・72 10 総 論 本 規 格 は 、 国 際 電 気 標 準 会 議 (IEC)/ 国 際 無 線 障 害 特 別 委 員 会 (CISPR)よ り 勧 告 さ れ た 国 際 規 格 CISPR 22第 3版 (1997-11)「 情 報 技 術 装 置 (ITE)か ら の 妨 害 波 の 許 容 値 と 測 定 法 」 に準拠するものである。 な お 、 付 則 A、 Bお よ び Cは 、 こ の 規 格 の 一 部 分 で あ り 、 付 則 Dお よ び Eは 情 報 で あ る 。 本 規 格 を 適 用 す る 無 線 周 波 数 の 範 囲 は 、 9kHz〜 400GHz で あ る が 、 許 容 値 は 、 無 線 放 送及び通信サービスを保護し、適切な距離で他の機器が意図するよう動作するために装置 が十分に低い放射レベルに抑制されるよう検討され、限られた周波数範囲についてのみ定 められている。 1.適用範囲および目的 本 規 格 は 、 3.1項 で 定 義 す る 情 報 技 術 装 置(ITE) に 適 用 す る 。 情 報 技 術 装 置 (ITE)が 発 生 す る ス プ リ ア ス 信 号 レ ベ ル の 測 定 法 、 お よ び 9kHz 〜 400GHz の 周 波 数 範 囲 に お け る ク ラ ス A情 報 技 術 装 置 お よ び ク ラ スB情 報 技 術 装 置 の 両 方 の 許 容 値 を 規 定 し て い る 。 許 容 値 が 規定されていない周波数範囲では測定の必要はない。 本規格の目的は、適用範囲に含まれる装置の無線妨害波レベルに対して統一的な要求条 件を確立すること、妨害波の許容値を定めること、測定法を明確にすること、動作条件お よび結果の解釈を標準化することである。 2.引用規格 次に示す引用規格は、本規格で引用することにより、本規格の規定となる条項を含んで いる。ここに示した規格の最も新しい版を適用できるか否かを検討することが望ましい。 (1) JIS C 8303:1993 (2) JIS C 1000-4-6:1998 配線用差込接続器 基 本 EMC規 格 、 第 4部 : 試 験 お よ び 測 定 法 、 第 6章 : 無 線 周 波数伝導妨害波イミュニティ (3) CISPR 11:1997 工 業 、 科 学 お よ び 医 療 用 (ISM)装 置 の 電 磁 妨 害 特 性 の 測 定 法 お よ び 許容値 (4) 平 成 10年 度 、 電 気 通 信 技 術 審 議 会 答 申 諮 問 第 3号 「 国 際 無 線 障 害 特 別 委 員 会 (CISPR) の諸規格について」のうち、「無線妨害波およびイミュニティの測定装置と測定法に関 する特性」について 「 CISPR 16-1国 内 規 格 :1998 無 線 妨 害 波 お よ び イ ミ ュ ニ テ ィ 測 定 装 置 と 測 定 法 、 第 1 部:無線妨害波およびイミュニティの測定装置 (5) CISPR 16-2:1996 (CISPR 16-1:1993、 追 補 1:1997)」 無 線 妨 害 波 お よ び イ ミ ュ ニ テ ィ の 測 定 装 置 お よ び 測 定 法 、 第 2部 :無線妨害波およびイミュニティの測定法 11 (6) JIS X 5150:1996 3.定 構 内 情 報 配 線 シ ス テ ム (ISO/IEC 11801:1995) 義 本規格の目的のために、次の定義を適用する。 3.1 情報技術装置(ITE) 次のような全ての装置、 a) データまたは通信メッセージの入力、蓄積、表示、変換、転送、処理、スイッチン グ、または制御のいずれか(または、それらを組み合わせたもの)の主機能を持つも の で 、 通 常 、 情 報 の 転 送 を 行 わ せ る た め に 1つ 以 上 の 端 末 ポ ー ト を 持 つ こ と も あ る 。 b) 定 格 供 給 電 圧 が 600Vを 超 え な い も の 。 例えば、これには、情報処理装置、事務用機器、電子事務用装置、および電気通信装置 が含まれる。 国 際 電 気 通 信 連 合 (ITU)の 無 線 規 則 (RR)に 規 定 さ れ る 無 線 伝 送 お よ び / ま た は 受 信 を 主 機 能 と す る 全 て の 装 置 ( ま た は 情 報 技 術 装 置 (ITE)の 部 分 ) は 、 本 規 格 の 適 用 範 囲 か ら 除 外する。 注 ) い か な る 装 置 で あ っ て も 、 国 際 電 気 通 信 連 合 (ITU)の 無 線 規 則 (RR)で 規 定 さ れ る 無 線 伝 送 お よ び / ま た は 受 信 機 能 を 有 す る も の は 、 CISPR 22が 有 効 で あ る か 否 か にかかわらず、国の無線規則に従う。 この周波数範囲におけるすべての妨害要求条件が、明らかに国内法令に規格化されてい る 装 置 お よ び 機 器 、 並 び に 他 の 国 際 電 気 標 準 会 議 (IEC)規 格 ま た は 国 際 無 線 障 害 特 別 委 員 会 (CISPR)規 格 の 適 用 を 受 け る 装 置 に つ い て は 、 本 規 格 の 適 用 範 囲 か ら 除 外 す る 。 また、次のものについても適用を除外する。 (1) 情報技術機能が二次的な動作となっている装置(例えば工業用プラント制御装 置)。 (2) 電気通信事業者が管理する建物内でのみ使用される電気通信施設用物品。 3.2 供 試 装 置 ( E U T ) 代 表 的 な 1台 の 情 報 技 術 装 置 (ITE)、 ま た は 1台 以 上 の ホ ス ト 装 置 を 含 み 機 能 的 に 相 互 作 用 の あ る 情 報 技 術 装 置 (ITE)の グ ル ー プ ( シ ス テ ム ) で 、 評 価 に 供 さ れ る も の 。 3.3 ホ ス ト 装 置 情 報 技 術 装 置 (ITE)シ ス テ ム の 一 部 分 ま た は モ ジ ュ ー ル の た め の 機 械 的 収 納 部 を 有 す る ユ ニ ッ ト で 、 無 線 周 波 発 信 源 を 有 す る こ と も あ り 、 ま た は 他 の 情 報 技 術 装 置 (ITE)に 電 源 12 を 分 配 す る こ と も あ る 。 ホ ス ト 装 置 と モ ジ ュ ー ル 、 ま た は 他 の 情 報 技 術 装 置 (ITE)と の 間 の電源分配は交流、直流またはその両方の場合がある。 3.4 モジュール 機 能 を 実 行 す る 情 報 技 術 装 置 (ITE)の 一 部 分 で あ っ て 、 無 線 周 波 発 信 源 を 有 す る こ と が ある。 3.5 同一モジュールおよび情報技術装置(ITE) 量 産 さ れ た モ ジ ュ ー ル お よ び 情 報 技 術 装 置 (ITE)で 、 指 定 の 製 造 仕 様 に 対 し て 通 常 の 製 造誤差の許容範囲内に入っているもの。 3.6 通信ポート 電 気 通 信 ネ ッ ト ワ ー ク ( 例 : 公 衆 電 気 通 信 ネ ッ ト ワ ー ク 、 ISDN) 、 ロ ー カ ル エ リ ア ネ ッ ト ワ ー ク ( LAN、 例 : イ ー サ ネ ッ ト 、 ト ー ク ン リ ン グ ) お よ び 類 似 の ネ ッ ト ワ ー ク に接続することを意図したポート。ただし、システム内構成装置を相互に接続するための イ ン タ フ ェ ー ス ケ ー ブ ル の 接 続 を 意 図 し た ポ ー ト を 除 く ( 例 え ば RS232C、 USB等 ) 。 4 . 情 報 技 術 装置(ITE)の区分 ITEを ク ラ ス A情 報 技 術 装 置 、 お よ び ク ラ ス B情 報 技 術 装 置 の 2つ に 区 分 す る 。 4.1 ク ラ ス B情 報 技 術 装 置 ク ラ ス B情 報 技 術 装 置 は 、 ク ラ ス B情 報 技 術 装 置 の 妨 害 波 の 許 容 値 を 満 足 す る 機 器 で あ る。 ク ラ ス B情 報 技 術 装 置 は 、 主 に 住 宅 環 境 注 ) に お い て 使 用 す る よ う 意 図 さ れ て お り 、 例 えば、次のものが含まれる。 注 ) 住 宅 環 境 と は 、 当 該 装 置 か ら 10m以 内 の 範 囲 に お い て 、 ラ ジ オ 放 送 受 信 機 お よ び テレビジョン放送受信機を使用することが予想される環境を意味している。 −固定した場所で使用しない装置、例えば、内蔵電池から給電される携帯用装置 −電気通信回線網から給電される電気通信端末装置 −パーソナルコンピュータおよび補助的に接続される装置 4.2 ク ラ ス A情 報 技 術 装 置 ク ラ ス A情 報 技 術 装 置 は 、 ク ラ ス A情 報 技 術 装 置 の 許 容 値 を 満 足 す る が 、 ク ラ ス B情 報 技 術 装 置 の 許 容 値 は 満 足 し な い 全 て の ITEで あ る 。 こ の よ う な 種 類 の 装 置 に つ い て は 、 販 13 売に際して制限を加えるべきではないが、次のような注意書きを取扱説明書に記載してお かなければならない。 注意書きの例 注 意 こ の 製 品 は ク ラ ス A情 報 技 術 装 置 で す 。 住 宅 環 境 で 使 用 す る 場 合 は 、 電 波 障 害 を 発 生させる恐れがあります。その際、この製品の利用者は、適切な手段を講ずることが 必要とされることがあります。 5. 電 源 ポ ートおよび通信ポートの 伝導妨害波の許容値 EUTは 、 第 9 項 に 記 述 さ れ る 測 定 法 に 従 っ て 平 均 値 測 定 用 受 信 機 お よ び 準 尖 頭 値 測 定 用 受 信 機を 使 用 し 、 そ れ ぞ れ の 測 定 値 が 表1 と 表 3 ま た は 表 2 と 表 4の 許 容 値 を 満 た す こ と 。 表 3ま た は 表 4の 電 圧 許 容 値 と 電 流 許 容 値 は 、 い ず れ か 一 方 を 満 た す こ と 。 た だ し 、 C.1.3 項に示す測定では電圧許容値と電流許容値の両者を満たすこと。準尖頭値測定用受信機を 使 用 し た 測 定 値 が 平 均 値 許 容 値 を 満 た す 場 合 、 EUTは 両 方 の 許 容 値 を 満 た し て い る と 見 なされ、平均値測定用受信機による測定を必要としない。 測定用受信機の指示値が許容値に近いところで変動する場合、それぞれの測定周波数に つ い て 、 少 な く と も 15秒 間 指 示 値 を 観 察 し な け れ ば な ら な い 。 瞬 時 の 孤 立 し た 高 い 値 は 無視し、それ以外の最も高い指示値を記録すること。 5.1 電源ポートの伝導妨害波電圧の許容値 14 表1 ク ラ ス A情 報 技 術 装 置 の 電 源 ポ ー ト 伝 導 妨 害 波 電 圧 の 許 容 値 周波数範囲 許容値 MHz dB(μ V) 準尖頭値 平均値 0.15〜 0.50 79 66 0.50〜 30 73 60 注 1) 周 波 数 の 境 界 で は 低 い 方 の 許 容 値 を 適 用 す る 。 2) 周 波 数 150〜 526.5kHzの 許 容 値 に つ い て は 次 の 暫 定 運 用 に よ り 適 合 さ せることでよい。 暫 定 運 用 製品の区分 暫定許容値 1999年 3月 31日 ま で に 初 め て 製 造 さ れ た新規設計の装置 1999年 4月 1日 以 降 、 2001年 3月 31日 ま でに初めて製造される新規設計の装置 2001年 4月 1日 以 降 、 初 め て 製 造 さ れ る 新規設計の装置 表2 許容値は適用しない 許 容 値 + 10dB 許容値通り ク ラ ス B情 報 技 術 装 置 の 電 源 ポ ー ト 伝 導 妨 害 波 電 圧 の 許 容 値 周波数範囲 許容値 MHz dB(μ V) 準尖頭値 平均値 66〜 56 56〜 46 0.15〜 0.50 0.50〜 5 56 46 5〜 30 60 50 注 1) 周 波 数 の 境 界 で は 低 い 方 の 許 容 値 を 適 用 す る 。 2) 0.15〜 0.50MHzの 範 囲 で の 許 容 値 は 、 周 波 数 の 対 数 値 に 対 し て 直 線 的 に減少する。 3) 周 波 数 150〜 526.5kHzの 許 容 値 に つ い て は 次 の 暫 定 運 用 に よ り 適 合 さ せることでよい。 暫 定 運 用 製品の区分 暫定許容値 1999年 3月 31日 ま で に 初 め て 製 造 さ れ た新規設計の装置 1999年 4月 1日 以 降 、 2001年 3月 31日 ま でに初めて製造される新規設計の装置 2001年 4月 1日 以 降 、 初 め て 製 造 さ れ る 新規設計の装置 15 許容値は適用しない 許 容 値 + 10dB 許容値通り 5.2 通信ポートの伝導コモンモード妨害波の許容値 表3 ク ラ ス A装 置 の 周 波 数 範 囲 0.15〜 30MHzに お け る 通 信 ポ ー ト の 伝導コモンモード(非対称モード)妨害波許容値 周波数範囲 電圧許容値 電流許容値 MHz dB(μ V) dB(μ A) 準尖頭値 平均値 準尖頭値 平均値 0.15〜 0.5 97〜 87 84〜 74 53〜 43 40〜 30 0.5〜 30 87 74 43 30 注 1) 許 容 値 は 、 0.15〜 0.5MHzの 範 囲 で 周 波 数 の 対 数 に 対 し て 直 線 的 に 減 少 す る 2) 電 圧 許 容 値 と 電 流 許 容 値 の 変 換 係 数 は 20 log 1 0 150= 44 dBで あ る 。 3) 本 表 の 許 容 値 は 、 次 の 暫 定 運 用 に よ り 適 合 さ せ る こ と で よ い 。 暫 定 運 用 製品の区分 暫定許容値 2003年 3月 31日 ま で に 初 め て 製 造 さ れ 許容値は適用しない。 る新規設計の装置 2003年 4月 1日 以 降 、 初 め て 製 造 さ れ る 許容値通り。 新規設計の装置 表4 ク ラ ス B装 置 の 周 波 数 範 囲 0.15〜 30MHzに お け る 通 信 ポ ー ト の 伝導コモンモード(非対称モード)妨害波許容値 周波数範囲 電圧許容値 電流許容値 MHz dB(μ V) dB(μ A) 準尖頭値 平均値 準尖頭値 平均値 0.15〜 0.5 84〜 74 74〜 64 40〜 30 30〜 20 0.5〜 30 74 64 30 20 注 1) 許 容 値 は 、 0.15〜 0.5MHzの 範 囲 で 周 波 数 の 対 数 に 対 し て 直 線 的 に 減 少 す る 2) 電 圧 許 容 値 と 電 流 許 容 値 の 変 換 係 数 は 20 log 1 0 150= 44 dBで あ る 。 3) 暫 定 的 に 、 周 波 数 範 囲 6〜 30MHzの 周 波 帯 で 強 い ス ペ ク ト ル 密 度 を 有 す る 高 速 サ ー ビ ス に お い て は 10dBの 緩 和 が 許 容 さ れ る 。 た だ し 、 こ の 緩 和 は 、 ケ ー ブ ル に よ り 希 望信号から変換されたコモンモード妨害波に限られる。 4)本 表 の 許 容 値 は 、 次 の 暫 定 運 用 に よ り 適 合 さ せ る こ と で よ い 。 暫 定 運 製品の区分 用 暫定許容値 2003年 3月 31日 ま で に 初 め て 製 造 さ れ 許容値は適用しない。 る新規設計の装置 2003年 4月 1日 以 降 、 初 め て 製 造 さ れ る 新規設計の装置 16 許容値通り。 6. 放 射 妨 害波の許容値 第 1 0 項 に 規 定 さ れ る 方 法 に 従 っ て 測 定 距 離 :Rで 測 定 し た 場 合 、 EUTは 表 5ま た は 表 6 の許容値を満たさなければならない。測定用受信機の指示値が許容値に近いところで変動 す る 場 合 、 そ れ ぞ れ の 測 定 周 波 数 に つ い て 、 少 な く と も 15秒 間 指 示 値 を 観 察 し な け れ ば ならない。瞬時の孤立した高い値は無視し、それ以外の最も高い指示値を記録すること。 表5 測 定 距 離 10mで の ク ラ ス A情 報 技 術 装 置 の 放 射 妨 害 波 の 許 容 値 周波数範囲 準尖頭値許容値 MHz 30〜 230 dB(μ V/m) 230〜 1000 47 40 注 1) 周 波 数 の 境 界 で は 低 い 方 の 許 容 値 を 適 用 す る 。 2) 妨 害 が 発 生 し た 場 合 は 、 追 加 の 保 護 手 段 が 要 求 さ れ る こ と が あ る 。 表6 測 定 距 離 10mで の ク ラ ス B情 報 技 術 装 置 の 放 射 妨 害 波 の 許 容 値 周波数範囲 準尖頭値許容値 MHz 30〜 230 dB(μ V/m) 30 230〜 1000 37 注 1) 周 波 数 の 境 界 で は 低 い 方 の 許 容 値 を 適 用 す る 。 2) 妨 害 が 発 生 し た 場 合 は 、 追 加 の 保 護 手 段 が 要 求 さ れ る こ と が あ る 。 7. 妨 害 波 許容値の解釈 7.1 妨害波許容値の意義 7.1.1 本規格に規定する許容値は、国際規格としての勧告に則り、国内の関連法規およ び公的規格に取り込まれるように検討され決定したものである。 7.1.2 装 置 に 対 す る 許 容 値 の 意 義 は 、 統 計 的 に 、 量 産 品 の 少 な く と も 80%が 、 少 な く と 80%の 信 頼 度 で 許 容 値 に 適 合 し て い る こ と で あ る 。 7.2 量産装置の適合試験での許容値の適用 7.2.1 7.2.1.1 試験は、次のいずれかに対して行うこと。 7.2.3項 に 規 定 す る 統 計 的 な 評 価 法 を 用 い る 当 該 タ イ プ の 装 置 の 複 数 台 の サ ン プ ル。 17 7.2.1.2 7.2.2 ま た は 、 簡 略 化 の た め に 、 1台 の 装 置 。 特 に 、 7.2.1.2項 に よ る 場 合 は 、 生 産 品 か ら 無 作 為 に 選 ば れ た 装 置 に 対 し て 、 随 時 、 その後の試験が必要である。 7.2.3 統計的な適合評価は、次のように行うこと。 こ の 試 験 は 、 最 低 5台 以 上 12台 以 下 の サ ン プ ル に 対 し て 行 う こ と 。 し か し 、 例 外 的 な 場 合 と し て 、 5台 が 入 手 で き な い 場 合 、 3台 ま た は 4台 の サ ン プ ル に 試 験 を 行 う こ と 。 適 合 の 可否は、次の関係から判断する。 X + kSn L ≦ こ こ で 、 X は サ ン プ ル n台 の 測 定 値 の 算 術 平 均 値 で あ る 。 Sn 2 = 1 − Σ( X i− X ) 2 ( n−1) Xi は 、 個 々 の 装 置 の 測 定 値 で あ る 。 L は、適用する許容値。 k は 、 当 該 装 置 の 80% が 許 容 値 を 満 足 す る こ と を 80% の 信 頼 度 で 保 証 す る 、 非心t分布の表から導かれている。 k の 値 は 、 サ ン プ ル 台 数 nに よ っ て 決 ま り 、 下 表 に 示 す 。 n 3 4 5 6 7 8 k 2.04 1.69 1.52 1.42 1.35 1.30 9 1.27 10 11 12 1.24 1.21 1.20 注 ) 一 般 情 報 と し て 、 CISPR 16-2、 第 9 節 を 参 照 。 X i 、 X、 S nお よ び Lの 単 位 は 、 dB(μ V)、 ま た は dB(μ V/m)の よ う に 対 数 的 に 表 さ れ る 。 7.2.4 適 合 可 否 に 対 す る 審 理 の 結 果 と し て 、 販 売 の 禁 止 ま た は タ イ プ 認 定 の 取 り 消し は 、 7.2.1.1項 に 従 っ て 統 計 的 評 価 法 を 利 用 し て 試 験 が 行 わ れ た 後 に の み 、 検 討 さ れ る こ と 。 8 . 一 般 測 定 条件 測 定 サ イ ト で は 、 EUTか ら の 妨 害 波 と 周 囲 雑 音 が 識 別 で き な け れ ば な ら な い 。 こ の 観 点 か ら 、 サ イ ト の 適 性 は 、 EUTを 停 止 し て 周 囲 雑 音 を 測 定 し 、 そ れ ら が 第 5項 お よ び 第 6 項 に 規 定 さ れ る 許 容 値 よ り 少 な く と も 6dB低 い こ と を 確 認 す る こ と に よ っ て 決 定 す る 。 18 あ る 周 波 数 帯 域 で 周 囲 雑 音 が 規 定 の 許 容 値 よ り 6dB下 回 っ て い な い 場 合 、 10.6項 に 示 す 方 法 を 規 定 の 許 容 値 に 対 す る EUTの 適 合 を 示 す た め に 使 用 し て も よ い 。 放射源からの妨害波と周囲雑音の合成値が規定の許容値を超えない場合には、周囲雑音 レ ベ ル を 規 定 の 許 容 値 か ら 6dB低 い 値 に 減 少 さ せ る 必 要 は な い 。 こ の 場 合 、 妨 害 源 か ら の 妨害波は規定の許容値を満足していると見なす。 妨害源からの妨害波と周囲雑音の合成値が規定の許容値を超える場合でも、当該測定周 波 数 に お い て 、 次 の 2つ の 条 件 を 満 足 し な い 限 り 、 EUTが 規 定 の 許 容 値 を 満 た し て い な い と判断してはならない。 a) 周囲雑音レベルが妨害源からの妨害波と周囲雑音レベルの合成値より少なくとも 6dB低 い こ と 。 b) 8.1 周 囲 雑 音 レ ベ ル が 規 定 の 許 容 値 よ り 少 な く と も 4.8dB低 い こ と 。 供 試 装 置 ( EUT ) の 配 置 こ こ に 規 定 さ れ な い 場 合 は 、 代 表 的 な 使 用 例 に 従 っ て EUTを 構 成 し 、 組 み 合 わ せ 、 配 置 し て 動 作 さ せ る こ と 。 EUTの イ ン タ フ ェ − ス ポ − ト の 各 タ イ プ ご と に 最 低 1 つ の イ ン タフェースケーブル/負荷/装置を接続しておくこと。装置の実際の代表的な使用法に 従って、各ケーブルは終端すること。 同一タイプの複数のインタフェースポートがある場合、追加の接続ケーブル/負荷/装 置 は 、 予 備 試 験 の 結 果 に 基 づ い て EUTに 加 え ら れ な け れ ば な ら な い 。 EUTに 接 続 す る ケ ー ブ ル の 本 数 は 、 ケ ー ブ ル の 追 加 に よ る 妨 害 波 レ ベ ル の 増 分 が 小 さ く な り ( 例 え ば 2dB 以 内 ) 、 EUTが 許 容 値 を 満 足 す る と 製 造 業 者 が 推 定 し た 本 数 ま で と す る こ と 。 装 置 の 配 置およびポートの負荷の選択の根拠をテストレポートに記述すること。 相互接続ケーブルは、個々の装置の要求条件に規定されたタイプおよび長さが望ましい。 種々の長さのケーブルが用意されている場合は、最大妨害波を発生する長さにすること。 適合性を得るために、シ−ルドケーブルまたは特別なケーブルを使用した場合は、この ようなケーブルを使う必要があることを示す注意書きを取扱説明書に記述すること。 余 分 な 長 さ の ケ ー ブ ル は 、 0.3mか ら 0.4mの 長 さ で ケ ー ブ ル の ほ ぼ 中 央 で 束 ね て お く こ と。ケーブルの大きさや固さのため、またはユーザ設置場所での試験のため、束ねること が出来ない場合には、余分なケーブルの処理を試験報告書に詳細に記録しておくこと。 同 じ タ イ プ の イ ン タ フ ェ ー ス ポ ー ト が 複 数 あ る 場 合 、 そ の 当 該 タ イ プ の 1つ の ポ ー ト に のみケーブルを接続してもよい。ただし、同じタイプの他のポートにケーブルを追加して も、測定結果に重要な影響を与えないことを確認しておくこと。 19 測定結果が再現できるように、ケーブルおよび装置の配置や向きの詳細な説明を測定結 果に添付しなければならない。許容値に適合するために使用上の特別な条件がある場合は、 それらの条件、例えば、ケーブルの長さ、ケーブルのタイプ、シールドおよび接地などを 規定し、文書化すること。これらの条件は、使用者用の説明書に記載しなければならない。 複数のモジュール(ドロア、プラグインカード、ボード等)を使用するようになってい る 装 置 は 、 通 常 の 使 用 例 に 従 っ て 複 数 組 み 合 わ せ 、 代 表 的 な 状 態 で 試 験 す る こ と 。 EUT に装着するボード、プラグイン・カードの数量は、ボード、プラグイン・カードの追加に よ る 妨 害 波 レ ベ ル の 増 分 が 小 さ く な り ( 例 え ば 2dB以 内 ) 、 許 容 値 を 満 足 す る と 製 造 業 者 が推定した数量までとすること。モジュールのタイプおよび数について選択の根拠をテス トレポートに記述すること。 多くの独立したユニットからなるシステムは、最小の代表的な構成例となるように配置 すること。この試験配置に含まれる複数の組み合わせのユニットは、通常の使用状態を代 表するものであること。ユニットを選択した根拠をテストレポートに記述すること。 代表的な最小構成のシステムを次に示す。 パーソナルコンピュータまたはパーソナルコンピュータの周辺装置の場合、最小構成の システムは、次に分類される装置から構成され、一緒に試験される。 a) パーソナルコンピュータ b) キーボード c) 画 像 表 示 装 置 (VDU) d) 使 用 可 能 な 2 つ の 異 な っ た タ イ プ の I/Oプ ロ ト コ ル ( 例 え ば 、 シ リ ア ル 、 パ ラ レ ル 等)の各々に対する外部周辺装置 e) EUTが 特 別 の 目 的 を 持 つ 装 置 、 例 え ば マ ウ ス 、 ジ ョ イ ス テ ィ ッ ク 等 の た め の 専 用 ポートを持つ場合、その装置は最小構成の一部であること。 注 ) あ る シ ス テ ム の 場 合 、 a)、 b)お よ び / ま た は c)は 、 同 じ シ ャ ー シ に 組 み 立 て ら れ て い る 。 a)、 b)、 c)、 マ ウ ス ま た は ジ ョ イ ス テ ィ ッ ク コ ン ト ロ ー ル が 、 d)の 代 わ り に使用されることはない。 POS端 末 の 場 合 、 最 小 構 成 ( 適 切 な 程 度 に ) の シ ス テ ム は 、 次 に 分 類 さ れ る 装 置 か ら 構成され、一緒に試験される。 a) アクティブプロッセッサ b) 現金引き出し機 c) キーボード類 20 d) ディスプレイユニット(操作者および顧客用) e) 代表的な周辺装置(バーコード読み取り機) f) 手持ち機器(バーコード読み取り機) EUTと し て 評 価 さ れ る ITEの 内 部 の モ ジ ュ ー ル は 、 そ れ ぞ れ の タ イ プ ご と に 1 つ の モ ジ ュ ー ル を 動 作 さ せ る こ と 。 EUTが シ ス テ ム の 場 合 、 シ ス テ ム を 構 成 す る こ と が で き る ITEは 、 そ れ ぞ れ の タ イ プ ご と に 1つ の ITEを EUTの 中 に 含 む こ と 。 広い場所に分散されたシステムの部分を構成する装置のユニット(例えば、情報端末装 置 、 ワ ー ク ス テ ー シ ョ ン 、 PBX等 ) お よ び そ れ 自 体 が サ ブ シ ス テ ム と な る 装 置 の ユ ニ ッ トは、ホストまたはシステムから独立して試験してもよい。分散型ネットワーク、例えば、 LANは 、 テ ス ト サ イ ト 上 で 、 あ る 長 さ の ケ ー ブ ル と 、 実 際 の 周 辺 装 置 あ る い は 遠 隔 ネ ッ トワーク通信シミュレータを用いてシミュレートしても良い。ただし、それらは測定値に 影響を与えないことを保証するのに十分な距離に設置する必要がある。 各 タ イ プ の モ ジ ュ ー ル ま た は ITEを 1つ ず つ も つ EUTの 評 価 の 結 果 は 、 2つ 以 上 の モ ジ ュ ー ル ま た は ITEを も つ 構 成 に 適 用 で き る 。 こ の 適 用 が 認 め ら れ る 理 由 は 、 複 数 の 同 一 の モ ジ ュ ー ル ま た は ITE( 3.5項 参 照 ) か ら の 放 射 妨 害 波 は 、 現 実 に は 加 算 的 で は な い こ とが一般に知られているからである。 電 源 イ ン タ フ ェ ー ス が ホ ス ト 装 置 に 依 存 す る 任 意 の ITEも 含 め て 、 機 能 的 に 他 の ITEと 相 互 に 影 響 し あ う EUTの 場 合 、 代 表 的 な 動 作 状 態 を 得 る た め 、 実 際 に イ ン タ フ ェ ー ス 機 能 を も つ ITEま た は シ ミ ュ レ ー タ の い ず れ か を 使 用 す る こ と が で き る 。 た だ し 、 シ ミ ュ レータを使用する場合、シミュレータの影響を分離できるかまたは確認できることが必要 で あ る 。 も し ITEが 他 の ITEに 対 し て ホ ス ト 装 置 に な る よ う に 設 計 さ れ て い る 場 合 、 ホ ス ト と な る ITEは 、 通 常 の 条 件 の 下 で ホ ス ト 装 置 と し て 動 作 す る よ う に 接 続 し な け れ ば な ら ない。 イ ン タ フ ェ ー ス 機 能 を 持 つ 実 際 の ITEの か わ り に 使 用 さ れ る シ ミ ュ レ ー タ は 、 当 該 ITE の 電 気 的 特 性 、 特 に RF信 号 お よ び イ ン ピ ー ダ ン ス 、 場 合 に よ っ て は 機 械 的 特 性 を 適 切 に 持 つ こ と が 重 要 で あ る 。 こ の 手 順 に 従 う こ と に よ っ て 個 々 の ITEの 測 定 結 果 は 、 異 な っ た 製 造 業 者 に よ っ て 製 造 お よ び 測 定 さ れ た ITEを 含 め て 、 他 の 同 様 に 試 験 さ れ た ITEの シ ス テムの一体化や応用にも有効となる。 ホ ス ト 装 置 の 様 々 な 拡 張 の た め に 別 売 り さ れ る プ リ ン ト 配 線 板 ア ッ セ ン ブ リ ( PWBA、 例 : ISDNイ ン タ フ ェ ー ス ボ ー ド 、 CPUボ ー ド 、 ア ダ プ タ カ ー ド 等 ) の 適 合 性 を 確 認 す る た め に は 、 プ リ ン ト 配 線 板 ア ッ セ ン ブ リ (PWBA)が 搭 載 さ れ る こ と を 意 図 す る ホ ス ト 装 置 群 か ら 製 造 業 者 が 選 択 し た 少 な く と も 1台 の 代 表 的 な ホ ス ト 装 置 に 搭 載 し て 試 験 し な け れ ばならない。 21 ホスト装置は、代表的な製造サンプルであること。 ク ラ ス B情 報 技 術 装 置 に 搭 載 す る こ と を 意 図 す る PWBAは 、 ク ラ ス A情 報 技 術 装 置 に 属 するホスト装置に搭載して試験をしてはならない。 PWBAに 添 付 す る 説 明 書 に は 、 PWBAを 搭 載 し て 試 験 ・ 評 価 し た ホ ス ト 装 置 に つ い て の 情 報 、 お よ び PWBAが い ず れ の 区 分 ( ク ラ ス A情 報 技 術 装 置 ま た は ク ラ ス B情 報 技 術 装 置)のホスト装置に適合しているか判別できるような情報を記載しておくこと。 8.1.1 最 大 放 射 配 置 の 決 定 事前確認試験は、代表的なシステムの配列において、代表的な動作モードおよびケーブ ル の 配 置 を 用 い て EUTを 動 作 さ せ た 状 態 で 最 大 妨 害 波 の 発 生 周 波 数 を 確 認 す る も の で あ る 。 最 大 妨 害 波 を 発 生 す る と 予 想 さ れ る 周 波 数 、 付 属 ケ ー ブ ル 、 EUTの 配 置 お よ び 動 作 モードから多くの関連する周波数の妨害波を調べることによって、許容値に対応する最大 妨害波の周波数が確認される。 図 4か ら 図 14に 従 っ て EUTを 配 置 す る こ と 。 EUTと 周 辺 装 置 の 距 離 は 、 図 に 従 っ て 設 置 すること。 最終測定は、伝導妨害波および放射妨害波の各々について、第9項および第10項に定 める方法を用いて実施すること。 8.1.2 大 地 面 と 供 試 装 置 ( EUT ) 配 置 大 地 面 に 対 す る EUTの 位 置 は 、 使 用 時 の 状 態 と 同 等 と す る こ と 。 す な わ ち 、 床 置 型 装 置は大地面または大地面に置いた絶縁性の床(例えば、木製)に設置し、卓上型の装置は 非金属性のテーブルに設置する。 電力および信号ケーブルは、大地面に対して実際の使用状態と同等の方法で配線するこ と。大地面は金属性でもよい。 注 ) 特 別 な 大 地 面 の 要 求 事 項 は 、 伝 導 妨 害 波 測 定 に つ い て は 9.3項 、 放 射 妨 害 波 測 定 に つ い て は 10.3.4項 で 規 定 す る 。 8.2 供 試 装 置 ( E U T ) の 動 作 EUTに つ い て は 、 設 計 さ れ た 定 格 ( 定 常 ) 動 作 電 圧 、 お よ び 規 定 の 負 荷 条 件 ( 機 械 的 、 電気的またはその両方)で動作させなければならない。可能な場合、通常、実負荷を使用 すること。シミュレータを使用する場合には、シミュレータは無線周波特性および機能特 性が実負荷と同等であること。 装置を動作させる試験プログラムやその他の手段は、全てのシステムからの妨害波を測 定できるようにシステムの各部を動作させるものであること。例えば、コンピュータシス テムのテープおよびディスク装置は、読み取り/書き込み/消去の一連の動作手順を用意 22 しておき、記憶装置はアドレッシングを行い、機械的動作を行う装置は的確な動作を実施 さ せ る こ と 。 画 像 表 示 装 置 は 、 8.2.1項 に 従 っ て 動 作 さ せ る こ と 。 EUTが 他 の 装 置 と 機 能 的に相互に関連するものである場合には、実際のインタフェース装置の利用が望ましい。 8.2.1 画像表示装置(VDU)の動作 EUTに 画 像 表 示 装 置 ま た は モ ニ タ が 含 ま れ て い る 場 合 に は 、 次 の 動 作 条 件 を 適 用 す る こと。 ・コントラストの調整を最大とすること。 ・輝度調整を最大とするか、ラスタの見えなくなる状態が最大輝度より少し下の場合 には、ラスタの見えなくなる状態に調整すること。 ・カラーモニタの場合には、全ての色を代表させるために黒の背景に白の文字を使う こと。 ・ポジティブ表示またはネガティブ表示の両方を利用できる場合には、いずれか最悪 条件を選択すること。 ・ 画 面 上 で 代 表 的 な 最 大 数 の 文 字 が 表 示 で き る よ う に 1行 あ た り の 文 字 の 寸 法 及 び 数 を選択すること。 ・ グ ラ フ ィ ッ ク ス 機 能 を 有 す る モ ニ タ の 場 合 は 、 全 て "H"か ら 構 成 さ れ る パ タ ー ン を 表 示 さ せ る こ と 。 テ キ ス ト の み の 機 能 を 有 す る EUTで は 、 無 作 為 テ キ ス ト か ら 構 成されるパターンを表示させること。もし、上記のいずれの方法も適用することが できない場合には、代表的な表示を採用すること。 8.2.2 フ ァ ク シ ミ リ 装 置 の 動 作 フ ァ ク シ ミ リ 装 置 は EUTの 最 も 精 細 な イ メ ー ジ モ ー ド で 、 ITU-Tの 規 定 す る フ ァ ク シ ミ リ受信テストチャートを用いて、受信および送信モードで試験すること。 注) ファクシミリ装置の最大妨害レベルを得るためにテストパターンを何度も繰り返 すことが必要なこともある。 8.2.3 電 話 機 の 動 作 デジタル信号で音声情報の伝送が可能な電話機は、国際電気通信連合−電気通信部門 ( ITU-T) の 規 定 す る 標 準 音 声 の 受 信 状 態 で 、 受 信 お よ び 送 信 モ ー ド で 試 験 す る こ と 。 9.電源ポートおよび通信ポートにおける伝導妨害波の測定法 測 定 に は 、 9.1項 に 規 定 さ れ る 準 尖 頭 値 測 定 用 受 信 機 お よ び 平 均 値 測 定 用 受 信 機 を 使 用 す る こ と 。 2種 類 の 測 定 用 受 信 機 を 1つ の 受 信 機 に 組 み 込 み 、 準 尖 頭 値 お よ び 平 均 値 測 定 用受信機を交互に使用して測定しても良い。 23 注)伝導妨害波の測定はシールド室内で行うことが望ましい。 試験時間を短縮するために、尖頭値測定用受信機を準尖頭値測定用受信機または平均値 測定用受信機の代わりに使用しても良い。疑義が生じた場合には、準尖頭値許容値の測定 には、準尖頭値測定用受信機が優先され、平均値許容値の測定には、平均値測定用受信機 が優先される。(付則B、参照) 9.1 測 定 用 受 信 機 準 尖 頭 値 測 定 用 受 信 機 は 、 「 電 気 通 信 技 術 審 議 会 答 申 : CISPR 16-1国 内 規 格 」 の 第 2 節に従ったものでなければならない。 平 均 値 測 定 用 受 信 機 は 、 「 電 気 通 信 技 術 審 議 会 答 申 : CISPR 16-1国 内 規 格 」 の 第 4 節 に 従 い 、 「 電 気 通 信 技 術 審 議 会 答 申 : CISPR 16-1国 内 規 格 」 の 第 2 節 の 規 定 に 従 っ た 6dBの 帯 域 幅 を 持 つ も の で な け れ ば な ら な い 。 尖 頭 値 測 定 用 受 信 機 は 、 「 電 気 通 信 技 術 審 議 会 答 申 : CISPR 16-1国 内 規 格 」 の 第 3 節 に 従 い 、 「 電 気 通 信 技 術 審 議 会 答 申 : CISPR 16-1国 内 規 格 」 の 第 2 節 の 規 定 に 従 っ た 6dBの 帯 域 幅 を 持 つ も の で な け れ ば な ら な い 。 9.2 擬 似 電 源 回 路 網 ( A M N ) 伝導妨害波電圧測定点において、電源供給線と大地間の高周波での規定されたインピー ダンスを得るため、および電源供給線側からの外来雑音から供試回路を分離するために AMNが 必 要 で あ る 。 AMNに は 「 電 気 通 信 技 術 審 議 会 答 申 : CISPR 16-1国 内 規 格 」 の 11.3項 に 規 定 さ れ る 公 称 イ ン ピ ー ダ ン ス (50Ω /50μ H) を 持 っ た ネ ッ ト ワ ー ク を 使 用 す る こ と 。 EUTは AMNに 接 続 す る こ と 。 EUTと AMNは 、 両 者 の 最 も 近 い 間 隔 が 0.8mに な る よ う に離しておくこと。 電 源 コ ー ド が 製 造 業 者 に よ っ て 用 意 さ れ て い る 場 合 、 こ の 電 源 コ ー ド は 1mの 長 さ と す る か 、 ま た は 1mを 超 え る 長 さ の と き は 、 で き る 限 り 余 分 な 電 源 コ ー ド を 0.4mを 超 え な い 長さで前後に折って束ねること。 電源ケーブルが製造業者の設置説明書によって規定されている場合、規定されたタイプ の 1mの ケ ー ブ ル を EUTと AMNの 間 に 接 続 す る こ と 。 伝導妨害波は、基準大地面とそれぞれの電線(電圧側電線、接地側電線、中性線など) の間で測定すること。両方の測定値は、適用する許容値の範囲内であること。 安 全 の た め に 接 地 接 続 が 要 求 さ れ て い る 場 合 、 接 地 は AMNの 基 準 接 地 点 で 接 続 す る こ と。接地線が製造業者によって規定されていない場合または用意されていない場合は、接 24 地 線 は 1mの 長 さ で 、 0.1m以 下 の 間 隔 で 電 源 供 給 線 と 平 行 に 配 線 す る こ と 。 他 の 接 地 接 続 ( 例 え ば EMCを 目 的 と す る ) が 、 安 全 接 地 接 続 用 と 同 じ 端 子 に 接 続 す る よ う に 製 造 業 者 に よ っ て 規 定 さ れ ま た は 供 給 さ れ て い る 場 合 は 、 そ れ ら を 同 様 に AMNの 基準接地点に接続すること。 放送波が伝導性周囲雑音として侵入してくるため、周波数によっては測定が不可能な場 合 が あ る 。 こ の よ う な 場 合 、 適 切 な 無 線 周 波 フ ィ ル タ を AMNと 供 給 電 源 の 間 に 挿 入 す る か、電磁シールド室で測定を行うこと。無線周波フィルタを構成する部品は測定システム の基準接地点に直接接続した金属ケースに収納しておくこと。追加の無線周波フィルタを 接 続 し た 場 合 で も 、 測 定 周 波 数 に お け る AMNの イ ン ピ ー ダ ン ス 要 求 条 件 を 満 足 す る こ と 。 EUTが 1台 以 上 の ホ ス ト 装 置 を 持 つ ITEの 集 合 体 で あ り 、 ITEが 各 々 電 源 コ ー ド を 持 つ 場 合 、 AMNと の 接 続 方 法 は 次 の 規 定 に よ っ て 決 定 さ れ る 。 a) 標 準 設 計 ( 例 え ば JIS C 8303) の 電 源 プ ラ グ で 端 末 処 理 し て あ る 各 電 源 コ ー ド は 、 個別に試験すること。 b) 製造業者によってホスト装置を経由して接続するように規定されていない電源コー ドまたは端子は、個別に試験すること。 c) 製造業者によってホスト装置または他の電力供給装置を経由して接続するように規 定されている電源コードまたは現場配線端子は、当該ホスト装置または他の電力供給 装置に接続すること。さらに、当該ホスト装置または他の電力供給装置の電源コード 若 し く は 電 源 ポ ー ト を AMNへ 接 続 し 、 試 験 す る こ と 。 d) 特別な接続が規定されている場合、製造業者は、接続を効果的にするために必要な 治具を、この試験のために用意すること。 e) 複数の電源コードを持つ装置を試験する場合、試験されていない装置の電源コード は複数のコンセントに接続される。それらは、試験されている電源コードに使用され る AMNと は 異 な る AMNに 接 続 す る こ と 。 9.3 大 地 面 卓 上 型 EUTは 、 少 な く と も 2m×2mの 広 さ の 水 平 ま た は 垂 直 金 属 基 準 大 地 面 か ら 0.4m 離 し た 位 置 に 配 置 し 、 EUTの 一 部 を 形 成 し な い 他 の 金 属 面 ま た は 他 の 大 地 面 か ら 少 な く と も 0.8mは 離 し て お く こ と 。 電 磁 シ ー ル ド 室 内 に お い て 測 定 を 実 施 す る 場 合 に は 、 そ の 電 磁 シ ー ル ド 室 の 1つ の 壁 を 基 準 と し て 0.4mの 距 離 を 確 保 し て も よ い 。 床 置 型 の EUTは 、 水 平 金 属 基 準 大 地 面 の 上 に 配 置 し 、 通 常 の 使 用 例 に 従 っ た 接 触 と す るが、基準大地面と金属的な接触点は持たないこと。金属性の床を基準大地面と置き換え る こ と が で き る 。 基 準 大 地 面 は EUTの 境 界 か ら 少 な く と も 0.5mは 外 側 に 広 げ て お き 、 そ の 最 小 寸 法 を 2m×2mと す る こ と 。 25 AMNお よ び 擬 似 通 信 回 路 網 (ISN)の 基 準 接 地 点 は 、 で き る 限 り 短 い 導 線 を 用 い て 基 準 大 地面に接続しておくこと。 9.4 伝導妨害波測定のための装置の配置 第 8 項 の 要 求 条 件 に 基 づ い て EUTを 配 置 し 、 動 作 さ せ 、 卓 上 型 装 置 、 床 置 型 装 置 、 卓 上 型 お よ び 床 置 型 装 置 を 組 み 合 わ せ た シ ス テ ム の 各 々 に 対 し て 、 図 4〜 図 9に 従 っ て 配 置 す る こ と 。 図 13お よ び 図 14は 架 上 ケ ー ブ ル を 使 用 し た 床 置 型 装 置 の 配 置 を 示 し た も の で ある。 卓 上 型 の EUTは 、 水 平 金 属 大 地 面 か ら 0.8mの 高 さ の 非 金 属 製 の テ ー ブ ル 上 ( 9.3項 参 照 ) に 設 置 す る こ と 。 卓 上 型 の EUTは 、 水 平 金 属 大 地 面 に 接 続 し た 垂 直 大 地 面 か ら 0.4m 離 し て 設 置 す る ( 図 4〜 図 6参 照 ) こ と 、 ま た は 、 代 替 と し て 水 平 金 属 大 地 面 か ら 0.4mと し て 良 い ( 図 7参 照 ) 。 こ の 代 替 法 ( 水 平 基 準 面 か ら 0.4m) を 使 用 し た 場 合 は 、 そ の 旨 、 テストレポートに記載すること。 卓上型および床置型のどちらでも使用できるように設計された装置は、代表的な設置が 床置型でない限り、卓上型の配置での試験のみでよい。 壁取付型装置は、卓上型装置と同じように試験をすること。装置の方向は、通常の動作 と同じ状態で試験すること。(通常の設置と同じように配置すること。) 電 源 ポ ー ト は 、 電 源 コ ー ド を 経 て AMNに 接 続 す る 。 通 信 ポ ー ト は 、 信 号 ケ ー ブ ル に よ り ISNに 接 続 す る 。 9.5 通 信 ポ ー ト に お け る 伝 導 妨 害 波 の 測 定 法 こ の 試 験 の 目 的 は 、 EUTの 通 信 ポ ー ト か ら 放 射 さ れ る コ モ ン モ ー ド 妨 害 波 を 測 定 す る ことである。希望信号がコモンモード妨害波の一因となる場合もある。希望信号から生成 されるコモンモード妨害波は、付則Eに述べられている要因を適切に考慮することにより、 (通信の)インターフェース技術の設計段階で制御することができる。 9.5.1 適 合 確 認 方 法 製造業者は、ユーザに提供する装置説明書に定めたケーブルを接続した際に、装置が表 3お よ び 表 4の 許 容 値 を 超 え な い こ と を 示 さ な け れ ば な ら な い 。 9.5.1.1 測定法1 測 定 は 、 通 信 ポ ー ト に お い て 、 対 地 不 平 衡 減 衰 量 (LCL)が 9.5.2項 c)1) で 定 め ら れ た ISN を用いて実施すること。 議 論 が 生 じ た 場 合 、 カ テ ゴ リ ー 3お よ び 5の ケ ー ブ ル を 接 続 す る ポ ー ト に つ い て は 、 9.5.1.2項 の 測 定 法 2を 優 先 す る ( JIS X 5150参 照 ) 。 26 9.5.1.2 測定法2 カ テ ゴ リ ー 3の ケ ー ブ ル を 接 続 す る ポ ー ト に つ い て は 、 LCLが 9.5.2項 c)2) で 定 め ら れ た ISNを 用 い て 測 定 を 実 施 す る 。 カ テ ゴ リ ー 5の ケ ー ブ ル に 接 続 す る ポ ー ト に つ い て は 、 LCLが 9.5.2項 c)3) で 定 め ら れ た ISNを 用 い て 測 定 を 実 施 す る 。 注) 平衡対ケーブルのカテゴリーは、低速から高速までの通信システムにどのような 平衡対ケーブルを適用すればよいのかを明確にするため、各種の平衡対ケーブルが 有する電気的特性に基づいてケーブルを分類したものである。 一 般 的 に 使 用 さ れ て い る 通 信 ケ ー ブ ル の カ テ ゴ リ ー を 表 Aに 示 す 。 表A 区 平衡対ケーブルのカテゴリー 分 内 容 カテゴリー1 ・音声や低速のデータ伝送に使用される。 および2 ・ 一 般 に LANで は 使 用 さ れ な い 。 例) 通常の電話線など。 カテゴリー3 ・ ケ ー ブ ル 特 性 : 16 MHzま で の 信 号 伝 送 。 ・ 音 声 お よ び 10 Mbpsま で の デ ー タ 伝 送 に 使 用 さ れ る 。 例 ) IEEE 802.3 10BASE-T、 IEEE 802.5ト ー ク ン リ ン グ の 4Mbpsの UTP* ) 版 、 25 Mbpsの ATM-LAN/100VG-Any LAN。 *)UTP: Unshielded twist-pair cable カテゴリー4 ・ ケ ー ブ ル 特 性 : 20 MHzま で の 信 号 伝 送 。 ・ 音 声 お よ び 16 Mbpsま で の デ ー タ 伝 送 に 使 用 さ れ る 。 例 ) IEEE 802.5ト ー ク ン リ ン グ の 16 Mbpsの UTP版 カテゴリー5 ・ ケ ー ブ ル 特 性 : 100 MHzま で の 信 号 伝 送 。 ・ 音 声 お よ び 100 Mbpsま で の デ ー タ 伝 送 に 使 用 さ れ る 。 例 ) CDDI* ) 、 100BASE-X、 156 Mbpsの ATM-LAN *)CDDI: Copper Distributed Data Interface 9.5.2 (1) 擬似通信回路網(ISN)および電流プローブ ISN ISNは 以 下 の よ う な 特 性 を も つ こ と 。 a) 周 波 数 範 囲 0.15〜 30MHzの コ モ ン モ ー ド 終 端 イ ン ピ ー ダ ン ス は 150Ω ±20Ω 、 位 相 角 は 0゜ ±20゜ で あ る こ と 。 b) ISNは 供 試 通 信 ポ ー ト に 接 続 さ れ た 補 助 装 置 ( AE) ま た は 負 荷 か ら の 妨 害 波 を 分 離できること。 27 ISNに お け る 、 AEか ら 発 生 す る コ モ ン モ ー ド 妨 害 波 電 流 ま た は 電 圧 の 減 衰 は 、 測 定 用受信機の入力において、これらの妨害波の測定レベルが、少なくとも許容値より 10dB以 上 低 い も の で あ る こ と 。 AEか ら 発 生 す る コ モ ン モ ー ド 妨 害 波 電 流 ま た は 電 圧 の 望 ま し い 分 離 度 は 、 ・ 150kHz〜 1.5MHzの 範 囲 で は 、 35〜 55dB以 上 ( 周 波 数 の 対 数 に 対 し て 直 線 的 に 増加) ・ 1.5〜 30MHzの 範 囲 で は 、 55dB以 上 注 ) 分 離 度 と は 、 結 果 的 に ISNの 供 試 ポ ー ト に 現 れ る AEか ら 発 生 す る コ モ ン モード妨害波の減結合の度合である。 c)1) 適 合 確 認 方 法 の 測 定 法 1で 使 用 す る ISNの LCL LCLは 以 下 の も の で あ る こ と 。 ・ 150kHz〜 1.5MHzの 範 囲 で は 、 80dB±3dB ・ 1.5〜 30MHzの 範 囲 で は 、 80〜 55dB±3dB( 周 波 数 の 対 数 に 対 し て 直 線 的 に 減 少) c)2) 適 合 確 認 方 法 の 測 定 法 2で 使 用 す る ISNの LCL− 1 カ テ ゴ リ ー 3の ケ ー ブ ル を 接 続 す る 通 信 ポ ー ト の 測 定 に 用 い る ISNの LCLは 以 下 の ものであること。 ・ 150kHz〜 1.5MHzの 範 囲 で は 、 50dB±3dB ・ 1.5〜 30MHzの 範 囲 で は 、 50〜 25dB±3dB( 周 波 数 の 対 数 に 対 し て 直 線 的 に 減 少) c)3) 適 合 確 認 方 法 の 測 定 法 2で 使 用 す る ISNの LCL− 2 カ テ ゴ リ ー 5の ケ ー ブ ル を 接 続 す る 通 信 ポ ー ト の 測 定 に 用 い る ISNの LCLは 以 下 の ものであること。 ・ 150kHz〜 1.5MHzの 範 囲 で は 、 60dB±3dB ・ 1.5〜 30MHzの 範 囲 で は 、 60〜 35dB±3dB( 周 波 数 の 対 数 に 対 し て 直 線 的 に 減 少) 注 1) 上 記 c)2)と c)3)の 周 波 数 に 対 す る LCLの 値 は 、 代 表 的 な 環 境 に 設 置 さ れ る 典 型 的 な 通 信 ネ ッ ト ワ ー ク の LCLの お お よ そ の 代 表 値 で あ る 。 こ の 規 定 は 現 在 研 究 中であり、将来変更する場合がある。 2) d) LCLは ITU-T勧 告 G.117に 従 っ て 定 め ら る 。 ( E.3項 、 [1]参 照 ) ISNの 存 在 に よ っ て 発 生 す る 、 希 望 信 号 周 波 数 帯 に お け る 減 衰 ひ ず み や 信 号 品 質 の そ の 他 の 劣 化 が 、 EUTの 通 常 の 動 作 に 大 き な 影 響 を 与 え な い こ と 。 e) ISNに 電 圧 測 定 ポ ー ト が あ る 場 合 、 電 圧 変 換 係 数 の 精 度 は ±1.0dB以 内 で あ る こ と 。 電 圧 変 換 係 数 と は 、 ISNに よ っ て 終 端 し た EUTの コ モ ン モ ー ド イ ン ピ ー ダ ン ス に 現 わ 28 れ る 電 圧 と 、 ISNの 測 定 ポ ー ト に 接 続 さ れ た 受 信 器 入 力 端 子 に 結 果 的 に 現 わ れ る 電 圧 と の 比 で あ り 、 デ シ ベ ル で 表 さ れ る 。 例 え ば 、 150Ω の コ モ ン モ ー ド イ ン ピ ー ダ ン ス お よ び 5 0Ω の 受 信 器 入 力 端 子 で は 、 電 圧 変 換 係 数 は20log 1 0 (50/150)=− 9.5dB と な る 。 (2) 電流プローブ 電流プローブには共振のない均一な周波数特性を有し、一次巻線を流れる動作電流に よって飽和することなく機能するものでなければならない。また、挿入インピーダンスは 1Ω 以 下 で な け れ ば な ら な い ( 「 電 気 通 信 技 術 審 議 会 答 申 : CISPR 16-1国 内 規 格 」 、 12.1 項参照)。 9.5.3 通 信 ポ ー ト で の 測 定 ISNの 構 成 は 試 験 対 象 の 通 信 ポ ー ト の 構 造 に 依 存 す る た め 、 汎 用 的 に 使 用 可 能 な ISNを 規定することはこれまでのところ不可能である。シールドされたケーブルや不平衡ケーブ ル に 適 し た ISNが 明 確 に な る ま で 、 シ ー ル ド ケ ー ブ ル や 不 平 衡 ケ ー ブ ル に 対 し て は 適 用 を 除外する。(測定に使用した)実際の負荷ならびにコモンモードインピーダンスを測定し た 結 果 を 試 験 報 告 書 に 記 載 す る こ と 。 ど の よ う な 場 合 で も 、 EUTは 表 3ま た は 表 4の 許 容 値に適合していること。 EUTは 、 図 4〜 図 9に 示 す 卓 上 型 装 置 、 床 置 型 装 置 、 お よ び 卓 上 型 ・ 床 置 型 の 組 合 せ 装 置に従って配置すること。 電 源 電 圧 は 、 電 源 ポ ー ト の 伝 導 妨 害 波 電 圧 を 9.2項 に 従 っ て 測 定 す る 際 に 使 用 す る AMN を 経 由 し て EUTに 供 給 す る こ と 。 シ ー ル ド の な い 平 衡 2対 線 の コ モ ン モ ー ド ( 非 対 称 モ ー ド ) 電 流 ま た は 電 圧 の 妨 害 波 の 評 価 は 、 通 信 ポ ー ト に ケ ー ブ ル を 介 し て ISN を 接 続 し た 状 態 で 実 施 す る こ と 。 こ の ISN は 、 妨害波測定中に通信ポート側から見たコモンモード終端インピーダンスを定めるものであ る こ と 。 ISNは 、 EUTと EUTの 動 作 に 必 要 な 関 連 機 器 ま た は 負 荷 の 間 の 信 号 ケ ー ブ ル に 挿 入 し 、 EUTの 通 常 の 動 作 に 影 響 を 与 え な い こ と 。 電流プローブを使用する場合、供試ケーブルの接続を取り外すことなく装着できる。 妨 害 波 電 流 を 測 定 す る 場 合 、 電 流 プ ロ ー ブ は 、 ISNか ら 0.1m以 内 の ケ ー ブ ル に 取 り 付 けること。 LANと し て 使 用 す る 頻 度 が 高 い 場 合 に 信 頼 性 の あ る 伝 導 妨 害 波 測 定 を 行 う た め 、 LAN と し て 使 用 す る 場 合 に の み 10%を 超 え る LAN利 用 条 件 を 、 最 低 250ms維 持 す る こ と が 必 要である。試験トラフィックの内容は、実際のデータ伝送(例、ランダム:圧縮または暗 号化したファイル、周期的:圧縮していない画像ファイル、メモリーダンプ、スクリーン 更新、ディスクイメージ)を模擬するため、周期的メッセージと擬似ランダムメッセージ の 両 者 を 含 む 必 要 が あ る 。 も し LANが ア イ ド ル 時 間 中 も 送 信 を 続 け て い る 場 合 に は 、 そ の 時 間 に つ い て も 測 定 を 行 う こ と ( E.3項 、 [7]参 照 ) 。 29 9.5.3.1 シールドのない平衡対線の接続を意図する平衡通信ポートの電圧測定 妨害波電圧の測定を行う場合、測定用受信機への接続に適した電圧測定ポートを備え、 通 信 ポ ー ト の コ モ ン モ ー ド 終 端 イ ン ピ ー ダ ン ス の 要 求 条 件 を 満 た す ISNを 使 用 す る こ と 。 シ ー ル ド の な い 平 衡 1対 線 の 妨 害 波 電 圧 を 測 定 す る 場 合 は 、 適 切 な 2線 用 の ISNを 使 用 す る こ と 。 シ ー ル ド の な い 平 衡 2対 線 を 測 定 す る 場 合 は 、 適 切 な 4線 用 の ISNを 使 用 す る こ と (付則Dを参照)。 ま た 、 9.5.2項 に 規 定 さ れ る ISNが 適 用 で き な い 場 合 は 、 JIS C 1000-4-6に 記 載 さ れ て い る 結 合 減 結 合 回 路 (CDN)を 用 い る こ と が で き る 。 C.1.1項 の 測 定 方 法 を 用 い る こ と 。 平衡多対線を含むケーブルについては、適用を除外する。 9.5.3.2 シールドのない平衡対線の接続を意図する平衡通信ポートの電流測定 シ ー ル ド の な い 平 衡 1対 線 ま た は 平 衡 2対 線 の 妨 害 波 電 流 測 定 を 行 う 場 合 、 ケ ー ブ ル は 妨害波電圧測定と同様に終端すること。 C.1.1項 の 測 定 方 法 を 用 い る こ と 。 平衡多対線を含むケーブルについては、適用を除外する。 9.5.3.3 シールドケーブルまたは同軸ケーブルの接続を意図する通信ポートの電圧測定 当面、本項の適用を除外する。 9.5.3.4 シールドケーブルまたは同軸ケーブルの接続を意図する通信ポートの電流測定 当面、本項の適用を除外する。 9.5.3.5 3対 以 上 の 平 衡 対 線 ま た は 不 平 衡 線 の 接 続 を 意 図 す る 通 信 ポ ー ト の 測 定 当面、本項の適用を除外する。 9.6 測 定 値 の 記 録 測 定 さ れ た 妨 害 波 に つ い て 、 EUTの 通 信 ポ ー ト お よ び 電 源 ポ ー ト の 各 々 に つ い て 、 許 容 値 に 対 し て 最 大 妨 害 波 を 発 生 す る 異 な っ た 周 波 数 を 少 な く と も 6点 を 記 録 す る こ と 。 許 容 値 よ り 20 dB以 上 低 い レ ベ ル の 測 定 値 は 、 記 録 す る 必 要 は な い 。 電 源 ポ ー ト に お い て は、測定された妨害波の記録に被測定導体を記述すること。 30 10.放射妨害波の測定法 周 波 数 範 囲 30〜 1000MHz で は 、 測 定 は 準 尖 頭 値 測 定 用 受 信 機 で 行 う こ と 。 試験時間を短縮するために、準尖頭値測定用受信機の代わりに尖頭値測定用受信機を使 用してもよい。疑義が生じた場合には、準尖頭値測定用受信機が優先される。 10.1 測定用受信機 準 尖 頭 値 測 定 用 受 信 機 は 「 電 気 通 信 技 術 審 議 会 答 申 : CISPR 16-1国 内 規 格 」 の 第 2 節 の 要 求 条 件 に 従 う こ と 。 尖 頭 値 測 定 用 受 信 機 は 、 「 電 気 通 信 技 術 審 議 会 答 申 : CISPR 161国 内 規 格 」 の 第 3 節 に 従 い 、 「 電 気 通 信 技 術 審 議 会 答 申 : CISPR 16-1国 内 規 格 」 の 第 2 節 の 規 定 に 従 っ た 6dBの 帯 域 幅 を 持 つ も の で な け れ ば な ら な い 。 10.2 測 定 用 ア ン テ ナ ア ン テ ナ は 平 衡 型 ダ イ ポ ー ル で あ る こ と 。 周 波 数 が 80MHz以 上 の 場 合 、 ア ン テ ナ は 共 振 長 と し 、 80MHz未 満 の 場 合 は 、 ア ン テ ナ は 80MHz共 振 長 と 同 じ 長 さ と す る 。 詳 細 に つ い て は 、 「 電 気 通 信 技 術 審 議 会 答 申 :CISPR 16- 1国 内 規 格 」 の 第 1 5 節 を 参 照 の こ と 。 注)測定結果が許容できる精確さで平衡型ダイポールアンテナと相関がとれる場合に は、他のアンテナを利用してもよい。 10.2.1 ア ン テ ナ と 供 試 装 置 ( E U T ) の 距 離 放 射 妨 害 波 の 測 定 は 、 EUTの 外 周 線 か ら の 水 平 距 離 が 第 6 項 の 規 定 に 等 し く な る よ う に ア ン テ ナ を 配 置 し て 行 う こ と 。 EUTの 外 周 線 と は 、 EUTを 取 り 囲 ん だ 仮 想 の 直 線 で 囲 ま れ た 単 純 な 幾 何 学 図 形 で 定 義 さ れ る 。 全 て の ITEシ ス テ ム 内 の ケ ー ブ ル お よ び 接 続 さ れ て い る ITEは 、 こ の 仮 想 直 線 内 に 含 ま れ る こ と 。 ( 図 2参 照 ) 注 ) 高 い 周 囲 雑 音 、 ま た は 他 の 理 由 で 、 10mで の 電 界 強 度 測 定 が で き な い 場 合 は 、 よ り 近 い 距 離 、 例 え ば 3mで 、 ITEの EUTの 測 定 を 行 っ て も よ い 。 適 合 性 の 検 討 の た め に 、 測 定 さ れ た デ ー タ を 規 定 さ れ た 距 離 に 変 換 す る 場 合 、 距 離 の 10倍 当 た り 20dBの 反 比 例 係 数 を 用 い る こ と 。 30MHzに 近 い 周 波 数 で は 、 近 傍 電 界 の 影 響 の た め 、 大 き な EUTを 3m法 で 測 定 す る 場 合 は 注 意 す る こ と 。 10.2.2 ア ン テ ナ と 大 地 面 の 距 離 ア ン テ ナ は 、 大 地 面 よ り 1mか ら 4mの 高 さ の 間 で 、 各 測 定 周 波 数 で 最 大 の 値 が 得 ら れ る ように調整すること。 10.2.3 ア ン テ ナ と 供 試 装 置 ( E U T ) の 相 対 方 向 最 大 の 電 界 強 度 指 示 値 を 見 つ け る た め に 、 測 定 の 間 、 EUTに 対 す る ア ン テ ナ の 相 対 方 向 を 変 化 さ せ る こ と 。 測 定 の 目 的 の た め に EUTを 回 転 さ せ て も 良 い 。 こ れ が 実 施 で き な 31 い 場 合 、 EUTを 固 定 し 、 EUTの 周 囲 に ア ン テ ナ を 移 動 し て 測 定 を 行 う 。 10.2.4 アンテナの偏波面 最 大 の 電 界 強 度 指 示 値 を 見 つ け る た め に 、 測 定 の 間 、 EUTに 対 す る ア ン テ ナ 偏 波 面 を 水平および垂直に変えること。 10.3 放射妨害波測定用テストサイト 10.3.1 共 通 テ ス ト サ イ ト は 、 周 波 数 範 囲 30〜 1000MHzに お い て 、 水 平 お よ び 垂 直 偏 波 の 電 界 強 度 のサイトアッテネーション測定を実施することにより、その有効性を確認しておくこと。 送 受 信 ア ン テ ナ 間 の 距 離 は 、 EUTの 放 射 妨 害 波 測 定 に 使 用 す る 距 離 と 同 じ も の で あ る こと。 10.3.2 サ イ ト ア ッ テ ネ ー シ ョ ン 測 定 水平および垂直サイトアッテネーションの測定結果が理想サイト(「電気通信技術審議 会 答 申 : CISPR 16-1国 内 規 格 」 、 参 照 ) の 理 論 的 サ イ ト ア ッ テ ネ ー シ ョ ン 値 の ±4dB以 内である場合には、そのテストサイトを適切なサイトとする。 10.3.3 オ ー プ ン テ ス ト サ イ ト オープンテストサイトは、 平坦であり、架空電線および近接した反射物がなく、規定 の 距 離 に お い て ア ン テ ナ の 設 置 が で き る よ う に 十 分 に 広 く 、 ア ン テ ナ お よ び EUTと 反 射 物との間隔が十分に広いこと。反射物とは、その構成物質が導電性を持つものと定義され る 。 テ ス ト サ イ ト は 、 10.3.4項 に 定 め る 水 平 金 属 大 地 面 を 備 え る こ と 。 図 1お よ び 図 2に 、 こ れ ら 2つ の テ ス ト サ イ ト の 概 要 を 示 す 。 テ ス ト サ イ ト は 、 「 電 気 通 信 技 術 審 議 会 答 申 : CISPR 16-1国 内 規 格 」 の オ ー プ ン テ ス トサイトのサイトアッテネーション条件を満足するものであること。 10.3.4 導 電 性 大 地 面 導 電 性 大 地 面 は 、 EUTの 外 周 線 お よ び 一 番 大 き い 測 定 用 ア ン テ ナ か ら 少 な く と も 1mは 外 側 に 広 が っ て お り 、 EUTと ア ン テ ナ 間 の 全 面 積 を 覆 っ て い る も の で あ る こ と 。 こ の 大 地 面 は 、 一 番 高 い 測 定 周 波 数 の 波 長 の 1/10以 上 の 大 き い 寸 法 を 有 す る 穴 、 ま た は 隙 間 が な いこと。もし測定用テストサイトのサイトアッテネーション要求条件を満足しないのであ れば、更に大きい導電性大地面を必要とすることもある。 10.3.5 代 替 テ ス ト サ イ ト 10.3.3項 ( オ ー プ ン テ ス ト サ イ ト ) に 述 べ る 物 理 的 特 性 を 持 た な い 他 の テ ス ト サ イ ト に おいて試験を実施してもよい。このような場合には、そのような代替テストサイトでの測 定 に よ っ て 正 当 な 結 果 が 得 ら れ る こ と を 明 ら か に し て お く こ と 。 付 則 Aの 規 定 に よ る サ イ 32 ト ア ッ テ ネ ー シ ョ ン 測 定 値 が 10.3.2項 の サ イ ト ア ッ テ ネ ー シ ョ ン 条 件 と 10.3.4項 の 導 電 性 大地面の条件を満足する場合、その代替テストサイトは、妨害波測定を実施するために適 していると言える。 代 替 テ ス ト サ イ ト の 1つ の 例 は 、 電 波 吸 収 体 を 貼 付 し た 電 磁 シ ー ル ド 室 で あ る 。 10.4 放射妨害波測定のための装置の配置 第 8 項 の 要 求 条 件 に 基 づ い て EUTを 配 置 し 、 動 作 さ せ 、 卓 上 型 装 置 、 床 置 型 装 置 、 卓 上 型 お よ び 床 置 型 装 置 を 組 み 合 わ せ た シ ス テ ム の 各 々 に 対 し て 、 図 10〜 図 12に 従 っ て 配 置 す る こ と 。 図 13お よ び 図 14は 架 上 ケ ー ブ ル を 用 い た 床 置 型 装 置 の 配 置 を 示 し た も の で ある。 卓 上 型 の EUTに あ っ て は 、 放 射 妨 害 波 測 定 用 テ ス ト サ イ ト の 水 平 金 属 大 地 面 ( 10.3.4項 参 照 ) か ら 、 高 さ 0.8m の 非 金 属 製 の テ ー ブ ル 上 に 配 置 す る こ と 。 床 置 型 の EUT は 、 直 接 金 属 大 地 面 に 設 置 し 通 常 の 使 用 状 態 と 同 じ よ う に 床 面 に 置 く が 、 最 大 12mmま で 絶 縁 す る こ と で 大 地 面 と 金 属 的 な 接 触 は 無 い こ と 。 床置型および卓上型のどちらにも利用できる装置は、代表的な設置が床置型でないかぎ り卓上型装置の配置で試験するだけでよい。 壁取付型装置は、卓上型装置と同じように試験をすること。装置の方向は、通常の動作 と同じ状態で試験すること。 10.5 測定値の記録 測定された妨害波について、許容値に対して最大妨害波を発生する異なった周波数を少 な く と も 6点 を 記 録 す る こ と 。 許 容 値 よ り 20dB以 上 低 い レ ベ ル の 測 定 値 を 記 録 す る 必 要 はない。測定された妨害波の記録にはアンテナの偏波面を記述すること。 10.6 高 レ ベ ル の 周 囲 雑 音 の 存 在 下 で の 測 定 一般的に、周囲雑音は許容値を超えてはならない。しかし、周波数によっては、放送波、 人 工 の お よ び 自 然 の 放 射 源 か ら 発 生 す る 周 囲 雑 音 に よ っ て 、 測 定 点 で の EUTか ら の 放 射 妨害波の測定が不可能な場合がある。 規 定 の 測 定 距 離 で の 周 囲 雑 音 が 高 い 場 合 ( 第 8 項 参 照 ) 、 EUTの 適 合 性 検 証 の た め に 以下の方法を用いることができる。 a) 短 い 距 離 d2 で 測 定 を 行 い 、 次 の 関 係 式 を 用 い て 規 定 の 距 離 d1 で の 測 定 値 M 1 を 決 定する。 M 1 =M 2 (d2 /d1 ) 33 た だ し 、 M 2 は 短 い 距 離 d 2 で の 測 定 値 (μ V/m)と す る 。 規 定 の 距 離 d1 に お け る 換 算 さ れ た 測 定 値 M 1 を 用 い 、 第 8 項 に 規 定 さ れ る 適 合 試 験条件および環境条件を満たすかを調べること。 b) 第8項に規定する周囲雑音レベルを超える(周囲雑音の測定レベルが、許容値より 6dB低 い 値 を 超 え る ) 周 波 数 帯 域 に お い て は 、 近 接 す る 妨 害 波 レ ベ ル か ら 補 間 法 を 用 い る こ と で EUTの 妨 害 波 レ ベ ル を 得 る こ と が で き る 。 補 間 法 に よ る 値 は 、 周 囲 雑 音 に近接する妨害波が連続性を示すと見なした曲線上にあるとしている。 c) もう1つの可能な方法として、無線送信機からの信号が存在する状態での放射妨害 波 の 測 定 で は 、 次 の 規 定 を 用 い て も 良 い ( CISPR 11の 付 則 C、 参 照 ) 。 準 尖 頭 値 測 定 用 受 信 機 の 指 示 値 の 変 化 が 、 測 定 時 に ±0.5dBを 超 え な い よ う な 安 定 し た 動 作 周 波 数 を 持 っ た EUTに お い て は 、 以 下 の 式 を 用 い て 十 分 な 精 度 で 放 射 妨 害 波の電界強度を計算することができる。 Eg 1.1 = Et 1.1 − Es 1.1 ここで、 Egは 、 計 算 さ れ た 供 試 装 置 か ら の 放 射 妨 害 波 の 電 界 強 度 (μ V/m) Etは 、 測 定 さ れ た 放 射 妨 害 波 の 電 界 強 度 (μ V/m) (周囲無線送信信号との合成電界強度) Esは 、 周 囲 無 線 送 信 信 号 の 電 界 強 度 (μ V/m) 周 囲 無 線 送 信 信 号 が 、 測 定 し よ う と す る 放 射 妨 害 波 の 振 幅 の 2倍 ま で の 全 振 幅 を 有 す る AM、 FM音 声 送 信 機 ま た は TV送 信 機 か ら の 信 号 で あ る 場 合 は 、 こ の 式 が 有 効 で あることが明らかになっている。 放 射 妨 害 波 の 周 波 数 、 振 幅 レ ベ ル が 安 定 し て い な い EUTの 場 合 や 移 動 無 線 機 等 、 振幅レベルが変動する無線送信機からの信号を避けることができない場合には、この 式の利用は制限を受ける。このような場合の放射妨害波測定にあたっては、掃引受信 機またはスペクトラムアナライザを使用すべきであり、上記の式の利用は適切ではな い。 10.7 ユ ー ザ 設 置 場 所 で の テ ス ト 場 合 に よ っ て は 、 ユ ー ザ 設 置 場 所 で ク ラ ス A情 報 技 術 装 置 の 測 定 が 必 要 で あ る 。 こ の 場 合 、 ユ ー ザ の 敷 地 の 境 界 で 測 定 を 行 う の が 好 ま し い 。 も し 、 EUTか ら 敷 地 の 境 界 ま で の 距 離 が 10m未 満 の 場 合 、 測 定 は EUTか ら 10mの 距 離 で 行 う こ と 。 34 この適合性の検証法は、設置場所の特性が測定に影響を与えるので、設置場所固有なも の と な る 。 す で に タ イ プ 試 験 で 適 合 し て い る ITEを シ ス テ ム に 追 加 し て も 、 こ の 設 置 場 所 の適合状態の評価は無効とはならない。 こ の 測 定 法 は 物 理 的 に 大 き な ITE( 例 え ば 、 通 信 セ ン タ 装 置 ) の 適 合 評 価 に 使 用 で き な いことがある。このような装置の測定法および許容値は検討中である。 35 長径(MD)= 2R 短径(mD) = R 3 R アンテナ EUT 楕円で定義される境界線 地表面より上に反射物がないこと。 注)テストサイトの特性については10.3 項を、測定距離Rの値については第6項を参照 のこと。 図 1 テストサイト 36 ≧3m ≧3m 3m アンテナ 仮想の外周線 外周エリア この図に従った外周エリアによって大地面上に定義され、供試装置 (EUT) 又はアンテナのいずれ か高い方から 3m 以上の高さにある水平面によって定義される空間の内部に、反射物があってはな らない。 注)標準テストサイト (測定距離 10m )に代わるテストサイトの適用については、10.3.3 項を参照。 また、供試装置 (EUT) の仮想の外周線については、10.2.1 項を参照のこと。 図2 代替テストサイトの最小寸法 37 1m EUT 直径 D 直径 d 直径a アンテナ L D= d+2m: dはEUTの最大寸法 W= a+2m: aはアンテナの最大寸法 L=3mまたは10m 図3 金属大地面の最小寸法 38 W 10cm 非導電性テーブル(高さ80 cm) EUTの後ろは、 テーブルの縁に揃える 5 4 T 4 EU))))) 5 ○ 80c m 2 AE 3b) 6 cm 10 AMN 8 7 m c 0 8 1 3a)3b) 40cm以上 AMN ISN 水平大地面に ボンディング 3c) 垂直基準面から 40cm 水平大地面に ボンディング 垂直基準面 AMN: AE : EUT: ISN: 擬似電源回路網 補助装置 供試装置 擬似通信回路網 1) テーブルから水平金属大地面上に40cm以下の高さまで垂れ下がるケーブルは、適切な長さにケー ブルを短くできない場合は、その余長を30 〜40cmの長さで前後に折り曲げること。 2)電源コードは、適切な長さに短くするか、またはその中央部分で束ねること。 3)EUTは、最初のAMNに接続 すること。すべてのAMN及びISNを水平大地面にボンディングする 代わりの方法として、垂直基準面または、金属製の壁に取り付けることができる。 (図5及び図6参照) a)システム内の他の装置は、2台目の擬似電源回路網から給電すること。複数のコンセントを持つ 分岐器具を複数の電源コードの接続用に用いることができる。 b)AMN及びISNは、EUTから80cm、及び他の装置並びに他の金属面から少なくとも 80cm以上離 すこと。 c)電源コードや信号ケーブルは、その長さ全てが、可能な限り垂直基準面から 40cm の位置に配置 すること。 4)キーボード、マウス等の手で操作する器具のケーブルは、通常使用される位置に配置すること。 5)周辺装置は、互いに及び制御装置から、10cm離した位置に配置すること。ただし、表示装置につ いては、直接、制御装置の上に置くことが習慣的な配置として受け入れられる場合には、制御装 置の上に直接置くこと。 6)外部接続されるI/O信号ケーブル。 7)AEに接続されていないI/O信号ケーブルは、要求されている場合、正しい終端インピーダンスで、 終端すること。 8)電流プローブを使用する場合はISNから10cmの位置に設置すること。 図4 試験配置:卓上型装置(伝導妨害波測定) 39 AE 3b) ISN EUTの後ろは、 テーブルの 縁に揃える 6 8 10cm 非導電性テーブル(高さ80cm) 4 5 T 4 EU))))) 5 ○ 10cm cm 80 1 7 2 AMN 3a) 3b) 垂直基準面に ボンディング 80 cm AMN 3 3b) 40cm以上 垂直基準面 3c) 垂直基準面から 40cm AMN: AE : EUT: ISN: 垂直基準面に ボンディング 擬似電源回路網 補助装置 供試装置 擬似通信回路網 1)テーブルから水平金属大地面上に40 cm以下の高さまで垂れ下がるケーブルは、適切な長さに ケーブルを短くできない場合は、その余長を30〜40 cmの長さで前後に折り曲げること。 2)電源コードは、適切な長さに短くするか、またはその中央部分で束ねること。 3)EUTは、最初のAMNに接続すること。すべてのAMN及びISNを垂直基準面にボンディング する代わりの方法として、水平金属大地面に取り付けることができる。(図4及び図7参照) a)システム内の他の装置は、2台目の擬似電源回路網から給電すること。複数のコンセント を 持つ分岐器具を複数の電源コードの接続用に用いることができる。 b)AMN及びISN(または代表的な終端)は、EUTから80cm、及び他の装置並びに他の金属 面から少なくとも80cm以上離すこと。 c)電源コードや信号ケーブルは、その長さ全てが、可能な限り垂直基準面から40cmの位置に配置 すること。 4)キーボード、マウス等の手で操作する器具のケーブルは、通常使用される位置に配置すること。 5)周辺装置は、互いに及び制御装置から、10 cm離した位置に配置すること。但し、表示装置に ついては、直接、制御装置の上に置くことが習慣的な配置として受け入れられる場合には、 制御装置の上に直接置くこと。 6)外部接続されるI/O信号ケーブル。 7)AEに接続されていないI/O信号ケーブルは、要求されている場合、正しい終端インピー ダンスで、終端すること。 8)電流プローブを使用する場合はISNから10cmの位置に設置すること。 図5 代替試験配置:卓上型装置(伝導妨害波測定) 40 壁にボンディング テーブル シールド室 の壁 EUT AMN 80cm 40cm 電源コード AMN: 擬似電源回路図 EUT :供試装置 図6 代替試験配置 :卓上型装置 (伝導妨害波測定) − 平面図 41 10cm 5 T EU 4 非導電性テーブル(高さ40cm) 5 4 ))) ○)) 1 2 3b) 1 AMN 8 m 0c 7 AE 8 0 c m 3c) 3a)3b) 6 3b) AMN ISN 水平大地面にボンディング 水平大地面にボンディング AMN: AE : EUT: ISN: 擬似電源回路網 補助装置 供試装置 擬似通信回路網 1)全ての相互接続ケーブルはテーブル上に配置すること。長いケーブルは、適切な長さに ケーブルを短くできない場合は、その余長を30〜40cmの長さで前後に折り曲げること。 2)電源コードは、適切な長さに短くするか、またはその中央部分で束ねること。 3)EUTは、最初のAMNに接続すること。すべてのAMN及びISNを垂直基準面にボ ンディングする代わりの方法として、水平大地面にボンディングすること。 a) システム内の他の装置は、2台目のAMNから給電すること。複数のコンセントを持 つ分岐器具を複数の電源コードの接続用に用いることができる。 b) AMN及びISN(または代表的な終端)は、EUTから80cm、及び他の装置並び に他の金属面から少なくとも、80cm以上離すこと。 c) 電源コードや信号ケーブルは、その長さ全てが、可能な限り垂直基準金属面から40c mの位置に配置すること。 4)キーボード、マウス等の手で操作する器具のケーブルは、通常使用される位置に配置す ること。 5)周辺装置は、互いに及び制御装置から、10cm離した位置に配置すること。但し、表示 装置については、直接、制御装置の上に置くことが習慣的な配置として受け入れられる 場合には、制御装置の上に置くこと。 6)外部接続されるI/Oインタフェースケーブル。 7)AEに接続されていないI/O信号ケーブルは、要求されている場合、正しい終端イン ピーダンスで、終端すること。 8)電流プローブを使用する場合はISNから10cmの位置に設置すること。 図7 試験配置:卓上型装置(伝導妨害波測定) 42 代表的な間隔 EUT EUT 1 4 4 2 0 6 7 1 0 c m 8 5 c m 3 AMN AMN ISN AE 水平大地面にボンディング AMN: AE : EUT: ISN: 擬似電源回路網 補助装置 供試装置 擬似通信回路網 1)適切な長さにケーブルを短くできない場合は、その余長を30〜40 cmの長さで前後に折り曲げるこ と。束ねることができないケーブルは、とぐろ巻きにすること。 2)電源コードは、適切な長さに短くするか、またはその中央部分で束ねること。 3)周辺装置に接続されていないI/O信号ケーブルの末端は、要求されている場合、的確な動作を 行うために、正しい終端インピーダンスで終端すること。 4)EUT及びケーブルは水平金属大地面から絶縁すること。 5)EUTは、最初のAMNに接続すること。AMNは、水平金属大地面の表面に、又は裏面に配置 すること。 6)その他の全ての装置は、2台目、または追加の擬似電源回路網(AMN)から給電すること。 7)電流プローブを使用する場合はISN(または代表的な終端)から10cmの位置に設置すること。 図8 試験配置:床置き型装置(伝導妨害波測定) 43 EUTの後は、 テーブルの縁に揃える EUT 5 T EU ))) ) ○) 80 cm 1 80 cm 7 6 3a)3b) AE 80cm cm 10 AMN 4 2 2 3b) AMN ISN 水平大地面に ボンディング 垂直大地面から 40cm 水平大地面に ボンディング AMN: 擬似電源回路網 EUT: 供試装置 1)テーブルから水平金属大地面上に40 cm以下の高さまで垂れ下がるケーブルは、適切 な長さにケーブルを短くできない場合は、その余長を30〜40cmの長さで前後に折り 曲げること。 2)余分な電源コードは、適切な長さに短くするか、またはその中央部分で束ねること。 3)EUTは、最初のAMNに接続すること。AMNを水平大地面にボンディングする代 わりの方法として、垂直基準面に取り付けることができる。 a)その他の全て装置は、1ないし2台以上の迫加のAMNから給電すること。 b)AMNは、EUTから80 cm、及び他の装置並びに他の金属面から少なくとも 80 cm とすること。 4)EUT及びケーブルは、水平金属大地面から絶縁すること。 5)キーボード、マウス等の手で操作する器具のケーブルは、通常の使用される位置に配 置すること。 6)床置き型装置へ接続されるI/O信号ケーブルは、大地面上にはわし、余長は束ねる こと。大地面にはわすことのないケーブルは、コネクター位置または40 cmのいずれか 低い方の高さ以上に通すこと。 7)卓上型装置にあっては、図5または図7に示す試験配置も使用できる。 図9 試験配置 :床置き型及び卓上型装置(伝導妨害波測定) 44 10cm 非導電性テーブル(高さ80cm) 5 4 T 4 EU))))) 5 ○ 1 1 2 3 6 40cm以上 EUT: 供試装置 1)テーブルから水平金属大地面上に40 cm以下の高さまで垂れ下がるケーブルは、適切 切な長さにケーブルを短くできない場合は、その余長を30〜40 cmの長さで前後に折 り曲げること。 2)周辺装置に接続されていないI/O信号ケーブルの末端は、的確な動作を行うために、 必要に応じて正しい終端インピーダンスで終端してもよい。 3)電源接続ボックスは、金属大地面に、表面を揃え、ボンディングすること。 注− 擬似電源回路網(AMN)を用いる場合、水平金属大地面の下に取り付けること。 4)キーボード、マウス等の手で操作する器具のケーブルは、通常の使用される位置に配 置すること。 5)周辺装置は、互いに、そして制御装置から、10cm離した位置に配置すること。但し、 表示装置については、直接、制御装置の上に置くことが習慣的な配置として受け入れ られる場合には、制御装置の上に直接置くこと。 6)電源ケーブルは床に垂らし、コンセントへはわすこと。電源接続のために延長コードを 使用しないこと。 図10 試験配置:卓上型装置(放射妨害波測定) 45 代表的な間隔 EUT EUT 6 6 4 4 1 2 3 5 EUT: 供試装置 1)適切な長さにケーブルを短くできない場合は、その余長を30〜40 cmの長さで前後に 折り曲げること。束ねることができないケーブルは、とぐろ巻きにすること。 2)電源コードは、適切な長さに短くするか、またはその中央部分で束ねること。 3)周辺装置に接続されていないI/O信号ケーブルの末端は、要求されている場合、的 確な動作を行うために、正しい終端インピーダンスで終端すること。 4)EUT及びケーブルは水平金属大地面から絶縁すること。 5)電源接続ボックスは、水平金属大地面に、表面を揃え、ボンディングすること。 注) 擬似電源回路網(AMN)を用いる場合、水平金属大地面の下に取り付けること。 6)電源及び信号ケーブルは、床にはわすこと。電源接続のために延長コードを使用しな いこと。 図11 試験配置:床置き型装置(放射妨害波測定) 46 代表的な間隔 5 T EU)))) EUT ○) 1 3 7 7 6 4 4 2 EUT:供試装置 1)テーブルから水平金属大地面上に40 cm以下の高さまで垂れ下がるケーブルは、適切 な長さにケーブルを短くできない場合は、その余長を30〜40 cmの長さで前後に折り 曲げること。 2)周辺装置に接続されていないI/O信号ケーブルは、束ねられるときは中央で束ねる こと。その末端は、要求されている場合、的確な動作を行うために、正しい終端イン ピーダンスで終端すること。 3)電源接続ボックスは、水平金属大地面に、表面を揃え、ボンディングすること。 注−擬似電源回路網(AMN)を用いる場合、水平金属大地面の下に取り付けること。 4)EUT及びケーブルは水平金属大地面から絶縁すること。 5)キーボード、マウス等の手で操作する器具のケーブルは、通常の使用される位置に配 置すること。 6)床置き型装置へ接続されるI/O信号ケーブルは、水平金属大地面上にはわし、適切 な長さに短くするか、余長を束ねること。大地面に這わすことのないケーブルは、コ ネクター位置又は40 cmのいずれか低い方の高さ以上に通すこと。 7)電源及び信号ケーブルは、床にはわすこと。電源接続のために延長コードを使用しな いこと。 図12 試験配置:床置き及び卓上型装置(放射妨害波測定) 47 20cm以上 20cm以上 代表的な高さ ケーブルラック 1 1 3 電源コード 電源コード 4 4 AMN5 AMN 5 2 2 3 ターンテーブル 金属大地面 (ターンテーブル表面及び床設備) 遠隔周辺装置及び/または補助装置へのI/O信号ケーブル。 要求されている場合、適切なインピーダンスで終端することができる。 AMN: 擬似電源回路網 EUT: 供試装置 1)供試システムの代表的な使用法である場合、ただ1つの垂直ライサーが使用できる。 2)電源コードは、適切な長さに短くするか、またはその中央部分で束ねること。 3)EUT及びケーブルは、大地面から絶縁すること。マニュアルで規定している場合、またはEUT の設置において慣習的な方法が存在する場合、試験配置として、その慣習的方法を試験に使用するこ とは許容される。 4)測定される電源コードは最初のAMNに接続される。システム内のその他の全ての電源コードは他 のAMNから給電すること。複数のコンセントを持つ分岐器具を複数の電源コードの接続用に用いる ことができる。 5)伝導妨害波測定の場合、AMNは、大地面の表面に、または裏面に直にボンディングすること。 放射妨害波測定の場合、AMNを用いる場合は床下に設置し、接続箱は大地面と表面を揃えること。 6)設置方法が規定されている場合、試験配置として使用すること。 図13 試験配置:床置き型装置(架上配線:側面図) 48 ケーブルラック 1 EUT EUT 3 3 80cm 2 1 80cm 4 4 AMN AMN 5 5 AMN: 擬似電源回路網 EUT: 供試装置 1)この試験配置が供試システムの代表的なものであるとき、ただ1つの垂直ライサーが使用できる。 2)電源コードは、適切な長さに短くするか、またはその中央部分で束ねること。 3)EUT及びケーブルは、大地面から絶縁すること。マニュアルで規定している場合、またはEUT の設置において慣習的な方法が存在する場合、試験配置として、その慣習的方法を試験に使用するこ とは許容される。 4)測定される電源コードは最初のAMNに接続される。システム内のその他の全ての電源コードは他 のAMNから給電すること。複数のコンセントを持つ分岐器具を複数の電源コードの接続用に用いる ことができる。 5)伝導妨害波測定の場合、AMNは、大地面の表面に、または裏面に直にボンディングすること。 放射妨害波測定の場合、AMNを用いる場合は床下に設置し、接続箱は大地面と表面を揃えること。 6)設置方法が規定されている場合、試験配置として使用すること。 図14 試験配置:床置き型装置(架上配線:平面図) 49 付則A(規定) 代替テストサイトの正規化サイトアッテネーション測定法 代替テストサイトにおいては、その設備の天井や壁を構成する構造材または電波吸収材 か ら の 反 射 波 の 影 響 を 見 付 け る の に 、 1 回 の NSA 測 定 だ け で は 不 十 分 で あ る 。 こ の よ う なサイトでは、例えばターンテーブルを用いて、最大寸法の被測定装置あるいは被測定シ ス テ ム を そ の 中 心 の 周 り に 360° 回 転 さ せ た 軌 跡 に よ っ て 作 ら れ る 体 積 を 試験体積 と 定義する。 代 替 テ ス ト サ イ ト の 適 合 性 確 認 試 験 は 、 原 則 と し て 、表 A.1 お よ び 表 A.2 に 従 っ て 半 波 長 同 調 ダ イ ポ ー ル ア ン テ ナ を 用 い て 水 平 偏 波 お よ び 垂 直 偏 波 で NSA を 測 定 す る 。 こ の 場 合、図 A.1a)、図 A.1b)に 示 さ れ て い る 水 平 面 内 で 5 箇 所 ( 中 央 、 お よ び 中 央 か ら 測 定 ア ン テ ナ を 結 ぶ 直 線 に 関 し て 前 後 左 右 )、 2 種 類 の 偏 波 ( 水 平 お よ び 垂 直 )、 1 種 類 の 高 さ ( 水 平 偏 波 に 関 し て 2m、 垂 直 偏 波 に 関 し て 2.75m) で 行 う 必 要 が あ る 。 な お 、 こ の 測 定 に 使 用 す る 相 互 イ ン ピ ー ダ ン ス 補 正 係 数 Δ AF T O T を 、 ア ン テ ナ 較 正 時 の ア ン テ ナ 高 に 対 応 し て 表 A.3〜 表 A.5 に 示 す 。 た だ し 、 代 替 テ ス ト サ イ トの 大 き さ の 制 約 か ら 、80MHz 以 下 の 周 波 数 帯 に お い て 半 波 長 同 調 ダ イ ポ ー ル ア ン テ ナ を 使 用 で き な い 場 合 は 、 表 A.6 に 従 っ て 80MHz 同 調 ダ イ ポ ー ル ア ン テ ナ ( 固 定 長 ) を 使 用 し て 、 水 平 偏 波 お よ び 垂 直 偏 波 で NSA を 測 定 す る 。 こ の 場 合 は 、 図 A.1a)お よ び 図 A.1b)に 示 す よ う に 、 最 大 で 20 回 の 独 立 し た サ イ ト ア ッ テ ネ ー シ ョン測定、すなわち、水平面内で 5 箇所(中央、および中央から測定アンテナを結ぶ直線 に 関 し て 前 後 左 右 )、 2 種 類 の 偏 波 ( 水 平 お よ び 垂 直 )、 2 種 類 の 高 さ ( 水 平 偏 波 に 関 し て 1m 及 び 2m、 垂 直 偏 波 に 関 し て 1m 及 び 1 .5m) で 行 う 必 要 が あ る 。 な お 、 こ の 測 定 に 適 用 す る 相 互 イ ン ピ ー ダ ン ス 補 正 係 数 Δ AF T O T を 、 ア ン テ ナ 較 正 時 の ア ン テ ナ 高 に 対 応 し て 表 A.7 お よ び 表 A.8 に 示 す 。 80MHz 同調ダイポールアンテナ(固定長)の特性は、周波数が 80MHz よ り 低 く な れ ば な る ほ ど 、 ア ン テ ナ エ レ メ ン ト 長 に よ っ て 大 き く 変 化 す る 。 従 っ て 、NSA 測 定 時 お よ び ア ンテナ較正時にエレメント長が変化しないように、十分注意すること。また、このアンテ ナは同軸ケーブルとの整合状態も余り良くないため、測定結果の再現性が低下しやすい。 従って、アンテナのバランに 整 合 用 減 衰 器 が 内 蔵 さ れ て い な い 場 合 は 、 ア ン テ ナ に 6dB 以 上の減衰器を接続し、減衰器を付加した状態で一個のアンテナとして取り扱い、較正を行 うこと。 送信および受信アンテナは、アンテナ素子を互いに平行に、かつ測定軸と直交させて並 べること。 垂直偏波に関しては、中心以外の送信アンテナの水平面内位置は、試験体積の境界上で ある。水平偏波に関しては、左右の位置での測定において、横壁の構造物または吸収体と 50 供 試 装 置 の 境 界 と の 距 離 が 1m 以 下 で あ れ ば 、 ア ン テ ナ の 中 心 を 中 央 へ 移 動 さ せ 、 ア ン テ ナ の 先 端 が 試 験 体 積 の 境 界 上 か 、 あ る い は 試 験 体 積 直 径 の 10%以 上 境 界 か ら 離 れ な い 位 置 とする。前後の位置は、試験体積の境界上とする。 な お 、 80MHz 同 調 ダ イ ポ ー ル ア ン テ ナ ( 固 定 長 ) を 用 い て 周 波 数 30MHz か ら 80MHz の範囲で測定を行う場合、下記の条件を満たすならば、測定回数を減らしてもよい。 (a) 試 験 体 積 の 後 部 境 界 か ら 構 造 物 ま た は 吸 収 材 の 最 も 近 い 点 ま で の 距 離 が 1m よ り 大 きい場合は、後部位置での垂直および水平偏波の測定を省略できる。 放射源が誘電体の境界近くに置かれると電流分布が変化するため、その場所におけ る放射源の放射特性に影響が出ることが知られている。供試装置がその境界近くに置 かれる場合、追加のサイトアッテネーション測定が必要である。 (b) 左 右 の 位 置 を つ な ぐ 試 験 体 積 の 直 径 に 沿 っ て 行 う 水 平 偏 波 の 測 定 回 数 は 、 ア ン テ ナ の 投 影 が 直 径 の 90% を 覆 う の に 充 分 な 数 ま で 減 ら す こ と が で き る 。 (c) 80MHz 同 調 ダ イ ポ ー ル ア ン テ ナ ( 固 定 長 ) を 用 い る 測 定 で は 、 供 試 装 置 の 最 上 部 の 高 さ が 、 テ ー ブ ル を 含 ん で 1.5m を 越 え な け れ ば 、 送 信 高 1.5m の 高 さ に お け る 垂 直 偏波の測定は省略しても良い。 (d) テ ー ブ ル を 使 用 す る 場 合 は 、 そ れ も 含 め た 試 験 体 積 が 、 奥 行 き 1m×幅 1.5m×高 さ 1.5m 以 内 で あ れ ば 、 水 平 偏 波 測 定 は 、 中 心 、 前 方 、 後 方 の 位 置 で の み 行 う こ と と す る 。 上 記 の 項 目 ( a)を 適 用 す る 場 合 、 後 部 位 置 は 省 略 で き る 。 こ の 場 合 、 最 小 の 8 箇 所 で の 測 定 で よ い 。 す な わ ち 図 A.2a)お よ び 図 A.2b)に 示 す よ う に 、 垂 直 偏 波 で は 1 つの高さで位置(左、中心、右、前方)の4配置で、水平偏波の測定では、2 つの 高さで位置(中心と前方)の4配置で測定する。 NSA の 測 定 に 当 た っ て は 、 送 信 ア ン テ ナ と 受 信 ア ン テ ナ の 距 離 を 表 A.1 お よ び 表 A.2 若 し く は 表 A.6 に従って離すこと。図 A.1 お よ び 図 A.2 に 示 す よ う に 、 受 信 ア ン テ ナ は 規 定の距離を維持しながら、ターンテーブル中心線に沿って動かさなければならない。 51 表 A.1 正 規 化 サ イ ト ア ッ テ ネ ー シ ョ ン (A N ) (半波長同調ダイポールアンテナを用いる場合に適用) 偏波面 水平偏波 測定距離:R 送 信 ア ン テ ナ 高 : h1 受 信 ア ン テ ナ 高 ; h2 3m 2m 10m 2m 1m〜 4m 周波数 AN fm (dB) (MHz) 30 11.0 24.1 35 8.8 21.6 40 7.0 19.4 45 5.5 17.5 50 4.2 15.9 60 2.2 13.1 70 0.6 10.9 80 -0.7 9.2 90 -1.8 7.8 100 -2.8 6.7 120 -4.4 5.0 140 -5.8 3.5 160 -6.7 2.3 180 -7.2 1.2 200 -8.4 0.3 250 -10.6 -1.7 300 -12.3 -3.3 400 -14.9 -5.8 500 -16.7 -7.6 600 -18.3 -9.3 700 -19.7 -10.6 800 -20.8 -11.8 900 -21.8 -12.9 1000 -22.7 -13.8 注) 本表の測定に適用する相互インピーダンス補正係数 Δ AF TOT は 表 A.3〜 A.5を 参 照 。 52 表 A.2 正 規 化 サ イ ト ア ッ テ ネ ー シ ョ ン (A N ) (半波長同調ダイポールアンテナを用いる場合に適用) 偏波面 垂直偏波 測定距離:R 3m 10m 送信アンテナ 2.75m 2.75m 高 : h1 周波数 受信アンテナ 受信アンテナ AN AN fm 高 : h2 高 : h2 (dB) (dB) (MHz) (m) (m) 30 2.75〜 4 12.4 2.75〜 4 18.8 35 2.39〜 4 11.3 2.39〜 4 17.4 40 2.13〜 4 10.4 2.13〜 4 16.2 45 1.92〜 4 9.5 1.92〜 4 15.1 50 1.75〜 4 8.4 1.75〜 4 14.2 60 1.50〜 4 6.3 1.50〜 4 12.6 70 1.32〜 4 4.4 1.32〜 4 11.3 80 1.19〜 4 2.8 1.19〜 4 10.2 90 1.08〜 4 1.5 1.08〜 4 9.2 100 1〜 4 0.6 1〜 4 8.4 120 1〜 4 -0.7 1〜 4 7.5 140 1〜 4 -1.5 1〜 4 5.5 160 1〜 4 -3.1 1〜 4 3.9 180 1〜 4 -4.5 1〜 4 2.7 200 1〜 4 -5.4 1〜 4 1.6 250 1〜 4 -7.0 1〜 4 -0.6 300 1〜 4 -8.9 1〜 4 -2.3 400 1〜 4 -11.4 1〜 4 -4.9 500 1〜 4 -13.4 1〜 4 -6.9 600 1〜 4 -14.9 1〜 4 -8.4 700 1〜 4 -16.3 1〜 4 -9.7 800 1〜 4 -17.4 1〜 4 -10.9 900 1〜 4 -18.5 1〜 4 -12.0 1000 1〜 4 -19.4 1〜 4 -13.0 注 ) 受 信 ア ン テ ナ 高 h2 の 下 限 値 は 周 波 数 に よ っ て 異 な る が 、 こ れ は 、 ア ン テ ナ の 下 端 が 大 地 面 か ら 25cm以 上 離 れ る よ う に す る た め で あ る 。 本 表 の 測 定 に 適 用 す る 相 互 イ ン ピ ー ダ ン ス 補 正 係 数 Δ AF TOT は 、 表 A.3 〜 A.5を 参 照 。 53 表 A.3 同調ダイポールアンテナを用いた正規化サイトアッテネーション測定 に 使 用 す る 相 互 イ ン ピ ー ダ ン ス 補 正 係 数 (Δ AF TOT ) 測定距離:R (自由空間におけるアンテナ係数を用いる場合) 3m 10m 偏波面 水平偏波 垂直偏波 水平偏波 垂直偏波 送信アンテナ 2m 2.75m 2m 2.75m 高 : h1 受信アンテナ 1〜 4m 高 : h2 周波数 補正係数 fm Δ AF TOT (MHz) (dB) 30 3.9 3.4 1.8 2.6 35 4.1 2.5 1.5 1.5 40 3.6 1.6 0.8 1.3 45 2.8 1.1 0.7 1.0 50 2.2 0.9 1.0 0.6 60 0.7 1.4 1.5 0.8 70 -0.7 1.5 0.8 1.0 80 -1.1 1.3 -1.1 0.9 90 -0.8 1.0 -1.4 0.9 100 -0.7 0.7 -1.1 0.7 120 -0.1 0.1 0.2 0.1 140 0.3 0.4 0.0 0.6 160 -1.2 0.6 -0.9 0.4 180 -0.9 0.4 -0.6 0.4 200 0.3 0.4 0.0 0.4 250 -0.2 0.5 -0.7 0.3 300 0.2 0.3 -0.4 0.3 注 ) 垂 直 偏 波 の 測 定 で は 、 受 信 ア ン テ ナ の 下 端 を 大 地 面 か ら 25cm以 上 離 す こ と。 54 表 A.4 同調ダイポールアンテナを用いた正規化サイトアッテネーション測定 に 使 用 す る 相 互 イ ン ピ ー ダ ン ス 補 正 係 数 (Δ AF TOT ) ( 地 上 高 2mに お け る ア ン テ ナ 係 数 を 用 い る 場 合 ) 測定距離:R 3m 10m 偏波面 水平偏波 垂直偏波 水平偏波 垂直偏波 送信アンテナ 2m 2.75m 2m 2.75m 高 : h1 受信アンテナ 1〜 4m 高 : h2 周波数 補正係数 fm Δ AF TOT (MHz) (dB) 30 4.0 3.5 1.8 2.6 35 2.7 1.1 0.1 0.2 40 1.3 -0.7 -1.6 -1.0 45 0.0 -1.8 -2.1 -1.9 50 -0.8 -2.1 -2.0 -2.4 60 -1.5 -0.9 -0.8 -1.5 70 -1.3 0.9 0.2 0.4 80 0.2 2.5 0.2 2.2 90 1.3 3.1 0.7 2.9 100 0.7 2.0 0.3 2.1 120 -1.2 -1.0 -0.9 -0.9 140 -0.5 -0.4 -0.8 -0.3 160 -0.3 1.5 0.1 1.3 180 -0.4 0.9 -0.1 0.9 200 -0.5 -0.4 -0.8 -0.5 250 0.4 1.1 -0.1 0.9 300 0.3 0.4 -0.4 0.3 注 ) 垂 直 偏 波 の 測 定 で は 、 受 信 ア ン テ ナ の 下 端 を 大 地 面 か ら 25cm以 上 離すこと。 55 表 A.5 同調ダイポールアンテナを用いた正規化サイトアッテネーション測定 に 使 用 す る 相 互 イ ン ピ ー ダ ン ス 補 正 係 数 (Δ AF TOT ) ( 地 上 高 3mに お け る ア ン テ ナ 係 数 を 用 い る 場 合 ) 測定距離:R 3m 10m 偏波面 水平偏波 垂直偏波 水平偏波 垂直偏波 送信アンテナ 2m 2.75m 2m 2.75m 高 : h1 受信アンテナ 1〜 4m 高 : h2 周波数 補正係数 fm Δ AF TOT (MHz) (dB) 30 1.0 0.5 -1.1 -0.3 35 1.1 -0.5 -1.5 -1.4 40 1.3 -0.6 -1.5 -0.9 45 1.7 0.0 -0.4 -0.1 50 2.6 1.3 1.4 1.0 60 2.8 3.4 3.6 2.9 70 0.1 2.2 1.5 1.7 80 -2.1 0.2 -2.1 -0.1 90 -2.0 -0.2 -2.6 -0.3 100 -0.6 0.8 -1.0 0.8 120 0.4 0.6 0.7 0.6 140 -0.5 -0.3 -0.8 -0.2 160 -0.5 1.3 -0.1 1.2 180 -1.4 0.0 -1.1 0.0 200 0.3 0.5 0.0 0.4 250 -0.2 0.5 -0.7 0.3 300 0.2 0.4 -0.4 0.3 注 ) 垂 直 偏 波 の 測 定 で は 、 受 信 ア ン テ ナ の 下 端 を 大 地 面 か ら 25cm以 上 離すこと。 56 表 A.6 正 規 化 サ イ ト ア ッ テ ネ ー シ ョ ン (A N ) ( 80MHz同 調 ダ イ ポ ー ル ア ン テ ナ ( 固 定 長 ) を 用 い る 場 合 に 適 用 ) 測定距離:R 3m 10m 偏波面 送信アンテナ 高 : h1 受信アンテナ 高 : h2 周波数 fm (MHz) 30 水平偏波 1m 2m 垂直偏波 1m 水平偏波 1.5m 1m 垂直偏波 2m 1m 1.5m 24.1 16.7 16.9 1m〜 4m AN (dB) 15.8 11.0 8.2 9.3 29.8 35 13.4 8.8 6.9 8.0 27.1 21.6 15.4 15.6 40 11.3 7.0 5.8 7.0 24.9 19.4 14.2 14.4 45 9.4 5.5 4.9 6.1 22.9 17.5 13.2 13.4 50 7.8 4.2 4.0 5.4 21.1 15.9 12.3 12.5 60 5.0 2.2 2.6 4.1 18.0 13.1 10.7 11.0 70 2.8 0.6 1.5 3.2 15.5 10.9 9.4 9.7 80 0.9 -0.7 0.6 2.6 13.3 9.2 8.3 8.6 注 ) 本 表 の 測 定 に 適 用 す る 相 互 イ ン ピ ー ダ ン ス 補 正 係 数 Δ AF TOT は 表 A.7お よ び 表 A.8を 用いること。 57 表 A.7 80MHz同 調 ダ イ ポ ー ル ア ン テ ナ ( 固 定 長 ) を 用 い た 正 規 化 サ イ ト ア ッ テ ネ ー シ ョ ン 測 定 に 使 用 す る 相 互 イ ン ピ ー ダ ン ス 補 正 係 数 (Δ AF TOT ) 測定距離:R 偏波面 送信アンテナ 高 : h1 受信アンテナ 高 : h2 周波数 fm (MHz) 30 35 40 45 50 60 70 80 ( 地 上 高 2mに お け る ア ン テ ナ 係 数 を 用 い る 場 合 ) 3m 10m 水平偏波 垂直偏波 水平偏波 垂直偏波 1m 2m 1m 1.5m 1m 2m 1m 1.5m 0.4 0.3 0.2 0.1 -0.2 -0.4 -0.2 0.2 -0.6 -0.7 -0.8 -0.9 -1.0 -1.2 -0.1 3.0 -0.3 -0.4 -0.4 -0.5 -0.5 -0.7 -0.3 1.8 1〜 4m 1.7 0.6 0.6 0.9 0.4 -0.9 -2.1 2.3 表 A.8 1.1 1.4 1.1 0.8 0.8 0.5 -0.3 0.2 補正係数 Δ AF TOT (dB) -0.1 0.3 -0.3 0.3 -0.5 0.1 -0.7 -0.2 -0.8 -0.5 -0.9 -1.4 -0.8 -1.5 2.1 2.2 0.2 -0.1 -0.4 -0.7 -0.7 -0.8 0.0 4.1 80MHz同 調 ダ イ ポ ー ル ア ン テ ナ ( 固 定 長 ) を 用 い た 正 規 化 サ イ ト ア ッ テ ネ ー シ ョ ン 測 定 に 使 用 す る 相 互 イ ン ピ ー ダ ン ス 補 正 係 数 (Δ AF TOT ) 測定距離:R 偏波面 送信アンテナ 高 : h1 受信アンテナ 高 : h2 周波数 fm (MHz) 30 35 40 45 50 60 70 80 ( 地 上 高 3mに お け る ア ン テ ナ 係 数 を 用 い る 場 合 ) 3m 10m 水平偏波 垂直偏波 水平偏波 1m 2m 1m 1.5m 1m 垂直偏波 2m 1m 0.4 0.3 0.2 0.1 -0.2 0.4 2.1 -2.1 -0.6 -0.7 -0.8 -0.9 -1.0 -0.4 2.2 0.5 1.5m 1〜 4m 1.7 0.6 0.6 0.9 0.4 -0.1 0.2 -0.3 1.1 1.4 1.1 0.8 0.8 1.3 1.9 -2.1 補正係数 Δ AF TOT (dB) -0.1 0.3 -0.3 0.3 -0.5 0.1 -0.7 -0.2 -0.8 -0.5 -0.1 -0.6 1.5 0.8 -0.4 -0.3 0.2 -0.1 -0.4 -0.7 -0.7 0.0 2.2 1.6 58 -0.3 -0.4 -0.4 -0.5 -0.5 0.1 2.0 -0.7 4m 高さ1mから4mまで走査 p p h2 1m p 一定距離Rを保持 するようにアンテナを 再配置すること p h1 R p =供試機器を360°回転した時の外周 h 1 =1mおよび1.5m h 2=1mから4m R =送信アンテナ中心と受信アンテナ中心 それぞれの垂直投影間の距離 図A.1 a) 代替テストサイトでの NSA 測定のための代表的なアンテナ配置 (垂直偏波) 4m 高さ1mから4mまで走査 p p h2 1m p p 一定距離Rを保持 するようにアンテナを 再配置すること h1 R p =供試機器を360°回転した時の外周 h 1 =1mおよび2m h 2 =1mから4m R =送信アンテナ中心と受信アンテナ中心 それぞれの垂直投影間の距離 図A.1 b) 代替テストサイトでの NSA 測定のための代表的なアンテナ配置 (水平偏波) 59 4m 1.5m 高さ1mから4mまで走査 0.75m h2 1m h 1 =1m 一定距離Rを保持 するようにアンテナを 再配置すること 0.75m R 0.75m h 1 =1m h 2 =1mから4m R =送信アンテナ中心と受信アンテナ中心 それぞれの垂直投影間の距離 図A.2 a) 代替テストサイトでの NSA 測定のための代表的なアンテナ配置 EUT の大きさが 1m(奥行き)×1.5m(幅)×1.5m(高さ)以内で、その外周が望まし くない反射を生じさせうる最も近い物体から 1m 以上離れている場合(垂直偏波) 4m 高さ1mから4mまで走査 h1 = 2m h2 h1 = 1m 1m 一定距離Rを保持 するようにアンテナを 再配置すること 0.75m R 0.75m h 1 =1mおよび2m h 2 =1mから4m R =送信アンテナ中心と受信アンテナ中心 それぞれの垂直投影間の距離 図A.2 b) 代替テストサイトでの NSA 測定のための代表的なアンテナ配置 EUT の大きさが 1m(奥行き)×1.5m(幅)×1.5m(高さ)以内で、その外周が望ましく ない反射を生じさせうる最も近い物体から 1m 以上離れている場合(水平偏波) 60 付則B (規定) 尖頭値測定の判定ツリー 周 波 数 :150kHz〜 30MHz ま で の 電 源 ポ ー ト 及 び 通 信 ポ ー ト の 伝 導 妨 害 波 測 定 の 測 定 時 間 を 節 約 す る た め に 尖 頭 値 測 定 用 受 信 機 を 用 い る 場 合 、 合 否 判 定 は 図 B.1 に 示 す 判 定 ツ リーを用いて実施すること。 測定周波数に連れて自動的に変わるRFプリセレクタ付きのスペクトラムアナライザを 用いる場合は、十分に長い掃引時間をかけ、増幅器の飽和エラーを生じないように行うこ と。 さ ら に 、 測 定 結 果 に 影 響 し な い よ う に 、 ス ペ ク ト ラ ム ア ナ ラ イ ザ の ビ デ オ 帯 域 幅 (VBW) は 、 分 解 能 帯 域 幅 (RBW) に 等 し い か 広 く し て お く こ と 。 61 尖頭値測定(PK) Yes PK<AVG 許容値? No Yes No PK<QP 許容値? 準尖頭値測定(QP) Yes Yes QP<AVG 許容値? QP<QP 許容値? No No 平均値測定(AVG) Yes AVG<AVG 許容値? No 不合格 合 格 PK 尖頭値 QP 準尖頭値 AVG 平均値 図B.1 尖頭値測定の判定ツリー 62 付則C (規定) コモンモード妨害波測定のための可能な試験配置 C.1 コモンモード妨害波測定のための試験配置 こ れ ら の 試 験 方 法 お よ び 試 験 配 置 は 、 9.5.2 項 で 規 定 す る ISN が 適 用 で き な い 場 合 に 用 いる。 ・ C.1.1 項 は 適 切 な 結 合 減 結 合 回 路 (CDN)ま た は ISN が 存 在 す る 場 合 に 適 用 す る こ と ができる。 ・ C.1.2 項 は あ ら ゆ る タ イ プ の シ ー ル ド ケ ー ブ ル に 適 用 す る こ と が で き る 。 ・ C.1.3 項 ま た は C.1.4 項 は 、 2 対 以 上 の 平 衡 対 を 含 む シ ー ル ド の な い ケ ー ブ ル の よ う に、他の方法が使用できない場合に適用すること。 C.1.1 JIS C 1000-4-6 に 記 載 さ れ て い る CDN を 用 い る 方 法 ・ CDN ま た は ISN を 直 接 、 基 準 大 地 面 に 接 続 す る 。 ・ 電 圧 測 定 を 行 う 場 合 は 、 CDN ま た は ISN に お い て ( CDN ま た は ISN に 依 存 す る 適 切な補正を行って)電圧を測定し、電圧許容値と比較する。電流測定の場合は、 CDN ま た は ISN の 測 定 端 子 に 50Ω の 負 荷 を 接 続 す る こ と 。 ・電流測定を行う場合は、電流プローブで電流を測定し、電流許容値と比較する。 ・ CDN ま た は ISN を 用 い た 測 定 の 場 合 は 、 電 圧 許 容 値 と 電 流 許 容 値 の 両 者 を 適 用 す る必要はない。 EUT 電流プローブ AE (使用する場合) CDN/ISN 40cm 1) 2) 10 cm 長さを制限しない 80 cm AE: 補 助 装 置 EUT: 供 試 装 置 1)垂直または水平基準金属面までの距離 2)基準金属面までの距離は厳密でなくてよい。 図 C.1 JIS C 1000-4-6 に 記 載 さ れ て い る CDN を 用 い る 方 法 63 C.1.2 150Ω 負 荷 を シ ー ル ド の 外 側 表 面 に 接 続 す る 方 法 ( 設 置 場 所 で の CDN ま た は ISN) ・ 絶 縁 外 被 を 破 り 150Ω の 抵 抗 を シ ー ル ド の 外 側 表 面 と 大 地 面 の 間 に 接 続 す る 。 ・ フ ェ ラ イ ト チ ュ ー ブ ま た は ク ラ ン プ を 、 接 続 し た 150Ω と AE と の 間 に 装 着 す る 。 ・ 電 流 プ ロ ー ブ で 電 流 を 測 定 し 、 電 流 許 容 値 と 比 較 す る 。 150Ω の 抵 抗 か ら 右 側 ( AE 側)をみたコモンモードインピーダンスは、測定に影響を与えないように十分大きい こと。 EUT か ら の 妨 害 波 周 波 数 の 測 定 に 影 響 を 与 え な い よ う に 、 こ の イ ン ピ ー ダ ン ス は 150Ω よ り 十 分 に 大 き い 必 要 が あ り 、 こ の イ ン ピ ー ダ ン ス の 測 定 は C.2 項 の 方 法 を 使 用すること。 ・ 150Ω の 抵 抗 に 高 イ ン ピ ー ダ ン ス の プ ロ ー ブ を 並 列 接 続 す る こ と に よ り 、 ま た は JIS C 1000-4-6 に 記 載 さ れ て い る 「 50Ω / 150Ω の ア ダ プ タ 」 を 150Ω 負 荷 と し て 使 用 し 適 切 な 補 正 ( 50Ω / 150Ω の ア ダ プ タ の 場 合 は 9.5dB) を 行 う こ と に よ り 、 電 圧 測 定 を行うことも可能である。 シールド面に接続 EUT 電流プローブ AE 10 cm フェライト 40cm 1) 2) 150Ω 30 か ら 80 cm 10 cm 長さを制限しない AE: 補 助 装 置 EUT: 供 試 装 置 1)垂直または水平基準金属面までの距離 2)基準金属面までの距離は厳密でなくてよい。 図 C.2 150Ω 負 荷 を シ ー ル ド の 外 側 表 面 に 接 続 す る 方 法 ( 設 置 場 所 で の CDN ま た は ISN) 64 C.1.3 電流プローブと容量性電圧プローブの組合せによる方法 ・電流プローブで電流を測定する。 ・ 容 量 性 電 圧 プ ロ ー ブ で 電 圧 を 測 定 す る 。 ( 容 量 性 電 圧 プ ロ ー ブ の 長 さ は 50cm 以 上 、 イ ン ピ ー ダ ン ス は 1MΩ 以 上 で あ る こ と ) ・測定された電圧を電圧許容値と比較する。 ・測定された電流を電流許容値と比較する。 ・ EUT は 電 圧 許 容 値 と 電 流 許 容 値 の 両 者 を 満 足 す る こ と 。 容量性電圧プロービング EUT 電流プローブ AE フェライト (任意) 40cm 1) 2) 30 か ら 80 cm AE: 補 助 装 置 長さを制限しない EUT: 供 試 装 置 1)垂直または水平基準金属面までの距離 2)基準金属面までの距離は厳密でなくてよい。 図 C.3 電流プローブと容量性電圧プローブの組合せによる方法 65 C.1.4 シ ー ル ド と 大 地 面 と の 接 続 が な く ISN も な い 方 法 ・フェライト材を使用する。 ・ 初 期 測 定 に お い て EUT か ら の 妨 害 波 周 波 数 を 決 定 す る 。 ・ EUT か ら の 妨 害 波 周 波 数 に つ い て C.2 項 に 示 し た 手 順 を 用 い て 、 ケ ー ブ ル 、 フ ェ ラ イ ト お よ び AE( で 構 成 さ れ る 系 ) の コ モ ン モ ー ド イ ン ピ ー ダ ン ス を 記 録 す る 。 こ の コ モ ン モ ー ド イ ン ピ ー ダ ン ス は 150Ω ±20Ω で あ る こ と 。 校 正 を 行 っ た 時 の フ ェ ラ イ トの装着位置を記録しておき、適合のための測定を実施する際はその位置に装着する こと。 注 ) 150Ω ±20Ω を 実 現 す る た め に は 、 異 な る 周 波 数 に 対 し て 異 な る タ イ プ の フ ェ ライトが要求されるかもしれない。 ・ 電 流 プ ロ ー ブ で 電 流 を 測 定 す る 。 図 に お け る 第 2 番 目 の プ ロ ー ブ は 、 C.2 項 に 示 し た校正を行う際に用いる注入プローブである。このプローブは、コモンモードイン ピーダンスを確認する時に使用するものであって、適合のための測定を実施する際は 使用しないこと。 ・測定された電流を電流許容値と比較する。 妨害波の測定 注入プローブ 測定プローブ AE EUT フェライト 2) 40cm インピーダンスの測定(C.2 項 参 照 ) 長さを制限しない 10 か ら 80 cm AE: 補 助 装 置 EUT: 供 試 装 置 1)垂直または水平基準金属面までの距離 2)基準金属面までの距離は厳密でなくてよい。 図 C.4 シ ー ル ド と 大 地 面 と の 接 続 が な く ISN も な い 方 法 66 C.2 ケ ー ブ ル 、 フ ェ ラ イ ト お よ び AE( で 構 成 さ れ る 系 ) の コ モ ン モ ー ド イ ン ピ ー ダ ン スの測定 ・ 注 入 プ ロ ー ブ お よ び 測 定 プ ロ ー ブ を 50Ω の シ ス テ ム ( 図 C.5 参 照 ) で 校 正 す る 。 注 入 電 圧 ( V 1 ) を 発 振 器 か ら 注 入 プ ロ ー ブ に 入 力 し 、 測 定 プ ロ ー ブ の 電 流 ( I1 ) を 記録する。 ・ケーブルをEUTから外し、外したケーブルをEUTの端で大地面に短絡する(図 C.5 参 照 ) 。 ・ 同 一 の 注 入 プ ロ ー ブ を 用 い て 注 入 電 圧 ( V1 ) を ケ ー ブ ル に 印 加 す る 。 ・ 同 一 の 測 定 プ ロ ー ブ を 用 い て 電 流 を 測 定 し 、 測 定 さ れ た 電 流 値 ( I2 ) と 、 最 初 に 測 定 し た 電 流 値 ( I1 ) と を 比 較 す る こ と に よ り 、 ケ ー ブ ル 、 フ ェ ラ イ ト お よ び A E ( で 構成される系)のコモンモードインピーダンスを計算する。(コモンモードインピー ダ ン ス は 、 50×I 1 / I 2 ) 例 え ば 、 I 2 が I 1 の 半 分 で あ る と す る と 、 コ モ ン モ ー ド イ ン ピ ー ダ ン ス は 100Ω で あ る 。 50 Ω − V+ I 注 入 プ ロ ー ブ 測 定 プ ロ ー ブ 電 流 プ ロ ー ブ I 1 V1 信 号 発 生 器 受 信 器 ネットワークアナライザ 図 C.5 67 校正方法 付則D (情報) 擬似通信回路網 (ISN) の構成図 2×38 mH EUT L1 a1 a1′ a2 a2 ′ C1 4.7μF R 200Ω AE C2 4.7μF R 200Ω 2×38 mH L2 測定用受信機 (50Ω) AE = 補助装置 EUT = 供試装置 図D .1 シールドのない平衡1対線用のISN 68 EUT L1= 5× 1.4 mH L2= 4× 1.4 mH AE a1 a1 ′ a2 a2 ′ b1 b1 ′ b2 b2 ′ C 89 Ω R2 C C C C= 0.47μ F 27 Ω L3, L4 = 2×3.1mH R3 R1 測定用受信機 (50 Ω) L3 L4 AE = 補助装置 EUT = 供試装置 警告:このISNは、低周波帯(DC〜10kHz)に大きな挿入損失があるので、 EUTによっては通常動作を確保できない場合が発生する。 図D.2 シールドのない平衡2対線用の高い平衡度を有するISN 69 T(5 ×1.5mH) a1 85pF 120pF 4.7nF 470nF a2 a1′ L(12mH) a2′ 150 pF b1 85pF 120pF 4.7nF 470nF b1′ L(12mH) b2′ b2 150 pF 100Ω 測定用受信機( 50Ω) AE= 補助装置 EUT= 供試装置 警告 :このISNは、低周波帯(DC〜10kHz)に大きな挿入損失があるので、 EUTによっては通常動作を確保できない場合が発生する。 図 D.3 シールドのない平衡2対線用のISN 70 T2 AE EUT Ca コモンモードチョ ークコイル コモンモードチョークコイル Ra Rb Rc Ca= 33nF Ra= 576Ω 測定用受信機 測定用受信機 (50Ω) Rb= 6Ω Rc= 44Ω AE = 補助装置 EUT = 供試装置 注) このI SNは、平衡2対線専用のI SNである。また、 注)この ISN は、平衡2対線専用の ISN である。また、 電圧変換係数( 9.5.2項の(1)e)参照) はー34dBである。 電圧変換係数(9.5.2項の(1)e)参照)は−34dB である。 図D.4 シールドのない平衡2対線用の ISN 71 付則E (情報) 通信ポートにおける信号のパラメータ E.1 概要 本規格では、ディファレンシャル電流または電圧信号レベルに対する許容値は定めない。 しかしながら、通信ポートのディファレンシャルモードの最大信号レベルは、仮に希望 信号がグランドに対するコモンモードインピーダンス上で、許容することができない妨害 波として現れないようにするのであれば、通信ポートおよびケーブル、またはこれらが接 続 す る こ と を 意 図 し て い る ネ ッ ト ワ ー ク の 電 気 的 な 平 衡 ま た は 対 地 不 平 衡 減 衰 量 (LCL) ( E.3項 の [1]、 [2]参 照 ) に 依 存 し 、 か つ 制 限 さ れ る 。 信 号 ポ ー ト 、 ケ ー ブ ル ま た は ネ ッ ト ワ ー ク の LCLに よ っ て は 、 こ れ ら の 端 子 、 ケ ー ブ ル 、 またはネットワーク上のディファレンシャル信号の一部が、本規格で許容値を定めたコモ ン モ ー ド 妨 害 波 に 変 換 さ れ る ( E.3項 の [3]、 [4]、 [5]参 照 ) 。 コ モ ン モ ー ド 妨 害 波 ( こ の 環境ではこれが放射妨害波の原因となるので、アンテナモード妨害波とも呼ばれる)は、 全ての種類の無線信号を受けて起こる障害を最小限とするのであれば、限定されなければ ならない。平衡な信号ポートまたは、例えば撚った銅の対線のような伝達媒体で生成され るコモンモード妨害波は、これらのポートや伝達媒体の全体がシールドされているかどう かにかかわらず、コントロールされ制限されなければならない。シールドされた媒体を使 用する場合、シールドコネクタ内だけでなくシールド自体の欠陥によって発生する重大な 電気的不連続性により、シールド環境内で生成されシールド外に現れるコモンモード妨害 波となるであろう。 多 く の ネ ッ ト ワ ー ク で 想 定 さ れ る 平 衡 性 お よ び LCLの 最 悪 値 は 、 ネ ッ ト ワ ー ク が 望 む 信 号の伝送特性と漏話特性に依存し、本規格で考えているるコモンモード妨害波のコント ロールについては必ずしも注意を払う必要はない。 通信ネットワークの物理レイヤー仕様により、許容できない電磁妨害波が偶発的に発生 しないようにするために、ネットワーク規格を検討する初期の段階で、いくつかのクリ テ ィ カ ル な パ ラ メ ー タ に 対 し て は 電 磁 両 立 性 (EMC)を 考 慮 し た 仕 様 を 考 え る こ と が 不 可 欠 である。 撚 り 対 線 を 用 い た 通 信 ネ ッ ト ワ ー ク の EMCを 達 成 す る た め に 考 慮 す べ き 最 も 重 要 な パ ラメータを以下に示す。 ・希望線間またはディファレンシャルモード電気信号の規定レベル ・ 希 望 デ ィ フ ァ レ ン シ ャ ル 信 号 用 に 規 定 さ れ た ラ イ ン コ ー ド ( AMI、 CMI、 NRZ等 の 伝送符号形式)のスペクトル特性 ・希望ディファレンシャル信号のプロトコルのデザイン 72 ・(システムの)設置場所において、希望電気信号が伝送される物理的な銅の媒体に予 測 さ れ る 電 気 的 平 衡 度 、 ま た は LCL ・ 物 理 的 媒 体 に 接 続 す る ユ ニ ッ ト の 通 信 ポ ー ト の 電 気 的 平 衡 度 、 ま た は LCL ・希望ディファレンシャル信号が伝送される物理的媒体に予測されるディファレンシャ ルモードおよびコモンモードインピーダンス ・(物理的媒体に接続する)ユニットの希望ディファレンシャル信号が現われる通信 ポートに対して規定された、ディファレンシャルモードおよびコモンモードインピー ダンス ・シールドした媒体が使われる場合は、コネクタおよびシールドに期待されるシールド 効果 結果として生じたコモンモード妨害波レベルに対する希望ディファレンシャル信号の絶 対レベルの影響を精査する必要はない。非線形がない場合は、通信端子や物理的媒体の電 気的不平衡に起因するディファレンシャルモードからコモンモードへの変換によって生じ たコモンモード妨害波のレベルは、希望ディファレンシャル信号のレベルに正比例する。 希望ディファレンシャル信号に規定されたスペクトル特性およびプロトコルも、物理的 媒体に現れるコモンモード妨害波のレベルに大きな影響を与える。 データ速度が与えられた場合、信号の持つパワーを広い周波数範囲に広がるよう設計さ れたラインコーディングを使用するディファレンシャル信号は、信号の持つパワーを狭い 周波数範囲内に集中するよう設計されたラインコーディングを使用する場合よりも、許容 できないコモンモード妨害波を発生させる可能性が低い。 信号のプロトコルの選定はディファレンシ ャル信号のスペクトル特性に大きな影響を 与える。はじめと終わりを示すデリミッター(区分信号)、フレーミングおよび同期 ビットパターン、トークンのビットパターン、そして最終的にはアクセスコントロール プロトコルが、通信ネットワークの様々な作動状態(高トラフィック時、低トラフィッ ク時、アイドル時)で、ディファレンシャル信号の持つパワーを狭い周波数範囲にどれ くらい集中するかに大きな影響を与える。 ネットワーク上のディファレンシャル信号から生成されるコモンモード妨害波のレベ ルを最小限にするのであれば、周期性の高い波形 が長時間持続して発生することを避け る必要がある。 E.2 コ モ ン モ ー ド 妨 害 波 レ ベ ル の 評 価 重要な電気パラメータとスペクトルパラメータとの関係がわかれば、希望ディファレン シャル信号の、ディファレンシャルモードからコモンモードへの変換により発生するコモ ンモードレベルの評価を行うことができる。特に、ディファレンシャル信号から変換され たコモンモード妨害波がコモンモード妨害波許容値を越えない場合は、ディファレンシャ 73 ル信号の最高許容レベルの評価を行うことができる。 LAN内 で 互 い に 接 続 さ れ て い る 2つ の 項 目 、 例 え ば 、 特 性 イ ン ピ ー ダ ン ス で 終 端 し た シ ー ル ド の な い 平 衡 な 撚 り 対 線 に 接 続 さ れ る 平 衡 な 通 信 ポ ー ト 、 を 考 え る 。 2項 目 の 組 み 合 わ せ の 電 気 的 不 平 衡 は 、 最 悪 ( 最 低 ) LCLを 生 じ る 項 目 の 電 気 的 不 平 衡 に 左 右 さ れ る と 仮 定 す る 。 そ の ( 最 悪 LCLを 有 す る ) 項 目 の LCLに 起 因 し た 、 デ ィ フ ァ レ ン シ ャ ル モ ー ド からコモンモードへの変換により発生するコモンモード妨害波のおおよその強さは、以下 のように求められる。 Z +Z I cm dBµ A ≈ U T dBµV – LCL dB – 20log 10 2 Z 0. cm ct Z0+ 4 Zcm (E.1) デ ィ フ ァ レ ン シ ャ ル 信 号 電 圧 U T に よ っ て 発 生 す る コ モ ン モ ー ド 電 流 I cm を 求 め る 時 、 お よび U cm dB µ V ≈ U T dB µV 2 Z 0 Z cm +Z ct – LCL dB – 20log 10 . Z cm Z 0 + 4 Z cm (E.2) デ ィ フ ァ レ ン シ ャ ル 信 号 電 圧 U T に よ っ て 発 生 す る コ モ ン モ ー ド 電 圧 U cm を 求 め る と き 、 ここで、 Z cm は 、 最 悪 ( 最 低 ) の LCLを も っ た 項 目 に よ り 与 え ら れ る コ モ ン モ ー ド イ ン ピ ー ダ ンス。 Z ct は 、 よ り 高 い LCLの あ る 項 目 に よ り 与 え ら れ る コ モ ン モ ー ド イ ン ピ ー ダ ン ス 。 Zoは 、 通 信 ポ ー ト で の 線 間 ま た は デ ィ フ ァ レ ン シ ャ ル モ ー ド イ ン ピ ー ダ ン ス 。 上 記 の 式 は 、 E.3項 の [6] で 詳 し く 説 明 し た 関 係 か ら 引 き 出 さ れ 、 組 み 合 わ せ た 両 方 の 項 目 が 線 間 ま た は デ ィ フ ァ レ ン シ ャ ル イ ン ピ ー ダ ン ス Zoを 与 え る こ と を 想 定 し て い る 。 等式内のコモンモード妨害波レベルをコモンモード妨害波許容値と等しくすることによ り、許容できる最大の線間またはディファレンシャル信号レベルを求めることができる。 上記の等式を使用する場合、コモンモード妨害波許容値は定められた帯域幅(例えば 9kHz) で 規 定 さ れ た 検 波 機 能 ( 準 尖 頭 値 あ る い は 平 均 値 ) に よ っ て 測 定 さ れ る 量 で あ る こ と に 注 意 す る 必 要 が あ る 。 そ れ ゆ え 、 与 え ら れ た LCLに お い て 上 記 の 方 法 で 評 価 さ れ る 許容可能な最大ディファレンシャル信号レベルは、同一の検波機能で測定された場合に同 一の帯域幅内に発生することが許されるものである。 74 E.3 参照文献 [1] ITU-T Recommendation G.117: 1996, Transmission aspects of unbalance about earth. [2] ITU-T Recommendation O.9: 1988, Measuring arrangements to assess the degree of unbalance about earth. [3] Danffel, H.R. and Ryser, H., “ Problem on the ISDN subscriber S and U interface, “ ISSLS 86, pp.145-149, 1986 [4] Davies, W.S., Macfarlane,I.P. and Ben-Meir, D., “ Potential EMI from ISDN basic access systems,” Electronic Letters, Vol.24, No.9, pp.533-534, April 1988 [5] Kuwabara, N., Amemiya, F. and Ideguchi, T., “ Interference field emission due to unbalance in telecommunication lines,” IEEE Int. Symp. on EMC, Nagoya, pp.487-492, Sept. 1989 [6] van Maurik, R.M., “ Potential Common Mode Currents on the ISDN S and T-interface Caused by Cable Unbalance,” IEE Eighth International Conference on EMC, Edinburgh, 21-24 September, 1992, IEE Conference Publication No, 362, pp.202-206 [7] Haas,Lee & Christensen, Ken, LAN Traffic Conditions for EMI Compliance Testing, IBM Corporation, Research Triangle Park, NC. 75 国際規格(CISPR22第3版)と答申案との比較 (1/6) No. 項番 1 タイトル 国 際 規 格 総論 2 (まえがき)国際規格の意義、規格 の審議経過、付則の適用などを記 載。 総論 (序)無線周波数範囲、許容値の規 定/適用を記載。 引用規格 引用している国際規格番号(IEC 60083等)を記載。 3 3 2 4 3.1 情報技術 ITU/RRの適用を受ける無線装置、お 装置 よび他のIEC/CISPR規格の適用を受 ( 適 用 除 ける装置には適用しない。 外規定) 5 3.6 通信ポー システム内インタフェースケーブル ト に対する適用/不適用が明確にされ ていない。 6 5.1 電源ポー トの伝導 妨害波電 圧の許容 値 答 申(CISPR 22国内規格) 変更理由 国際規格に準拠し、附則の適用について、まえがきではなく、 規格体裁上の変更、および国内規格として 規格冒頭に記載。 必要な事項のみ記載。 国際規格と同じ内容であるが、序としてではなく、規格の冒頭 に記載。 引用規格に整合する国内規格がある場合はその規格番号(JIS C 8030等)を、整合する規格がない場合は国際規格(CISPR 11 等)を記載。 次の適用除外を追加した。 ・国内法令に規格化されている装置および機器。 また、適用除外の例として次の内容を追記し明確にした。 ・情報技術機能が二次的な動作となっている装 置(例えば工業用プラント制御装置)。 ・電気通信事業者が管理する建物内でのみ使用 される電気通信施設用物品。 次の文章を追加。 ・システム内構成装置を相互に接続するためのインタフェース ケーブルの接続を意図したポートを除く(例えば RS232C、 USB等)。 規格体裁上の変更。 国内に整合する規格がある場合には、その 規格を使用する必要があるため。また、国 内規格としての利便性をはかった。 国内における実情に合わせるとともに、適 用除外内容を明確にし、規格適用における 問題の発生を少なくするために、文章を追 加した。 参考資料1 システム内インタフェースについては、 ケーブル長や配線エリアが限定されること から、通信ケーブルとして規格を適用する 必要がないことから、対象外であることを 明記した。 周波数150〜526.5kHzの許容値につい 周波数150〜526.5kHzについては以下の暫定運用による緩和措置 我が国の電気方式/接地工事の状況から周 て、適用の緩和措置はない。 を表1の注2)および表2の注3)に追加した。 波数150〜526.5kHz帯の許容値の適用には (暫 定 運 用) 技術的対応期間が必要であり、暫定的な許 ・1999年3月31日までに初めて製造された新規設計の装置:許容 容値と実施時期の延期を追加した。 値は適用しない・ また、起点期日について、答申日は一般に ・1999年4月1日以降、2001年3月31日までに初めて製造される新 分かり難いこと、答申を入手できる期日と 規設計の装置:許容値+10dB。 異なることから3月31日/4月1日とすること ・2001年4月1日以降、初めて製造される新規設計の装置:許容値 に決定し、前回答申からは3月24日が4月1日 通り。 に変更になった。、他に変更はない。 なお、今後同様な期日を規定する場合にも3 月31日/4月1日を起点期日とすることが確認 された。 国際規格(CISPR22第3版)と答申案との比較 (2/6) 4 No. 項番 タイトル 7 5.2 通信ポー 適用の緩和措置はない。 トの伝導 コモン モード妨 害波の許 容値 8 8.1 9 8.1 供試装置 ( EUT )配置、 第 2 文 節、第 2 文。 供試装置 ( EUT )配置、 第 8 文 節、第 2 文。 10 9.1 11 9.2 12 9.3 国 際 規 格 追加ケーブルの数量は、さらにケー ブルを追加した場合、許容値に対す るマージンをある適切な量(例えば 2dB)だけ減じないような数に限定さ れること。 実際に使用される追加ボード又はプ ラグイン・カードの数量は、さらに ボード又はプラグイン・カードを追 加することで許容値へのマージンが 大きく(例えば2dB)減少することが 無い枚数に限定されるべきである。 測定用受 国際規格CISP16-1を引用。 信機 擬似電源 国際規格CISP16-1を引用。 回路網 大地面 卓上型装置に対して水平基準大地面 を使用する規定は放射妨害波測定用 テストサイトにおける代替法となっ ている。 答 申(CISPR 22国内規格) 変更理由 通信ポートにおける許容値の適用について以下の暫定運用による 製品適用への技術的対応期間確保のた 緩和措置を表3の注3)および表4の注4)に追加した。 め、および、測定法の不明確さ、ISNの (暫 定 運 用) 入手困難さ、諸外国の適用の状況などか ・2003年3月31日までに初めて製造される新規設計の装置:許容 ら3年間適用を延期することとした。 なお、起点期日について、答申日は一般 値は適用しない。 に分かり難いこと、答申を入手できる期 ・2003年4月1日以降、初めて製造される新規設計の装置:許容値 日と異なることから3月31日/4月1日とす 通り。 ることに決定した。 供試装置に接続するケーブルの本数は、ケーブルの追加による妨 CISPR 22(日本語確定訳、参照)で 害波レベルが小さくなり(例えば2dB以内)、供試装置が許容 は、本来の意味を読み取ることが難しい 値を満足すると推定できた本数までとすること。 ことから、解釈を容易とするために修正 した。 供試装置に装着するボード、プラグインカードの数量は、ボー ド、プラグインカードの追加による妨害波レベルの増分が小さく なり(例えば2dB以内)許容値を満足すると推定できた数量ま でとする。 CISPR 22(日本語確定訳、参照)で は、本来の意味を読み取ることが難しい ことから、解釈を容易とするために修正 した。 電気通信技術審議会答申:CISPR16-1国内規格から引用。 使用の便宜性から変更。内容は同じ。 電気通信技術審議会答申:CISPR16-1国内規格から引用。 使用の便宜性から変更。内容は同じ。 1.卓上型装置(EUT)は、少なくとも2m×2mの広さの水平ま 日本で普遍的に用いられている水平金属 たは垂直金属基準大地面から…に変更。 基準大地面の使用を常時可能とするた 2. 電波暗室又はオープンテストサイトで…を削除 め。
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